JP3104875B2 - 昇圧型dc−dcコンバータ - Google Patents

昇圧型dc−dcコンバータ

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JP3104875B2
JP3104875B2 JP11368932A JP36893299A JP3104875B2 JP 3104875 B2 JP3104875 B2 JP 3104875B2 JP 11368932 A JP11368932 A JP 11368932A JP 36893299 A JP36893299 A JP 36893299A JP 3104875 B2 JP3104875 B2 JP 3104875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇圧型DC−DCコン
バータ、特にスイッチング損失を低減できる昇圧型DC
−DCコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スイッチング素子をオン・オフ制御する
ことにより、直流電源の電圧よりも高い定電圧の直流出
力を負荷に供給する昇圧型DC−DCコンバータは従来
から電子機器等の電源回路等に広く使用されている。図
8に示す従来の昇圧型DC−DCコンバータは、直流電
源1と、直流電源1の一端に接続された昇圧用リアクト
ル4と、コレクタ端子(一方の主端子)が昇圧用リアク
トル4に接続されかつエミッタ端子(他方の主端子)が
直流電源1の他端に接続された主スイッチング素子とし
ての主トランジスタ2と、主トランジスタ2と並列に接
続された主還流用整流素子としての主還流用ダイオード
3及び平滑コンデンサ5の直列回路と、平滑コンデンサ
5と並列に接続された負荷6と、主トランジスタ2のベ
ース端子に制御パルス信号を付与する制御回路7とを備
えている。この昇圧型DC−DCコンバータでは、負荷
6の端子電圧の変動に比例して主トランジスタ2のベー
ス端子に付与する制御パルス信号の時間幅を変化させる
ことにより、主トランジスタ2のオン期間を制御し、負
荷6に供給される直流電力の安定化を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8の昇圧
型DC−DCコンバータでは、主トランジスタ2のター
ンオン又はターンオフ時において、図9に示すように主
トランジスタ2のコレクタ−エミッタ間電圧波形VCE
主トランジスタ2のコレクタ電流波形ICとの重複部分
Wが生じ、この重複部分Wに基づく大きなスイッチング
損失が発生する欠点があった。また、主トランジスタ2
のコレクタ−エミッタ間電圧波形VCE及びコレクタ電流
波形ICの立上り時にスパイク状のサージ電圧Vsr、サ
ージ電流Is r及びノイズが発生する欠点があった。
【0004】そこで、本発明はスイッチング損失やサー
ジ電圧及び電流等を低減できる昇圧型DC−DCコンバ
ータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による昇圧型DC
−DCコンバータは、直流電源(1)と、一方の主端子が
直流電源(1)の一端に接続されかつ他方の主端子が直流
電源(1)の他端に接続された主スイッチング素子(2)と、
主スイッチング素子(2)と並列に接続された主還流用整
流素子(3)及び平滑コンデンサ(5)の直列回路と、平滑コ
ンデンサ(5)と並列に接続された負荷(6)とを備え、主ス
イッチング素子(2)をオン・オフ制御することにより直
流電源(1)の電圧よりも高い電圧の直流出力を負荷(6)に
供給する。この昇圧型DC−DCコンバータでは、直流
電源(1)の一端と主スイッチング素子(2)の一方の主端子
との間に挿入された共振用リアクトル(10)と、共振用リ
アクトル(10)及び主スイッチング素子(2)の接続点と主
還流用整流素子(3)及び平滑コンデンサ(5)の直列回路の
接続点との間に接続された第1及び第2の補助還流用整
流素子(11, 12)の直列回路と、第1及び第2の補助還流
用整流素子(11, 12)の直列回路の接続点と主還流用整流
素子(3)及び共振用リアクトル(10)の接続点との間に接
続された共振用コンデンサ(8)と、共振用リアクトル(1
0)及び共振用リアクトル(8)の接続点と主スイッチング
素子(2)の他方の主端子との間に接続された循環電流用
整流素子(13)と、主スイッチング素子(2)の制御端子に
主制御パルス信号を付与する制御回路(7)とを備え、直
流電源(1)と共振用リアクトル(10)との間に直列にかつ
負荷(6)に直列に昇圧用リアクトル(4)を接続する。循環
電流用整流素子(13)と並列に他の共振用コンデンサ(14)
を接続してもよい。
【0006】
【作用】主スイッチング素子(2)がオンになると、昇圧
用リアクトル(4)及び主スイッチング素子(2)に電流が流
れかつ共振用コンデンサ(8)が負荷(6)の端子電圧、即ち
出力電圧まで充電される。この時に主スイッチング素子
(2)をオフ状態に切り替えると、主スイッチング素子(2)
に流れていた電流が直ちに共振用コンデンサ(8)に流れ
る電流に切り替わり、共振用コンデンサ(8)が徐々に放
電される。このとき、主スイッチング素子(2)の両端の
電圧が0Vから緩やかに上昇し、主スイッチング素子
(2)のターンオフ時にゼロ電圧スイッチング(ZVS)
が達成されるので、主スイッチング素子(2)のターンオ
フ時のスイッチング損失を低減することができる。共振
用リアクトル(10)の電流の増加に伴って主還流用整流素
子(3)の電流は直線的に減少して行き、共振用リアクト
ル(10)の電流が昇圧用リアクトル(4)の電流に等しくな
ると、主還流用整流素子(3)はカットオフする。このと
き、主スイッチング素子(2)をオン状態にすると、主ス
イッチング素子(2)の電圧が直ちに0Vまで降下する。
これにより、主スイッチング素子(2)のターンオン時に
おいてゼロ電圧スイッチングが達成されるので、主スイ
ッチング素子(2)のターンオン時のスイッチング損失を
低減することができる。以上により、主スイッチング素
子(2)のオン・オフ動作時のスイッチング損失を低減す
ることができる。また、主スイッチング素子(2)のター
ンオン及びターンオフ時に発生するスパイク状のサージ
電圧及び電流は共振用コンデンサ(8)及び共振用リアク
トル(10)により吸収されるから、主スイッチング素子
(2)のオン・オフ動作時のサージ電圧及び電流を低減す
ることができる。なお、主スイッチング素子(2)と並列
に他の共振用コンデンサ(14)を接続した場合には、主ス
イッチング素子(2)のターンオン時のゼロ電圧スイッチ
ングがより確実になり、更にスイッチング損失を低減す
ることが可能である。
【0007】
【実施例】以下、本発明の関連技術として、補助スイッ
チング素子を備えた昇圧型DC−DCコンバータの例を
図1〜図5について説明し、その後、本発明による昇圧
型DC−DCコンバータの実施例を図6及び図7につい
て説明する。但し、図1、図3、図5及び図6では図8
に示す箇所と同一の部分には同一の符号を付し、その説
明を省略する。本発明の関連技術としての昇圧型DC−
DCコンバータは、図1に示すように、主トランジスタ
2と並列に接続された共振用リアクトル10及び補助ス
イッチング素子としての補助トランジスタ9の直列回路
と、この直列回路の接続点と主還流用ダイオード3及び
平滑コンデンサ4の直列回路の接続点との間に接続され
た第1及び第2の補助還流用ダイオード(補助還流用整
流素子)11、12の直列回路と、第1及び第2の補助
還流用ダイオード11、12の直列回路の接続点と主ト
ランジスタ2のコレクタ端子との間に接続された共振用
コンデンサ8と、主トランジスタ2と並列に接続された
循環電流用ダイオード(循環電流用整流素子)13とを
図8の回路に追加したものである。また、制御回路7は
主トランジスタ2のベース端子(制御端子)に主制御パ
ルス信号を付与する前に補助トランジスタ9のベース端
子に補助制御パルス信号を付与する。図1の昇圧型DC
−DCコンバータでは、主トランジスタ2及び補助トラ
ンジスタ9として接合型パワートランジスタを使用して
いる。
【0008】特に図示はしないが、制御回路7内には、
一定周期の三角波電圧を発生する発振回路部と、基準電
圧に対する負荷6の端子電圧の誤差電圧を演算増幅する
誤差増幅回路部と、誤差増幅回路部の誤差出力電圧及び
発振回路部の三角波電圧を比較する比較回路部と、比較
回路部の出力電圧に比例した時間幅の主制御パルス信号
を発生して主トランジスタ2のベース端子に付与する主
制御パルス発生回路部と、主制御パルス発生回路部の主
制御パルス信号が立ち上がる前に補助トランジスタ9の
ベース端子に付与する一定時間幅の補助制御パルス信号
を発生する補助制御パルス発生回路部とが設けられてい
る。補助制御パルス発生回路部から発生する補助制御パ
ルス信号の時間幅は主トランジスタ2のオフ時間より極
めて小さい。
【0009】上記の構成において、図2(A)に示すよう
にt0以前において主トランジスタ2がオン状態のとき
は、図2(C)に示すように昇圧用リアクトル4及び主ト
ランジスタ2の経路で電流I0が流れている。このと
き、図2(F)に示すように共振用コンデンサ8は図1に
示す極性で負荷6の端子電圧、即ち出力電圧E0まで充
電されている。図2(A)に示すように、t0において制
御回路7から主トランジスタ2のベース端子に付与され
た主制御パルス信号電圧VB1が高レベルから低レベルに
なり、主トランジスタ2がオン状態からオフ状態になる
と、図2(C)及び(D)に示すように主トランジスタ2に
流れていた電流ITR1、即ち昇圧用リアクトル4の電流
0が直ちに共振用コンデンサ8及び第2の補助還流用
ダイオード12の経路で流れる電流IC1に切り替わる。
このとき、図2(F)に示すように共振用コンデンサ8が
徐々に放電して行き、共振用コンデンサ8の両端の電圧
C1が出力電圧E0から直線的に降下して行く。これに
伴って、図2(E)に示すように主トランジスタ2の両端
の電圧VTR1が0Vから直線的に上昇する。このため、
主トランジスタ2のターンオフ時は電圧波形と電流波形
の重なりが少ないゼロ電圧スイッチングとなる。
【0010】図2(F)に示すように、t1において共振
用コンデンサ8の両端の電圧VC1が0Vになると、主還
流用ダイオード3が順バイアスになり、図2(D)及び
(G)に示すように共振用コンデンサ8に流れていた電流
C1に代わって主還流用ダイオード3に流れる
(ID)。また、主トランジスタ2がオフ状態のとき、
昇圧用リアクトル4の電流I0は主還流用ダイオード3
を介して負荷6へ流れている。
【0011】図2(B)に示すように、t2において制御
回路7から補助トランジスタ9のベース端子に付与され
た補助制御パルス信号電圧VB2が低レベルから高レベル
になり、補助トランジスタ9がオン状態になると、主還
流用ダイオード3が導通している期間は共振用リアクト
ル10に出力電圧E0が印加され、図2(H)に示すよう
に共振用リアクトル10に電流IL1が流れ始める。この
電流IL1は0から昇圧用リアクトル4の電流I0に等し
くなるまで直線的に増加する。一方、主還流用ダイオー
ド3に流れていた電流IDは図2(G)に示すように直線
的に減少して行く。したがって、補助トランジスタ9の
ターンオン時においてゼロ電流スイッチング(ZCS)
となる。
【0012】図2(H)に示すように、t3において共振
用リアクトル10の電流IL1が昇圧用リアクトル4の電
流I0に等しくなると主還流用ダイオード3がカットオ
フし、図2(G)に示すように主還流用ダイオード3には
電流が流れなくなる。そして、主還流用ダイオード3の
電流IDが0となるとき、制御回路7は図2(A)に示す
ように主トランジスタ2のベース端子に付与する主制御
パルス信号電圧VB1を低レベルから高レベルにして主ト
ランジスタ2をオフ状態からオン状態にする。このと
き、図2(E)に示すように主トランジスタ2の両端の電
圧VTR1は直ちに0Vまで降下する。したがって、主ト
ランジスタ2のターンオン時においてゼロ電圧スイッチ
ングとなる。
【0013】その後少し遅れて、図2(B)に示すよう
に、t4において制御回路7は補助トランジスタ9のベ
ース端子に付与する補助制御パルス信号電圧VB2を高レ
ベルから低レベルにして補助トランジスタ9をオン状態
からオフ状態にする。このとき、共振用リアクトル10
に蓄積されたエネルギが放出されて共振用リアクトル1
0及び共振用コンデンサ8が共振するので、共振用リア
クトル10の電流IL1は共振用リアクトル10、第1の
補助還流用ダイオード11及び共振用コンデンサ8の経
路で流れる共振電流となる。これにより、共振用コンデ
ンサ8が正弦波形で充電されて行くので、図2(F)に示
すように共振用コンデンサ8の両端の電圧VC1が0Vか
ら正弦波状に上昇して行く。これと共に、図2(D)及び
(H)に示すように共振用コンデンサ8の電流IC1及び共
振用リアクトル10の電流IL1は余弦波状に減少して行
く。また、昇圧用リアクトル4の電流I0は、図2(C)
に示すように主トランジスタ2を通して流れる
(ITR1)。したがって、補助トランジスタ9のターン
オフ時に共振用コンデンサ8が0Vから正弦波状に充電
されて行くため、ゼロ電圧スイッチングとなる。
【0014】図2(F)に示すように、t5において共振
用コンデンサ8の両端の電圧VC1が略最大値、即ち出力
電圧E0に達すると、図2(D)及び(H)に示すように共
振用コンデンサ8の電流IC1及び共振用リアクトル10
の電流IL1は0となり、第1の補助還流用ダイオード1
1がカットオフする。また、補助トランジスタ9のター
ンオフ時において共振用コンデンサ8の両端の電圧VC1
が出力電圧E0以上になろうとするときは、循環電流用
ダイオード13、共振用リアクトル10、第1の補助還
流用ダイオード11及び第2の補助還流用ダイオード1
2の経路で負荷6へエネルギが供給される。
【0015】上記のように、図1の回路では主トランジ
スタ2及び補助トランジスタ9のターンオン及びターン
オフ時においてゼロ電圧又はゼロ電流スイッチングが達
成されるので、主トランジスタ2及び補助トランジスタ
9のオン・オフ動作時の電力損失、即ちスイッチング損
失を低減することができる。また、主トランジスタ2及
び補助トランジスタ9のターンオン及びターンオフ時に
発生するスパイク状のサージ電圧及びサージ電流は共振
用コンデンサ8及び共振用リアクトル10により吸収さ
れるので、主トランジスタ2のオン・オフ動作時のサー
ジ電圧、サージ電流及びノイズを低減することができ
る。
【0016】次に、図1に示す昇圧型DC−DCコンバ
ータの変更例を図3及び図4に基づいて説明する。但
し、図3において図1と同一の部分には同一の符号を付
し、その説明を省略する。なお、図3の制御回路7内の
詳細は、図1の昇圧型DC−DCコンバータの制御回路
7と全く同様であるので、説明は省略する。図3に示す
昇圧型DC−DCコンバータは、図1に示す回路の主ト
ランジスタ2と並列に他の共振用コンデンサ14を接続
し、主トランジスタ2のターンオン時(t4)のゼロ電
圧スイッチングをより確実にしたものである。その他の
構成は図1に示す回路と同一である。
【0017】上記の構成において、図4(A)〜(I)に示
すようにt3までは図1の回路における動作と同一であ
る。したがって、図3の回路ではt3以降の動作につい
て説明する。図4(I)に示すように、t3において共振
用リアクトル10の電流IL1が昇圧用リアクトル4の電
流I0に等しくなると主還流用ダイオード3がカットオ
フし、図4(H)に示すように主還流用ダイオード3には
電流が流れなくなる。このとき、t0〜t1において充電
された共振用コンデンサ14のエネルギが放出されて共
振用コンデンサ14及び共振用リアクトル10が共振
し、共振用コンデンサ14、共振用リアクトル10及び
補助トランジスタ9の経路で共振電流が流れる。このた
め、共振用リアクトル10には、正弦波状の電流が昇圧
用リアクトル4の電流I0に重畳して流れるので、共振
用リアクトル10の電流IL1は図4(I)に示すように引
き続き正弦波状に増加して行く(IL1)。これと共に、
共振用コンデンサ14の電流IC2が図4(D)に示すよう
に正弦波状に増加し、共振用コンデンサ14の両端の電
圧VC2が図4(F)に示すように余弦波状に降下して行
く。
【0018】図4(I)に示すように、t4において共振
用リアクトル10の電流IL1が略最大値、即ち昇圧用リ
アクトル4の電流I0と共振電流の最大値Ipとの和に達
すると、循環電流用ダイオード13が順バイアスにな
る。このため、共振用リアクトル10の電流IL1は循環
電流用ダイオード13、共振用リアクトル10及び補助
トランジスタ9の経路で循環電流となり流れ続ける。こ
れと共に、共振用コンデンサ14の両端の電圧VC2が図
4(F)に示すように0Vとなる。このとき、制御回路7
は図2(A)に示すように主トランジスタ2のベース端子
に付与する主制御パルス信号電圧VB1を低レベルから高
レベルにして主トランジスタ2をオフ状態からオン状態
にする。このときの主トランジスタ2の両端の電圧V
TR1は、図4(F)に示すように0Vであるから、主トラ
ンジスタ2のターンオン時においてゼロ電圧スイッチン
グとなる。
【0019】その後少し遅れて、図4(B)に示すよう
に、t5において制御回路7は補助トランジスタ9のベ
ース端子に付与する補助制御パルス信号電圧VB2を高レ
ベルから低レベルにして補助トランジスタ9をオン状態
からオフ状態にする。このとき、共振用リアクトル10
に蓄積されたエネルギが放出されて共振用リアクトル1
0及び共振用コンデンサ8が共振するので、共振用リア
クトル10の電流IL1は共振用リアクトル10、第1の
補助還流用ダイオード11及び共振用コンデンサ8の経
路で流れる共振電流となる。これにより、共振用コンデ
ンサ8が正弦波形で充電されて行くので、図4(G)に示
すように共振用コンデンサ8の両端の電圧VC1が0Vか
ら正弦波状に上昇して行く。これと共に、図4(E)及び
(I)に示すように共振用コンデンサ8の電流IC1及び共
振用リアクトル10の電流IL1は余弦波状に減少して行
く。また、昇圧用リアクトル4の電流I0は、図4(C)
に示すように補助トランジスタ9のターンオフと同時に
主トランジスタ2を通して流れる(ITR1)。したがっ
て、補助トランジスタ9のターンオフ時は、共振用コン
デンサ8、14の両端の電圧VC1、VC2が0Vであるた
め、ゼロ電圧スイッチングとなる。
【0020】図4(F)に示すように、t6において共振
用コンデンサ8の両端の電圧VC1が略最大値、即ち出力
電圧E0に達すると、図4(I)に示すように共振用リア
クトル10の電流IL1は昇圧用リアクトル4の電流I0
に等しくなり、第2の補助還流用ダイオード12が順バ
イアスとなる。このとき、図4(C)及び(E)に示すよう
に主トランジスタ2の電流ITR1及び共振用コンデンサ
8の電流IC1が0となる。このときの残りの共振用リア
クトル10のエネルギは、循環電流用ダイオード13、
共振用リアクトル10、第1の補助還流用ダイオード1
1及び第2の補助還流用ダイオード12の経路で負荷6
へ供給されて行く。これにより、共振用リアクトル10
の電流IL1は図4(I)に示すように直線的に引き続いて
減少して行くと共に、図4(C)に示すように主トランジ
スタ2の電流が0から直線的に増加して行く。そして、
7において共振用リアクトル10の電流IL1は図4
(I)に示すように0となり、主トランジスタ2の電流I
TR1は図4(C)に示すように昇圧用リアクトル4の電流
0に等しくなる。したがって、t7以降は直流電源1か
ら昇圧用リアクトル4及び主トランジスタ2の経路で電
流I0が流れる。
【0021】上述の通り、図3に示す回路でも、スイッ
チング損失に関して図1に示す実施例と同一の効果が得
られる。なお、図3の実施例の回路では、共振用コンデ
ンサ14と共振用リアクトル10との共振作用により、
図4(F)に示すようにt3〜t4において共振用コンデン
サ14の両端の電圧VC2が余弦波状に降下するので、主
トランジスタ2のターンオン時(t4)のゼロ電圧スイ
ッチングがより確実になり、図1の実施例の回路に比較
してスイッチング損失低減効果が大きい。
【0022】また、図1に示す回路は図5に示すように
変更してもよい。図5に示す回路は、図1に示す回路の
第1及び第2の補助還流用ダイオード11、12の直列
回路の接続点と主還流用ダイオード3及び平滑コンデン
サ5の直列回路の接続点との間に補充電用抵抗15を接
続したものである。図5に示す回路では、主トランジス
タ2のオン期間中に出力電圧E0により共振用コンデン
サ8を補充電できるので、図1に示す回路において共振
用コンデンサ8の充電電圧が出力電圧E0に満たない場
合でも、主トランジスタ2のターンオフ時のゼロ電圧ス
イッチングが可能となる。なお、補充電用抵抗15の代
わりに主トランジスタ2のオン期間中にオン状態となる
補充電用スイッチを接続してもよい。補充電用スイッチ
の具体例としては、トランジスタ等の半導体スイッチン
グ素子がある。
【0023】以下、本発明による昇圧型DC−DCコン
バータの実施例を図6及び図7について説明する。図6
に示す本実施例の昇圧型DC−DCコンバータは、図3
に示す関連技術としての回路の主トランジスタ2を省略
すると共に補助トランジスタ9を主トランジスタ2とし
て動作させることにより、循環電流型の昇圧コンバータ
としたものである。
【0024】次に、図6の回路の動作を図7の波形図に
基づいて説明する。図7(A)に示すようにt0以前にお
いて主トランジスタ2がオフ状態のときは、図7(B)に
示すように昇圧用リアクトル4及び主還流用ダイオード
3を介して負荷6へ電流I0が流れている(ID)。この
とき、共振用コンデンサ14は図7(D)に示すように図
示の極性で負荷6の端子電圧、即ち出力電圧E0まで充
電されている(VC2)。図7(A)に示すように、t0
おいて制御回路7から主トランジスタ2のベース端子に
付与された主制御パルス信号電圧VB1が低レベルから高
レベルになり、主トランジスタ2がオフ状態からオン状
態になると、共振用リアクトル10に出力電圧E0が印
加され、図7(C)に示すように共振用リアクトル10に
電流IL 1が流れ始め、0より直線的に増加して行く。こ
れと共に、主還流用ダイオード3に流れていた電流ID
は図7(B)に示すように直線的に減少して行く。このと
き、昇圧用リアクトル4の電流I0は主トランジスタ2
を通して流れ、主トランジスタ2の両端の電圧VTR1
図7(E)に示すように直ちに0Vまで降下する。したが
って、主トランジスタ2のターンオン時において、共振
用リアクトル10の電流IL1が0から緩やかに立ち上が
るためにゼロ電流スイッチングとなる。
【0025】図7(C)に示すように、t1において共振
用リアクトル10の電流IL1が昇圧用リアクトル4の電
流I0に等しくなると主還流用ダイオード3がカットオ
フし、図7(B)に示すように主還流用ダイオード3の電
流IDが0となる。このとき、共振用コンデンサ14に
充電されたエネルギが放出されて共振用コンデンサ14
及び共振用リアクトル10が共振し、共振用コンデンサ
14、共振用リアクトル10及び主トランジスタ2の経
路で共振電流が流れる。このため、共振用リアクトル1
0には、正弦波状の電流が昇圧用リアクトル4の電流I
0に重畳して流れるので、共振用リアクトル10の電流
L1は図7(C)に示すように引き続き正弦波状に増加し
て行く(IL1)。一方、共振用コンデンサ14の両端の
電圧VC2は図7(D)に示すように余弦波状に降下して行
く。
【0026】図7(C)に示すように、t2において共振
用リアクトル10の電流IL1が略最大値、即ち昇圧用リ
アクトル4の電流I0と共振電流の最大値Ipとの和に達
すると、共振用リアクトル10の両端の電圧が0Vとな
る。このとき、循環電流用ダイオード13が順バイアス
になり、共振用リアクトル10の電流IL1は共振用リア
クトル10、主トランジスタ2及び循環電流用ダイオー
ド13の経路で循環電流となって流れ続ける。これと共
に、共振用コンデンサ14の両端の電圧VC2が図7(D)
に示すように0Vとなる。
【0027】図7(A)に示すように、t3において制御
回路7から主トランジスタ2のベース端子に付与された
主制御パルス信号電圧VB1が高レベルから低レベルにな
り、主トランジスタ2がオン状態からオフ状態になる
と、昇圧用リアクトル4の電流I0は共振用コンデンサ
14を通して流れる。このとき、共振用リアクトル10
の電流IL1は共振用リアクトル10、第1の補助還流用
ダイオード11及び共振用コンデンサ8の経路で共振電
流となって流れ、共振用コンデンサ8を充電する。この
ため、図7(F)及び(D)に示すように共振用コンデンサ
8の電圧VC1及び共振用コンデンサ14の電圧VC2が共
に0Vから緩やかに上昇するから、主トランジスタ2の
ターンオフ時においてゼロ電圧スイッチングとなる。
【0028】図7(F)及び(D)に示すように、t4にお
いて共振用コンデンサ8の電圧VC1と共振用コンデンサ
14の電圧VC2との和が出力電圧E0に等しくなると、
共振用リアクトル10の電流IL1は図7(C)に示すよう
に緩やかに0まで減少して行く。そして、t5において
共振用リアクトル10の電流IL1が0になると、分流し
た負荷6の電流により共振用コンデンサ8、14が充放
電されて行き、t6において共振用コンデンサ14の電
圧VC2が図7(D)に示すように出力電圧E0に等しくな
ると、主還流用ダイオード3の電圧が0Vとなる。この
とき、昇圧用リアクトル4の電流I0が図7(B)に示す
ように主還流用ダイオード3を通して流れ(ID)、t6
降は昇圧用リアクトル4及び主還流用ダイオード3を介
して負荷6へ電流I0が流れる。
【0029】上述のように、図6に示す本発明の実施例
では主トランジスタ2のターンオン及びターンオフ時に
おいてゼロ電流又はゼロ電圧スイッチングが達成される
ので、主トランジスタ2のスイッチング損失を低減する
ことができる。なお、図6の実施例の回路では、主トラ
ンジスタ2のみで昇圧コンバータ回路を構成できるの
で、図1、図3及び図5に示す実施例に比較してスイッ
チング損失による発生熱量を抑制できかつ部品点数を少
なくできる利点を有する。
【0030】更に、本発明の実施態様は前記の実施例に
限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記の
実施例では主スイッチング素子として接合型パワートラ
ンジスタを使用した例を示したが、FET(電界効果ト
ランジスタ)、SCR(逆阻止3端子サイリスタ)等の
他のスイッチング素子を使用してもよい。特に、FET
を使用する場合にはFETと一体に形成された内蔵ダイ
オードを使用できるので、上記の実施例での循環電流用
ダイオード13を省略することが可能である。また、図
6の回路における共振用コンデンサ14は省略してもよ
い。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、スイッ
チング素子のゼロ電圧又はゼロ電流スイッチングを容易
に達成できるので、スイッチング素子の電圧波形と電流
波形との重複部分を少なくして昇圧コンバータ回路のス
イッチング素子のオン・オフ動作時の電力損失、即ち昇
圧コンバータ回路におけるスイッチング損失を低減する
ことができる。また、昇圧コンバータ回路のスイッチン
グ素子のスイッチング動作時におけるサージ電圧、サー
ジ電流及びノイズを低減することができる。更に、主ス
イッチング素子と並列に他の共振用コンデンサを接続し
た場合には、より確実にスイッチング素子のゼロ電圧ス
イッチングを達成できるので、スイッチング素子の電圧
波形と電流波形との重複部分が更に少なくなり、昇圧コ
ンバータ回路におけるスイッチング損失を更に低減する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による昇圧型DC−DCコンバータの
関連技術を示す電気回路図
【図2】 図1の回路の各部の電圧及び電流を示す波形
【図3】 図1の回路の変更例を示す電気回路図
【図4】 図3の回路の各部の電圧及び電流を示す波形
【図5】 図1の回路の別の変更例を示す電気回路図
【図6】 本発明による昇圧型DC−DCコンバータの
実施例を示す電気回路図
【図7】 図6の回路の各部の電圧及び電流を示す波形
【図8】 従来の昇圧型DC−DCコンバータを示す電
気回路図
【図9】 図8の回路のスイッチング電圧波形とスイッ
チング電流波形との重複部分を示す波形図
【符号の説明】
1...直流電源、2...主トランジスタ(主スイッ
チング素子)、3...主還流用ダイオード(主還流用
整流素子)、4...昇圧用リアクトル、5...平滑
コンデンサ、6...負荷、7...制御回路、8、1
4...共振用コンデンサ、10...共振用リアクト
ル、11、12...第1及び第2の補助還流用ダイオ
ード(第1及び第2の補助還流用整流素子)、1
3...循環電流用ダイオード(循環電流用整流素子)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と、一方の主端子が前記直流電
    源の一端に接続されかつ他方の主端子が前記直流電源の
    他端に接続された主スイッチング素子と、該主スイッチ
    ング素子と並列に接続された主還流用整流素子及び平滑
    コンデンサの直列回路と、前記平滑コンデンサと並列に
    接続された負荷とを備え、前記主スイッチング素子をオ
    ン・オフ制御することにより前記直流電源の電圧よりも
    高い電圧の直流出力を前記負荷に供給する昇圧型DC−
    DCコンバータにおいて、 前記直流電源の一端と前記主スイッチング素子の一方の
    主端子との間に挿入された共振用リアクトルと、前記共
    振用リアクトル及び前記主スイッチング素子の接続点と
    前記主還流用整流素子及び前記平滑コンデンサの直列回
    路の接続点との間に接続された第1及び第2の補助還流
    用整流素子の直列回路と、該第1及び第2の補助還流用
    整流素子の直列回路の接続点と前記主還流用整流素子及
    び前記共振用リアクトルの接続点との間に接続された共
    振用コンデンサと、前記共振用リアクトル及び前記共振
    用リアクトルの接続点と前記主スイッチング素子の他方
    の主端子との間に接続された循環電流用整流素子と、前
    記主スイッチング素子の制御端子に主制御パルス信号を
    付与する制御回路とを備え、 前記直流電源と前記共振用リアクトルとの間に直列にか
    つ前記負荷に直列に昇圧用リアクトルを接続したことを
    特徴とする昇圧型DC−DCコンバータ。
  2. 【請求項2】 前記循環電流用整流素子と並列に他の共
    振用コンデンサを接続した請求項1に記載の昇圧型DC
    −DCコンバータ。
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