JP3108508B2 - 管接続部の密封装置 - Google Patents

管接続部の密封装置

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JP3108508B2
JP3108508B2 JP04069833A JP6983392A JP3108508B2 JP 3108508 B2 JP3108508 B2 JP 3108508B2 JP 04069833 A JP04069833 A JP 04069833A JP 6983392 A JP6983392 A JP 6983392A JP 3108508 B2 JP3108508 B2 JP 3108508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,排気マニホル
ド,ターボチャージャ,排気管等の流体を流す管体を互
いに接続する管接続部の密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に,自動車用エンジンから排出さ
れる排気ガスは,排気管を通じて大気中に放出される
が,排気系の途中には,排気マニホルド,排気管,排気
エネルギーで駆動されるタービンを備えたターボチャー
ジャ,排気ガス中に含まれる一酸化炭素,窒素酸化物等
の有害物質を無害化処理するための触媒コンバータ,ハ
イドロカーボンを燃焼させるアフタバーナ,排気ガスに
よって発生する騒音を減衰させる消音器等が設けられて
いる。また,排気マニホルド,排気管等の流体を流す管
体を互いに接続する管接続部には,シールリングが設け
られ,管接続部における気密保持が図られている。
【0003】従来,管接続部に適用されるシールリング
として,実開平2−9374号公報に開示されたものが
ある。シールリング36は,図9に示すように,円輪状
の金属薄板を丸めて円形断面を有する環状に形成した中
空環37と,中空環37内に充填した非耐熱性物質を含
むガスケット材38とから構成されている。
【0004】図7及び図8に示すように,一方の管32
のフランジ34面を平面に形成し,他方の管31のフラ
ンジ33面に環状溝35を形成し,環状溝35からシー
ルリング36の一部が環状溝35から突出する状態に嵌
入し,この状態で両者の管31,32のフランジ33,
34を互いに整合させてボルトとナットを用いて緊締す
ることによって両管31,32は気密が保持された状態
で互いに連結される。この時,両フランジ間でシールリ
ングは弾性的に圧縮されて環状溝に押し込まれ,両フラ
ンジ面は殆ど密着した状態になり,該密着状態で両フラ
ンジの気密性は,フランジに形成した環状溝から突出し
ようとするシールリングのばね作用によってシールリン
グがフランジ面に強く押し付けることで維持されてい
る。
【0005】しかしながら,排気マニホルドの出口管と
ターボチャージャの入口管とを連結する管接続部は,使
用状態において高温度(例えば,750℃以上)にな
り,その高温部位の管接続部に使用されるシールリング
は,高温度に晒されることになる。従って,従来のシー
ルリングを使用した場合には,金属製のシールリングの
内部に充填されたガスケット材は,該ガスケット材中に
含まれている結合材の有機成分が熱分解し,或いは熱分
解で飛散し,それに伴ってガスケット材の体積が減少す
る現象が発生する。上記のようなガスケット材を充填し
たシールリングを,両管のフランジ面に挟んでボルトと
ナットで連結した場合には,上記のようにガスケット材
が熱負荷を受けてガスケット材の体積が減少すると,シ
ールリングの弾性圧縮力が小さくなり,管接続部の当接
面のシール性が低下する。
【0006】また,ガスケット材を充填したシールリン
グを両管のフランジ面に挟んでボルトとナットで連結し
た管接続部は,フランジ面が使用温度の高温度と常温と
の繰り返しの熱負荷を受けた場合に,両フランジ面には
歪みが発生し,フランジ面が変形し,シールリングが良
好に当接することができず,シール性が更に低下するこ
とになる。
【0007】また,特公昭62−2188号公報には,
排気ターボチャージャフランジの接合に使用されるシー
ル部材が開示されている。該シール部材は,充填材と,
該充填材を包む中空リング状で且つリング周方向に沿っ
て両端合わせ目を有する金属ジャケットとを有し,金属
ジャケットを二重又は三重にし,各ジャケットの両端合
わせ目を互いにずらしたものである。上記シール部材
は,金属ジャケットの合わせ目を互いにずらすことによ
って,シールすべき媒体や空気が金属ジャケットの間隙
から侵入してくるのをかなり防止することができるが,
大きな熱負荷を受ける部位で使用するシール部材として
は,これも完全なものとはいえず,結局,充填材が酸化
等によって変質し,シール性が低下するという問題を完
全に解決するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように,前掲実
開平2−9374号公報或いは前掲特公昭62−218
8号公報に開示された従来のシールリングは,どちらも
高温と大きな熱負荷を受けて変質する可能性のある材料
を使用している点で問題がある。
【0009】そこで,従来のように有機成分を含む熱影
響を受けやすいガスケット材を一切使用しないで,熱影
響を受けない耐熱材料,例えば,セラミックを使用して
シールリングを作ることが考えられる。但し,その際,
耐熱材製のシールリングにばねとしての機能を持たせて
熱負荷に対応できるようにする必要がある。そこで,シ
ールリングにばねとしての機能を持たせるためにシール
リング自体を例えば皿ばね形状に加工することが一応考
えられる。しかし,耐熱材料をそのような特殊形状に精
度よく加工するには相当な困難と製造コストの増加を伴
う。これに対して,シールリングを平板状に精度よく加
工することは簡単でありコストもかからないが,平板状
のシールリング自体ではばね作用が生じないから熱負荷
には対応できない。従って,この場合には平板状のシー
ルリングにどのようにしてばねとしての機能を持たせる
かが課題である。
【0010】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,管体間に配置するシールリングを平板状の
耐熱性で且つ弾性を有する弾性薄板リングと,該弾性薄
板リングを板厚方向に変形させてばね力を発生させる押
圧手段とから成り,高い加工精度を必要とせずに簡単に
製造することができ,しかも弾性薄板リングと押圧手段
との組立体を複数セット(複数組)重ね合わせることで
適正な圧縮量にコントロールすることができ,高温で熱
負荷の大きい使用条件下においても高いシール性を維持
することができる管接続部の密封装置を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は,互いに対向
する面を備え且つ互いに緊締される一対の管体及び互い
に対向する前記管体間に配置されたシールリングを有す
る管接続部の密封装置において,前記シールリングは,
平板状の耐熱性で弾性を有する弾性薄板リングと,一対
の前記管体による緊締状態で前記弾性薄板リングを板厚
方向に変形させて前記弾性薄板リングにばね力を発生さ
せる押圧手段とを有し,前記押圧手段は,その内外側部
がそれぞれ折り曲げられた抱持部によって前記弾性薄板
リングの内外側部を抱持する金属製抱持用薄板リング,
及び前記抱持用薄板リングと前記弾性薄板リングとの間
に前記弾性薄板リングを変形させ得る間隙を形成するた
め前記抱持用薄板リングと前記弾性薄板リングとの間に
同心上に配置されたリング状中間板から構成されている
ことを特徴とする管接続部の密封装置に関する。
【0012】また,この発明は,互いに対向する面を備
え且つ互いに緊締される一対の管体及び互いに対向する
前記管体間に配置されたシールリングを有する管接続部
の密封装置において,前記シールリングは,平板状の耐
熱性で弾性を有する弾性薄板リングと,一対の前記管体
による緊締状態で前記弾性薄板リングを板厚方向に変形
させて前記弾性薄板リングにばね力を発生させる押圧手
段とを有し,前記押圧手段は,内側部に前記弾性薄板リ
ングの内側部を抱持する第一抱持用薄板リング及び外側
部に前記弾性薄板リングの外側部を抱持する第二抱持用
薄板リングから成り,前記第一抱持用薄板リングの外側
部と前記第二抱持用薄板リングの内側部とを重ね合わせ
た重合部が形成されていることを特徴とする管接続部の
密封装置に関する。
【0013】更に,この発明は,互いに対向する面を備
え且つ互いに緊締される一対の管体及び互いに対向する
前記管体間に配置されたシールリングを有する管接続部
の密封装置において,前記シールリングは,平板状の耐
熱性で弾性を有する弾性薄板リングと,一対の前記管体
による緊締状態で前記弾性薄板リングを板厚方向に変形
させて前記弾性薄板リングにばね力を発生させる押圧手
段とを有し,前記弾性薄板リングは,互いに対向して同
心状に配置された第一弾性薄板リング及び第二弾性薄板
リングから構成され,前記押圧手段は,前記第一弾性薄
板リングと前記第二弾性薄板リングとの間に同心上に配
置されたリング状中間板,前記第一弾性薄板リングと前
記第二弾性薄板リングの内側部同士を一緒に抱持する第
一抱持用薄板リング,及び前記第一弾性薄板リングと前
記第二弾性薄板リングの外側部同士を一緒に抱持する第
二抱持用薄板リングから構成されていることを特徴とす
る管接続部の密封装置に関する。
【0014】この管接続部の密封装置において,前記中
間板は,前記弾性薄板リングに接合されているものであ
る。また,前記弾性薄板リングは,セラミックス又は金
属で製作されているものである。
【0015】また,この管接続部の密封装置において,
前記弾性薄板リングと前記押圧手段とから成る組立体は
複数セット重ね合わせて構成することができる。
【0016】この発明による管接続部の密封装置は,以
上のように構成されているので,次のような作用を有す
る。一般に,セラミック製ばねリングのような耐熱材製
ばねリングは加工性が悪いが,シールリングを構成する
耐熱性で且つ弾性を有する弾性薄板リングは平板状とい
う極めて単純な形状であるから,高い加工精度を必要と
せずに簡単に製造することができる。シールリングの弾
性薄板リングを一対の管体間で緊締した状態では,押圧
手段の働きで薄板リングの中間部が板厚方向に変形して
ばね力が発生する。一対の前記管体間で緊締された時に
は,弾性薄板リングは変形前の平板の状態に戻ろうとす
る力を持っているので,外側部,内側部及び中間部はシ
ール面を押圧することになる。このように,シールリン
グは内側部,外側部及び中間部が弾性薄板リングのばね
力で管体の対向するシール面に強く押し付けられるの
で,たとえ大きな熱負荷がかかってもシール面は常に密
着状態になり,高いシール性を維持することができる。
【0017】また,この管接続部の密封装置は,弾性薄
板リングと押圧手段とから成る組立体を複数セット重ね
合わせて構成することもできるので,圧縮量即ち撓み量
を管接続部の状態に応じて適正に増すことができる。即
ち,弾性薄板リングと押圧手段とから成る組立体が1セ
ットでは圧縮量が小さいものになるが,組立体が複数セ
ット重ね合わせた状態では,圧縮量を増すことができ,
圧縮量を適正にコントロールすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による管接続部の密封装置の実施例について説明する。
図1はこの発明による管接続部の密封装置を組み込んだ
排気マニホルドの一実施例を示す概略図,及び図2は図
1の線A−A側から見た側面図である。
【0019】図1及び図2に示すように,排気マニホル
ド1は,直列6気筒エンジンのシリンダヘッドに取り付
けられるものである。排気マニホルド1はシリンダヘッ
ドに取り付ける取付フランジ部2A,2Bを備えてい
る。排気マニホルド1は,3気筒に対応する3つの取付
フランジ部2A,2Bをそれぞれ有する第1排気マニホ
ルド1Aと第2排気マニホルド1Bから構成されてい
る。第1排気マニホルド1Aと第2排気マニホルド1B
は,ベローズから成る可撓継手4で連結されている。第
1排気マニホルド1Aと第2排気マニホルド1Bは,そ
れぞれ集合管の出口管3A,3Bを有している。出口管
3A,3Bは,エンジンの下流に設けられたターボチャ
ージャの入口部5A,5Bにボルト及びナットを緊締す
ることでそれぞれ連結されている。エンジンから排出さ
れる排気ガスは,各気筒の排気ポートを経て各取付フラ
ンジ部2A,2Bの中央部に形成された各分岐通路を通
じて出口管3A,3Bにそれぞれ集められ,次いでター
ボチャージャの入口5A,5Bを通じてターボチャージ
ャへ送り込まれる。
【0020】この発明による管接続部の密封装置は,排
気マニホルド1の集合管即ち出口管3A,3Bとターボ
チャージャの入口管5A,5Bとの管接続部に組み込ま
れている。排気マニホルド1の出口管3A,3Bの端部
には端面9が平らなフランジを備えた管体7がそれぞれ
設けられ,また,ターボチャージャの入口管5A,5B
の端部には端面23が平らなフランジを有する管体8が
それぞれ設けられている。排気マニホルド1の出口管3
A,3Bの端部の各管体7には,ターボチャージャの入
口管5A,5Bの各管体8に対向する対向面には,シー
ルリング10が組み込まれた環状溝6がそれぞれ形成さ
れている。
【0021】図3はこの発明による管接続部の密封装置
の一実施例を示す断面図である。この実施例のシールリ
ング10は,耐熱性に優れ且つ弾性を有する弾性薄板リ
ングとしてセラミック製の弾性薄板リング11と,押圧
手段としての金属製抱持用薄板リングである金属製薄板
リング12及びリング状中間板13とから成る組立体で
構成されている。
【0022】セラミック製弾性薄板リング11は荷重が
加わっていない自然な状態では平板状である。金属製薄
板リング12は平坦部12A,内側部に形成された第一
抱持部12B,外側部に形成された第二抱持部12Cを
有する。リング状中間板13はセラミック製弾性薄板リ
ング11の中間の径を有するサイズである。
【0023】セラミック製弾性薄板リング11とリング
状中間板13は,同心上に重ねられ,平坦面同士が接着
されている。セラミック製弾性薄板リング11と金属製
薄板リング12との間に,リング状中間板13を挟むよ
うに同心上に配置されており,金属製薄板リング12の
第一抱持部12Bでセラミック製弾性薄板リング11の
内側部11Aを抱持し,第二抱持部12Cでセラミック
製弾性薄板リング11の外側部11Cを抱持している。
シールリング10において,例えば,セラミック製弾性
薄板リング11が0.2mm,金属製薄板リング2が
0.2mm,リング状中間板13が0.3mmである。
従って,シールリング10の内側部と外側部の厚さは
0.9mm,中間部の厚さは0.7mmである。また,
内側部及び外側部におけるセラミック製弾性薄板リング
11と金属製薄板リング12の間には,0.3mmの間
隙が形成されている。
【0024】図3は荷重を全く加えない自然な状態のシ
ールリング10を示している。シールリング10を,図
1に示した排気マニホルドに適用する場合,シールリン
グ10の寸法は,例えば,外径が60mm,内径が50
mmである。シールリング10を環状溝6に嵌入して,
出口管3A,3Bの端部の管体7と入口管5A,5Bの
端部の管体8とをボルト及びナットで緊締した時には,
図4に示すような状態になる。即ち,緊締前には,環状
溝6から突出した状態であったシールリングは,緊締状
態では,環状溝6の底面6Aと管体8の端面8Aとから
押圧力を受けて,第一抱持部12Bと第二抱持部12C
が変形する。一方,シールリング10の中間部にはリン
グ状中間板13が配置されているから,セラミック製ば
ねリング11は中間径部11Bがリング状中間板13に
よって押圧されて,リング状に凹むように変形し,環状
溝6の底面6Aへ押し付けられる。
【0025】両管体7,8を緊締することによって,セ
ラミック製弾性薄板リング11は中間部11Bの両側部
分が撓むように厚さ方向に変形するので,セラミック製
弾性弾性薄板リング11には平板状に戻ろうとする力が
生じる。セラミック製弾性薄板リング11が平板状に戻
ろうとする力によって,セラミック製弾性薄板リング1
1の中間部11Bが管体8の端面8Aを押圧し,図4に
示すように端面8Aに面圧が発生する。また,セラミッ
ク製弾性薄板リング11の内側部11A及び外側部11
Cが環状溝6の底面6Aを押圧し,図4で符号IES,
CS及びOESで示すように,底面6Aに面圧が発生す
る。シールリング10は,セラミック製ばねリング11
のばね作用で内側部,外側部,中間部が密着した状態に
なるので,たとえ熱負荷によってシール面に大きな歪み
が生じてもシール性を良好に維持することができる。ま
た,図示していないが,シールリング10を弾性薄板リ
ング11,金属製薄板リング12及びリング状中間板1
3とから成る組立体で構成して,該組立体を複数組重ね
合わせて圧縮量即ち撓み量を適正な値にコントロールす
ることもできる。
【0026】図5はこの発明による管接続部の密封装置
の別の実施例を示す断面図である。この実施例のシール
リング10は,耐熱性に富み且つ弾性を有する薄板リン
グとしてのセラミック製弾性薄板リング14と押圧手段
としての第一金属製薄板リング15及び第二金属製薄板
リング16とから成る組立体で構成されている。この実
施例でも,上記実施例と同様に,組立体を重ね合わせて
密封装置を構成することができる。第一金属製薄板リン
グ15は内側部にセラミック製弾性薄板リング14の内
側部を抱持する抱持部15Aを有している。第二金属製
薄板リング16は外側部にセラミック製弾性薄板リング
14の外側部を抱持する抱持部16Aを有している。第
一金属製薄板リング15の外側部15Bと第二金属製薄
板リング16の内側部16Bは,互いに重ね合わせるこ
とによってシールリング10の中間部に厚みの異なる重
合部17が形成されている。
【0027】セラミック製弾性薄板リング14の厚さ
は,例えば,0.2mm,第一金属製薄板リング15及
び第二金属製薄板リング16の厚さは,例えば,0.2
mmである。従って,シールリング10の内側部及び外
側部の厚さは0.6mm,中間部の厚さも0.6mmで
あるが,荷重を加えない自然の状態では内側部及び外側
部は中間部に対して偏倚している。
【0028】シールリング10は,環状溝6に嵌入し,
出口管3A,3Bの端部の管体7と入口管5A,5Bの
端部の管体フランジ8とをボルト及びナットで緊締する
ことによって,管接続部に組み付けられる。その際,セ
ラミック製弾性薄板リング14の内側部14A及び外側
部14Cは環状溝6の底面6Aから押圧力を受け,中間
部14Bの重合部17は,管体8の端面8Aから押圧力
を受ける。セラミック製弾性薄板リング14の中間部1
4Bは,撓みができるように板厚方向に変形して環状溝
6の底面6Aに押し付けられる。中間部14Bが変形し
たセラミック製弾性薄板リング14は平板状に戻ろうと
するばね力が発生するので,環状溝6の底面6Aは内側
部及び外側部で押圧力を受けると共に,管体8の端面8
Aは中間部で押圧力を受ける。シールリング10の内側
部,外側部,及び中間部は,セラミック製弾性薄板リン
グ14のばね作用でシール面に密着した状態になるの
で,たとえ熱負荷によってシール面に大きな歪みが生じ
てもシール性を良好に維持される。
【0029】図6はこの発明による管接続部の密封装置
の更に別の実施例を示す断面図である。この実施例のシ
ールリング10は,耐熱性に優れ且つ弾性を有する薄板
リングとしての第一セラミック製弾性薄板リング18及
び第二セラミック製弾性薄板リング19,押圧手段とし
てのリング状中間板20,第一金属製薄板リング21及
び第二金属製薄板リング22から成る組立体から構成さ
れている。この実施例でも,上記実施例と同様に,組立
体を重ね合わせて密封装置を構成することができる。第
一セラミック製弾性薄板リング18と第二セラミック製
弾性薄板リング19は寸法がほぼ同じであり,互いに対
向して配置されている。リング状中間板20は第一セラ
ミック製弾性薄板リング18に接着され,更に第二セラ
ミック製弾性薄板リング19とで挟持されている。この
挟持された状態では,リング状中間板20は第一セラミ
ック製弾性薄板リング18及び第二セラミック製弾性薄
板リング19の中間部に配置されている。第一金属製薄
板リング21は,抱持部21Aで第一セラミック製弾性
薄板リング18及び第二セラミック製弾性薄板リング1
9の内側部同士を一緒に抱持している。第二金属製薄板
リング22は,抱持部22Aで第一セラミック製弾性薄
板リング18及び第二セラミック製弾性薄板リング19
の外側部同士を一緒に抱持している。
【0030】第一セラミック製弾性薄板リング18及び
第二セラミック製弾性薄板リング19の厚さは,例え
ば,0.2mm,リング状中間板20の厚さは,例え
ば,0.3mm,第一金属製薄板リング21及び第二金
属製薄板リング22の厚さは,例えば,0.2mmであ
る。従って,シールリング10は,内側部及び外側部の
厚さが1.1mmになり,中間部の厚さが0.7mmに
なる。
【0031】シールリング10は,環状溝6に嵌入し,
出口管3A,3Bの端部の管体7と入口管5A,5Bの
端部の管体8とをボルト及びナットで緊締することによ
って,管接続部に組み付けられる。その際,セラミック
製弾性薄板リング18,19の内側部及び外側部は,環
状溝6の底面6Aと管体8の端面8Aとから押圧力を受
けて,第一セラミック製弾性薄板リング18が中間部で
上に撓むように変形し,第二セラミック製弾性薄板リン
グ19が中間部で下に撓むように変形する。変形した第
一セラミック製弾性薄板リング18及び第二セラミック
製弾性薄板リング19は,平板状態に戻ろうとするばね
力が発生する。従って,第一セラミック製弾性薄板リン
グ18の内側部及び外側部が管体8の端面8Aを押圧し
て,管体8の端面8Aには面圧が発生する。また,第二
セラミック製弾性薄板リング19の内側部及び外側部が
環状溝6の底面6Aを押圧して,環状溝6の底面6Aに
は面圧が発生する。シールリング10は,セラミック製
弾性薄板リング18,19のばね作用で内側部及び外側
部が密着した状態になるので,たとえ熱負荷によってシ
ール面に大きな歪みが生じてもシール性を良好に維持す
ることができる。
【0032】また,上記いずれの実施例においても,図
示するのは省略するが,複数枚のセラミック製弾性薄板
リングを重ねて使用するようにしてもよい。あるいは互
いに隣接するセラミック製弾性薄板リング同士の間にリ
ング状中間板を介在させて重ねてもよいことは勿論であ
る。複数の弾性薄板リングと複数の中間板とを交互に重
ねることによってばね特性を変化させることもできる。
或いは,図示していないが,上記各組立体を相互に選定
して複数セット重ね合わせることも可能であり,管接続
部の状態に応じて適正に圧縮力をコントロールすること
ができる。
【0033】また,上記いずれの実施例においても,セ
ラミック製弾性薄板リング及び金属製弾性薄板リングの
板厚が0.2mmの場合について述べたが,セラミック
製ばねリング11の板厚の範囲は,0.1〜0.5m
m,及び金属薄板製リングの板厚の範囲は,0.2〜
0.5mm程度が好適である。
【0034】上記いずれの実施例において,薄板リング
12の材質として,セラミックスを使用する例を示した
が,その他に耐熱合金鋼,工具鋼(SKD,SKH),
ステンレス鋼(SUS630),ニッケル合金であるイ
ンコネル鋼,ハイニッケル鋼,ヘロンズアロイ鋼(HA
214)等の耐熱材料を用いてもよい。また,金属製薄
板リングは,加工性がよくて安価な金属材料を使用して
製作することができ,例えば,材質としては,SPC,
SUS304,銅,アルミニウム,SUS310S等が
好適である。リング状中間板の材質は,SPC,銅,ア
ルミニウム,SUS304,セラミック等が好適であ
る。また,この管接続部の密封装置は,上記のように耐
熱材製ばねリングの枚数をあるいは材質などを適切に選
択することによって,常に良好なシール性能を確保する
ことができる。
【0035】
【発明の効果】この発明による管接続部の密封装置は,
以上のように構成されているので,平板状のリングとい
う単純な形状に加工するだけであるから簡単に精度よく
加工することができる。一方,弾性薄板リングの中間部
を板厚方向に撓んだ状態に変形させて,シール面に押し
付ける押圧手段は,加工性に優れた低価格の材料を使用
して製作するようにしているので,簡単に加工すること
ができる。この管接続部の密封装置は,極めて単純な構
造であり,低コストで容易に製造することができ,極め
てシール性に富んだ構造を提供できる。
【0036】また,平板状の薄板リングを環状溝に嵌入
して一対の管体を緊締した時に,一対の押圧手段の働き
によって,平板状の弾性薄板リングは中間部が板厚方向
に撓んで変形してばね力が発生する。この変形状態にお
いては弾性薄板リングはばね作用があるので,たとえ大
きな熱負荷がかかってシール面に大きな歪みが生じて
も,シール面が常に密着状態になり,高いシール性を維
持することができる。従って,特に高温度で熱負荷の大
きい条件下で使用される密封装置として最適である。
【0037】更に,この管接続部の密封装置は,耐熱性
に富み且つ弾性を有する弾性薄板リングと押圧手段だけ
から構成されており,熱影響を受け易いガスケット材を
一切使用していないので,大きな熱負荷を受けても従来
のように体積の減少や変質の問題が生じることはなく,
シール性が低下することはないので,極めて信頼性が高
く,耐久性に富んだシールリングを提供できる。
【0038】また,複数枚の弾性薄板リングを重ねた構
造に変更することは容易であるから,環状溝を深く形成
して,弾性薄板リングを重ねて使用すれば,シールリン
グのシール性を更に向上させることができる。
【0040】また,この管接続部の密封装置では,弾性
薄板リングと押圧手段とから成る組立体を複数セット重
ね合わせて構成することで,圧縮量即ち撓み量を適正に
増すことができるので,管接続部の熱変形が大きいもの
に対しては,前記組立体のセット数を適正に選定するこ
とで,最適の撓み量即ち圧縮量を確保し,管接続部に大
きなシール力を有する密封装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による管接続部の密封装置を組み込ん
だ排気マニホルドの一例を示す概略図である。
【図2】図1の線A−A側から見た側面図である。
【図3】この発明による管接続部の密封装置の一実施例
を示す断面図である。
【図4】図1の領域Bの部分の拡大断面図であって,図
3の管接続部の密封装置を環状溝に嵌入して管体を緊締
した状態を示す説明図である。
【図5】この発明による管接続部の密封装置の別の実施
例を示す断面図である。
【図6】この発明による管接続部の密封装置の更に別の
実施例を示す断面図である。
【図7】従来の管接続部の密封装置の一例を示す断面図
である。
【図8】図7の管接続部の密封装置におけるフランジの
一例を示す斜視図である。
【図9】図7の管接続部の密封装置におけるシールリン
グの一例を示す断面図である。
【符号の説明】 6 環状溝 7 管体 8 管体 10 シールリング 11,14, 弾性薄板リング 12 金属製薄板リング(押圧手段:抱持用薄板リン
グ) 13 リング状中間板(押圧手段:中間板) 15 第一金属製薄板リング(押圧手段) 16 第二金属製薄板リング(押圧手段) 17 重合部(押圧手段) 18 第一セラミック製ばねリング(第一弾性薄板リ
ング) 19 第二セラミック製ばねリング(第二弾性薄板リ
ング) 20 リング状中間板(押圧手段) 21 第一金属製薄板リング(押圧手段:第一抱持用
薄板リング) 22 第二金属製薄板リング(押圧手段:第二抱持用
薄板リング)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−58592(JP,A) 特開 昭62−23517(JP,A) 実開 平2−119568(JP,U) 実開 平1−152149(JP,U) 実開 昭61−151055(JP,U) 実公 昭63−47643(JP,Y2) 実公 平1−22927(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 23/16 - 23/24 F16J 15/10 - 15/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する面を備え且つ互いに緊締
    される一対の管体,及び互いに対向する前記管体間に配
    置されたシールリングを有する管接続部の密封装置にお
    いて, 前記シールリングは,平板状の耐熱性で弾性を有する
    薄板リングと,一対の前記管体による緊締状態で前記
    弾性薄板リングを板厚方向に変形させて前記弾性薄板リ
    ングにばね力を発生させる押圧手段とを有し, 前記押圧手段は,その内外側部がそれぞれ折り曲げられ
    た抱持部によって前記弾性薄板リングの内外側部を抱持
    する金属製抱持用薄板リング,及び前記抱持用薄板リン
    グと前記弾性薄板リングとの間に前記弾性薄板リングを
    変形させ得る間隙を形成するため前記抱持用薄板リング
    と前記弾性薄板リングとの間に同心上に配置されたリン
    グ状中間板から構成されていることを特徴とする管接続
    部の密封装置。
  2. 【請求項2】 互いに対向する面を備え且つ互いに緊締
    される一対の管体,及び互いに対向する前記管体間に配
    置されたシールリングを有する管接続部の密封装置にお
    いて, 前記シールリングは,平板状の耐熱性で弾性を有する
    薄板リングと,一対の前記管体による緊締状態で前記
    弾性薄板リングを板厚方向に変形させて前記弾性薄板リ
    ングにばね力を発生させる押圧手段とを有し, 前記押圧手段は,内側部に前記弾性薄板リングの内側部
    を抱持する第一抱持用薄板リング及び外側部に前記弾性
    薄板リングの外側部を抱持する第二抱持用薄板リングか
    ら成り,前記第一抱持用薄板リングの外側部と前記第二
    抱持用薄板リングの内側部とを重ね合わせた重合部が形
    成されていることを特徴とする管接続部の密封装置。
  3. 【請求項3】 互いに対向する面を備え且つ互いに緊締
    される一対の管体,及び互いに対向する前記管体間に配
    置されたシールリングを有する管接続部の密封装置にお
    いて, 前記シールリングは,平板状の耐熱性で弾性を有する
    薄板リングと,一対の前記管体による緊締状態で前記
    弾性薄板リングを板厚方向に変形させて前記弾性薄板リ
    ングにばね力を発生させる押圧手段とを有し, 前記弾性薄板リングは,互いに対向して同心状に配置さ
    れた第一弾性薄板リング及び第二弾性薄板リングから構
    成され, 前記押圧手段は,前記第一弾性薄板リングと前記第二
    薄板リングとの間に同心上に配置されたリング状中間
    板,前記第一弾性薄板リングと前記第二弾性薄板リング
    の内側部同士を一緒に抱持する第一抱持用薄板リング,
    及び前記第一弾性薄板リングと前記第二弾性薄板リング
    の外側部同士を一緒に抱持する第二抱持用薄板リングか
    ら構成されていることを特徴とする管接続部の密封装
    置。
  4. 【請求項4】 前記中間板は前記弾性薄板リングに接合
    されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の管
    接続部の密封装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性薄板リングはセラミックス又は
    金属で製作されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の管接続部の密封装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性薄板リングと前記押圧手段とか
    ら成る組立体は複数セット重ね合わせて構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    管接続部の密封装置。
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