JP2016135545A - オフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置 - Google Patents

オフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 乾燥脱臭装置の内壁に付着したタール除去作業の容易化、低コスト化が可能なオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置を提供する。
【解決手段】 脱臭装置3から乾燥装置2へ流れる熱風の風量は印刷時より下げて、熱風の温度は印刷時よりも上げ、脱臭装置3へ熱風を供給するファン5は運転し、乾燥装置2のバーナー22は着火せず、ノズル23a、23b、29は閉じ、乾燥ゾーンDのファン21は停止し、冷却ゾーンCのファン28を運転し、冷却ゾーンCの温調ダンパー11をONとし、空焼きの熱源としての脱臭装置3の熱風を、還流配管9を経て、冷却ゾーンCに循環させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置に関し、特に、その内壁に付着するタールの除去に関する。
典型的なオフセット輪転印刷機は、ロール紙(ウェブ)を供給する紙送りを起点として、ロール紙の搬送方向に沿って、墨、藍、紅、黄各色インクの印刷を割り当てられた4台1組の印刷部、インクを熱風乾燥及び脱臭する乾燥脱臭装置、ロール紙を冷却する冷却部、折り・断裁を行う折部で構成されており、印刷機で印刷された紙は、乾燥装置で熱風乾燥され、冷却ローラで冷却され、折り、断裁後、製本等の次工程に送られる。
乾燥装置で熱風乾燥された空気は、気化したインク由来の有機溶媒や悪臭物質を含むことから、酸化触媒を通して処理するのが一般的である。この酸化触媒を通過した後の排気ガスは250℃〜350℃程度と高温である。
特許文献1は、印刷紙によって乾燥室から持ち去られる熱量を減少する、乾燥室から出る印刷紙に随伴する印刷インキの溶剤蒸気を減少することを課題とする。乾燥室1は、入口2から出口3にかけて印刷紙通路4を形成し、帯状の印刷紙aは、印刷紙通路4を走行中に加熱されて印刷インキの溶剤が蒸発し、乾燥室1の溶剤蒸気を含む空気の一部を浄化して大気に放出する乾燥装置において、乾燥室1は、入口2側に加熱区域5を、出口3側に非加熱区域6を設け、加熱区域5は、印刷紙通路4に向けて加熱空気を吹き出す加熱空気ノズル11を設け、空気を加熱して加熱空気ノズル11で印刷紙aに吹き付ける加熱空気循環路を設け、非加熱区域6は、印刷紙通路4に向けて非加熱空気を吹き出す非加熱空気ノズル16を設け、空気を加熱せずに非加熱空気ノズル16で印刷紙aに吹き付ける非加熱空気循環路を設けた。
印刷紙aは、上面と下面に印刷インキの溶剤蒸気を伴った状態で通過口7を通過して非加熱室6に入り、非加熱室6の非加熱区域で、上面と下面に多数の非加熱空気ノズル16から非加熱空気を吹き付けられて、上面と下面に随伴する印刷インキの溶剤蒸気が剥ぎ取られる。印刷紙aは、出口3通過時には、通過口7通過時より、印刷インキの溶剤蒸気の随伴量が低下する。即ち、印刷紙aは、非加熱室6の非加熱区域を通過して、溶剤蒸気の随伴量が減少する。したがって、非加熱室の印刷紙は、温度が低くなるので、冷却能力の高い強力な装置を要せず、エネルギー消費量が少なくなる。また、印刷紙は、溶剤蒸気の随伴量が少なくなるので、溶剤のタールが印刷紙や冷却装置を汚すおそれが少なくなる。
特開2004−330560号公報
特許文献1の発明は、冷却ゾーンC、冷却装置Cでウェブを冷やすことによってインクを定着させている。エネルギー消費の観点から運転中での印刷インキの溶剤蒸気を減少するための発明である。オフセット輪転機の排ガスには、液状物質(タール・ヤニ)が含有されており、乾燥室1内、特に、非加熱室、冷却装置Cでの温度低下に伴い、不可避的に非加熱室内の内壁にこの液状物質が付着し固化し堆積する。乾燥装置入口と冷却ゾーン出口が外気を吸い込むところでもあり、外気を吸い込むことにより、低い温度の空気に乾燥により気化した有機溶剤等が接触することで、気化した溶剤が冷やされ、溶剤は液化する。また、更に冷やされると固化する。
そのため、冷たい空気との接触による気化した有機溶剤等の液化・固化したタールが特に冷却ゾーン付きの機械に多く発生し、印刷品質に悪影響を及ぼし、予防の為のメンテナンスに大きな負担を強いている。
例えば、非加熱室内の内壁に付着したタール除去を行うには、手作業で道具を使い、内壁にべったりと付着したタールを除去しなければならないので、タール除去の作業が大変に煩雑であり、労力、コストを要していた。
そこで、本発明は、乾燥脱臭装置の内壁に付着したタール除去作業の容易化、低コスト化が可能なオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置を提供することを課題とする。
上記の課題に鑑みて、本発明は、オフセット輪転機から排出されるウェブを熱風で乾燥する乾燥装置と、乾燥装置から排気を脱臭する脱臭装置を備えたオフセット輪転機の乾燥脱臭装置において、前記脱臭装置の出口配管から脱臭した熱風を排気ファンで排出すること、前記乾燥装置には、ウェブを乾燥させる乾燥ゾーンと、ウェブを冷却する冷却ゾーンとを設けること、前記乾燥ゾーンに、バーナーと、このバーナーからの熱風をウェブに当てるノズルと、熱風を吸い込みバーナーに熱風を供給するファンを設けること、前記冷却ゾーンに、熱風を吹き出すノズルと、熱風を供給するファンを設けること、オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、前記乾燥ゾーンのバーナー及びファンを停止させ、前記脱臭装置の熱風の設定温度を印刷時よりも上げ、脱臭装置の熱風を、前記冷却ゾーンのファン及び前記排気ファンを動作させて、前記冷却ゾーンのファンに循環供給することにより、前記脱臭装置の空焼きを行うと共に、前記冷却ゾーンの室内をノズルから吹き出る熱風で空焼きし、冷却ゾーン室内に付着したタールを蒸発させることを特徴とするオフセット輪転機の乾燥脱臭装置である。
空焼き時には、冷却ゾーンのノズルの動作を行い、前記脱臭装置から乾燥装置へ流れる熱風の風量は印刷時より下げることが望ましい。脱臭装置の風量を下げるのは、脱臭装置から乾燥装置へ流れる熱風の風量を下げる目的ではなく、脱臭装置の風量を増やすことにより乾燥装置内部の負圧が強くなり、外部空気が吸われるため冷却ゾーンの内部温度が上がり難くなるためである。空焼き時の理想的な設定は、冷却ゾーン内部圧が±0である。風量が下がることで空焼き時に必要な燃費軽減にも繋がる。
オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、乾燥脱臭装置の熱風の設定温度を調整することにより、前記冷却ゾーンの温度を調整することが好ましい。乾燥脱臭装置を利用することで、冷却ゾーンに温度調整装置を設けることなく、冷却ゾーンの温度を簡易かつ多段階に調整できる。
前記空焼きのとき、前記脱臭装置の熱風の設定温度を400℃〜450℃の範囲で温度を多段階で昇温させることにより、前記冷却ゾーンの温度を昇温するように調整することが好ましい。
オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、前記冷却ゾーンの室内温度を徐々に上昇させることが好ましい。冷却ゾーンの空焼きは、脱臭触媒後の熱風を冷却ゾーンへ循環させるが、スタート時から触媒前温度を例えば、450℃にするのでは無く、徐々(400℃、425℃、450℃)に昇温させている。スタート時から450℃にすると、タールへの引火と、急激な浄化による脱臭装置のオーバーヒートの可能性があり、その対策として、多段階(例えば、3段階)に分けて昇温している。
本発明は、脱臭装置空焼きを利用することで、冷却ゾーンCで発生するタールによるトラブルを回避するためのオペレーターの清掃負担を無くし、その為のエネルギーを、脱臭装置空焼きと併用することで、最小限のエネルギーで行えることができ、冷却ゾーンCの空焼き時は印刷を行わない昼休み等に行えることによる生産阻害の回避が可能である。乾燥脱臭装置1の冷却ゾーンCの内部を高温にすることで、冷却ゾーンC内に固着された液状物質(タール・ヤニ)をガス化し、これを除去することができる。したがって、印刷時に液状物質がウェブに落下して付着することを防止できる。また、このような液状物質の除去のためのコストや労力を低減できる。
オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、前記冷却ゾーンの室内温度を徐々に上昇させるので、タール等の蒸発を適切に制御でき、効果的なタール等の除去が可能となる。
オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、乾燥脱臭装置の温度を調整することにより、前記冷却ゾーンの温度を調整するので、温度調整が容易になり、特別の調整装置も不要となる。
本発明に係るオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置の一実施形態を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、空焼き実施前の内部の様子を示す図面代用写真である。 本実施形態のオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置の冷却ゾーンCの温度分布を示す説明図である。 (a)〜(c)は、空焼き実施中の内部の様子を示す図面代用写真である。 (a)〜(d)は、電気加熱炉テストの設定温度に対するタールの付着状態1を示す図面代用写真である。 (a)〜(b)は、電気加熱炉テストの設定温度に対するタールの付着状態2を示す図面代用写真である。 TGA分析及びDTA分析の結果を示すグラフである。
本発明の好適な実施形態であるタール除去機能を備えたオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置1について、図1〜図7を参照して以下に説明する。
本発明のオフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置1の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。図1に示す通り、この乾燥脱臭装置1は、印刷紙であるウェブに熱空気を供給して印刷インキの溶剤を乾燥させる乾燥装置2と、乾燥装置2から排出される気化した溶剤を含む排気ガスを酸化分解して浄化空気を外部へ排出する脱臭装置3と、を主な基本構成としている。なお、図1では熱風の流れを分かり易くするために、乾燥装置2と脱臭装置3とは、便宜上分離しているが、これらは一体形成されていることが好ましい。
オフセット輪転印刷機は、ロール紙の回転によって連続的に繰り出されるウェブWに対して、各色印刷、インク乾燥、インク定着及び冷却を順次行う機械であり、その下流には、ウェブWの搬送方向に沿って、折部(図示略)を備えている。
この印刷機は、墨、藍、紅、黄各色インクの印刷を割り当てられた4台の印刷ユニットをウェブWの搬送方向に沿って直列に配置することで構成されている。各印刷ユニットは、図示しないインキつぼから版面へとインキを練りながら供給する複数のインキローラを備えている。複数のインキローラのうち所定のローラには、内部に冷水を通すための循環路が形成されている。
乾燥装置2の乾燥ゾーンDは、印刷後のウェブWの搬送通路の一部を覆うケーシング20と、インバータ21aを備えたファン21と、バーナー22と、ウェブを乾燥するためのノズル23a,23bを主な基本構成としている。ファン21は、ケーシング20内の空気を吸い込む吸込口を備えている。ファン21に吸い込まれた空気は、バーナー22へと供給され、そのときのガス圧が設定値を超えたか否かを圧力スイッチ21bで検出する。バーナー22はケーシング20内の空気を所定温度、一例として、200℃に加熱して、熱空気を生成してノズル23a、23bへ供給している。バーナー22から出るガスの温度を熱電対22aで検出している。その印刷紙通路の上側と下側に、その印刷紙通路に向けて加熱空気を吹き出す複数のノズル23a,23bを、その印刷紙通路を挟んで千鳥状に配列している。ノズル23a23bに供給口を設け、供給口に加熱空気を供給する加熱空気循環路を設けている。
乾燥装置2は、図1に示すように、オフセット輪転機と冷却装置(図示略)との間に配置され、箱形の乾燥ゾーンD、乾燥ゾーンDと連通する箱形の冷却ゾーンCを設けている。細長直方体形状の乾燥ゾーンDは、ウェブ導入口24側を占有し、冷却ゾーンCは出口25側を占有している。乾燥ゾーンDの長さは印刷速度・紙幅により長さが決まる。乾燥ゾーンDの容積は冷却ゾーンCの容積よりも大きく設定されている。ウェブ通過口27は、印刷紙通路が貫通する横長長方形状である。乾燥ゾーンDは、前端壁に横長長方形状のウェブ導入口24を、冷却ゾーンCは、後端壁に横長長方形状のウェブ排出口25を設け、ウェブ導入口24からウェブ排出口25にかけて前後方向にウェブWの印刷紙通路を形成している。
ファン21とバーナー22は印刷物の大きさ・種類などによって、ケーシング20内に複数台取り付けることができる。本実施形態の乾燥装置2は、一例として、ケーシング20内にファン21とバーナー22を2台取り付けている。ケーシング20には、インキを乾燥する際に発生する気化した溶剤を含む排気ガスを脱臭装置3に排出する排気配管4が接続している。このような構成の乾燥装置2は、印刷時、乾燥ゾーンDによりケーシング20内に導入されたウェブWに対し、上下面から所定温度の熱空気を吹きつけて、印刷物を乾燥させ、冷却ゾーンCで導入されたウェブWに対し、上下面から低い温度の熱空気を吹きつける。
乾燥装置2は、乾燥ゾーンDと、冷却ゾーンCは隔壁26で分割されており、隔壁26には、ウェブ通過口27を設け、連通する。空焼き時、リサイクルされる熱風が冷却ゾーンCに入ってくるが、ウェブ排出口25を扉で閉じるため、これをどこかに逃がす必要があるが、ウェブ通過口27を介して冷却ゾーンCから乾燥ゾーンDへ熱風が排気される。冷却ゾーンCには、インバータ28aを備えたファン28と、ノズル29が配置され、ファン28から出るガス圧が設定値を超えたか否かを圧力スイッチ28bで検出し、ガス温度を熱電対28cで検出する。ノズル23a,23b,29の動作は、開動作と閉動作があり、これは位置関係を規定する表現で、上下に可動する状態で上昇することを閉とし、下降することを開とする。
空焼き時の乾燥ゾーンDにおいて、ファン21は停止し、バーナー22は、OFF(消火)しており、ノズル23a、23bは閉じおり(上下に可動する状態で上昇すること)、通風はない。冷却ゾーンCにおいて、ノズル29は閉じ、(上下に可動する状態で上昇すること)、ファン28は運転するので、ノズル29から熱風が吹き出す。冷却ゾーンCの滞留空気はファン28により循環されるが、脱臭装置3から還流配管9より熱風が供給されて、冷却ゾーンCから余剰空気はウェブ通過口27の隙間を通って排気され排気配管4へ流れる。
乾燥ゾーンDにはタールの付着はあるが、冷却ゾーンCほどのタールの付着はない。また、乾燥ゾーンDでは、メンテナンスとしては、ヘラ等でこすって、掃除をすることができる。
なお、空焼き時に、乾燥ゾーンDと冷却ゾーンCの両方ともに熱風を再循環させてもよいが、冷却ゾーンCだけでの実施も可能である。冷却ゾーンCだけタール分を除去する場合には、そこだけ熱風を再循環するように構成すればよい。
乾燥装置2から排出される排気ガスは、排気配管4、排気ファン5、熱交換器6を経て、脱臭装置3に供給される。脱臭装置3から排出される脱臭後の排気は、浄化空気配管7へ排出される。排気ファン5には、インバータ5aと排気ガス圧力が設定値を超えたか否かを検出する圧力スイッチ5bを設けている。この浄化空気配管7は、排出配管8と、還流配管9に分岐する。排出配管8へ行く熱風ルートは排熱リサイクル回路を構成する。排出配管8からの熱風は熱交換器6を経て配管10から外部に排気されるか、または排熱リサイクルされる。なお、排熱リサイクルのあるシステムにも、本実施形態の空焼きを適用することが可能である。
還流配管9には、その途中に温調ダンパー11が設けてある。空焼き時、温調ダンパー11が開動作となり、設定温度になるようにダンパーの開度を可変動作し、脱臭装置3からリサイクルの熱風を冷却ゾーンCのファン28供給する。
脱臭装置3は、バーナー30と触媒部31を主な基本構成としている。バーナー30と触媒部31は排気配管4に接続するケーシング32に取り付けている。脱臭装置3は、排気流れに沿って、臭気を触媒反応に適した温度まで加熱するバーナー30、白金系の金属触媒を多孔質担体に担持させた酸化触媒31を備えている。酸化触媒31の両側領域には熱電対33、34が配置されて、熱風の温度を計測する。熱電対33は触媒部31の前の排気ガスの温度を検出するもの、熱電対34は触媒部31の後の排気ガスの温度を検出するものであり、圧力スイッチ35は、触媒31前後の圧力差が設定値を超えたか否かを検出ものである。これらの熱電対33、34、圧力スイッチ35の計測結果は制御部12に入力される。
バーナー30は排気ガスをバーナーで所定温度(一例として350℃)まで加熱している。触媒部31は、加熱された排気ガスを触媒による酸化反応により溶剤を酸化して、脱臭処理を行っている。触媒は、一例として、白金(Pt)を担持した白金触媒等を用いることができる。脱臭処理した後の浄化空気は、浄化空気配管7、排出配管8、熱交換器6を通過して外部へと排気される。
通常の空焼きは脱臭装置3を空焼きするものであり、触媒に付着したタールを浄化させることで、タールによる触媒の性能低下の回復を計ることが目的で実施され、冷却ゾーンCの空焼きとは別であり、2種類ある。冷却ゾーンCでの空焼きを含めると、合計で3種類となる。第1の脱臭装置3の自動空焼きは、印刷停止時(未印刷時)に乾燥のための乾燥装置2の運転を指示するためのドライヤー運転信号がOFF(印刷終了後)となり、自動的に空焼きが始まり、触媒装置3の触媒前温度が380℃まで昇温され、その後、10分間、脱臭装置3の空焼きを実施する。10分後、空焼きは自動で停止する。第2の脱臭装置3の手動空焼きは、印刷停止時(未印刷時)に前記のドライヤー運転信号をOFF(印刷終了後)とし、手動にてオペレーターが任意に行える空焼きボタンをONにて、触媒前温度が400℃(10分)、425℃(10分)、450℃(10分)に時間順で温度が変わるような空焼きを実施する。合計30分後、となり、未印刷時で脱臭装置3だけが300℃で待機運転される。
第3の空焼きは、本実施形態の冷却ゾーンCの空焼きである。印刷停止時でオペレーターが任意に操作を行える手動のクーリング空焼きボタン(前記の空焼きボタンとは別のボタン)をONとし、空焼きを実施する。冷却ゾーンCの空焼き時のバーナー30の具体的な触媒前温度と時間は、400℃(15分)、425℃(15分)、450℃(15分)の計45分で完了し、300℃で待機運転状態となる。第3の空焼きを実施することで、第2の脱臭手動空焼きが同時に実施される。第3の空焼きは、第2の脱臭手動空焼きと同時に行うことが前提で、15分間、時間が長くなるものの、無駄のないエネルギーの活用ができる。
通常の脱臭装置3の空焼きを利用することで、冷却ゾーンCで発生するタールによるトラブルを回避するためのオペレーターの清掃負担を無くし、その為のエネルギーを、脱臭装置3の空焼きと併用することで、最小限のエネルギーで行えること、冷却ゾーンCの空焼き時は印刷を行わない昼休み等に行えることにより、生産阻害の回避をすることができる。
排気ファン5は、乾燥装置2から排気される排気ガスを、排気配管4を介して脱臭装置3へ供給するものである。排気ファン5の運転周波数は可変にすることで、脱臭装置3へ供給される風量を制御できる。排気ファン5の風量制御は印刷条件(印刷速度、印刷紙重量、インク塗布量など)により任意に可変される。印刷時は乾燥装置2のケーシング20の内部は負圧になっており、ウェブ導入口24及びウェブ排出口25から外部空気が吸い込まれる。
熱交換器6は、材質にステンレス鋼などを用い、排気ガスの受熱通路と、浄化空気の排熱通路を備えている。受熱通路は乾燥装置2から排気された排気ガスの排気配管4上に形成されている。
熱交換器6は、脱臭装置3の脱臭工程で加熱された浄化空気が排熱通路を通過することによって熱交換器本体に高温の浄化空気の熱エネルギーが蓄熱される。そして、排気ガスが受熱通路を通過すると浄化空気と排気ガスの熱交換が行われて、排気ガスを所定温度に加熱することができる。脱臭装置3のバーナー30で必要となる熱エネルギーを低減することができる。
熱風排気の還流は、浄化空気配管7、排出配管8、還流配管9、配管10を主な基本構成としている。温調ダンパー11は、空焼き時には冷却ゾーンCが230℃(210℃〜250の範囲でもよい。)になる様に制御している。還流配管9は、冷却ゾーンCのファン28に接続している。還流配管9は、ケーシング20の内部が負圧に設定されていることにより、浄化空気配管7の浄化空気の一部を乾燥装置2へ供給させることができる。このような還流配管9を設けることにより、浄化空気を乾燥装置2へより確実に吸引することができる。
制御部12は、オフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置1の全ての動作を制御している。乾燥装置2の温度管理は熱電対22a、28cで管理されている。脱臭装置3の温度管理は熱電対33,34で管理されている。温度管理の制御はバーナー22、30へ燃料ガスを供給する装置(図示略)、温調ダンパー11等と電気的に接続し、制御信号を送信しバーナー22、30などの出力制御を行っている。風量管理の制御は、インバータ21a,28a,5aで周波数を送信してファン21,28,5を制御している。圧力スイッチ21b,28b,5b,35で圧力管理により異常を検知している。脱臭装置3から冷却ゾーンCへの排熱リサイクル量は、温調ダンパー11で行っている。制御部12は、印刷時、溶剤との関係で、浄化空気の流量を制御している。非印刷時に空焼きを行う場合は、タール除去のため、冷却ゾーンC内の温度調整や、脱臭装置3から乾燥装置2への浄化空気の流量を制御している。
上記構成による本発明の印刷機の乾燥脱臭装置1の動作を説明する。まず、印刷時の動作を説明する。図1に示す通り、オフセット印刷機の印刷運転時には、乾燥装置2のケーシング20内をウェブWが所定速度で通過している。乾燥装置2では、ケーシング20内の空気がファン21に吸い込まれてバーナー22に供給されて、インキの乾燥に適した所定温度(一例として、200℃)に加熱されている。加熱された熱空気がノズル23a,23bを介してウェブWの上下面に吹き付けられる。ウェブWに印刷されたインキの溶剤が熱空気によって加熱されて気化する。このとき、ケーシング20内は、排気配管4の排気を排気ファン5によって吸引され負圧に維持されているため、ウェブ導入口24及びウェブ排出口25から外部空気が流入する。
印刷時、乾燥ゾーンDにおいて、ノズル23a,23bは閉じ、熱風が吹き出し、ファン21は運転し、バーナー22は着火運転する。内部空気はファン21からバーナー22によって加熱されて上下の多数のノズル23a,23bに充満した熱気は所定の圧力をもってウェブWの両紙面に噴射され、紙面に含まれる水分と塗布された印刷インキが乾燥する。紙面に吹き付けられた熱風はファン21により循環されてバーナー22によって印刷紙の乾燥により失われた熱分を再び加熱されてノズル23a,23bから噴射される。
冷却ゾーンCには、バーナーはなく、内部が非加熱区域となる。帯状のウェブWは、乾燥ゾーンDを通過した後、引き続いて、ウェブ通過口27を経て冷却ゾーンCを通過する際に冷却され、ウェブ排出口25を経て冷却装置(図示略)に送られる。そして、冷却装置(図示略)の複数の冷却ローラを順次通過し、さらに冷却される。冷却装置(図示略)を通過したウェブWは、折機(図示略)に送り込まれ、折り畳まれる。
乾燥ゾーンD及び冷却ゾーンCにおいては、内部の溶剤蒸気を含む加熱空気を脱臭装置3で脱臭して一部を大気に放出し、一部の熱風を乾燥装置2及び冷却ゾーンCに循環させる。
乾燥ゾーンDにおいては、内部の加熱空気の一部が放出され、内部が負圧になる。負圧の乾燥ゾーンDには、ウェブ導入口24から外部の新鮮空気が流入すると共に、ウェブ通過口27から冷却ゾーンC内部の非加熱空気が流入する。冷却ゾーンCは、内部の非加熱空気の一部がウェブ通過口27から流出し、内部が負圧になる。負圧の冷却ゾーンCには、ウェブ排出口25から外部の新鮮空気が流入する。印刷時、冷却ゾーンCにおいては、バーナーがなくてファン28を回しているだけであるので、温度は60℃から90℃くらいである。
乾燥装置2を運転するときは、乾燥ゾーンDのファン21とバーナー22を作動し、冷却ゾーンCのファン28を作動する。乾燥脱臭装置1を作動すると、乾燥装置2を通過するウェブWは、乾燥ゾーンDの印刷紙通路を走行し、ウェブ導入口24、ウェブ通過口27、冷却ゾーンC、ウェブ排出口25を順次通過する。
ウェブWは、乾燥ゾーンDを順次通過する際、上面と下面に多数のノズル23a,23bから加熱空気を吹き付けられ、紙面に含まれる水分と上面と下面に塗布された印刷インキの溶剤が蒸発し、上面と下面の印刷インキが乾燥する。また、ウェブWは、ウェブ導入口24通過時には温度が室温位であり、乾燥ゾーンDの加熱空気中を通過して、温度が上昇し、高温になる。
乾燥ゾーンDから上面と下面に印刷インキの溶剤蒸気を伴った状態でウェブ通過口27を経て高温状態で通過したウェブWは、冷却ゾーンCを通過する際、上面と下面に多数のノズル29から非加熱空気を吹き付けられ、上面と下面に随伴する印刷インキの溶剤蒸気が剥ぎ取られ、温度が下降する。ウェブWは、ウェブ排出口25通過時には、ウェブ通過口27通過時より、温度が低下する。ウェブWは、冷却ゾーンCの非加熱区域を通過して冷却される。
ウェブWに吹き付けられた熱風により蒸発したインク溶剤を含む有害な臭気は、対流効果によって乾燥ゾーンD内を上昇し排気口から排気配管4を経て排出される。排出された臭気は、排気ファン5によって熱交換器6を通過し、臭気の温度が低い場合はバーナー30で加熱し、適切な温度に加熱されたうえで多孔質の触媒部31内を通る。通常の印刷時は、触媒の種類にもよるが、320℃〜350℃範囲で脱臭処理する。制御部12で脱臭装置3の温度を制御することで、熱風から臭気を除去する処理行っている。この過程で臭気は、触媒酸化反応によって分解され無害化されるが、同時に反応熱(燃焼熱)を発生することから無害化された排気自体の温度も上昇する。印刷後、ウェブWを通さない状態で空焼きを行う。
つぎに、タール除去のための空焼きの動作を説明する。印刷時との動作の相違点は以下の通りである。脱臭装置3から乾燥装置2へ流れる熱風の風量は印刷時より下げて、熱風の温度は印刷時よりも上げる。ウェブ排出口25を塞ぎ板にて排出口25からの空気の流入を防いでいる。脱臭装置3へ熱風を供給するファン5は一例として20Hzで運転し、乾燥装置2のバーナー22は着火せず、ノズル23a、23b、29は閉じる。乾燥ゾーンDのファン21は停止し、冷却ゾーンCのファン28を一例として運転周波数20Hzで運転する。冷却ゾーンCの温調ダンパー11をONとする。
乾燥脱臭装置1の排気配管4からの排気を利用し、脱臭装置3でその排気の温度を上げる。空焼きの熱源は脱臭装置3の温度であり、空焼き温度は、おおむね、脱臭装置3の触媒前の温度である。脱臭装置3からの排気は、還流配管9を経て、冷却ゾーンCに熱風を循環させる。ファン28は冷却ゾーンCで熱風を循環させるので、室内に付着したタール分を熱風で蒸発させて清掃する。冷却ゾーンCで循環している熱風の一部は、ウェブ通過口27を介して、冷却ゾーンCから乾燥ゾーンDへ流れ出て、排気配管4を経て循環される。排気ファン5の周波数を可変とすることで、冷却ゾーンCで循環する排気風量を可変とすることができる。
空焼きのテストを行った。タール除去のための冷却ゾーンCの空焼きは、ウェブWを印刷通路に通過させず、未印刷時に行う。冷却ゾーンCのファン28を稼動させて冷却ゾーンCの温度設定は230℃に設定する。空焼き時の冷却ゾーンC内部温度はいきなり230℃までいかないで、徐々に上昇する。脱臭装置3の触媒後の浄化空気の熱風を還流配管9冷却ゾーンCに循環させる。触媒後の温度は400℃、425℃、450℃と変化させる。冷却ゾーンCの温度は脱臭装置3の触媒後の浄化空気の熱風により、設定温度の230℃に向けて徐々に上昇する。
空焼き時の冷却ゾーンCの内部温度が180℃からタールのガス化が出始める。空気量という点からいうと、冷却ファン28の回転数を多くアップしてしまうと、逆に外気を吸う形になってしまうので温度が上がらない傾向にある。
本装置1の使い方としては、印刷時はウェブWを送り、タール除去時はウェブWを送らない状態で、冷却ゾーンCの内部に付着したタール分のクリーニングを行い、メンテナンスを実施する。空気の流れや温度は、印刷する時と非印刷時では、温度が相違する。
空焼きによりタール除去を行うときには、意図的に脱臭装置3の熱風の温度をバーナー30で昇温して、触媒前温度を400℃、425℃、450℃という3ステップを採用し、印刷時よりも高い温度の熱風を冷却ゾーンCに供給する。
冷却ゾーンCに供給する熱風を温調ダンパー11により可変させて冷却ゾーンC内部の温度を制御する。冷却ゾーンCの内部を循環する熱風温度が230℃になる様に微調整する。
つぎに、空焼きシステムの確認テストを行った。冷却ゾーンCの内部に付着しているタール除去を図る場合に、冷却ゾーンCに付着しているタールを浄化することが可能か、また、タール浄化に必要な温度、冷却ゾーンCの内部温度が最大で何度まで昇温されるか等のテストを行った。但し、機器保護のため、冷却ゾーンCの内部の最高温度は300℃迄とする。
脱臭装置3から冷却ゾーンCへの熱回収を行い、ウェブが無い状態で実施確認を行い、冷却ゾーンCの内部の温度を実測し、温度はタッチパネルのモニターで確認する。空焼き実施前、冷却ゾーンCの内部に熱電対及びテストピース(プレート)6検体を取付け、冷却ゾーンC内部昇温と温度測定する。前回の空焼きテストから経過観測を行い、通常運転時の一ヶ月間のタール付着状況を確認したところ、図2(a)に示す通り、冷却ゾーンCのノズル29の表面に万遍なくタールが付着している(地肌は見えている)、図2(b)に示す通り、冷却ゾーンCの上部壁面は僅かにタール付着が見られる程度、図2(c)に示す通り、冷却ゾーンCの下部壁面は万遍なく薄らタールが付着している(地肌は見えている)。また、テストピースを取り外し現状のタール付着状態を目視にて行ったところ、万遍なく薄らタールが付着し、部分的にタール垂れが発生している。タールの付着状態により、空焼き時に引火の恐れがあると判断した場合は、簡易的な清掃を実施後に空焼きテストを行う。
温度測定の結果は、冷却ゾーンCの温度分布は、図3に示す通りである。ウェブWが流れて、左から入って右に出て行くが、点検等のため扉(図示略)が手前に設けてあり、人間が操作する側をMS(マンサイド)といい、ファン、バーナーがある機械側をギアサイド(GS)と略記している。ギアサイドGS側において、上側温度259℃、下側温度210℃、ウェブ排出口25の付近の上側温度が216℃、下側温度が210℃、ウェブ通過口27の付近の上側温度が206℃、下側温度が203℃、マンサイドMSの上側温度が209℃、下側温度が200℃である。外気に近いほど温度は低くなり、外気から遠ざかる奥側は温度が高い。300℃の熱風を供給しても200℃くらいに低下する。
図3に示す通り、ウェブ排出口25と、ウェブ通過口27には開口があるので、空気の流入がある。ウェブWを通すための点検扉は、印刷すると自動的に閉まるようになっている。外気と接している面があるので、完全密閉ではないので、外気が入りやすい構造である。したがって、点検窓、点検扉のあるマンサイドMSが、若干温度が低めになっている。
空焼きの確認テスト方法は以下の通りである。脱臭装置3を起動設定温度450℃、周波数30Hz、ウォーミング完了触媒前温度は設定温度250℃、ノズル23a,23b,29を閉じる。冷却ゾーンCのファン28の運転周波数は20Hzである。冷却ゾーンCの温調ダンパー11を使用するが、ここではONとし100%開状態である。
乾燥装置2の開口は、ウェブ導入口24とウェブ排出口25があるが、冷却ゾーンCに近いのはウェブ排出口25である。冷却ゾーンCの温度が68℃から115℃迄に昇温するも飽和状態となる。ウェブ排出口25のみ、出口塞ぎ板を取り付ける。冷却ゾーンCの温度が115℃から164℃迄昇温するも飽和状態となる。乾燥ゾーンDの昇温運転の設定温度を160℃、周波数20Hzで、空焼きの再現性を求めるため乾燥ゾーンDの昇温を実施する。しかしながら、冷却ゾーンCの温度は緩やかに低下し始めたので、乾燥ゾーンDの運転を停止する。理由としては、乾燥ゾーンDの冷たい空気と冷却ゾーンの温まった空気が一時的に混ざり合ったことによる。乾燥ゾーンDでの運転を停止する。乾燥ゾーンDを停止したことにより、隣接する乾燥ゾーンDの昇温効果が起こり、冷却ゾーンCの温度は164℃から180℃迄徐々に上昇する。
脱臭装置運転条件の周波数を30Hzから25Hzに下げる。脱臭の周波数を下げることにより、入口であるウェブ導入口24からの常温空気の吸い込みが軽減されたこと、排気量が少なくなったことで、冷却ゾーンCの温度が目標の設定温度230℃に到達した。以上の通り、確認テストは良好であったことが確認できた。
図4(a)に示す通り、冷却ゾーンCの温度が120℃を超えた時点でタールが液化状態となりしずくが落ちる。
図4(b)に示す通り、冷却ゾーンCの温度180℃から煙が立ち上り、空焼き効果が見られる。
図4(c)に示す通り、空焼き終了後も煙が立ち込めている。
排熱循環量を確認した。最終排気ダクト風量(脱臭装置3から配管10に流れ出る最終の排気)の差異にて確認した。脱臭周波数25Hzにおいて、排熱循環システムがONで風量が36.2(Nm/min)、排熱循環システムがOFFで風量が37.73(Nm/min)、推定循環量(Nm/min)が1.53=37.73-36.2、供給温度が355℃である。
ウェブ導入口24及びウェブ排出口25からの流入風量を測定した。出口(ウェブ排出口25)流入量について、開口面 950×50=0.048m、風速5m/s、温度が28℃、風量が11.86Nm/min、入口(ウェブ導入口24)流入量開口において、開口面950×50=0.048m、風速3m/s、温度が28℃、風量が7.12Nm/minである。総流入量は11,86+7.12=18.98Nm/minである。理論温度からも伺えるように、流入空気の抑制の必要がある。
そこで、ウェブ排出口25を塞いだ時の入口流入量は、開口面950×50=0.048m、風速13.4m/s、温度27.3℃、風量17.4Nm/minである。ウェブ排出口25を塞いだ時は入口流入量が増加し、結果として総流入量の軽減は図れなかった。それでも排出口25を閉じる理由は、入口からなら冷却ゾーンCへの影響が少ないからである。ウェブ導入口24やウェブ排出口25からの空気流入は外気温度であるが、ウェブ導入口24は冷却ゾーンCと遠いため、冷却ゾーンCへの影響は少ない。ウェブ排出口25は冷却ゾーンCと近いため、冷却ゾーンCへの影響が大きい。ウェブ排気口25を塞いで総入量の変化は無かったが、ウェブ排出口25からの流入により冷却ゾーンCの温度上昇の妨げとなるので、塞ぎ板は必要である。
ウェブ排出口25からの常温空気の吸い込みが、冷却ゾーンCの温度上昇の妨げとなるため塞ぎ板を施し、冷却ゾーンCの昇温を実施した。図3に示す通り、冷却ゾーンC内部の温度差が最大50℃まである。冷却ゾーンCの循環熱風温度設定をタールのガス化温度180℃+50℃で230℃とした。
タール揮発温度を調査するため、電気加熱炉でも、別途、テストを行った。テスト結果は、図5(a)〜(d)、及び図6(a)(b)に示す通りである。テストピース1検体は、テスト空焼きの温度250℃、空焼き時間15分、テストピース2検体は、300℃、15分、テストピース3検体は350℃、15分、テストピース4検体は、400℃、15分、テストピース5検体は、460℃、15分である。
このテストは、冷却ゾーンC内部での物質(タール)の付着状況と温度の違いによるガス化状態を調べるテストである。1ヶ月間のタール付着状況は、図5(a)に示す通り、全体的に薄らタールが付着しており、部分的にタール垂れが発生している。図5(b)に示す通り、設定温度200℃、15分乾燥したところ、全体的に薄ら付いたタールは乾燥しているが、部分的なタール垂れ部分は未乾燥であり、少しべた付いている。図5(c)(d)にそれぞれ示す通り、設定温度250℃、15分、及び、設定温度300℃、15分で乾燥したところ、タールは硬化状態で付着している。図6(a)に示す通り、設定温度350℃、15分乾燥したところ、全体的に薄ら付いたタールは浄化されたが、タール垂れしていた部分は、タールが厚めだったため硬化付着している。図6(b)に示す通り、設定温度450℃、15分乾燥で、全てのタールが浄化されている。
この実験と別にタールだけを熱重量分析・示差熱分析を実施している。図7に示す通り、図中、Xラインは熱重量測定になる。始めの大きな現象として、32℃で開始し180℃で終了すると、-1.314mgの重量変化があった(ガス化した)。次に、180℃開始で450℃の終了において、-6.827mgの重量変化があった(ガス化した)。次に、450℃開始で590℃の終了において-7.669mgの重量変化があった(ガス化した)。この3つの大きな重量変化があった。図中Yラインは示差熱分析になる。大きな変化として、450℃を超えた付近から、急激な発熱ピークがみられた。
ここでいう熱重量測定TGAとは、物質の温度を制御しながら、その応答を分析する手法で、物質(タール)の特性を知るために、加熱しながら質量変化を測定することで、物質(タール)内に含まれる揮発性成分の熱分解などの化学反応を進行させて、ガス化の特性を知ることを目的とする測定である。
タール揮発温度について、熱重量測定TGAの測定結果より180℃以上より揮発性成分の熱分解などの化学反応が見られたことから、冷却ゾーンCの温度が180℃以上必要であることが確認できた。設定温度を超える450℃以上より、次の揮発性成分の熱分解などの化学反応が見られたことから脱臭空焼き温度が450℃以上必要であることが確認出来た。
ウェブ排出口25を塞ぐことだけでは常温空気の総流入量は軽減されないが、ある程度の希釈エアーが必要である。空焼きの実施が印刷終了時であることで、温まったゾーン内部の100℃以上の空気と冷却ゾーンCの内部の輻射熱により、空焼き時間内であれば目的の熱風温度230℃に到達することが確認出来ている。
冷却ゾーンCの空焼き設定温度を230℃として空焼きを実施したが、冷却ゾーンCの空焼きは、脱臭手動空焼きの設定温度と同一条件とする。但し、空焼き時間は各ステップ、各5分延長し、脱臭周波数は20Hz〜25Hzでの運用とする。
脱臭装置3の設定温度は、3段階が例示でき、前述した通り、400℃、時間15分、425℃で15分、450℃で15分である。以上の設定で空焼き運転の総計時間は45分が例示できる。
本実施形態での空焼きは、既設の印刷機、新設の印刷機の場合のいずれにも適用可能である。既設の印刷機では、冷却ゾーンC内にタールがべっとりと付着した状態から、徐々に煙で気化し始める。結果的に、内壁の地肌が見えるまではきれいにはならなかったが、タールが除去できたので、テストでは空焼きの効果が得られた。
ただし、既設機でタールが堆積した状態のタール除去においては、空焼きを実施後にカサブタ状に硬化したタールを剥す作業が必要である。そのままであると、印刷したときに、硬化したタールが剥がれおちるおそれがある。ウェブW上に落ちたりして印刷不良を起こしたりすることを防止するため、硬くなったタールは、ケレンなどの道具で剥ぎ落とすか、粒状のドライアイスで洗車機のようにガンで打つと、きれいに落とすことができる。タールは固形化しているので、剥がし作業は比較的簡単である。また、固形化されたタールを完全に揮発するには450℃以上の温度が必要とされ、タールが多量に堆積する前に空焼きを実施すれば容易にタールが除去出来ることから、新台からの運用は効果的である。
なお、冷却ゾーンCの冷却効果を高める時は、冷却ゾーンCには、熱風を供給しない。印刷時に熱風を冷却ゾーンCに供給することが可能である。空焼きのときには熱風を冷却ゾーンCに供給する。
このように、オフセット輪転機の排ガスには、液状物質(タール・ヤニ)が含有されているが、本実施形態により、乾燥装置2の入口・出口、冷却ゾーンCに脱臭装置3で浄化された空気を循環する回路を有効利用し、その熱源を脱臭空焼きシステムにより、大気放出していた熱分を循環リサイクルすることで、簡単にタールの除去を行い、大きなエネルギーを使用せず、省エネルギーに貢献できる。また、冷たい空気との接触による気化した有機溶剤等の液化・固化したタールが冷却ゾーンCの内部への付着することを防止し、印刷品質への悪影響を防止し、予防の為のメンテナンスが軽減できる。
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、また、上記実施形態に説明される構成のすべてが本発明の必須要件であるとは限らない。本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当該技術的範囲に属する限り種々の改変等の形態を採り得る。
1・・・オフセット輪転印刷機の乾燥脱臭装置
W・・・ウェブ
2・・・乾燥装置
D・・・乾燥ゾーン
C・・・冷却ゾーン
20・・・ケーシング
21・・・ファン
21a・・・インバータ
21b・・・圧力スイッチ
22・・・バーナー
22a・・・熱電対
23a、23b・・・ノズル
24・・・ウェブ導入口
25・・・ウェブ排出口
26・・・隔壁
3・・・脱臭装置
4・・・排気配管
27・・・ウェブ通過口
28・・・ファン
28a・・・インバータ
28b・・・圧力スイッチ
29・・・ノズル
5・・・排気ファン
5a・・・インバータ
5b・・・圧力スイッチ
6・・・熱交換器
7・・・浄化空気配管
8・・・排出配管
9・・・還流配管
10・・・配管
11・・・温調ダンパー
12・・・制御部
30・・・バーナー
31・・・触媒部
32・・・ケーシング
33・・・熱電対
34・・・熱電対
35・・・圧力スイッチ

Claims (3)

  1. オフセット輪転機から排出されるウェブを熱風で乾燥する乾燥装置と、乾燥装置から排気を脱臭する脱臭装置を備えたオフセット輪転機の乾燥脱臭装置において、
    前記脱臭装置の出口配管から脱臭した熱風を排気ファンで排出すること、
    前記乾燥装置には、ウェブを乾燥させる乾燥ゾーンと、ウェブを冷却する冷却ゾーンとを設けること、
    前記乾燥ゾーンに、バーナーと、このバーナーからの熱風をウェブに当てるノズルと、熱風を吸い込みバーナーに熱風を供給するファンを設けること、
    前記冷却ゾーンに、熱風を吹き出すノズルと、熱風を供給するファンを設けること、
    オフセット輪転機によるウェブの印刷非実行時に、前記乾燥ゾーンのバーナー及びファンを停止させ、前記脱臭装置での熱風の設定温度を印刷時よりも上げ、脱臭装置の熱風を、前記冷却ゾーンのファン及び前記排気ファンを動作させて、前記冷却ゾーンのファンに循環供給することにより、
    前記脱臭装置の空焼きを行うと共に、前記冷却ゾーンの室内をノズルから吹き出る熱風で空焼きし、冷却ゾーン室内に付着したタールを蒸発させることを特徴とするオフセット輪転機の乾燥脱臭装置。
  2. 前記空焼きのとき、前記脱臭装置の熱風の設定温度を調整することにより、前記冷却ゾーンの温度を調整する請求項1又は2のオフセット輪転機の乾燥脱臭装置。
  3. 前記空焼きのとき、前記脱臭装置の熱風の設定温度を400℃〜450℃の範囲で温度を多段階で昇温させることにより、前記冷却ゾーンの温度を昇温するように調整する請求項3のオフセット輪転機の乾燥脱臭装置。
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