JP2711890B2 - 玄米の加工食品 - Google Patents
玄米の加工食品Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、培養玄米を加工した食品に関し、更に詳細
には、香味豊かで、デンプン消化性が良く、テクスチャ
ーの良好な玄米の加工食品に関する。
には、香味豊かで、デンプン消化性が良く、テクスチャ
ーの良好な玄米の加工食品に関する。
従来より、玄米は直接に主食又は原料に供されず、表
層部を搗精して、胚芽と糠を除いた精白米を用いて蒸し
米とするか、炊飯して飯米として調製し食している。こ
れは、玄米が精白米に比べ吸水能が低く、蒸煮や炊飯時
の玄米中のデンプンが充分に糊化せず、デンプン消化性
とテクスチャーが精白米に比べ著しく悪いからである。
一方、玄米をそのまま用いると表層部分に起因する糠臭
が食品加工時に玄米全体に移行し、風味が著しく損われ
て加工用原料としても利用され難いのが現状である。
層部を搗精して、胚芽と糠を除いた精白米を用いて蒸し
米とするか、炊飯して飯米として調製し食している。こ
れは、玄米が精白米に比べ吸水能が低く、蒸煮や炊飯時
の玄米中のデンプンが充分に糊化せず、デンプン消化性
とテクスチャーが精白米に比べ著しく悪いからである。
一方、玄米をそのまま用いると表層部分に起因する糠臭
が食品加工時に玄米全体に移行し、風味が著しく損われ
て加工用原料としても利用され難いのが現状である。
玄米は、精白米に比べビタミン、ミネラル、粗繊維等
健康に有用な成分を多く含有しており、玄米中のデンプ
ン糊化度の向上したまた糠臭のない風味の改善された玄
米を食品加工した加工食品の要望が強くなっている。
健康に有用な成分を多く含有しており、玄米中のデンプ
ン糊化度の向上したまた糠臭のない風味の改善された玄
米を食品加工した加工食品の要望が強くなっている。
しかるに、従来の玄米を食品加工、例えば蒸煮した蒸
し玄米あるいは炊飯玄米は玄米中デンプンの糊化度が低
く、デンプン消化性が悪いのみならず適切なテクスチャ
ーを得難いという一面がある。また、玄米の外層部には
表層成分の糠臭に起因する悪い風味で食用に供する蒸し
玄米あるいは炊飯玄米は得られ難いという問題点があ
る。また玄米粉においても、この糠臭は粉全体に移行
し、風味の低下をきたす。
し玄米あるいは炊飯玄米は玄米中デンプンの糊化度が低
く、デンプン消化性が悪いのみならず適切なテクスチャ
ーを得難いという一面がある。また、玄米の外層部には
表層成分の糠臭に起因する悪い風味で食用に供する蒸し
玄米あるいは炊飯玄米は得られ難いという問題点があ
る。また玄米粉においても、この糠臭は粉全体に移行
し、風味の低下をきたす。
本発明の目的は上記従来技術にかんがみ、玄米中デン
プンの糊化度が向上した、かつ糠臭のない風味良好で香
味の優れた特性をもつ酵素活性を有する培養玄米を得
て、これを食品加工した玄米食品を提供することにあ
る。
プンの糊化度が向上した、かつ糠臭のない風味良好で香
味の優れた特性をもつ酵素活性を有する培養玄米を得
て、これを食品加工した玄米食品を提供することにあ
る。
本発明を概説すれば、本発明は玄米の加工食品に関す
る発明であって、玄米を、前処理し、又は前処理するこ
となく、水温10℃〜25℃未満の上水中、該玄米が実質上
発芽しない条件下で培養して、α−アミラーゼ活性0.1D
U/g乾重以上の酵素活性を有する、実質上発芽していな
い培養玄米を得、この培養玄米を食品用に加工してなる
ことを特徴とする。
る発明であって、玄米を、前処理し、又は前処理するこ
となく、水温10℃〜25℃未満の上水中、該玄米が実質上
発芽しない条件下で培養して、α−アミラーゼ活性0.1D
U/g乾重以上の酵素活性を有する、実質上発芽していな
い培養玄米を得、この培養玄米を食品用に加工してなる
ことを特徴とする。
本発明において、実質上発芽していないとは、発芽が
生じたとしても、その発芽が0.1mm未満である、後記第
1表及び第2表において−の符号で表した場合を意味す
る。
生じたとしても、その発芽が0.1mm未満である、後記第
1表及び第2表において−の符号で表した場合を意味す
る。
当該食品の製造は、玄米を培養に必要な吸水を行う吸
水工程、酵素活性を有する玄米に培養する工程、更に培
養玄米を食品用に加工する、例えば蒸煮、炊飯及び焙焼
する工程等よりなる。また酵素活性を有したまま乾燥す
る工程も含むことができる。
水工程、酵素活性を有する玄米に培養する工程、更に培
養玄米を食品用に加工する、例えば蒸煮、炊飯及び焙焼
する工程等よりなる。また酵素活性を有したまま乾燥す
る工程も含むことができる。
本発明における原料となる玄米は例えば粳米及び糯米
等がある。
等がある。
本発明者らは前記の従来技術の課題を解決するため鋭
意検討を重ねた結果、例えば玄米の糠臭の除去には玄米
を水浸漬し吸水後そのまま培養するか、又は浸漬吸水
後、水切りして、湿度を保ち培養することで糠臭が変化
し、消失して、通常の玄米とは有意に識別できる良好な
香りに変化すること、また玄米中のデンプン糊化は培養
玄米中の酵素活性すなわちα−アミラーゼ活性を生成さ
せることで加工処理時に向上すること、更には処理時間
の短縮も可能であることを見出した。
意検討を重ねた結果、例えば玄米の糠臭の除去には玄米
を水浸漬し吸水後そのまま培養するか、又は浸漬吸水
後、水切りして、湿度を保ち培養することで糠臭が変化
し、消失して、通常の玄米とは有意に識別できる良好な
香りに変化すること、また玄米中のデンプン糊化は培養
玄米中の酵素活性すなわちα−アミラーゼ活性を生成さ
せることで加工処理時に向上すること、更には処理時間
の短縮も可能であることを見出した。
更に、玄米の表層をわずかに削り、傷つけることによ
り、培養したときに糠臭の変化・消失と酵素生成能を妨
げることなく吸水能が向上することも見出した。
り、培養したときに糠臭の変化・消失と酵素生成能を妨
げることなく吸水能が向上することも見出した。
この酵素活性を有する培養玄米を用いると、従来の通
常の精白米で用いる浸漬条件による吸水玄米に比べ、食
品加工例えば蒸煮又は炊飯に供したとき、糠臭がなく、
豊かな風味であり、またデンプン糊化度も向上してテク
スチャーも改善され、食味も著しく向上すること、また
焙焼することにより香味の優れた焙焼米の得られること
が見出された。このことは、玄米を培養することによ
り、デンプン分解酵素のα−アミラーゼ、タンパク分解
酵素及び核酸分解酵素等の酵素類が生成され、蒸し玄米
及び炊飯玄米中のデンプン分解物、タンパク分解物や核
酸分解物等の含有量の増加につながり、結果として品質
が改善されることを意味する。
常の精白米で用いる浸漬条件による吸水玄米に比べ、食
品加工例えば蒸煮又は炊飯に供したとき、糠臭がなく、
豊かな風味であり、またデンプン糊化度も向上してテク
スチャーも改善され、食味も著しく向上すること、また
焙焼することにより香味の優れた焙焼米の得られること
が見出された。このことは、玄米を培養することによ
り、デンプン分解酵素のα−アミラーゼ、タンパク分解
酵素及び核酸分解酵素等の酵素類が生成され、蒸し玄米
及び炊飯玄米中のデンプン分解物、タンパク分解物や核
酸分解物等の含有量の増加につながり、結果として品質
が改善されることを意味する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の玄米の培養については、水に浸漬して吸水さ
せ、引続き培養することもでき、また浸漬して吸水させ
た後、水切りして、湿潤状態で培養することもできる。
また0.001〜1.0μMのジベレリン溶液中で浸漬処理する
ことによって、更に酵素活性の強化された培養玄米を短
期間に得ることができる。また、玄米の表層を傷つけた
玄米では更に効率よく、糠臭のない酵素活性を有する玄
米を得て加工処理して加工食品を提供できる。
せ、引続き培養することもでき、また浸漬して吸水させ
た後、水切りして、湿潤状態で培養することもできる。
また0.001〜1.0μMのジベレリン溶液中で浸漬処理する
ことによって、更に酵素活性の強化された培養玄米を短
期間に得ることができる。また、玄米の表層を傷つけた
玄米では更に効率よく、糠臭のない酵素活性を有する玄
米を得て加工処理して加工食品を提供できる。
なお、前記した各処理が、本発明において培養前に前
処理を行う場合における、前処理の好適な例である。
処理を行う場合における、前処理の好適な例である。
本発明の加工食品としては、糠臭のない酵素活性を有
する培養玄米を用いて加工した食品、例えば蒸し玄米、
炊飯玄米、モチ、カユ、玄米パン、米菓、菓子類、更に
は玄米茶に使用する焙焼米の適用も挙げられる。
する培養玄米を用いて加工した食品、例えば蒸し玄米、
炊飯玄米、モチ、カユ、玄米パン、米菓、菓子類、更に
は玄米茶に使用する焙焼米の適用も挙げられる。
以下玄米の培養条件の検討についての結果を示す。
1.材料は一般の粳玄米及び糯玄米を用い浸漬培養実験に
供した。
供した。
a)水道水使用、120時間浸漬培養、48時間目に浸漬水
入替 b)93%精白米 20℃、24時間浸漬 c)0.2M NaClで玄米をホモゲナイズし、その抽出液を
粗酵素液とした。
入替 b)93%精白米 20℃、24時間浸漬 c)0.2M NaClで玄米をホモゲナイズし、その抽出液を
粗酵素液とした。
その抽出液を粗酵素液とした。
1DU:pH5.3、40℃、10分間反応で10mlの1%アルカリ
糊化バレイショデンプン溶液のヨウ素による青色呈色値
を10%減少させる活性 d)蒸煮条件:100℃で20分間 e)−:無、:微少、±:やや有り、+:有り、:
顕著に有り、:過剰に有り f)発芽 −:0.1mm未満、±:0.1〜0.5mm、 +:0.5mm超 第1表より、120時間浸漬培養の培養玄米中のα−ア
ミラーゼ活性は、10℃未満又は50℃を越える範囲では認
められず、糊化度、糠臭、香味及びテクスチャーにおい
て不良であったが、浸漬培養温度10〜50℃では0.1DU/g
乾重以上認められ、酵素活性と蒸し米の糊化度が相関し
て向上した。糠臭、香味及びテクスチャーの評価からは
10〜35℃で良好な結果が得られた。
糊化バレイショデンプン溶液のヨウ素による青色呈色値
を10%減少させる活性 d)蒸煮条件:100℃で20分間 e)−:無、:微少、±:やや有り、+:有り、:
顕著に有り、:過剰に有り f)発芽 −:0.1mm未満、±:0.1〜0.5mm、 +:0.5mm超 第1表より、120時間浸漬培養の培養玄米中のα−ア
ミラーゼ活性は、10℃未満又は50℃を越える範囲では認
められず、糊化度、糠臭、香味及びテクスチャーにおい
て不良であったが、浸漬培養温度10〜50℃では0.1DU/g
乾重以上認められ、酵素活性と蒸し米の糊化度が相関し
て向上した。糠臭、香味及びテクスチャーの評価からは
10〜35℃で良好な結果が得られた。
2.浸漬培養時間と玄米の変化 一般の粳玄米を20℃で、6時間から168時間浸漬培養
し、24時間毎に玄米の変化を追跡した。その結果を第2
表に示す。
し、24時間毎に玄米の変化を追跡した。その結果を第2
表に示す。
第2表より、浸漬培養(20℃)の玄米中のα−アミラ
ーゼ活性は48時間以上では0.1DU/g乾重以上となり、蒸
し玄米の品質特性の糊化度、糠臭及び香味の点から優れ
ていた。しかし、168時間以上では香味の点から品質が
かえって低下した。また糯玄米の場合も、この粳玄米の
結果とほぼ同等であった。
ーゼ活性は48時間以上では0.1DU/g乾重以上となり、蒸
し玄米の品質特性の糊化度、糠臭及び香味の点から優れ
ていた。しかし、168時間以上では香味の点から品質が
かえって低下した。また糯玄米の場合も、この粳玄米の
結果とほぼ同等であった。
3.ジベレリン処理による玄米の変化 一般の粳及び糯玄米を種々濃度のジベレリン溶液中へ
15℃で24時間浸漬後、水切りして湿潤状態、15℃で引続
き培養した。対照は15℃で井水中で24時間浸漬後同様に
して培養した。
15℃で24時間浸漬後、水切りして湿潤状態、15℃で引続
き培養した。対照は15℃で井水中で24時間浸漬後同様に
して培養した。
第3表より、糠臭のないα−アミラーゼ活性を有する
培養玄米は、水切後48時間培養後のジベレリン処理区で
は無処理区の3倍以上となり、糠臭もよく除去されてい
ることがわかる。また同じ水準の酵素活性を得るのに、
ジベレリン処理により培養時間が顕著に短縮できる。
培養玄米は、水切後48時間培養後のジベレリン処理区で
は無処理区の3倍以上となり、糠臭もよく除去されてい
ることがわかる。また同じ水準の酵素活性を得るのに、
ジベレリン処理により培養時間が顕著に短縮できる。
4.酵素を有する培養玄米の糊化速度 粳玄米を15℃で120時間浸漬培養した培養玄米と対照
として15℃で24時間浸漬した玄米を、100℃で5〜25分
蒸煮し、その蒸し米のデンプン糊化度を追跡した。
として15℃で24時間浸漬した玄米を、100℃で5〜25分
蒸煮し、その蒸し米のデンプン糊化度を追跡した。
第4表より、対照の玄米は100℃、20分間の蒸煮で糊
化度が最高に達し以後平衡になった。一方、培養玄米は
100℃、10分間位で糊化度はほぼ最高に達し、以後平衡
になった。したがって培養玄米は糊化されやすい特性を
有しており、培養玄米を用いるとデンプン糊化に要する
処理時間が大幅に短縮される。これは、加工時間短縮に
伴う省エネルギーにもなる。
化度が最高に達し以後平衡になった。一方、培養玄米は
100℃、10分間位で糊化度はほぼ最高に達し、以後平衡
になった。したがって培養玄米は糊化されやすい特性を
有しており、培養玄米を用いるとデンプン糊化に要する
処理時間が大幅に短縮される。これは、加工時間短縮に
伴う省エネルギーにもなる。
また、培養に供する玄米について、対玄米重当り0.1
〜1.0%好ましくは0.1〜0.5%表面に傷を付けるために
削ることにより、吸水能が向上し、酵素活性を有する培
養玄米を更に容易に得ることができる。
〜1.0%好ましくは0.1〜0.5%表面に傷を付けるために
削ることにより、吸水能が向上し、酵素活性を有する培
養玄米を更に容易に得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 粳玄米1kgを用い、水道水による浸漬培養を15℃で120
時間行い、水切後糠臭のしない、酵素を含有する培養玄
米(α−アミラーゼ0.4DU/g乾重、水分34.5%)を1.3kg
得た。一方、対照として15℃で24時間粳玄米1kgを浸漬
し、浸漬玄米(水分30.2%)を1.2kg得た。それぞれの
0.5kgを用い100℃で20分間蒸煮し、蒸し玄米を得た。こ
れらの蒸し玄米につき、5名のパネラーで官能評価を5
点法で行った。
時間行い、水切後糠臭のしない、酵素を含有する培養玄
米(α−アミラーゼ0.4DU/g乾重、水分34.5%)を1.3kg
得た。一方、対照として15℃で24時間粳玄米1kgを浸漬
し、浸漬玄米(水分30.2%)を1.2kg得た。それぞれの
0.5kgを用い100℃で20分間蒸煮し、蒸し玄米を得た。こ
れらの蒸し玄米につき、5名のパネラーで官能評価を5
点法で行った。
(1:極めて悪い、2:悪い、3:普通、4:良い、5:極めて良
い)。その結果を第5表に示す。
い)。その結果を第5表に示す。
第5表より、酵素活性を有する培養玄米の蒸し玄米
は、対照の蒸し玄米に比べ顕著に香り、味、テクスチャ
ー共に良い官能評価を得ている。
は、対照の蒸し玄米に比べ顕著に香り、味、テクスチャ
ー共に良い官能評価を得ている。
実施例2 実施例1と同様の培養玄米(α−アミラーゼ0.4DU/g
乾重、水分34.5%)を1.3kg得た。この0.5kgを用い、水
を0.59kg加えて通常の炊飯を行い炊飯玄米を得た。一方
対照としての浸漬玄米(水分29.0%)を1.2kg得た。こ
の0.5kgを用い水を0.68kg加え通常の炊飯を行い炊飯玄
米を得た。これらの炊飯玄米を5人のパネラーにより、
5点法で官能評価を行った。その結果を第6表に示す。
乾重、水分34.5%)を1.3kg得た。この0.5kgを用い、水
を0.59kg加えて通常の炊飯を行い炊飯玄米を得た。一方
対照としての浸漬玄米(水分29.0%)を1.2kg得た。こ
の0.5kgを用い水を0.68kg加え通常の炊飯を行い炊飯玄
米を得た。これらの炊飯玄米を5人のパネラーにより、
5点法で官能評価を行った。その結果を第6表に示す。
第6表より、糠臭のしない、酵素活性を有する培養玄
米を用いた炊飯玄米は、対照に比べ香り糠臭がなく、糊
化度も高くなり、味及びテクスチャーが改善されている
ことはこの官能評価の結果からも明らかである。
米を用いた炊飯玄米は、対照に比べ香り糠臭がなく、糊
化度も高くなり、味及びテクスチャーが改善されている
ことはこの官能評価の結果からも明らかである。
実施例3 糯玄米1kgを水道水による浸漬培養を15℃、120時間行
い、水切後糠臭のしない酵素を含有する培養米(α−ア
ミラーゼ0.2DU/g乾重、水分36.4%)を1.35kg得た。こ
の培養玄米を通常の方法により蒸煮(120℃、15分)
し、モチ搗機で搗き、練り機で十分に練り、その後3〜
5℃で2〜3日置き固まらせた。これを短冊型に削り、
通風乾燥し、1日後約290℃で約5〜7分間焙煎して、
かきもちを得た。対照には通常浸漬した浸漬玄米を培養
玄米と同様に処理した。これらかきもちを5人のパネラ
ーにより5点法で官能評価した。その結果を第7表に示
す。
い、水切後糠臭のしない酵素を含有する培養米(α−ア
ミラーゼ0.2DU/g乾重、水分36.4%)を1.35kg得た。こ
の培養玄米を通常の方法により蒸煮(120℃、15分)
し、モチ搗機で搗き、練り機で十分に練り、その後3〜
5℃で2〜3日置き固まらせた。これを短冊型に削り、
通風乾燥し、1日後約290℃で約5〜7分間焙煎して、
かきもちを得た。対照には通常浸漬した浸漬玄米を培養
玄米と同様に処理した。これらかきもちを5人のパネラ
ーにより5点法で官能評価した。その結果を第7表に示
す。
第7表より、培養糯玄米を用いたかきもちは、対照の
玄米を用いた場合に比べ、香り、味、テクスチャー共に
優れており、総合評価でも顕著に高い評価点が得られ
た。
玄米を用いた場合に比べ、香り、味、テクスチャー共に
優れており、総合評価でも顕著に高い評価点が得られ
た。
実施例4 粳玄米1kgを用い、実施例1と同様に処理して、培養
玄米(α−アミラーゼ0.4DU/g乾重、水分34.5%)を1.3
kg得た。これの0.5kgを常法に従って炊飯し、これを焦
げる寸前まで炒り、炒り玄米を得、対照は浸漬玄米を同
様にして炒り玄米を得た。これらに、それぞれ重量で同
程度煎茶を混合して玄米茶を調製した。この玄米茶を用
い常法に従ってお茶を調製し、5名のパネラーによる5
点法で官能評価した。その結果を第8表に示す。
玄米(α−アミラーゼ0.4DU/g乾重、水分34.5%)を1.3
kg得た。これの0.5kgを常法に従って炊飯し、これを焦
げる寸前まで炒り、炒り玄米を得、対照は浸漬玄米を同
様にして炒り玄米を得た。これらに、それぞれ重量で同
程度煎茶を混合して玄米茶を調製した。この玄米茶を用
い常法に従ってお茶を調製し、5名のパネラーによる5
点法で官能評価した。その結果を第8表に示す。
第8表より、培養玄米を用いた場合は香味に優れ、香
りも上品な穏やかになり高い評点を得て、総合でも対照
に比べ有意に高く評価された。
りも上品な穏やかになり高い評点を得て、総合でも対照
に比べ有意に高く評価された。
実施例5 玄米パンを調製するに際して、実施例1で得た培養玄
米と対照玄米を乾燥後、粉砕した粉を、パンのドウ当り
各々10%添加し、常法に従って発酵させ、焙焼した。
米と対照玄米を乾燥後、粉砕した粉を、パンのドウ当り
各々10%添加し、常法に従って発酵させ、焙焼した。
得られたパンについて官能検査した結果、培養玄米区
は対照玄米区に比べて焙焼香味の幅において優れた評価
が得られた。
は対照玄米区に比べて焙焼香味の幅において優れた評価
が得られた。
以上述べたように、本発明の酵素活性を有する培養玄
米を用いて食品用に加工処理することにより、玄米中の
デンプン糊化度が向上し、テクスチャーも改善される。
また糠臭もなく、香味も豊かで、精白米に比べ健康に有
用な成分をより多く含有した風味良好な玄米食品を提供
することができる。更には、この培養玄米は糊化が容易
で加熱処理時間の短縮等、省エネルギーの面でも改善さ
れる。
米を用いて食品用に加工処理することにより、玄米中の
デンプン糊化度が向上し、テクスチャーも改善される。
また糠臭もなく、香味も豊かで、精白米に比べ健康に有
用な成分をより多く含有した風味良好な玄米食品を提供
することができる。更には、この培養玄米は糊化が容易
で加熱処理時間の短縮等、省エネルギーの面でも改善さ
れる。
Claims (1)
- 【請求項1】玄米を、前処理し、又は前処理することな
く、水温10℃〜25℃未満の上水中、該玄米が実質上発芽
しない条件下で培養して、α−アミラーゼ活性0.1DU/g
乾重以上の酵素活性を有する、実質上発芽していない培
養玄米を得、この培養玄米を食品用に加工してなること
を特徴とする玄米の加工食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1089682A JP2711890B2 (ja) | 1989-04-11 | 1989-04-11 | 玄米の加工食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1089682A JP2711890B2 (ja) | 1989-04-11 | 1989-04-11 | 玄米の加工食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02268653A JPH02268653A (ja) | 1990-11-02 |
JP2711890B2 true JP2711890B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=13977534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1089682A Expired - Lifetime JP2711890B2 (ja) | 1989-04-11 | 1989-04-11 | 玄米の加工食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711890B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112471391A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-03-12 | 黄玉岭 | 一种餐后平稳血糖指数的糙米组合物及其制备方法以及应用 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60199356A (ja) * | 1984-03-24 | 1985-10-08 | Masayuki Inoue | 玄米を用いた栄養食品の製造方法及びそれに使用する装置 |
JPS62166855A (ja) * | 1986-01-18 | 1987-07-23 | Hiroo Takashima | 玄米の処理方法 |
-
1989
- 1989-04-11 JP JP1089682A patent/JP2711890B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02268653A (ja) | 1990-11-02 |
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