JP3658648B2 - 触媒式蓄熱脱臭処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱された排ガスを脱臭処理する脱臭用触媒層と、これを通過した高温の処理済排ガスの熱を蓄熱する蓄熱層とを備えた複数の排ガス処理室が、バーナを配設した排ガス加熱室に前記触媒層を対面させて並設されて成る触媒式蓄熱脱臭処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗装ブース,塗装乾燥炉,印刷用乾燥炉,プラスチックや合板の製造設備,食品加工設備,産業廃棄物処理設備,消化剤製造設備あるいは香料製造設備などの各種施設内においては、塗料,インキ,溶剤,接着剤,合成樹脂,あるいは化学薬品等から、アルコール類,エステル類や,有毒で特有の臭気を持つフェノール類,アルデヒド類等の可燃性有害悪臭成分が発生する。
【0003】
そして、このような有害悪臭成分を含んだ排ガスは、公害防止の観点から直接大気中に放出することはできないので、通常は、脱臭処理を施して、無毒無臭化した状態で放出している。代表的な脱臭処理方法としては、排ガス中の有害悪臭成分を700〜900℃の高温下で酸化燃焼又は熱分解して炭酸ガスと水に変化させて無臭化する直接燃焼法が知られている。
これは、脱臭効果が抜群であって他のいかなる脱臭法と比較しても劣らず、また、可燃性の臭気成分に対して全般的に適用できるという長所があるが、その反面、燃料消費量が大であり、ランニングコストが嵩むという短所がある。
【0004】
そして、燃費を抑えてランニングコストを軽減させるために、排ガス中に含まれる有害悪臭成分を触媒の存在下で酸化燃焼又は熱分解させる触媒酸化法が提案されている。
これは、白金系,コバルト系,ニッケル系などの触媒の存在下において酸化燃焼又は熱分解反応を進行させ、可燃性の有毒悪臭成分を炭酸ガスと水とに分解させて無毒無臭化する方法であり、直接燃焼法に比較して低温の350〜400℃程度で脱臭処理することができるので、ランニングコストを軽減できるというメリットがある。
また、最近では、触媒存在下で酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理した高温の処理済排ガスの熱を有効に利用して、さらにランニングコストを軽減する触媒式蓄熱脱臭処理装置が提案されている(特開平5−66005号公報参照)。
【0005】
図3は、このような方式の触媒式蓄熱脱臭処理装置1を示し、加熱された排ガス中の可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する白金系,コバルト系,ニッケル系などの触媒で形成される脱臭用触媒層2と、この触媒層2を通過した高温ガスの熱を蓄熱する蓄熱層3とを備えた複数の排ガス処理室Ha〜Hcが、バーナ4を配設した排ガス加熱室5に対して並設されている。
【0006】
前記各排ガス処理室Ha〜Hcの蓄熱層3を挟んで排ガス加熱室5の反対側には、夫々の蓄熱層3を通って排ガス加熱室5に未処理排ガスを導入する未処理排ガス導入ダクト6a〜6cと、排ガス加熱室5から排ガス処理室Ha〜Hcに導入された未処理排ガスをその脱臭用触媒層2で脱臭処理した処理済排ガスを排出する処理済排ガス排出ダクト7a〜7cと、排ガス加熱室5から少量の加熱排ガスを導入することにより各排ガス処理室Ha〜Hc内に残る未処理排ガスを排出して他の排ガス処理室Ha〜Hcに還流させるパージダクト8a〜8cが接続され、前記各ダクト6a〜6c,7a〜7c,8a〜8cには切換ダンパ9a〜9c,10a〜10c,11a〜11cが介装されている。
【0007】
なお、前記未処理排ガス導入ダクト6a〜6cは、塗装ブースや塗装乾燥炉などの排ガス発生源から未処理排ガスが送給される排ガス送給ダクト6に接続され、当該排ガス送給ダクト6には送風機12が介装されている。
また、処理済排ガス排出ダクト7a〜7cは、その下流側で一本のダクト7に集合されて形成され、パージダクト8a〜8cは、前記排ガス送給ダクト6に介装された送風機12の上流側に接続されている。
【0008】
そして、前記各切換ダンパ9a〜9c,10a〜10c,11a〜11cを開閉操作することにより、各ダクト6a〜6c,7a〜7c,8a〜8cを切り換えて、未処理排ガスを一の排ガス処理室Ha〜Hcから導入させ、その蓄熱層3の熱で予熱して前記排ガス加熱室5に導入した後、他の排ガス処理室Ha〜Hcの脱臭用触媒層2で脱臭処理し、高温の処理済排ガスの熱を蓄熱層3で回収してから外部に排出するように成されており、各排ガス処理室Ha〜Hcを順次交互に使用して連続的に脱臭処理を行うようになされている。
【0009】
具体的には、切換ダンパ9a,10b,11cを開くと、未処理排ガスが排ガス処理室Haを介して排ガス加熱室5に導入され、ここで触媒存在下で酸化燃焼又は熱分解反応が開始する触媒燃焼温度(380℃)まで加熱された後、その高温ガスのほとんどが排ガス処理室Hbの脱臭用触媒層2で脱臭処理され、高温の処理済ガスの熱を蓄熱層3で回収した後、処理済ガス排出ダクト7bから外部へ排出されると共に、排ガス加熱室5で加熱された高温排ガスの一部が排ガス処理室Hcからパージダクト8cを介して排ガス送給ダクト6へ還流され、再び排ガス処理室Haから排ガス加熱室5に導入されて排ガス処理室Hbの脱臭用触媒層2で脱臭処理される。
【0010】
そして、例えば60秒経過したときに切換ダンパ9b,10c,11aを開くと、今度は蓄熱の終了した排ガス処理室Hbから未処理排ガスを導入させ、パージが終了した排ガス処理室Hcから処理済排ガスを排出させ、いままで排ガスが導入して内部に未処理ガスの残る排ガス処理室Haのバージを行う。
さらに60秒経過したときに切換ダンパ9c,10a,11bを開いて再び流路を切り換えて、排ガス処理室Hcから未処理排ガスを導入させ、排ガス処理室Haから処理済排ガス排ガスを流出させ、排ガス処理室Hbのパージを行い、これを順次繰り返して連続的に脱臭処理を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このとき、排ガス処理室Ha〜Hcの蓄熱層3の温度分布は、未処理排ガスを導入する際に、排ガス加熱室5に面している脱臭用触媒層2側が最も高く、未処理排ガス導入端13側が最も低く、その温度は未処理排ガスの導入開始時には可燃性有害悪臭成分が凝縮しない程度に高くても、未処理排ガスは比較的低温であることから、未処理排ガス導入ダクト6a〜6cから排ガス処理室Ha〜Hcに未処理排ガスを導入するときに、未処理排ガス導入端13が冷却されて可燃性有害悪臭成分の凝縮温度(100℃程度)まで低下し、その排ガス中に含まれる可燃性有害悪臭成分がヤニとなって未処理排ガス導入端13側に付着し、これを放置すると蓄熱層3が目詰まりを起こすという問題が生じた。
【0012】
このため、ヤニがある程度付着したところで、排ガス発生源が稼動していない昼休みや作業終了後に、排ガス加熱室5から各排ガス処理室Ha〜Hcに熱風を長時間(1〜2時間)連続的して順次循環送給し、脱臭用触媒層3の未処理排ガス導入端13側の温度を上昇させ、付着したヤニを気化して除去するフラッシングを行うようにしているが、ヤニは粘度の高い液状となって付着し、場合によってはそれが固まっているので、ヤニを気化させるまでの時間が長くかかっていた。
【0013】
なお、付着したヤニが粘度の高い液状になる前にフラッシングを行えば、ヤニを比較的容易に気化させることができるが、この場合は、フラッシングの頻度が著しく多くなり燃費が嵩むだけでなく、フラッシングを行うときは排ガス発生源となる装置を停止させなければならないので、排ガス発生源となる塗装乾燥炉などを停止しなければならず、稼動効率が低下するという問題を生ずる。
そこで、本発明は、蓄熱層の未処理排ガス導入端側に、ヤニが粘度の高い液状となって付着したり固まったりしても、フラッシングの頻度を多くしたり、排ガス発生源となる装置の稼動効率を低下させることなく、比較的短時間で確実に除去できるようにすることを技術的課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、加熱された排ガス中の可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する脱臭用触媒層と、この触媒層を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層とを備えた複数の排ガス処理室が、バーナを配設した排ガス加熱室に前記触媒層を対面させて並設され、
前記各排ガス処理室には、前記蓄熱層を挟んで前記排ガス加熱室の反対側に、未処理排ガス導入ダクトと、処理済排ガス排出ダクトが接続されると共に、前記各未処理排ガス導入ダクトは排ガス発生源から排ガスを送給する排ガス送給ダクトに接続され、
未処理排ガス導入ダクトを介して一の排ガス処理室に導入させた未処理排ガスを、その蓄熱層で予熱して排ガス加熱室に導入させ、排ガス加熱室で加熱した後、他の排ガス処理室の脱臭用触媒層で脱臭処理して、処理済排ガス排出ダクトを介して処理済排ガスを排出する際にその熱を当該排ガス処理室の蓄熱層で回収し、所定時間経過後に、それまで処理済排ガスが排出していた排ガス処理室に未処理排ガスを導入させ
未処理排ガスを導入する排ガス処理室と処理済排ガスを排出させる排ガス処理室を順次交互に交替しながら、前記排ガス送給ダクトを介して送給される未処理排ガスを脱臭処理する触媒式蓄熱脱臭処理装置において、
前記各排ガス処理室の蓄熱層に流入する未処理排ガスの可燃性有害悪臭成分がヤニとなって付着する未処理排ガス導入端側のヤニ付着領域,当該可燃性有害悪臭成分の酸化燃焼又は熱分解を進行させる単層又は複数層のヤニ除去用触媒層が配されたことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、排ガス加熱室に並設された複数の排ガス処理室のうち、一の排ガス処理室に導入させた未処理排ガスをその蓄熱層で予熱し、排ガス加熱室に導入して加熱した後、他の排ガス処理室の脱臭用触媒層で脱臭処理して、高温の処理済排ガスを排出する際にその熱を蓄熱層で回収する。
次いで、所定時間経過後に、今度は、それまで処理済排ガスを排出していた排ガス処理室に未処理排ガスを導入させて、未処理排ガスを導入する排ガス処理室と処理済排ガスを排出させる排ガス処理室を順次交互に交替しながら、前記排ガス送給ダクトを介して送給される未処理排ガスを脱臭処理する。
【0016】
そして、蓄熱層の未処理排ガス導入端側の温度は、高温の処理済排ガスの排出が終了した時点で最高温度に達して、触媒燃焼温度と同程度まで加熱されるが、その後、未処理排ガスが導入すると熱が奪われて、未処理排ガスの導入が終了した時点で最低温度になり100℃前後まで低下する。
このとき、蓄熱層の温度が100℃程度まで低下すると、排ガス中に含まれる有害悪臭成分が凝集し、蓄熱層の未処理排ガス導入端にヤニとなって付着するが、次いで、当該排ガス処理室から処理済排ガスを排出させると、高温の処理済排ガスが通過することにより蓄熱層は触媒燃焼温度まで加熱され、しかも、蓄熱層の未処理排ガス導入側のヤニ付着領域には単層又は複数層のヤニ除去用触媒層が配されているので、その触媒に付着しているヤニは酸化燃焼され又は熱分解されて確実に除去される。
なお、このとき反応熱が発生するので、その発熱によって、その周囲に付着しているヤニの気化が促進され、短時間で確実にヤニが除去されると同時に、処理済排ガスを排出する度にヤニを除去するので、ヤニが少量しか付着されず、したがって短時間で確実に酸化燃焼又は熱分解して処理することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す具体的な実施形態に基づいて説明する。
図1は本発明に係る触媒式蓄熱脱臭装置を示すフローシート、図2はヤニ付着領域のヤニ付着量と触媒の位置関係を示す説明図である。なお、図3と共通する部分については同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0018】
本例では、各排ガス処理室Ha〜Hcの蓄熱層3の未処理排ガス導入端13側未処理排ガス中の可燃性有害悪臭成分がヤニとなって付着するヤニ付着領域Aに、当該有害悪臭成分の酸化燃焼又は熱分解を進行させる単層又は複数層のヤニ除去用触媒層14が配されている。
未処理排ガス中の可燃性有害悪臭成分がヤニとなって付着する量は、例えば図2(a)に示すように、未処理排ガス導入端13側が最も多く、当該導入端13から離れるに従って徐々に減少する。
したがって、未処理排ガス導入端13からヤニの付着量が0になる部分までがヤニ付着領域Aとなる。
【0019】
ヤニ除去用触媒層14は、図2(b)〜(e)に示すように単層で形成しても、図2(f)に示すように複数層に分けて形成してもよい。
なお、この触媒層14は、流れの向きが変わることによる圧力損失を少なく抑え、且つ、ヤニの発生を極力少なくするように蓄熱層3の断面形状と同じ断面形状に形成され、例えば蓄熱層3が所定寸法のハニカム状に形成されていれば、触媒層14もこれと等しい寸法のハニカム状に形成するのが好ましい。
【0020】
以上が本発明の一例構成であって、つぎにその作用について説明する。
塗装ブースや塗装乾燥炉などの排ガス発生源から送給された未処理排ガスは、未処理排ガス導入ダクト6aを介して排ガス処理室Haに導入され、その蓄熱層3で予熱される。
そして、排ガス加熱室5に導入されて加熱され、そのほとんどが他の排ガス処理室Hbの脱臭用触媒層2で脱臭処理されて、処理済排ガス排出ダクト7bから排出される際に、高温の処理済排ガスの熱を蓄熱層3で回収する。
また、前記排ガス加熱室5で加熱された高温排ガスの一部が、もう一つの排ガス処理室Hc内に導入するので、その脱臭用触媒層2で脱臭処理されると共に、処理済排ガスで当該処理室Hc内に残る未処理排ガスが圧し出されてパージされ、この未処理排ガスが、パージダクト8cを介して排ガス処理室Haに還流され、排ガス処理室Hbで処理される。
【0021】
そして、所定時間(例えば60秒)経過後に、前記各ダクト6a,7b,8cを遮断して、今度は、ダクト6b,7c,8aを導通させ、それまで処理済排ガスを排出していた排ガス処理室Hbに未処理排ガスを導入させ、パージが終了した排ガス処理室Hcから処理済排ガスを排出し、それまで未処理排ガスを導入していた排ガス処理室Haのパージを行う。
さらに、所定時間(例えば60秒)経過後に、前記各ダクト6b,7c,8aを遮断して、今度は、ダクト6c,7a,8bを導通させ、それまで処理済排ガスを排出していた排ガス処理室Hcに未処理排ガスを導入させ、パージが終了した排ガス処理室Haから処理済排ガスを排出し、それまで未処理排ガスを導入していた排ガス処理室Hbのパージを行う。
このようにして、未処理排ガスの導入,処理済排ガスの流出,パージを行う各排ガス処理室Ha〜Hcを順次交互に交替しながら、前記排ガス送給ダクト6を介して送給される未処理排ガスを連続的に脱臭処理する。
【0022】
この場合において、各排ガス処理室Ha〜Hcの蓄熱層3の未処理排ガス導入端13側の温度は、高温の処理済排ガスの排出が完了した時点で最高温度に達するが、その後、未処理排ガスの導入に伴って蓄熱層3の熱が奪われる。
そして、100℃前後まで低下すると、排ガス中に含まれる有害悪臭成分が凝縮し、蓄熱層3の未処理排ガス導入端13にヤニとなって付着する。
【0023】
次いで、その排ガス処理室Ha〜Hcから高温の処理済排ガスが排出されると、蓄熱層3の未処理排ガス導入端13の温度が上昇し、触媒燃焼温度まで加熱されると、蓄熱層3の未処理排ガス導入端13側のヤニ付着領域Aに単層又は複数層のヤニ除去用触媒層14が配されているので、当該触媒層14に付着しているヤニが酸化燃焼又は熱分解されて確実に除去される。
【0024】
例えば、図2(b)に示すようにヤニ付着領域Aが単層の触媒層14のみから形成されていれば、ヤニ付着領域Aに付着しているヤニの全部が触媒層14に直接接触しているので、触媒存在下で酸化燃焼又は熱分解されて除去される。
この場合、排ガス加熱室5から高温の排ガスが流下してくるので、触媒層14の上方から昇温されて触媒燃焼温度に達し、また、触媒層14はヤニで完全に覆われていない上端側の方が活性しやすいため、当該部分の触媒層14が活性化して付着しているヤニが酸化燃焼又は熱分解され、次いで、その反応熱がその周囲に伝わるので、排ガス加熱室5から流下される高温の排ガスの熱と相まって昇温され、ヤニで完全に覆われた部分も活性化していく。
【0025】
また、図2(c)〜(f)に示すようにヤニ付着領域Aが単層又は複数層の触媒層14と蓄熱層3とからなる場合も、排ガス加熱室5から流下する高温の排ガスにより当該触媒層14が昇温される。
そして、触媒層14が触媒燃焼温度に達すると、その触媒層14に直接付着しているヤニが酸化燃焼又は熱分解される。
次いで、その反応熱が周囲に伝わるので、排ガス加熱室5から流下される高温の排ガスの熱と相まって、触媒層14以外の部分も気化温度より高い温度に昇温され、触媒層14以外の部分に付着しているヤニが気化されて触媒層14に接触されて酸化燃焼又は熱分解される。
ただし、触媒層14はヤニで完全に覆われていない方が活性化しやすいので、ヤニ付着領域Aの一部に触媒層14を形成する場合は、ヤニの付着量が比較的少ない上端側に形成する方がより効果的である。
【0026】
このようにして、ヤニが触媒層14に接触して酸化燃焼又は熱分解反応が開始されると反応熱を発生するので、その発熱によって、その周囲に付着しているヤニの気化が促進され、短時間で確実にヤニが除去されると同時に、処理済排ガスを排出する度にヤニを除去するので、ヤニが少量しか付着されず、したがって短時間で確実に酸化燃焼又は熱分解して処理することができる。
【0027】
また、このように使用しても、長期間使用しているうちに、各蓄熱層3のヤニ付着領域Aにヤニが付着される場合は、例えば、1カ月ごとにヤニを除去するフラッシングを行う。
このフラッシングは、塗装用乾燥炉などの排ガス発生源の運転を停止した状態で、排ガス加熱室5で加熱した高温空気を、排ガス処理室Ha〜Hcに1時間程度継続して循環供給することにより行われ、例えば、排ガス処理室(例えばHa)のパージダクト(例えば8a)を順次1時間ずつ導通させると共に、他の二つの排ガス処理室(例えばHb,Hc)の未処理排ガス導入ダクト(例えば6b,6c)を開いて、排ガス加熱室5で加熱した空気が一の排ガス処理室(例えばHa)を通って他の二つの排ガス処理室(例えばHb,Hc)から再び排ガス加熱室5に還流する循環経路を形成し、これを例えば1時間ごとに順次切り換える。
【0028】
具体的には、切換ダンパ11a,9b,9cを開き、送風ファン12を回転させた状態でバーナ4を燃焼させると、排ガス加熱室5で350℃程度に加熱された空気が、排ガス処理室Haを通って、そのパージダクト8aから排ガス送給ダクト6へ還流され、未処理排ガス導入ダクト6b,6cを通って排ガス処理室Hb,Hcから再び排ガス加熱室5に還流する循環経路が形成される。
【0029】
これにより、排ガス処理室Haの蓄熱層3の温度は上昇し、蓄熱層3全体が350℃程度になり、蓄熱層3の未処理排ガス導入端13側のヤニ付着領域Aも触媒燃焼温度に達する。
そして、1時間程度経過した時点で、前記ダンパ11a,9b,9cを遮断して、今度は、切換ダンパ9a,11b,9cを開き、さらに、1時間経過した時点で、前記ダンパ9a,11b,9cを遮断し、今度は、切換ダンパ9a,9b,11cを開けば、各排ガス処理室Ha〜Hcの蓄熱層3のヤニ付着領域Aに付着したヤニが順次酸化燃焼又は熱分解されて除去される。
【0030】
なお、三つの排ガス処理室Ha〜Hcを有する場合は、排ガス発生源となる塗装ブースや塗装乾燥炉などの運転中に、排ガスの脱臭処理とフラッシングを同時に行なってもよい。
この場合は、例えば、二つの排ガス処理室(例えばHaとHb)を交互に使用して排ガスの脱臭処理を行うと共に、他の一つの排ガス処理室(例えばHc)のパージダクト(例えば8c)を開いてフラッシングを行ない、排ガス加熱室5で加熱された排ガスを1時間程度供給し続けることにより、前述と同様にしてヤニ付着領域Aのヤニを除去できる。
そして、排ガス処理室Hcのフラッシングが終了した後、同様にして排ガス処理室Ha,Hbのフラッシングを順次行えばよい。
また、上述の説明では、三つの排ガス処理室Ha〜Hcを備えた脱臭処理装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、二以上の排ガス処理室を備えていれば足り、例えば、排ガス加熱室の上下に排ガス処理室を配した一塔式のものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、未処理排ガス導入端側のヤニ付着領域,当該可燃性有害悪臭成分の酸化燃焼又は熱分解を進行させる単層又は複数層のヤニ除去用触媒層が配されているので、可燃性有害悪臭成分がヤニとなって付着しても、高温排ガスを排出することにより蓄熱層の未処理排ガス導入端を触媒燃焼温度まで加熱すると、ヤニ付着領域に付着したヤニを触媒存在下で酸化燃焼又は熱分解させることができ、これによりヤニを短時間で除去することができると同時に、処理済排ガスを排出する度にヤニが除去されるのでヤニが少量しか付着されず、したがって短時間で確実に酸化燃焼又は熱分解して除去できるという大変優れた効果を有する。
さらに、ヤニが付着してしてもその付着量は極めて少ないので、これを除去するためのフラッシングを行うときでも、その頻度を少なくすることができ、また、フラッシング時間を短縮できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示すフローシート。
【図2】(a)〜(f)はヤニの付着領域と触媒の位置関係を示す説明図。
【図3】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・・・・触媒式蓄熱脱臭処理装置
2・・・・・・脱臭用触媒層
3・・・・・・蓄熱層
Ha〜Hc・・排ガス処理室
4・・・・・・バーナ
5・・・・・・排ガス加熱室
6a〜6c・・未処理排ガス導入ダクト
7a〜7c・・処理済排ガス排出ダクト
8a〜8c・・パージダクト
12・・・・・送風機
13・・・・・未処理排ガス導入端
14・・・・・ヤニ除去用触媒層

Claims (1)

  1. 加熱された排ガス中の可燃性有害悪臭成分を酸化燃焼又は熱分解させて脱臭処理する脱臭用触媒層と、この触媒層を通過した高温の処理済排ガスの熱を回収する蓄熱層とを備えた複数の排ガス処理室が、バーナを配設した排ガス加熱室に前記触媒層を対面させて並設され、
    前記各排ガス処理室には、前記蓄熱層を挟んで前記排ガス加熱室の反対側に、未処理排ガス導入ダクトと、処理済排ガス排出ダクトが接続されると共に、前記各未処理排ガス導入ダクトは排ガス発生源から排ガスを送給する排ガス送給ダクトに接続され、
    未処理排ガス導入ダクトを介して一の排ガス処理室に導入させた未処理排ガスを、その蓄熱層で予熱して排ガス加熱室に導入させ、排ガス加熱室で加熱した後、他の排ガス処理室の脱臭用触媒層で脱臭処理して、処理済排ガス排出ダクトを介して処理済排ガスを排出する際にその熱を当該排ガス処理室の蓄熱層で回収し、所定時間経過後に、それまで処理済排ガスが排出していた排ガス処理室に未処理排ガスを導入させ
    未処理排ガスを導入する排ガス処理室と処理済排ガスを排出させる排ガス処理室を順次交互に交替しながら、前記排ガス送給ダクトを介して送給される未処理排ガスを脱臭処理する触媒式蓄熱脱臭処理装置において、
    前記各排ガス処理室の蓄熱層に流入する未処理排ガスの可燃性有害悪臭成分がヤニとなって付着する未処理排ガス導入端側のヤニ付着領域,当該可燃性有害悪臭成分の酸化燃焼又は熱分解を進行させる単層又は複数層のヤニ除去用触媒層が配されたことを特徴とする触媒式蓄熱脱臭処理装置。
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