JP3103336B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3103336B2
JP3103336B2 JP10003789A JP378998A JP3103336B2 JP 3103336 B2 JP3103336 B2 JP 3103336B2 JP 10003789 A JP10003789 A JP 10003789A JP 378998 A JP378998 A JP 378998A JP 3103336 B2 JP3103336 B2 JP 3103336B2
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哲夫 鈴木
博行 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録シートを給送す
るための給送回転体の駆動伝達部を簡素化した記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、情報処理システムの発達に伴いオ
フィス等に於いては、インクジェットプリンタ、電子タ
イプライタ等種々の記録装置が使用されている。
【0003】このような記録装置にあっては、記録シー
トを給送するため給送ローラを、断面半月状に成形する
ことにより、記録シート給送後のバックテンションによ
る画像の乱れや、トルクの増大、シート後端が給送ロー
ラから外れる際にその給送ローラが連れ回りして次の記
録シートを給送するのを防止している。
【0004】しかしながら、上記給送ローラは、断面半
月形状であるため、常に一定回転位置に切欠部を止めて
おかなければ上記問題点を解決できず、また円弧部の回
転開始位置も一定でなければ、記録シートの給送量の制
御ができなくなるおそれがある。
【0005】このため、図13に示すように、給送ローラ
軸50に回転自在に遊嵌されている給送ギヤ51と、ピン等
で給送ローラ軸50と一体的に回転するクラッチドラム52
と、上記給送ギヤ51からクラッチドラム52への駆動力伝
達のため両者の隣接部に巻き付けたクラッチバネ53と、
そのクラッチバネ53の外周に制御環54が嵌合して構成さ
れている。
【0006】上記制御環54の外周に係合部を設けて、ロ
ック爪55に係合させた時に、給送ギヤ51からクラッチド
ラム52に対し駆動力が非伝達(OFF)状態となり、上
記係合部がロック爪55より解放されて制御環54が回転可
能となった時、駆動力が伝達(ON)状態になる。
【0007】上記制御環54の係合部と、給送ローラの位
相を合わせておけば、常に一定回転位置で給送ローラを
止めておくことができる。
【0008】また上記ロック爪55の解除は、図示しない
ソレノイドで行ったり、或いは制御環54の外周にカム形
状の突起を突設して、制御環54自体を正逆回転させるこ
とで、上記ロック爪55の解除を行っている。
【0009】また、記録シートを積載するビンを一対有
する記録装置では、それぞれのビンに給送ローラが設け
られていて、各給送ローラの回転を制御するクラッチが
それぞれ必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成にあっては、給送ギヤ51からクラッチドラム52へ駆動
力を伝達する場合の構成部品が多く、コスト高になりが
ちであり、また装置の信頼性が低下するおそれがあっ
た。
【0011】本発明は上記課題を解決するものであり、
その目的は、一対のビンを有する記録装置においても、
簡単な構成でそれぞれのビンから記録シートを確実に搬
送回転体に送り出すように給送回転体の回転を制御する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、記録シートを積載支持
する一対のビンと、各ビンに設けられ、記録シートをシ
ート給送方向下流側に配置されている搬送回転体に向け
て送り出すための円弧面をそれぞれ有する第1及び第2
の給送回転体と、記録シートに記録を行う記録手段と、
を備え、前記各給送回転体から前記搬送回転体までの記
録シートの搬送長さが異なるように構成された記録装置
において、前記搬送長さが短い側の給送回転体は記録シ
ートを送り出すときに1回転し、前記搬送長さが長い側
の給送回転体は記録シートを送り出すときに2回転する
ようにし、それぞれの搬送長さを前記第1及び第2の給
送回転体の前記それぞれの回転数で記録シートが前記搬
送回転体に到達できる長さに設定したことを特徴とす
る。
【0013】上記構成にあっては、搬送長さが短い側の
給送回転体は1回転により記録シートを搬送回転体に到
達させ、搬送長さが長い側の給送回転体は2回転により
記録シートを搬送回転体に到達させるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施形態に記録装
置をシリアル型のインクジェット記録方式に適用した例
で説明する。
【0015】図1は記録装置の全体斜視説明図であり、
図2は側面模式説明図である。
【0016】(全体構成)まず装置の全体構成を説明す
ると、記録媒体となる記録シート1は、自動給送装置
(以下「ASF」という)11より給送され、更に下流側
に設けられたシート搬送手段2により記録位置に搬送さ
れる。このとき前記記録シート1はシート押さえ部材3
によって搬送ローラ2aに押圧され、プラテン4から浮
き上がらないように構成されている。
【0017】上記記録シート1が記録位置に搬送される
と、キャリッジ5をガイドレール6に沿って往復移動さ
せると共に、記録手段としての記録ヘッド7を駆動して
記録シート1に像を記録し、記録後のシート1は排出手
段8によって排出スタッカ8eに排出されるように構成
されている。
【0018】前記シート搬送手段2、排出手段8等は、
同一の駆動源である駆動モータ9aによって駆動される
もので、この駆動モータ9aを有する駆動手段9は記録
装置の一端(図1の左側)に配置されている。
【0019】また上記記録装置の一端(図1の左側)に
は、同様に前記記録ヘッド7にインクを供給するための
インクカートリッジ7fと、前記記録ヘッド7における
インクの固着等を除去するための回復装置10が配置され
ている。
【0020】また前記キャリッジ5は、駆動源となるキ
ャリッジモータ5cの駆動力が図示しない伝達手段(プ
ーリ、タイミングベルト)を介してキャリッジ5に伝達
され、これによって往復移動するものである。
【0021】次に前記記録装置の各部の構成について具
体的に説明する。
【0022】(シート搬送手段)シート搬送手段2は記
録シート1を記録位置に搬送するためのものであり、本
実施形態にあっては図2に示すように、記録装置に対し
て着脱可能なASF(Auto・Sheet ・Feeder)11から給
送された記録シート、或いは手差し口12から手差しされ
た記録シート、或いはファンホールド紙搬送用のピンフ
ィードトラクタ13から給送された記録シート1としての
ファンホールド紙を搬送するものである。
【0023】本実施形態におけるシート搬送手段2は、
搬送回転体である搬送ローラ2aを、図2の矢印a方向
へ駆動回転させ、これを従動回転する前ピンチローラ2
b1及び後ピンチローラ2b2 とによって記録シート1
を搬送するように構成している。
【0024】前記搬送ローラ2aは、両端を装置フレー
ムの左右側壁14a,14bに回動自在に支持された搬送ロ
ーラ軸2a1 に複数分割して取り付けられている。
【0025】また、前記搬送ローラ軸2a1 の軸方向一
端には、搬送ギヤ2a2 が設けられていて、前記駆動モ
ータ9aから駆動力が伝達される。
【0026】前記ピンチローラ2b1 ,2b2 は揺動可
能なピンチローラホルダー2b3 ,2b4 に支持されて
いて、バネ2c1 ,2c2 によって前記搬送ローラ2a
の表面にそれぞれ圧接し、且つ搬送ローラ2aの回転に
従動回転する。従って、記録シート1は回転する搬送ロ
ーラ2aとピンチローラ2b1 ,2b2 とでニップされ
ることによって、搬送力が付与される。
【0027】また、前記搬送ローラ2aの下方には、図
2に示すように、搬送ローラ2aの周面に沿って湾曲し
たペーパーパン2dが取り付けられている。そして前記
ペーパーパン2dは手差し口12まで延びており、手差し
された記録シート1の下ガイドとなるように構成されて
いる。
【0028】また、前記ペーパーパン2dの上方には所
定間隔を隔てて上ガイド板15,16が取り付けられ、記録
シート1の搬送経路を構成している。
【0029】前記ペーパーパン2dと上ガイド板16との
間には搬送路分離板17が設けられていて、ピンフィード
トラクタ13から給送されるファンホールド紙の搬送路と
ASF11から給送される記録シート1の搬送路とを区画
している。
【0030】更に搬送ローラ2aと後ピンチローラ2b
2 とのニップ部の近傍には、図2に示すように、各搬送
路より搬送された記録シート1を検出するための検出手
段としての反射型センサ2b5 が設けられている。
【0031】前記構成において、搬送ローラ2aを駆動
モータ9aを駆動して図2の矢印a方向へ回転させる
と、ASF11から給送された記録シート1は上ガイド板
16と搬送路分離板17との間を通って前ピンチローラ2b
1 と搬送ローラ2aとでニップされ、搬送ローラ2aの
周面に沿ってUターン搬送され、更に後ピンチローラ2
b2 と搬送ローラ2aとでニップされて上方に位置する
記録位置へと搬送される。
【0032】またピンフィードトラクタ13から搬送され
た記録シート1として使用されるファンホールド紙は、
ペーパーパン2dと搬送路分離板17との間を通り、ピン
チローラ2b1 ,2b2 と搬送ローラ2aとではニップ
せずにピンフィードトラクタ13の押し込みによってペー
パーパン2dと上ガイド16によって形成されるUターン
経路に沿って上方に位置する記録位置へと搬送される。
【0033】一方、手差し口12から給送された記録シー
ト1は搬送ローラ2aと後ピンチローラ2b2 とでニッ
プされ、記録位置から搬送される。
【0034】尚、ファンホールド紙の使用後、その先端
をペーパーパン2dと搬送路分離板17との間の搬送路内
に待機させておけば、前記ASF11から給送される記録
シート1の邪魔にならず、ファンホールド紙を前記ピン
フィードトラクタ13から外す必要がない。即ち、ASF
11の給送経路とファンホールド紙の給送経路は分離され
ていて、ファンホールド紙を外したり、ASF11を外し
たりしなくても済むように構成されている。
【0035】(シート押さえ部材)シート押さえ部材3
はシート搬送手段2で搬送された記録シート1を搬送ロ
ーラ2aに押さえ付けることによって、記録シート1が
プラテン4から浮き上がるのを防止している。
【0036】このシート押さえ部材3は、図1に示すよ
うに、記録シート1の幅全域を押さえるように、キャリ
ッジ5の移動範囲よりも幅広の一枚の板状部材で構成さ
れ、これが図示しないバネ等の押圧手段によって各搬送
ローラ2aに圧接している。
【0037】前記シート押さえ部材3の先端は記録手段
7による記録位置の下部に位置しており、搬送された記
録シート1は該部材3によって搬送ローラ2aに押しつ
けられる。この結果、記録位置における記録シート1は
プラテン4から浮き上がることがなくなる。
【0038】また、このシート押さえ部材3には後述す
るように、キャリッジ5の前端部が常に当接するように
構成されている。
【0039】(キャリッジ)キャリッジ5は記録手段7
を搭載して記録シート1の幅方向へ往復移動させるため
のものである。このキャリッジ5は両端を左右側壁14
a,14bに固定された断面円形のガイドレール6に摺動
自在に取り付けられており、キャリッジモータ5cによ
り、該ガイドレール6上を往復移動する。
【0040】また、前記キャリッジ5はガイドレール6
を中心軸として回動可能に取り付けられ、キャリッジ5
に設けたバネ性を有する部分5aが上ガイド板15に設け
られたガイドレール15aに圧接し、その反力によりシー
ト押さえ部材3に常に当接するように付勢されている。
キャリッジ5が当接する部分5aは、シート押さえ部材
3と搬送ローラ2aの接触部分の裏側近傍であり、記録
シート1の通過によってシート押さえ部材3が記録手段
7方向に後退すると、キャリッジ5も同様に同方向に後
退する。従って、紙厚に関係なく記録手段7と記録シー
ト1との間隔が常に一定となり、安定した印字品質を保
つことができる。
【0041】前記キャリッジ5は両端を左右側壁14a,
14bに固定された断面円形の案内部材となるガイドレー
ル6に摺動自在に取り付けられている。また、前記キャ
リッジ5は前記ガイドレール6を軸として回動可能に取
り付けられ、図1及び図2に示すように、キャリッジ5
の前方、即ち記録シート1に対向する側が前下がりとな
るように取り付けられ、この結果、キャリッジ5及び該
キャリッジ5に搭載される記録手段7の自重によって付
勢されて、キャリッジ前端部シート押さえ部材3に当接
するように構成されている。
【0042】これによりキャリッジ5に搭載された記録
ヘッドと記録シート1との間隔が常に一定に維持される
ものである。上記キャリッジ5には図示しないプーリに
掛け渡されたタイミングベルト等が連結されており、キ
ャリッジモータ5cを駆動することにより、ガイドレー
ル6に沿って往復移動するものである。
【0043】(記録手段)記録手段は前記シート搬送手
段2で搬送された記録シート1に像を記録するものであ
る。本実施形態における記録手段はキャリッジ5に記録
ヘッド7を搭載してなり、これをシリアルスキャンして
記録を行う如く構成している。
【0044】この装置に好適に用いられる記録ヘッドと
してはインクジェットヘッドがある。インクジェット記
録方式は記録用のインク液を飛翔液滴として吐出噴射さ
せるためのオリフィス(液体吐出口)と、該オリフィス
に連通する液体流路、及びこの液体流路の一部に設けら
れ、流路内のインク液に飛翔液滴を形成するための吐出
エネルギーを与える吐出エネルギー発生手段とを備えて
いる。そして画信号に応じて前記吐出エネルギー発生手
段を駆動し、インク液滴を吐出して像を記録するもので
ある。
【0045】前記吐出エネルギー発生手段としては、例
えばピエゾ素子等の電気機械変換体等の圧力エネルギー
発生手段を用いる方法、レーザー等の電磁波をインク液
に照射吸収させて飛翔液滴を発生させる電磁エネルギー
発生手段を用いる方法、或いは電気熱変換体等の熱エネ
ルギー発生手段を用いる方法等がある。この中で電気熱
変換体等の熱エネルギー発生手段を用いる方式がオリフ
ィスを高密度に配列し得ると共に、記録ヘッドのコンパ
クト化も可能であるために好適である。
【0046】図8は記録手段を構成する記録ヘッド7の
構成説明図であり、図9(a) 〜(g)はインクジェット記
録原理の説明図である。
【0047】図8において、7aはヒータボードであ
り、シリコン基板上に電気熱変換体(吐出ヒータ)7
b、これに電力を供給するアルミニウム等の電極7cと
が成膜されて配設されている。このヒータボード7aに
対して、記録用液体の液路(ノズル)7dを仕切るため
の隔壁を有する天板7eを接着することにより構成され
ている。また、図1に示すように、装置の左側部には前
記記録ヘッド7にインクを供給するためのインクカート
リッジ7fが交換可能に取り付けられている。
【0048】前記インクカートリッジ7fより図示しな
い導管を介して供給されたインクは、天板7eに設けら
れた供給口7e1 より記録ヘッド7内の共通液室7gに
充填され、この共通液室7gより各ノズル7d内に導か
れる。これらのノズル7dにはインク吐出口(オリフィ
ス)7d1 が形成されており、また上記オリフィス7d
1 は前記記録ヘッド7の記録シート1に対向してシート
搬送方向(図8の上下方向)に所定ピッチで形成されて
いる。
【0049】ここで、前記インクジェット記録方式にお
けるインク飛翔原理を図9(a) 〜(g) を参照して説明す
る。
【0050】定常状態では図9(a) に示すように、ノズ
ル7d内に充填されているインク7hはオリフィス面で
表面張力と外圧が平衡している。この状態でインク7h
を飛翔させる場合には、ノズル7d内の電気熱変換体7
bに通電し、そのノズル7d内のインクに核沸騰を越え
て急速な温度上昇を生じさせる。すると、図9(b) に示
すように、電気熱変換体7bに隣接したインク7hが加
熱されて微小気泡(バブル)を生じ、該加熱部分のイン
クが気化して膜沸騰を生じ、図9(c) に示すように前記
気泡7h1 が急速に成長する。
【0051】前記気泡7h1 が図9(d) に示す如く最大
に成長すると、ノズル7d内のオリフィス面からインク
液滴が押し出される。そして電気熱変換体7bへの通電
を終了すると、図9(e) に示すように、成長した気泡7
h1 はノズル7d内のインク7hにより冷却されて収縮
する。この気泡の成長,収縮によってインク液滴がオリ
フィスから飛翔する。更に図9(f) に示すように電気熱
変換体7b面にインクが接触して急激に冷却され、気泡
7h1 は消滅するか又は殆ど無視し得る程度の体積に収
縮する。そして前記気泡7h1 が収縮すると、図9(g)
に示すようにノズル7d内には毛細管現象によって共通
液室7gからインクが供給され、次の通電に備えるもの
である。
【0052】従って、前記キャリッジ5の移動と同期さ
せ、画信号に応じて電気熱変換体7bに通電することに
よって、記録シート1にインク像が記録されるものであ
る。
【0053】尚、図1に示すように前記キャリッジ5の
移動範囲左端部には、後述のように回復手段10が設けら
れている。この回復手段10はキャップ10aにより、非記
録時等に前記記録ヘッド7のインク吐出面を覆うことに
よって、記録ヘッド7のオリフィス面付近のインクの乾
燥や、これに伴う固化を防止する機能を有するものであ
る。
【0054】また前記回復手段10は、インクの吐出不良
や除去或いはそれらの予防のためにポンプ10dを駆動
し、その吸引力によってオリフィス面からインクを吸引
して回復処理を行えるようになっている。
【0055】(排出手段)排出手段8は前記記録手段7
で記録された記録シート1を排出するためのものであ
り、排出回転体で記録シート1を上方へ向けて排出し、
そのシート1を排出部へ収容するように構成している。
【0056】本実施形態では図1及び図2に示すよう
に、排出回転体となる排出ローラ8aと、これに接触す
る拍車8bとで記録シート1を排出するものであり、前
記排出ローラ8aのローラ軸8cにの端部には排出ギヤ
8dが取り付けられ、この排出ギヤ8dが中間ギヤ9h
と噛合している。
【0057】従って、駆動モーター9aが駆動すると、
その駆動力が排出ローラ8aに伝達されて該ローラ8a
が回転し、記録シート1が排出ローラ8aと拍車8bと
の協働作用によって上方へ向かって排出される。
【0058】また排出部となる排出スタッカ8eが前記
排出ローラ8aの回転方向側背部に設けられている。こ
の排出スタッカ8eは下板8e1 と起立板8e2 とがカ
ギ状に屈曲して構成されている。そして前記下板8e1
が排出ローラ8aの上端よりも若干下に位置するように
配設され、排出された記録シート1の下端が前記下板8
e1 に支持され、シート裏面が起立板8e2 に支持さ
れ、排出された記録シート1が起立するように構成され
ている。
【0059】前記起立板8e2 の上端には図2に示すよ
うに、トレイ8e3 が軸8e4 を中心にして回動可能に
取り付けられている。このトレイはASF11に記録シー
ト1をセットするときに図2の矢印b方向へ倒すことに
よって前記セットが容易になし得るようになっている。
【0060】更に前記起立板8e2 の一部には図1及び
図2に示すように排出ローラ8a側へ突出した突出部8
fが形成されている。この突出部8fは前記排出ローラ
8aよりも上方に位置し、記録シート1の幅方向にわた
る凸条として形成されている。
【0061】前記の如く起立板8e2 に突出部8fが形
成されていると、排出ローラ8aの回転によって排出さ
れる記録シート1はシート下方が前記突出部8fによっ
て排出ローラ8a側にせり出される。その結果、記録シ
ート1の後端は排出ローラ8aに乗り、座屈することな
く整列性良く排出スタッカ8eに排出される。ここで前
記座屈を防止するための突出量としては2〜10mm程度が
好ましい。
【0062】(ASF)次に前記搬送手段2へ記録シー
ト1を自動給送するASF11について説明する。
【0063】ASF11は、記録シート1を自動的に搬送
ローラ2aに給送するもので、本実施形態では、図2に
示すように、前ビン11aと後ビン11bからなるダブルビ
ン構造になっている。
【0064】上記各ビン11a,11bには、ローラ軸11a
1 ,11b1 に支持された第一,第二給送回転体である分
離ローラ11a2 ,11b2 が取り付けられている。上記分
離ローラ11a2 ,11b2 は、図6に示すように、断面半
月形状をしており、外周面が円弧状で無い部分は、低摩
擦であるフランジ部11a21,11b21が夫々形成されてい
る。また上記分離ローラ11a2 ,11b2 のゴム部材より
なる円弧面11a22,11b22は、フランジ部11a21,11b
21より出っ張らないように構成されている。これによっ
て、分離ローラ11a2 ,11b2 のフランジ部11a21,11
b21が記録シート1に対向する位置にある場合、その記
録シート1に分離ローラ11a2 ,11b2の円弧面11a2
2,11b22が当接することはない。
【0065】また圧板11a3 ,11b3 の裏面側には、そ
の圧板11a3 ,11b3 上に積載された記録シート1を、
分離ローラ11a2 ,11b2 側に付勢する押圧スプリング
11a4 ,11b4 が設けられている。上記分離ローラ11a
2 ,11b2 と圧板11a3 ,11b3 との当接部より下流側
近傍には、分離爪11a7 ,11b7 が夫々設けられてお
り、圧板11a3 ,11b3 上に積載された最上位の記録シ
ート1を分離ローラ11a2 ,11b2 により給送するとき
に、残りの記録シート1を保持して一枚ずつ分離するも
のである。上記分離爪11a7 ,11b7 は、記録シート1
の幅方向に移動可能に支持されており、分離ローラ11a
2 ,11b2 のフランジ部11a21,11b21の外周面が、圧
板11a3 ,11b3 上に積載された記録シート1の上面に
当接しない範囲で移動範囲が規制されている。
【0066】前記ローラ軸11a1 ,11b1 は、例えば溝
付き軸が用いられ、その軸方向一端に一方向伝達クラッ
チが内蔵されたクラッチギヤ11a5 ,11b5 が夫々設け
られており、前記駆動モータ9aから駆動力が伝達され
るように構成されている。尚、前記ローラ軸11a1 ,11
b1 は断面D字状の軸であってもよい。
【0067】また前記分離ローラ11a2 ,11b2 は、前
記ローラ軸11a1 ,11b1 と共に回転するが、そのロー
ラ軸11a1 ,11b1 に対して軸方向にスライド可能に取
り付けられている。
【0068】また前記前ビン11a、後ビン11b(分離ロ
ーラ11a2 ,11b2 )と前記シート搬送手段2との間に
は、前記上ガイド板16と前記搬送路分離板17とで形成さ
れる搬送路と連通する給送路11fが設けられている。こ
の給送路11fの所定位置、すなわち分離ローラ11a2 ,
11b2 の下流側位置であって、前記搬送路の上流位置に
は、レジストローラ11cとこれに圧接する上ローラ11d
が設けられている。上記レジストローラ11cの軸方向一
端には、レジストギヤ11eが設けられていて、前記駆動
モータ9aから駆動力が伝達されるように構成されてい
る。
【0069】前記分離ローラ11a2 ,11b2 から分離さ
れて前記給送路11fから給送された記録シート1は、そ
の下流にあるレジストローラ11cとこれに圧接した上ロ
ーラ11dとのニップ部に当接する。そして前記レジスト
ローラ11cが図2の矢印b方向へ回転すると、記録シー
ト1はレジストローラ11cとこれに従動回転する上ロー
ラ11dとでニップされ、シート搬送手段2の搬送ローラ
2aに送り込まれる。
【0070】ここで前記分離ローラ11a2 の円弧面(給
送可能部分)11a22の外周長は、圧板11a3 上に積載さ
れた記録シート1の先端からレジストローラ11cと上ロ
ーラ11dとの圧接部までの長さ分と、更にある一定量の
長さとを加算した長さを有している。この一定量の長さ
は、給送された記録シート1により分離ローラ11a2を
連れ回すために必要となるもので、本実施形態において
は、例えば3〜10mm程度が好ましいが、この量はこれに
限定されるものではない。
【0071】前記分離ローラ11b2 は、後ビン11bに装
備されているため、レジストローラ11cと上ローラ11d
との圧接部までの長さが分離ローラ11a2 に比べて長く
なっている。しかしながら、分離ローラ11a2 の2回転
分が分離ローラ11b2 からレジストローラ11cと上ロー
ラ11dとの圧接部までの長さに設定しておけば、分離ロ
ーラ11b2 の2回転目で分離ローラ11a2 と同様な状態
になるため、同形の分離ローラを使用することができ
る。
【0072】また本実施形態では、分離ローラ11a2 ,
11b2 と搬送ローラ2aの間にレジストローラ11cを設
けたが、上記分離ローラ11a2 ,11b2 を搬送ローラ2
aに近づけられる構成であれば、省略することも可能で
ある。
【0073】また前記ビン11a,11bには、前記圧板11
a3 ,11b3 上でビン11a.11 bの幅方向にスライドす
るサイドガイド11a6 ,11b6 が夫々装備されている。
このサイドガイド11a6 ,11b6 は、前記分離ローラ11
a2 ,11b2 と同期してスライド可能に構成されてお
り、各種サイズの記録シート1に対応させることができ
る。
【0074】(回復装置)回復装置10は、記録ヘッド7
のインク吐出面をキャッビングするキャップ10aと、該
キャップ10aを支持して前記ガイドレール6と平行なガ
イド軸10b上を移動するキャップキャリッジ10cと、前
記キャップ10a内に負圧を発生させてインク吐出面等に
固着したインク等を吸引するポンプ10d等から構成され
ている。
【0075】前記キャリッジ5が記録装置の一端側の記
録可能範囲外に移動したとき、キャリッジ5に設けた突
起5bは前記キャップ10aをスライド可能に保持する一
方、キャップキャリッジ10cから突出する突起10c1 と
嵌合し、これによりキャリッジ5とキャップキャリッジ
10cとが一体となって移動する。
【0076】前記キャップキャリッジ10cの後方には、
キャップ10aの後部が摺動するレール10eが設けられて
おり、キャップキャリッジ10cの移動に伴ってキャップ
10aが前方にせり出されるようになっている。これによ
りキャリッジ5が記録装置の一端側に移動すると、キャ
ップ10aが前方にせり出してきて記録ヘッド7のインク
吐出面をキャッピングすることになる。
【0077】また前記キャップキャリッジ10cの下部と
記録装置の左側壁14aとの間には図示しないバネが設け
られていて、キャップキャリッジ10cは図1の右方向に
常時付勢されている。
【0078】また前記ポンプ10dと前記キャップ10a
は、図示しないチューブで連結されており、該ポンプ10
dは後述するポンプカム10hにより作動する。
【0079】(駆動手段)駆動手段9は前記回復装置10
の後方位置に配置され、駆動モータ9aの駆動力を前記
シート搬送手段2、前記排出手段8、前記ASF11及び
前記回復装置10に伝達するもので、該駆動モータ9aと
歯車伝達機構とにより構成されている。
【0080】前記歯車伝達機構は、前記キャリッジ5が
記録装置の一端側の記録可能範囲外に移動したときに、
該キャリッジ5によって切り換え操作されるように切り
換え手段が構成されている。
【0081】図3及び図4は前記歯車伝達機構を詳細に
示しており、前記駆動モータ9aの駆動力を伝達する駆
動ギヤ9bと、該駆動ギヤ9bと選択的に噛合する伝達
ギヤである搬送出力ギヤ9c、ASF出力ギヤ9d、ポ
ンプギヤ9e等から構成されている。
【0082】前記駆動ギヤ9bは駆動軸として断面D字
状のスライド軸9b1 に軸方向にのみ移動可能に取り付
けられており、該スライド軸9b1 の端部に前記駆動モ
ータ9aから中間ギヤ9b2 を介して駆動力が伝達され
るギヤ9b3 が固定されている。従って、前記駆動モー
タ9aが動作すると、ギヤ9b3 によりスライド軸9b
1 と共に駆動ギヤ9bが回転する。
【0083】また前記スライド軸9b1 には、前記駆動
ギヤ9bを挟持する形でスライドホルダー9b4 がスラ
イド・回転可能に軸支されている。このスライドホルダ
ー9b4 の下部には、二股の突起9b5 が設けられてお
り、該突起9b5 が歯車伝達機構を支持するフレーム9
fのガイドレール9f1 に係合して回り止めがなされて
いる一方、前記キャップキャリッジ10cの後部に設けた
連結板バネ10c2 の自由端が係合している。
【0084】従って、前記キャリッジ5が記録装置の一
端側で図1の左右方向に移動すると、前記キャップキャ
リッジ10cを介してスライドホルダー9b4 が同方向に
連動して移動する。
【0085】すなわち前記駆動ギヤ9bは、前記キャリ
ッジ5によりスライドされて伝達ギヤである前記搬送出
力ギヤ9c、ASF出力ギヤ9d、前記ポンプギヤ9e
は同じ歯数、ピッチ円直径に設定されており、前記スラ
イド軸9b1 と平行状態で前記フレーム9fに設けた支
持軸9gに夫々回転可能に軸支されている。
【0086】ここで前記搬送出力ギヤ9cは、前記駆動
ギヤ9bと噛合する大径のギヤ部9c1 と、前記左側壁
14aに回転可能に取り付けた中間ギヤ9hと噛合する小
径ギヤ部9c2 から構成されている。
【0087】そして中間ギヤ9hは前記搬送ローラ2a
の軸方向一端に固定した搬送ギヤ2a2 及び前記排出ギ
ヤ8dに噛合し、また小径のギヤ部9c2 は前記レジス
トギヤ11eと噛合しており、駆動ギヤ9bがギヤ部9c
1 に噛み合った時点で駆動モータ9aを動作させると、
搬送ローラ2a、排出ローラ8a、及びレジストローラ
11cが正転・逆転する。
【0088】また前記ASF出力ギヤ9dには、前記A
SF11側に設けられるASF入力ギヤ9iが噛合してお
り、駆動ギヤ9bが上記ASF出力ギヤ9dに噛合する
と、駆動モータ9aにより上記ASF入力ギヤ9iが正
転・逆転する。
【0089】そして前記ASF入力ギヤ9iと前記クラ
ッチギヤ11a5 ,11b5 との間には、図5に示すよう
に、中間ギヤ9j,9k,9lからなる伝達ギヤ列が設
けられている。
【0090】前記駆動モータ9aによりASF出力ギヤ
9dを正転(図5に示す矢印c1 方向)すると、この回
転はASF入力ギヤ9i、中間ギヤ9jを介して前記ク
ラッチギヤ11a5 に伝達され、矢印c1 方向に回転する
該クラッチギヤ11a5 により前記分離ローラ11a2 が正
転し、前記前ビン11aから記録シート1が給送される。
このときASF入力ギヤ9iの回転は、前記後ビン11b
側のクラッチギヤ11b5 にも伝達されるが、矢印c1 方
向への回転であり、該クラッチギヤ11b5 に内蔵された
一方向伝達クラッチにより前記分離ローラ11b2 には伝
達されない。
【0091】また前記駆動モータ9aによりASF出力
ギヤ9dを逆転(図5に示す矢印c2 方向)に回転する
と、この回転はASF入力ギヤ9i、中間ギヤ9j、ク
ラッチギヤ11a5 、中間ギヤ9k,9lを介して前記ク
ラッチギヤ11b5 に伝達され、矢印c2 方向に回転する
該クラッチギヤ11b5 により前記分離ローラ11b2 が逆
転し、前記後ビン11bから記録シート1が給送される。
このときASF入力ギヤ9iの回転は、前記前ビン11a
側のクラッチギヤ11a5 にも伝達されるが、矢印c2 方
向への回転であり、該クラッチギヤ11a5 に内蔵された
一方向伝達クラッチにより前記分離ローラ11a2 には伝
達されない。
【0092】また前記ポンプギヤ9eは、前記ポンプカ
ム10hのギヤ部10h1 と噛合しており(図1参照)、前
記駆動ギヤ9bが該ポンプギヤ9eに噛合すると、駆動
モータ9aにより前記ポンプギヤ9eが動作し、これに
より前記ポンプ10dが動作してポンピング等を行う。
【0093】(制御手段)次に前記駆動手段9を制御す
るための制御手段18を、図10に示すブロック図を参照し
て説明する。
【0094】制御手段18は、記録装置全体の制御を行う
CPU18aと、図7に示すフローチャートに示すASF の
制御内容及び各種データ等を格納したROM18bと、上
記CPU18aのワークエリアとして使用されると共に、
記録枚数等の各種データの一時保存を行うRAM18c
と、インターフェース18d等を有する。
【0095】前記インターフェース18dには、ドライバ
ー18eを介して前記駆動モータ9aが接続され、またド
ライバー18eを介して前記駆動モータ9aが接続され、
またドライバー18fを介して前記記録ヘッド7が接続さ
れ、ドライバー18gを介して前記キャリッジモータ5c
が接続され、更に前記反射型センサ2b5 が接続されて
いる。
【0096】次に上記制御手段18による制御動作につい
て図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0097】記録が開始されると、先ずステップS1で
駆動ギヤ9bがASF出力ギヤ9dに噛合して切り換え
動作が行われる。
【0098】次にステップS2に移行して記録シート1
が前ビン11aからの給送か、後ビン11bからの給送かを
判断する。前ビン11aからの給送(YES)の場合に
は、ステップS3に移行して、ASF出力ギヤ9dをc
1 方向(図5参照)に回転駆動させ、後ビン11bからの
給送(NO)の場合には、ステップS4に移行してAS
F出力ギヤ9dをc2 方向(図5参照)に回転駆動させ
る。これによって、分離ローラ11a2 ,11b2 を回転さ
せて、前ビン11a若しくは後ビン11bから記録シート1
が、下流側のレジストローラ11cと上ローラ11dとのニ
ップ部に当接してループを形成するまで給送する。これ
によって記録シート1を分離給送する際に生ずる斜行を
補正することができる。このとき、上記分離ローラ11a
2 ,11b2は、図7(a) に示すように、円弧面11a22,1
1b22で記録シート1を押さえた状態で静止している。
【0099】次にステップS5に移行して前記駆動ギヤ
9bを搬送出力ギヤ9cに切り換えて搬送ローラ2a及
びレジストローラ11cを正転させて記録シート1を記録
ヘッド7に対向する記録位置まで搬送する。このとき、
図7(b) に示すように、分離ローラ11a2 ,11b2 は記
録シート1により連れ回りしてフランジ部11a21,11b
21が記録シート1に対向する位置まで回転したときに、
該フランジ部11a21,11b21は円弧面11a22,11b22よ
り径が小さいために連れ回りが終了して、初期位相状態
に復帰する。
【0100】次にステップS6に移行してセンサ2b5
により記録位置に記録シート1が搬送されたか否かを判
断する。上記センサ2b5 により記録シート1を検出し
た場合(ON)には、ステップS7に移行して、キャリ
ッジモータ5cを駆動してキャリッジ5を往復移動させ
ると共に、記録ヘッド7を駆動して記録シート1に対し
て画像情報に応じて記録を行う。記録が終了すると、キ
ャリッジモータ5cによりキャリッジ5が、図1に示す
ホームポジション(左端位置)に復帰する。
【0101】次にステップS8に移行して、前記駆動ギ
ヤ9bを搬送出力ギヤ9cに噛合させ、排出ローラ8a
を回転駆動させて、記録後の記録シート1を排出スタッ
カ8eに排出する。
【0102】次にステップS9に移行して記録命令の有
無を判断し、記録命令有り(YES)の場合には、再び
ステップS1に戻って記録動作を続行し、記録命令が無
い(NO)の場合には記録動作を終了する。
【0103】前記ステップS6において、センサ2b5
が記録シート1を検出できない(NO)場合には、ステ
ップS10以降の第1リカバリーシーケンスに移行する。
これは、特に低温、低湿環境下で、厚手の記録シート1
を分離する際に、分離ローラ11a2 ,11b2 の記録シー
ト表面におけるスリップが生じ易くなり、レジストロー
ラ11cまで記録シート1が到達しない場合が生ずるおそ
れがある。
【0104】そこで、ステップS6においてセンサ2b
5 が記録シート1を検出できなかった場合に、再度駆動
ギヤ9bをASF出力ギヤ9dに噛合させて、前ビン11
aからの給送であればc1 方向に、後ビン11bからの給
送であればc2 方向に回転させて、記録シート1の先端
をレジストローラ11cと上ローラ11dのニップ部に到達
させるようにする。
【0105】ここで、分離ローラ11a2 ,11b2 は、記
録シート1の表面をスリップしており、図7(a) に示す
状態にあるので、更に残りの円弧面11a22,11b22によ
り送り出すことができ、その送り量はスリップ量に相当
する量となっている。従って、分離ローラ11a2 , 11
b2 の回転量は初期位相状態に戻す量(前ビン11aの場
合には1回転からステップS3での回転量を引いた残り
の量、後ビン11bの場合には2回転からステップS4で
の回転量を引いた残りの量)になる。
【0106】次にステップS11に移行して、前記駆動ギ
ヤ9bを搬送出力ギヤ9cに切り換えて搬送ローラ2a
及びレジストローラ11cを正転させて記録シート1を記
録ヘッド7に対向する記録位置まで搬送する。このと
き、分離ローラ11a2 ,11b2はすでに初期位相状態に
復帰しているため、記録シート1の搬送に伴う連れ回り
は生じない。
【0107】次にステップS12に移行して、センサ2b
5 により記録位置に記録シート1が搬送されたか否かを
判断する。上記センサ2b5 がONであれば、前記ステ
ップS7に戻って記録動作を続行し、OFFであればス
テップS13以降の第2リカバリーシーケンスに移行す
る。
【0108】ステップS13においては、前記ステップS
10〜ステップS12に示す第1リカバリーシーケンスで補
うことができなかった分離給送不良を、再度分離給送動
作を行わせることによりその確率を低下させるためのも
のである。
【0109】従って、ステップS10〜S12と同様な制御
動作を行う。すなわち、ステップS12においてセンサ2
b5 が記録シート1を検出できなかった場合に、再度駆
動ギヤ9bをASF出力ギヤ9dに噛合させて、前ビン
11aからの給送であればc1方向に、後ビン11bからの
給送であればc2 方向に回転させて、記録シート1の先
端をレジストローラ11cと上ローラ11dのニップ部に到
達させるようにする。この場合、分離ローラ11a2 ,11
b2 は、図7(b) に示すように初期位相状態に復帰して
いるので、分離ローラ11a2 ,11b2 の回転に際して、
特に搬送力を持たない。従って、分離ローラ11a2 ,11
b2 の回転量は、フランジ部11a21,11b21の位相変化
量を、ステップS10における回転量に加算しなければな
らない。即ち、初期状態にある分離ローラ11a2 ,11b
2 によりシートを給送するものであり、通常の給送動作
である。
【0110】次にステップS14に移行して、前記駆動ギ
ヤ9bを搬送出力ギヤ9cに切り換えて搬送ローラ2a
及びレジストローラ11cを正転させて記録シート1を記
録ヘッド7に対向する記録位置まで搬送する。
【0111】次にステップS15に移行して、センサ2b
5 により記録位置に記録シート1が搬送されたか否かを
判断する。上記センサ2b5 がON(YES)であれ
ば、前記ステップS7に戻って記録動作を続行し、OF
F(NO)であればステップS16に移行する。
【0112】ステップS16において、前記第1,第2リ
カバリーシーケンスを経ても、センサ2b5 が記録シー
ト1を検出できなかったことから、記録シート1が無く
なったものと判断し、分離ローラ11a2 ,11b2 を初期
位相状態に復帰させる。
【0113】すなわち、駆動ギヤ9bをASF出力ギヤ
9dに噛合させて、前ビン11aからの給送であればc1
方向に、後ビン11bからの給送であればc2 方向に回転
させる。次にステップS17に移行して、紙無しの状態と
してエラー表示を行う。
【0114】上記分離ローラ11a2 ,11b2 は、その駆
動伝達部に一方向伝達クラッチが用いられているため、
初期位相状態が図7(b) に示す位置にない場合が起こり
得る。すなわち、図7(a) に示すように分離ローラ11a
z,11b2 の円弧面11a22,11b22が記録シート1に圧
接した状態で静止するおそれがある。この状態から給送
動作が開始されると、搬送力の弱いフランジ部11a21,
11b21が記録シート1の分離給送に使用されるため、給
送量が足りない場合が生ずる。
【0115】このため、前記第1リカバリーシーケンス
を設けたことにより、記録シート1を記録位置まで確実
に搬送することができる。
【0116】また第2リカバリーシーケンスにより、第
1リカバリーシーケンス後に分離ローラ11a2 ,11b2
が記録シート1により連れ回されていかなる位相位置に
あっても、初期位相状態に復帰させることができ、記録
シート1の給送動作を良好に維持することができる。従
って、低コストで装置の信頼性を向上させることができ
る。
【0117】〔他の実施形態〕次に本発明における他の
実施形態を説明する。
【0118】(シート搬送手段)前述した実施形態にあ
っては、駆動する搬送ローラ2aとピンチローラ2b
1,2b2 で記録シート1に搬送力を付与するように構
成したが、シート搬送手段2は必ずしもローラ状のもの
で構成しなくても良く、例えばエンドレスベルトを回転
可能に構成した回転ベルトによって記録シート1に搬送
力を付与するようにしても良い。
【0119】(記録手段)記録手段の構成としては、上
述の吐出口、液路、電気熱変換体の組合せの他に、熱作
用部が屈曲する領域に配置されている米国特許第455833
3 号明細書、時開昭59−123670号公報等に開示されてい
るものも採用することが出来る。
【0120】また前述した記録手段は、記録装置に装着
したインクカートリッジ7fから記録ヘッドへインクを
供給するようにした例を示したが、記録ヘッド内にイン
ク収容室を設け、該インク収容室のインクが無くなった
場合には記録ヘッドを交換するようにした使い捨て型
(ディスポーザブルタイプ)の記録ヘッドを用いるよう
にしても良い。
【0121】また前述した実施形態ではシリアル型の記
録方式を例示したが、本発明はシリアル型に限定する必
要はなく、ライン型の記録方式に適用することも出来
る。
【0122】ここでフルカラー記録が可能なライン型の
インクジェット記録方式について簡単に説明する。
【0123】図12において、記録シート1は駆動回転す
る上流側搬送ローラ19a及びこれに圧接して従動回転す
るピンチローラ19b,19cと、駆動回転する下流側搬送
ローラ20a及びこれに圧接して従動回転するピンチロー
ラ20bによって矢印d方向へ搬送可能に構成されてい
る。
【0124】前記上下流側搬送ローラ19a,20a間には
記録シート1に対向するように、4個の記録ヘッド21
a,21b,21c,21dがシート搬送方向上流側から下流
側へ向かって順に配設されている。この記録ヘッド21a
〜21dは記録シート1の全幅に渡って記録が可能なライ
ン型のインクジェット記録ヘッドであり、夫々の記録ヘ
ッド21a〜21dへは図示しないインクカートリッジから
インクが供給される如く構成されている。そして記録ヘ
ッド21aにはブラックインク、記録ヘッド21bにはイエ
ローインク、記録ヘッド21cにはマゼンタインク、記録
ヘッド21dにはシアンインクが夫々供給され、各記録ヘ
ッド21a〜21dは供給されるインク色に対応した色信号
に基づいて駆動し、ノズルからインク液滴を吐出するよ
うに構成されている。
【0125】従って、記録シート1を矢印d方向へ搬送
すると共に、その搬送に同期して各記録ヘッド21a〜21
dを駆動することによって記録シート1に対してフルカ
ラー記録を行うことが出来る。
【0126】尚、図12において、記録ヘッド21aの下方
には、非記録時或いは不使用のノズルがある等の場合
に、インク吐出口の増粘インクや固着インク等を除去し
てインク吐出回復処理を行う回復系22が設けてある。
【0127】この回復系22は回復処理を行う際には、記
録シート1に代わって、各記録ヘッド21a〜21dの各ノ
ズルに対向させることが出来る。尚、上記記録ヘッド21
a〜21dは、適切なタイミングで予備加熱を行うため、
その吐出回復処理の起動回数は低減される。
【0128】更に本発明は記録手段として前述したイン
クジェット記録方式に限定する必要はない。例えば熱溶
融性インクを塗布したインクシートを画信号に応じて加
熱し、溶融したインクを記録シート1に転写する所謂熱
転写記録方式、熱によって発色する記録シート1を画信
号に応じて加熱する所謂感熱記録方式、面信号に応じて
インクリボンをワイヤーによって叩いて記録する所謂ワ
イヤードット記録方式等、種々の記録方式を採用するこ
とが出来る。従って、記録ヘッドも前述したインクジェ
ットヘッドに限定されす、例えばサーマルヘッド、ワイ
ヤドットヘッド、ディジーホイールヘッド等を使用する
ことが出来る。
【0129】尚、前記記録装置の使用形態としては、コ
ンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用い
られる他、リーダー等と組合わせた複写装置、更には送
受信機能を有するファクシミリ装置等にも適用すること
が可能である。
【0130】
【発明の効果】本発明は前述したように、それぞれの搬
送長さを第1及び第2の給送回転体のそれぞれの回転数
で記録シートが搬送回転体に到達できる長さに設定する
と共に、搬送長さが短い側の給送回転体は1回転させ、
搬送長さが長い側の給送回転体は2回転させることによ
り、確実に記録シートを搬送回転体に到達させることが
できる。このように、各ビンの給送回転体の回転数を変
えることにより、クラッチ等を用いることなく記録シー
トを確実に搬送することができる。
【0131】従って、前記給送回転体への駆動伝達部を
簡素化して、低コストで装置の信頼性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシリアル型インクジェ
ット記録装置の斜視説明図である。
【図2】図1の断面説明図である。
【図3】駆動手段の斜視説明図である。
【図4】駆動手段の斜視説明図である。
【図5】駆動力の伝達構造の説明図である。
【図6】給送回転体の断面説明図である。
【図7】給送動作を示す説明図である。
【図8】記録ヘッドの構成説明図である。
【図9】インクジェット記録原理の説明図である。
【図10】制御手段を示すブロック図である。
【図11】制御動作のフローチャートである。
【図12】ライン型インクジェット記録の構成説明図で
ある。
【図13】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 …記録シート 2 …シート搬送手段 2a …搬送ローラ 2a1 …搬送ローラ軸 2a2 …搬送ギヤ 2b1 …前ピンチローラ 2b2 …後ピンチローラ 2b5 …反射型センサ 4 …プラテン 5 …キャリッジ 5c …キャリッジモータ 6 …ガイドレール 7 …記録ヘッド 8 …排出手段 8a …排出ローラ 8b …拍車 8c …ローラ軸 8d …排出ギヤ 8e …排出スタッカ 8f …突出部 9 …駆動手段 9a …駆動モータ 9b …駆動ギヤ 9b1 …スライド軸 9b2 …中間ギヤ 9b3 …ギヤ 9c …搬送出力ギヤ 9c1 …大径ギヤ部 9c2 …小径ギヤ部 9d …出力ギヤ 10 …回復装置 11 …ASF 11a …前ビン 11a1 …ローラ軸 11a2 ,11b2 …分離ローラ 11a21…フランジ部 11a22…円弧面 11a3 …圧板 11a4 …押圧スプリング 11a5 …クラッチギヤ 11a6 …サイドガイド 11a7 …分離爪 11b …後ビン 11c …レジストローラ 11d …上ローラ 11e …レジストギヤ 11f …給送路 12 …手差し口 13 …ピンフィードトラクタ 14a,14b…側壁 15,16…上ガイド板 17 …搬送路分離板 18 …制御手段 19a …上流側搬送ローラ 19b …ピンチローラ 20a …下流側搬送ローラ 20b …ピンチローラ 21a,21b,21c,21d…記録ヘッド 22 …回復系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−148845(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録シートを積載支持する一対のビン
    と、 各ビンに設けられ、記録シートをシート給送方向下流側
    に配置されている搬送回転体に向けて送り出すための円
    弧面をそれぞれ有する第1及び第2の給送回転体と、記
    録シートに記録を行う記録手段と、を備え、 前記各給送回転体から前記搬送回転体までの記録シート
    の搬送長さが異なるように構成された記録装置におい
    て、 前記搬送長さが短い側の給送回転体は記録シートを送り
    出すときに1回転し、前記搬送長さが長い側の給送回転
    体は記録シートを送り出すときに2回転するようにし、
    それぞれの搬送長さを前記第1及び第2の給送回転体の
    前記それぞれの回転数で記録シートが前記搬送回転体に
    到達できる長さに設定したことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記給送回転体を駆動する駆動手段は、
    正逆転可能なモータと、該モータの回転を前記給送回転
    体に伝達するギヤ列とを有し、該ギヤ列に、正逆転する
    モータの一方の回転を前記第1の給送回転体に伝達し、
    他方の回転を第2の給送回転体に伝達するための一方向
    伝達クラッチを一対配設したことを特徴とする請求項1
    に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記給送回転体及び前記搬送回転体を駆
    動するためのモータを備え、該モータの駆動を前記給送
    回転体に伝達するか又は前記搬送回転体に伝達するか選
    択的に切り換えるための切り換え手段を設け、該切り換
    え手段は、前記記録手段に設けられている記録ヘッドを
    搭載して移動するためのキャリッジの移動に応じて駆動
    の伝達を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記搬送回転体により搬送される記録シ
    ートを検出する検出手段を有し、該検出手段の検出信号
    に応じて、給送途中で停止している給送回転体を初期状
    態に戻す分の回転を行う第1リカバリーシーケンスと、
    通常の給送動作を行う第2のリカバリーシーケンスとを
    行わせる制御手段を有することを特徴とする請求項1に
    記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の給送回転体は、外周
    面が円弧状の部分と円弧状でない部分とを有する断面半
    月形状であり、一方の給送回転体の円弧状部分の外周長
    を該給送回転体の1回転で記録シートが搬送回転体に到
    達できる長さに設定し、他方の給送回転体の円弧状部分
    の外周長を該給送回転体の2回転で記録シートが搬送回
    転体に到達できる長さに設定したことを特徴とする請求
    項1に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が信号に応じてインクを吐
    出して記録シートに記録を行うインクジェット記録方式
    である請求項1に記載の記録装置。
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