JP2001281214A - ガスセンサ及びそれを用いたセンサユニット - Google Patents

ガスセンサ及びそれを用いたセンサユニット

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JP2001281214A
JP2001281214A JP2000090285A JP2000090285A JP2001281214A JP 2001281214 A JP2001281214 A JP 2001281214A JP 2000090285 A JP2000090285 A JP 2000090285A JP 2000090285 A JP2000090285 A JP 2000090285A JP 2001281214 A JP2001281214 A JP 2001281214A
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gas
pressure
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negative electrode
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JP2000090285A
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Hideaki Yagi
秀明 八木
Takehiko Saiki
猛彦 齋木
Keiichi Ichikawa
圭一 市川
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/407Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
    • G01N27/4071Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases using sensor elements of laminated structure

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定気体の圧力を検出可能とするガスセン
サ及びそのガスセンサを用いて測定気圧、測定位置高度
等の情報を出力するセンサユニットを提供する。 【解決手段】 圧力異相関陰電極として、第一陰電極
4’と、それよりも出力酸素ポンプ電流値の圧力依存性
の大きい第二陰電極4とを備え、それら第一陰電極4’
及び第二陰電極4の出力酸素ポンプ電流値の差を圧力情
報として出力する。それぞれの陰電極4’,4からは被
測定気体の酸素濃度及び圧力に依存した出力電流が生成
され、その電流値に基づいて被測定気体の圧力値、酸素
濃度が検出可能となる。これにより、被測定気体の圧力
測定が可能となり、さらに気圧計、高度計等の機能を備
えるユニット構成とすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、ガスセンサ及びそれを
用いたセンサユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被測定気体中の酸素や水蒸気
の濃度を検出するために限界電流式ガスセンサが使用さ
れている。限界電流式ガスセンサは、酸素イオン伝導性
固体電解質上に多孔質電極で構成された陰電極と陽電極
とを設けるとともに、陰電極に対しては小孔をあけた覆
いや多孔質体等で構成された拡散律速部(拡散規制部)
を設け、それによって被測定雰囲気から陰電極へ向かう
気体の拡散を規制するようにした構成を有する。例え
ば、被測定雰囲気中の気体に酸素が含まれている場合、
該酸素は拡散律速部を通って陰電極に到達する。ここ
で、陰電極と陽電極との間に適当なレベルの電圧を印加
しておけば、陰電極上で解離された酸素が酸素イオンと
なって固体電解質中を陽電極に向けて流れるが、この時
の電流値(いわゆるポンプ電流値)は拡散律速部を通過
する酸素の拡散速度が律速となってある値(すなわち限
界電流値)に飽和する。そして、この限界電流値が気体
中の酸素濃度にほぼ比例することが知られている。
【0003】この場合、測定可能な成分としては分子状
の酸素だけでなく、例えば水(水蒸気)など分子中に酸
素原子を含有しているものであれば、その分子の電気分
解が生ずるレベルまで電極間の印加電圧を高めること
で、同様に限界電流を生じさせることができ、その濃度
を測定することができる。そのため、限界電流式ガスセ
ンサは、酸素濃度測定のみならず、例えばボイラ等の汎
用内燃機関で生ずる排気ガス中の水蒸気濃度(あるいは
分圧)の測定用等にも広く用いられている。しかしなが
ら、このようなセンサを利用して気圧、高度等を測定す
る技術については提供されておらず、それについての示
唆もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、被測定気体の圧力を検出可能とするガスセンサ及
びそのガスセンサを用いて気圧、高度等の情報を出力す
るセンサユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記のよ
うな課題を解決するために本発明は、酸素イオン伝導性
を有する固体電解質により形成された本体素子と、多孔
質金属材料により本体素子上に形成された陰電極及び陽
電極と、被測定雰囲気から陰電極に向けた被測定気体の
拡散を規制する気体拡散規制部とを有し、陰電極と陽電
極との間に所定レベルの電圧を印加した状態で、酸素を
構成元素とする被検出成分を含有した被測定気体を気体
拡散規制部を介して陰電極と接触させることにより被検
出成分の濃度を反映した酸素ポンプ電流が流れるように
なっており、さらに、拡散規制部は、被測定気体の圧力
に応じて酸素ポンプ電流の値が変化するように被測定気
体の拡散を規制するものであり、当該酸素ポンプ電流の
値に基づいて被測定気体の圧力に関する情報を得るよう
にしたことを特徴とするガスセンサを提供する。
【0006】このように、被測定気体の圧力に応じて、
酸素ポンプ電流の値が変化するように被測定気体の拡散
を規制する拡散規制部を設けることで生じる酸素ポンプ
電流値は被測定気体の圧力を反映した情報となり、その
酸素ポンプ電流の値に基づいて被測定気体の圧力に関す
る情報を得ることができる。即ち、酸素ポンプ電流の値
は酸素濃度及び測定圧力の2変数をパラメータとする変
数とみなすことができ、特に、大気のように酸素濃度が
既知の場合(即ち、酸素濃度パラメータを既知定数とみ
なせる場合)、生じる酸素ポンプ電流値は被測定気体の
圧力を反映するものとなるため、その電流値を検出する
ことにより被測定気体の圧力値を得ることができる。
【0007】さらに、本発明は陰電極を複数備えるとと
もに、それら陰電極の2以上のものを圧力異相関陰電極
として、それら圧力異相関陰電極にそれぞれ対応して、
出力される酸素ポンプ電流の圧力依存性が互いに異なる
ものとなるように気体拡散抵抗の調整された気体拡散規
制部を設け、各圧力異相関陰電極から出力される酸素ポ
ンプ電流値に基づいて、被測定気体の圧力情報を得るよ
うにできる。
【0008】これにより、被測定気体の酸素濃度が変動
する場合においても被測定気体の圧力を正確に測定でき
ることとなる。即ち、圧力異相関陰電極が2以上備えら
れるため、被測定気体における酸素濃度及び測定圧力の
2未知数をパラメータとする出力値が2以上得られるこ
ととなり、酸素濃度が未知の場合においても圧力値を得
ることができる。
【0009】具体的には、例えば、前記各圧力異相関陰
電極として、第一陰電極と、それよりも出力酸素ポンプ
電流値の圧力依存性の大きい第二陰電極とを含み、それ
ら第一陰電極及び第二陰電極の出力酸素ポンプ電流値の
差を前記圧力情報として出力するようにできる。そし
て、前記気体拡散規制部を、自身に形成される通気孔に
より前記被測定気体を前記陰電極に導くように形成し、
当該通気孔の口径に応じて前記被測定気体に対する拡散
能が調整されるようにできる。
【0010】通気孔の口径がガス分子の平均自由行路よ
りも十分に大きな孔であればガスの拡散は自由拡散が支
配的となりガス圧力への依存が極めて小さい拡散とな
る。一方、通気孔の口径がガス分子の平均自由行路より
も十分小さい孔の大きさであれば孔内はクヌーセン拡散
が支配的となり、ガスの圧力に大きく依存した出力が得
られることとなる。その場合、口径ごとに圧力に対する
依存度が異なり、各口径に対応して固有の拡散能を有す
ることとなる。そして、上記構成のように、第一陰電極
及び第二陰電極にそれぞれ対応して備えられる気体拡散
規制部において通気孔の口径を個々に調整することで互
いの拡散能が相違した状態にセッティングでき、それぞ
れの拡散能に応じた電流値を得ることで酸素濃度及び圧
力をパラメータとする酸素ポンプ電流値を複数得ること
ができる。従って、得られた複数の電流値に基づいてパ
ラメータ値(即ち酸素濃度値、及び圧力値)を決定でき
る。
【0011】さらに本発明は、上記記載の圧力センサを
備え、該圧力センサにて生成される前記圧力に関する情
報に基づいて、気圧及び/又は高度に関する情報を生成
・出力することを特徴とするセンサユニットをも提供す
る。これにより、気圧計、高度計等の機能を有するユニ
ット構成とすることができ、種々の用途に使用できるこ
ととなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に示す
実施例を参照しつつ説明する。図1は、本発明のガスセ
ンサ(以下、単にセンサともいう)の一例の外観を示す
斜視図であり、図2はそのA−A断面を示す断面図であ
る。該センサ1は、板状に形成された本体素子2、その
本体素子2上に形成された陰電極4及び陽電極5、それ
ら陰電極4及び陽電極5に通電するための陰電極リード
部4a及び陽電極リード部5a、陰電極リード部4aか
ら分岐して設けられた気体導入部6、本体素子2上に積
層されて上記陰電極4、陽電極5、リード部4a,5a
及び気体導入部6を覆う板状の気体遮断部3、及び本体
素子2に対し気体遮断部3とは反対側から積層された板
状のヒータ素子8等を備えている。
【0013】本体素子2は酸素イオン伝導性を有する固
体電解質により構成されている。そのような固体電解質
としては、Y2O3ないしCaOを固溶させたZrO2
が代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属
ないし希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体を使用
してもよい。また、ベースとなるZrO2にはHfO2
が含有されていてもよい。本実施例では、本体素子2
は、例えば厚さ0.15mm、幅5mm、長さ23mmの板状
に形成されているものとする。一方、気体遮断部3も同
様の固体電解質により本体素子2と同幅及び同長さに形
成され、本体素子2と焼成により一体化されて一体積層
体が構成された検出部10を示している。ここで、検出
部10の全厚は、本実施例ではおよそ0.3mmとされて
いる。なお、図3に示すように、該気体遮断部3は、気
体透過性を有さないものであれば本体素子2とは別材質
のセラミックスで構成してもよく、例えばAl2O3等
で構成することができる。
【0014】次に、陰電極4及び陽電極5はそれぞれP
t又はPt合金の多孔質体(以下、Pt多孔質体とい
う)により構成され、本体素子2の板面の長手方向にお
ける一方の端部側において、その幅方向に互いに隣接し
て配置されている。これら電極4及び5は、本実施例で
は厚さ約20μm、幅約1mm、長さ約3mmの長方形状に
形成されているものとする。一方、陰電極リード部4a
と陽電極リード部5aとは、Pt多孔質体によりそれぞ
れ上記電極4,5よりも幅が細い帯状に形成され、一端
側が陰電極4及び陽電極5に接続している。また、それ
らの他端側は、本体素子2の幅方向両縁部に沿ってそれ
ぞれ延び、その末端部には少し広幅の端子接続部4b,
5bが形成されている。そして、ここに白金線等で形成
された端子部4c及び5cの各一端部が、本体素子2と
気体遮断部3との間に挟み付けられた形で接続され、そ
れぞれその他端側を検出部10の端面から突出させてい
る。なお、陽電極5は、Pd又はPd合金の多孔質体
(以下、Pd多孔質体という)で構成してもよい。
【0015】次に、陰電極リード部4aの中間部からは
Pt多孔質体(あるいはPd多孔質体)で構成された帯
状の分岐部6が側方に分岐する形で形成されており、そ
の末端は検出部10の側面に露出している。そして、こ
の分岐部6は陰電極リード部4aとともに、上記露出す
る末端を気体導入部として自身に形成された通気孔によ
り被測定気体をその拡散を規制しつつ陰電極4まで導く
気体拡散規制部(あるいは拡散律速部)9を構成してい
る。
【0016】一方、気体遮断部3には、陽電極5に対応
する位置において該陽電極5と外部とを連通させるガス
出口穴7が形成されている。なおガス出口穴7は、陽電
極5と外部とを連通させ、気体導入部よりも大きいもの
であれば、その断面形状は特に限定されない。
【0017】また、図4に示すように、ヒータ素子8
は、Al2O3等で構成された板状のセラミック基体2
1に対し、本体素子2の陰電極4及び陽電極5に対応す
る部分に、Pt等で構成された線状の抵抗発熱部20が
埋設され、リード部22,22と、それらの末端部に接
続された端子部13及び14により通電加熱され、本体
素子2の陰電極4及び陽電極5に対応する部分のみを、
所定のセンサ作動温度まで局部的に加熱する役割を果た
す。なお、該ヒータ素子8とこれに積層された前述の検
出部10とからなる本実施例のセンサ1には、その板面
中央においてそれらを積層方向に貫通する通気孔15が
形成されている。
【0018】上述のようなセンサ1は、例えば次のよう
にして製造することができる。まず、ヒータ素子8は、
焼成後に通気孔15となる穴を開けたAl2O3粉末の
グリーンシートの上面に、Ptペーストを用いて抵抗発
熱部20及びリード部22,22となるパターンを印刷
形成し、そのリード部パターンの末端に端子部13,1
4となる白金線をのせた後、同様のグリーンシートを積
層し、これを焼成・一体化する。一方、検出部10は、
固体電解質のグリーンシート上に陰電極4及び陽電極5
となるパターンをPt又はPt合金粉末のペーストによ
り印刷形成し、さらにそれらのリード部4a,5bのパ
ターンをPt粉末ペーストを用いて印刷形成する。そし
て、それらリード部のパターンの端部に端子部4c,5
cとなる白金線をのせた後、その上に別の固体電解質の
グリーンシートを積層し、約1500℃でこれを焼成・
一体化する。こうして得られたヒータ素子8と検出部1
0とを封着ガラスあるいは無機系接着剤等を用いて互い
に接合することにより、図1に示すセンサ1が得られ
る。
【0019】そして、多孔質体にて形成される気体拡散
規制部9の孔部口径を100Å以上1μm以下とするこ
とで気体拡散規制部9において被測定気体の圧力に依存
した拡散(クヌーセン拡散)を生じさせることができ、
これにより陰電極4は酸素濃度及び圧力をパラメータと
する電流値が生成されることとなる。特に、大気のよう
に酸素濃度が既知の場合(即ち、酸素濃度パラメータを
既知定数とみなせる場合)、生じる酸素ポンプ電流値は
被測定気体の圧力とほぼ一対一に対応付けることができ
るため、その電流値を検出することにより被測定気体の
圧力値を得ることができる。なお、100Å未満である
と拡散の低下により圧力変動等に対する応答性が悪くな
る。また口径が1μm以上であると自由拡散が生じ易く
なり拡散の圧力依存が低減するため、生成される電流値
と気圧との有効な相関を得にくくなる。
【0020】そして、気体拡散規制部9による拡散規制
は、一定酸素濃度環境下にて測定した場合、被測定雰囲
気がゲージ圧において−60KPa〜0KPaの範囲に
て変化したとき、ゲージ圧0KPaのときの酸素濃度値
に対する検出酸素濃度の変化が10%以上となるように
規制されることが望ましい。このようにすると、圧力変
化に対するセンサの応答量(即ち変化電流量)が大きく
なるため測定誤差を軽微なものとでき、より正確な圧力
値が得られることとなる。なお、本実施例においては通
気孔の口径を調整することで上記酸素濃度変化が10%
以上となるように拡散規制を行うことができる。
【0021】また、図5に示されるような検出部10’
を備えるようにしてもよい。なお、図5は図1とほぼ同
様の構成とされるが、図1との相違点について以下に説
明する。検出部10’は、図1のガスセンサとは異なる
拡散能となるように気体拡散規制部9’が形成されてい
る。図5(b)のB−B断面図に示されるように、気体
拡散規制部9’には被測定気体が自由拡散状態にて導入
されるように口径が調整されて気体導入部6’としての
通気孔11が形成されている。そして、通気孔11は気
体遮断部3を貫通するとともに被測定気体を陰電極4’
へ誘導するように形成される。通気孔11の口径は3μ
m以上3000μm以下の範囲にて形成できる。この範
囲に形成すると、気体拡散規制部9’において被測定気
体の圧力依存の小さい拡散規制(圧力依存を無視できる
拡散)となり、検出される酸素ポンプ電流値は酸素濃度
とほぼ一対一に対応したものとみなすことができる。な
お、3μm未満であると、被測定気体の圧力に依存して
拡散が変化するようになり、圧力を無視できなくなる。
また、3000μmより大きくなると限界電流式センサ
としての機能が失われ、酸素濃度に依存したポンプ電流
値が得にくくなる。
【0022】そして、図1及び図5に示されるような検
出部10及び10’を共に設け、図6に示されるような
センサ構成を採ることができる。即ち陰電極を複数備え
るとともに、それら陰電極の2以上のものを圧力異相関
陰電極として、それら圧力異相関陰電極にそれぞれ対応
して、出力される酸素ポンプ電流の圧力依存性が互いに
異なるものとなるように気体拡散抵抗の調整された気体
拡散規制部9,9’が設けられている。そして、各圧力
異相関陰電極から出力される酸素ポンプ電流値に基づい
て、被測定気体の圧力情報を生成する。
【0023】具体的には、各圧力異相関陰電極として、
第一陰電極4’と、それよりも出力酸素ポンプ電流値の
圧力依存性の大きい第二陰電極4とを含み、例えばそれ
ら第一陰電極4’及び第二陰電極4の出力酸素ポンプ電
流値の差を圧力情報として出力する構成とできる。これ
により、被測定気体の酸素濃度が変動する場合において
も被測定気体の圧力を正確に測定できることとなる。即
ち、圧力異相関陰電極が2以上備えられるため、被測定
気体における酸素濃度及び測定圧力の2未知数をパラメ
ータとする出力値が2以上得られることとなり、酸素濃
度が未知の場合においてもそれら出力値に基づいて圧力
値を得ることができる。
【0024】なお、各圧力異相関陰電極から出力される
酸素ポンプ電流値に基づいて、被測定気体の圧力情報と
ともに、該被測定気体の酸素濃度情報を生成するように
できる。例えば図5のような圧力依存の少ない第一陰電
極の出力酸素ポンプ電流値を被測定気体の酸素濃度情報
として出力するようにできる。これにより、酸素濃度情
報と圧力情報を併せて生成できることとなり有用性が増
す。なお、酸素濃度検出用に使用する検出部は(本実施
例では第一陰電極4’を有する検出部10’)一定酸素
濃度環境下にて測定した場合、被測定雰囲気がゲージ圧
において−60KPa〜0KPaの範囲にて変化したと
き、ゲージ圧0KPaのときの値に対する酸素濃度変化
が5%以内に収まっているものを使用するのが望ましい
(更に望ましくは2%以内に収まっているものが望まし
い)。
【0025】なお、本発明のガスセンサは、図8に示す
ように、陰電極4と陽電極5とを板状の本体素子2の両
面に振り分けて形成してもよい。なお、第一陰電極4’
を有する検出部10’においては、気体拡散規制部9’
が、気体導入部6’となる小孔(通気孔11)を開けた
覆いで構成されている。他方の第二陰電極4を有する検
出部10側においては気体導入部6として多孔質体12
が備えられ、被測定気体はその多孔質体12を介して第
二陰電極4側に導入されることとなる。なお、多孔質体
12の口径は十分な圧力依存を受ける範囲(即ち、図1
における気体拡散制御部9の口径と同範囲)とすること
が望ましい。
【0026】上記センサ1の基本的な動作は以下の通り
である。まず、例えば図1に示されるようなセンサ1を
被測定雰囲気中に配置し、ヒータ素子8に通電して本体
素子2を所定の作動温度(活性化温度:例えば500
℃)まで加熱する。被測定雰囲気中の気体(被測定気
体)は、図1の気体拡散規制部9を通ってその拡散が規
制されつつ陰電極4に導かれる。この状態で陽電極5と
陰電極4との間に所定レベルの電圧Vを印加すると、P
t多孔質体で構成された陰電極4においてその気孔に保
持された酸素が解離され、その解離された酸素が陰電極
4から陽電極5に向けて本体素子2の内部をポンピング
されることにより、被測定気体中の酸素濃度に応じたポ
ンプ電流を生ずる。このとき、本体素子2は、陰電極4
の近傍のみが局所加熱され、気体拡散規制部9に対応す
る部分は酸素イオン伝電性を示す程には加熱されないた
め、ポンピングの進行に伴い新たな気体が気体拡散規制
部9を通って陰電極4に供給される。このとき、気体拡
散規制部9を通過する酸素通過量、即ち陰電極4への供
給酸素量は被測定気体の圧力の影響を受けたものとな
り、上記したように圧力に依存した酸素ポンプ電流が生
成されることとなる。
【0027】また、本発明は以下のようなシステム構成
を有するセンサユニットとしてもよい。以下、図1のセ
ンサ1を使用したセンサシステムのいくつかの構成例
と、その作動について説明する。図7は、センサシステ
ムの一例の電気的構成を示すブロック図である。すなわ
ち、該センサシステム50は、検出部10を備えるセン
サ1(図1参照)と、マイクロプロセッサ51と、それ
らセンサ1とマイクロプロセッサ51とを接続する周辺
回路50aとから構成されている。
【0028】センサ1(図1)の陽電極5には電源とし
てのオペアンプ61が接続されている。該オペアンプ6
1には、D/A変換器60を介してマイクロプロセッサ
からの指示電圧が入力され、その指示電圧値に応じた電
圧を陽電極5)に印加する働きをなす。一方、センサ1
の陰電極4は電流検出用の抵抗器64を介して接地され
ている。そして、抵抗器64の両端電圧は、周辺の抵抗
器66〜69とともに差動増幅器を構成するオペアンプ
65に入力され、その出力がセンサ1に流れるポンプ電
流情報として、A/D変換器70を介してマイクロプロ
セッサ51に入力されるようになっている。なお、セン
サ1のヒータ素子8は、図示しないヒータ電源に通電制
御回路を介して接続され、前述の本体素子2がセンサ作
動温度となるようにその発熱が、例えばPWM(Pulse
Width Modulation)制御方式等により制御される。
【0029】次に、マイクロプロセッサ51は、周辺回
路50aとの間の出入力インターフェースとなるI/O
ポート52と、これに接続されたCPU53、RAM5
4、ROM55等により構成されている。そのRAM5
4には、CPU53のワークエリア54aと、後述する
処理において取り込まれる各種測定値のデータ、あるい
は後述する制御処理の過程で生ずる各種測定値を格納す
るための測定値メモリ54bが形成されている。また、
ROM55には、センサシステム50の被検出成分の出
力値決定の演算とその出力制御を司る制御プログラムを
記憶するための制御プログラム記憶部55aと、該制御
プログラム55aが使用する参照情報を記憶するための
参照情報記憶部55b(内容については後述する)が形
成されている。そして、CPU53は、上記制御プログ
ラムに基づいて酸素濃度決定手段、圧力決定手段及び酸
素濃度及び圧力情報出力制御手段の主体として機能する
こととなる。
【0030】また、I/Oポート52には、7セグメン
トLEDや液晶ディスプレイ等で構成された被測定気体
の圧力に関する情報(例えば、気圧、高度等)を表示す
る圧力表示部80及び被測定気体の測定酸素濃度に関す
る情報(例えば、酸素濃度値等)を表示する酸素濃度表
示部81が、それぞれ表示制御回路82及び83を介し
て接続されている。
【0031】以下、センサシステム50の作動につい
て、マイクロプロセッサ51のCPU53による処理の
流れを主体として説明する。まず、図1等に示されるセ
ンサ1を被測定雰囲気中に配置し、ヒータ素子8に通電
してこれを作動温度まで加熱する。そして、センサ1の
両電極4,5に印加する電圧レベルを、所定の電圧値に
設定する。この時のポンプ電流値Iは、第一の限界電流
値として被測定雰囲気中の酸素濃度及び被測定雰囲気の
圧力に対応するものとなる。仮に、酸素濃度が一定であ
る環境下にて使用する場合(例えば、大気中にて使用す
る場合)には、電流出力値は圧力に対応するものとなる
ため電流値が判明すれば、参照情報記憶部55bに格納
される電流―電圧テーブル208(図9参照)を参照す
ることにより圧力値を得ることができる。テーブル20
8には定酸素濃度環境下におけるポンプ電流値と圧力値
の対応付けがなされるように構成できる。例えば、大気
中での使用を想定するような場合、該大気の酸素濃度に
おけるポンプ電流値と圧力値の対応付けがなされるよう
にテーブル208を構成すれば検出される電流値に対応
して圧力値が得られる。従って、酸素濃度が変化しない
環境下においては複雑な構成を採らずに圧力測定が可能
となり、例えば高度計等において有用なセンサとなる。
【0032】また、図6のような2以上の検出部を備え
たセンサ構成を採る場合には、検出部10からの入力情
報に加え、検出部10’からの入力情報も併せて参照す
ることとなる。図7のように検出部10’は周辺回路5
0bが接続されてI/Oポート52に接続される。周辺
回路50bは周辺回路50aと同様な構成を採ることが
でき、検出部10’に生成される酸素ポンプ電流値を検
出可能な構成となっている。
【0033】そして、検出部10,10’にて生成され
る酸素ポンプ電流に関する情報はそれぞれI/Oポート
52に入力され、それら情報に基づいて所定の演算処理
を施し、被測定気体の圧力に関する情報を得ることとな
る。
【0034】検出部10,10’にて検出された、即ち
第二陰電極4及び第一陰電極4’における酸素ポンプ電
流I,I’に基づき、図10に示されるような参照情報
記憶部55bに記憶されるテーブル210を参照する。
図10(a)及び(b)は各陰電極の生成電流に対応し
た形で各陰電極に導入される酸素濃度が得られるテーブ
ル構成が採られている。例えば、第一陰電極4’におけ
る酸素ポンプ電流が被測定気体の圧力依存を受けないも
のとみなせる場合、第一陰電極4’における電流値と被
測定気体の酸素濃度とは一対一に対応するものとみなす
ことができ、図10(a)に示されるテーブル210に
その対応データが格納される構成とできる。従って、第
一陰電極のポンプ電流値I’が定まれば被測定気体の酸
素濃度値COの値を得ることができる。即ち、第一陰電
極4’の出力酸素ポンプ電流値を被測定気体の酸素濃度
情報として出力することのできる構成となるのである。
【0035】また、圧力依存の大きい第二陰電極4にて
生成される電流値Iは、被測定気体の圧力に依存した酸
素濃度値を示したものであり、図10(b)のテーブル
212にて第二陰電極4にて検出される酸素濃度値を得
ることができる。
【0036】図10(c)には各異相関陰電極にて得ら
れた酸素濃度値に基づいて圧力を算出するテーブル例に
ついて示している。このテーブル214においては被測
定気体の検出酸素濃度と、第一陰電極及び第二陰電極の
酸素濃度差とに基づいて被測定気体の圧力値を算出する
構成となっている。例えば、上記したように、第一陰電
極4’にて酸素濃度測定が可能な場合(例えば、上記し
たように第一陰電極4’において被測定気体の圧力を無
視できる場合)、第一陰電極4’における検出酸素濃度
COを被測定気体の酸素濃度とし、第二陰電極4によ
る検出酸素濃度COとの差ΔCO(ΔCO=CO
CO)と上記COに基づいて被測定気体の圧力Pを
得るように構成できる。なお、図10(d)に示される
ように、第一陰電極4’におけるポンプ電流I’と、第
一及び第二陰電極における電流差ΔI(ΔI=I’−
I)とに基づいて圧力Pを得るようにテーブルを組むこ
ともできる。
【0037】また、図11に示されるようなテーブル構
成を採ることもできる。図11(a)のテーブル220
には第一陰電極にて生成されるポンプ電流値I’と、そ
のパラメータとなる被測定気体の酸素濃度CO及び圧力
Pとの対応関係がテーブル化されており、図11(b)
のテーブル222には、それと同様に第二陰電極にて生
成されるポンプ電流Iと被測定気体の酸素濃度CO及び
圧力Pとの対応関係がテーブル化されている。これらテ
ーブル220,222により電流値I’及びIを共に満
たす酸素濃度CO及び圧力Pの値をそれぞれ求めるよう
にできる。その手法としては例えば、図11(a)に示
されるテーブル220を検索して電流値I’を満たすC
O及びPの組み合わせを選出し、その選出されたCO及
びPの組み合わせにおけるIの値について図11(b)
のテーブル222を参照する。そして、検出された第二
陰電極のポンプ電流値Iと同一のIの値を有する、或い
はIに最も近い電流値を示すようなCO,Pの組み合わ
せをそれぞれ被測定気体の測定値として決定するような
演算手法を採ることができる。なお、図9ないし図11
に示されるテーブルはいずれも図7の参照情報記憶部5
5bに格納して備えることができる。
【0038】いずれにしても、算出された圧力に関する
情報及び酸素濃度に関する情報を、それぞれ図7の表示
制御回路82,83を介して圧力表示部80及び酸素濃
度表示部81にそれぞれ出力することができる。なお、
本実施例では表示部80,81にて圧力、及び酸素濃度
を表示する形態としているがこれに限定されず、例え
ば、測定された圧力に関する情報及び酸素濃度に関する
情報をI/Oポート52より信号として出力するように
してもよい。この出力形態は種々のものとでき、例えば
デジタル信号として、或いはD/A変換を介してアナロ
グ信号として他の種々の装置に送信するようにできる。
【0039】また、図12のセンサ100は、図1のセ
ンサ1の変形例を示している。センサ1との共通部分に
は共通の符号を付してその相違点についてのみ説明す
る。該センサ100においては、2組の陰電極4,4’
が陽電極5を共有する形で設けられており、一方(4)
が第二陰電極、他方(4’)が第一陰電極とされてい
る。本実施例では、本体素子2の幅方向中央に陽電極5
が配置され、陰電極4,4’は該幅方向において陽電極
5の両側に隣接して配置されている。また、陰電極リー
ド部、気体導入部及び端子等も、それぞれ4a,4
a’、6,6’、4c,4c’の2組ずつが設けられて
いる。なお、本構成においては図1の通気孔15は形成
されていない。そして、図5の場合と同様に、気体拡散
規制部9’には被測定気体が自由拡散状態にて導入され
るように口径が調整されて気体導入部6’としての通気
孔11が形成されている。そして、通気孔11は気体遮
断部3を貫通するとともに被測定気体を陰電極4へ誘導
するように形成される。そして、図5と同様に通気孔1
1の口径は3μm以上3000μm以下の範囲にて形成
できる。
【0040】また、図13に示されるような構成にして
もよい。この構成では、図11のセンサと同様に陽電極
5を共有する形で設けられている。さらに、第一及び第
二陰電極4’,4がそれぞれ多孔質材料にて形成される
とともにセンサの側壁から露出した形態とされ、その露
出部より被測定気体を自身の内部に導入可能としてい
る。そして、互いに多孔質体の孔のサイズが異なるもの
を使用することによりそれぞれの拡散能が異なるように
されている。つまり、各陰電極4’,4は自身によって
気体拡散を規制し、気体拡散規制部を兼ねることとな
る。
【0041】図14は、上記した陽極共有型センサを用
いたセンサシステムの一例を示すブロック図である。以
下、該システム200について、図7のシステム50と
の共通部分には共通の符号を付し、その相違点について
説明する。すなわち、周辺回路50cにおいて、センサ
100の陽電極5は定電圧電源101の正極に接続され
る一方、陰電極4’及び4は、同じく定電圧電源101
の接地された負極に対し、可変抵抗器102,104
(固定抵抗器としてもよい)と電流検出用の抵抗器10
3,105を介して接続されている。
【0042】そして、陽電極5と第一陰電極4’との間
に流れるポンプ電流値I’は、抵抗器103の両端の電
圧差の形で、周辺の抵抗器107〜110とともに差動
増幅器を構成するオペアンプ106に入力され、その出
力電圧が検出信号としてA/D変換器120を介してマ
イクロプロセッサ51に入力される。一方、陽電極5と
第二陰電極4との間に流れるポンプ電流値Iは、抵抗器
105の両端の電圧差の形で、抵抗器112〜115と
ともに差動増幅器を構成するオペアンプ111に入力さ
れる。そして、抵抗器122〜125とともに差動増幅
器を構成するオペアンプ121は、上記オペアンプ11
1の出力電圧とオペアンプ106の出力電圧との差を前
述のΔIの検出出力として出力し、これがA/D変換器
126を介してマイクロプロセッサ51に入力される。
なお、オペアンプ111からの出力電圧値については、
オペアンプ121への入力とは別に、A/D変換を介し
て直接マイクロプロセッサに入力するようにしてもよい
(即ち、第二陰電極4にて生成されるポンプ電流に関す
る情報を独立してマイクロプロセッサに入力するように
できる)。
【0043】そして、マイクロプロセッサ51は、オペ
アンプ106からのポンプ電流値I’の情報に基づい
て、図9のテーブルにて酸素濃度を決定でき、更にオペ
アンプ121からの情報(即ちΔI:ΔI=I’−I)
に基づいて図10(d)のテーブルにて被測定気体の圧
力Pを決定できる。なお、上記したような独立して入力
される第二陰電極のポンプ電流Iと第一陰電極のポンプ
電流I’とに基づき、図9ないし図11に示されるよう
なテーブルにて圧力を決定することもできる。この決定
手法等については上述の手法と同様とできる。その他、
決定した酸素濃度、圧力に関する情報の出力手法につい
ても上述したもの同様とできる。また、上記システムに
て算出された被測定気体の圧力情報を、当該測定位置に
おける高度情報として、或いは気圧情報として出力する
ようにすれば高度計、気圧計としての機能が付されるセ
ンサユニットとなる。また、被測定気体の圧力情報が判
明していれば、その圧力情報と大気の酸素濃度情報に基
づき公知の換算式を利用して容易に高度値に変換でき
る。なお、このような変換可能とする圧力−高度変換テ
ーブルを別途設けるようにしてもよい。
【0044】(実施例1)以下の方法にて図8に示され
る形状を有するセンサを得た。ジルコニア(ZrO
に安定化として10モル%のイットリア(Y)を
固溶させた粉末に樹脂(本実施例ではアクリル樹脂)を
5%程混ぜ、粉末プレスが可能な粉末に造粒した。ここ
でできた粉末をプレス機にかけプレス成形し、厚さ0.
8mm、直径7mm程度の本体素子2(図8)を成形す
るとともに本体素子の上下にPt電極を印刷し、これを
大気中で約1500℃にて2時間焼成した。そして、ア
ルミナに樹脂(本実施例ではアクリル樹脂)を混ぜた材
料をプレス成形して中心に直径50μmの孔を形成し、
焼成したハウジング(気体遮断部3:図8参照)を用意
した。このハウジングの上部にはセンサを500℃に暖
めるためのヒータを形成しておき、このハウジングを上
記Pt電極が備えられた本体素子2上にガラス封止剤等
を用いて接着することで、図8に示されるような構造と
した。以下の説明においてこれをセンサAとする。
【0045】もう一方のセンサ(これをセンサBとす
る)は、上記したハウジング(気体遮断部3)の孔に、
平均粒径0.3μmのアルミナ粉末と少量のガラスを加
え焼成した多孔質体12を設けた。この多孔質12の孔
寸法を走査電子顕微鏡にて確認したところ3000〜6
000Åであった。そして、これらのセンサA,Bに直
流にて電圧0.8Vを印加した。図15に示されるよう
に、酸素濃度(No体積%))とセンサの出力電流
(A)の関係は−ln(1−No/100)に対し直
線的に変化することが判明した。なお、図15において
は縦軸に酸素ポンプ電流値(μA)、横軸に−ln(1
−No/100)の値(−)について示している。
【0046】次に、このガスセンサを酸素濃度一定の条
件下(大気圧:No:21体積%)での圧力依存を調
べた。センサAは図16のグラフにて示されるように圧
力変化に対しあまり影響を受けていなかった。しかし、
センサBの方の特性は、図17に示すように圧力依存が
大きくなることがわかった。この主たる要因は、前者の
気体拡散は、拡散孔(通気孔6’:図8参照)が大きく
分子拡散が支配的であり、後者は拡散孔(通気孔6:図
8)が小さく、酸素分子の拡散が影響を受けるクヌーセ
ン拡散が支配的となっており圧力依存が出ているものと
推定される。
【0047】図18は、上記した圧力異相関陰電極(陰
電極4,4’:図8等参照)を有する2つのガスセンサ
(センサA,B)において出力電流値に基づく検出酸素
濃度差と被測定気体の圧力との関係についてグラフにて
示している。このように、定酸素濃度環境下のガスセン
サA,Bにおいて、被測定気体の圧力増加に対してセン
サA,Bの出力電流値の差はほぼ単調に減少しており、
出力電流値の差から被測定気体の圧力値が得られること
が確認された。
【0048】(実施例2)次に、図13のような形状を
有する、即ち陽極共有型形状のガスセンサについての実
施例を示す。ジルコニア(ZrO)に安定化として1
0モル%のイットリア(Y)を固溶させた粉末に
例えばアクリル樹脂などを8%程混ぜ、溶剤を足した泥
しょうをドクターブレードにかけ0.8mmのシート成
形し、5mm角にカットした物を本体素子(図13参
照)として2枚用意する。1枚のシート状にPt電極パ
ターンとして2つの多孔質構造の異なる陰極と共通の陽
極電極を印刷する。これらの陰電極4,4’は多孔質構
造にて形成し、両陰電極4,4’は陰電極と気体拡散制
御部とをそれぞれ兼ねた構成とした。図13のごとく一
方の検出部の陰電極4及び陽電極5は、Pt粉末だけを
印刷した。なお、陰電極における孔寸法は上記同様に3
000〜6000Åとした。もう一方の陰電極4’には
Pt粉末に平均粒径が数μm(粒径1μm〜10μm)
であるアルミナ又はジルコニアを10重量%程度混合し
たものを印刷した。陰電極4’における多孔質体の孔寸
法は5μmであった。この電極が印刷されたシート(本
体素子2)の裏側には、センサを暖めるため、Pt電極
でヒータパターンを印刷しヒータ8とした。
【0049】これに、もう一枚のジルコニアシート(本
体素子2)を3つの電極(陰、陽電極)がある面に重ね
合わせ、1500℃にて2時間焼成することにより図1
3に示されるようなガスセンサを得た(これをセンサC
する)。即ち、この一体型ガスセンサ(センサC)は2
つの陰電極4,4’を設け、気体拡散規制部における拡
散能が大きく異なるように形成し、さらに陽電極5を共
通化して構成したのである。そして、個々の陰電極に電
圧をかけて各陰電極4,4’より酸素ポンプ電流を得る
とともに、各陰電極からの出力電流値(酸素ポンプ電流
値)と被測定気体の圧力との関係を得た。実施例1と同
様に、孔寸法が大きい陰電極4’側(即ちアルミナ又は
ジルコニアを混合した方)は図16のごとく圧力依存が
ほとんど生じず、他方の陰電極4における酸素ポンプ電
流値は図17のごとく圧力依存が大きくなることが判明
した。なお、図16及び図17は縦軸に出力電流の酸素
濃度換算値(体積%)を、横軸にゲージ圧(kPa)を
示している。上記実施例の結果、図8及び図13等のセ
ンサ構成を採ることにより、被測定気体の圧力測定が可
能となることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサの一例を示す斜視図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明のガスセンサの第一の変形例を示す断面
図。
【図4】図1のセンサに使用されるヒータの部分切欠き
斜視図。
【図5】第一陰電極側の検出部例を示す斜視図及び断面
図。
【図6】本発明のガスセンサのシステム構成例を簡易的
に示すブロック図。
【図7】図6のシステムの電気的構成例を詳細に説明す
るブロック図。
【図8】本発明のガスセンサの第二の変形例を示す断面
図。
【図9】圧力参照テーブルの一例を示す説明図。
【図10】圧力参照テーブルの別例1を示す説明図。
【図11】圧力参照テーブルの別例2を示す説明図。
【図12】本発明のガスセンサの第三の変形例を示す断
面図。
【図13】本発明のガスセンサの第四の変形例を示す断
面図。
【図14】図12又は図13のセンサを用いたセンサシ
ステムの電気的構成の一例を示すブロック図。
【図15】酸素濃度と酸素ポンプ電流の関係を示すグラ
フ。
【図16】第一陰電極における出力電流酸素濃度換算値
と被測定気体ゲージ圧の関係を示すグラフ。
【図17】第二陰電極における出力電流酸素濃度換算値
と被測定気体ゲージ圧の関係を示すグラフ。
【図18】第一及び第二陰電極における出力電流酸素濃
度換算値差と被測定気体ゲージ圧の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1,100 センサ (ガスセンサ) 2 本体素子 3 気体遮断部 4 陰電極 (第二陰電極) 4’ 陰電極 (第一陰電極) 5 陽電極 6,6’ 気体導入部 8 ヒータ 9,9’ 気体拡散規制部 10,10’ 検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 圭一 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CA04 CC11 CH05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性を有する固体電解質に
    より形成された本体素子と、 多孔質金属材料により前記本体素子上に形成された陰電
    極及び陽電極と、 被測定雰囲気から前記陰電極に向けた被測定気体の拡散
    を規制する気体拡散規制部とを有し、 前記陰電極と前記陽電極との間に所定レベルの電圧を印
    加した状態で、酸素を構成元素とする被検出成分を含有
    した被測定気体を前記気体拡散規制部を介して前記陰電
    極と接触させることにより前記被検出成分の濃度を反映
    した酸素ポンプ電流が流れるようになっており、 さらに、前記拡散規制部は、被測定気体の圧力に応じて
    前記酸素ポンプ電流の値が変化するように前記被測定気
    体の拡散を規制するものであり、当該酸素ポンプ電流の
    値に基づいて被測定気体の圧力に関する情報を得るよう
    にしたことを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記陰電極を複数備えるとともに、それ
    ら陰電極の2以上のものを圧力異相関陰電極として、そ
    れら圧力異相関陰電極にそれぞれ対応して、出力される
    酸素ポンプ電流の圧力依存性が互いに異なるものとなる
    ように気体拡散抵抗の調整された気体拡散規制部を設
    け、各圧力異相関陰電極から出力される酸素ポンプ電流
    値に基づいて、前記被測定気体の圧力情報を生成する請
    求項1記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 各圧力異相関陰電極から出力される酸素
    ポンプ電流値に基づいて、前記被測定気体の圧力情報と
    ともに、該被測定気体の酸素濃度情報を得る請求項2記
    載のガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記各圧力異相関陰電極として、第一陰
    電極と、それよりも出力酸素ポンプ電流値の圧力依存性
    の大きい第二陰電極とを含み、それら第一陰電極及び第
    二陰電極の出力酸素ポンプ電流値の差を前記圧力情報と
    して出力する請求項2又は3に記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記第一陰電極の出力酸素ポンプ電流値
    を前記被測定気体の酸素濃度情報として出力する請求項
    4記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記気体拡散規制部は、自身に形成され
    る通気孔により前記被測定気体を前記陰電極に導くよう
    に形成され、当該通気孔の口径に応じて前記被測定気体
    に対する拡散能が調整されたものである請求項2ないし
    5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記複数の陰電極に対して、前記陽電極
    が共通化されている請求項2ないし6のいずれかに記載
    の圧力センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧
    力センサを備え、該圧力センサの前記圧力に関する情報
    に基づいて、気圧及び/又は高度に関する情報を生成・
    出力することを特徴とするセンサユニット。
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