JP3105247B2 - ガスセンサのための層系およびその製造法 - Google Patents

ガスセンサのための層系およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 公知技術水準 本発明は、独立請求項の概念によるガスセンサのため
の層系および層系の製造法から出発する。この種の層系
は、例えばドイツ連邦共和国特許第2852647号明細書の
記載から公知である。
しかしながら、多孔質被覆層が、単独で電極層を、排
ガスからなる有害物質、例えば珪素、燐、亜鉛、鉛およ
びその化合物に抗して、常に十分に保護できるというの
ではないことが判明した。従って、欧州特許出願公開第
0331513号明細書では、アルカリ土類金属酸化物を被覆
層の表面上または細孔中に導入することが提案された。
このことによって、ガス状の有機または無機珪素化合物
が捕集され、かつセンサ機能を損なわない安定化合物に
変えられる。アルカリ土類金属酸化物は、有害物質の珪
素を、高融点の反応生成物を形成しながら、良好に捕集
することができるが、しかしながら、鉛は、例えば珪素
のような別の反応成分の存在下にのみ捕集することがで
き、かつこの鉛は、保護層中の細孔の閉塞、ひいてはセ
ンサ感度の損傷を招く低い融点の反応生成物を形成しな
がらのみ捕集することができる。
自動車の製造によるエンジンの馴らし運転の場合、有
害物質の珪素は、殊にパッキング部分からの逃出によっ
て生じることができ、これとは異なり、連続運転の場
合、有害物質は、主として、燃料添加物およびオイル添
加物、例えば鉛、燐、亜鉛および特殊な場合にはまた珪
素から生じることができる。
更に、欧州特許出願公開第0373745号明細書の記載か
ら、燃料電池またはガスセンサの電極層を、計量ガスの
珪素および／またはアルミニウム含有化合物に抗して、
１つまたはそれ以上の酸加物もしくは加熱の際に酸化物
を形成する化合物にCe、Sm、Mg、Be、Ca、Sr、Ti、Zr、
Hf、Ｙ、La、Ce、Pr、Nb、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Ｕの群からの金属が塗布され
ていることによって保護されることは公知である。
米国特許第4272349号明細書の記載から、触媒毒、特
に燐に抗するゲッターとして作用するAl2O3からなる外
側保護層の使用は公知である。
本発明の利点 これとは異なり、独立請求項の特徴部で請求された層
系は、混合酸化物が、種々の常法により排ガス中に現れ
る有害物質、例えば珪素、燐、亜鉛または鉛を捕集する
ことができるという利点を有する。一方でアルカリ金属
と、他方で少なくとも三価の元素との組合せによって、
混合酸化物が生じ、該混合酸化物の反応能および熱安定
性は、有害物質に適合することができる。本発明による
混合酸化物ゲッターは、排ガスからの有害物質と反応し
て、層系の最大使用温度を上廻る高い融点を有する反応
生成物になる。酸性酸化物へのアルカリ酸化物の高い親
和力は、珪素および燐に抗する有利なゲッター作用を生
じる。少なくとも三価の混合酸化物成分の両性もしくは
弱酸性の性質によって、殊に、二価の有害物質、例えば
鉛または亜鉛のためのゲッター作用をも生じる。
従って、公知の有害物質ゲッターとは異なり、用意さ
れた有害物質スペクトルを遮断することによって、本発
明は可能である。
従属請求項および方法の請求項に記載された手段によ
って、独立請求項に記載された層系の有利な他の構成お
よび改善が可能である。混合酸化物を、例えば硝酸塩ま
たは塩化物の有利な水溶液または金属有機化合物の溶液
からの含浸によって塗布することは、特に有利である。
アルカリ金属および三価または多価元素の化合物は、該
化合物がセンサの使用温度をごく僅かに上廻る温度で分
解し、この場合、混合酸化物は、極めて微細に粉砕され
た高反応性の形を生じるような程度に選択される。含浸
法は、付加的に混合酸化物に、同時に触媒物質、殊に、
白金、パラジウム、ロジウム等のような貴金属触媒がセ
ンサ規定位置（Sensor−Regellage）の調節のために多
孔質被覆層中へ導入することができるという他の利点を
提供する。
もう１つの有利な実施態様によれば、混合酸化物は、
付加的な層として、仕上げ焼成された層系上へ固体電解
質、電極層、多孔質被覆層を塗布されるかまたはなお焼
成されていない層系上へ塗布され、引続き、付加的な前
記の層と一緒に焼成される。この場合、混合酸化物含有
の付加的な層は、電極層上、多孔質被覆層上に直接塗布
されてもよいかあるいはまた多孔質被覆層ともう１つの
多孔質被覆層との間を中間層として塗布されてもよい。
リチウム−アルミニウム酸化物、Li2O・Al2O3が、特
に有利であることが判明した。更に、特に有利なリチウ
ム含有混合酸化物は、次のものである： （２）Li2O・Ga2O3 （３）2Li2O・Al2O3・Ga2O3 （４）0.02Li2O・0.98Al2O3 （５）0.98Li2O・0.02Al2O3 （６）Li2O・0.9Al2O3・0.1B2O3 （７）Li2O・Ln2O3（Ln＝La、Nd、Sm、En、Gd、Dy、E
r、Yb） （８）Li2O・Y2O3 （９）Li2O・ZrO2（HfO2 1.5〜２重量％を有するZR
O2） （10）3Li2O・2ZrO2（HfO2 1.5〜２重量％を有するZrO
2） （11）Li2O・Na20.22・Al2O3 （12）Li2O・Sc2O3 （13）0.1Li2O・0.1Y2O3・0.8ZrO2。
もう１つの有利な混合酸化物は、ナトリウム−β−ア
ルミナ、Na2O・11−Al2O3である。
本発明による方法によれば、有利な方法で、酸素含量
を測定する排ガスセンサ、即ち、ラムダ−プローブのた
めの層系を製造することができる。しかしながら、前記
方法によれば、別の排ガスセンサ、例えばCOセンサ、
（NO）ｘセンサまたは（CH）ｎセンサのための層系も製
造することができる。前記により製造された排ガスセン
サは、排ガスからの有害物質に抗して十分に非感応性で
ある。
実施例の記載 ドイツ連邦共和国特許第2852647号明細書による層系
から出発する。図面は、イットリウムで完全または部分
的に安定化された二酸化ジルコニウムからなる常用の固
体電解質−セラミック10、白金60容量％およびY2O3安定
化されたZrO2粉末40容量％からなる該固体電解質−セラ
ミック上に塗布されたサーメット電極11並びにZrO2 75
重量％/Al2O325重量％からなる多孔質被覆層12を有する
層系を示す。符号13で、焼成された層12中に大きな数で
存在する直径が0.2〜15μｍの範囲内である細孔が簡略
化されている。この層系は、ドイツ連邦共和国特許2852
647号明細書からの記載に相応して焼成される。
上記の焼成された層系10、11、12は、LiNO3およびAl
（NO3）３の当分子量溶液中に、室温で３分間浸漬され
る。引続き、約10分間、適下させる。多孔質被覆層12
は、処理過程の進行の間に、毛細管力によって、実際に
完全に含浸させることができる。次の処理工程の場合
に、層系10、11、12は、1000℃で２時間、空気で熱処理
され、このことによって硝酸塩からリチウム−アルミニ
ウム混合酸化物が、多孔質被覆層12中および上に形成す
ることができる。
ところで、こうして混合酸化物で変性された層系は、
酸素、一酸化炭素、窒素酸化物または炭化水素のための
排ガスセンサの製造に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲーリング， エーベルハルト ドイツ連邦共和国 Ｄ−7141 シュヴィ ーベルディンゲン ポーゼナー シュト ラーセ 19 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01N 27/409 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】電極層と、セラミック材料からなる少なく
    とも１つの多孔質被覆層とを有する、ガスセンサ用の支
    持体上の層系において、多孔質被覆層（12）および／ま
    たは該多孔質被覆層の細孔（13）が、一方で少なくとも
    １つのアルカリ金属酸化物と、他方で少なくとも三価を
    有する元素の熱安定性酸化物とからなる少なくとも１つ
    の混合酸化物を含有することを特徴とする、層系。
  2. 【請求項２】支持体が、固体電解質であり、少なくとも
    三価を有する熱安定性酸化物の元素が、元素の周期律表
    のIII a族、III b族又はIV b族から選択されている、請
    求の範囲１記載の層系。
  3. 【請求項３】一方でアルカリ金属酸化物と、他方で三価
    を有する元素の酸化物の含量が0.2〜99.8モル％であ
    る、請求の範囲１記載の層系。
  4. 【請求項４】軽いアルカリ金属酸化物、有利に酸化リチ
    ウムが使用される、請求の範囲１から３までのいずれか
    １項記載の層系。
  5. 【請求項５】少なくとも三価の元素のアルミニウム、ガ
    リウム、硼素、イットリウム、スカンジウム、ジルコニ
    ウム又はランタニドからなる群からの１つ又はそれ以上
    の酸化物が使用される、請求の範囲１から４までのいず
    れか１項記載の層系。
  6. 【請求項６】多孔質被覆層の上および／または中に、少
    なくとも１つの付加的な混合酸化物含有層が塗布または
    導入されている、請求の範囲１記載の層系。
  7. 【請求項７】付加的な混合酸化物含有層（14）が、電極
    層の上に直接塗布されている、請求の範囲１から６まで
    のいずれか１項記載の層系。
  8. 【請求項８】付加的な混合酸化物含有層上に、もう１つ
    の多孔質保護層が塗布されている、請求の範囲１から７
    までのいずれか１項記載の層系。
  9. 【請求項９】被覆層（12）が、付加的に触媒物質をセン
    サ規定位置の調節のために含有する、請求の範囲１から
    ８までのいずれか１項記載の層系。
  10. 【請求項１０】請求の範囲１記載の層系を製造するため
    の方法、この場合、支持体上に、電極層および該電極層
    の上にセラミック材料から成る多孔質被覆層（12）が塗
    布され、かつ層系が引続き焼成される方法において、セ
    ンサの最大使用温度でかもしくは最大使用温度をごく僅
    かに上廻って分解され、その際、１つまたはそれ以上の
    混合酸化物を形成するアルカリ金属の少なくとも１つの
    化合物並びに少なくとも三価を有する元素の化合物を含
    有する液体によって多孔質被覆層（12）が含浸されるこ
    とを特徴とする、請求の範囲１記載の層系の製造法。
  11. 【請求項１１】含浸液が、熱分解によって１つまたはそ
    れ以上の混合酸化物を形成する無機塩、殊に硝酸塩また
    は塩化物の溶液である、請求の範囲10記載の方法。
  12. 【請求項１２】含浸液が、熱分解によって１つまたはそ
    れ以上の混合酸化物を形成する金属有機化合物を含有す
    る、請求の範囲10記載の方法。
  13. 【請求項１３】請求の範囲１から５までのいずれか１項
    記載の層系を製造するための方法において、混合酸化物
    を形成する物質および多孔質被覆層（12）を形成する物
    質が一緒に、プラズマ射出成形および／または懸濁液の
    焼成によって施与される、請求の範囲１から５までのい
    ずれか１項記載の層系の製造法。
  14. 【請求項１４】自動車の場合の酸素、一酸化炭素、窒素
    酸化物または炭化水素のための排ガスセンサにおける請
    求の範囲１から９までのいずれか１項記載の層系の使
    用。
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