JPH072940B2 - 感圧接着剤組成物 - Google Patents

感圧接着剤組成物

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JPH072940B2
JPH072940B2 JP60153709A JP15370985A JPH072940B2 JP H072940 B2 JPH072940 B2 JP H072940B2 JP 60153709 A JP60153709 A JP 60153709A JP 15370985 A JP15370985 A JP 15370985A JP H072940 B2 JPH072940 B2 JP H072940B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はエラストマーブロツクと非エラストマーブロ
ツクとからなるブロツク共重合体を主成分とする感圧接
着剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、包装用接着テープ、塗装マスキング用接着テー
プ、生理用品用接着テープ、紙オムツ固定用接着テープ
および接着ラベルなど、被着体が粗面でしかも軽く圧着
する程度で接着することが要求される用途に対し、ホツ
トメルト型感圧接着剤が使用され始めた。このホツトメ
ルト型感圧接着剤は、周知の如く、接着テープや接着ラ
ベルの製造に際して、従来の溶剤型接着剤に較べて塗工
スピードが速く、火災の心配や大気・作業環境汚染の心
配がないなどの長所を有し、経済性,安全性においてす
ぐれている。
このようなホツトメルト型感圧接着剤としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体やα−オレフイン系ポリマーを
主成分としたものも知られているが、接着特性上特にす
ぐれたものとしてエラストマーブロツクと非エラストマ
ーブロツクとからなるブロツク共重合体を主成分とした
ものが賞用されている。その中でも、エラストマーブロ
ツクがポリイソプレンブロツク、非エラストマーブロツ
クがポリスチレンブロツクであるブロツク共重合体を主
成分としたものが、接着性能とさらに経済性の点でもつ
ともすぐれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、上述の如きブロツク共重合体を主成分とした
ホツトメルト型感圧接着剤は、天然ゴム系の溶剤型感圧
接着剤に較べ粗面接着性に劣る欠点があり、このためこ
の接着剤を前述した包装用接着テープや接着ラベルなど
に応用すると充分な接着性能を発揮できないという問題
があつた。
そこで、従来より、ブロツク共重合体を二種以上混合使
用したり、粘着付与樹脂などの添加剤成分の種類,量の
選択や特に延展油などのオイル類を配合するといつた工
夫が種々なされているが、一般に凝集力と接着力との調
整がままならず、粗面接着性を大幅に向上しうるほどの
成果は未だ得られていないのが実状である。
したがつて、この発明は、ブロツク共重合体を主成分と
した感圧接着剤の粗面接着性の大幅な改善を図り、包装
用接着テープや接着ラベルなどの被着体が粗面でしかも
軽く圧着する程度で接着することが要求される用途に対
しても有効に利用できる上記感圧接着剤を提供すること
を目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討
した結果、ブロツク共重合体を二種以上混合使用するに
あたつて、A−B−A型ブロツク共重合体(Aは非エラ
ストマーブロツク、Bはエラストマーブロツク)で非エ
ラストマーブロツクの分子量が通常1万以上となる一般
的なブロツク共重合体などとともに特定のブロツク共重
合体を特定量併用する一方、これに配合する粘着付与樹
脂として軟化点の低いものと軟化点が高くてかつブロツ
ク共重合体のエラストマーブロツクに対する相溶性が適
正範囲にあるものとを特定割合で併用したときには、粗
面接着性に著しくすぐれる感圧接着剤が得られることを
知り、この発明を完成するに至つた。
すなわち、この発明は、エラストマーブロツクと非エラ
ストマーブロツクとからなるブロツク共重合体を二種以
上含有する混合ブロツク共重合体および粘着付与樹脂を
含む感圧接着剤組成物において、上記の混合ブロツク共
重合体が、 a) A1-B1型ブロツク共重合体、A2-B23型ブロ
ツク共重合体および(A4-B3)nX型ブロツク共重合体(A
1,A2,A3,A4は非エラストマーブロツクでA2,A3のうちの
少なくとも一方およびA4の重合度が50以下、B1,B2,B3
エラストマーブロツク、Xはカツプリング剤残基、nは
2〜6の整数である)の中から選ばれた少なくとも一種
と、 A5-B4-A6型ブロツク共重合体および(A7-B5)nX型
ブロツク共重合体(A5,A6,A7はいずれもその重合度が50
を超える非エラストマーブロツク、B4,B5はエラストマ
ーブロツク、Xはカツプリング剤残基、nは2〜6の整
数である)の中から選ばれた少なくとも一種 との混合物からなり、かつ上記a−成分のブロツク共
重合体を、全ブロツク共重合体中10〜90重量%含有する
とともに、上記の粘着付与樹脂が、 b) 軟化点が70℃以上でかつブロツク共重合体のエラ
ストマーブロツクに対する相溶指数が0.5〜0.7の範囲と
なる粘着付与樹脂と、 c) 軟化点が30℃以下の粘着付与樹脂とを、 粘着付与樹脂中前者のb成分が50重量%以上、後者のc
成分が50重量%以下の割合で含有してなり、かつ上記b,
c成分を含む粘着付与樹脂の上記混合ブロツク共重合体
に対する含有量が混合ブロツク共重合体100重量部に対
して50〜300重量部であることを特徴とする感圧接着剤
組成物に係るものである。
なお、この明細書において、粘着付与樹脂の軟化点と
は、環球法(JIS K 2207)にて測定される値を意味す
る。また、粘着付与樹脂中前記b成分の相溶指数(I)
とは、動的粘弾性測定(1Hzの周波数)から得られるガ
ラス転移点を用いて次式にて算出される値を意味する。
Ti;ブロツク共重合体のエラストマーブロツクのガラス
転移点(°K) Tr;粘着付与樹脂(b成分)のガラス転移点(°K) Th;ブロツク共重合体のエラストマーブロツクと粘着付
与樹脂(b成分)との等重量混合物のガラス転移点(°
K) 〔発明の構成・作用〕 この発明において使用するブロツク共重合体のひとつ
は、前記a−成分、つまりA1-B1型ブロツク共重合
体、A2-B2-A3型ブロツク共重合体および(A4-B3)nX型
ブロツク共重合体(A1,A2,A3,A4は非エラストマーブロ
ツクでA2,A3のうちの少なくとも一方およびA4の重合度
が50以下、B1,B2,B3はエラストマーブロツク、Xはカツ
プリング剤残基、nは2〜6の整数である)の中から選
ばれた少なくとも一種である。
上記各ブロツク共重合体における非エラストマーブロツ
クA1,A2,A3,A4は、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、ビニルキシレンなどのモノビニル置換芳
香族化合物の重合体ブロツクであるのがよく、特にポリ
スチレンブロツクであるのが好ましい。また、エラスト
マーブロツクB1,B2,B3は、イソプレン、1・3−ブタジ
エン、1・3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物の
重合体ブロツクからなり、特にポリイソプレンブロツク
であるのが望ましい。さらに、カツプリング剤残基X
は、四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルジクロル珪素、
モノメチルジクロル珪素、1・2−ビス(トリクロルシ
リル)エタン、ジクロルエタン、塩化メチレン、ジブロ
ムメタン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジブ
ロムエタン、四塩化スズなどのカツプリング剤の残基で
あるのがよい。
上記のブロツク共重合体のうちA1-B1型ブロツク共重合
体は、その非エラストマーブロツクA1の重合度が80以
上、好ましくは100〜500であるのがよいが、この範囲外
であつても差し支えない。共重合体全体の分子量として
は、接着剤組成物の所望の特性に応じて決められるが、
通常は数平均分子量が2,500〜350,000の範囲内にあるの
がよい。また、A1の含有量としては、共重合体全体の25
重量%以下、特に4〜15重量%の範囲内にあるのがよ
く、あまり多くなりすぎると接着剤に要求される弾性特
性に欠け、また凝集力の維持を図りにくく、好ましくな
い。
なお、上記の数平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエー
シヨンクロマトグラフイー)により、ポリスチレン換算
にて求められる値を意味する。以下、数平均分子量とあ
るは上記同様の意味である。
また、A2-B2-A3型ブロツク共重合体は、その非エラスト
マーブロツクA2,A3のうちの一方または両方の重合度が5
0以下であることが必要で、特に20以下であるのがよ
い。共重合体全体の分子量は、通常数平均分子量で5,00
0〜700,000の範囲にあるのがよく、またA2,A3の合計含
有量は、共重合体全体の50重量%以下、特に8〜30重量
%の範囲内にあるのが望ましい。
さらに、(A4-B3)nX型ブロツク共重合体は、カツプリ
ング剤残基Xの種類によつてnが2〜6、好ましくは2
〜4の整数とされた放射状または直鎖状のブロツク共重
合体が用いられるが、その非エラストマーブロツクA4
重合度が50以下であることが必要で、特に20以下である
のがよい。共重合体全体の分子量は、通常数平均分子量
で5,000〜700,000の範囲にあるのがよく、またn個のA4
の含有量は、共重合体全体の50重量%以下、特に8〜30
重量%の範囲内にあるのが望ましい。
この発明においては、上記の如き構成のA1-B1型ブロツ
ク共重合体、A2-B2-A3型ブロツク共重合体および(A3-B
3)nX型ブロツク共重合体の中から選ばれた少なくとも
一種を、混合ブロツク共重合体全体10〜90重量%、特に
50〜80重量%用いることにより、粗面接着性の向上に寄
与させることができる。このような効果が奏せられる理
由については、必ずしも明らかではないが、上記特定の
共重合体を用いると粗面の凹凸へのなじみがよくなり、
このなじみ性が後述する特定の粘着付与樹脂を用いるこ
とによつて相乗的に高められ、特に段ボール表面や合板
表面のようなミクロ的な毛羽が存在するような粗面に対
して高度の密着性がもたらされるに至るためではないか
と推定される。
上記特定のブロツク共重合体が10重量%未満となると、
上述の如き効果を期待できず、また90重量%を超えてし
まうと粗面へのなじみ性は改善されても接着剤としての
凝集力の不足をきたしやすくなり、結局粗面接着力の低
下を招くことになる。
この発明において使用するブロツク共重合体の他のひと
つであるa−成分は、上記a−成分からなる特定の
ブロツク共重合体だけではブロツク共重合体本来の高い
凝集力を発揮できないことから、これを補うために使用
されるものであつて、具体的にはA5-B4-A6型ブロツク共
重合体や(A7-B5)nX型ブロツク共重合体(A5,A6,A7
いずれもその重合度が50を超え、特に80以上である非エ
ラストマーブロツク、、B4,B5はエラストマーブロツ
ク、Xはカツプリング剤残基、nは2〜6の整数であ
る)が挙げられる。
上記に例示の両ブロツク共重合体におけるA5,A6,A7,B4,
B5,X,nは、A5,A6,A7の重合度が上記の如く高くされてい
る以外は、前記a−成分としてのA2-B2-A3型ブロツク
共重合体および(A4-B3)nX型ブロツク共重合体におけ
るA2,A3,A4,B2,B4,X,nと全く同様である。そして、非エ
ラストマーブロツクA5,A6,A7としては特にポリスチレン
ブロツクであるのが好ましく、またエラストマーブロツ
クB4,B5としては特にポリイソプレンブロツクであるの
が好ましい。この両ブロツク共重合体の全体の分子量と
しては、いずれも数平均分子量で5,000〜700,000の範囲
にあり、またA5,A6の合計含有量またはn個のA7の含有
量は各共重合体中50重量%以下、特に8〜30重量%の範
囲にあるのが望ましい。
この発明における混合ブロツク共重合体は、以上のa−
成分およびa−成分からなるブロツク共重合体の混
合物からなり、この混合物中に占めるa−成分の割合
が前述のとおり10〜90重量%の範囲にあることを特徴と
するものである。この混合ブロツク共重合体を構成する
各ブロツク共重合体は、いずれもリチウム系開始剤を用
いた公知のリビングアニオン重合法によつて、またこの
重合後さらに所要のカツプリング剤を用いた公知のカツ
プリング反応を行わせることにより、容易に得ることが
できる。これらの方法は、たとえば特公昭40-23798号公
報、特公昭36-19286号公報などに詳述されている。
このような混合ブロツク共重合体は、上記方法にて各ブ
ロツク共重合体を合成したのちに適量混合する方法にて
得てもよいし、a−成分として特にA1-B1型ブロツク
共重合体を用いるときは、この共重合体を上述のリビン
グアニオン重合法にて合成したのちこの系内に引き続き
カツプリング剤を加えて所定のカツプリング比率でカツ
プリング反応を行わせることにより、a−成分として
の上記A1-B1型ブロツク共重合体とa−成分としての
前記A5-B4-A6型ブロツク共重合体との混合物を得ること
ができる。
この発明において上記の如き混合ブロツク共重合体に配
合する粘着付与樹脂は、b)軟化点が70℃以上でかつブ
ロツク共重合体のエラストマーブロツクに対する相溶指
数が0.5〜0.7の範囲となる粘着付与樹脂と、c)軟化点
が30℃以下の粘着付与樹脂とを含むものであり、石油系
樹脂、テルペン系樹脂、テルペン変性樹脂、ロジン系樹
脂、クマロン・インデン系樹脂などの公知の各種粘着付
与樹脂の中から上記特性を有するものを二種以上選択し
て使用する。
上記b成分の粘着付与樹脂は、軟化点が70℃以上、好ま
しくは80℃以上であることによつて接着剤の凝集力を保
持させる一方、ブロツク共重合体のエラストマーブロツ
クに対する相溶指数が0.5〜0.7の範囲にあることによ
り、上記共重合体の非エラストマーブロツクはもちろん
エラストマーブロツクにも適度に相溶して、接着剤の初
期タツクの維持および粗面に対するなじみ性に好結果を
与えるものである。
一方、上記c成分の粘着付与樹脂は、軟化点が30℃以
下、好ましくは10℃以下であることによつて、前記b成
分単独ではなお不足する初期タツクや粗面に対するなじ
み性を補う働きを有し、このc成分を50重量%以下、通
常5〜40重量%、前記b成分を50重量%以上、通常60〜
95重量%の併用割合で用いることにより、接着剤の初期
タツク、粗面に対するなじみ性および凝集力の良好な調
和が図られてこの発明の目的とする粗面接着性の大幅な
改善を達成できるものである。
これに対して、たとえば前記b成分の粘着付与樹脂のブ
ロツク共重合体のエラストマーブロツクに対する相溶指
数が0.5未満となると接着剤の初期タツクが不充分とな
り、また0.7を越えてしまうと上記粘着付与樹脂の上記
共重合体特にそのエラストマーブロツクに対する相溶性
が適度なものとならず粗面に対するなじみ性が不足し、
いずれの場合も粗面接着性の大幅な改善を望めない。
この発明において、上記b,c成分を含んでなる粘着付与
樹脂は、前記混合ブロツク共重合体100重量部に対して5
0〜300重量部の配合量とすべきであり、特に好ましくは
80〜150重量部とするのがよい。この配合量が50重量部
より少なくなつても、また300重量部より多くなつて
も、粗面接着性の改善に好結果を得ることができない。
この発明の感圧接着剤組成物が、以上の混合ブロツク共
重合体と粘着付与樹脂とを必須成分とするほか、接着特
性の微量調整の目的で上記必須成分以外のポリマー成
分、たとえば天然ゴム、合成ゴム、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体などの各種のゴムないし樹脂を含ませること
ができる。これらのポリマー成分は混合ブロツク共重合
体100重量部に対して30重量部以下であるのがよく、こ
れにより多くなるとこの発明の目的を達成しにくくなる
ため、好ましくない。
また、他の任意成分として、従来公知の酸化防止剤、紫
外線吸収剤、充てん剤、顔料、増量剤など感圧接着剤に
添加される種々の添加剤を配合することができる。これ
らの使用量は通常の使用量でよい。
このように構成されるこの発明の感圧接着剤組成物は、
無溶剤型のホツトメルト塗工タイプとすることができる
ことはもちろん、トルエンなどの適宜の有機溶剤を用い
た溶液タイプとしてもよく、さらに水系ないし非水系の
エマルジョンタイプとすることもできる。
この発明の感圧接着剤組成物を用いて接着テープなどを
製造するには、常法によつて行えばよく、たとえば上記
各種タイプの組成物をポリエステルフイルムなどの公知
の基材上に各タイプに応じた適宜の手段で塗工して、乾
燥などの所要の工程を経ることにより、容易に製造でき
る。なお、この際の接着剤層の厚みは、使用目的に応じ
て選択できるものであるが、通常は5〜500μm程度と
なるようにすればよい。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明においては、ベースポリマーと
して前記a−成分を特定量含む混合ブロツク共重合体
を使用し、かつこれに前記b,c成分を特定割合で含む特
定の粘着付与樹脂を必須成分として配合したことによ
り、包装用接着テープや接着ラベルなどの被着体が粗面
でしかも軽く圧着する程度で接着することが要求される
用途に対しても好適に使用できる粗面接着性の改善され
た感圧接着剤組成物を提供することができる。
特に、従来のブロツク共重合体を用いた感圧接着剤にお
いては、粗面接着性として、冬場の低温下で著しく接着
性能が低下する欠点がみられたが、上記この発明の感圧
接着剤組成物にはこのような欠点もみられず、冬場の低
温下でもすぐれた粗面接着性を発揮するという利点を有
している。
〔実施例〕
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。なお、以下において部とあるは重量部を意味す
る。また、以下の実施例および比較例で用いたブロツク
共重合体A〜Dは、つぎの方法にて得たものである。
〈ブロツク共重合体A〉 第二ブチルリチウムを含有するベンゼンの不活性溶媒中
にまずスチレンモノマーを投入してリビングアニオン重
合を行い、ついでインプレンモノマーを投入して再度リ
ビングアニオン重合を行い、最後にカツプリング剤とし
てのジブロムエタンを加えてカツプリング反応を行い、
この反応後反応停止剤を加えてベンゼンを加熱発散させ
ることにより、S1−I型ブロツク共重合体5重量%と
(S1-I)2X型ブロツク共重合体95重量%との混合物であ
つて、上記S1が数平均分子量11,000(重合度約110)の
ポリスチレンブロツク、上記Iが数平均分子量70,000の
ポリイソプレンブロツク、Xがジブロムエタンの残基か
らなるブロツク共重合体Aを得た。
〈ブロツク共重合体B〉 ブロツク共重合体Aの場合と同様にして、S1−I型ブロ
ツク共重合体20重量%と(S1-I)2X型ブロツク共重合体
80重量%との混合物であつて、上記S1が数平均分子量1
1,000(重合度約110)のポリスチレンブロツク、上記I
が数平均分子量70,000のポリイソプレンブロツク、Xが
ジブロムエタンの残基からなるブロツク共重合体Bを得
た。
〈ブロツク共重合体C〉 ブロツク共重合体Aの場合と同様にして、S1−I型ブロ
ツク共重合体20重量%と(S1-I)2X型ブロツク共重合体
80重量%との混合物であつて、上記S1が数平均分子量1
8,000(重合度約170)のポリスチレンブロツク、上記I
が数平均分子量110,000のポリイソプレンブロツク、X
がジブロムエタンの残基からなるブロツク共重合体Cを
得た。
〈ブロツク共重合体D〉 第二ブチルリチウムを含有するベンゼンの不活性溶媒中
にスチレンモノマー、イソプレンモノマーおよびスチレ
ンモノマーを順次投入して三段階のリビングアニオン重
合を行うことにより、S1−I型ブロツク共重合体の溶液
を得た。上記S1が数平均分子量19,000(重合度約180)
のポリスチレンブロツク、上記Iは数平均分子量230,00
0のポリイソプレンブロツク、上記S2は数平均分子量1,0
00(重合度約10)のポリスチレンブロツクである。
一方、上記同様の方法にて、S1,S2が共に数平均分子量1
1,000(重合度約110)のポリスチレンブロツク、Iが数
平均分子量140,000のポリイソプレンブロツクからなるS
1−I−S2型ブロツク共重合体の溶液を得た。この溶液
と前記の溶液とを予定比率で混合し、ベンゼンを加熱揮
散させることにより、S1−I−S2型ブロツク共重合体
(S1=19,000,I=230,000,S2=1,000)60重量%とS1
I−S2型ブロツク共重合体(S1,S2=11,000,I=140,00
0)40重量%とからなるブロツク共重合体Dを得た。
実施例1〜3 ブロツク共重合体B〜Dとさらに天然ゴム〔ムーニー粘
度ML1+4(100℃)45の素練ゴム〕を用いて、これと後記
第1表に示される粘着付与樹脂および老化防止剤(フエ
ノール系酸化防止剤)とを同表に示される配合組成にて
混合し、さらにトルエンに溶解混合して、この発明の三
種の感圧接着剤組成物を調製した。
この各組成物をそれぞれポリエチレンラミネート加工を
施したクラフト紙の表面に乾燥後の接着剤層厚が30μm
となるように塗布,乾燥して接着テープを作製した。
比較例1〜5 ブロツク共重合体A,Bを用いて、これと第1表に示され
る粘着付与樹脂および老化防止剤(フエノール系酸化防
止剤)とを同表に示される配合組成にて混合し、さらに
トルエンに溶解混合して、比較用の五種の感圧接着剤組
成物を調製した。また、この各組成物から実施例1〜3
の場合と同様にして、接着テープを作製した。
上記実施例1〜3および比較例1〜4の各接着テープを
用いて、タツクテスト、ガラスへの密着性テストおよび
段ボールシールテストを下記の方法にて行つた結果は、
第1表に併記されるとおりであつた。
〈タツクテスト〉 米国工業規格PSTC−6に準じてボールタツクテストを行
つた。
〈ガラスへの密着性テスト〉 平均凹凸深さ約6μmのサンドブラストした曇りガラス
に接着テープを貼り、ゴムローラで圧着力10g/cm2の軽
圧着を行つたのち、ガラス面への密着面積を光の反射率
から算出した。
〈段ボールシールテスト〉 JIS A形の段ボール箱のフラツプを50mm幅の接着テープ
で軽く封緘し、これを高さ1mの所から落下させ、接着テ
ープが剥がれた面積の割合を調べた。
上記第1表の結果から明らかなように、この発明の感圧
接着剤組成物を用いてなる接着テープは、初期タツクお
よびガラス面への密着性が良好ですぐれた段ボールシー
ル性を示しており、これより粗面接着性が従来のものに
比し格段にすぐれたものであることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 孝幸 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−86855(JP,A) 特開 昭56−90849(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エラストマーブロツクと非エラストマーブ
    ロツクとからなるブロツク共重合体を二種以上含有する
    混合ブロツク共重合体および粘着付与樹脂を含む感圧接
    着剤組成物において、上記の混合ブロツク共重合体が、 a) A1-B1型ブロツク共重合体、A2-B2−A3型ブロ
    ツク共重合体および(A4-B3)nX型ブロツク共重合体(A
    1,A2,A3,A4は非エラストマーブロツクでA2,A3のうちの
    少なくとも一方およびA4の重合度が50以下、B1,B2,B3
    エラストマーブロツク、Xはカツプリング剤残基、nは
    2〜6の整数である)の中から選ばれた少なくとも一種
    と、 A5-B4-A6型ブロツク共重合体および(A7-B5)nX型
    ブロツク共重合体(A5,A6,A7はいずれもその重合度が50
    を超える非エラストマーブロツク、B4,B5はエラストマ
    ーブロツク、Xはカツプリング剤残基、nは2〜6の整
    数である)の中から選ばれた少なくとも一種 との混合物からなり、かつ上記a−成分のブロツク共
    重合体を、全ブロツク共重合体中10〜90重量%含有する
    とともに、上記の粘着付与樹脂が、 b) 軟化点が70℃以上でかつブロツク共重合体のエラ
    ストマーブロツクに対する相溶指数が0.5〜0.7の範囲と
    なる粘着付与樹脂と、 c) 軟化点が30℃以下の粘着付与樹脂とを、 粘着付与樹脂中前者のb成分が50重量%以上、後者のc
    成分が50重量%以下となる割合で含有してなり、かつ上
    記b,c成分を含む粘着付与樹脂の上記混合ブロツク共重
    合体に対する含有量が混合ブロツク共重合体100重量部
    に対して50〜300重量部であることを特徴とする感圧接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】エラストマーブロツクがポリイソプレンブ
    ロツク、非エラストマーブロツクがポリスチレンブロツ
    クからなる特許請求の範囲第(1)項記載の感圧接着剤
    組成物。
  3. 【請求項3】混合ブロツク共重合体および粘着付与樹脂
    以外のポリマー成分が混合ブロツク共重合体100重量部
    に対して30重量部以下含まれてなる特許請求の範囲第
    (1)項または第(2)項記載の感圧接着剤組成物。
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