JP3105389B2 - もち米麹の製造方法及びこれを用いるみりんの製造方法 - Google Patents

もち米麹の製造方法及びこれを用いるみりんの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、醸造食品の製造に有用
なもち米麹の製造方法、さらに詳しくいえば、粘着性を
低下させた蒸しもち米を用いる酵素活性が高い優れた品
質のもち米麹の製造方法及びこのもち米麹を用いるみり
んの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】もち米麹を製造しようとして、うるち米
に一般に採用されていると同様な約2時間又はそれ以上
の吸水処理を用いると、得られる蒸しもち米は粘着性が
強いため、これに種麹を接種して混合するとき及び麹手
入れのときなどで、蒸しもち米が団塊状となって製麹が
困難となり、また、このため出来た麹の酵素活性が低い
ことなどから、満足できるもち米麹を製造することがで
きなかった。このようなことから、従来、もち米麹の製
造において、この蒸しもち米の粘着性を防止するため
に、例えば、蒸きょう前の浸漬もち米に粘着防止剤と
して、とうもろこし粉、小麦グルテン粉、脱脂大豆粉な
どの穀粉を添加混和する方法(特公昭49−22715
号公報)、もち米を蒸きょう後、水分の蒸散を防ぎな
がら5〜10℃で24時間程度放置するか同温度範囲で
5〜6時間放置後、凍結−解凍させる方法(特公昭58
−7276号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、前記のにおいては、穀粉の使用量によっては穀粉
由来の雑味、雑臭が製品に生じるなど、また、におい
ては、長時間放置などの新たな工程や凍結などのための
装置を必要とし、操作が煩雑となるなどの欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な欠点を克服し、酵素活性が高い優れた品質のもち米麹
を容易に製造する方法、及び該もち米麹を用いた生産利
用率が高いみりんの製造方法を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、先ず、蒸しも
ち米の水分含量が、その粘着性と密接な関係を有してい
ることを見いだし、さらに研究した結果、一般にうるち
米麹製造時に採用されている約2時間又はそれ以上の長
時間の水浸漬後、蒸きょうする方法では、蒸しもち米の
水分含量が40%(W/W)前後となってその粘着性が
非常に高いが、短時間で吸水処理したものを蒸きょうし
てその水分含量を35%以下とすることにより、蒸しも
ち米の粘着性は著しく低下すること、また、その水分含
量が25%(W/W)未満のときは、良質のもち米麹が
得られないこと、すなわち、25〜35%(W/W)と
いう特定範囲の水分含量の蒸しもち米を使用して製麹す
れば、酵素特に糖化酵素の活性が高い優れた品質のもち
米麹を容易に製造することができること、さらにまた、
該麹を用いることにより、生産利用率が高い高品質のみ
りんを製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、短時間の吸水処理
後、蒸きょうして得た水分含量が25〜35%(W/
W)の蒸しもち米に種麹を接種し、常法により製麹する
ことを特徴とするもち米麹の製造方法であり、また本発
明は、含水アルコールに米麹及び蒸し米を混和して常法
により糖化熟成させるみりんの製造方法において、米麹
として短時間の吸水処理後、蒸きょうして得た水分含量
が25〜35%(W/W)の蒸しもち米に種麹を接種し
混合して、常法により製麹して得たもち米麹を使用する
ことを特徴とするみりんの製造方法である。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。先
ず、もち玄米を常法により精白し、得た精白もち米を洗
米し、次いで吸水処理後、蒸きょするのであるが、本発
明においては、蒸しもち米の水分含量を25〜35%
(W/W)、好ましくは28〜33%(W/W)とする
ことが極めて重要であって、このことによってはじめて
本発明の目的を達成することができる。蒸しもち米の水
分含量が35%(W/W)を超えると、蒸しもち米の粘
着性が強く、製麹工程例えば種麹接種時の混合、手入れ
時などにおいて、団塊状となって、優れた品質のもち米
麹が得られない。また、25%(W/W)未満では蒸し
もち米の蒸しむらが生じ、麹菌の生育が悪く、得られる
麹の酵素活性が低い。
【0007】次に、種麹接種時の水分含量が25〜35
%(W/W)である蒸しもち米を得る方法としては、洗
米を吸水処理、例えば浸漬するか散水し、常法により水
切り後無圧又は加圧下で適当時間、例えば15〜40分
間蒸きょうし、さらに常法により冷却する方法が用いら
れる。この吸水処理において、処理時間は従来とは異な
って、7〜45分間、好ましくは15〜30分間と極め
て短時間とすることが、前記の特定範囲の水分含量の蒸
しもち米を得るために重要である。この際の吸水処理温
度は、通常5〜20℃で行なわれる。そしてまた、蒸き
ょうは、通常の方法、例えばこしき法、連蒸法などによ
り行なわれる。
【0008】このようにして得られた蒸しもち米は、常
法により冷却後、通常の種麹を接種し混合して、25〜
45℃で2〜3日間常法により製麹管理を行ない、もち
米麹を得る。
【0009】次に、本発明のもち米麹を用いてみりんを
製造する方法について述べる。本発明は、含水アルコー
ルに米麹及び蒸し米を混和して常法により糖化熟成させ
るみりんの製造方法において、該米麹として前記のよう
にして得たもち米麹を使用するものであり、掛け米であ
る蒸し米としては、もち米又はうるち米のいずれを用い
てもよい。このようにして得られたみりんは、いずれも
生産利用率が高く収率が良好である。特に、蒸し米とし
てもち米を用いることにより、もち米のみからなる高級
みりんを製造することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、従来法のごとく穀粉な
どの粘着防止剤を全く使用することなく、また、粘着性
を喪失させるために蒸しもち米を長時間放置するなどの
新たな工程を要することなく、酵素活性が高い優れたも
ち米麹を容易に製造できる。また、本発明のもち米麹
と、掛け米として蒸しもち米とを用いてみりんを製造す
ると、生産利用率が高くしかも粕重量が少ないもち米の
みからなるみりんを製造することができる。また、もち
米麹の製造時に粘着防止剤として穀粉などを添加する必
要がないため、添加物由来の雑味雑臭が製品に移行する
心配が解消される利点を有する。
【0011】
【実施例】次に、実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。
【0012】実施例1 (もち米麹の製造例)90%精白もち米各々2kg宛を
常法により洗米して、表1に示した浸漬時間(5〜12
0分間)浸漬し、常法により水切りしたのちこれをオー
トクレーブで無圧、40分間蒸きょうし、約33℃に放
冷し、表1に示した水分含量を有する蒸しもち米を得
た。この蒸しもち米に、今野もやし株式会社製みりん用
種麹800mgを接種し、均一に混合して麹蓋に盛り込
み、常法により2回手入れを行ない41時間製麹して各
もち米麹を得た。また、参考として、90%精白うるち
米を通常の米麹の製造方法に従って洗米して、120分
間浸漬し、常法により水切りしたのちこれを前記と同様
に蒸きょう、製麹してうるち米麹を得た。
【0013】前記で得られた浸漬米の水分、蒸し米の品
質、種麹を接種し混合する時における粘着性の程度、手
入れ時の作業難易、得られた麹の品質をそれぞれ調べ
た。それらの結果を表1及び表2に示す。また、前記で
得られた各麹のα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、中
性プロテアーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ(以下A
CPaseという)の各酵素活性を調べた。その結果を
表3に、そしてこれをグラフ化したものを図1に示す。
【0014】なお、水分測定は、[第四回改正 国税庁
所定分析法注解](発行所 財団法人日本醸造協会、平
成5年2月20日発行)の第212〜213頁に記載の
方法によって行なった。また、グルコアミラーゼ、α−
アミラーゼ及び酸性カルボキシペプチダーゼは、それぞ
れ前記[第四回 国税庁所定分析法注解]の第213〜
218頁、第218〜221頁及び第226〜228頁
に記載の方法によって行ない、中性プロテアーゼは、
[第三回改正 国税庁所定分析法注解](発行所財団法
人日本醸造協会、昭和56年4月10日発行)の第22
2〜225頁「(付)プロテアーゼ力価測定法」に記載
の方法によって行なった。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】表1、表2、表3、および図1、から明ら
かなように、蒸しもち米の水分含量が約25〜35%
(W/W)(浸漬時間が7〜45分間)の本発明の区分
はいずれも、蒸しむらが殆どなく、種麹を接種し混合し
た時及び手入れ時における粘着性が少なく作業性が良く
て、麹菌の生育も良好で各酵素活性も高い優れた品質の
麹が得られることが判る。また、そのうちでも特に蒸し
もち米の水分含量が28〜33%(W/W)である区分
4および区分5は、前記した粘着性が低いため作業性及
び麹の生育が極めて良好で、酵素活性が非常に高いこと
などの点から優れた品質のもち米麹が得られることが判
る。そして、蒸しもち米の水分含量が25%(W/W)
未満(比較例の区分1)のときは、蒸しもち米の中心部
が十分に蒸きょうできず著しい蒸しむらが生じ、また、
種麹を接種し混合する時の粘着性はないが、麹菌の生育
が非常に悪く、各酵素活性が低下し、良麹が得られない
ことが判る。また、蒸しもち米の水分含量が35%(W
/W)を超える(比較例の区分7および区分8)のとき
は、種麹接種後、混合した時および手入れ時における粘
着性が著しく、蒸しもち米が団塊状となって作業性が低
下し、かつ、得た麹の水分が多くてべたつき、酵素活性
も低下し、良麹が得られないことが判る。
【0019】実施例2 (みりんの製造例)実施例1によって得た比較例の区分
1、本発明の区分5のもち米麹及び参考の区分9のうる
ち米麹を使用し、以下のごとくしてみりんを製造した。
アルコール濃度40%の焼酎360ミリリットルに、実
施例1で得たもち米麹又は参考であるうるち米麹(それ
ぞれ原料米として58gに相当する麹)と、原料米とし
て500gに相当する蒸しもち米(掛け米)を混和し、
30℃で30日間糖化、熟成したのち、このもろみを小
袋に詰めて小型圧搾機を用いて圧搾してみりんを得た。
この圧搾で区分1、区分5、参考の区分9からそれぞれ
760ml、808ml、797mlの液量のみりんを
得た。前記製造方法で得た各みりんのアルコール、エキ
ス、全糖、直接還元糖などの成分値、及び粕重量、生産
利用率などについて調べた。その結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】表4から明らかなように、水分含量が3
2.8%(W/W)の蒸しもち米を製麹して得られた本
発明の区分5のもち米麹を使用して製造したみりんは、
生産利用率が高くしかも粕重量が少ないもち米のみから
なる高級みりんであることがわかる。そして、該みりん
は、通常のうるち米麹を用いた参考の区分9と比較して
も生産利用率が高く粕重量が少なく、さらにまた、もち
米麹製造時に粘着防止剤として穀粉などを添加する必要
がないため、それに由来の雑味、雑臭が製品に生じる心
配がない。これに対し、水分含量が25%(W/W)未
満の蒸しもち米を製麹して得た比較例の区分1のもち米
麹を使用して製造したみりんは、エキス、直接還元糖、
全糖、生産利用率が低く、反対に粕重量が多い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 もち米麹の製造において、蒸し米水分と該も
ち米麹の酵素活性の関係を示すグラフ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短時間の吸水処理後、蒸きょうして得た
    水分含量が25〜35%(W/W)の蒸しもち米に種麹
    を接種し、常法により製麹することを特徴とするもち米
    麹の製造方法。
  2. 【請求項2】 蒸しもち米が、水分含量28〜33%
    (W/W)である請求項1記載のもち米麹の製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸しもち米が、精白もち米を水に7〜4
    5分間短時間浸漬し、水切り後蒸きょうしたものである
    請求項1記載のもち米麹の製造方法。
  4. 【請求項4】 含水アルコールに米麹及び蒸し米を混和
    して常法により糖化熟成させるみりんの製造方法におい
    て、米麹として短時間の吸水処理後、蒸きょうして得た
    水分含量が25〜35%(W/W)の蒸しもち米に種麹
    を接種して、常法により製麹して得たもち米麹を使用す
    ることを特徴とするみりんの製造方法。
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