JP3652778B2 - 触媒式蓄熱脱臭処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中に含まれる可燃性有害悪臭成分を触媒の存在下において酸化燃焼又は熱分解させると共に、高温の処理済排ガスの熱を回収して再利用する触媒式蓄熱脱臭処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗装ブース,塗装乾燥炉,印刷用乾燥炉,プラスチックや合板の製造設備,食品加工設備,産業廃棄物処理設備,消化剤製造設備あるいは香料製造設備などの各種施設内においては、塗料,インキ,溶剤,接着剤,合成樹脂,あるいは化学薬品等から、アルコール類,エステル類や,有毒で特有の臭気を持つフェノール類,アルデヒド類等の可燃性有害悪臭成分が発生する。
【0003】
そして、このような有害悪臭成分を含んだ排ガスは、公害防止の観点から直接大気中に放出することはできないので、通常は、脱臭処理を施して、無毒無臭化した状態で放出している。
代表的な脱臭処理方法としては、排ガス中の有害悪臭成分を700〜900℃の高温下で酸化燃焼又は熱分解して炭酸ガスと水に変化させて無臭化する直接燃焼法が知られている。これは、脱臭効果が抜群であって他のいかなる脱臭法と比較しても劣らず、また、可燃性の臭気成分に対しては全般的に適用できるという長所があるが、その反面、燃料消費量が大であり、燃費が嵩むことによりランニングコストが嵩むという短所がある。
【0004】
そこで、脱臭処理した高温の処理済排ガスの熱を回収して蓄熱し、未処理排ガスを流入するときにこれを予熱するための熱源として有効に利用することによりランニングコストを低減する蓄熱型の脱臭処理装置が提案されている(特開平5−332523号,同332524号公報参照)。
さらに最近では、排ガス中に含まれる有害悪臭成分を触媒の存在下で酸化燃焼又は熱分解させると共に、高温の処理済排ガスの熱を回収することにより、燃費を抑えてランニングコストを軽減させる触媒式蓄熱脱臭処理装置が提案されている(特開平5−66005号公報参照)。
これは、白金系,コバルト系,ニッケル系などの触媒の存在下において酸化燃焼又は熱分解反応を進行させ、可燃性の有毒悪臭成分を炭酸ガスと水とに分解させて無毒無臭化する方法であり、直接燃焼法に比して低温の350〜400℃程度で脱臭処理することができるだけでなく、脱臭処理された高温の処理済排ガスの熱を有効に利用することにより、ランニングコストを著しく軽減することができる。
【0005】
図7はこのような従来の触媒式蓄熱脱臭処理装置(特開平5−66005号公報,図3参照)であって、未処理排ガスを流入させて処理済排ガスを排出する脱臭処理室41の中央部に、未処理排ガスを加熱する加熱装置42が配されると共に、当該加熱装置42を挟んで脱臭処理室41の両端側に、当該加熱装置42で加熱された排ガスに含まれる可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する触媒層43と、この触媒層43を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層44とを備えた二つの排ガス処理ゾーン45A,45Bが夫々の触媒層43及び43を前記加熱装置42に対面させた状態で配設されている。
【0006】
前記脱臭処理室41の両端側には、ダンパ46A,46Bを介装した未処理排ガス流入ダクト47A,47Bと、ダンパ48A,48Bを介装した処理済排ガス排出ダクト49A,49Bが夫々接続されると共に、ダンパ50及び送風ファン51を介装したパージダクト52の両端が、脱臭処理室41の両端側に接続されて、一方の排ガス処理ゾーン45A(45B)から排出された脱臭処理室41内の空気を他方の排ガス処理ゾーン45B(45A)から再び脱臭処理室41内に還流させる閉流路を形成するように成されている。
【0007】
そして、まず、未処理排ガス流入ダクト47A及び処理済排ガス排出ダクト49Bを導通させ、次いで、これを遮断して、未処理排ガス流入ダクト47B及び処理済排ガス排出ダクト49Aを導通させ、これを交互に繰り返すことにより、未処理排ガスを一方の排ガス処理ゾーン45A(45B)側から流入させて他方の排ガス処理ゾーン45B(45A)から排出させる排ガスの流通方向を所定の時間間隔で交互に切り換える。
【0008】
したがって、一方の排ガス処理ゾーン45A(45B)から脱臭処理室41に導入されて加熱装置42で加熱された未処理排ガスは、排出側の排ガス処理ゾーン45B(45A)の触媒層43で脱臭処理され、処理済排ガスは蓄熱層44を通過して排出される際にその熱が回収され、60秒経過後に流通方向を反転させたときに、今度は、排ガス処理ゾーン45Bから流入された未処理排ガスが蓄熱層44で予熱された後、加熱装置42で加熱されるので、これを交互に繰り返すことにより、処理済排ガスの熱を無駄にすることなく有効に利用して燃料消費量を低減し、ランニングコストを軽減することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脱臭処理室41に加熱装置42として例えばバーナを直接配設すると、その炎の周辺温度は約700〜1300℃にも達するので、バーナの炎を小さく絞っても、その輻射熱により触媒層43がオーバーヒート状態となり、触媒が劣化して製品寿命が短縮されるという問題があった。
なお、バーナ以外の熱源例えば電気ヒータなどを用いた場合も、その赤熱部分は炎と同程度の温度に達するので、その輻射熱により同様の問題を生ずる。
【0010】
一方、このような脱臭処理装置を設置する工場などには、ボイラやその他の熱源があり、これらから捨てられる排熱がある場合には、これを有効に利用することが省エネ,省資源の観点からも好ましい。
そこで、本発明は、脱臭処理を行う触媒層の触媒をオーバーヒートさせることなく未処理排ガスを触媒燃焼温度まで加熱することができ、さらに、他の工場設備からの排熱がある場合にはこれを有効に利用することができるようにすることを技術的課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、一端側から未処理排ガスを流入させて他端側から処理済排ガスを排出する排ガス流路となる脱臭処理室の中央部に、熱風発生装置から熱風の供給を受ける排ガス加熱ゾーンが形成されると共に、 脱臭処理室の両端側には、前記排ガス加熱ゾーンで加熱された排ガスに含まれる可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する触媒層と、この触媒層を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層とを備えた二つの排ガス処理ゾーンが夫々の触媒層を前記排ガス加熱ゾーンに対面させた状態で形成され、前記脱臭処理室を流れる排ガスの流れ方向を所定時間ごとに反転させながら脱臭処理を行う触媒式蓄熱脱臭処理装置において、前記脱臭処理室には、未処理排ガスが流入されないときに一方の排ガス処理ゾーンから排出された脱臭処理室内の空気を他方の排ガス処理ゾーンから再び脱臭処理室内に循環させるための還流ダクトが接続され、各排ガス処理ゾーンの中間位置に熱風流入部が形成され、前記還流ダクトを介して脱臭処理室内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーンの熱風流入部に前記熱風発生装置から熱風を供給する熱風供給ダクトが接続されたことを特徴とする。
【0012】
これによれば、脱臭処理室内に導入された未処理排ガスは、一方の排ガス処理ゾーンから排ガス加熱ゾーンに導入されて直接加熱されるのではなく、外部に設置された熱風発生装置から熱風供給ダクトを介して送給される熱風により触媒燃焼温度以上に加熱され、その下流側の排ガス処理ゾーンの触媒層で酸化燃焼又は熱分解されて脱臭処理される。
このとき、排ガス加熱ゾーンには、未処理排ガスを加熱するための熱源となる熱風発生装置が配設されていないので、反応熱が生じても、その輻射熱により触媒がオーバーヒートすることがない。
また、熱風発生装置として、他の設備を加熱するためのボイラのバーナを利用し、当該バーナで加熱された空気を熱風供給ダクトを介して排ガス加熱ゾーンに導入すれば、脱臭処理装置専用の熱風発生装置を設置する必要がなく、排熱を有効に利用して省エネ,省資源を図ると同時に、ランニングコストが低減される。
【0013】
また、脱臭処理室に未処理排ガスが流入されないときに脱臭処理室内の空気を一方の排ガス処理ゾーンから排出して他方の排ガス処理ゾーンから再び脱臭処理室内に循環させる閉流路を形成する還流ダクトが接続され、還流ダクトを介して脱臭処理室内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーンの各熱風流入部に熱風発生装置から熱風が供給されるようになっている。
【0014】
これによれば、排ガス処理ゾーンの未処理排ガス流入側端部にヤニが付着することがあっても、脱臭処理室内の空気を一方の排ガス処理ゾーンから排出して他方の排ガス処理ゾーンから再び脱臭処理室内に循環させるフラッシングを行う際に、流出側となる排ガス処理ゾーンの熱風流入部に熱風を送給すると、その熱風は脱臭処理室内の空気の流れに沿って排ガス処理ゾーンの処理済排ガス排出側すなわち未処理排ガス流入側から脱臭処理室外に排出される。
したがって、熱風発生装置から送給された高温の加熱空気により、ヤニの付着している未処理排ガス流入側が高温に加熱されるので、その熱で蓄熱層に付着しているヤニが気化され、あるいはヤニ燃焼用触媒層に付着したヤニが酸化燃焼又は熱分解されて確実に除去される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る触媒式蓄熱脱臭処理装置を示す概略構成図、図2及び図3は脱臭処理装置の空気の流れを示す説明図である。
【0016】
図中1は、未処理排ガスを触媒存在下で酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する触媒式蓄熱脱臭処理装置であって、一端側から未処理排ガスを流入させて他端側から処理済排ガスを排出する排ガス流路となる脱臭処理室2の中央部に、未処理排ガスを加熱する排ガス加熱ゾーン3Hが形成されると共に、脱臭処理室2の両端側には、二つの排ガス処理ゾーン3A,3Bが形成されている。
この排ガス処理ゾーン3A,3Bは、前記加熱ゾーン3Hで加熱された排ガスに含まれる可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する触媒層4と、この触媒層4を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層5を有し、各触媒層4を前記排ガス加熱ゾーン3Hに対面させた状態に配置されている。
【0017】
そして、脱臭処理室2の両端側には、ダンパ7A,7Bを介装した未処理排ガス流入ダクト8A,8Bと、ダンパ9A,9Bを介装した処理済排ガス排出ダクト10A,10Bが夫々接続され、各ダンパ7A,7B,9A,9Bを開閉することにより、一方の排ガス処理ゾーン3A又は3Bに流入させた排ガスを他方の排ガス処理ゾーン3B又は3Aから排出させる排ガスの流れ方向を所定時間(例えば60秒)ごとに反転させるように成されている。
【0018】
なお、未処理排ガス流入ダクト8A,8Bは、排ガス発生源(図示せず)に接続された排ガスダクト8から分岐されて各排ガス処理ゾーン3A,3Bに接続され、当該排ガスダクト8には排ガス送給用の送風機11が介装されている。
また、前記排ガス加熱ゾーン3Hには、未処理排ガスを触媒燃焼温度まで加熱できる温度の熱風を発生する熱風発生装置12がダンパ13Hを介装した熱風供給ダクト14Hを介して接続されている。
この熱風発生装置12は、熱源となる燃焼バーナ12aに燃焼用空気供給管12b及び燃料ガス供給管12cが接続されてなり、燃焼用空気供給管12bを介して送給された燃焼用空気の一部が熱風となって熱風供給ダクト14Hを介して排ガス加熱ゾーン3Hに送給される。
【0019】
また、脱臭処理室2には、各排ガス処理ゾーン3A,3Bの処理済排ガス流出端部と前記排ガスダクト8の送風機11の吸込側とを連通させる還流ダクト15A,15Bが接続され、未処理排ガスが脱臭処理室2に流入されないときに、脱臭処理室2内の空気を、一方の排ガス処理ゾーン(例えば3A)から排出させ、還流ダクト(例えば15A)及び排ガス流入ダクト(例えば8B)を介して他方の排ガス処理ゾーン(例えば3B)側から再び脱臭処理室2内に流入させる循環経路を形成するようになされている。
なお、16A,16Bは還流ダクト15A又は15Bを導通/遮断するダンパである。
【0020】
また、各排ガス処理ゾーン3A,3Bの蓄熱層5は二層に分割され、分割された各蓄熱層5a,5bの間に熱風流入部6が形成されると共に、当該各熱風流入部6,6は、ダンパ13A,13Bを介装した熱風供給ダクト14A,14Bを介して前記熱風発生装置12に接続されており、前記還流ダクト15A,15Bを介して脱臭処理室2内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーン3A,3Bに熱風発生装置12から熱風が供給されるようになされている。
【0021】
以上が本発明の一例構成であって、次に、その作用について図2を伴って説明する。
排ガス発生源から排ガスダクト8を介して送給された未処理排ガスを脱臭処理する場合は、未処理排ガス流入ダクト8A,8Bのダンパ7A,7Bと、処理済排ガス排出ダクト10A,10Bのダンパ9A,9Bを交互に開閉する。
これにより、一方の排ガス処理ゾーン3A又は3Bに未処理排ガスを流入させて処理済排ガスを他方の排ガス処理ゾーン3B又は3Aから排出する排ガスの流れ方向を所定時間(例えば60秒)ごとに反転させると、排ガスの流れは、図2(a)及び(b)に示すように反転される。
【0022】
すなわち、排ガス処理ゾーン3A側から未処理排ガスを流入させるときは、ダンパ7A,9Bを開くと共にダンパ7B,9Aを閉じておき、排ガス処理ゾーン3B側から排ガスを流入させるときは、ダンパ7B,9Aを開くと共にダンパ7A,9Bを閉じ、これを交互に切り換える。
なお、この間中、熱風供給ダクト14Hのダンパ13Hを開き、還流ダクト15A,15Bのダンパ16A,16Bと、熱風供給ダクト14A,14Bのダンパ13A,13Bは閉じておく。
【0023】
これにより、排ガス処理ゾーン3A(3B)に流入された未処理排ガスは、その蓄熱層5で予熱された後、排ガス加熱ゾーン3Hに導入されて、熱風発生装置12から供給される熱風により触媒燃焼温度まで加熱され、排ガス処理ゾーン3B(3A)の触媒層4で酸化燃焼又は熱分解されて脱臭処理され、高温の処理済排ガスが蓄熱層5を通過して排出される際に、その熱が回収されて蓄熱層5に蓄熱される。
このとき、排ガス加熱ゾーン3Hには、熱風発生装置12から熱風供給ダクト14Hを介して熱風が送給されて、未処理排ガスを加熱するように成されているので、熱風発生装置12の燃焼バーナ12aの輻射熱により触媒が必要以上に過熱されることがなく、オーバーヒートを未然に防止できる。
【0024】
そして、このように、排ガスの流れ方向を交互に反転させながら脱臭処理を継続して行っているうちに、各排ガス処理ゾーン3A,3Bの未処理排ガス流入側の蓄熱層5bにヤニが付着してくるので、排ガス発生源からの排ガスの送給が停止されている間に、排ガス処理ゾーン3A,3Bの未処理排ガス流入側端部に付着したヤニを除去するフラッシングを行う。
【0025】
このフラッシングは、例えば排ガス処理ゾーン3Aの未処理排ガス流入端部に付着したヤニを除去する場合は、図3(a)に示すように、脱臭処理室2内の空気を排ガス処理ゾーン3A側から排出し、還流ダクト15Aを介して排ガスダクト8に流入させ、排ガス流入ダクト8Bを介して他方の排ガス処理ゾーン3Bに還流させて循環させると共に、熱風発生装置12から熱風供給ダクト14Aを介して排出側となる排ガス処理ゾーン3Aの熱風流入部6に加熱空気を供給する。また、反対側の排ガス処理ゾーン3Bの未処理排ガス流入端部に付着したヤニを除去する場合は、図3(b)に示すように、脱臭処理室2内の空気を上述とは反対方向に循環させ、排ガス処理ゾーン3Bの熱風流入部6に加熱空気を供給する。
【0026】
これにより、例えば排ガス処理ゾーン3Aの熱風流入部6に流入された加熱空気は、脱臭処理室2内の空気の流れに沿って、熱風流入部6から排出側の排ガス処理ゾーン3Aの蓄熱層5bを通過するので、その熱風により蓄熱層5bが加熱されて、これにより未処理排ガスの流入側となる蓄熱層5bに付着しているヤニが気化されて除去され、もう一つの排ガス処理ゾーン3B側から流入されて、触媒層4,4を通過する際に脱臭処理される。
そして、排ガス処理ゾーン3Aの蓄熱層5bに付着したヤニの除去が終了すると、今度は、図3(b)に示すように脱臭処理室2内の空気を循環させ、排ガス処理ゾーン3Bの熱風流入部6に加熱空気を供給すれば、排ガス処理ゾーン3Bの蓄熱層5bに付着したヤニが除去される。
【0027】
この場合、単に脱臭処理室2内の空気が加熱されて循環するのではなく、加熱装置12から送給される熱風が、蓄熱槽5a,5bの間の熱風流入部6に流入して、蓄熱槽5bのみを通過して還流ダクト15A又は15Bから排出されるので、熱風の熱が触媒層4や他の蓄熱層5aに奪われることなく、ヤニが付着した蓄熱層5bのみを効率良く加熱することができる。
【0028】
なお、このようにして脱臭処理室2内の空気を循環すると、加熱装置12から熱風流入部6に流入された熱風の分だけ逃がす必要があるので、図3(a)及び(b)に示すように、処理済排ガス排出ダクト10A又は10Bを絞って開けておけばよい。
ただし、この場合、蓄熱層5bから気化されたヤニが脱臭処理されないまま若干量ではあるが外部へ流出するので、これを確実に脱臭処理して排出しようとする場合は、処理済排ガス排出ダクト10A,10Bを遮断しておき、流出側の排ガス処理ゾーン3A又は3Bの熱風流入部6又は排ガス加熱部3Hから逃がすようにすればよい。このようにすれば、流出側の排ガス処理ゾーン3A又は3Bの蓄熱層5bから気化したヤニは、少なくとも一つの触媒層4を通過するので、触媒層4で酸化燃焼又は熱分解されて排出される。
【0029】
図4(a)は他の実施形態を示し、本例では、排ガス処理ゾーン3A,3Bの蓄熱層5の未処理排ガス流入端側にヤニ燃焼用触媒層20が形成されると共に、前記蓄熱層5とヤニ燃焼用触媒層20の間に熱風流入部21が形成され、還流ダクト15A,15Bを介して脱臭処理室2内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーン3A,3Bの熱風流入部21,21に加熱装置12から熱風を供給する熱風供給ダクト14A,14Bが夫々接続されて成る。
これによれば、未処理排ガスが脱臭処理室2内に流入するときに、排ガスに含まれる有害悪臭成分の一部がヤニとなって、未処理排ガス流入側の排ガス処理ゾーン3A,3Bのヤニ燃焼用触媒層20に付着していく。
【0030】
そして、その触媒層20に付着したヤニを除去するフラッシングを行うときは、排出側となる排ガス処理ゾーン3A,3Bの熱風流入部21に、熱風発生装置12から熱風供給ダクト14A,14Bを介して高温の加熱空気が送給される。このとき、加熱空気により触媒層20の表面温度を触媒燃焼温度まで上昇させれば、触媒層20に付着したヤニの酸化燃焼又は熱分解が開始され、以後はその反応熱が生ずるので、それほど高い温度の加熱空気を送給しなくても、ヤニが触媒の存在下で酸化燃焼又は熱分解され、また、その反応熱により気化が促進されるので、短時間でヤニを除去できる。
【0031】
また、図4(b)は、さらに他の実施形態を示し、本例では、排ガス処理ゾーン3A,3Bの触媒層4と蓄熱層5の間に熱風流入部22が形成され、前記還流ダクト15A,15Bを介して脱臭処理室2内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーン3A又は3Bの熱風流入部22,22に前記熱風発生装置12から熱風を供給する熱風供給ダクト14A,14Bが夫々接続されて成る。
そして、フラッシングを行うときに、排出側となる排ガス処理ゾーン3A,3Bの熱風流入部22に、熱風発生装置12から熱風供給ダクト14A,14Bを介して高温の加熱空気が送給すれば、蓄熱層5の未処理排ガス流入端部に付着したヤニが気化して除去される。
【0032】
図5は本発明を適用した触媒式脱臭処理装置の斜視図であって、本例では、脱臭処理室2が円筒状に形成されると共に、その上段及び下段に排ガス処理ゾーン3A,3Bが形成されると共に、中段に排ガス加熱ゾーン3Hが形成されている。
また、熱風発生装置12は、前記脱臭処理室2と並行に配設された加熱ダクト23の一端側に燃焼バーナ12aを配してなり、当該加熱ダクト23から分岐して、熱風供給ダクト14A,14B,14Hが、排ガス処理ゾーン3A,3Bの熱風流入部6,6と、排ガス加熱ゾーン3Hに夫々接続されている。
これによれば、燃焼バーナ12aの炎が加熱ダクト23の長手方向に延びるので、燃焼バーナ12aを脱臭処理室2の近くに配しても、燃焼バーナ12aから炎先端部までの距離を確保することができる。
【0033】
さらに、図6(a)は加熱装置として、工場内に設置されているボイラなどの他の加熱装置24を熱風発生装置として利用し、その排熱を脱臭処理室2に供給して排ガスの脱臭処理を行うもので、加熱装置24から主ダクト25を介して供給された熱風が、熱風供給ダクト14A,14B,14Hに分岐されて、排ガス処理ゾーン3A,3Bの熱風流入部6,6と、排ガス加熱ゾーン3Hに夫々接続されている。
これによれば、工場内に設置されている他の加熱装置の排熱を有効に利用することができるので、さらに省エネ,省資源を図り、ランニングコストを低減することができる。
【0034】
また、図6(b)は、複数の脱臭処理室2,2・・を夫々の排ガスの発生源の近くに設置して排ガス処理する場合などに、共通の熱風発生装置26から主ダクト27,27・・を介して、複数の脱臭処理室2,2・・に熱風を送給するようになされている。これによれば、熱風発生装置26の排熱が多い場合に、複数の脱臭処理室2,2・・で同時に排ガス処理できるので、排熱をさらに無駄なく利用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、脱臭処理室内に導入された未処理排ガスを燃焼バーナその他の熱源で直接加熱するのではなく、外部に設置された加熱装置から熱風供給ダクトを介して送給される加熱空気により加熱するようにしているので、熱源からの輻射熱により触媒層の触媒などがオーバーヒートされて劣化することがなく、したがって、その分製品寿命を延ばすことができ、さらに、工場内に他の加熱装置が設置されている場合には、その加熱装置の排熱を熱風供給ダクトを介して脱臭処理室に導くことにより排ガスの脱臭処理を行うことができ、排熱を有効利用して省エネ,省資源を図り,ひいては設備費,ランニングコストを低減することができるという大変優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による触媒式蓄熱脱臭処理装置の概略構成図。
【図2】(a)及び(b)は脱臭処理を行なう際の排ガスの流れを示す図。
【図3】(a)及び(b)はフラッシングを行なう際の空気の流れを示す図。
【図4】(a)及び(b)は脱臭処理ゾーンの他の実施形態を示す図。
【図5】本発明を適用した触媒式蓄熱脱臭装置の斜視図。
【図6】(a)及び(b)はその他の適用例を示す図。
【図7】従来の触媒式脱臭処理装置の概略構成図。
【符号の説明】
1・・・・・・・・触媒式蓄熱脱臭処理装置
2・・・・・・・・脱臭処理室
3H・・・・・・・排ガス加熱ゾーン
3A,3B・・・・排ガス処理ゾーン
4・・・・・・・・触媒層
5,5a,5b・・蓄熱層
6・・・・・・・・熱風流入ゾーン
7A,7B・・・・ダンパ
8A,8B・・・・未処理排ガス流入ダクト
9A,9B・・・・ダンパ
10A,10B・・・処理済排ガス排出ダクト
12a・・・・・・・燃焼バーナ
12・・・・・・・・熱風発生装置
14A,14B,14H・・熱風供給ダクト
15A,15B・・・還流ダクト
20・・・・・・・・ヤニ燃焼用触媒層
21・・・・・・・・熱風流入部
22・・・・・・・・熱風流入部
Claims (4)
- 一端側から未処理排ガスを流入させて他端側から処理済排ガスを排出する排ガス流路となる脱臭処理室の中央部に、熱風発生装置から熱風の供給を受ける排ガス加熱ゾーンが形成されると共に、
脱臭処理室の両端側には、前記排ガス加熱ゾーンで加熱された排ガスに含まれる可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する触媒層と、この触媒層を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層とを備えた二つの排ガス処理ゾーンが夫々の触媒層を前記排ガス加熱ゾーンに対面させた状態で形成され、
前記脱臭処理室を流れる排ガスの流れ方向を所定時間ごとに反転させながら脱臭処理を行う触媒式蓄熱脱臭処理装置において、
前記脱臭処理室には、未処理排ガスが流入されないときに一方の排ガス処理ゾーンから排出された脱臭処理室内の空気を他方の排ガス処理ゾーンから再び脱臭処理室内に循環させるための還流ダクトが接続され、
各排ガス処理ゾーンに熱風流入部が形成されると共に、
前記還流ダクトを介して脱臭処理室内の空気を循環させるときに流出側となる排ガス処理ゾーンの熱風流入部に前記熱風発生装置から熱風を供給する熱風供給ダクトが接続されたことを特徴とする触媒式蓄熱脱臭処理装置。 - 前記蓄熱層が二層に分割され、その分割された蓄熱層の間が前記各排ガス処理ゾーンの熱風流入部に形成されてなる請求項1記載の触媒式蓄熱脱臭処理装置。
- 前記蓄熱層の未処理排ガス流入端側にヤニ燃焼用触媒層が形成されると共に、当該蓄熱層とヤニ燃焼用触媒層の間が前記各排ガス処理ゾーンの熱風流入部に形成されてなる請求項1記載の触媒式蓄熱脱臭処理装置。
- 前記触媒層と蓄熱層の間が前記各排ガス処理ゾーンの熱風流入部に形成されてなる請求項1記載の触媒式蓄熱脱臭処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06993396A JP3652778B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 触媒式蓄熱脱臭処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06993396A JP3652778B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 触媒式蓄熱脱臭処理装置 |
Publications (2)
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