JP3108543U - 手差し入れ予防パンツ - Google Patents

Abstract

【課題】
痴呆患者等がパンツの中に手を差し入れ、オムツを取り出すなどを予防できるとともに、介護者の負担を軽減できるパンツを提供する。
【解決手段】
バスタオル等の肌に優しく通気性が有り洗濯性に優れた略長方形状の布材と、該布材の長手方向略中央部に長手方向に対して適宜角度にて斜めに接合され人体の胴部を周回可能な長さのガーゼ等からなる帯体と、前記布材の長手方向両端部に長手方向と直角方向に接合され人体の腿部を周回可能な長さの紐体とで構成する。

【選択図】 図１

Description

本考案は、パンツに関し、とくに痴呆症患者等の介護に使用できる手差し入れ予防パンツに関するものである。

現在、高齢者の介護においてとくに痴呆症患者の介護は、患者本人ばかりでなく介護する側にも多大の負担となっている。例えば、オムツを必要とする患者の場合排泄物を手で取り出したり、褥瘡による痒みのためオムツの中に手を入れオムツを取外すなどのトラブルが発生している。また上記オムツの交換の際には、パンツ等を脱着させるために患者の身体を起こす必要があり、介護者はその度に患者を抱える等の重労働であった。

これら問題点を解決するため、下着あるいはパジャマのズボン等におけるパンツであって、該パンツ本体の後部上端中央の内側に、腰部を固定するための紐通し部を形成し、該部で紐を結ぶことを特徴とする痴呆性老人用パンツが提案されている。（特許文献１参照。）。また下穿の後股上線を前股上の途中まで延長し、股下線を前側に移動させ、前後の股下をオープンファスナーでつなげて腰巻変形パンツ介護用パジャマにする開くと一枚の布になるものもある（特許文献２参照。）。

実登３０３０７７９号公報 実登３０８０４５４号公報

しかし、上記の特許文献１に記載されている痴呆性老人用パンツでは、オムツの中に手を入れることができない工夫がなされているが、パンツ自体は従来のものと何ら変わらず、両脚から差し入れて臀部・腰部をくるむものであるために、着せ替えに手間を要して、患者と介護者の負担は軽減されないものである。

また、上記の特許文献２に記載されている腰巻変形パンツ介護用パジャマでは、腰巻式に構成しファスナーによって股下を開閉可能にし、着せ替えを容易にしたものであるがファスナー加工を必要とし製造に手間を要し、高コストとなる。しかも患者がオムツの中に手を入れることに関しては何ら考慮されていないものである。

本考案は、上記問題点に鑑みなされたものであり、高価な材料を使用せずまた製造が簡単であり安価で、その上患者への着脱がしやすく、また洗濯等の作業も簡単な手差し入れ予防パンツを提供することを目的とするものである。

このため本考案はバスタオル等の略長方形状の布材と、該布材の長手方向略中央部に長手方向に対して適宜角度にて斜めに接合され人体の胴部を周回可能な長さのガーゼ等からなる帯体と、前記布材の長手方向両端部に長手方向と直角方向に接合され人体の腿部を周回可能な長さの紐体とで構成されたことを第１の特徴とする。

また、前記布材は複数のバスタオル等が長手方向で接合さたものであることを第２の特徴とする。

本考案の手差し入れ予防パンツは、以上のように構成されているので次のような優れた効果を有する。
（１）ガーゼ等の帯体がバスタオル等の布材の略中央部に斜めに接合されており、前記帯体を中心として前記布材を折り返すことができるため、患者の胴体の前部から手差し入れ予防パンツを装着し、前記帯体を胴部に回し胴体の前部で結合固定し、前記布材を前記帯体を中心に折り返すことができ、さらに両脚部を前記布材の長手方向両端部に接合された紐体によって結合固定できるため、患者が前記帯体や紐体を解くことが困難であり、オムツ内に手を差し入れることを防止できるという効果がある。
（２）痴呆患者等が、オムツ内に手を差し仕入れることができないように、前掛け型のパンツにしたため患者の胴部の前部で固定した帯体を外すことによって、脚部を固定する紐体を外すことなく、手差し入れ予防パンツを下げることができるため、患者を寝かせたままでオムツの交換ができ、介護者の負担を大幅に軽減できるという優れた効果がある。
（３）手差し入れ予防パンツの素材としてバスタオル等が使用でき、また加工も簡単であるため安価であり、しかも洗濯・乾燥等に優れているため介護者の作業が軽減できるという効果がある。

以下、本考案の実施の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明するが、本考案が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図１は、本考案に係る手差し入れ予防パンツの一実施例を示す平面展開図、図２は本考案に係る差し入れ予防パンツを人体に装着した状態を示す正面図、図３は図２の側面図である。

図１に示すように、本考案の手差し入れ予防パンツ１は、バスタオル等の布体２の長手方向略中央部に四つ折にされたガーゼ等の帯体３が縫製等により長手方向に対して斜めに固着されている。帯体３は、後述するように人体の胴部を周回できる長さを有しており、前記人体の胴部を周回して胴部の前部にて結合される。前記布体２の長手方向両端部にガーゼ等からなる紐体５が、前記布体２の長手方向と直角方向に人体の腿部を周回可能な長さを余して縫製等によって固着され、後述するように前記帯体３が胴部の前部にて結合された後、左右の脚部を周回して適宜箇所にて固定される。ここで布体２はバスタオル等からなり通気性や吸湿性が良く、また肌さわりが良いため患者の手差し入れ予防パンツとして違和感なく使用されるものである。しかも洗濯性が良いため介護者の洗濯での負担も軽減される。尚、上記布体２は、複数のバスタオル等、例えば２枚のバスタオルであってもよく、上記帯体３が固着される角度は布体２の大きさにより適宜選択され、さらに、使用される環境により使い捨て可能な不織布や紙等であってもかまわない。

次に図２、図３により手差し入れ予防パンツ１の使用方法を説明する。図２（ａ）は手差し入れ予防パンツ１装着前を示し、図２（ｂ）は手差し入れ予防パンツ１装着後を示す。まず手差し入れ予防パンツ１を、帯体３の長手方向一端面を中心として布体２を二つに折る。次に胴部７の前部からオムツ８を覆うように前記二つに折った手差し入れ予防パンツ１を帯体３を上にして胴部７と直角となるように当て、帯体３を胴部７に周回させて前記折り返した布体２−２の間で結合させ帯体結合部５とする。

次に、布体２を各々患者の脚部９に当て、紐体４を脚部９に周回させて適宜箇所にて結合させ紐体結合部６とする。さらに紐体結合部６を布体２と共に脚部９の内側に折り返して紐体結合部６が表に出るのを防止する。この際、前記布体２の繊維方向は前記帯体２に対して斜めとなっているため、布体２が脚部９に周回させる際に延びやすくなっており、紐体結合部６を布体２と共に脚部９の内側に折り返す作業も容易である。また帯体３を結合させる際にも締め付け強度が調節しやすい。しかも前記帯体３及び前記紐体４はガーゼ等を使用しており結合の際にずれ難く、手差し入れ予防パンツ１が解ける心配がない。

手差し入れ予防パンツ１は、上記の使用方法によって患者に装着されるため、介護者が患者を抱える必要が無く、患者が寝たままでも体を傾けるだけで容易に装着ができる。また布体２が帯体３を挟んで二つに折られ、胴体７の前部を二重に覆うため患者がオムツ８内に手を差し入れることが不能とされ、しかも帯体結合部５及び紐体結合部６が手差し入れ予防パンツ１の表面に出ないため手差し入れ予防パンツ１の取り外しも不能である。そしてオムツ８を交換する場合には、前記帯体３の帯体結合部５を解除し布体２を前側に下ろすことによって、オムツ８の交換が簡単にできるため、介護者は患者を抱える作業などの重労働を必要としない。その上布材２にはバスタオル等の安価な材料が使用され、帯体３、紐体４もガーゼ等が使用でき安価でしかも縫製等でできるため簡単に製造できる。

以上、本考案による手差し入れ予防パンツによれば、前掛け型のパンツであるため患者が寝たままで装着が可能であり、帯体と紐体とで胴部と脚部を周回し結合部を形成されるため、患者がパンツの中やオムツの中に手を差し入れることを予防できる。またバスタオル等の安価な材料が使用できまた縫製等で簡単に製造できるため安価である。しかも洗濯等の作業もしやすく介護者の負担が低減できる。

本考案に係る手差し入れ予防パンツの一実施例を示す斜視図である。 本考案に係る手差し入れ予防パンツを人体に装着した状態を示す正面図である。 図２の左側面図である。

符号の説明

１ 手差し入れ予防パンツ布材
２ 布体
３ 帯体
４ 紐体
５ 帯体結合部
６ 紐体結合部
７ 胴部
８ オムツ
９ 脚部

Claims (2)

1. バスタオル等の略長方形状の布材と、該布材の長手方向略中央部に長手方向に対して適宜角度にて斜めに接合され人体の胴部を周回可能な長さのガーゼ等からなる帯体と、前記布材の長手方向両端部に長手方向と直角方向に接合され人体の腿部を周回可能な長さの紐体とで構成された手差し入れ予防パンツ。
2. 前記布材は複数のバスタオル等が長手方向で接合さたものである請求項１記載の手差し入れ予防パンツ。

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