JP3783480B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、インク乾燥装置を備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の一つとして、インクジェットヘッドからインクを吐出して記録紙に文字や画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。近年、高い文字画質を得るために、乾きにくいが高い文字画質が得られるスロードライの黒インクがインクジェットプリンタのインクとして用いられている。
【0003】
スロードライの黒インクを用いる場合、インクを確実に乾燥させることが重要であり、短い時間で確実にインクを乾燥できるように高い熱エネルギーの発熱源を備えたインク乾燥装置がインクジェットプリンタに組み込まれる。
【0004】
このインク乾燥装置には、より確実にインクを乾燥すると共に、高い熱エネルギーの発熱源の使用による記録紙の焦げの発生を防ぐために、発熱源の駆動と同時に駆動するように制御されて記録紙上に空気を流通させる冷却手段が設けられている。
【0005】
ところで、近年、オフィスユースのインクジェットプリンタとしては、これまでのローエンドプリンタに比べて印字速度が数倍速いインクジェットプリンタが上市されつつある。このような高速印字のインクジェットプリンタは、印字速度が速くなる分、インク乾燥のための時間も従来に比べて数分の1と短くなる。従って、より確実にインクを乾燥させるために、発熱源の熱エネルギーを従来の数倍に上げている。
【0006】
ところで、オフィスユースでは、1台のインクジェットプリンタに例えば、パソコン等の入力装置が複数台接続され、個々の入力装置を使用するユーザが個別に印字対象の画像情報や文字情報などの印字情報をインクジェットプリンタに送って印字指令を出し、インクジェットプリンタは、この印字指令により印字情報の印字を開始する。
【0007】
したがって、オフィスユースでは、インクジェットプリンタの電源を常にオンとし、印字指令を受け取ると直ちに印字が開始できるようにインクジェットプリンタを待機させておく使用方法が一般に取られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェットプリンタの電源をオンとした状態では、インクジェットヘッドが最高速度で記録紙に印字したときの記録紙の搬送速度で完全にインクを乾燥できる温度(以下、印字温度と称す。)となるように、インク乾燥装置の乾燥領域内の温度が設定されており、スロードライインクを短時間で乾燥させる構成のインクジェットプリンタでは、設定される印字温度が高くなる。
【0009】
そのため、その分印字待機中の消費電力が大きくなり、ランニングコストが高くなる。これは、特に、省エネルギーを重視するユーザにとっては大問題である。
【0010】
ランニングコストを下げるために、印字待機中はインクジェットプリンタに通電せず、印字時のみ通電するように自動又は手動で調整することも考えられる。しかしながら、スロードライインクを短時間で乾燥させる構成のインクジェットプリンタでは、設定される印字温度が高くなるため、インクジェットプリンタに通電してから発熱源が駆動し始めて乾燥領域が印字温度に達するまでのウォームアップ時間が非常に長くなるという問題がある。
【0011】
すなわち、インクジェットプリンタに通電してから最初のプリントが開始されるまでの待ち時間が長いので、印字指示を出してから実際の印字を開始するまでの時間が長くなる。
【0012】
以上のことから、本発明は、ランニングコストを抑えつつ、印字指示を出してから実際の印字が開始するまでの時間を短くできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、印字待機中の前記乾燥領域内の温度が前記印字温度よりも低い待機温度となるように前記ヒータの発熱量と前記冷却手段の冷却量との少なくとも一方を制御する制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、印字開始信号の印加から乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うものである
【0014】
すなわち、請求項1の発明では、制御手段が印字待機中の前記乾燥領域内の温度を前記印字温度よりも低い待機温度になるように制御するため、印字温度で待機する場合に比べて待機中の消費電力を低く抑えられるので、装置のランニングコストを低くできる。
【0015】
また、前記制御手段は、乾燥領域内の温度制御を、前記ヒータの発熱量と前記冷却手段の冷却量との少なくとも一方を制御することにより行うため、前記ヒータと前記冷却手段とを個別に制御することになり、従来のようにヒータと冷却手段とを同時に駆動させる場合に比べて各段に細かく乾燥領域内の温度制御が行える。
また、一般に、印字温度は最高速度で印字を行った時に、予め定めた基準の乾燥時間内でインクが乾く温度に設定されている。そのため、請求項1の発明では、印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うことにより、印字開始時間を早めて、印字開始信号の印加から印字開始までの印字待ち時間を極力短くしている。
すなわち、乾燥領域内の温度は経過時間に応じて上昇して行くため、予め経過時間に対する乾燥領域内の温度を調べ、経過時間に対応する温度でのインクの乾燥状態に基いて印字速度を決定することにより、乾燥領域が印字温度となる前から印字を開始してもインクが未乾燥となることがなく、良好な印字を行えるので、印字開始信号の印加から印字開始までの印字待ち時間を短くできることとなる。
また、請求項2の発明は、予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、印字待機中の前記乾燥領域内の温度が前記印字温度よりも低い待機温度となるように前記ヒータの発熱量と前記冷却手段の冷却量との少なくとも一方を制御する制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、印字開始信号の印加により、乾燥領域内の温度を検出して、乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた温度以上から乾燥領域内の温度に応じた印字速度で印字を行うものである。
これにより、上記請求項1と同様に、乾燥領域が印字温度となる前から印字を開始してもインクが未乾燥となることがなく、良好な印字を行えるので、印字開始信号の印加から印字開始までの印字待ち時間を短くできることとなる。
【0016】
また、印字待機中に印字指令がない状態が続いた場合には、請求項に記載したように、時間の経過に従って前記待機温度が段階的に低くなるように制御することにより、待機中の消費電力をより効率的に抑えることができる。
【0017】
すなわち、待機温度を段階的に低くなるように設定し、前記制御手段が時間の経過に従って前記待機温度が低くなるように制御することにより、使用頻度が高い状態では乾燥領域内が高い待機温度に調整され、使用頻度が低い状態では乾燥領域内が低い待機温度に調整される。
【0018】
これにより、インク乾燥装置の使用頻度が高い状態では印字開始までの待機時間を短くできると共に、インク乾燥装置の使用頻度が低い状態では待機中の消費電力を低く抑えることができるという細かな状態の制御を行うことが可能である。
【0019】
また、請求項に記載の発明は、請求項1請求項3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、高速で印字中は前記ヒータをオンすると共に前記冷却手段を駆動し、印字待機中は前記冷却手段を駆動した状態で前記乾燥領域の温度が前記待機温度を含む所定温度範囲内の温度に維持されるようにヒータをオンオフ制御する。
【0020】
すなわち、前記冷却手段を駆動した状態でヒータをオフすると、乾燥領域内の温度は低下していく。制御手段は、前記冷却手段を駆動した状態で前記ヒータをオフしてから乾燥領域内の温度が待機温度に達し、さらに下がり始めるとヒータをオンして前記乾燥領域の温度を上げ、乾燥領域内の温度が再び待機温度に達し、さらに上がり始めるとヒータをオフして前記乾燥領域の温度を下げるというヒータの制御を行うことにより、乾燥領域内の温度が所定の変動範囲内で前記待機温度に維持されるように調整する。このようなヒータのオンオフ制御により、乾燥領域内の温度を比較的容易に所望の待機温度に保持することが出来る。
【0021】
このときのヒータオンオフの制御は、例えば、請求項のように、冷却手段駆動中の予め定めたヒータのオン時間及びオフ時間に基いてヒータをオンオフ制御したり、請求項のように、前記乾燥領域内の温度を検出する温度検出手段を設け、前記温度検出手段により検出された温度が前記所定温度範囲よりも低い場合はヒータを駆動し、前記温度検出手段により検出された温度が前記所定温度範囲よりも高い場合はヒータをオフするように行うことができる。
【0022】
請求項の場合、構成が容易であり、コストがかからないという利点があり、請求項の場合、乾燥領域内の温度を高精度に所定の変動範囲内で前記待機温度に維持できるという利点がある。
【0023】
また、本発明では印字終了後又はウォームアップ処理後に印字指令がなく、かつ、印字指令を待っている状態を印字待機中とすることができるが、例えば、インク乾燥装置が複数の入力装置に接続された印刷装置に設けられている場合等のように、ランダムに印字指示を受ける場合は、1つの印字が終了するとすぐに別の印字指令を受けたり、1つの印字が終了後比較的短い時間間隔で別の印字指令を次々に受けることがある。
【0024】
この場合、1つの印字が終了するとすぐに乾燥領域を待機温度となるように制御すると、次の印字時に印字温度とするための復帰時間がかかってしまい好ましくないので、請求項の発明では、前記制御手段は、印字指令が与えられない状態で印字待機開始から第1の所定時間が経過したときに前記ヒータのオンオフ制御を開始するように制御している。これにより、1つの印字が終了するとすぐに別の印字指令を受ける場合、直ちに印字を開始できるので効率的である。
【0025】
この場合、特に1つの印字が終了後、比較的短い時間間隔で別の印字指令を次々に受ける可能性のある場合に、乾燥領域内が待機温度になる前に印字を開始できるので効率的である。この第1の所定時間は、請求項に記載したように待機温度開始時間設定手段により調整可能にするとよい。このようにすることで、実際の使用頻度に合わせてインク乾燥装置の待機状態を適切に設定することが可能となる。
【0026】
例えば、待機時間が長くても省エネルギーを重視するユーザには所定時間を短くして待機中の消費電力を低く抑えるように設定し、省エネルギーはあまり重視せずに印字開始までの待機時間を短くしたいユーザには所定時間を長くして印字開始までの待機時間を短くするなどのように、ユーザのニーズに合わせてインク乾燥装置を設定できる。もちろん、ユーザ自身がユーザの目的(省エネルギーや印字開始までの待機時間の短縮など)に合わせて待機温度を設定するようにしてもよい。
【0027】
また、請求項に記載の発明は、請求項から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、インク乾燥装置の環境温度を検出する環境温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記ヒータのオンオフ制御において前記環境温度検出手段により検出された環境温度が低下するに従って前記ヒータのオン時間を長くする。
【0028】
すなわち、ヒータをオフしたときに、インク乾燥装置が置かれている環境の温度(環境温度)が低ければ乾燥領域内の温度は比較的速く低下するが、環境温度が高ければ、環境温度が低い場合に比較して乾燥領域内の温度は低くなりにくい。したがって、請求項の発明では、環境温度検出手段により環境温度を検出し、検出した環境温度が高ければヒータのオン時間を短めにし、環境温度が低下するにしたがってヒータのオン時間を長めに設定するように制御することにより、インク乾燥装置がどのような温度環境下に設置されていても常に乾燥領域内が設定した待機温度に保たれるようにしている。
【0029】
また、請求項10に記載の発明は、請求項から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、印字指令が与えられない状態で前記ヒータのオンオフ制御を開始してから第2所定時間が経過した後に前記ヒータのオンオフ制御を停止し、前記冷却手段を停止するように制御する。これにより、乾燥領域内の温度が使用頻度が低いときには、乾燥領域内の温度が環境温度にまで低下するため、ほとんど消費電力がかからず、大きな省エネ効果がある。
【0030】
請求項1に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、印字待機中に印字指令が与えられたときに、該印字待機中の前記ヒータのオンオフの状態、前記冷却手段の駆動状態、及び乾燥領域内の温度の組み合わせに応じて予め決定された前記ヒータのオンオフ制御設定と前記冷却手段の駆動制御設定に基き、前記ヒータと前記冷却手段とを制御して前記乾燥領域内を印字温度とする。
【0031】
すなわち、印字待機中のヒータと冷却手段の駆動状態と乾燥領域内の状態は待機の状態により異なるため、印字指令が与えられたときの印字待機状態に応じて前記ヒータと前記冷却手段とを制御することにより、乾燥領域が印字温度に達する時間を短くできるので、印字指示を出してから印字が開始できる状態となるまでに掛かる時間を短縮できる。
【0032】
例えば、乾燥領域内がヒータの停止により調整した待機温度となっている場合、直ちにヒータを駆動させる。このとき、より速く印字温度に到達させるため、一旦冷却手段を停止させ、印字温度に到達したら、冷却手段を駆動するように制御するとよい。また、前記乾燥領域内が冷却手段とヒータとの両方の停止により調整した待機温度となっている場合、直ちにヒータを駆動させる。このとき、より速く印字温度に到達させるため、冷却手段は停止した状態のままで乾燥領域内が印字温度に到達したら、冷却手段を駆動するように制御するとよい。
【0033】
このように、請求項1の発明では、印字指令が与えられたときにインク乾燥装置がどのような待機状態となっていても、印字指令が与えられたときから印字開始までの印字待ち時間を極力短くすることができる。
【0034】
さらに、請求項1の発明では、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、メンテナンス処理時には、メンテナンス処理が終了する前から前記ヒータと前記冷却手段の駆動制御を開始してメンテナンス処理の終了時に前記乾燥領域内が印字温度に達するように制御するものとしている。
【0035】
すなわち、例えば、インク乾燥装置と一体化されるインクヘッド記録装置におけるインク交換時やヘッドを変えるときに行うヘッドのクリーニング等のメンテナンス処理の終了と同時に、インク乾燥装置の乾燥領域が印字温度となるようにウォームアップのタイミングをメンテナンス処理が終了する所定時間前に設定することによって、メンテナンス処理により中断した印字処理が復帰するまでの時間を短縮することができる。
【0036】
なお、このインク乾燥装置のウォームアップのタイミング(メンテナンス処理が終了する所定時間前に)の設定は、メンテナンスシーケンス中にインク乾燥装置のウォームアップ開始のコマンドを組み込むことにより容易に行えることは言うまでない。
【0037】
また、請求項1の発明は、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、パワーオン指令により前記ヒータをオンし、前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段をさらに備えている。
【0038】
すなわち、パワーオン指令により、まず、ヒータを所定時間が経過するまで又は乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になるまで駆動しているため、このときに乾燥領域内の温度が急速に上昇する。その後、冷却手段の駆動を開始するので、乾燥領域内の温度が上昇しすぎることなく所望の印字温度とすることができる。このように制御を行うことによって、パワーオン指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で印字温度とすることができるという利点がある。
【0039】
また、請求項1の発明は、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、パワーオフ指令により前記ヒータをオフし、前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段をさらに備えている。
【0040】
すなわち、請求項1の発明では、パワーオフ指令により、まず、ヒータの駆動が停止されるので、ヒータの駆動が停止している間は冷却手段により乾燥領域内が効率的に冷却されることとなる。そして、所定時間経過後、又は乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに前記冷却手段の駆動を停止する。このような制御を行うことにより、パワーオフ指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で環境温度とすることができるという利点がある。
【0041】
また、請求項1の発明は、予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、パワーオン指令により前記ヒータをオンし、前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段、パワーオフ指令により前記ヒータをオフし、前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、印字開始信号の印加から乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うものである。
【0042】
すなわち、請求項1の発明では、パワーオン指令によりヒータをオンしてから冷却手段の駆動を開始するので、パワーオン指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で印字温度とすることができ、かつ、パワーオフ指令によりヒータをオフしてから冷却手段の駆動を停止するのでパワーオフ指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で環境温度とすることができるという利点がある。
また、印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うことにより、印字開始時間を早めて、印字開始信号の印加から印字開始までの印字待ち時間を極力短くしている。
また、請求項16の発明は、予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、パワーオン指令により前記ヒータをオンし、前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段、及びパワーオフ指令により前記ヒータをオフし、前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、印字開始信号の印加により、乾燥領域内の温度を検出して、乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた温度以上から乾燥領域内の温度に応じた印字速度で印字を行うものである。
すなわち、請求項16の発明では、パワーオン指令によりヒータをオンしてから冷却手段の駆動を開始するので、パワーオン指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で印字温度とすることができ、かつ、パワーオフ指令によりヒータをオフしてから冷却手段の駆動を停止するのでパワーオフ指令が来てからの乾燥領域内の温度を短時間で環境温度とすることができるという利点がある。
また、上記請求項15と同様に、乾燥領域が印字温度となる前から印字を開始してもインクが未乾燥となることがなく、良好な印字を行えるので、印字開始信号の印加から印字開始までの印字待ち時間を短くできることとなる。
【0043】
上記請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置におけるヒータとしては、請求項1に記載したようにハロゲンランプとするのが好ましい。ハロゲンランプは、近赤外線ランプであり、近赤外線は水に対する吸収能が紙と同じかそれよりも高いので、記録媒体よりも水に顔料を分散させたスロードライインクの方に選択的に熱エネルギーが吸収されることとなり、インクを効率的に乾燥させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置は、図1及び図2に示すように、印字データに基いて記録紙Pにインクを噴射して高速、中速又は低速で印字を行うインクジェットヘッド12と、インクジェットヘッド12によりインクが付着された記録紙Pを乾燥処理するドライヤ(インク乾燥装置)10とから構成されている。
【0050】
ドライヤ10は底面(乾燥領域)が開口した箱状のハウジング18を備えている。ハウジング18の中央部には、チャンネル状のブラケット20が設けられている。このブラケット20の内側には、側面視にして角部が切られて台形状とされたリフレクター22が配置されている。
【0051】
リフレクター22の中には、発熱体として2本のハロゲンランプ(ヒータ)24が配設されており、輻射エネルギーを発生する。このハロゲンランプ24及びリフレクター22の長さは、印字される記録紙Pの最大紙幅以上となるように構成している。
【0052】
このように、ハロゲンランプ24を複数配置し、リフレクター22により輻射熱を記録紙P側に向けることで、単一の発熱体で乾燥する場合と比較すると、輻射エネルギーが一ヶ所に集中することなく、記録紙P上のインクが均等に乾燥される。
【0053】
一方、ハウジング18の天井部からブラケット20に向かって仕切板26が垂れ下がっている。この仕切板26によって、ハウジング18の内側は吸気通路34と排気通路36に区画されている。
【0054】
吸気通路34側のハウジング18の天井部には、吸気ファン28が設けられている。この吸気ファン28が吸気ファン28の真下へ導入する外気は、ブラケット20の天井面と平行に配設された風向板30の上面に当たり、ブラケット20と風向板30の間を通過してブラケット20の上面と平行に流れる。このような外気の流れをつくることで、外気がブラケット20に直接当たってハロゲンランプ24の温度を急激に下げ、ハロゲンランプ24が破損するなどの不都合が生じるのを防止している。
【0055】
また、ブラケット20と風向板30の間を通過した外気は、ブラケット20とハウジング18の側壁との間を通過して乾燥領域内を搬送される記録紙Pの搬送方向に沿って流れる。このため、乾燥領域を通過する記録紙Pの印字面は、輻射熱と温風の双方によって短時間でムラなく乾燥される。また、ブラケット20のまわりに外気を流すことで、ハロゲンランプ24による記録紙の過熱を防止すると共に、ハロゲンランプ24の周辺の温度の上昇を抑えることができる。
【0056】
次に、乾燥領域を通過した温風は、ブラケット20とハウジング18の側壁との間を通過し、排気通路36を通じてハウジング18の長手方向の端部に設けられた排気ファン32によって外部に排気される。このため、記録紙Pの印字面に接触した湿気の多い空気が排気され、ハウジング18内の結露を防止することができる。
【0057】
一方、ドライヤ10の上流側には、印字された記録紙Pを乾燥領域に送る送りローラ16とスターホイール17が、また、下流側には、乾燥処理された記録紙Pをプリンタの外側へ排出する排出ローラ対14が設けられている。
【0058】
さらに、乾燥領域の中央部及び両端部には、それぞれ駆動用のシリコンゴムローラ38と、シリコンゴムローラ38に従動する金属製のスターホイール40とが設けられており、これらが搬送手段を構成している。
【0059】
このような構成のインクジェット記録装置は、印字温度Tpに達してから高速で印字を行う『通常印字モード』と、印字温度Tpに達さなくても印字速度を低下させて印字を行う『直ちに印字モード』とを有しており、これら2つの印字モードのうちの一方を選択して印字するように構成されている。
【0060】
また、インクジェットヘッド12による印字速度は、ドライヤ10の乾燥領域内の温度と印字速度との関係に基いて決定される。すなわち、乾燥領域内の温度が高く、充分に記録紙上のインクが乾燥できる温度のときは高速とし、乾燥領域内の温度が低くなるにしたがって印字速度が遅くなるように設定する。
【0061】
例えば、環境温度Teから待機温度Tkまでの温度範囲では、高速印字時の1/2の速度(低速)で印字し、待機温度Tkから印字温度Tpまでの温度範囲では高速印字時の3/4の速度(中速)で印字し、印字温度Tpでは、高速で印字を行うように設定することが可能である。
【0062】
本実施の形態では1例として、低速での印字速度を8枚/分、中速での印字速度を12枚/分、高速での印字速度を16枚/分としている。なお、『直ちに印字モード』では、低速から高速まで印字速度が連続して変化するようにしてもよい。
【0063】
また、ドライヤ10は、印字が終了してから次の印字指令が与えられるまでの間、乾燥領域の温度を制御する待機モードで制御される。この待機モードは、インクジェットヘッド12が最高印字速度で印字処理しても完全に乾燥領域内でインクを乾かすことのできる印字温度Tpに乾燥領域内を一定時間保持して待機している状態の『スタンバイ1』と、乾燥領域内を印字温度Tpよりは低く、環境温度Te以上の待機温度Tkに保持して待機している状態の『スタンバイ2』と、温度制御せずに乾燥領域内を環境温度Teにする『スタンバイ3(スリープモード)』との3種類のモードからなる。
【0064】
スタンバイ1は、印字指令が与えられたときに直ちに印字可能であり、頻繁に印字指令が与えられる可能性の高いときに設定しておくと有利である。スタンバイ2は待機電力を削減しつつ、印字指令が与えられたときに比較的短いウォームアップ時間で印字を開始したいときに有利である。さらに、スタンバイ3(スリープモード)は、待機電力を大きく削減して省エネルギーを図りたいときに設定しておくと有利である。
【0065】
これら待機モードの切替は、手動で行うように構成してもよいが、本第1の実施の形態では、制御部50により自動的に切り換えるように構成している。
【0066】
制御部50には、環境温度検出センサ58と外部入力部68とが接続されており、本実施の形態では、『通常印字モード』と『直ちに印字モード』との印字モードの選択は外部入力部68の操作により行えるように構成されており、制御部50は選択された印字モードに応じた制御ルーチンに基いて後述する各種制御を行う。
【0067】
また、制御部50は環境温度検出センサ58により検出された環境温度Teを取り込んで待機モードの切替制御を行っている。以下の説明では、上述した各スタンバイモードの保持時間は予め固定した値としているが、外部入力部68により変更可能であり、ユーザのニーズに合わせて自由に設定できる構成となっている。
【0068】
例えば、スタンバイ1の保持時間t1を長くすることで、省エネルギーを図りつつ、インクジェット記録ヘッドの使用頻度が高いときには、印字開始までの待ち時間を極力短くし、スタンバイ1の保持時間t1及びスタンバイ2の保持時間t2を短くすることで、より大きく待機電力を削減して省エネルギーを図ることが可能となるので、ユーザのニーズに合わせたインクジェット記録装置の待機モード設定を行える。
【0069】
なお、特に省エネルギーに気を使う場合は、t1=0及びt2=0として印字待機モードになったら直ちにスタンバイ3に移行するように設定することも可能である。
【0070】
制御部50は、図3に示すように、大別して、RAM52、ROM54、CPU56、吸気ファン駆動ドライバ60、ヒータ駆動ドライバ62、及び、ヘッド駆動ドライバ64を含み、これらがそれぞれバス70を介して接続された構成となっている。
【0071】
RAM52は、環境温度検出センサ58により検出された環境温度Te等各種の検出データ、その他各種のデータを記憶する。ROM54には、ハロゲンランプ24のオンオフ制御、吸気ファン28のオンオフ制御のための乾燥領域内の温度の環境温度Te毎の経時変化のデータ(後述のt3〜t12)、後述する待機モード切替処理のプログラム、ウォームアップ処理のプログラム及び終了処理のプログラム等が記憶されている。
【0072】
CPU56は、ROM54から呼び出されたプログラムに基いてRAM52に記憶されたデータを読み込み、ハロゲンランプ24のオンオフタイミング、吸気ファン28のオンオフタイミング、インクジェットヘッドによる印字開始タイミング及び印字速度等を決定する。
【0073】
RAM52にはバス70を介して環境温度検出センサ58により検出された環境温度Teが入力される。この環境温度検出センサ58は、CPU56からの信号出力により装置が置かれている環境の温度(環境温度Te)を検出する。
【0074】
また、吸気ファン駆動ドライバ60はバス70を介してCPU56から入力される駆動信号に基いて吸気ファン28を駆動し、ヒータ駆動ドライバ62はバス70を介してCPU56から入力される駆動信号に基いてハロゲンランプ24を駆動する。
【0075】
また、ヘッド駆動ドライバ64は、バス70を介してCPU56から入力される信号に基いてインクジェットヘッド12の印字開始タイミングと印字速度とを制御する。
【0076】
ここで、制御部50の制御ルーチンについて、図4のメインルーチンを参照しながら説明する。まず、ステップ100では、ドライヤ10の電源がオンかを判断しており、電源がオン、すなわち、パワーオン指令が入力されたと判断されると次のステップ102に移行する。
【0077】
ステップ102では、フラグ1(以下、F1と記す。)〜フラグ8(以下、F8と記す。)の全てをリセットする。
【0078】
次のステップ104では、環境温度Teを検出してステップ106に移行する。ステップ106では、R0M54から固定値であるt1及びt2、及び検出した環境温度Teに応じて決定されるt3〜t12までの値を表1のテーブルから読み込む。
【0079】
なお、本実施の形態では、t1は30秒、t2は3600秒に予め設定している。もちろん、t1とt2の値は外部入力部68の操作により変更可能である。また、t3〜t12までの値は、待機温度Tkと印字温度Tpの設定により変化する値であるが、1例として、待機温度Tkが45℃、印字温度Tpが50℃のときの値を表1に示す。
【0080】
【表1】
Figure 0003783480
【0081】
但し、t1は、スタンバイ1の保持時間、t2はスタンバイ2の保持時間で有り、それぞれ基準値として予め設定されている。
【0082】
また、t3は吸気ファン28をオフのままハロゲンランプ24をオンにしてドライヤ10を急速に加熱する時間(言い換えると、ハロゲンランプ24をオンにしてから吸気ファン28をオンにするまでの時間)であり、t10はハロゲンランプ24と吸気ファン28とを共にオンしてから印字温度Tpに達するまでの時間である。すなわち、電源をオンしてからt3、t10経過後に乾燥領域内は印字温度Tpに達する。
【0083】
t4はスタンバイ1の状態でパワーオフ信号が入ったときのハロゲンランプ24の冷却時間(言い換えると、乾燥領域内が印字温度Tpでパワーオフ信号が入ってハロゲンランプ24をオフしてから吸気ファン28をオフにするまでの時間)である。
【0084】
また、t5は、スタンバイ1からスタンバイ2に移行するときのハロゲンランプ24の冷却時間(言い換えると、ハロゲンランプ24をオフしてから後述するハロゲンランプ24のデューティ比制御を開始するまでの時間)であり、t6はスタンバイ2からスタンバイ3に移行するときの冷却時間(言い換えると、後述するハロゲンランプ24のデューティ比制御を終了してから吸気ファン28をオフにするまでの時間)である。
【0085】
t7は、スタンバイ2で行う後述するハロゲンランプ24のデューティ比制御においてハロゲンランプ24をオンにする時間であり、t8は前記デューティ比制御においてハロゲンランプ24をオフにする時間である。
【0086】
さらに、t9は、スタンバイ2の状態で印字指令が与えられたときに印字温度Tpに到達するまでの時間である。これは『通常印字モード』が選択された場合に読み込まれる。1例を表2に示す。なお、『直ちに印字モード』が選択されている場合は、表2を読み込む代わりに、表3の速度テーブルを読み込む。この速度テーブルは、スタンバイ2の状態で印字指令が与えられたときの乾燥領域内の温度に対応した印字速度である。なお、詳細は後述する。
【0087】
【表2】
Figure 0003783480
【0088】
【表3】
Figure 0003783480
【0089】
また、t11は乾燥領域が環境温度Teと待機温度Tkとの間で吸気ファン28のみがオンとなっているときに、ハロゲンランプ24をオンしてから待機温度Tkに達するまでの時間である。すなわち、t11は、そのときの温度による時間であり、ハロゲンランプ24をオフしてからの冷却時間をカウントし、このカウント値に応じて、図6のドライヤ10の乾燥領域内の温度変化から決定される時間である。
【0090】
また、t12はスタンバイ2の状態でパワーオフ信号が入ったときのハロゲンランプ24の冷却時間(言い換えると、乾燥領域内が待機温度Tkでパワーオフ信号が入ってハロゲンランプ24をオフしてから吸気ファン28をオフにするまでの時間)である。
【0091】
表1、表2より、例えば、環境温度Teが25℃の場合には、t3は7秒、t4は30秒、t5は10秒、t6は20秒、t7は10秒、t8は10秒、t9は0秒〜10秒(表2参照;後述のカウント値による)、t10は8秒、t11は0秒〜7秒(カウント値による)、t12は20秒に設定される。
【0092】
このように、ステップ106においてt1からt12の値を全て取り込むと、ステップ108に移行してウォームアップ処理を行う。このウォームアップ処理は、装置に電源を入れたとき、又は後述のスタンバイ3の状態のときのようにドライヤ10の乾燥領域の温度が環境温度Teになっているときにドライヤ10の乾燥領域の温度を印字温度Tpにまで上昇させる処理である。なお、ウォームアップ処理の詳細な制御については後述する。また、ウォームアップ処理中に印字指令が与えられれば、印字指令が与えられた時点で印字処理を実行する。
【0093】
その後、ステップ110に移行してスタンバイ時の待機モード切替処理を行う。この待機モード切替処理は、待機状態の経過時間に応じて待機モードを切り変えて、乾燥領域内の温度を調整する処理である。なお、待機モード切替処理中に印字指令が与えられれば、どの待機モードに設定されていても印字指令が与えられた時点で印字処理を実行する。この待機モード切替処理及び割り込み印字処理についても後述する。
【0094】
ステップ112では、パワーオフ信号が入ったかを判断し、パワーオフ信号が入っていない場合は、ステップ110に戻り上述の処理を繰り返す。ステップ112で、パワーオフ信号が入ったと判断されると、ステップ114に移行して終了処理を行い、本ルーチンを終了する。なお、終了処理については後述する。
【0095】
なお、ウォームアップ処理、待機モード切り換え処理、及びハロゲンランプ24のデューティ比制御処理については、選択した印字モードが『直ちに印字モード』と『通常印字モード』とで異なる。
【0096】
そのため、始めに『直ちに印字モード』を選択した場合について説明する。まず、上述した図4のステップ108のウォームアップ処理について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0097】
まず、ステップ200においてハロゲンランプ24をオンとし、ステップ202においてF1をセットし、ステップ204で印字割り込み許可を設定して、ステップ206に移行する。
【0098】
ステップ206では、t3時間が経過したかを判断する。ステップ206においてt3時間が経過したと判断されると、ステップ208に移行して吸気ファンをオンし、ステップ210にてF1をリセットし、F2をセットする。
【0099】
その後、ステップ212において、t3時間が経過するまでに印字指令により後述する割り込み印字処理が行われ、低速で印字されているか否かを判断する。
【0100】
ステップ212において、低速で印字中と判断された場合は、乾燥領域内の温度が待機温度Tkに達しているのでステップ220に移行し、ヘッド駆動ドライバ64の印字速度を中速に設定してステップ214に移行する。これによってヘッド駆動ドライバ64は印字速度を中速に切り換えて印字を継続する。また、ステップ212において、低速で印字中ではないと判断された場合、すなわち、印字中でない場合及び中速で印字中は、ステップ214に移行する。
【0101】
ステップ214では、吸気ファン28をオンにしてからt10時間経過したかを判断する。吸気ファン28をオンにしてからt10時間の経過すると乾燥領域内は印字温度Tpに達するため、ステップ214においてt10時間が経過したと判断されると、ステップ216に移行してF2をリセットし、F3をセットする。
【0102】
次のステップ218では、中速で印字中かを判断し、中速で印字中の場合は、ステップ222に移行し、ヘッド駆動ドライバ64の印字速度を高速に設定した後、本ルーチンを終了する。これによってヘッド駆動ドライバ64は印字速度を中速に切り換えて印字を継続する。また、ステップ218において、中速で印字中ではないと判断された場合、すなわち、印字中でない場合及び高速で印字中は、本ルーチンを終了する。
【0103】
図6は、印字温度Tpが50℃、環境温度Teが25℃のときの本第1の実施の形態のドライヤ10の乾燥領域内の温度変化と共に、比較例として装置に電源を入れたときにハロゲンランプ24と吸気ファン28とを同時にオンする従来例のドライヤ10の乾燥領域内の温度変化を示したものである。
【0104】
この従来例との比較より明らかなように、本第1の実施の形態では、ハロゲンランプ24と吸気ファン28とをそれぞれ独立して制御し、ハロゲンランプのオン後ファンをオンしているため、従来のウォームアップ時間(すなわち、30秒)の半分のウォームアップ時間(すなわち、15秒)で印字温度Tpに達しており、従来よりも短時間でウォームアップが終了している。
【0105】
次に、上述した図4のステップ116の待機モード切替処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0106】
まず、ステップ300では、印字終了時点又はウォームアップ終了時点かを判断する。ステップ300において印字終了時点又はウォームアップ終了時点であると判断された場合、ステップ302に移行して、いずれかの終了時点からt1時間が経過したかを判断する。この状態は、スタンバイ1の状態であり、終了時点からt1時間の経過前に印字指令が与えられたときには後述するステップ520で高速で印字を行う。これよりスタンバイ1が解除される。
【0107】
ステップ302において終了時点からt1時間が経過したと判断されると、ステップ304に移行してハロゲンランプ24をオフし、ステップ306で、セットされているフラグFiを全てリセットし、F4をセットする。これによりスタンバイ1からスタンバイ2に移行する。
【0108】
次のステップ308では、印字指令により後述する割り込み処理が行われ、中速で印字しているかを判断する。ステップ308において、中速で印字中と判断された場合は、後述するステップ514でハロゲンランプ24がオンされるためステップ328に移行し、乾燥領域内が印字温度Tpに達する所定時間経過後に高速印字に切り換える設定をヘッド駆動ドライバ64に与えた後、図4のステップ112から図7のステップ300に戻り上述の処理を繰り返す。
【0109】
ステップ308において、中速で印字中ではないと判断された場合(印字中ではない場合)は、ステップ310に移行してt5時間が経過したかを判断する。ステップ310においてt5時間が経過していないと判断された場合は、ステップ308に戻り上述の判断を繰り返す。
【0110】
ステップ310においてt5時間が経過したと判断されると、乾燥領域内の温度は印字温度Tpよりも所定温度低い温度である待機温度Tkとなるので、ステップ312に移行して、ハロゲンランプ24のデューティ比制御を開始する。
【0111】
このデューティ比制御は、乾燥領域内の温度をほぼ待機温度Tkに保持するために、予め定めた時間ごとにハロゲンランプ24のオンオフを繰り返す処理であり、検出された環境温度に応じてハロゲンランプ24のデューティ比の制御を変える、すなわち、ハロゲンランプのオン時間とオフ時間とを変えることで乾燥領域内を待機温度T1近傍に維持する処理である。
【0112】
例えば、検出された環境温度Teが15℃未満の場合は、図10(A)に示すように、ハロゲンランプ24を15秒オンにしたら5秒オフにするように制御し、検出された環境温度Teが25℃未満の場合は、図10(B)に示すように、ハロゲンランプ24を10秒オンにしたら10秒オフにするように制御し、検出された環境温度Teが28℃以上の場合は、図10(C)に示すように、ハロゲンランプ24を5秒オンにしたら15秒オフにするように制御する。なお、詳細は後述する。
【0113】
また、上述のステップ304においてハロゲンランプ24をオフしてからデューティ比制御が終了するまでがスタンバイ2の状態であり、スタンバイ1と同様に、印字指令が与えられたときにハロゲンランプ24のオン状態が継続されるのでスタンバイ2が解除されて印字処理が行われる。
【0114】
次のステップ314では、ハロゲンランプ24をオフし、ステップ316において、セットされているフラグFiを全てリセットし、F5をセットした後、ステップ318に移行する。ステップ318では、時間t6経過前に印字指令により後述する割り込み処理が行われ、低速で印字しているかを判断する。
【0115】
ステップ318において、低速で印字中と判断された場合は、後述するステップ506でハロゲンランプ24がオンされているので、ステップ330に移行し、所定時間経過後に中速、さらに所定時間経過後に高速と徐々に印字速度を切り換えて最終的には高速印字に印字速度が切り換わるようにヘッド駆動ドライバ64を設定する。すなわち、所定時間経過後の乾燥領域内が待機温度Tkに達したときには中速で印字に切り換え、その後、さらに所定時間経過後の乾燥領域内が印字温度Tpに達したときには高速での印字に切り換えるように設定する。その後、図4のステップ112から図7のステップ300に戻り上述の処理を繰り返す。
【0116】
また、ステップ318において、低速で印字中ではないと判断された場合(印字中でもない場合)は、ステップ320に移行してt6時間経過したかを判断する。ステップ320においてt6時間が経過していないと判断された場合は、ステップ318に戻り上述の判断を繰り返す。ステップ320においてt6時間経過したと判断されると、ステップ322において吸気ファン28もオフし、ステップ324において、セットされているフラグFiを全てリセットし、F6をセットした後、ステップ326に移行する。
【0117】
ステップ326では、印字指令により後述する割り込み処理が行われ、ステップ506でハロゲンランプがオンされた後ステップ502によって低速で印字されているかを判断する。ステップ326において、低速で印字中と判断された場合は、ステップ330に移行し、上記と同様に、所定時間経過後に徐々に印字速度を切り換えて最終的には高速印字に切り換える。また、ステップ326において、低速で印字中ではないと判断された場合は、図4のステップ112から図7のステップ300に戻る。
【0118】
なお、上述のステップ314において、ハロゲンランプ24をオフしてからはスタンバイ3の状態(スリープモード)であり、ドライヤ10の電源は入っているにもかかわらず、ハロゲンランプ24も吸気ファン28も停止した状態となっているため、殆ど消費電力がかからず、効果的に省エネルギーを行うことができる。もちろん、スタンバイ3の状態においても印字指令が与えられたときにハロゲンランプ24を点灯して印字処理が行われるのでスタンバイ3が解除される。
【0119】
なお、上記の待機温度切り換え時のハロゲンランプ24のオンオフ状態、吸気ファンの駆動状態、及びセットされているフラグの種類に対応して変化する乾燥領域内の温度変化は、例えば、印字温度Tpが50℃、待機温度Tkが45℃、環境温度Teが25℃の場合、図8に示すように変化する。
【0120】
ここで、ステップ312のデューティ比制御について図9を参照して説明する。まず、ステップ400ではハロゲンランプ24をオンにして、ステップ402において、セットされているフラグFiを全てリセットし、F7をセットした後、ステップ404に移行する。
【0121】
ステップ404、405では、印字指令により後述する割り込み処理が行われ、高速以外の速度で印字しているかを判断する。ステップ404、405において、高速以外で印字中と判断された場合は、ステップ418に移行し、所定時間経過後に徐々に印字速度を切り換えて最終的には高速印字に切り換える。
【0122】
すなわち、低速で印字している場合は、所定時間経過して乾燥領域内が待機温度Tkに達したときに中速で印字に切り換え、その後、さらに所定時間経過して乾燥領域内が印字温度Tpに達したときに高速で印字に切り換える。また、中速で印字している場合は、所定時間経過して乾燥領域内が印字温度Tpに達したときに高速で印字に切り換える。このような印字速度の切り換えを行なった後、図4のステップ112から図7のステップ300に戻り上述の処理を繰り返す。高速で印字中はそのまま図7のステップ300に戻る。
【0123】
ステップ404において、印字中ではないと判断された場合は、ステップ406に移行し、ハロゲンランプ24をオンしてからt7時間経過したかを判断する。
【0124】
ステップ406においてt7時間経過していないと判断されると、ステップ404に戻り上述の判断を繰り返す。また、ステップ406においてt7時間経過したと判断されると、ステップ408に移行する。
【0125】
ステップ408ではハロゲンランプ24をオフし、ステップ410において、セットされているフラグFiを全てリセットし、F8をセットした後、ステップ412、405において、高速以外の速度で印字中かを判断する。ステップ412、405において、高速以外の速度で印字中と判断された場合は、ステップ418に移行し、上述した印字速度の変更処理を行う。
【0126】
また、ステップ412において、印字中でないと判断された場合は、ステップ414に移行し、ハロゲンランプ24をオフしてからt8時間経過したかを判断する。
【0127】
ステップ414においてハロゲンランプ24をオフしてからt8時間経過していないと判断されるとステップ412に戻り上述の判断を繰り返す。また、ステップ414においてハロゲンランプ24をオフしてからt8時間経過したと判断されると、ステップ416に移行し、上述した待機モード切替処理のルーチンにおけるステップ304においてハロゲンランプ24をオフしてからt2時間が経過したかを判断する。
【0128】
ステップ416においてt2時間が経過していないと判断されると、ステップ400に戻り、上述の処理を繰り返す。また、ステップ416においてt2時間が経過したと判断されると、ステップ314に移行する。
【0129】
なお、本実施の形態では、ハロゲンランプ24のデューティ比制御において、ハロゲンランプ24のオン時間とオフ時間とを秒単位でカウントしており、ハロゲンランプ24を1回オンする時間とハロゲンランプ24を1回オフする時間とを合わせた時間を1セットとし、割り込み印字となったときに上記表2からカウント値に対応する印字速度を呼び出して印字している。
【0130】
ここで、割り込み印字処理について図11のフローチャートを参照して説明する。この割り込み印字処理は、印字指令が与えられた時に起動し、セットされているフラグの種類に応じて以下の処理を行う。
【0131】
まず、ステップ500では、F1がセットされているかを判断する。F1がセットされている場合は、ハロゲンランプ24がオンで乾燥領域内は環境温度Te以上待機温度Tk未満の温度となっている。そのため、次のステップ502において低速での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定して、本ルーチンを終了し、図4のメインルーチンに戻る。
【0132】
また、上記ステップ500においてF1がセットされていないと判断された場合、ステップ504に移行してF5又はF6がセットされているかを判断する。F5又はF6がセットされている場合は、ハロゲンランプ24がオフで乾燥領域内は環境温度Te以上待機温度Tk未満の温度となっている。そのため、次のステップ506においてハロゲンランプ24をオンにして低速での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定して、本ルーチンを終了し、図4のメインルーチンに戻る。
【0133】
上記ステップ504においてF5又はF6がセットされていないと判断された場合、ステップ508に移行してF2がセットされているかを判断する。F2がセットされている場合は、ハロゲンランプ24と吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が待機温度Tkよりも高く印字温度Tp未満の温度となっている状態である。そのため、次のステップ510では、中速での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定して、本ルーチンを終了し、図4のメインルーチンに戻る。
【0134】
ステップ508においてF2がセットされていないと判断されると、ステップ512に移行してF4がセットされているかを判断する。F4がセットされていると判断された場合は、ハロゲンランプ24がオフで、吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が待機温度Tk以上印字温度Tp未満の温度となっている。そのため、次のステップ514においてハロゲンランプ24をオンにして中速での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定して、図4のメインルーチンに戻る。
【0135】
ステップ512においてF4がセットされていないと判断されると、ステップ516に移行してF3がセットされているかを判断する。F3がセットされていると判断された場合は、ハロゲンランプ24がオンで、吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が印字温度Tpとなっている。そのため、次のステップ520において高速での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定して、図4のメインルーチンに戻る。
【0136】
ステップ516においてF3がセットされていないと判断されると、ステップ522に移行してF7がセットされているかを判断する。F7がセットされていると判断された場合は、デューティ比制御中のハロゲンランプ24がオンの状態であるので、ステップ524に移行して、検出した環境温度Teでのカウント値に応じた印字開始速度を上述の表2から読み出した速度での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定し、図4のメインルーチンに戻る。
【0137】
また、ステップ516においてF7がセットされていないと判断されると、F8がセットされていることとなる。F8がセットされている場合は、デューティ比制御中のハロゲンランプ24がオフの状態であるので、ステップ526に移行してハロゲンランプ24をオンとし、ステップ524に移行して、検出した環境温度Teでのカウント値に応じた印字開始速度を上述の表2から読み出した速度での印字をヘッド駆動ドライバ64に設定し、図4のメインルーチンに戻る。
【0138】
次に『通常印字モード』を選択した場合のウォームアップ処理、待機モード切り換え処理、及びハロゲンランプ24のデューティ比制御処理について説明する。
【0139】
まず、上述した図4のステップ108のウォームアップ処理について図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図12において図5と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0140】
図12のフローでは、図5のステップ212の低速で印字中かの判断とステップ220の中速での印字速度に設定を切り換える処理及びステップ218の中速で印字中かの判断とステップ220の高速での印字速度に設定を切り換える処理を行わずに、ステップ216でF2をリセットし、F3をセットした後、次のステップ230で、印字指令が与えられたときにセットされるフラグF0がセットされているかを判断する。
【0141】
F0がセットされていると判断された場合は、ステップ232において高速での印字処理をヘッド駆動ドライバ64に設定した後、本ルーチンを終了する。また、ステップ230において、F0がセットされていないと判断された場合は、本ルーチンを終了する。
【0142】
次に、上述した図4のステップ116の待機モード切替処理について図13のフローチャートを用いて説明する。なお、図13において図7と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0143】
図13のフローでは、図7のステップ308の中速で印字中かの判断とステップ328の印字速度に設定を切り換える処理、ステップ318及びステップ326の低速で印字中かの判断とステップ330の印字速度に設定を切り換える処理を行う代わりにF0がセットされているかを判断する。
【0144】
すなわち、ステップ306において、F4をセットした後、ステップ340でF0がセットされているかを判断する。F0がセットされていると判断された場合は、ステップ342に移行してハロゲンランプをオンにし、ステップ344で所定時間が経過したかを判断する。この所定時間は乾燥領域内が印字温度Tpとなるまでの時間であり、ステップ344で所定時間経過したと判断されるとステップ346において高速での印字処理をヘッド駆動ドライバ64に設定した後、ステップ300に戻り上述の処理を繰り返す。
【0145】
ステップ340において、F0がセットされていないと判断された場合は、ステップ310に移行して図7で説明した処理を実行する。
【0146】
また、ステップ316で、セットされているフラグFiを全てリセットし、F5をセットした後、ステップ348〜ステップ354においてステップ340〜346と同様の処理を行う。
【0147】
さらに、ステップ324で、セットされているフラグFiを全てリセットし、F6をセットした後、ステップ356に移行する。
【0148】
ステップ356では、F0がセットされているかを判断する。F0がセットされていると判断された場合は、ステップ356に移行し図5のウォームアップ処理を行う。
【0149】
ここで、ステップ図13での312のデューティ比制御について図14を参照して説明する。なお、図14において図9と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0150】
図14のフローでは、図9のステップ404、405、418の処理、ステップ412、418の処理を行う代わりにF0がセットされているかを判断する。すなわち、ステップ420、426でF0がセットされているかを判断し、ステップ420でF0がセットされていると判断された場合は、ステップ422で上記表3から読み込んだカウント値に応じた時間が経過したかを判断する。カウント値に応じた時間が経過した場合は乾燥領域内の温度が印字温度Tpに達しているのでステップ424に移行して高速での印字処理をヘッド駆動ドライバ64に設定した後、図13のステップ300に戻り上述の処理を繰り返す。
【0151】
また、ステップ426でF0がセットされていると判断された場合は、ステップ428でハロゲンランプをオンにした後、ステップ422に移行して上述と同様の処理を行う。
【0152】
このように、通常印字モードでは、割り込み印字となったときに上記表3からカウント値に対応する待機時間(そのカウント値の状態から印字温度Tpとなるまでの時間)を読出し、読み出した待機時間経過後に印字するようにしている。
【0153】
ここで、割り込み印字処理について図15のフローチャートを参照して説明する。この割り込み印字処理は、印字指令により起動し、ステップ600で、F3がセットされているかを判断する。F3がセットされている場合は、ハロゲンランプ24がオンで乾燥領域内は印字温度Tpとなっているため、次のステップ602において高速での印字処理をヘッド駆動ドライバ64に設定して、本ルーチンを終了し、図3のメインルーチンに戻る。
【0154】
また、上記ステップ600においてF3がセットされていないと判断された場合は、乾燥領域内の温度が印字温度になるまで待機するためにステップ604に移行してF0をセットし、本ルーチンを終了し、メインルーチンに戻る。
【0155】
ここで、上述した図4のステップ114の終了処理について図16のフローチャートを用いて説明する。この終了処理は、パワーオフ指令が与えられてから行う処理であり、本実施の形態では、終了処理中では割り込み印字処理は行われないようにしている。
【0156】
まず、ステップ700では、F2、F3又はF7のうちいずれかがセットされているかを判断する。F2、F3又はF7のうちいずれかがセットされていれば、ハロゲンランプ24と吸気ファン28とがオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内は待機温度Tk以上印字温度Tp以下となっているため、ステップ702においてハロゲンランプ24をオフし、次のステップ704では、ハロゲンランプ24をオフしてからt4時間経過したかを判断する。ステップ1004においてt4時間経過したと判断されると、ステップ706に移行して、吸気ファン28をオフし、本ルーチンを終了する。
【0157】
ステップ708では、F4又はF8がセットされているかを判断する。F4又はF8がセットされていれば、ハロゲンランプ24がオフで、吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が待機温度Tk以上印字温度Tp以下となっているため、ステップ704に移行して上述の処理を行う。
【0158】
つぎのステップ710ではF5がセットされているかを判断する。F5がセットされている場合は、ハロゲンランプ24がオフで、吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が環境温度Teよりも高く待機温度Tk以下となっているため、ステップ712において、t12時間経過したかを判断する。
【0159】
なお、t12時間は、乾燥領域内が待機温度Tkでパワーオフ信号が入ってハロゲンランプ24をオフしてから吸気ファン28をオフに出来る温度となるまでの時間であり、乾燥領域内が環境温度Teよりも高く待機温度Tk未満となっている状態を表すF5がセットされている場合でも、t12時間経過すれば少なくとも吸気ファン28をオフできる温度以下となることから設定している。
【0160】
ステップ712において、t12時間経過したと判断されると、ステップ706に移行して、吸気ファン28をオフし、本ルーチンを終了する。
【0161】
つぎのステップ714では、F1がセットされているかを判断する。F1がセットされている場合は、ハロゲンランプがオンで、乾燥領域内は環境温度Te以上待機温度Tk未満となっている。そのため、ステップ714においてF1がセットされていると判断されると、次のステップ716でハロゲンランプをオフして、本ルーチンを終了する。
【0162】
また、ステップ714においてF1がセットされていないと判断された場合はF6がセットされていることとなる。すなわち、F6の状態はハロゲンランプ24と吸気ファン28がオフとなった状態で、かつ、乾燥領域内は環境温度Teであるので、本ルーチンを終了する。
【0163】
図17は、環境温度Teが25℃の場合の終了処理による乾燥領域内の温度の低下状態を、乾燥領域内の温度が印字温度Tpである50℃のときと、乾燥領域内の温度が待機温度Tkである45℃のときとについてそれぞれ示したものである。図17より明らかなように、ハロゲンランプ24と吸気ファン28とをそれぞれ独立して制御しているため、従来のハロゲンランプ24と吸気ファン28とを同時にオフした場合に比較して迅速に乾燥領域内の温度が低下していることがわかる。
【0164】
このように、本第1の実施の形態のインクジェット記録装置は、印字モードが『直ちに印字モード』の場合は、印字指令がきたときのフラグの状態に合わせてドライヤ10とインクジェットヘッド12とを制御し、フラグの状態に合わせた印字速度にインクジェットヘッド12の印字速度を設定し、また、『通常印字モード』の場合は、印字指令がきたときのフラグの状態に合わせた印字待機時間待機して乾燥領域内を印字温度Tpとしてからインクジェットヘッド12により高速で印字する構成となっている。
【0165】
『直ちに印字モード』は、ドライヤ10の乾燥領域内の温度が印字温度Tpに達する前から印字を行うため、印字指示を与えてから始めの1枚目(ファーストプリント)の印字が開始されるまでの時間(以下、F−POTと称す)を短縮できるので、特に、F−POTが長くなり易い大型のインクジェット記録装置に有利である。
【0166】
また、『通常印字モード』では、従来よりも短い時間でドライヤ10の乾燥領域内の温度が印字温度Tpに達するので、従来よりF−POTが短く、より迅速なプリントを行えるという利点がある。
【0167】
また、終了処理もフラグの状態に合わせてドライヤ10とインクジェットヘッド12とを制御し、フラグの状態に合わせた終了処理を行っているので、乾燥領域内の温度を迅速に環境温度Teにまで低下させることができるので、終了後にいつまでもドライヤの温度が下がらないなどの危険な状態を短くすることができ好ましい。
【0168】
なお、インクジェットヘッドには、ヘッド交換時やインク交換時さらに、ユーザの指示があったときなどのヘッドのクリーニング時を行うクリーニング処理があり、本第1の実施の形態では、このクリーニング処理のシーケンスを制御部50のRAM52に記憶し、バス70を介してヘッド駆動ドライバ64を制御している。
【0169】
本第1の実施の形態でのクリーニング処理のシーケンスには、シーケンスの終了するt3+t10時間前に、ウォームアップ処理開始のコマンドが組み込まれており、シーケンスの終了と同時に上述したウォームアップ処理が終了してドライヤ10が印字温度Tpとなる構成としている。
【0170】
このように、本第1の実施の形態のインクジェット記録装置は、ドライヤ10の制御を予め調べた温度の経時変化に基いた時間により行う構成であるため、装置を構成するための部品コストがかからないという多大な利点がある。
【0171】
なお、本第1の実施の形態で述べたt1〜t12までの数値や温度などは、インクジェット記録装置の構造や寸法などにより左右されるものであり、限定的なものではない。
【0172】
なお、本第1の実施の形態では、1例として環境温度Teが25℃である場合について挙げているが、もちろん、本発明は環境温度Teが25℃の場合に限るものではなく、それぞれ検出した環境温度Teに対応するt1〜t12までの数値を読み出して同様な処理を行うことができる。
【0173】
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態の応用であり、乾燥領域内の温度変化に基いて算出した時間による制御の代わりに、例えば、図1又は図2に示したブラケット20の上面中央位置に、乾燥領域内の温度変化を検出する乾燥領域温度検出センサ66(図18参照)を備え、この温度検出センサ66による検出結果に基いてウォームアップ処理、待機モード切替処理、終了処理などの各種の処理を行うものである。なお、第2の実施の形態のインクジェット記録装置は、印字温度に達してから印字を開始する構成とする。
【0174】
第2の実施の形態のインクジェット記録装置では、図18に示すように、制御部50のバス70には、乾燥領域温度検出センサ66による検出値が入力されている。
【0175】
RAM52は、乾燥領域温度検出センサ66及び環境温度検出センサ58による検出値を一旦記憶する。CPU56は、ROM54に格納された各種プログラムを呼び出し、RAM52に一旦記憶された温度に基いて各種の制御を行う。
【0176】
第2の実施の形態の制御部50の制御ルーチンについて、図19のメインルーチンを参照しながら説明する。なお、図19において図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0177】
図19のフローでは、図4のステップ106でR0M54から固定値であるt1及びt2、及び検出した環境温度Teに応じて決定されるt3〜t12までの値を表1のテーブルから読み込む代わりに、ステップ116でR0M54から固定値であるt1及びt2を読み込む処理を行い、次のステップ108に移行し上述した処理を実行する。
【0178】
但し、t1は、スタンバイ1の保持時間、t2はスタンバイ2の保持時間で有り、それぞれ基準値として予め設定されている。なお、本第2の実施の形態でも、t1は30秒、t2は3600秒に設定しているが、t1とt2の値は外部入力部68により変更可能である。
【0179】
ここで、上述した図19のステップ108のウォームアップ処理について図20のフローチャートを用いて説明する。なお、図20において図12と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0180】
まず、図20のフローでは、図12のステップ206でt3時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ234で、検出した乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkになったかを判断する。ステップ234において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkになったと判断されると、ステップ208に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0181】
また、 図20のフローでは、図12のステップ214でt10時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ236で、検出した乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpになったかを判断する。ステップ236において乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpになったと判断されると、ステップ214に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0182】
次に、上述した図19のステップ110の待機モード切替処理について図21のフローチャートを用いて説明する。なお、図21において図13と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0183】
図21のフローでは、まず、図13のステップ310でt5時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ360で検出した乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkになったかを判断する。ステップ360において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkになったと判断されるとステップ412に移行し、また、ステップ360において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkになっていないと判断されるとステップ340に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0184】
また、図13のステップ344、352で所定時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ362、366で検出した乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpになったかを判断する。それぞれのステップ362、366において乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpになったと判断されるとそれぞれ次のステップであるステップ346、354に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0185】
さらに、図13のステップ320でt6時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ364で検出した乾燥領域内の温度T1が環境温度Teよりも10℃高い温度になったかを判断する。ステップ364において乾燥領域内の温度T1が環境温度Teよりも10℃高い温度になっていないと判断された場合は、ステップ348に戻り、以降は上述した処理を行う。
【0186】
なお、環境温度Teよりも10℃高い温度は、ドライヤ10がその温度で放置されても差ほど危険ではなく、比較的迅速に乾燥領域内の温度T1が環境温度Teとなることから決定している。もちろん、この温度は『環境温度Teよりも10℃高い温度』に限定するものではなく、ドライヤ10の大きさやハロゲンランプ24の能力などに合わせて適宜変更できる値である。
【0187】
ここで、ステップ312のデューティ比制御について図22を参照して説明する。なお、図22において図14と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0188】
図22のフローでは、まず、図14のステップ406でt7時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ430で検出した乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃高い温度になったかを判断する。ステップ430において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃高い温度になったと判断されるとステップ408に移行し、また、ステップ430において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃高い温度になっていないと判断されるとステップ420に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0189】
また、図14のステップ414でt8時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ432で検出した乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃低い温度になったかを判断する。ステップ432において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃低い温度になったと判断されるとステップ416に移行し、また、ステップ432において乾燥領域内の温度T1が待機温度Tkより2℃低い温度になっていないと判断されるとステップ426に移行し、以降は上述した処理を行う。
【0190】
さらに、図22のフローでは、図14のステップ422でカウント値に応じて読み出した時間が経過したかを判断する代わりに、ステップ434で検出した乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpなったかを判断する。ステップ434において乾燥領域内の温度T1が印字温度Tpになったと判断されるとステップ424に移行し以降は上述した処理を行う。
【0191】
なお、デューティ比制御の上限温度と下限温度は、ここでは待機温度Tk±2℃としているが、この温度に限定される値ではなくその都度適宜変更できる値である。
【0192】
ここで、上述した図19のステップ114の終了処理について図23のフローチャートを用いて説明する。なお、図23において図16と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0193】
図23のフローでは、まず、図13のステップ708でF4又はF8がセットされているかを判断する及びステップ710でF5がセットされているかを判断して、各ステップで肯定の判断がなされた場合に次のステップ704、712で各ステップに応じた時間経過したかを判断する代わりに以下の判断を行う。
【0194】
すなわち、ステップ718でF4、F5又はF8のいずれか1つがセットされているかを判断して、F4、F5又はF8のいずれか1つがセットされていれば、ステップ720に移行して検出した乾燥領域内の温度T1が環境温度Teより10℃高い温度になったかを判断する。ステップ718で、F4、F5又はF8のいずれか1つがセットされていれば、吸気ファン28がオンとなった状態で、かつ、乾燥領域内が待機温度Tk以上印字温度Tp以下となっているため、ステップ720において乾燥領域内の温度T1が環境温度Teより10℃高い温度になったと判断されると、ステップ706に移行して、上述した処理を行う。
【0195】
なお、本第2の実施の形態における割り込み印字処理は、上述の第1の実施の形態の図15で説明した『通常印字モード』での割り込み印字処理と同様であるので説明は省略する。
【0196】
また、本第2の実施の形態でも上記第1の実施の形態と同様に、インクジェットヘッドには、ヘッド交換時やインク交換時さらに、ユーザの指示があったときなどのヘッドのクリーニング時を行うクリーニングシーケンスにウォームアップ処理開始のコマンドが組み込まれており、シーケンスの終了と同時に上述したウォームアップ処理が終了してドライヤ10が印字温度Tpとなる構成としている。
【0197】
なお、第2の実施の形態では、印字モードは上述の『通常印字モード』のみを有するインクジェット記録装置について説明したが、第1の実施の形態のように『直ちに印字モード』を設け、第1の実施の形態の『直ちに印字モード』において時間の計測に対応するステップに対応する温度の検出を当て嵌め、温度センサにより検出された温度が環境温度Te以上待機温度Tk以下の温度であれば低速印字を設定し、待機温度Tk以上印字温度Tp以下の温度であれば中速印字を設定し、印字温度Tp以上の温度であれば高速印字を設定するように構成することもできる。
【0198】
例えば、乾燥領域内の温度が待機温度Tk(45℃)未満環境温度Te(25℃)よりも高い温度(Tk>T1>Te)であれば8枚/分程度、乾燥領域内の温度がTk(45℃)以上で印字温度Tpよりも低い温度(Tp>T>Tk)であれば12枚/分程度、乾燥領域内の温度が印字温度Tp以上の温度(T1=Tp)であれば16枚/分程度とするとよい。
【0199】
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態のインクジェット記録装置では、待機温度Tkを一種類(45℃)としたが、例えば、45℃(第1の待機温度Tk1)と30℃(第2の待機温度Tk2)等のように2種類以上設定して乾燥領域内の温度T1が複数段階の待機温度に保持されるように構成してもよい。この場合、始めに第1の待機温度Tk1に保持し、次に第1の待機温度Tkより低い温度である第2の待機温度Tk2に保持するように構成するとよい。
【0200】
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態のインクジェット記録装置では、ハロゲンランプを用いる場合について説明したが、もちろん、ハロゲンランプに限らず、そのたの近赤外線ヒータや、遠赤外線ヒータ及び電熱線などを用いた場合についても適用できる。
【0201】
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態のインクジェット記録装置において、パラメータとなる温度は、全て温度の絶対値又は環境温度Teとの差として設定するように構成するとよい。
【0202】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ランニングコストを抑えつつ、印字指示を出してから実際の印字が開始するまでの時間を短くできる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図2】 図1のインクジェット記録装置の概略断面図である。
【図3】 図1のインクジェット記録装置の制御部のブロック図である。
【図4】 第1の実施の形態の制御部の主軸となる作用を示すに示すフローチャートである。
【図5】 印字モードが『直ちに印字モード』に設定されている場合の図4に示したウォームアップ処理のフローチャートである。
【図6】 図5のウォームアップ処理時のドライヤの乾燥領域内の温度変化、ハロゲンランプと吸気ファンの状態、及びフラグを示すグラフである。
【図7】 印字モードが『直ちに印字モード』に設定されている場合の図4に示した待機モード切替処理のフローチャートである。
【図8】 図7の待機モード切替処理時のドライヤの乾燥領域内の温度変化、ハロゲンランプのオンオフ状態と吸気ファンの駆動状態、及びセットされているフラグの種類を示すグラフである。
【図9】 印字モードが『直ちに印字モード』に設定されている場合の図7に示したデューティ比制御処理のフローチャートである。
【図10】 図9におけるデューティ比制御処理時のハロゲンランプのオンオフ制御による乾燥領域内の温度変化を環境温度Te毎に表すグラフである。
【図11】 印字モードが『直ちに印字モード』に設定されている場合の割り込み印字処理のフローチャートである。
【図12】 印字モードが『通常印字モード』に設定されている場合の図4に示したウォームアップ処理のフローチャートである。
【図13】 印字モードが『通常に印字モード』に設定されている場合の図4に示した待機モード切替処理のフローチャートである。
【図14】 印字モードが『通常に印字モード』に設定されている場合の図7に示したデューティ比制御処理のフローチャートである。
【図15】 印字モードが『通常に印字モード』に設定されている場合の割り込み印字処理のフローチャートである。
【図16】 第1の実施の形態の終了処理のフローチャートである。
【図17】 図16の終了処理時のドライヤの乾燥領域内の温度変化、及び、ハロゲンランプのオンオフ状態と吸気ファンの駆動状態を示すグラフである。
【図18】 本発明の第2の実施の形態のインクジェット記録装置の制御部のブロック図である。
【図19】 第2の実施の形態の制御部の主軸となる作用を示すに示すフローチャートである。
【図20】 図19に示したウォームアップ処理のフローチャートである。
【図21】 図19に示した待機モード切替処理のフローチャートである。
【図22】 図21に示したデューティ比制御処理のフローチャートである。
【図23】 図19に示した終了処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10ドライヤ
12インクジェットヘッド
14排出ローラ対
16送りローラ
17スターホイール
18ハウジング
20ブラケット
22リフレクター
24ハロゲンランプ
26仕切板
28吸気ファン
30風向板
32排気ファン
34吸気通路
36排気通路
38シリコンゴムローラ
40スターホイール
50制御部
58環境温度検出センサ
60吸気ファン駆動ドライバ
62ヒータ駆動ドライバ
64ヘッド駆動ドライバ
66温度検出センサ
66乾燥領域温度検出センサ
70バス

Claims (17)

  1. 予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、
    前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、及び
    印字待機中の前記乾燥領域内の温度が前記印字温度よりも低い待機温度となるように前記ヒータの発熱量と前記冷却手段の冷却量との少なくとも一方を制御する制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、
    印字開始信号の印加から乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うインクジェット記録装置
  2. 予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、
    前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、及び
    印字待機中の前記乾燥領域内の温度が前記印字温度よりも低い待機温度となるように前記ヒータの発熱量と前記冷却手段の冷却量との少なくとも一方を制御する制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、
    印字開始信号の印加により、乾燥領域内の温度を検出して、乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた温度以上から乾燥領域内の温度に応じた印字速度で印字を行うインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、時間の経過に従って前記待機温度が段階的に低くなるように制御する請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、高速で印字中は前記ヒータをオンすると共に前記冷却手段を駆動し、印字待機中は前記冷却手段を駆動した状態で前記乾燥領域の温度が前記待機温度を含む所定温度範囲内の温度に維持されるようにヒータオンオフ制御す請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、印字指令が与えられない状態で印字待機開始から第1の所定時間が経過したときに前記ヒータのオンオフ制御を開始する請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の所定時間を設定する待機温度制御開始時間設定手段をさらに備えた請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. インク乾燥装置の環境温度を検出する環境温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記ヒータのオンオフ制御において前記環境温度検出手段により検出された環境温度が低下するに従って前記ヒータのオン時間を長くする請求項から請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記制御手段は、
    印字待機中に、冷却手段駆動中の予め定めたヒータのオン時間及びオフ時間に基いてヒータをオンオフ制御する請求項から請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記乾燥領域内の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出手段により検出された温度が前記所定温度範囲よりも低い場合はヒータを駆動し、前記温度検出手段により検出された温度が前記所定温度範囲よりも高い場合はヒータをオフする請求項から請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記制御手段は、印字指令が与えられない状態で前記ヒータのオンオフ制御を開始してから第2所定時間が経過した後に前記ヒータのオンオフ制御を停止し、前記冷却手段を停止する請求項から請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記制御手段は、印字待機中に印字指令が与えられたときに、該印字待機中の前記ヒータのオンオフの状態、前記冷却手段の駆動状態、及び乾燥領域内の温度の組み合わせに応じて予め決定された前記ヒータと前記冷却手段との駆動制御設定に基き、前記ヒータと前記冷却手段とを制御して前記乾燥領域内を印字温度とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記制御手段は、
    メンテナンス処理時には、メンテナンス処理が終了する前から前記ヒータと前記冷却手段の駆動制御を開始してメンテナンス処理の終了時に前記乾燥領域内が印字温度に達するように制御する請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. パワーオン指令により前記ヒータをオンし、
    前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、
    前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段をさらに備えた請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. パワーオフ指令により前記ヒータをオフし、
    前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、
    前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段をさらに備えた請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、
    前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、
    パワーオン指令により前記ヒータをオンし、前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段、及び
    パワーオフ指令により前記ヒータをオフし、前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、
    印字開始信号の印加から乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた所定時間経過してから、経過時間に応じた印字速度で印字を行うインクジェット記録装置。
  16. 予め定めた乾燥領域内においてインク付着済記録媒体に熱エネルギーを与えるヒータ、
    前記乾燥領域内を直接又は間接的に冷却する冷却手段、
    パワーオン指令により前記ヒータをオンし、前記ヒータをオンしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオンしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を開始する開始制御手段、及び
    パワーオフ指令により前記ヒータをオフし、前記ヒータをオフしてから所定時間経過後、又は前記ヒータをオフしてから前記乾燥領域の温度が予め定めた所定の温度になったときに、前記冷却手段の駆動を停止する終了制御手段を備えたインク乾燥装置を備え、
    印字開始信号の印加により、乾燥領域内の温度を検出して、乾燥領域内の温度が印字温度に達する前の予め定めた温度以上から乾燥領域内の温度に応じた印字速度で印字を行うインクジェット記録装置。
  17. 前記ヒータはハロゲンランプである請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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