JP6443929B2 - オフセット輪転機の排熱制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット輪転機の排熱制御システムに関し、特に、乾燥装置の乾燥ゾーンの温度制御を、乾燥装置からの排熱を有効利用して、印刷状況の変化があっても、印刷を好適に行うことを可能にしたものである。
典型的なオフセット輪転機は、ロール紙(ウェブW)を供給する紙送りを起点として、ロール紙の搬送方向に沿って、墨、藍、紅、黄各色インクの印刷を割り当てられた4台1組の印刷部、インクを熱風乾燥及び脱臭する乾燥脱臭装置、ロール紙を冷却する冷却部、折り・断裁を行う折部で構成されており、印刷機で印刷されたウェブWは、乾燥装置で熱風乾燥され、冷却ローラで冷却され、折り、断裁後、製本等の次工程に送られる。
乾燥装置でウェブWを熱風乾燥させた空気は、気化したインク由来の有機溶媒や悪臭物質を含むことから、酸化触媒を通して処理するのが一般的である。この酸化触媒を通過した後の排気ガスは、250℃〜350℃程度と高温である。従来の乾燥装置は図8(a)に示す通り、バーナーで乾燥装置の熱源を供給していた。
特許文献1は、脱臭処理後の浄化空気を有効利用して、乾燥装置の熱エネルギーの消費量を低減できる印刷機の乾燥装置を提供する。印刷機の乾燥装置10は、印刷紙に熱空気を供給して印刷インキの溶剤を乾燥させる乾燥手段20と、乾燥手段20から排出される気化した溶剤を含む排気ガスを酸化分解して浄化空気を外部へ排出する脱臭手段40、脱臭手段40の排気配管34から分岐して乾燥手段20に接続する還流配管62を有し、脱臭手段40から排出される浄化空気の一部を乾燥手段20に還流する還流手段60とを備えたことを特徴とする。
実用新案登録第3178673号公報
図8(b)に示す通り、特許文献1の発明は、印刷に必要なカロリーはバーナー26にて供給し、排熱循環で熱量を供給しているが、基本的には、脱臭装置40、循環配管62、開閉ダンパー64、流量調整ダンパー66、バーナー26を備え、単に、熱風の流量を循環させるだけである。
図8(c)に示す通り、排熱の熱量が多いと、印刷に必要なカロリー余剰分をバーナー26にて供給し、排熱からの熱量の余剰分が発生すると、印刷物が過剰乾燥となり、印刷物が不良となる。一方、図8(d)に示す通り、排熱の熱量が少ないと、印刷に必要なカロリーが不足し、印刷物が未乾燥となり、製品の不良の原因となる。
特許文献1の発明は、乾燥装置のバーナーの出力と、流量調整ダンパー66の開度が全く関連づけられておらず、また、開閉ダンパー64と、流量調整ダンパー66の開度調整の内容が不明である。流量調整ダンパー66の開度調整と、バーナーの火力制御が実際には調和せず干渉を引き起こすおそれがある。そのため、乾燥ゾーンの温度制御と乾燥燃費の改善は極めて困難である。オフセット輪転機の脱臭乾燥装置排熱利用において、流量調整ダンパー66の開度は決められた3段階の設定圧力で固定風量を乾燥ゾーンへ循環しているが、印刷状況により固定風量のままでは、排煙漏れや乾燥ゾーンやバーナーの温度制御が十分に有効利用できない、又印刷連続運転への立上げ時間が長い等、種々の問題が依然として残っている。
そこで、本発明は、乾燥装置の燃費削減を主目的としてなされたものであり、印刷に必要なカロリーを従来のバーナーに加えて排熱を有効利用し、印刷状況(印刷速度、印刷紙重量、インク塗布量など)の変化があっても印刷に影響なく排熱制御を行うことを可能にしたものである。また、その排熱循環は一定量の供給ではなく、バーナーの出力とともに乾燥装置へ熱風の循環風量を可変することである。最終的に印刷に必要なエネルギー調整はバーナーにて行うことを考慮するものである。このように、排熱を適切に循環させることにより、印刷物に悪影響を与えず、燃費を低減するシステムである。さらに、脱臭装置や乾燥装置の立上げ時間の短縮による燃費低減も目的とする。
上記の課題に鑑みて、本発明は、乾燥装置と脱臭装置とを備え、前記乾燥装置から乾燥した排気ガスを排気ファンで排出すること、前記排気ファンからの排気を前記脱臭装置で脱臭すること、前記脱臭装置で脱臭した浄化空気を循環風量調整ダンパーに供給すること、前記循環風量調整ダンパーからの浄化空気を前記乾燥装置に循環させること、少なくとも乾燥装置安定運転時に、前記乾燥装置のバーナーの出力設定値と前記循環風量調整ダンパーの開度設定値とを関連づけた表のデータに基づいて、前記乾燥装置のバーナーの火力及び循環風量調整ダンパーの開度を調整することにより、前記乾燥装置内の温度を制御し、前記乾燥装置を通過するウェブ上のインクを乾燥させることを特徴とするオフセット輪転機の排熱制御システムである。
また、循環風量調整ダンパーでは構造上細かい温度制御が出来ないことがあるので、循環風量調整ダンパー開度を多段制御として、乾燥装置の細かい温度制御(温度管理)をバーナーで制御させていることが特徴である。
前記バーナーの出力設定範囲を複数の範囲に分割することで、バーナーの出力設定値が多段階に設定され、当該バーナーの出力設定値に対して循環風量調整ダンパーの開度設定値が設定されていることが好ましい。印刷時に、前記バーナーの出力に応じて前記循環風量調整ダンパーの開度を制御する。
前記乾燥装置の上流側に第1のバーナー、下流側に第2のバーナーを備え、第1のバーナーを前記バーナーの火力の調整の対象とすることが好ましい。
乾燥装置安定運転時における前記循環風量調整ダンパーの開度を、乾燥装置立上げ運転時における開度より低くすることが好ましい。例えば、前記バーナーの出力設定値は、立上げ運転時に大きな火力、温調運転時にこれよりも、減少させた範囲の火力、安定運転時には、さらに低燃焼の火力に設定される。これに対応して、前記循環風量調整ダンパーの開度も、立上げ運転時に大きな開度とし、温調運転時には、これよりは減少させた範囲の開度とし、安定運転時にはさらに小さな開度とすることが好ましい。
乾燥装置の立上げ制御において、循環風量調整ダンパーからの排気を乾燥装置に循環させることが好ましい。乾燥装置の立上げ時は循環風量調整ダンパーを100%開とするなど、安定運転時よりも開度を大きくすることが好ましい。立上げ時間は乾燥装置の使用状況により変わるが短時間(数秒〜数分)で所定の温度まで到達する。乾燥装置ウォーミング完了信号により乾燥装置のバーナーの出力設定値と、前記循環風量調整ダンパーの開度設定値とを関連を持たせて、バーナー出力に合わせて前記循環風量調整ダンパーが追従して制御される。
脱臭装置の立上げ制御において、循環風量調整ダンパーからの排気を全量(100%)脱臭装置に循環させることが好ましい。
本発明のオフセット輪転機の排熱制御システムは、乾燥装置のバーナーの出力と、循環風量調整ダンパーの開度をともに制御し、関連付けて設定することができる。これにより、排熱制御を容易化し、乾燥装置の温度状況にあったダンパー開度で排熱を循環でき、印刷にも影響を与えず、排熱を一層有効利用することで、燃費を大幅に低減することができる。
前記排熱制御において、乾燥装置安定運転時のバーナーの出力設定範囲を複数の範囲で多段階に分割し、当該それぞれの範囲に対して循環風量調整ダンパーの開度設定値が設定され、前記バーナーの出力に応じて前記循環風量調整ダンパーの開度を制御するので、乾燥装置の温度状況に応じた精密な制御が可能となる。
乾燥装置の上流側に第1のバーナー、下流側に第2のバーナーを備え、前記第1のバーナーを前記排熱制御の対象とするので、必要性の高いバーナーに制御対象を絞ることで燃費の効率が高くなる。
印刷開始時の乾燥装置立上げ運転時における前記循環風量調整ダンパーの開度を、連続印刷時の乾燥装置温調運転時及び安定運転時における開度より大きくすることで、乾燥装置の立上げ時間を短縮することができ、燃費も一層低減できる。
本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムの一実施形態を示すブロック図である。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムのバーナー出力値とヒステリシスと循環CDとの関係を示す図表である。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムで当該制御を行った場合、当該制御を行わない場合との印刷安定時のガス消費量を比較した図表である。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムで当該制御を行った場合、当該制御を行わない場合の立上げ時間とガス消費量を比較した図表である。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムで当該制御を行った場合、当該制御を行わない場合のガス消費量の比較検証を示す図表、最終排気の紙の風量及び温度の図表である。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムで立上げ制御を行った場合の乾燥装置2のタイムチャートである。 本発明実施形態のオフセット輪転機の排熱制御システムでの印刷紙データの図表である。 (a)〜(d)は、本発明の課題を指摘する説明図で、印刷時の排熱リサイクル量を比較検証した図である。
≪排熱制御システム≫
本発明の好適な実施形態であるオフセット輪転機の排熱制御システムについて、図1〜図8を参照して以下に説明する。
本発明のオフセット輪転機の排熱制御システムの実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。図1に示す通り、この排熱制御システムは、印刷紙であるウェブに熱空気を供給して印刷インキの溶剤を乾燥させる乾燥装置2と、乾燥装置2から排出される気化した溶剤を含む排気ガスを酸化分解して浄化空気を外部へ排出する脱臭装置3と、循環風量調整ダンパー10(以下、循環CD10と略す。)、制御部14を主な基本構成としている。
乾燥装置2から排出した排気ガスを排気ファン5で排出すること、排気ファン5からの排気を脱臭装置3で脱臭すること、脱臭装置3で脱臭した浄化空気を循環CD10に供給すること、循環CD10からの浄化空気を乾燥装置2に循環させること、印刷の開始時および連続印刷運転時に、乾燥装置2のバーナー22aの出力設定値と、循環CD10の開度設定値とを関連を持たせて、乾燥ゾーンDの排熱制御をすることを特徴とする。
なお、図1では排気ガスの流れを分かり易くするために、乾燥装置2と脱臭装置3とは、便宜上分離しているが、これらは一体形成されていることが好ましい。
≪オフセット輪転機≫
オフセット輪転機は、ウェブWの回転によって連続的に繰り出されるウェブWに対して、各色印刷、インク乾燥、インク定着及び冷却を順次行う機械であり、その下流には、ウェブWの搬送方向に沿って、折り、断裁を行う折部(図示略)がある。
この印刷機は、墨、藍、紅、黄各色インクの印刷を割り当てられた4台の印刷ユニットをウェブWの搬送方向に沿って直列に配置することで構成されている。各印刷ユニットは、図示しないインキつぼから版面へとインキを練りながら供給する複数のインキローラを備えている。複数のインキローラのうち所定のローラには、内部に冷水を通すための循環路が形成されている。
乾燥装置2の乾燥ゾーンDは上流側のバーナー22aのあるゾーンZ1と、下流側のバーナー22bのあるゾーンZ2の領域に分割され、印刷後のウェブWの搬送通路を覆うケーシング20と、インバータ21c,21dを備えたファン21a,21bと、バーナー22a,22bと、バーナー22a,22bの付近(ここではバーナー22a,22bからノズル23a,23bに至る経路)に設けた熱電対22c,22dと、ウェブを乾燥するためのノズル23a,23bを主な基本構成としている。ファン21a,21bは、ケーシング20内の空気を吸い込む吸込口を備えている。ファン21a,21bに吸い込まれた空気は、それぞれ、バーナー22a,22bへと供給され、そのときの送風圧が設定値を超えたか否かを圧力スイッチ21e,21fで検出する。バーナー22a,22bはケーシング20内の空気を所定温度、一例として、200℃に加熱して、熱空気を生成してノズル23a,23bへ供給している。バーナー22a,22bから出るガスの温度を熱電対22c,22dで検出する。その印刷紙通路の上側と下側に、その印刷紙通路に向けて加熱空気を吹き出す複数のノズル23a,23bを、その印刷紙通路を挟んで千鳥状に配列している。ノズル23a,23bに供給口を設け、供給口に加熱空気を供給する加熱空気循環路を設けている。また、ノズル23a,23bのそれぞれの端部に加熱ノズル23cを備えている。さらに、乾燥装置2の内部には複数個所にウェブWの紙面温度を検出するZ1紙面温度センサ36、Z2紙面温度センサ37、乾燥装置2の出口付近には出口紙面温度センサ38を設けてある。
乾燥装置2は、図1に示すように、印刷部と冷却装置(図示略)との間に配置され、箱形の乾燥ゾーンD、乾燥ゾーンDと連通する箱形の冷却ゾーンCを設けている。細長直方体形状の乾燥ゾーンDは、ウェブ導入口24側を占有し、冷却ゾーンCは出口側25を占有している。乾燥ゾーンDの長さは印刷速度・紙幅により長さが決まる。乾燥ゾーンDの容積は冷却ゾーンCの容積よりも大きく設定されている。乾燥ゾーンDはゾーンZ1、ゾーンZ2に分かれていて、ゾーンZ1にはファン21a、バーナー22a及びノズル23aがあり、ゾーンZ2にはファン21b、バーナー22b及びノズル23bがある。ウェブ通過口27は、印刷紙通路が貫通する横長長方形状である。乾燥装置2は、前端壁に横長長方形状のウェブ導入口24を、後端壁に横長長方形状のウェブ排出口25を設け、ウェブ導入口24からウェブ排出口25にかけて前後方向にウェブWの印刷紙通路を形成している。
ファン21a,21bとバーナー22a,22bは印刷物の大きさ・種類などによって、ケーシング20内に複数台取り付けることができる。本実施形態の乾燥装置2は、一例として、ケーシング20内にファン21a,21bとバーナー22a,22bを2対取り付けている。ケーシング20には、印刷紙を乾燥する際に発生するインキ中に含まれる気化した溶剤を含む排気ガスを脱臭装置3に排出する排気配管4が接続している。このような構成の乾燥装置2は、印刷時、乾燥ゾーンDによりケーシング20内に導入されたウェブWに対し、上下面から所定温度の熱空気を吹きつけて、印刷物を乾燥させ、冷却ゾーンCに導入されたウェブWに対し、上下面から低い温度の熱空気を吹きつける。
乾燥装置2は、乾燥ゾーンDと、冷却ゾーンCは隔壁26で分割されており、隔壁26には、ウェブ通過口27を設け、連通する。脱臭装置3からの循環される浄化空気が冷却ゾーンCへ供給可能であるが、冷却ゾーンの冷却効果を高める時は熱風を供給しない。冷却ゾーンCには、インバータ28aを備えたファン28と、ノズル29が配置され、ファン28から出る送風圧が設定値を超えたか否かを圧力スイッチ28bで検出し、熱空気温度を熱電対28cで検出する。
乾燥装置2から排出される排気ガスは、排気配管4、排気ファン5、熱交換器6を経て、脱臭装置3に供給される。脱臭装置3から排出される脱臭後の浄化空気は、浄化空気配管7へ排出される。排気ファン5には、インバータ5aと排気送風圧力が設定値を超えたか否かを検出する圧力スイッチ5bを設けている。浄化空気配管7を含む浄化空気ルートは排熱循環回路を構成する。浄化空気配管7からの浄化空気は熱交換器6を経て配管8で外部に排気されるか、または排熱循環され、分岐配管9を経て一部の浄化空気はコントロールモーター10aを備えた循環CD10に循環され、エアーシリンダー11aを備えた循環切替ダンパー11(以下、循環SD11という。)に供給される。この循環SD11に配管12及び配管13が接続されていて、配管12又は配管13のいずれかに切り替えが可能となっている。
この配管12の浄化空気は、排気配管4の排気ガスと合流する。配管13の浄化空気は乾燥ゾーンDのゾーンZ1に循環される。
脱臭装置3は、バーナー30と触媒部31を主な基本構成としている。バーナー30と触媒部31は排気配管4に接続するケーシング32に取り付けている。脱臭装置3は、排気流れに沿って、臭気を触媒反応に適した温度まで加熱するバーナー30、白金系の金属触媒を多孔質担体に担持させた触媒部31を備えている。触媒部31の両側領域には熱電対33,34が配置されて、排気ガスの温度を計測する。熱電対33は触媒部31の前の排気ガスの温度を検出して臭気を触媒反応に適した温度制御をするもので、熱電対34は触媒部31の後の浄化空気の温度を検出して触媒の反応熱を測定するものであり、圧力スイッチ35は、触媒部31前後の圧力差が設定値を超えたか否かを検出ものである。これらの熱電対33、34、圧力スイッチ35の計測結果は制御部14に入力される。
バーナー30は排気ガスをバーナーで所定温度(一例として350℃)まで加熱している。触媒部31は、加熱された排気ガスを触媒による酸化反応により溶剤を酸化して、脱臭処理を行っている。触媒は、一例として、白金(Pt)を担持した白金触媒等を用いることができる。脱臭処理した後の浄化空気は、浄化空気配管7、熱交換器6を通過して外部へと排気される。
排気ファン5は、乾燥装置2から排出される排気ガスを、排気配管4を介して脱臭装置3へ供給するものである。排気ファン5の風量制御は印刷条件(印刷速度、印刷紙重量、インク塗布量など)により運転周波数は可変にすることで、脱臭装置3へ供給される風量を制御できる。
熱交換器6は、材質にステンレス鋼などを用い、排気ガスの受熱通路と、浄化空気の排熱通路を備えている。受熱通路は乾燥装置2から排出された排気ガスの排気配管4上に形成されている。
熱交換器6は、脱臭装置3の脱臭工程で加熱された浄化空気が排熱通路を通過することによって熱交換器本体に高温の浄化空気の熱エネルギーが蓄熱される。そして、排気ガスが受熱通路を通過すると浄化空気と排気ガスの熱交換が行われて、排気ガスを所定温度に加熱することができる。脱臭装置3のバーナー30で必要となる熱エネルギーを低減することができる。
排熱循環回路は、浄化空気配管7、配管8、分岐配管9、循環CD10、循環SD11、配管12、配管13、制御部14を主な基本構成としている。
分岐配管9には、配管上に循環SD11を取り付けている。循環CD10は、分岐配管9を流れる浄化空気の流量を制御可能な弁である。循環SD11は脱臭装置3に浄化空気を循環しているか、あるいは、乾燥ゾーンDのゾーンZ1へ浄化空気を戻すかの切替を行っている。詳細は後述する。
制御部14は、オフセット輪転機の乾燥脱臭装置1の全ての動作を制御している。乾燥装置2の温度管理は熱電対22c,22d,28cで管理されている。脱臭装置3の温度管理は熱電対33,34で管理されている。温度管理の制御はバーナー22a,22bへ燃料ガスを供給する装置(図示略)、循環CD10、循環SD11等と電気的に接続し、制御信号を送信しバーナー22a,22bなどの出力制御を行っている。風量管理の制御は、インバータ21c,21d,28a,5aで周波数を送信してファン21a,21b,28,5を制御している。圧力スイッチ21e,21f,28b,5b,35で圧力の管理を行い、異常を検知している。
≪排熱制御≫
ところで、オフセット輪転機の脱臭乾燥装置の排熱制御において、浄化空気をゾーン1に循環させるとき、バーナー22aと循環CD10を関連付けないままでは、印刷状況(印刷速度、印刷紙重量、印刷紙水分量、インク塗布量など)により、排煙漏れや温度制御不良が発生する。例えば、乾燥ゾーンDのバーナー22aの設定温度を120℃として印刷乾燥温度制御したときに、バーナー22aと循環CD10を個別に制御をしてしまうとバーナー22aと循環CD10が干渉して温度制御不良が発生する。特に設定温度より上がる傾向にある。そこで、干渉による制御の不都合を解消することを目的として、脱臭装置の排熱を循環供給する循環CD10を可変制御させる設定温度をバーナー22aの制御設定値よりも温度値で常に5℃低く設定し115℃としたが、結果的には、循環CD10の開度はほとんど全閉(開度がゼロ)で浄化空気を供給しなくなってしまい、排熱利用がされなかった。このように、バーナー22aと循環CD10のそれぞれの制御を関連付けずに別々で行ってしまうと十分な効果が得られなかった。
そこで、これらの不都合を解消するため、制御部14における、排熱制御システムの好適な排熱制御を行ったので、その構成を説明する。
図6に示す通り、オフセット輪転機の乾燥装置2の排熱制御については、脱臭装置待機運転時(印刷停止時)、乾燥装置立上げ運転時(印刷準備時)、乾燥装置温調運転時(印刷開始時)及び乾燥装置安定運転時(連続印刷運転時)に分けて制御を分割させた。まず、脱臭装置待機運転時(印刷停止時)と乾燥装置立上げ運転時(印刷準備時)ではポジション制御を行う。又、ゾーンZ1では熱風制御と紙面制御とがあり、紙面制御はドライヤーのウォーミングが完了し遅延タイマーのタイムアップ後に遷移する。熱風制御とは、バーナー22a,22b下部に設置している熱電対である熱電対22c,22dが一定温度範囲になるようにバーナー22a,22bを制御する。紙面制御とは、Z1紙面温度センサ36で紙の温度を検知し、この温度が一定範囲になるようにバーナー22aを制御している。ここでは、熱風制御のためのバーナー22aの実際の温度域は、200〜230℃で使用し、バーナー22bの実際の温度域は、180〜200℃で使用している。この温度域は任意に設定でき(可変とすることが可能)、その設定温度に近づくようにバーナー22a,22bの温度制御を行う。紙面制御の実際の温度域は、100〜120℃で使用し、上述と同じように、温度域は可変でき、その設定温度に近づくようにバーナー22a,22bの温度制御を行う。
バーナー22a,22bの出力設定値は、0から100%で設定・制御されるようになっている。図6に示す通り、乾燥装置2が運転を開始し、昇温を始め、循環CD10の開度ポジションは100%開の状態となり、乾燥装置2のウォーミング完了になった時点で、熱量は十分となり、循環CD10の開度のポジションは乾燥装置温調運転時(印刷開始時)には5〜30%、乾燥装置安定運転時(連続印刷運転時)には0〜30%の範囲で自動制御される。
乾燥装置立上げ運転時(印刷準備時)、乾燥装置温調運転時(印刷開始運転)及び乾燥装置安定運転時(連続印刷運転時)では、循環SD11により配管13に切り替えることにより、また、循環CD10を動作させ開度調整を行い、脱臭装置3で脱臭処理された浄化空気が熱交換器6、分岐配管9を経て乾燥ゾーンDのゾーンZ1(入口側領域)に循環する風量を調整することにより、ゾーンZ1の温度制御を行う。
バーナー22aの出力値は、乾燥装置の立上げ運転時(印刷準備時)に大きな火力、乾燥装置温調運転時(印刷開始時)及び乾燥装置安定運転時(連続印刷運転時)はこれよりも減少させた範囲の火力となる。これに対応して、循環CD10の開度も、昇温中に大きな開度とし、印刷中はこれよりは減少させた範囲の開度とすることが例示される。例えば、ゾーンZ1に設けたバーナー22aの設定出力値の範囲が大きくなるにしたがって、循環CD10の開度設定値(単位は%であり、全開を100%とする。)が大きく設定されている。バーナー22aのポジションは100%に設定し、これにより、立上げ時間が短縮されるとともに、燃費の改善できる。
脱臭装置3の立上げ時は、循環SD11が脱臭側に切替わり、脱臭装置3の立上げ時間の短縮と燃費削減を実施する。脱臭装置3からの排気は浄化空気配管7、熱交換器6、分岐配管9、循環CD10、循環SD11、排気ファン5、熱交換器6、脱臭装置3の閉サイクルで循環される。
脱臭装置3の運転ボタンをONし、脱臭装置3だけを起動し、脱臭装置3のバーナー30だけを着火し、立上げ運転の準備完了の温度域まで到達させる。循環SD11は脱臭側に切り替えられていて、配管12に風量の全量を循環し、配管13への熱風は全閉である。また、循環CD10は100%の開度である。脱臭装置の触媒後温度が250℃になると脱臭装置3のウォーミングが完了となり、触媒前温度が300℃で温度調整され、触媒後温度は250℃以上に維持されている。ドライヤー運転信号が来るまで循環CD10は30%開度で待機運転となり、循環SD11は配管12に切り替えた状態を維持する。
脱臭装置3の立上げ運転の準備完了になってドライヤー運転信号が入力されると、乾燥装置2が起動しウォームアップする。このタイミングから循環SD11は配管13側に切替り、循環SD11は配管13に切替った状態を維持する。乾燥装置2の立上げ運転時には、ゾーンZ1のバーナー22aは設定温度に向け、100%の出力設定値とする。循環CD10はポジション制御を行い、100%開度でゾーンZ1へ浄化空気を循環する。脱臭装置3のウォーミングが完了して初めて乾燥装置の立上げ運転を実施することによって乾燥装置2の立上げ時間の短縮と燃費削減を実現する。
乾燥装置2がウォーミング完了(準備完了)になると、印刷が開始される。印刷開始時、印刷機200rpm以上の運転信号受信後、ゾーンZ1の紙面切替タイマーがカウントダウンし、所定時間(たとえば、10秒)経過したら、ゾーンZ1は熱風制御から紙面制御に切替わる。乾燥装置温調から乾燥装置安定運転に遷移し、ゾーンZ1のバーナー22a出力値は、乾燥装置温調時に約10〜50%で乾燥装置安定運転時が約1〜50%の範囲で温度調整が行われる。循環CD10は自動制御に切替りゾーンZ1へ循環する。ウェブWを送って印刷していても、この排熱制御はそのまま続行し、立上げ運転から連続印刷運転時も継続して、配管13から循環を行う。
図6中、曲線は紙面温度の実測値である。脱臭装置待機運転時には紙面温度は常温(25℃)であり、乾燥装置立ち上げ後、紙面温度は上昇し、乾燥装置のウォーミング完了時には約115℃になる。完了温度(120℃)到達後、温度はピーク値となるが、22aの出力が絞られるため、温度は若干下がり、その後温度がしばらく上下した後、安定運転に遷移する。
乾燥装置安定運転時、運転中に起こるバーナー不制御や排煙漏れ等の問題点を循環CD10の多段階制御により解決している。バーナー22aはゾーンZ1紙面制御を継続する。循環CD10は、バーナー22aのバーナー出力値に対して多段制御を行っている。
乾燥装置安定運転時にはバーナー22aの出力値は1〜50%の範囲に制御される。循環CD10の出力値は0〜30%の範囲に自動制御される。図2に示す通り、バーナー22aの出力設定範囲を複数の範囲に分割し、当該複数の範囲のそれぞれに対して、循環CD10の開度が多段階に設定されている。例えば、バーナー22aの出力値が12.5以下のときには循環CD10の開度が0%、15.0〜12.5のときに5%、・・・のように設定することが例示される。循環CD10からも好適な浄化空気を乾燥ゾーンDに供給される。
バーナー22aは熱電対22cにて設定温度(具体的に200〜230℃)になるように、バーナー22aに付属しているバーナーコントロールモーター(図示略)で増減させる。例えば、設定温度200℃に対し、現在温度が199℃であると、設定温度に近づいているので、バーナー22aは低出力(低燃焼)の方向に移行する。逆に、設定温度200℃に対し、現在温度が100℃であると、温度差が100℃もあるので、バーナー22aは100%出力(高燃焼)の方向に移行する。バーナー22aでの熱風制御の時は、熱電対22cの検出温度が設定温度になるように、また、紙面制御の時は、紙面温度が設定温度になるように、その時の、バーナー出力値(0〜50%)に関連して循環CD10の開度を変化させていくことになる。
図2に示す通り、制御部14において、記憶領域には、バーナー22aの出力値を複数の領域に分割し、これに対応して循環CD10の開度の設定値に設定されたテーブルが設けてある。循環CD10の開度設定値の最大値(MAX)は30とした。これは、浄化空気を乾燥装置2に過剰に供給してしまうと、外気を入れるところからガスが噴き出し、吸込口から吸ってしまい、乾燥装置2からガスがあふれて、風量のバランスが崩れ排煙が生じる可能性があるので、この排煙漏れを防止するためである。
図2でいうヒステリシスとは、バーナー22aの下限出力に対する循環CD10への動作遅延である。例えば、バーナー22aの出力が下がり、12.5%に到達時点では循環CD10の開度は5%の出力である。更にバーナー22aの出力が12.5−1=11.5%になった時点で循環CD10の開度は0%の出力になる。その後、再びバーナー22aの出力が12.5%になると循環CD10の開度は5%の出力になる。
循環CD10の可変量を5、10、15%にて制御を行った際、5%の可変量では紙面温度に影響はほとんど無かった。10%の可変量で紙面制御を行うと1℃変化し、所定の温度に戻るまで約4分かかった。15%の可変量で紙面制御を行うと2℃変化し、所定の温度に戻るまで約6分かかった。よってダンパーの可変量は5%とした。バーナー22aの低出力時に排熱循環を供給すると温度制御ができなくなる可能性を考慮して、バーナー出力が12.5%以下で循環CD10は0%とした。
バーナー22aは排出する排気ガス温度を熱電対22cの温度検出を参照して、乾燥装置2の内部温度が120℃になるように自動制御しているので、その自動制御に対応して、バーナー22aの出力値に対応した循環CD10の開度を決定し、それらを細かく関連づけている。たとえば、バーナー22aの出力が絞り始めたら、減少させ、バーナー22aの出力が増加し始めたら、増加させるというように制御を行う。このような小刻みな制御により、乾燥装置2の温度状況に応じて適切に循環CD10から浄化空気を供給するようになり、適切な温度制御が行え、燃費が低減できる。
乾燥ゾーンDでは、脱臭装置3からの浄化空気が循環CD10を介して配管13から供給される。さらに図示は略すが浄化空気を加熱ノズル23cから合わせて供給を受けることが出来る。
なお、ゾーンZ1、2のそれぞれのバーナー22a,22bの両方について制御を行ってもよいし、燃料を多く消費するゾーンZ1のバーナー22aだけを制御してもよい。上流から印刷した未乾燥のウェブWが流れてくるが、これは温度でいうと冷たい状態であるので、ゾーンZ1のバーナー22aの方がバーナー22bよりも燃料を多く消費する。ゾーンZ2のバーナー22bは、温めて乾燥しつつ定着させるゾーンであるので、どちらかというと低燃焼である。
バーナー22a,22bの火力制御については、燃料ガスと空気の混合気であるガスの量をガス供給管路(図示略)に配置された制御ダンパ(図示略)で制御している。たとえば、バーナー22aについて、設定温度150℃で現在値が100℃とすると、50℃の温度が足りないので、バーナー22aの火力を強くするように制御し、これに対応して、循環CD10の開度を増やすことになる。
≪印刷乾燥動作≫
オフセット印刷機の上記排熱制御を除いたその他の印刷乾燥動作について補足説明する。図1に示す通り、印刷運転時には、乾燥装置2のケーシング20内をウェブWが所定速度で通過している。乾燥装置2では、ケーシング20内の空気がファン21a,21bに吸い込まれてバーナー22a,22bに供給されて、インキの乾燥に適した所定温度(一例として、200℃)に加熱されている。加熱された熱空気がノズル23a,23bを介してウェブWの上下面に吹き付けられる。ウェブWに印刷されたインキの溶剤が熱空気によって加熱されて気化する。
乾燥ゾーンDにおいて、内部空気はファン21a,21bからバーナー22a,22bによって加熱されて上下の多数のノズル23a 23bに充満した熱気は所定の圧力をもってウェブWの両紙面に噴射され、紙面に含まれる水分と塗布された印刷インキが乾燥する。紙面に吹き付けられた熱風はファン21により循環されてバーナー22によって印刷紙の乾燥により失われた熱分を再び加熱さえて加熱ノズル23a,23bから噴射される。
冷却ゾーンCには、バーナーはなく、内部が非加熱区域となる。帯状のウェブWは、乾燥ゾーンDを通過した後、引き続いて、ウェブ通過口27を経て冷却ゾーンCを通過する際に冷却され、ウェブ排出口25を経て冷却装置(図示略)に送られる。そして、冷却装置(図示略)の複数の冷却ローラを順次通過し、さらに冷却される。冷却装置(図示略)を通過したウェブWは、折機(図示略)に送り込まれ、折り畳まれる。
乾燥ゾーンD及び冷却ゾーンCにおいては、内部の溶剤蒸気を含む加熱空気を脱臭装置3で脱臭して一部を大気に放出し、一部の浄化空気を乾燥装置2に循環させる。
乾燥ゾーンDにおいては、内部の加熱空気の一部が放出され、内部が負圧になる。負圧の乾燥ゾーンDには、ウェブ導入口24から外部の新鮮空気が流入すると共に、ウェブ通過口27から冷却ゾーンC内部の非加熱空気が流入する。冷却ゾーンCは、内部の非加熱空気の一部がウェブ通過口27から流出し、内部が負圧になる。負圧の冷却ゾーンCには、ウェブ排出口25から外部の新鮮空気が流入する。印刷時、冷却ゾーンCにおいては、バーナーがなくてファン28を回しているだけであるので、温度は60℃から90℃くらいである。
乾燥装置2を運転するときは、乾燥ゾーンDのファン21a,21bとバーナー22a,22bを作動し、冷却ゾーンCのファン28を作動する。乾燥脱臭装置1を作動すると、乾燥装置2を通過するウェブWは、乾燥ゾーンDの印刷紙通路を走行し、ウェブ導入口24、ウェブ通過口27、冷却ゾーンC、ウェブ排出口25を順次通過する。
ウェブWは、乾燥ゾーンDを順次通過する際、上面と下面に多数のノズル23a,23bから加熱空気を吹き付けられ、紙面に含まれる水分と上面と下面に塗布された印刷インキの溶剤が蒸発し、上面と下面の印刷インキが乾燥する。また、ウェブWは、ウェブ導入口24通過時には温度が室温位であり、乾燥ゾーンDの加熱空気中を通過して、温度が上昇し、高温になる。
乾燥ゾーンDから上面と下面に印刷インキの溶剤蒸気を伴った状態でウェブ通過口27を経て高温状態で通過したウェブWは、冷却ゾーンCを通過する際、上面と下面に多数のノズル29から非加熱空気を吹き付けられ、上面と下面に随伴する印刷インキの溶剤蒸気が剥ぎ取られ、温度が下降する。ウェブWは、ウェブ排出口25通過時には、ウェブ通過口27通過時より、温度が低下する。ウェブWは、冷却ゾーンCの非加熱区域を通過して冷却される。
ウェブWに吹き付けられた熱風により蒸発したインク溶剤を含む有害な臭気は、対流効果によって乾燥ゾーンD内を上昇し排気口から排気配管4を経て排出される。排出された臭気は、排気ファン5によって熱交換器6を通過し、臭気の温度が低い場合はバーナー30で加熱し、適切な温度に加熱されたうえで多孔質の触媒部31内を通る。通常の印刷時は、触媒の種類にもよるが、320℃〜350℃範囲で脱臭処理する。制御部14で脱臭装置3の温度を制御することで、排気ガスから臭気を除去する処理行っている。この過程で臭気は、触媒酸化反応によって分解され無害化されるが、同時に反応熱(燃焼熱)を発生することから無害化された排気自体の温度も上昇する。
印刷が終了すると印刷信号もOFFとなり、乾燥装置2は停止する。このタイミングで循環SD11は配管12側に切替わる。脱臭装置3を停止動作する。所定温度の温度になったら全停止となる。停止時にはスタートとは逆の操作をする。印刷再開の場合、最初に戻り、バーナー22aと循環CD10の連動で再度立上げを行う。
≪排熱制御システムの測定・検証≫
上記排熱制御システムの省エネルギーの有効性を測定・検証したので、説明する。印刷内容、印刷紙、印刷回転数、乾燥装置2の設定値(温度・風量)は同一条件にて、排熱制御をON・OFFさせた時のデータを測定し、ガス消費量、立上げ時間等の比較を行った。
図3、図4に示す通り、排熱制御のON・OFFによるガス消費量の比較を行った。乾燥装置2立上げ時間とは、乾燥装置2起動から立上げ運転の完了までの時間である。図3に示す通り、印刷連続運転時の安定印刷時の削減率は9%となった。図4に示す通り、立上げ時間では54%の削減率となった。
図7に示す多段制御設定値を検証すると、計画値にて排熱制御をONさせたらマット紙・コート紙共に、ゾーンZ1紙面制御時のバーナー22aの開度は、概して20.0〜30.0%の開度で安定しており、循環CD10開度は所定値で最低開度にはならず自動にて制御を行っていた。循環CD10の開度の最大値開度を40%にしたら乾燥装置2の入口より、微かに排煙洩れが発生したので、30%が適切と考えられる。ここでいう多段制御とは、ゾーンZ1のバーナー22aの出力値に応じて、循環CD10の開度が変動することをいう。
図3に示す通り、連続印刷時の安定印刷時のガス消費量の排熱制御のON・OFFを比較すると、時間当たりのガス消費量が1.4m/Hrであり、9%も削減効果があった。
図4に示す通り、乾燥装置2の立上げ時間とガス消費量の比較を示すデータによれば、立上げ時間が13秒(約20%)短縮され、ガス消費量も54%の削減効果があった。
図5に示す通り、最終出口からの排気風量測定値より、排熱制御ON/OFFによる削減熱量を算出した。上記より、ガス削減量の測定値と最終排気風量による削減熱量の計算結果は同等で整合性はとれていた。また、最終排気と紙の風量及び温度は適切であった。
上記の図3、図4の測定結果、図5のガス消費量の比較の検証により、排熱循環は省エネルギーに対して有効であることが確認された。多段制御設定値については、計画値にて自動制御出来た。なお、バーナー22aが同じバーナー開度でも燃焼量が大きい機種の場合、多段制御設定値については変更する必要があると考えられる。
図7に示す通り、多段制御の設定値において、印刷条件毎の循環CD10が最適に自動制御される設定値を検証するため、印刷紙種類別のデータを測定した。測定値の所見としては、マット紙とコート紙のゾーンZ1の熱風温度PV値において、同じ紙面温度設定値(125℃)なのにマット紙の方の温度が高くなっているのは、印刷回転数と紙坪量の差異によるものと考えられる。印刷回転数と紙坪量を考慮し必要エネルギーを算出すると、マット紙はコート紙より50,024Kcal/Hr多く、より多くのエネルギーが必要となる。表中、SPは設定値で、PVは現在値(測定値)になる。マット紙システムONの場合、Z1、Z2の各ゾーンのバーナー22a,22bは紙面温度又は熱風温度にて制御出来る様になっている。今回の測定では、Z1は紙面温度にてバーナー制御させたので、設定値(SP)125℃に対して、その結果、現在値(PV)は125℃となり正常に制御出来ていた。その時の熱風温度は、紙面温度にてバーナー制御しているので、設定値(SP)は180℃であるが、現在値(PV)は成行きの温度となり、その結果、222℃であった。冷却ゾーンC(CZ)の熱風温度は、設定値(SP)30℃であるが、印刷中は熱風を冷却ゾーンC(CZ)へ戻していないので(出力:−3.0%)、現在値(PV)は成行きの温度となり、その結果、92℃であった。出口紙面温度は、温度制御していないので、現在の温度値(PV)は成行きの温度となり、その結果、116℃であった。周波数の欄、Z1,Z2,CZ,及び、FCは、それぞれ、ファン21a,21b,28、及び、排気ファン5の周波数の値である。
マット紙とコート紙共に出口紙面温度において、ゾーンZ1・Z2紙面温度設定値は同じなのに排熱制御ON/OFFで比較すると、OFF時はON時より温度が2、3度高くなっている。これは、排熱制御がOFF時は熱風が循環していないので、バーナーとしてはON時より出力は高くなる。バーナーの特性上、出力が高い時バーナー開度幅に対する燃焼量は多くなるので、出力が低い時より、炉内温度は高くなる傾向にある。よって、高い炉内を通過する印刷紙としては、温度低下が起こりにくいので、出口紙面温度において、OFF時はON時より高くなったと考えられる。
脱臭装置3の立上げ時は循環CD11が脱臭側に切替わり、脱臭装置3の立上げ時間の短縮と燃費削減を実施する。その効果により燃費が約15%削減される、例えば排気ファン5の周波数30Hzの時に触媒後の熱電対34が250℃までに昇温されるまでにガス総消費量が8.57mから7.32mとなり1.25m削減された。
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当該技術的範囲に属する限り、種々の改変等の形態を採り得る。
1・・・オフセット輪転機の乾燥脱臭装置
W・・・ウェブ
2・・・乾燥装置
D・・・乾燥ゾーン
Z1,Z2・・・ゾーン
C・・・冷却ゾーン
20・・・ケーシング
21a,21b・・・ファン
21c,21d・・・インバータ
21e,21f・・・圧力スイッチ
22a,22b・・・バーナー
22c,22d・・・熱電対
23a,23b・・・ノズル
23c・・・加熱ノズル
24・・・ウェブ導入口
25・・・ウェブ排出口
26・・・隔壁
3・・・脱臭装置
4・・・排気配管
27・・・ウェブ通過口
28・・・ファン
28a・・・インバータ
28b・・・圧力スイッチ
28c・・・熱電対
29・・・ノズル
5・・・排気ファン
5a・・・インバータ
5b・・・圧力スイッチ
6・・・熱交換器
7・・・浄化空気配管
8・・・配管
9・・・分岐配管
10・・・循環風量調整ダンパー
10a・・・コントロールモーター
11・・・循環切替ダンパー
11a・・・エアーシリンダー
12・・・配管
13・・・配管
14・・・制御部
30・・・バーナー
31・・・触媒部
32・・・ケーシング
33・・・熱電対
34・・・熱電対
35・・・圧力スイッチ
36・・・Z1紙面温度センサ
37・・・Z2紙面温度センサ
38・・・出口紙面センサ

Claims (6)

  1. ファン及びバーナーを有する乾燥装置と、バーナーを有する脱臭装置とを備え、
    前記乾燥装置から乾燥した排気ガスを排気ファンで排出すること、
    前記排気ファンからの排気を前記脱臭装置で脱臭すること、
    前記脱臭装置で脱臭した浄化空気を循環風量調整ダンパーに供給すること、
    前記循環風量調整ダンパーからの浄化空気を前記乾燥装置に循環させること、
    少なくとも乾燥装置安定運転時に、前記乾燥装置のバーナーの出力設定値と前記循環風量調整ダンパーの開度設定値とを関連づけた表のデータに基づいて、前記乾燥装置のバーナーの火力及び循環風量調整ダンパーの開度を調整することにより、前記乾燥装置内の温度を制御し、前記乾燥装置を通過するウェブ上のインクを乾燥させることを特徴とするオフセット輪転機の排熱制御システム。
  2. 記乾燥装置安定運転時のバーナーの出力設定範囲を複数の範囲で多段階に分割し、当該それぞれの範囲に対して循環風量調整ダンパーの開度設定値が設定され、前記バーナーの出力に応じて前記循環風量調整ダンパーの開度を制御する請求項1のオフセット輪転機の排熱制御システム。
  3. 前記乾燥装置の上流側に第1のバーナー、下流側に第2のバーナーを備え、前記第1のバーナーを前記バーナーの火力の調整の対象とする請求項1又は2のオフセット輪転機の排熱制御システム
  4. 前記乾燥装置安定運転時における前記循環風量調整ダンパーの開度を、立上げ運転時における開度より低く設定する請求項1ないし3いずれかのオフセット輪転機の排熱制御システム。
  5. 前記脱臭装置の立上げ制御において、前記循環風量調整ダンパーからの排気を前記脱臭装置に循環させる請求項1ないし4いずれかのオフセット輪転機の排熱制御システム。
  6. 前記乾燥装置の立上げ制御において、前記循環風量調整ダンパーからの排気を前記乾燥装置に循環させる請求項1ないし5いずれかのオフセット輪転機の排熱制御システム。
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