JP3106254B2 - 検査用細胞検体作成方法並びに装置 - Google Patents

検査用細胞検体作成方法並びに装置

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JP3106254B2
JP3106254B2 JP03163824A JP16382491A JP3106254B2 JP 3106254 B2 JP3106254 B2 JP 3106254B2 JP 03163824 A JP03163824 A JP 03163824A JP 16382491 A JP16382491 A JP 16382491A JP 3106254 B2 JP3106254 B2 JP 3106254B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞等の粒子の採取及
び輸送に関し、更に詳しくは、生物学的検体から一定量
の細胞を採取し、これをガラス・スライドに移す方法並
びに装置に関する。本発明の方法並びに装置は、細胞所
見に基づき診断を下す医学研究分野である細胞学に、大
きく貢献するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの体内器官の疾病の診断に、
細胞学的検査手法が、数多く、用いられている。その中
でも、パパニコロー染色法は、女性の子宮頸部における
癌化前段階の異常細胞の検出を初めとする、多くの体内
細胞の異常・病変を診断する際に非常に役立っている。
細胞学的検査法は、生検等の伝統的な外科病理学的手法
に比べ、患者に強いる負担が軽い。細胞学的検査のため
には、当然、患者から細胞検体を採取する必要がある。
この細胞採取は、例えば、子宮頸部検体等の場合には、
検査部位から擦り取るあるいはぬぐい取る等の方法で、
また、胸腔、膀胱あるいは脊柱管等の部位からは、流体
を採取する方法で、あるいは、細胞を直接穿刺吸引する
方法等で行われる。これらの方法により採取された細胞
は、グラス・スライドに移され、光学的に検査される。
このような細胞学的検査法においては、個々の細胞を明
確にガラス・スライド上で検査するために、細胞を一つ
ずつ分離させる、即ち、細胞を分散させる必要がある。
また、細胞を分散させれば、その分散細胞を数えること
により、所定の量の細胞を光学検査用スライドに移すこ
とも可能となる。なお、本明細書中で、「光学検査」と
いう言葉は、広義の意味で用いられており、人の裸眼に
よる検査、機械を用いた画像検査、様々な発光検査等が
これに含まれ、また、更に、通常、細胞採集と実際の検
査との間に行われる染色等の処理も含まれる。更に、個
々の細胞に対して、的確な光学検査を行うためには、細
胞を適当に分布させる必要がある。理想的には、採取さ
れ、ガラス・スライドに移される細胞層が、単一であ
る、ことが望ましい。上記要件を満たすべく、細胞を分
散させ、所定量の細胞を採取し、これを光学検査のため
に光学スライドに移すための方法がいくつか提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技法は、何れも、いくつか問題点がある。例え
ば、非常に高価な装置を必要とする、手間がかかりすぎ
る、検査者に過度の緊張を強いる、検体間の汚染の可能
性がある、信頼性、再現性、確度、並びに、精度が十分
高くない、等の問題点が挙げられる。更に、生物検体を
取り扱う際に、バイオ・ハザードが起こる危険性もあ
る。細胞学的診断法が普及してきた現在、これらの問題
点を早急に解決する必要がある。本発明は、従来の細胞
等の粒子採取装置が有する上記問題点を解決するために
なされたものであり、検体溶液中から所定量の分散細胞
を迅速且つ確実に採取する、装置並びに方法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、構造あるいは操作
が比較的簡単な検体処理装置並びに方法を提供すること
を目的とする。更に、本発明は、採取された細胞を、光
学検査するために、ガラス・スライド上に、均一な単一
層として移送・分布させる、装置並びに方法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、検査者の負担が最
小限で済み、同時に、信頼性、再現性、確度、及び精度
が高く、検体間汚染の可能性の低い、自動化システムに
適用できる方法並びに装置を提供することを目的とす
る。本発明の別の目的は、バイオ・ハザードの危険性が
少ない、検体処理装置並びに方法を提供することにあ
る。更に、本発明は、細胞をほとんど無駄にすることな
く、且つ、低価格で、細胞間を適切に分離し、光学検査
用に適した細胞検体を作成する、自動化装置を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的並びにその他関
連する目的を達成するために、本発明の、懸濁液中の細
胞検体を光学検査用に調整する方法並びに装置は、溶液
中の細胞粒子を分散させ、ほぼ所定量の細胞を、単一層
に空間分布する形で、溶液から採取し、採取された所定
量の細胞を、その単一層の分布を崩さないように、グラ
ス・スライドに移すことを特徴とする。また、細胞を分
散させる場合には、ほぼ均一になるように、更に言え
ば、単位面積当りの細胞数をほぼ同数にするように、分
散させる。検体溶液を移送手段上に備えられたガラス容
器に入れ、移送手段を操作することにより、分散手段
を、検体溶液内に挿入する。移送手段は、検体ホルダー
と、ある場所から別の場所へ細胞を移す機構とを支持す
ることができるように前後左右に動き、また、分散手段
を検体容器中から出し入れできるように鉛直方向にも動
くことができるように構成することが望ましい。分散手
段は、検体溶液内の細胞にせん断力を掛け、この力によ
り、細胞集団を分散させる。この場合、検体容器内を機
械的に攪拌することにより、せん断力を生じさせるよう
に構成することが望ましい。攪拌は、回転、鉛直方向の
往復運動等により、行うことができる。また、細胞の採
取には、フィルターを備える採取容器が用いられる。フ
ィルターを検体溶液内に浸すことにより、分散した検体
細胞を、所定量、採取する。採取容器と接続される圧力
システムにより、検体溶液が採取容器中に導入され、フ
ィルター表面に細胞が捕捉される。用いられるフィルタ
ーとしては、所定の大きさ以上の粒子をその表面に捕捉
し、ろ液を通すタイプの、スクリーン型フィルター、例
えば、膜フィルター等が、好ましい。対象となる細胞が
フィルター表面に捕捉されると、フィルターを通る流体
の流れが妨害される。フィルター上の細胞が捕捉された
部分は、流体を通さないため、フィルターに捕捉される
細胞は、一層に分布することになる。フィルター上に捕
捉された細胞がこのように単一層に分布していれば、グ
ラス・スライドに移された細胞を、正確に検査すること
ができる。また、制御システムを設け、フィルター上に
所定量の分散細胞が捕捉された場合の流体の流れパラメ
ータを測定することにより、細胞の採取操作を、監視す
ることができる。
【0005】細胞移動機構を用いて、表面上に細胞を捕
捉するフィルター装置を、顕微鏡用グラス・スライド等
の光学測定用担持体に隣接させる。前記細胞移動機構
は、検体容器から細胞が採取された後、これを逆さに
し、検体容器内の液体を排出させるように構成される。
例えば、細胞を捕捉したフィルターの裏側に、アルコー
ルを含んだスポンジを接触させ、フィルターの細胞捕捉
面を、検査用グラス・スライド上に押し付ける。この
時、スポンジからアルコールが流れ出し、細胞は、フィ
ルターから、検査用スライド上に移る。細胞移動機構
は、スポンジをフィルターに押し付ける手段、アルコー
ルをスポンジから流れ出させる手段、また、細胞移動の
間に流れ出たアルコール等の余分な液体を採取する手段
を備えるものである。あるいは、空気圧機構を用いて、
フィルターからグラス・スライドへの細胞移動を行うよ
うに構成してもよい。空気圧細胞移動機構は、採取容器
を傾け、採取された細胞を担持するフィルターを持ち上
げるような機能を有することが、好ましい。細胞を捕捉
したフィルターをグラス・スライドに隣接させた後、所
定量の空気圧、例えば、所定圧力の清浄な空気、を容器
の内側にかける。空気圧により、採取された細胞は、フ
ィルターから浮き上がり、グラス・スライド上に押し付
けられる。この場合には、細胞は、フィルター気孔内の
液体分と共に、スライド上に移される。上記のように構
成された空気圧細胞移動機構を用いることにより、容器
を逆さにし、細胞をグラス・スライドに移す時にも、採
取容器中に吸引された検体細胞を含む溶液を、容器内に
残したままにすることができる。即ち、容器から液体を
排出することなく、細胞移動を行うことができる。空気
圧を用いて細胞移動を行う構成の場合には、細胞を採取
した後、細胞を移動させるために向きを変えたときに
も、細胞懸濁液を保持するような検体容器が用いられ
る。また、細胞懸濁用の液体が、所定量のアルコールを
含んでいることが、望ましい。この場合、アルコール
は、空気圧による細胞の移動と同時に、フィルター気孔
から検査用スライドに移される。本発明の方法並びに装
置は、フィルター上に捕捉された時の細胞の空間分布を
崩さないように、細胞をフィルター装置からグラス・ス
ライド上に移す、ことをその大きな特徴とする。即ち、
グラス・スライド上で細胞が一層に分布するように、細
胞採取及び移動を行う。細胞が一層に分布していれば、
個々の細胞が互いを妨げることなく、効果的な光学検査
を行うことができる。細胞採取用フィルターを備える採
取容器に、分散用攪拌機能を持たせてもよい。このよう
に採取容器に複数の機能をもたせることにより、検体細
胞に接触する部品数を減らすことができる。
【0006】本発明の方法並びに装置においては、細胞
検体毎に、新しい検体容器及びフィルターを備える採取
容器を用いることが望ましい。更に、細胞移動機構に細
胞移動用スポンジを備える場合には、このスポンジも検
体毎に新しくすることが望ましい。本発明の方法及び装
置では、上記の二、三の部品を検体毎に交換し、測定に
用いられる検体溶液を適切に採取及び廃棄するだけで、
検体間の汚染を簡単に防ぐことができる。また、本発明
の方法及び装置は、比較的操作が簡単で、更に、複数の
機能を一つの装置に持たせることにより、操作の手間と
時間を節約し、また、装置の保守・点検等の手間を大幅
に削減するものである。本発明の方法並びに装置は、1
990年3月2日に出願され、現在本発明と共に審査中
の、米国特許出願487,637号「フィルター装置を
用いた粒子の計装制御方法及び装置」に開示される発明
を実施するのに適したものである。前記出願を、本明細
書の参照文献として、提示する。本発明の方法は、細胞
検体毎に、検体溶液を入れた検体容器を移送手段の基台
上に固定し、新しい採取容器、及び、新しい細胞移動用
スポンジを用いることにより、好適に実施される。ま
た、検体溶液から採取された所定量の細胞を載せるため
に、洗浄したグラス・スライドを用いる。このように構
成された本発明の方法または装置を用いて、検体溶液に
せん断力を掛け、検体細胞を分散させる。ここで、細胞
の分散とは、溶液中に存在する検体細胞の集まり、即
ち、集合体を機械的に個々の細胞に分けることである。
例えば、細胞の分散手段として、採取容器の形の回転子
を用いることができる。検体容器中に挿入された回転子
は、回転して、検体溶液にせん断力を生じさせる。ま
た、抗凝集回転子として作用する採取容器が、更に、ス
クリーン型フィルターを備える構成にしてもよい。この
ように構成された場合、スクリーン型フィルターも、採
取容器と共に、細胞集合体を分散させる際に、検体溶液
中に浸される。即ち、採取容器内に、フィルターを通し
て、所定量の検体溶液を吸引することにより、細胞を分
散させた後、直ちに、且つ、自動的に、フィルター上に
分散細胞を捕捉することができる。上記の米国特許出願
487,637号に開示される方法で、検体溶液をフィ
ルターを通して流し、フィルター上に細胞を採取するよ
うにしてもよい。このような方法で、所定量の細胞を採
取した後、移送機構を用いて、検体容器を下に降ろすこ
とにより、採取容器を検体容器から離す。検体容器を連
続した操作系の外に出すことにより、簡単に、取り外
し、交換することができる。細胞採取操作後、細胞捕捉
用フィルターを下端に備える採取容器を傾け、容器の途
中まで入れられている吸引検体溶液を、排出ポートを介
して廃棄導管に排出する。そして、更に、フィルターが
上向きになるように、採取容器を完全に逆さにし、水分
を排出させる。その後、採取容器を封印していたストッ
パー(栓)・キャップを、採取容器から取り外し、細胞
移動機構が、採取溶液内に出入りできるようにする。ス
トッパー・キャップには、圧力制御手段と接続する、一
つ以上のポートが備えられている。移送手段を用いて、
細胞移動機構を、逆さにされた採取容器と同一直線上に
並ぶような位置に動かす。細胞移動機構は、スポンジを
フィルターの細胞捕捉面とは反対の面に押し付け、低い
圧力を掛け、アルコールを流し、スポンジに含ませる。
アルコールを含んだスポンジをフィルターに押し付ける
ことにより、過剰のアルコールが流れ出て、採取された
細胞を、フィルターの細胞捕捉面に隣接する検査用グラ
ス・スライドに、固着させる。検査用スライドに、上記
のように固着・定着した細胞を、その後、染色・検査す
る。この場合、細胞の空間分布を変えないで、検査用ス
ライドに細胞が移されるため、光学検査を好適に実施す
ることができる。上記のような方法で、検体容器内の凝
集細胞を分散させ、所定量の分散細胞を検査用スライド
に移した後、次の検体に対して、同様の処理を繰り返
す。次の検体を処理する場合には、洗浄したスポンジ、
並びに、新しい採取容器を用いる。アルコール溶液を用
いて採取された細胞を移動する代わりに、空気圧を利用
して、細胞移動を行う構成にしてもよい。この場合に
は、空気圧を用いて、採取容器のフィルター上に細胞を
捕捉し、検査用スライドを採取容器の細胞捕捉用フィル
ターに隣接させ、フィルター上に捕捉された細胞を検査
用スライド上に移す。この後者の方法では、通常、細胞
採取の間吸引されていた溶液は、採取容器内から排出さ
れない。スクリーン型フィルターがグラス・スライドと
接するように、清浄な空気等の気体圧力を、採取容器側
からフィルターの外側に向けて掛け、採取された細胞を
フィルターからスライド上に移す。また、この空気圧に
より、フィルター気孔内の液体もスライド上に移され
る。細胞の移動を効率的に行い、且つ、スライド上の細
胞の生存率を高めるためには、細胞細胞を懸濁させる液
体が、所定のpHで、所定の含量のアルコールを含むよ
うに、調整されていることが、好ましい。空気圧を利用
して細胞を移動させる場合には、フィルターの細胞捕捉
面が上向きになり、検査用スライドの下側面と接触する
ように、採取容器を逆さにする、または、傾ける。空気
圧を掛けることにより、スクリーン型フィルターをスラ
イドの方に押し付け、フィルター表面の細胞をスライド
上に移す。更に、好ましくは、フィルター気孔内の液体
も、スライド上に飛ばす。また、気泡破裂点以下の空気
圧、即ち、5psi以下の圧力、更に言えば、2psi
前後の圧力を掛けることが望ましい。上記のように空気
圧を掛けることにより、逆さにされた採取容器内の圧力
は、吸引及び細胞採取時の負圧から、気泡圧力以下の正
圧に変わる。空気圧を掛ける時間は、例えば、2秒ない
し5秒間である。
【0007】また、本発明の方法及び装置は、最小限の
工程で、検体溶液内の細胞等の粒子を検査用に採取・調
整し、スライドに移すことを、特徴とする。最小限の工
程で処理を行うことにより、装置を簡素化、あるいは、
自動化することができ、操作者の負担を軽減し、また、
検体間の汚染及び検体からのバイオ・ハザードの危険を
減らすことができる。本発明の装置及び方法は、元々の
検体容器内で直接細胞を分散させる構成のため、即ち、
他の容器に溶液を移す必要がないため、工程を最小限に
抑えることができる。また、所定量の分散細胞の採取
も、同じ検体容器から直接行うことができる。即ち、検
体容器内の検体溶液にスクリーン型フィルターを浸し、
フィルターを通して溶液を吸引することにより、検体容
器からフィルター表面上に、直接、細胞を採取する。更
に、フィルターに捕捉された細胞は、直接、検査用スラ
イド上に移される。上述したように、細胞の適度な空間
分布を壊すことなく、フィルター上に採取された細胞
を、検査用スライド上に移す。即ち、検査用スライド上
には、単一層に分布した細胞が載せられる。本発明の方
法並びに装置に従えば、検体容器からフィルターに細胞
を移し、更に、検査用スライドに移すという簡単な操作
で、即ち、従来のように、検体細胞を導管を通して流
し、一つの容器あるいはホルダーから他の容器に移すと
いう操作を行うことなく、好適に細胞検体の作成を行う
ことができる。本発明の細胞処理装置において、低価格
の使い捨て容器を、検体容器として用い、その中で、細
胞を分散させ、所定量の分散細胞を所望の空間分布で採
取するようにしてもよい。本発明の分散装置は、細胞懸
濁液中に浸され、懸濁液を攪拌し、液体内部にせん断力
を生じさせることにより、検体細胞を分散させる、こと
を特徴とする。更に、分散装置には、細胞を捕捉するス
クリーン型フィルターが備えられる。細胞懸濁液が、ス
クリーン型フィルターを通して流されると、フィルター
上に検体細胞が採取される。スクリーン型フィルター
は、対象となる検体細胞を捕捉する一方、赤血球細胞等
の対象細胞より小さな粒子並びに細胞を懸濁させている
液体を通すような空隙率を有する。また、分散及び採取
装置に捕捉された細胞は、直接検査用スライドに移され
る。着脱可能及び交換可能に、細胞検体処理装置に取り
付けられた、細胞分散及び採取装置は、細胞懸濁液中に
選択的に浸され、細胞を分散させ、所定量の細胞を採取
し、これを移動させる。細胞分散及び採取装置は、少な
くともその一部がスクリーン型フィルターとして成形さ
れる、液体収容部を備える。スクリーン型フィルターは
所定の空隙率を有し、収容部への液体の導入、排出を制
御する。前記液体収容部は、所定の軸を中心として、検
体容器内の細胞懸濁液を攪拌し、液体中に懸濁される細
胞にせん断力を掛けることにより、細胞を分散させるよ
うに、構成される。細胞分散及び採取装置は、更に、液
体収容部及びフィルターが所定の方向及び配置になるよ
うに、着脱及び交換可能に前記装置を取り付けるため
の、取り付け部材を備える。取り付け部材は、収容部を
取り付け・支持し、攪拌軸を中心とする円上に連結され
るリムを備える。リムは、収容部を着脱及び交換可能に
取り付け、更に、収容部が攪拌軸を中心として検体溶液
の攪拌を行う場合に、この動きを伝えるように、作用す
る。また、所定の軸を中心とする回転により、攪拌を行
うように構成することが望ましい。細胞分散及び採取装
置は、フィルターにかかる圧力を制御するために、液体
収容部と連絡する、少なくとも一つのポートあるいは導
管を備える。更に好ましくは、収容部とフィルターが、
流体容器の一部として構成される。また、前記流体容器
は、液体を排出したり、液体を導入したりするために、
選択的に開閉できるように構成される。導管は、流体容
器内で、フィルターとは逆の側面から、所定の長さ伸張
し、流体容器のフィルター面が最上部に位置している時
に、フィルター下の流体容器内の液体を所定量上向きに
押し出す。この方向に検体容器が位置する場合、液体を
流体容器から排出することなく、また、空気を液体に通
すことなく、所定の空気圧を、導管を通して、直接、容
器内のフィルター面に掛けることができる。
【0008】
【作用】以上のように構成される本発明の細胞検体作成
装置あるいは方法を用いることにより、細胞検体を迅
速、且つ、的確に作成できる。本発明の装置及び方法
は、検体容器内の細胞懸濁液を攪拌し、細胞にせん断力
を掛けることにより、これを分散させ、その後、スクリ
ーン型フィルターに細胞を捕捉し、更に、検査用グラス
・スライド上にこれを移すものである。スクリーン型フ
ィルターを用いることにより、捕捉された細胞を単一層
に分布させることができ、この空間配置を変えないで、
フィルターからスライド上に細胞を移す構成のため、光
学検査を正確に行うことができる。また、細胞を分散さ
せる装置及び採取装置を兼用させることにより、装置の
部品数を減らすことができる。更に、本発明に従う装置
は、主要部分が自動化されているため、操作者の手間を
大きく軽減できる。操作者は、測定前に、検体溶液、採
取容器等を準備し、装置を始動させればよく、あとは、
装置が、自動的に、溶液から検体細胞を採取し、光学検
査のためにグラス・スライド上に細胞を移す。また、細
胞検体毎に、新しい採取容器、及び、スポンジを細胞移
動に用いる場合には、新しいスポンジを用いることによ
り、検体間の汚染、ひいては、バイオ・ハザードを防ぐ
ことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を、図に従い、
説明する。図1ないし図4に示されるように、本発明を
体現化した装置10は、垂直パネル16を支持する基台
14を備える、ケース12に収容される。装置10は、
ケース12に取り付けられる、移送機構18及び移動機
構20を備える。また、移動機構20には、使い捨ての
検体採取装置22が取り付けられる。移送機構18は、
着脱及び交換可能な検体容器24及び検体移動装置26
の位置を調整するものである。移送機構18は、図1に
示される最下部の位置と図3に示される最上部の位置と
の間を鉛直方向に動き、また、図1に示される最左端の
検体採取位置と図10に示される最右端の検体移動位置
との間を水平方向に動く。移送機構18は、基台14に
取り付けられ、二本の隣接する鉛直ガイド・ポスト30
a、30b及びリード・スクリュー(親ネジ)32を支
持する直立フレーム28を備える。リード・スクリュー
32は、ガイド・ポスト30a、30bと平行に、鉛直
方向に伸張し、二本のガイド・ポスト30a、30bの
まん中に配置される。図4に示されるように、フレーム
28を介してケース12に固定される電気モーター34
は、歯車列36を介して、リード・スクリュー32を何
れかの方向に駆動する。フレーム28は、基台14に積
載される直立ポスト28a、28b、上部水平ビーム2
8c、及び、下部水平ビーム28dから成る。また、ガ
イド・ポスト30a、30b及びリード・スクリュー3
2は、ビーム28c、28dの間から伸張する。移送機
構18の昇降機38は、摺動可能にガイド・ポスト30
a、30bに取り付けられる、水平昇降プラットフォー
ム40を備える。昇降プラットフォーム40は、リード
・スクリュー32と係合し、リード・スクリュー32の
回転により、図3の上昇位置と図1の下降位置との間
を、ガイド・ポスト30a、30bに沿って、鉛直方向
に移動する。昇降プラットフォーム40は、それぞれ、
ガイド・ポスト30a、30bに沿って摺動可能に取り
付けられる、二組の摺動ベアリング44a、44bによ
り支持される。昇降プラットフォーム40には、更に、
電気モーター46が設置されている。モーター46は、
ベルト48が巻かけられている綱車50aを駆動する。
ベルト48は、更に、摺動機構52上の綱車50b、5
0cに巻かけられる。摺動機構52は、通常、昇降プラ
ットフォーム40と平行に、且つ、その上にくるよう
に、昇降プラットフォーム40に固定される。更に、図
1ないし図4に示されるように、摺動機構52は、一対
の摺動トラック54a、54b上に台車(トローリー)
60を備える。後摺動トラック54aは、昇降プラット
フォーム40に固定され、前摺動トラック54bは、後
摺動トラック54aの正面に、且つこれと平行に、3つ
のスペーサー56を介して、固定される。摺動トラック
54a、54bは、互いに平行に対向するトラック・ス
ロット55に収容される。平行且つ水平に伸張するシャ
フト58a、58bは、図1に示されるように、水平に
伸張する摺動トラック54a、54bの左端と右端に、
回動可能に固定され、トラック54a、54bをつな
ぐ。シャフト58a、58bは、それぞれ、摺動トラッ
ク54a、54bの間に設置された中間綱車50b、5
0cに固定される。移送機構18の台車60は、摺動機
構52上に設置され、ベルト48に係合し、図の最左端
の検体採取位置と図10の最右端の検体移動位置との間
を、水平に摺動する。台車60は、摺動トラック54
a、54b間に摺動可能に取り付けられる基台60aを
備える。基台60aは、中間綱車50b、50cの間を
水平に通るベルト48の上部に接するように固定され、
ベルト48の動きにともない、前後に動く。台車60
は、更に、基台60aに固定され、トラック・スロット
55に摺動可能に取り付けられる一対の摺動レール60
b、60cを備える。後部及び前部台車摺動レール60
b、60cは、それぞれ、トラック・スロット55内の
摺動トラック54a、54bに摺動可能に係合し、検体
ホルダー64及び移動機構20を支持して、図1の検体
採取位置と図10の検体移動位置との間を移動させる。
検体ホルダー64は、検体容器24を収容し、装置10
における検体容器24の位置を決め、これを台車60上
に静置保持する。また、検体ホルダー64が、着脱可能
な(図示しない)保持機構に固定されるように構成する
ことが望ましい。
【0010】装置10が始動されると、検体採取装置2
2が、検体容器24内の検体溶液中に浸され、検体溶液
中から、所定量の検体細胞を、採取装置22上に採取す
る。その後、検体採取装置22を、検体溶液から取り出
し、下記に詳述するように、検査用グラス・スライド上
に採取された細胞を移動させる。図2及び図5に示され
るように、検体採取装置22は、一方の端を膜フィルタ
ー等のスクリーン型フィルター68により閉じられてい
る円筒形の外壁66を備える容器である。また、図5及
び図6に示されるように、円筒形の壁66の他方の端
は、開放されており、カバー72と擦り合う封印開口部
70を備える。カバー72を、封印開口部70と擦り合
わせることにより、検体採取装置22を閉じる。更に図
2及び図5に示されるように、検体採取装置22は、そ
の開口部端に、即ち、フィルター68と離れた位置に、
リム74を備える。リム74は、円筒形の壁66から放
射状に外側に突出し、検体採取装置22を装置10に着
脱可能に取り付け、また、円筒形の壁66の中心軸76
を中心として、採取装置22を回転させる。図5及び図
6に示されるように、採取装置22は、通常、垂直に立
てられており、その上端に、液体採取トラフ78を備え
る。トラフ78は、円筒形の壁66の外側のリム74の
下に、下向きに形成される。リム74は、軸76に対し
てそれぞれ45度の方向に配置され、直角を形成する、
上部フランジ面74aと下部フランジ面74bを備え
る。フランジ面74a、74bは、図5及び図9に示さ
れるように、三連の中間ローラー対80a、80b、8
0cにかみ合う。リム74が等しい間隔で配置された三
連のローラーとかみ合うことにより、検体採取装置22
の装置10内での取り付け位置及び方向が決められる。
リム74の外側表面部は、円筒形の駆動面74cを構成
しており、これは、円筒形の壁66と同軸上並びに同心
円上に配置される。図5のリム74を通る断面図に示さ
れるように、フランジ面74a、74bは、正三角形の
辺を構成し、面取りされた三角形の頂部が、駆動面74
cになる。また、トラフ78は、図5に示されるよう
に、リム74の下部フランジ面74bに形成され、軸方
向に伸張する環状の溝である。検体採取装置22の封印
開口部70は、軸76を中心として円筒形の壁66と同
心円を構成する、外側に張り出した45度の傾斜面であ
り、リム74のフランジ面74bと平行に伸張する。封
印開口部70は、カバー70上の張り出し面72aと擦
り合う。また、面72a上には、封印部材としてOリン
グ82が取り付けられている。スクリーン型フィルター
68として、採取対象である検体細胞を捕捉する一方、
それより小さな細胞及びその他粒子並びに細胞を懸濁さ
せる液を自由に通すような、空隙率を有する膜型フィル
ターを用いることが望ましい。例えば、フィルター68
は、5ミクロメータの空隙率を有するポリ炭酸塩膜であ
る。フィルター68は、円筒形の外壁66(外径:1イ
ンチ、内径:0.84インチ、軸長:2.2インチ)の
下端に固定されている。リム74、封印開口部70、及
び、円筒形の外壁66は、検体及びその他接触する液体
と反応しないような材料で形成される。
【0011】図3及び図4に示されるように、検体採取
装置22の外壁66の外径は、所定の隙間をあけて、検
体容器24内に、入れ子式に嵌られるような大きさに、
決められる。採取装置22を入れ子式に検体容器24内
に入れた後、採取装置22を検体容器24に対して回転
させることにより、検体容器24内の液体に、せん断力
を掛け、検体溶液内の細胞を分散させる。即ち、検体採
取装置22は、分散ローターとして機能し、検体容器2
4内の溶液に懸濁されている検体細胞を分離させる。検
体採取装置22は、更に、検体細胞を、スクリーン型フ
ィルター68の外側表面に捕捉する機能も有する。細胞
採取は、検体溶液を、採取装置22が浸されている検体
容器24から、採取装置22に吸引導入することにより
行われる。装置10の移動機構20は、検体採取装置2
2を保持、位置決め、並びに駆動し、細胞分散及び細胞
採取を行わせると共に、採取された細胞を検査用スライ
ドに移動させるものであり、3つの機能部から構成され
る。第一機能部は、検体採取装置22を保持するため
の、三つのローラー対80a、80b、80cから成る
ホルダー90である。第二機能部は、検体採取装置22
を封印するためのカバー72である。また、第三機能部
は、回転して、ホルダー90に保持された検体採取装置
22の方向を決める、多軸マニピュレータである。図1
及び図7に示されるように、移動機構20のホルダー9
0は、リム74の外周部に等しい間隔で配置された三つ
のローラー対80a、80b、80cを検体採取装置2
2のリム74に係合させることにより、検体採取装置2
2を、装置10に対して、着脱及び交換可能に取り付け
る。図1、図4、図7に示されるように、ローラー対8
0a、80bは、マニピュレータ板94に固定される。
更に、第三のローラー対80cも、ヒンジ様のリリース
・アーム96により、マニピュレータ板94に取り付け
られる。ローラー対80a、80b、80cは、それぞ
れ、ブロック98に取り付けられ、軸の回りを自由に回
転する、一対の位置決めローラー84a、84bを備え
る。また、図5及び図7に示されるように、各ローラー
対80a、80bのブロック98は、マニピュレータ板
94に固定される。図5に示されるように、各ローラー
対80a、80b、80cの上部位置決めローラー84
aは、マニピュレーター板94の平面の上方に45度の
角度で伸張する軸100aの回りを回転し、また、下部
位置決めローラー84bは、上記平面の下方に45度の
角度で伸張する軸100bの回りを回転する。即ち、各
ローラー対80a、80b、80cの二つの位置決めロ
ーラー84a、84bは、ほぼ90度の角を形成し、リ
ム74の上部及び下部フランジ面74a、74bに係合
する。これにより、採取装置22の位置を決め、更に、
中心軸76回りに回転可能に、採取装置22を保持す
る。更に、図7に示されるように、ローラー対80cを
取り付けるためのリリース・アーム96の外側の端に
は、ハンドル102が突出するブロック98が取り付け
られる。リリース・アーム96の他端は、マニピュレー
ター板94に回転可能に取り付けられ、マニピュレータ
ー板94の平面に対して横向きに、軸96aを中心とし
て、回転する。また、リリース・アーム96は、バネの
弾性により、軸96aを中心として反時計回りに偏向
し、採取装置22のリム74に係合する。即ち、リリー
ス・アーム96は、図7に実線で示される保持位置か
ら、点線で示されるリリース位置まで回動可能である。
リリース位置においては、検体採取装置22を、簡単
に、装置10に取り付け、あるいは、取り外しすること
ができる。リリース・アーム96がバネで偏向し、ま
た、マニピュレーター板94に回動可能に取り付けられ
ることにより、リリース・アーム96を開位置に保持し
たり、弾性力で、閉位置に移動させたりすることができ
る。
【0012】図7及び図8に示すように、マニピュレー
ター板94上には、モーター110が積載される。更
に、モーター110には、ベルト112を巻き掛ける綱
車110aが搭載され、ベルト112は、リム駆動ホイ
ール116を支持するスピンドル114に巻取られる。
駆動ホイール116は、検体採取装置22のリム74の
駆動面74cに係合する。マニピュレーター板94に固
定されたブラケット118は、スピンドル114を支持
し、スピンドル軸の回りに、これを回転させる。このス
ピンドル軸は、モーター110の軸及びホルダー90に
保持される検体採取装置22の軸76に平行な軸であ
る。図5は、カバー72が検体採取装置22に嵌り、こ
れを閉じた状態を、また、図6の破線は、カバー72を
検体採取装置22から取り外した状態を示す。図6及び
図7に示されるように、カバー72は、スイング軸12
8及び昇降軸132を中心として回転するアーム122
に、支持される。マニピュレーター板94に取り付けら
れるモーター124は、ギヤ・カム機構126を介し
て、アーム122を駆動する。昇降軸132は、マニピ
ュレーター板94の平面と平行に伸張し、スイング軸1
28は、前記平面と交差するように伸張する。モーター
124及びギヤ・カム機構126は、以下のように作用
する。まず、アーム122及びカバー72は、図6及び
図7にそれぞれ破線で示される、最初のリリース及び開
位置130に置かれる。モーター124の回転により、
ギヤ・カム機構126が、アーム122を、昇降軸13
2回りに回転させることなく、最初の位置130から、
スイング軸128を中心として回転させる。このスイン
グ軸128回りの回転により、カバー72は、図6に破
線で示される上がった位置のまま、図7に実線で示され
る閉位置即ち封印位置へと移動し、検体採取装置22の
開放端の上に置かれる。更にモーター124を回転させ
ると、アーム122は、それ以上スイング軸128回り
に回転せず、昇降軸132を中心として回転する。この
昇降軸132回りの回転により、カバー72は、図6に
破線で示される上がった位置から、実線で示される閉位
置へと移動する。モーター124を逆向きに回転させる
ことにより、ギヤ・カム機構126は、アーム122
を、スイング軸128回りに回転させることなく、昇降
軸132を中心として上向きに回動させ、図6に実線で
示される閉位置から、点線で示される上がった位置へと
移動させる。更に、モーター124を逆向きに回転させ
ると、ギヤ・カム機構126は、アーム122がカバー
72を上げた状態で、即ち、昇降軸132回りにそれ以
上回転させることなく、アーム122をスイング軸12
8を中心として回転させ、閉位置から図7に示す最初の
リリース位置130へと移動させる。ギヤ・カム機構1
26は、図7に示されるように、スイング軸128に平
行なモーター124のシャフト上に取り付けられた、二
層になった同心円ギヤ対134、136、並びに、スイ
ング軸128と同心の、二層になった同心円駆動ギヤ対
138、140を備える。モーターギヤ134は、駆動
ギヤ138と噛み合い、スイングシャフト142を回転
させる。スイングシャフト142には、同時にスイング
軸128回りを回転し、また、独立に昇降軸132回り
を回転するアーム122が取り付けられている。ギヤ1
34あるいは138のどちらか一方のギヤには、所定の
部分にのみ、歯がつくられている。ギヤ134及び13
8の何れかがその一部にしか歯を持たない構造により、
モーター124の回転によりスイングシャフト142が
回転し、アーム122をスイング軸128を中心として
回転させる。即ち、アーム122は、図7に示される開
位置と閉位置との間を移動する。もう一つのモーターギ
ヤ136は、駆動ギヤ140と噛み合い、カム板144
を回転させる。カム板144の凹凸面と摺動して噛み合
うカム従車122aが、アーム122の、カバー72が
固定されている端とは反対の端から、伸張している。図
6に示されるように、モーター124の回転によりカム
板144が回転し、カム従車122aを鉛直方向に動か
し、カバー72を開閉する。開閉動作が終わった後、カ
ム板144は、カム従車122aをその位置で支持し、
カバー72を開いた状態(上がった位置)あるいは閉ま
った状態(下げた位置)のままに保つ。アーム122に
は(図示されない)バネ機構が連結されており、アーム
122を弾性力ではね上げる。カム板144が回転し、
図6に示す点線の位置に移動すると、弾性力を与えるバ
ネがアーム122をはね上げ、カバー72は、検体採取
装置22から外れる。
【0013】図4及び図7に示されるように、移動機構
20のマニピュレーター板94は、ケースパネル16に
回転可能に取り付けられる。マニピュレーター板94
は、ベアリング150により、マニピュレーター板94
から伸張するステム94aを介して、回転可能にパネル
16に取り付けられる。ステム94aの端に固定された
綱車152は、ベルト154を介して、ケースパネル1
6に取り付けられたモーター158により駆動される綱
車156と、連結する。このように、モーター158の
回転によりマニピュレーター板94がステム94aの水
平軸回りに回転するように構成されているため、モータ
ー158が回転すると、マニピュレーター板94は、図
1及び図2に示されるように立ち上がり、図9に示され
るように傾き、最後には、図10に示されるように完全
に逆さまにされる。図1左側に示されるように、装置1
0の移動機構20の検体移動装置26は、摺動機構52
に固定される取り付けブロック160を介して、移送機
構18に取り付けられる。このため、移動装置26は、
移送機構18と共に、図1、図3、図9、及び、図10
に示される位置に移動する。移動装置26は、図10に
示される位置で作動し、他の位置では作動しない。移動
装置26は、図2に示されるように、取り付けブロック
160上に取り付けられる直立した管状プローブ16
2、及び、下端がプローブ162と同心であり、取り付
けブロック160に固定される、環状トラフ164を備
える。プローブ162は、中心に流体通路162aを備
える。流体は、取り付けブロック160内のポート16
0aから、プローブ162の上部開放端162bへと、
上向きに送り込まれる。プローブ162は、通常円筒形
であり、その上端162bは、外側に向かって広がり、
円盤状のスポンジ166をその上に支持する。スポンジ
166の径は、検体採取装置22の円筒形の壁66の内
径よりもほんの少しだけ小さくなっている。これによ
り、スポンジ166は、図10に示されるように、検体
採取装置22の内側にぴったりと収まり、且つ、スクリ
ーン型フィルター68の表面を完全に覆うことができ
る。更に、図2に示されるように、スポンジ166は、
プローブ162の上端162bに着脱及び交換可能に支
持される。プローブ162は、流路162aの上端部か
ら上向きに突出する一組の爪162cを備える。このよ
うに爪162cを備えたことにより、スポンジ166は
プローブ162上にしっかりと固定され、また、その交
換も容易になる。プローブ162の外壁が、広がった上
部端162bから、プローブ本体の径まで、次第に細く
なっていく構造のため、スポンジ166に含まれた余分
な液体分は、プローブ162の外壁に沿ってトラフ16
4まで流れ落ち、滴り落ちたりはしない。トラフ164
は、プローブ162の下端回りに形成された環状の容器
であり、スポンジ166から、あるいは、図10に示す
ように検体移動装置26上に逆さまに置かれたときに検
体採取装置122から、プローブ162を通って流れ落
ちる、あるいは、排出される液体を採取する。トラフ1
64には、取り付けブロック160の排出ポート160
bに液体を送り出す、排出流路が設けられている。
【0014】以上のように構成された装置10には、図
4に示すように、プログラム可能な制御装置168及び
流体システム170が接続されている。制御装置168
は、各モーター(昇降機用モーター34、台車用モータ
ー46、移動機構用モーター110、マニピュレーター
用モーター158)に接続されており、モーターの始
動、停止、回転方向及び速度を制御する。制御装置16
8は、更に、流体システム170に接続され、検体採取
装置22に対する流体の流れを制御する。流体システム
170は、カバー72の二つのポート72b,72cを
介して、検体採取装置22に接続される(図5参照)。
流体システム170は、更に、検体移動装置26のプロ
ーブ・ポート160a並びにトラフ・ポート160bと
連結され(図2参照)、プローブ162へのアルコール
の流れ、及び、トラフ164に最終的に集められる、液
体の排出を制御する。以下に、上記のように構成された
装置10の操作を説明する。図2に示されるように、操
作前の装置10においては、移送機構18の昇降機38
は一番下に、また、台車60は一番左側にセットされて
いる。また、アーム122に支持されたカバー72は、
図6及び図7に破線で示される上げられた状態の開位置
130に位置している。新しいスポンジ166を検体移
動装置26上に載せ、新しい検体採取装置22を、移動
機構20のホルダー90に固定する。更に、分析対象と
なる検体細胞が懸濁されている細胞懸濁液を入れた検体
容器24を、台車60に支持される検体ホルダー64に
固定する。上述したように装置10が準備された後、制
御装置168が始動し、昇降機モーター34を起動さ
せ、昇降機38を図3及び図4に示される上昇位置まで
上昇させる。この上昇操作により、検体採取装置22を
入れ子式に収容できる位置に、検体容器24がセットさ
れる。昇降機38が図3及び図4に示される一番上の位
置まで上がると、制御装置168は、昇降機モーター3
4を停止させ、移動モーター110を起動させる。これ
により、検体採取装置22がリム74に駆動されて回転
し、検体容器24内の細胞懸濁液中にせん断力をかけ、
検体細胞を分散させる。制御装置168は、モーター1
10を停止させた後、アーム駆動用モーター124を起
動させ、カバー72を図1及び図5に示される閉位置ま
で、移動させる。検体採取装置22がカバー72で蓋を
されると、制御装置168は、流体システム170を駆
動し、フィルター68を通して、採取装置22内に細胞
懸濁液を送り込み、フィルター68に懸濁液を含浸させ
る。次に、懸濁液がフィルター68を通り、分散された
細胞がフィルター68上に採取されるように、検体採取
装置22内にわずかな圧力を掛ける。細胞懸濁液を検体
採取装置22内に吸引して送り込み、更に、検体採取装
置22を減圧することにより、細胞は、フィルター68
上に採取される。検体溶液は、スクリーン型フィルター
68を通して上向きに流れるため、対象となる検体細胞
は、フィルター68の底部外側表面に捕捉される。液体
吸引及び細胞採取操作は、フィルター68上に細胞が捕
捉されることにより、フィルター68が塞がれて所定の
圧力が生じるまで、続けられる。即ち、所定の圧力が生
じた時点で、所定量の細胞が採取されたことになる。そ
の後、制御装置168は、昇降機モーター34を起動
し、逆方向に回転させ、図1に示す一番下の位置まで、
昇降機38を下げる。この時、検体採取装置22は、移
動機構20に固定されたままであり、検体採取装置22
のスクリーン型フィルター68の下向きの面に、所定の
空間分布で細胞が採取されている。次に、制御装置16
8は、マニピュレーター用モーター158を駆動し、マ
ニピュレーター板94を回転させ、図1及び図2に示す
水平位置から、図9に示す排出位置まで移動させる。即
ち、図1に示される位置から、135度、反時計回りに
回転移動させる。排出位置では、検体採取装置22内の
液体が、カバー72の方に流れ落ち、カバー72に設け
られている排出ポート72cから外へ排出される(図7
参照)。また、検体採取装置22の外側についていた液
体も同様に流れ落ち、検体採取装置用リム74に隣接す
るトラフ78内に集められる(図5及び図6参照)。制
御装置168は、この時点で、台車用モーター46を駆
動し、検体移動装置26を右側、即ち、図9に示される
位置に移動させる。所定の排出時間経過後、制御装置1
68は、再び、マニピュレーター用モーター158を駆
動し、マニピュレーター板94を更に回転させ、図9に
示す排出位置から図10に示す逆さまにされた移動位置
へと移動させる。マニピュレーター板94は、この時点
で、図1及び図2に示す採取位置から180度回転した
ことになる。制御装置168は、更に、アーム駆動用モ
ーター124を駆動し、カバー72を検体採取装置22
から外し、カバー72を最初の開位置へ移動させる。次
に、昇降機モーター34を駆動し、検体移動装置26
を、図9の位置から図10の一番上の位置まで上げる。
この操作により、スポンジ166を保持するプローブ1
62は、スクリーン型フィルター68の内側面に接する
ように、封印開口部70から、検体採取装置22内に挿
入される。また、図10に示すように、顕微鏡用スライ
ド172を、スクリーン型フィルター68の細胞捕捉
面、即ち、外側の面に接触させて置く。顕微鏡用スライ
ド172をフィルター68上に載せる操作に関しては、
これを手動で行ってもよいし、あるいは、スライド機構
174を用いて自動的に行うように構成してもよい。ス
ライド機構174は、逆さまにされた検体採取装置22
のフィルター68の細胞捕捉面上に、スライド72を移
動させるものである。また、マニピュレーター板94
を、図3に示される細胞採取のための正常位置と、図1
0に示される細胞移動のための逆さまの位置との間で回
転できるように、所定の隙間をあけて、スライド機構1
74を取り付ける。装置10に対して全自動あるいは半
自動で作用するスライド機構174としては、従来知ら
れている装置を用いればよい。
【0015】次に、採取された細胞をフィルター68か
ら顕微鏡用スライド172に移す操作について、説明す
る。流体システム170が駆動されると、アルコール
が、プローブ162の流路162aを通って上向きに流
れ、スポンジ166に含浸される。この時に、ほんのわ
ずかの圧力を掛けることにより、スポンジ166に含浸
されたアルコールがフィルター68の内側面に押し付け
られ、フィルター68から顕微鏡用スライド172の接
触面に、細胞が移され、スライド172上に定着され
る。また、この場合、細胞の空間分布を変えないよう
に、フィルター68からスライド172上へ、細胞が移
される。余分のアルコールは、プローブ162の外壁に
沿って流れ落ち、トラフ164に集められ、更に、流体
システム170の制御に従い、排出される。所定の空間
分布を有する所定量の検出細胞を担持した顕微鏡用スラ
イド172を、手動で、あるいは、自動スライド機構1
74を用いて、装置10から取り外し、光学検査を行
う。以上で、一連の細胞検体作成工程が完了し、次の細
胞検体を処理することができる。次の検体処理のため
に、検体採取装置22及び検体容器24を取り外して交
換し、更に、新しいスポンジ166を用いる。プログラ
ム可能な制御装置168がモーター34、46、11
0、158を駆動し、装置10を図1に示される始動位
置にセットする。上記に、スポンジ166に含浸された
アルコールを用いて、採取された細胞をフィルター68
からグラス・スライド172上に移す方法を説明した
が、空気圧を用いて細胞移動を行うように構成してもよ
い。本実施例の空気圧を用いた細胞移動では、図11に
示される、斜めに傾いた一端にフィルター182を備え
る採取容器180が用いられている。が、検体採取装置
22を用いて、空気圧による細胞移動を行うこともでき
るし、採取容器180を用いてアルコールを用いた細胞
移動を行うように構成することも可能である。
【0016】採取容器180は、その一端が固定カバー
186で閉じられる、円筒形の管状体184を備える。
駆動及び取り付けリム188がカバー186から放射状
に外側に伸張し、採取容器180を、図1ないし図10
に示される装置10に、着脱及び交換可能に取り付け
る。図11に示される駆動及び取り付けリム188は、
図2に示される検体採取装置22のリム74とは異なっ
た構造を有している。即ち、上記実施例ではリム74が
用いられているが、本発明は何等これに限定されるもの
ではなく、装置10の取り付け、駆動機構を一部修正し
て、リム188を用いることもできる。図12に、図3
における検体採取装置122と同様に、フィルター18
2が下端にくるように立てられた採取容器180を示
す。円筒体184の一端は、カバー186により閉じら
れ、また、もう一方の端は、フィルター182により閉
じられている。円筒体186及びフィルター182の大
きさ並びに材料は、上述の採取装置22と同様のもので
あればよい。フィルター182は、円筒体184の軸1
85と所定の角度で交差するように、円筒体184に取
り付けられている。例えば、フィルター182が、30
度の角度で軸185と交差するように構成してもよい。
フィルター182を斜めに配置することにより、採取容
器180を細胞採取のために図12に示されるように直
立させて取り付けたときに生じる、フィルター182の
下の気泡のトラップを防ぐことができる。更に、軸と垂
直に交差するように採取装置22に取り付けられている
円形のフィルター68と比較して、細胞捕捉面積が大き
くなるという利点もある。細胞捕捉面積が大きくなるた
め、より多くの細胞を採取し、グラス・スライド190
上に移すことができる。図12に、楕円形のフィルター
182及びその投影面182’を示す。採取容器180
は、更に、カバー186により閉じられ、好ましくは、
軸185に沿って設けられる、導管192を備える。導
管192は、軸185に沿って、容器180の内部に所
定の長さ、更に、外側の回転ジョイント194まで、伸
張する。更に詳しくいえば、容器180内に伸張する導
管192は、図12に示すように細胞採取のために容器
180を直立させたときに、容器180内に吸引される
液体196内に浸されることがないような長さでなけれ
ばならない。更に、図11に示すように細胞移動のため
に容器180を逆さにしたときに、液体196から突き
出すような長さでなければならない。容器180は上記
のように長さの設定された導管196を備えるように構
成されているため、図9及び図10に示すように、マニ
ピュレーター板94の駆動により、容器180を逆さに
した場合でも、吸引された液体196の全量がそのまま
容器180内に保たれ、排出等のために容器180を開
閉する必要がない。フィルター182を通して容器18
0内に吸引された液体196は、容器180内に保たれ
る。即ち、図11に示すように、容器180を逆さにし
ても、容器180から漏ることがない。フィルター18
2が導管192の端部より鉛直方向下側に位置する図1
2の配置において、採取容器180は、導管192の端
部下の第一の液体容量を収容する第一チャンバーを形成
する。第一の液体容量とは、細胞採取操作の際に容器1
80内に吸引された液体196の容量である。更に、フ
ィルター182が導管192の端部より鉛直方向上側に
位置する図11の配置において、同じ採取容器180
が、導管192下の同じ第一の液体容量を収容する第二
チャンバーを形成する。導管192は、採取容器180
内で上記のように伸張し、容器180がフィルター18
2を一番下にして取り付けられるときにも、更に逆さま
にされるときにも、導管192の端部が容器180内の
第一の液体容量より鉛直方向上側に位置するように、構
成される。フィルター182上に採取された細胞は、フ
ィルター182に接するように置かれた検査用スライド
190上に移される。例えば、図11に示されるよう
に、スライド190を水平に置き、フィルター182が
水平になるように、採取容器180を傾けて、細胞移動
を行ってもよい。
【0017】空気圧源198は、好ましくは、図4のプ
ログラム可能な制御装置168に電気的に制御され、連
結導管200を介して、導管192上の回転ジョイント
194に連結される。空気圧源198は、導管192を
通して、所定の空気圧(清浄な空気)を容器180内に
掛ける。これにより、容器180内の空気圧が上昇し、
フィルター182がグラス・スライド190の接触面に
押し付けられる。この時、フィルター182の外側表面
に捕捉された細胞が、フィルター182から離れ、グラ
ス・スライド190上に移る。また、同時に、フィルタ
ー182の気孔内に含まれていた液体分も、空気圧によ
り、グラス・スライド190上に移され、スライド19
0並びに細胞を湿らせる。図13に、採取容器180内
の圧力が、細胞採取のための吸引に起因する負圧(p
1)から正圧(p2)に上昇する過程を示す。圧力パル
ス(波形202)が正圧(p2)を示すように圧力を掛
ける時間は、数秒間、例えば、2ないし5秒間でよい。
また、この場合の圧力値(p2)は、気泡圧より低く、
例えば、2psiである。フィルター182からグラス
・スライド190上に移された細胞は、この後、染色さ
れ、光学的に検査される。以上で、一連の細胞検体作成
工程が完了し、次の細胞検体を処理することができる。
次の検体処理の準備としては、単に、採取容器180を
取り外して交換するだけでよい。以上、本発明を実施例
に従って詳述したが、本発明は、上記実施例に限定され
るものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱す
ることなく、他のいろいろな形態で実施することができ
る。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の細胞検体
作成装置並びに方法は、検体容器内の細胞懸濁液を攪拌
し、細胞にせん断力を掛けることにより、これを分散さ
せ、その後、スクリーン型フィルターに細胞を捕捉し、
更に、検査用グラス・スライド上にこれを移すものであ
る。スクリーン型フィルターを用いることにより、捕捉
された細胞を単一層に分布させることができ、この空間
配置を変えないで、フィルターからスライド上に細胞を
移す構成のため、光学検査を正確に行うことができる。
また、細胞を分散させる装置及び採取装置を兼用させる
ことにより、装置の部品数を減らすことができる。更
に、本発明に従う装置は、主要部分が自動化されている
ため、操作者の手間を大きく軽減できる。操作者は、測
定前に、検体溶液、採取容器等を準備し、装置を始動さ
せればよく、あとは、装置が、自動的に、溶液から検体
細胞を採取し、光学検査のためにグラス・スライド上に
細胞を移す。また、細胞検体毎に、新しい採取容器、及
び、スポンジを細胞移動に用いる場合には、新しいスポ
ンジを用いることにより、検体間の汚染、ひいては、バ
イオ・ハザードを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を体現化した実施例に従う装置の操作前
正面図である。
【図2】図1の装置から使い捨て容器及び付属検体容器
を取り除いた場合の正面図である。
【図3】細胞採取操作時の、図1の装置の正面図であ
る。
【図4】図3の状態の装置の側面図である。
【図5】図1の装置で用いられる、採取容器及びリム・
ガイドの部分断面側面図である。
【図6】ストッパー・アーム駆動機構の部分断面側面図
である。
【図7】図1の装置で用いられる採取容器駆動機構の側
面図である。
【図8】図1の装置の上部支持板機構の頂面図である。
【図9】採取容器を排出状態にした場合の、図1の装置
の正面図である。
【図10】細胞移動操作時の、図1の装置の正面図であ
る。
【図11】本発明に従う他の装置の細胞移動操作時の部
分側面図である。
【図12】細胞採取操作時の図11の採取容器の部分側
面図である。
【図13】本発明に従う装置を操作した場合の圧力変化
を、時間に対してプロットしたグラフである。
【符号の説明】
10 装置 12 ケース 14 基台 16 パネル 18 移送機構 20 移動機構 22 検体採取装置 24 検体容器 26 検体移動装置 34 昇降機用モーター 46 台車用モーター 52 摺動機構 60 台車 64 検体ホルダー 68 スクリーン型フィルター 74 リム 90 ホルダー 94 マニピュレーター板 96 リリース・アーム 110 移動機構用モーター 122 アーム 124 アーム駆動用モーター 126 ギヤ・カム機構 158 マニピュレーター用モーター 160 取り付けブロック 162 プローブ 166 スポンジ 168 制御装置 170 流体システム 172 顕微鏡用スライド 174 スライド機構 180 採取容器 182 フィルター 186 カバー 190 スライド 192 導管 198 空気圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 1/28 U (72)発明者 ルイス ティ. ポーク ジュニア. アメリカ合衆国 01730 マサチューセ ッツ州 ベッドフォード レッジウッド ドライブ 13 (72)発明者 フレドリック エル. ファーバー アメリカ合衆国 02167 マサチューセ ッツ州 チェストナットヒル ボナード ロード 237 (72)発明者 ジェイ.モーガン バーラス アメリカ合衆国 02143 マサチューセ ッツ州 メルデン アパート201 ケネ ディドライブ 252 (72)発明者 アン エイ. ハーレイ アメリカ合衆国 02330 マサチューセ ッツ州 カーバー ボックス 393 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 3/00 - 3/08 G01N 1/28

Claims (41)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁液中の細胞検体を光学検査用に調整
    する方法で、 A.細胞懸濁液中に細胞分散装置を挿入し、 B.前記細胞分散装置を用いて、検体細胞を分散させ、 C.対象となる検体細胞を捕捉する一方、それ以下の大
    きさの粒子を通過させるような空隙率を有するフィルタ
    ー装置を、細胞懸濁液中に浸し、 D.細胞懸濁液を上記フィルター装置に通すことによ
    り、前記フィルター装置上に対象となる検体細胞を捕捉
    し、 E.細胞懸濁液から、検体細胞が捕捉されている上記フ
    ィルター装置を取り出し、この時、細胞が光学検査に適
    するように前記フィルター装置上に空間分布している、
    ことを特徴とする細胞検体作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のステップA並びにステップC
    において、前記細胞分散装置と前記フィルター装置が、
    一つの構造体上に取り付けられており、同時に細胞懸濁
    液中に導入される、ことを特徴とする請求項1の細胞検
    体作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のステップBにおいて、液体中
    に懸濁した細胞にせん断力が掛かるように、前記細胞分
    散装置を用いて細胞懸濁液を攪拌する、ことを特徴とす
    る請求項1の細胞検体作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のステップAにおいて、細胞懸
    濁液中に回転装置を挿入し、また、前記ステップBにお
    いて、細胞にせん断力を掛け、検体細胞を分散させるよ
    うに、細胞懸濁液に対して、前記回転装置を回転させ
    る、ことを特徴とする請求項1の細胞検体作成方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルター装置が、ほぼ平らなスク
    リーン型フィルターを備え、更に、 (i)前記スクリーン型フィルターをほぼ水平に置き、 (ii)細胞懸濁液を前記スクリーン型フィルターの下
    から上に通し、スクリーン型フィルターの下向きの面上
    に、対象となる検体細胞を採取する、ステップを含むこ
    とを特徴とする請求項1の細胞検体作成方法。
  6. 【請求項6】 更に、 A.細胞が捕捉されているフィルター装置を、光学検査
    用スライド装置に隣接させて置き、 B.採取された検体細胞を、フィルター装置から、光学
    検査用スライド装置に移し、 C.前記フィルター装置上で捕捉された検体細胞が、そ
    のままの空間的な分布を保つように、前記細胞の移動を
    行う、ステップを含む、ことを特徴とする請求項1の細
    胞検体作成方法。
  7. 【請求項7】 更に、 A.前記フィルター装置が、ほぼ平らなスクリーン型フ
    ィルターを備え、前記スクリーン型フィルター上に、細
    胞懸濁液から採取された検体細胞が捕捉され、 B.前記スクリーン型フィルター上に捕捉された検体細
    胞に接するように、光学検査用スライド装置を、隣接さ
    せて置き、 C.前記スクリーン型フィルターを通して、細胞の移動
    ・定着液を流すことにより、採取された細胞を、スクリ
    ーン型フィルターから上記光学検査用スライド装置上に
    移動させる、ステップを含む、ことを特徴とする請求項
    1の細胞検体作成方法。
  8. 【請求項8】 更に、 A.前記フィルター装置が、選択的に配置されたスクリ
    ーン型フィルターを備え、前記スクリーン型フィルター
    上に、細胞懸濁液から採取された検体細胞が捕捉され、 B.前記スクリーン型フィルター上に捕捉された検体細
    胞と、向かい合うように、光学検査用スライド装置を、
    隣接させて置き、 C.前記スライド装置の方に向けて、前記スクリーン型
    フィルターに対して空気圧を掛けることにより、採取さ
    れた細胞を、スクリーン型フィルターから上記光学検査
    用スライド装置上に移動させる、ステップを含む、こと
    を特徴とする請求項1の細胞検体作成方法。
  9. 【請求項9】 更に、 A.細胞懸濁液中にチャンバー装置を挿入し、 B.上記チャンバー装置上に備えられている管状の壁
    を、細胞懸濁液に対して動かすことにより、細胞懸濁液
    にせん断力を掛け、その結果、検体細胞を分散させ、 C.上記チャンバー装置上に、スクリーン型フィルター
    として、上記フィルター装置が備えられ、請求項1のフ
    ィルター装置の挿入並びに検体細胞の採取ステップを行
    う、ことを特徴とする請求項1の細胞検体作成方法。
  10. 【請求項10】 懸濁液中の細胞検体を検査用に調整す
    る方法で、 A.細胞懸濁液中に攪拌装置を浸し、細胞懸濁液中にせ
    ん断を生じさせることにより、細胞を分散させ、 B.せん断力を生じさせるように、前記攪拌装置を用い
    て、細胞懸濁液を攪拌し、細胞を分散させ、 C.上記攪拌装置上に備えられており、対象となる検体
    細胞を捕捉する一方、それ以下の大きさの粒子を通過さ
    せるような空隙率を有する、スクリーン型フィルター
    を、細胞懸濁液中に浸し、 D.細胞懸濁液を前記浸されたフィルターに通すことに
    より、対象となる検体細胞をフィルター上に採取し、こ
    の時、細胞が前記検査に適するように、前記フィルター
    上に空間分布している、ことを特徴とする細胞検体作成
    方法。
  11. 【請求項11】 更に、 A.検体細胞が捕捉されているフィルターを、細胞懸濁
    液中から除き、 B.前記フィルターを光学検査用スライドに隣接させて
    置き、 C.採取された細胞が、ほぼ同じ空間分布のままで、フ
    ィルターから光学検査用スライドに移動するような流動
    条件を、前記フィルターに与える、ステップを含む、こ
    とを特徴とする請求項10の細胞検体作成方法。
  12. 【請求項12】 更に、 A.前記攪拌装置が、複数の壁で構成されている液体容
    器であり、前記容器を、細胞懸濁液に対して動かすこと
    により、せん断力を生じさせ、 B.上記スクリーン型フィルターを、上記容器上に備
    え、細胞懸濁液が、前記フィルターを通り、前記容器中
    に流れ込むようにする、 ステップを含む、ことを特徴とする請求項10の細胞検
    体作成方法。
  13. 【請求項13】 更に、 A.上記攪拌装置に、液体中に懸濁された細胞を担持す
    るように構成されたフレームを、着脱並びに交換可能に
    取り付け、 B.上記攪拌装置を、フレームに対して、攪拌するよう
    に動かすことにより、細胞を分散させるせん断力を生じ
    させる、ステップを含む、ことを特徴とする請求項10
    記載の細胞検体作成方法。
  14. 【請求項14】 液体中に懸濁された粒子を処理する装
    置で、 A.流体を閉じこめる容器手段で、(i)粒子が懸濁している液体中に浸された状態で、液
    体に対して回るように動くことによって液体中にせん断
    力を生じさせる外壁と、 (ii)上記容器手段の一部を構成し、対象となる粒子
    を捕捉する一方、それ以下の大きさの粒子並びに液体を
    通過させるような空隙率を有する、スクリーン型フィル
    ター手段と、 が設けられた容器手段と、 B.上記外壁と上記フィルター手段が所定の方向並びに
    所定の配置になるように、上記容器手段を、着脱及び交
    換可能に取り付けるための、前記容器手段に固定され
    た、取付手段と、 を備えることを特徴とする粒子処理装置。
  15. 【請求項15】 上記取り付け手段が、上記容器の壁に
    固定され、上記容器手段を着脱並びに交換可能に取り付
    けるように構成された、リム手段であり、前記リム手段
    が、更に、上記容器手段に攪拌を行わせるように構成さ
    れる、ことを特徴とする請求項14の粒子処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項14の装置で、 A.上記容器手段が、攪拌軸に沿って伸張し、 B.上記フィルター手段が、上記軸に沿った第一の位置
    に配置され、 C.上記取り付け手段が、上記容器手段と連結し、上記
    容器手段から離れていく上記軸に沿って位置する、リム
    である、ことを特徴とする請求項14の粒子処理装置。
  17. 【請求項17】 上記容器手段が、軸回りの回転運動に
    応じて、せん断力を生じさせ、また、上記複数の容器の
    壁が、上記軸回りの回転面に沿った、複数の管状の壁で
    ある、ことを特徴とする請求項14の粒子処理装置。
  18. 【請求項18】 上記フィルター手段が、少なくとも部
    分的に上記複数の管状の壁をつなぐように渡され、上記
    軸と交差して伸張する、スクリーン型フィルターであ
    る、ことを特徴とする請求項17の粒子処理装置。
  19. 【請求項19】 上記取り付け手段が、上記複数の管状
    の壁に連結し、管状の壁から放射状に外側に伸張する、
    リム手段であり、前記リム手段が、前記容器手段を、着
    脱及び交換可能に取り付け、回転させる、ことを特徴と
    する請求項17の粒子処理装置。
  20. 【請求項20】上記容器手段が、更に、 A.着脱及び交換可能に締め具と係合し、液密封印を行
    う、開口部封印手段を備え、 B.上記開口部封印手段及び上記フィルター手段以外の
    部分で、液密状態である、 ことを特徴とする請求項14の粒子処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項14の装置で、 A.上記容器手段が、軸に沿って伸張し、上記フィルタ
    ー手段が、上記軸に沿った第一の位置に配置され、 B.更に、上記容器手段の外側から、容器手段内に、所
    定の距離だけ伸張し、上記軸に沿って配置される、導管
    手段を含む、 ことを特徴とする請求項14の粒子処理装置。
  22. 【請求項22】 液体中に懸濁された粒子を処理する装
    置で、 A.流体を閉じ込める容器手段が、 (i)粒子懸濁液中に浸される、複数の容器の壁と、
    (ii)上記容器手段の一部を構成し、対象となる粒子
    を捕捉する一方、それ以下の大きさの粒子並びに液体を
    通過させるような空隙率を有する、スクリー ン型フィルター手段と、を有し、(iii)前記容器手
    段が、第一の軸に沿って伸張し、前記軸に沿った第一の
    位置に、軸とほぼ交差するような方向で、上記フィルタ
    ー手段を配するような、 容器手段と、 B.前記容器手段の外側から、前記容器手段内に配され
    た導管端部へと伸張する、導管手段と、を備え、(i)
    上記容器手段が、前記フィルター手段並びに導管手段の
    部分を除いて、液密になるように、構成され、(ii)
    前記容器手段が、上記フィルター手段が前記導管端部下
    に垂直に位置している場合に、上記導管端部下の第一の
    液体容量を収容する、第一のチャンバー部と、上記フィ
    ルター手段が、導管端部上に垂直に位置している場合
    に、前記導管端部下の前記第一の液体容量を収容する、
    第二のチャンバー部とを、備えるように、上記フィルタ
    ー手段並びに上記導管手段が構成される、ことを特徴と
    する粒子処理装置。
  23. 【請求項23】 上記導管端部が、前記軸に沿って、前
    記フィルター手段の方を向くように、前記導管手段が構
    成される、ことを特徴とする請求項22の粒子処理装
    置。
  24. 【請求項24】 液体中に懸濁された細胞等の粒子を処
    理する装置で、 A.少なくともその一部にスクリーン型フィルターを備
    える液体収容体で、(i)液体が前記収容体の内外に前
    記スクリーン型フィルターを通って流れ、また、前記フ
    ィルターが、所定のしきい値以下の粒子及び液体を通
    し、前記しきい値以上の大きさの粒子を捕捉するよう
    に、選択された空隙率を有し、(ii)更に、上記液体
    収容体が所定の軸及び粒子懸濁液に対して動き、その結
    果、粒子懸濁液にせん断力を掛けることにより、粒子を
    分散させるように構成された、液体収容体と、 B.上記収容体を固定・支持するように、上記収容体に
    接続されるリム手段で、前記リム手段と上記軸とが同心
    円上にあり、着脱及び交換可能に前記収容体を取り付
    け、更に、上記軸に対して上記収容体を駆動させるよう
    に構成されたリム手段と、 C.着脱及び交換可能に、所定の液密締め具を備える開
    口部締め手段と係合する、上記液体収容体上の開口部を
    封印する手段と、を備える、ことを特徴とする粒子処理
    装置。
  25. 【請求項25】 液体中に懸濁された細胞等の粒子を処
    理する装置で、 A.少なくともその一部にスクリーン型フィルターを備
    える液体収容体で、(i)液体が前記収容体の内外に前
    記スクリーン型フィルターを通って流れ、また、前記フ
    ィルターが、所定のしきい値以下の粒子及び液体を通
    し、前記しきい値以上の大きさの粒子を捕捉するよう
    に、選択された空隙率を有し、(ii)更に、上記液体
    収容体が所定の軸及び粒子懸濁液を攪拌するように動
    き、その結果、粒子懸濁液にせん断力を掛けることによ
    り、粒子を分散させるように構成された、液体収容体
    と、 B.上記収容体を固定・支持するように、上記収容体に
    接続されるリム手段で、前記リム手段と上記軸とが同心
    円上にあり、着脱及び交換可能に前記収容体を取り付
    け、更に、上記軸に対して上記収容体を攪拌駆動させる
    ように構成されたリム手段と、 C.前記液体収容体内で伸張し、前記収容体が上記フィ
    ルター手段を最下部に配する場合にも、また、その逆の
    場合にも、前記収容体内部の第一の液体容量上に垂直に
    位置する導管端部を有する、導管手段と、を備える、こ
    とを特徴とする粒子処理装置。
  26. 【請求項26】 懸濁液中の検体細胞を、光学検査用に
    調整する装置で、 A.検体細胞を分散させるための、細胞分散装置及び手
    段と、 B.細胞懸濁液中に浸され、対象となる検体細胞を捕捉
    する一方、それ以下の大きさの粒子を通過させるような
    空隙率を有するフィルター装置と、 C.前記フィルター装置上に対象となる検体細胞が捕捉
    されるように、細胞懸濁液を、液中に浸されている上記
    フィルター装置に通すための手段と、、 D.光学検査に適するように検体細胞が前記フィルター
    装置上に空間分布した状態で、細胞懸濁液から、検体細
    胞が捕捉されている上記フィルター装置を取り出すため
    の手段と、を備える、ことを特徴とする細胞検体作成装
    置。
  27. 【請求項27】 上記細胞分散装置と、上記フィルター
    装置とが同一のものである、ことを特徴とする請求項2
    6の細胞検体作成装置。
  28. 【請求項28】 上記細胞分散装置が、細胞懸濁液中に
    浸され、液中に、せん断力を生じさせるように、懸濁液
    を攪拌するための、攪拌装置を備える、ことを特徴とす
    る請求項26の細胞検体作成装置。
  29. 【請求項29】 上記フィルター装置が、平らなスクリ
    ーン型フィルターを備える、ことを特徴とする請求項2
    6の細胞検体作成装置。
  30. 【請求項30】 前記フィルター装置が、ほぼ平らなス
    クリーン型フィルターを備え、更に、(i)上記スクリ
    ーン型フィルターが、細胞懸濁液中に浸されたときに、
    少なくとも部分的に水平に伸張するように、上記スクリ
    ーン型フィルターを位置づけるための手段と、(ii)
    前記スクリーン型フィルターの下向きの面に対象となる
    検体細胞が捕捉されるように、細胞懸濁液を上記スクリ
    ーン型フィルターの下から上に向かって通すための手段
    と、を備える、ことを特徴とする請求項26の細胞検体
    作成装置。
  31. 【請求項31】 更に、上記フィルター装置上に採取さ
    れた細胞を、フィルター装置上における空間分布を保っ
    たままで、フィルター装置から、光学検査用スライド装
    置に移動させるための手段を備える、ことを特徴とする
    請求項26の細胞検体作成装置。
  32. 【請求項32】 更に、細胞移動・定着液を、前記フィ
    ルター装置を通して流し、採取された細胞を、前記フィ
    ルター装置から光学検査用スライド装置に移動させるた
    めの手段を備える、ことを特徴とする請求項26の細胞
    検体作成装置。
  33. 【請求項33】 更に、採取された細胞がフィルター装
    置から除去されるように、フィルター装置に選択的に空
    気圧を掛け、採取された細胞を、前記フィルター装置か
    ら光学検査用スライド装置に移動させるための手段を備
    える、ことを特徴とする請求項26の細胞検体作成装
    置。
  34. 【請求項34】 上記フィルター装置が、細胞懸濁液か
    ら採取された検体細胞を捕捉するための、ほぼ平らなス
    クリーン型フィルターを備え、更に、(i)検体細胞を
    捕捉している前記スクリーン型フィルターの面が、光学
    検査用スライド装置と向かい合って隣接するように、前
    記スクリーン型フィルターを配置するための手段と、
    (ii)細胞移動液を上記スクリーン型フィルターの下
    から上に流し、採取された細胞を、スクリーン型フィル
    ターから、光学検査用スライド装置に移動させるための
    手段と、を備える、ことを特徴とする請求項26の細胞
    検体作成装置。
  35. 【請求項35】 上記フィルター装置が、細胞懸濁液か
    ら採取された検体細胞を捕捉するための、ほぼ平らなス
    クリーン型フィルターを備え、更に、(i)検体細胞を
    捕捉している前記スクリーン型フィルターの面が、光学
    検査用スライド装置と向かい合って隣接するように、前
    記スクリーン型フィルターを配置するための手段と、
    (ii)所定の空気圧信号を、前記スライド装置の方に
    向けて、前記スクリーン型フィルターに掛け、採取され
    た細胞を、スクリーン型フィルターから、光学検査用ス
    ライド装置に移動させるための手段と、を備える、こと
    を特徴とする請求項26の細胞検体作成装置。
  36. 【請求項36】 前記細胞分散装置が、細胞懸濁液中に
    浸され、細胞懸濁液を攪拌した場合に、細胞懸濁液にせ
    ん断力が掛かり、その結果、細胞を分散させるように、
    構成された、壁部を有するチャンバー装置を、備えるこ
    とを特徴とする請求項26の細胞検体作成装置。
  37. 【請求項37】 上記フィルター装置が、前記チャンバ
    ー装置の一部を形成するスクリーン型フィルターであ
    る、ことを特徴とする請求項36の細胞検体作成装置。
  38. 【請求項38】 懸濁液中の検体細胞を検査用に調整す
    る装置で、 A.細胞懸濁液中に浸され、前記細胞懸濁液中にせん断
    力を生じさせ、その結果、細胞を分散させるように構成
    された、細胞分散用攪拌装置と、 B.上記攪拌装置上に設けられ、細胞懸濁液中に浸され
    るスクリーン型フィルターで、対象となる検体細胞を捕
    捉する一方、それ以下の大きさの粒子を通過させるよう
    な空隙率を有するスクリーン型フィルターと、 C.細胞懸濁液を、液中に浸されたスクリーン型フィル
    ターに通し、検査に適するような空間分布で、対象とな
    る検体細胞を、上記スクリーン型フィルター上に捕捉す
    るための手段と、を備える、ことを特徴とする細胞検体
    作成装置。
  39. 【請求項39】 更に、 A.細胞懸濁液中から採取された検体細胞を捕捉してい
    る上記フィルターを取り外すための手段と、 B.上記フィルターを、光学検査用スライドに接するよ
    うに、隣接して配置するための手段と、 C.採取された細胞を、上記フィルター上における空間
    分布を保ったままで、前記フィルターから、光学検査用
    スライドに移動させるための手段と、を備える、ことを
    特徴とする請求項38の細胞検体作成装置。
  40. 【請求項40】 上記攪拌装置が、細胞懸濁液を攪拌し
    た場合に、せん断力を生じさせるように、複数の壁を有
    する、液体容器を備え、また、上記スクリーン型フィル
    ターが、上記容器上に設けられ、細胞懸濁液をフィルタ
    ーを通して、上記容器中に流すように構成される、こと
    を特徴とする請求項38の細胞検体作成装置。
  41. 【請求項41】 更に、 A.液体に懸濁された細胞を担持するように構成され
    た、フレーム手段と、 B.着脱及び交換可能に、また、軸に対して移動可能
    に、前記攪拌装置を取り付けるための、上記フレーム手
    段上に設けられた手段と、 C.上記フレーム手段に取り付けられた上記攪拌装置
    を、細胞懸濁液に対して駆動させ、細胞を分散させるせ
    ん断力を生じさせるための、上記フレーム手段上に設け
    られた手段と、を備えることを特徴とする請求項38の
    細胞検体作成装置。
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