JP3109899U - 印刷紙の脱臭装置付き乾燥装置の運転装置 - Google Patents

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正晴 上野
俊男 松田
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Abstract

【課題】印刷紙の脱臭装置付き乾燥装置において、起動時に手待ち時間を減らして稼働率を高めるとともに熱エネルギを節約する。
【解決手段】印刷紙の乾燥装置に、印刷インキの溶剤蒸気を含む排気を浄化する脱臭装置を付設し、脱臭装置の方が乾燥装置より、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が長い脱臭装置付き乾燥装置において、運転装置は、乾燥装置と脱臭装置の運転停止について、通常停止部と脱臭装置起動予約付き停止部を設けた。通常停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する構成にした。脱臭装置起動予約付き停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する一方、計時を開始し、予め選定した脱臭装置運転停止時間Tが経過すると、乾燥装置を起動せずに脱臭装置を起動する構成にした。
【選択図】図4

Description

本考案は、印刷紙を熱風で乾燥させてその熱風を脱臭する脱臭装置付き乾燥装置の運転装置に関する。
巻取紙の印刷ラインにおいては、帯状の印刷紙は、高速オフセット印刷機を通過して印刷され、乾燥装置の熱風中を走行して加熱され、印刷インキが乾燥し、冷却装置を通過して冷却される。
乾燥装置は、印刷機と冷却装置との間に乾燥室を設けている。乾燥室は、前端壁に横長の入口を、後端壁に横長の出口を設け、入口から出口にかけて印刷紙通路を形成している。
乾燥室は、印刷紙通路に向けて熱風を吹き出すノズルを、印刷紙通路を挟んで上下に設けている。また、ノズルに熱風を供給する熱風供給路を設けている。熱風供給路は、乾燥室内の空気を加熱装置で加熱して送風機でノズルに送る。印刷紙は、印刷紙通路を通過し、ノズルから吹き出す熱風が当り、上下面に付着した印刷インキの溶剤が蒸発する。印刷インキが乾燥する。その結果、乾燥室内の空気は、印刷インキの溶剤蒸気が混入し、臭気を放つことになる。
乾燥装置は、乾燥室内の臭気を放つ空気を脱臭する脱臭装置を付設している。脱臭装置は、乾燥室内の印刷インキの溶剤蒸気を含む空気を送風機で排出して酸化触媒装置に送る。酸化触媒装置は、乾燥室からの排気と酸化触媒を加熱装置で加熱し、高温の排気を高温の酸化触媒に接触させて、溶剤蒸気を含む排気を酸化反応で浄化する。脱臭した排気は、大気に放出する。乾燥室は、内部の空気の一部が脱臭装置を経て大気に放出され、内部が負圧になって、入口と出口から外部の新鮮空気が流入する。
特開2004−330560号公報
上記のような脱臭装置付き乾燥装置は、起動操作をすると、乾燥装置においては、熱風供給路の送風機と加熱装置が作動し、ノズルから熱風が吹き出し、その熱風の温度が上昇する。ノズルから吹き出す熱風が印刷紙の印刷インキの乾燥に適した稼働温度になるには、1〜2分を要する。立上時間が1〜2分である。
一方、脱臭装置においては、起動操作をすると、送風機と酸化触媒装置の加熱装置が作動し、乾燥室からの排気が酸化触媒装置を経て大気に放出され、酸化触媒とこれに接触する排気の温度が上昇する。酸化触媒と排気が排気の脱臭に適した稼働温度になるには、15〜30分を要する。立上時間が15〜30分である。
脱臭装置は、乾燥装置に比べて、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が非常に長い。
従って、乾燥装置と脱臭装置を同時に起動するときは、乾燥装置は、起動操作後、その短い立上時間が経過しても、脱臭装置の長い立上時間が経過するまでは、使用することができない。乾燥装置は、手待ち時間が脱臭装置の長い立上時間、15〜30分ということになる。稼働率が高くならない。また、乾燥装置は、脱臭装置の立ち上がりを待っている間に熱エネルギを消費する。
そこで、脱臭装置付き乾燥装置においては、稼働率を高めるため、運転停止時間が短いときには、乾燥装置を停止する一方、脱臭装置を停止せずに低負荷運転にして待機する。ところが、脱臭装置は、待機中に低負荷運転をしており、熱エネルギを消費する。
1)乾燥装置は、乾燥室を設け、乾燥室は、入口から出口にかけて印刷紙通路を形成し、熱風を吹き出すノズルと、乾燥室内の空気を加熱装置で加熱してノズルに送る熱風供給路を設け、印刷紙は、印刷紙通路を通過し、ノズルから吹き出す熱風が当り、印刷インキの溶剤が蒸発する構成にし、
脱臭装置は、乾燥室内の印刷インキの溶剤蒸気を含む空気を酸化触媒装置に送り、酸化触媒装置は、乾燥室からの排気と酸化触媒を加熱装置で加熱し、排気を酸化触媒に接触させて、溶剤蒸気を含む排気を浄化する構成にし、
脱臭装置は、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が乾燥装置より長い印刷紙の脱臭装置付き乾燥装置において、
乾燥装置と脱臭装置の運転停止について、通常停止部と、脱臭装置起動予約付き停止部を設け、
通常停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する構成にし、
脱臭装置起動予約付き停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する一方、計時を開始し、予め選定した脱臭装置運転停止時間が経過すると、乾燥装置を起動せずに脱臭装置を起動する構成にしたことを特徴とする運転装置。
2)上記の運転装置において、
脱臭装置運転停止時間の選定は、脱臭装置起動予約付き停止部の停止操作時に行う構成にしたことを特徴とする。
通常停止部を停止操作すると、通常の通り、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する。
脱臭装置起動予約付き停止部を停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する一方、計時が開始し、予め選定した脱臭装置運転停止時間が経過すると、乾燥装置が起動せずに、脱臭装置が起動する。
作業者は、脱臭装置付き乾燥装置の運転停止時間が明らかなときには、その運転停止時間より脱臭装置の立上時間分短い時間、脱臭装置運転停止時間を選定して脱臭装置起動予約付き停止部を停止操作する。すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する。その後、予め選定した脱臭装置運転停止時間が経過すると、脱臭装置が起動する。
その後、脱臭装置の立上時間が経過する頃、即ち、停止操作後、脱臭装置付き乾燥装置の運転停止時間が経過する頃に、作業者は、乾燥装置を起動する。乾燥装置は、その短い立上時間が経過すると、使用することができる。稼働率が高くなる。また、熱エネルギが節約される。
巻取紙の印刷ラインにおいては、帯状の印刷紙は、高速オフセット印刷機を通過して印刷され、脱臭装置付き乾燥装置の熱風中を走行して加熱され、紙面の印刷インキが乾燥し、冷却装置を通過して冷却される。
乾燥装置Dは、印刷機と冷却装置との間に乾燥室1を設けている。乾燥室1は、図1に示すように、箱形であり、前端壁に横長の入口2を、後端壁に横長の出口3を設け、入口2から出口3にかけて印刷紙通路4を形成している。帯状の印刷紙aは、乾燥室1の入口2、印刷紙通路4と出口3を順次通過する。
細長い乾燥室1は、入口2側の第1区域5と出口3側の第2区域6とに分けている。第1区域5と第2区域6は、それぞれ、印刷紙通路4に向けて熱風を吹き出すノズル7を印刷紙通路4の上下に設けている。また、乾燥室1内の空気を加熱してノズル7に供給する熱風供給路8、9を設けている。熱風供給路8、9は、送風機8の吸込口を第1区域5、第2区域6内に開放し、送風機8の吐出口を加熱装置9の入口に接続し、加熱装置9の出口を上下のノズル7に接続している。加熱装置9は、気体燃料のような流体燃料を燃焼するバーナ装置である。
この乾燥装置Dは、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が1〜2分である。帯状の印刷紙aは、印刷紙通路4を通過し、第1区域5と第2区域6の上下のノズル7から吹き出す熱風が上下面に当り、上下面に付着した印刷インキの溶剤が蒸発する。紙面の印刷インキが乾燥する。その結果、乾燥室1内の空気は、印刷インキの溶剤蒸気が混入し、臭気を放つことになる。
乾燥装置Dは、乾燥室1内の臭気を放つ空気を脱臭する脱臭装置Pを付設している。脱臭装置Pは、図1に示すように、送風機11の吸込口に乾燥室1の第2区域6を接続し、送風機11の吐出口を熱交換器12の受熱通路を経て酸化触媒装置13、14の入口に接続し、酸化触媒装置13、14の出口を熱交換器12の放熱通路を経て大気に開放している。酸化触媒装置13、14は、浄化室に加熱装置13と酸化触媒14を設けている。加熱装置13は、気体燃料のような流体燃料を燃焼するバーナ装置である。酸化触媒14は、酸化反応を促進する金属の触媒をセラミックの担体に付着している。
この脱臭装置Pは、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が15〜30分である。乾燥室1内の臭気を放つ空気は、送風機11で排出されて酸化触媒装置13、14に送られる。酸化触媒装置13、14は、乾燥室1からの排気と酸化触媒14を加熱装置13で加熱し、高温の排気を高温の酸化触媒14に接触させて、溶剤蒸気を含む排気を酸化反応で浄化する。脱臭された浄化排気は、大気に放出される。乾燥室1は、内部の空気の一部が脱臭装置Dを経て大気に放出され、内部が負圧になって、入口2と出口3から外部の新鮮空気が流入する。
脱臭装置P付き乾燥装置Dの立上時間は、乾燥装置Dが1〜2分で、脱臭装置Pが15〜30分であるので、脱臭装置Pの方が乾燥装置Dより非常に長い。
乾燥装置Dと脱臭装置Pは、図2に示すように、それぞれ、運転装置21、22に接続している。運転装置21、22は、制御部21に操作部22を接続している。操作部22は、指を触れて操作するタッチパネル式である。
運転装置21、22は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの起動について、通常起動部と個別起動部を設けている。通常起動部は、一つの起動操作で乾燥装置Dと脱臭装置Pの両者を起動する。個別起動部は、乾燥装置用の起動操作で乾燥装置Dを起動し、脱臭装置用の起動操作で脱臭装置Pを起動する。
また、運転装置21、22は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転停止について、通常停止部と、個別停止部、及び、脱臭装置起動予約付き停止部を設けている。通常停止部は、一つの停止操作で乾燥装置Dと脱臭装置Pの両者の運転を停止する。個別停止部は、乾燥装置用の停止操作で乾燥装置Dの運転を停止し、脱臭装置用の停止操作で脱臭装置Pの運転を停止する。脱臭装置起動予約付き停止部は、一つの停止操作で乾燥装置Dと脱臭装置Pの両者の運転を停止し、その後、操作時に選定した時間、即ち、脱臭装置Pの運転停止時間が経過すると、脱臭装置Pを起動する。
操作部22は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転停止用のタッチパネル画面を備えている。このタッチパネル画面は、図3に示すように、左側に通常停止部の操作部31を、右側に脱臭装置起動予約付き停止部の操作部32を設けている。
通常停止部の操作部31は、「通常停止」と書かれたボタン、接触操作部を設けている。この「通常停止」のボタンを指で押して停止操作すると、通常停止部は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転を停止する。通常通り、それだけである。
脱臭装置起動予約付き停止部の操作部32は、脱臭装置Pの運転停止時間、脱臭装置Pを停止してから再び起動するまでの時間を選定する、「30分後起動」「45分後」「60分後」「90分後」「120分後」と書かれた複数のボタン、接触操作部を設けている。例えば、「30分後起動」のボタンを指で押して停止操作すると、脱臭装置起動予約付き停止部は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転を停止する一方、タイマが計時を開始し、30分が経過すると、脱臭装置Pを起動する。乾燥装置Dは起動しない。「45分後」のボタンを停止操作すると、脱臭装置起動予約付き停止部は、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転を停止する一方、タイマが計時を開始し、45分が経過すると、乾燥装置Dを起動せずに脱臭装置Pを起動する。脱臭装置P付き乾燥装置Dの運転停止操作と脱臭装置Pの運転停止から起動までの時間の選定は、1つの操作で同時に行う。
脱臭装置起動予約付き停止部は、操作部32のいずれかのボタン、接触操作部を選択して停止操作すると、乾燥装置Dと脱臭装置Pの運転を停止する一方、タイマが計時を開始し、接触操作部の選択によって予め選定した時間、脱臭装置Pの運転停止時間が経過すると、乾燥装置Dを起動せずに脱臭装置Pを起動する。
作業者は、脱臭装置P付き乾燥装置Dの運転を停止する際に運転停止時間が明らかなときには、その運転停止時間の経過時点、即ち、運転停止後の運転再開時点より脱臭装置Pの立上時間分早く脱臭装置Pを起動するため、乾燥装置Dの運転停止時間より脱臭装置Pの立上時間分短い時間、即ち、脱臭装置Pの運転停止時間を選定して脱臭装置起動予約付き停止部の操作部32を停止操作する。
例えば、脱臭装置P付き乾燥装置Dの運転停止時間が60分で、脱臭装置Pの立上時間tが15分であるときは、脱臭装置Pの運転停止から起動までの時間T、脱臭装置Pの運転停止時間Tが(60分−15分=)45分であるので、脱臭装置起動予約付き停止部の操作部32中の「45分後」のボタンを選定してそのボタンを指で押して停止操作する。
すると、図4に示すように、乾燥装置Dと脱臭装置Pが運転を停止する一方、タイマが計時を開始し、予め選定した時間T、脱臭装置Pの運転停止時間Tの45分が経過すると、脱臭装置Pが起動する。その後、脱臭装置Pの立上時間tの15分が経過する頃、即ち、停止操作後、脱臭装置P付き乾燥装置Dの運転停止時間の60分が経過する頃に、作業者は、乾燥装置Dを起動する。乾燥装置Dは、その短い立上時間、1〜2分が経過すると、使用可能になる。乾燥装置Dの立上時間が経過した頃には、脱臭装置Pも、その立上時間が経過しており、使用可能になっている。脱臭装置P付き乾燥装置Dは、その運転停止時間、60分の経過後、長い手待ち時間を置かずに直に稼働することができる。稼働率が高くなる。
[変形例]
1)上記の実施形態においては、脱臭装置Pの運転停止時間Tの選定は、「30分後起動」のボタン、「45分後」のボタン、「60分後」のボタン、「90分後」のボタンと「120分後」のボタンから1つのボタンを選択してデジタル式に行うが、時間設定用ダイヤルの連続回転で任意の時間を設定してアナログ式に行う構成にする。
2)上記の実施形態においては、脱臭装置Pの運転停止時間Tの選定は、脱臭装置起動予約付き停止部の停止操作時に同時に行うが、その停止操作時よりも前の運転途中に行う構成にする。
本考案の実施形態における運転装置を備えた印刷紙の脱臭装置付き乾燥装置の概略図。 同脱臭装置付き乾燥装置のブロック線図。 同運転装置の操作部の運転停止用タッチパネル画面の図。 同運転装置の脱臭装置起動予約付き停止部を操作した際の運転、停止状態を示す線図。
符号の説明
D 乾燥装置
a 帯状印刷紙
1 乾燥室
2 乾燥室の入口
3 乾燥室の出口
4 乾燥室の印刷紙通路
5 乾燥室の第1区域
6 乾燥室の第2区域
7 ノズル
8、9 熱風供給路
8 送風機
9 加熱装置
P 脱臭装置
11 送風機
12 熱交換器
13、14 酸化触媒装置
13 加熱装置
14 酸化触媒
21、22 運転装置
21 制御部
22 タッチパネル式操作部
31 通常停止部の操作部
32 脱臭装置起動予約付き停止部の操作部
t 脱臭装置の立上時間
T 脱臭装置の運転停止から起動までの時間、脱臭装置の運転停止時間

Claims (2)

  1. 乾燥装置は、乾燥室を設け、乾燥室は、入口から出口にかけて印刷紙通路を形成し、熱風を吹き出すノズルと、乾燥室内の空気を加熱装置で加熱してノズルに送る熱風供給路を設け、印刷紙は、印刷紙通路を通過し、ノズルから吹き出す熱風が当り、印刷インキの溶剤が蒸発する構成にし、
    脱臭装置は、乾燥室内の印刷インキの溶剤蒸気を含む空気を酸化触媒装置に送り、酸化触媒装置は、乾燥室からの排気と酸化触媒を加熱装置で加熱し、排気を酸化触媒に接触させて、溶剤蒸気を含む排気を浄化する構成にし、
    脱臭装置は、起動操作時から稼働可能になるまでの立上時間が乾燥装置より長い印刷紙の脱臭装置付き乾燥装置において、
    乾燥装置と脱臭装置の運転停止について、通常停止部と、脱臭装置起動予約付き停止部を設け、
    通常停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する構成にし、
    脱臭装置起動予約付き停止部は、停止操作すると、乾燥装置と脱臭装置が運転を停止する一方、計時を開始し、予め選定した脱臭装置運転停止時間が経過すると、乾燥装置を起動せずに脱臭装置を起動する構成にしたことを特徴とする運転装置。
  2. 脱臭装置運転停止時間の選定は、脱臭装置起動予約付き停止部の停止操作時に行う構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の運転装置。
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