JP3107491B2 - 重合体組成物および粘着剤 - Google Patents

重合体組成物および粘着剤

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JP3107491B2 JP05308535A JP30853593A JP3107491B2 JP 3107491 B2 JP3107491 B2 JP 3107491B2 JP 05308535 A JP05308535 A JP 05308535A JP 30853593 A JP30853593 A JP 30853593A JP 3107491 B2 JP3107491 B2 JP 3107491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐候性に
優れ、且つ良好な粘着性を有する重合体組成物、それよ
りなる粘着剤並びに粘着材製品に関する。
【0002】
【従来の技術】環境汚染の防止、安全性、省資源などの
点から、天然ゴム、合成ゴムまたはその他の重合体を有
機溶剤に溶解した溶剤型の粘着剤や接着剤に代えて、ホ
ットメルト型または水性エマルジョン型の粘着剤や接着
剤が広く使用されるようになっている。ホットメルト型
の粘着剤および接着剤用のベースポリマーとしては、ビ
ニル芳香族モノマー重合体ブロック−共役ジエン重合体
ブロック−ビニル芳香族モノマー重合体ブロックよりな
るトリブロック共重合体が知られている(米国特許第
3,676,202号明細書、米国特許第3,723,
170号明細書等)。このトリブロック共重合体を用い
て製造された粘着剤は、常温および低温での粘着性に優
れ、柔軟性に富み、加熱すると容易に流動化して基材に
簡単に塗布することができるなどの特長を有している。
しかしながら、分子中に共役ジエンに由来する二重結合
を有しているために紫外線や熱による劣化が激しく、高
温下や紫外線照射を受ける環境では使用できないという
欠点を有している。
【0003】また、熱や紫外線に対する安定性を改善す
るために、スチレン重合体ブロック−イソブチレン重合
体ブロック−スチレン重合体ブロックよりなるトリブロ
ック共重合体を用いた粘着剤組成物が開発されているが
(特開平4−145184号公報)、粘着性が充分では
なく、しかも加熱時に流動性が不足し塗布加工などを行
いにくいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐候性が良好で、基材などからのブリードがなく、
しかも低温特性、粘着力、加工性に優れ、その上大きな
接着力を有する、粘着剤として有用な重合体組成物、そ
れよりなる粘着剤、およびそれを用いた粘着材製品を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが検討を重ね
た結果、2個のビニル芳香族モノマー重合体ブロックと
1個のイソブチレン重合体ブロックよりなるトリブロッ
ク共重合体に対して、ビニル芳香族モノマーとイソブチ
レンよりなるジブロック共重合体および2個のイソブチ
レン重合体ブロックと1個のビニル芳香族モノマー重合
体ブロックよりなるトリブロック共重合体のうちの少な
くとも一方を配合すると、上記の目的に適合した粘着剤
用のベースポリマー組成物が得られることを見出して本
発明を完成した。
【0006】 すなわち、本発明は、(a)ビニル芳香
族モノマー重合体ブロック−イソブチレン重合体ブロッ
ク−ビニル芳香族モノマー重合体ブロックよりなる数平
均分子量が20,000〜500,000であるトリブ
ロック共重合体;並びに(b)ビニル芳香族モノマー重
合体ブロック−イソブチレン重合体ブロックよりなる
平均分子量が5,000〜400,000であるジブロ
ック共重合体(b1)およびイソブチレン重合体ブロッ
ク−ビニル芳香族モノマー重合体ブロック−イソブチレ
ン重合体ブロックよりなる数平均分子量が5,000〜
400,000であるトリブロック共重合体(b2)のう
ちの少なくとも一方からなることを特徴とする重合体組
成物である。更に本発明は、上記の重合体組成物を含有
する粘着剤、並びに該粘着剤をシート、テープ、または
その他の基材に塗布して得られた粘着材製品を包含す
る。
【0007】なお、本明細書では、以後、ビニル芳香族
モノマー重合体ブロックを「ブロックA」、イソブチレ
ン重合体ブロックを「ブロックB」、ブロックA−ブロ
ックB−ブロックAからなるトリブロック共重合体を
「A−B−Aトリブロック共重合体」、ブロックA−ブ
ロックBからなるジブロック共重合体を「A−Bジブロ
ック共重合体」、そしてブロックB−ブロックA−ブロ
ックBからなるトリブロック共重合体を「B−A−Bト
リブロック共重合体」という。
【0008】上記したジブロック共重合体(b1)およ
び2種のトリブロック共重合体(a)および(b2)に
おいて、そのブロックAを構成するビニル芳香族モノマ
ーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロス
チレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジ
クロロスチレン、メトキシスチレン、インデン、アセナ
フチレンなどを挙げることができ、ブロックAはこれら
のビニル芳香族モノマーの1種類または2種以上から形
成されている。そのうちでも、ブロックAがスチレンよ
り形成されているのが最も好ましい。
【0009】 本発明の重合体組成物では(a)成分と
してその全体の数平均分子量が20,000〜500,
000の範囲にあるA−B−Aトリブロック共重合体を
用いる。このA−B−Aトリブロック共重合体は、ビニ
ル芳香族モノマーよりなる重合体ブロック(ブロック
A)とイソブチレンよりなる重合体ブロック(ブロック
B)が、直鎖状にA−B−Aの順に結合したトリブロッ
ク共重合体である。A−B−Aトリブロック共重合体
は、その全体の数平均分子量が、25,000〜45
0,000の範囲にあるのが好ましい。また限定される
ものではないが、2個のブロックAの数平均分子量はそ
れぞれ2,500〜400,000の範囲になるのが好
ましく、ブロックBの数平均分子量は10,000〜4
00,000の範囲にあるのが好ましい。そして、A−
B−Aトリブロック共重合体では、ビニル芳香族モノマ
ーからの構造単位とイソブチレンからの構造単位の割合
が重量で5/95〜80/20であるのが好ましく、1
0/90〜75/25がより好ましい。ビニル芳香族モ
ノマーからの構造単位とイソブチレンからの構造単位の
重量比が5/95よりも小さいと、重合体組成物の凝集
力が小さくなり、かつ耐クリープ性が劣って良好な粘着
剤としての性能が低下し、一方80/20よりも大きい
と粘着力および柔軟性が低下する。
【0010】 更に、本発明の重合体組成物は上記のA
−B−Aトリブロック共重合体と共に、(b)成分とし
て、数平均分子量が5,000〜400,000の範囲
にあるA−Bジブロック共重合体および数平均分子量が
5,000〜400,000の範囲にあるB−A−Bト
リブロック共重合体の少なくとも一方を含有する。A−
Bジブロック共重合体はビニル芳香族モノマーよりなる
重合体ブロック(ブロックA)とイソブチレンよりなる
重合体ブロック(ブロックB)が、直鎖状にA−Bまた
はB−Aの順に結合したジブロック共重合体であり、B
−A−Bトリブロック共重合体は、イソブチレンよりな
る重合体ブロック(ブロックB)とビニル芳香族モノマ
ーよりなる重合体ブロック(ブロックA)が直鎖状にB
−A−Bの順に結合したトリブロック共重合体である。
【0011】 A−Bジブロック共重合体またはB−A
−Bトリブロック共重合体では、その数平均分子量がそ
れぞれ6,000〜350,000の範囲にあるのが好
ましい
【0012】また、A−Bジブロック共重合体またはB
−A−Bトリブロック共重合体におけるビニル芳香族モ
ノマーからの構造単位とイソブチレンからの構造単位の
割合が重量で5/95〜80/20であるのが好まし
く、10/90〜75/25がより好ましい。ビニル芳
香族モノマーからの構造単位とイソブチレンからの構造
単位の重量比が5/95よりも小さいと、(a)成分と
して用いる上記のA−B−Aトリブロック共重合体との
相溶性が悪くなりブリードを生じ易くなる。一方80/
20よりも大きいと粘着力および柔軟性が低下し、特に
低温における粘着力および柔軟性の低下が著しくなる。
【0013】 本発明で使用するA−B−Aトリブロッ
ク共重合体、A−Bジブロック共重合体およびB−A−
Bトリブロック共重合体は、分子鎖中または分子末端に
必要に応じて塩素などのハロゲン基、カルボキシル基、
水酸基、酸無水物基などの官能基を有していてもよい。
また、A−B−Aトリブロック共重合体、A−Bジブロ
ック共重合体およびB−A−Bトリブロック共重合体
は、本発明の重合体組成物の性能を損なわない範囲内で
他のカチオン重合性モノマーを共重合してあってもよ
く、そのような他のカチオン重合性モノマーの例として
は1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソ
プレン、メチルビニルエーテルなどを挙げることができ
る。
【0014】A−B−Aトリブロック共重合体、A−B
ジブロック共重合体およびB−A−Bトリブロック共重
合体の製法は特に限定されないが、例えば適当な重合開
始剤系を用いて、不活性溶媒中でビニル芳香族モノマー
とイソブチレンをそれぞれのブロック結合順序になるよ
うに順に重合することにより製造することができる。そ
の場合の重合開始剤系の例としては、ルイス酸と、ルイ
ス酸によってカチオン重合活性種を生成する有機化合物
との混合系が挙げられる。ルイス酸としては四塩化チタ
ン、四塩化スズ、三塩化ホウ素、塩化アルミニウムなど
が、また該有機化合物としてはアルコキシ基、アシロキ
シ基またはハロゲン基などの官能基を有する有機化合
物、例えばビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼ
ン、ビス(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、
ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンなどが挙げ
られる。更に上記のルイス酸および上記有機化合物と共
に、必要に応じて例えばジメチルアセトアミドやジメチ
ルホルムアミドなどのアミド類、酢酸エチルなどのエス
テル類を第3成分として使用してもよい。また、重合用
の不活性溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、塩化メチル、塩化メチレンなどを使
用することができる。
【0015】例えば、A−B−Aトリブロック共重合体
は、ルイス酸およびカチオン重合活性種を生成する官能
基を1個有する有機化合物を重合開始剤系として使用し
てビニル芳香族モノマーを重合させてブロックAを形成
した後、イソブチレンを反応系に添加して重合させてブ
ロックBを形成させ、更に再びビニル芳香族モノマーを
反応系に添加して重合してブロックAを形成させること
により製造することができる。また、別法として、ルイ
ス酸およびカチオン重合活性種を生成する官能基を2個
有する有機化合物を重合開始剤系として使用して、まず
イソブチレンを重合させて中央に位置するブロックBを
形成した後、反応系にビニル芳香族モノマーを添加して
重合を行ってブロックBの両端にブロックAを形成させ
ることにより製造することができる。A−Bジブロック
共重合体およびB−A−Bトリブロック共重合体の場合
も、同様にして製造することができる。
【0016】 本発明の重合体組成物では、(a)成分
(A−B−Aトリブロック共重合体)と(b)成分(A
−Bジブロック共重合体および/またはB−A−Bトリ
ブロック共重合体)の割合が、重量で通常95/5〜2
0/80であるのが好ましく、90/10〜25/75
がより好ましい。(b)成分としてA−Bジブロック共
重合体とB−A−Bトリブロック共重合体の両方を用い
る場合は、それらの合計量に対するA−B−Aトリブロ
ック共重合体割合が上記した範囲にあるようにする。
重合体組成物中における(b)成分の割合が5重量%未
満であると低温特性が改良されず、一方80重量%を超
えると高温での凝集力が低下して充分な粘着性能が得ら
れにくくなる。
【0017】本発明の重合体組成物は上記した(a)成
分および(b)成分のみからなっていても、または他の
成分を含有していてもよい。特に、本発明の重合体組成
物を粘着剤として用いる場合は、粘着付与樹脂を配合す
るのが好ましい。粘着付与樹脂を配合することによって
粘着剤の3つの特性であるタック、粘着力および保持力
をバランスよく調節することができる。粘着付与樹脂は
天然樹脂系と合成樹脂系とに大別され、天然樹脂系とし
てはロジン、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジ
ン、マレイン化ロジンなどのロジン系樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなど
を主体とするテルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペ
ン樹脂などを挙げることができる。また、合成樹脂系の
粘着付与樹脂としては、脂肪族系、脂環族系、芳香族系
の石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹
脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂などのフェノール系樹脂、キシレン樹脂などを挙げる
ことができる。粘着付与樹脂を配合する場合は、上記し
た粘着付与樹脂の1種または2種以上を配合することが
でき、特に水添ロジン、スチレン系樹脂が好ましく用い
られる。粘着付与樹脂の配合量は、粘着付与樹脂の種
類、本発明の粘着剤の用途、被着体の種類などに応じて
適宜選択することができるが、一般に(a)成分および
(b)成分の合計100重量部に対して粘着付与樹脂を
30〜500重量部配合するのが好ましい。
【0018】また本発明の重合体組成物は、必要に応じ
て(a)成分および(b)成分の合計100重量部当
り、プロセスオイルを可塑剤として200重量部以下の
割合で含有していてもよい。更に、本発明の重合体組成
物の性能を損なわない範囲で、他の重合体を含有してい
てもよく、そのような他の重合体の例としてはスチレン
−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレ
ン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、E
PR、EPDM、ポリブテン、ポリイソブチレンなどを
挙げることができる。また、本発明の重合体組成物は、
必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよく、その
ような添加剤の例としては、耐候性、耐熱性、耐酸化性
を更に向上させるための酸化防止剤や紫外線吸収剤、炭
酸カルシウム、酸化チタンなどの無機粉末充填剤、ガラ
ス繊維や有機補強用繊維などの繊維状充填剤などを挙げ
ることができる。
【0019】 本発明の重合体組成物の調製方法は特に
制限されず、例えば(a)成分(A−B−Aトリブロッ
ク共重合体)並びに(b)成分(A−Bジブロック共重
合体および/またはB−A−Bトリブロック共重合体)
を、必要に応じて上記した粘着付与樹脂、他の重合体や
添加剤と共に、ニーダールーダー、押出機、ミキシング
ロール、バンバリーミキサーなどの既知の混合または混
練装置を使用して、通常110〜220℃の温度範囲で
混合することにより調製することができる。また別法と
しては、共重合体の合成段階で重合開始剤系としてルイ
ス酸と共に2個の官能基を有する有機化合物と1個の官
能基を有する有機化合物の両方を用いてイソブチレンと
ビニル芳香族モノマーを順次重合させると、A−B−A
トリブロック共重合体とA−Bジブロック共重合体とが
混合物した本発明の重合体組成物を重合により直接製造
することができ、これに必要に応じて粘着付与樹脂や他
の重合体、添加剤を混合する。
【0020】(a)成分(A−B−Aトリブロック共重
合体)並びに(b)成分(A−Bジブロック共重合体お
よび/またはB−A−Bトリブロック共重合体)からな
る本発明の重合体組成物は、粘着剤用のベース組成物と
して特に有用であり、これに上記した粘着付与樹脂やそ
の他の成分を配合することによって粘着剤を得ることが
でき、したがって本発明はそのような粘着剤を包含す
る。ところで粘着剤は感圧接着剤とも称されており、本
発明は(a)成分、(b)成分および必要に応じて粘着
付与樹脂やその他の成分からなる感圧接着剤を包含す
る。
【0021】 本発明の重合体組成物または粘着剤は、
通常容易に溶融して流動性になるので、それをフイルム
状、シート状、テープ状またはその他の形状を有する
紙、セロハン、有機重合体フィルム、シート、布帛など
の基材に塗工することによって粘着フィルム、粘着シー
ト、粘着テープなどの種々の粘着材製品を得ることがで
きる。また、場合によっては、本発明の重合体組成物ま
たは粘着剤をトルエンやその他の溶剤に溶かして溶液状
にして上記した基材に塗布して粘着テープや粘着シート
などの粘着製品を製造してもよい。
【0022】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。
【0023】《実施例 1》[A−B−Aトリブロック
共重合体およびA−Bジブロック共重合体の混合物の製
造] (1) 撹拌機付きの反応器中に溶媒として塩化メチレ
ン800mlおよびメチルシクロヘキサン1200m
l、重合開始剤系として四塩化チタン(ルイス酸)4.
3gと1,4−ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベ
ンゼンおよび2−メトキシ−2−プロピルベンゼンの混
合物0.52gを入れ、−65℃でイソブチレン236
gを仕込んで4時間重合した後、ジメチルアセドアミド
0.13gおよびスチレン41.4gを添加して更に4
時間重合して、A−B−Aトリブロック共重合体とA−
Bジブロック共重合体との混合物(重合体組成物)を製造
した。この混合物における重合体組成を13C−NMRに
よる末端基定量法で調べたところ、(A−B−Aトリブ
ロック共重合体):(A−Bジブロック共重合体)
の含有割合は重量で70:30であった。
【0024】(2) 上記(1)で得られた混合物中
の、A−B−Aトリブロック共重合体についてその数平
均分子量をGPC法で測定したところ130,000で
あった。また、A−B−Aトリブロック共重合体におけ
るスチレンの含有割合を1H−NMRにより求めたとこ
ろ15重量%であった。上記(1)で得られた混合物中
のA−Bジブロック共重合体についても同様にして調べ
たところ、その数平均分子量は65,000であり、ス
チレンの含有割合は15重量%であった。 (3) また、上記(1)で得られた混合物(重合体組
成物)の耐熱性および耐候性を次のようにして調べたと
ころ下記の表1に示すとおりの結果であった。
【0025】重合体組成物の耐熱性試験: 重合体組成物を120℃の空気中に12時間放置した後
の着色状態を肉眼で観察して、耐熱性の良否を下記の表
2に示す評価基準にしたがって判定した。
【0026】重合体組成物の耐候性試験: 重合体組成物をJIS A1410に準拠して屋外暴露
試験を1カ月行い、その時の着色状態を肉眼で観察して
耐候性の良否を下記の表2に示す評価基準にしたがって
判定した。
【0027】《実施例 2〜7》実施例1と同様にし
て、下記の表1に示す数平均分子量、スチレン含有量、
耐熱性および耐候性物性を有するA−B−Aトリブロッ
ク共重合体とA−Bジブロック共重合体との混合物(重
合体組成物)を得た。
【0028】《実施例 8》 (1) 撹拌機付きの反応器中に溶媒として塩化メチレ
ン800mlおよびメチルシクロヘキサン1200m
l、重合開始剤系として四塩化チタン(ルイス酸)4.
3gと1,4−ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベ
ンゼン0.33gを入れ、−65℃でイソブチレン16
6gを仕込んで4時間重合した後、ジメチルアセドアミ
ド0.13gおよびスチレン29gを添加して更に4時
間重合して、A−B−Aトリブロック共重合体を製造し
た。得られたA−B−Aトリブロック共重合体の数平均
分子量およびスチレン含有量は下記の表1に示すとおり
であった。
【0029】(2) 撹拌機付きの反応器中に溶媒とし
て塩化メチレン800mlおよびメチルシクロヘキサン
1200ml、重合開始剤系として四塩化チタン(ルイ
ス酸)0.43gと(2−メトキシ−2−プロピル)ベ
ンゼン0.225gを入れ、−65℃でイソブチレン4
4gを仕込んで4時間重合した後、ジメチルアセドアミ
ド0.065gおよびスチレン9.75gを添加して4
時間重合し、更にイソブチレン44gを仕込んで4時間
重合して、B−A−Bトリブロック共重合体を製造し
た。得られたB−A−Bトリブロック共重合体の数平均
分子量およびスチレン含有量は下記の表1に示すとおり
であった。
【0030】(3) 上記(1)で得られたA−B−A
トリブロック共重合体と(2)で得られたB−A−Bト
リブロック共重合体を70:30の重量割合で150℃
で混練して本発明の重合体組成物を得た。その結果得ら
れた重合体組成物の耐熱性および耐候性物性は表1に示
すとおりであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】 《実施例 9〜16》 上記の実施例1
〜8で得られた重合体組成物(ブロック共重合体混合
物)100重量部、粘着付与樹脂(安原油脂工業社製
「YS−PX1000」)100重量部および酸化防止
剤(チバガイギー社製「イルガノックス1010」)1
重量部を溶融混合槽中で200℃で20分間混合して粘
着剤を製造した。この粘着剤を厚さ100μmのポリエ
ステルフイルム上にコーターを用いて160℃の温度で
40μmの塗工厚みにコーティングして粘着テープを作
製した。コーティング時の粘着剤の溶融粘度および塗工
性は下記の表3に示すとおりであった。なお、塗工性の
評価は、極めて良好◎、良好○、やや不良△、不良×、
極めて不良××として示した。また、得られた粘着テー
プの粘着性能(ールタック)、保持力、接着力、耐熱
性、耐候性およびブリードを下記の方法により測定また
は評価したところ、表3に示すとおりであった。
【0034】 《比較例 1》 実施例8の(1)で製
造したA−B−Aトリブロック共重合体のみを単独で使
用し、これに実施例9〜16で用いたのと同じ粘着付与
樹脂および酸化防止剤を同様の量で混合して粘着剤を調
製した。以後、実施例9〜16と同様にして粘着テープ
を作製した。粘着テープ作製時の溶融粘度および塗工性
を実施例9〜16と同様にして調べると共に、得られた
粘着テープの粘着性能(ールタック)、保持力、接着
力、耐熱性、耐候性およびブリードを下記の方法により
測定または評価したところ表3に示すとおりであった。
【0035】 《比較例 2》 A−B−Aトリブロッ
ク共重合体とA−Bジブロック共重合体の混合物100
重量部を用いる代わりに、スチレン−イソプレン−スチ
レントリブロック共重合体[数平均分子量158,00
0;スチレン/イソプレン=15/85(重量比);水
添率0%;1,4結合量89%]とスチレン−イソプレ
ンジブロック共重合体[数平均分子量28,000;ス
チレン/イソプレン=22/78(重量比);水添率0
%;1,4結合量89%]の70:30(重量比)混合
物100重量部を用い、それ以外は実施例9〜16と同
様にして、粘着付与樹脂および酸化防止剤と混合して粘
着剤を調製し、以後同様にして粘着テープを作製した。
粘着テープ作製時の溶融粘度および塗工性を実施例9〜
16と同様にして調べると共に、得られた粘着テープの
粘着性能(ールタック)、保持力、接着力、耐熱性、
耐候性およびブリードを下記の方法により測定または評
価したところ、表3に示すとおりであった。
【0036】 《比較例 3》 A−B−Aトリブロッ
ク共重合体とA−Bジブロック共重合体の混合物100
重量部を用いる代わりに、スチレン−イソプレン−スチ
レントリブロック共重合体[数平均分子量130,00
0;スチレン/イソプレン=13/87(重量比);水
添率97%;1,4結合量88%]とスチレン−イソプ
レンジブロック共重合体[数平均分子量24,000;
スチレン/イソプレン=20/80(重量比);水添率
95%;1,4結合量89%]の70:30(重量比)
混合物100重量部を用い、それ以外は実施例9〜16
と同様にして、粘着付与樹脂および酸化防止剤と混合し
て粘着剤を調製し、以後同様にして粘着テープを作製し
た。粘着テープ作製時の溶融粘度および塗工性を実施例
9〜16と同様にして調べると共に、得られた粘着テー
プの粘着性能(ールタック)、保持力、接着力、耐熱
性、耐候性およびブリードを下記の方法により測定また
は評価したところ表3に示すとおりであった。
【0037】粘着性能(ボールタック): JIS Z0237に準拠して10℃および25℃にお
けるールタック性能を調べた。ここで、ールタック
性能は数字の大きいほど粘着性(タック性)が良好であ
ることを示す。低温タック性は10℃でのールタック
値により判定できる。
【0038】保持力: 粘着テープの25mm×25mmの貼合わ部に1kg
の荷重をかけ、25℃または40℃の温度雰囲気中に放
置して、落下するまでに要した時間を測定して保持力を
評価した。保持時間の長いほど保持力(クリープ性能)
が良好であることを示す。
【0039】接着力:粘着テープを厚さ1mmのステン
レスまたはポリエチレンシートに貼り付け、180℃で
剥離した際に要する剥離力を測定した。
【0040】耐熱性: 粘着テープを180℃の空気中に12時間放置したとき
の粘着剤部分の着色を目で観察して評価した。なお耐熱
性の評価は上記の表2に示した評価基準により行った。
【0041】耐候性: 粘着テープをJIS A1410に準拠して屋外暴露試
験を1カ月間行ったときの粘着剤部分の着色を目で観察
して評価した。なお耐候性の評価は上記の表2に示した
評価基準により行った。
【0042】ブリード:粘着テープに上質紙を貼合わ
せ、これを70℃で2週間加熱したときの上質紙への粘
着剤の浸み出しの有無を調べ、浸み出しのないものを
○、浸み出しのあったものを×として評価した。
【0043】
【表3】
【0044】上記表3の結果から、実施例9〜16の粘
着剤は塗工性、粘着性能、保持力、接着力、耐熱性、耐
候性およびブリードのすべてにおいて優れていること、
それに対して比較例1〜3の粘着剤は塗工性、耐熱性お
よび/または耐候性に劣っていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明の重合体組成物およびそれから得
られた粘着剤は、耐熱性、耐候性が良好で長期間加熱雰
囲気や紫外線の当る雰囲気中においても、着色や過度の
ベタツキを生じない。しかも、加熱により溶融して取り
扱い性の良好な流動状態になるので、基材への塗工性が
極めて良く、粘着テープや粘着シートなどの粘着材製品
を円滑に製造することができる。しかも、本発明の粘着
剤を用いた場合には、粘着性能および耐ブリード性に優
れ且つ大きな保持力および接着力を有する高品質の粘着
テープや粘着シートなどの粘着材製品を得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 前田 瑞穂 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式 会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平4−145184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C09J 7/02 C09J 7/04 C09J 153/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ビニル芳香族モノマー重合体ブロ
    ック−イソブチレン重合体ブロック−ビニル芳香族モノ
    マー重合体ブロックよりなる数平均分子量が20,00
    0〜500,000であるトリブロック共重合体;並び
    に(b)ビニル芳香族モノマー重合体ブロック−イソブ
    チレン重合体ブロックよりなる数平均分子量が5,00
    0〜400,000であるジブロック共重合体(b1
    およびイソブチレン重合体ブロック−ビニル芳香族モノ
    マー重合体ブロック−イソブチレン重合体ブロックより
    なる数平均分子量が5,000〜400,000である
    トリブロック共重合体(b2)のうちの少なくとも一方か
    らなることを特徴とする重合体組成物。
  2. 【請求項2】 トリブロック共重合体(a)と、ジブロ
    ック共重合体(b1)および/またはトリブロック共重
    合体(b2)との配合割合が、重量で95:5〜20:
    80である請求項1の重合体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の重合体組成物を含有
    する粘着剤。
  4. 【請求項4】 請求項の粘着剤を基材に塗布して得ら
    れた粘着材製品。
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