JP3102054U - 上衣 - Google Patents

Abstract

【課題】 上衣の運動機能性の向上を主眼にすると共に、通気性の面、或は、安全性などにおいて、公知の上衣にはない構造を採用することにより、従来の上衣の問題点を改善乃至解決した新規な上衣を提供すること。
【解決手段】 上衣W1の後身頃１の上部から両袖２，３の背面側にかけ連通したスリット４を形成し、このスリット４にファスナー５，６を設けたこと。
【選択図】図１

Description

本考案は着用時に腕を動かしたり上体を屈身するなどの運動をしたとき、着用者の身体の動きによく追従する運動機能性に優れ、また、通気性の面などで優れた効用を発揮できる構造を備えた上衣に関する。

従来から、上衣の着脱性や通気性を考慮して、上衣の前身頃又は後身頃、或は、肩から腕にかけての生地にスリットを形成し、そこにラインファスナーなどを取付けて前記スリット部分を開閉自在にした上衣が、特許文献１〜３などにより知られている。

しかし、従来のファスナーにより開閉できるようにしたスリットは、上衣の前身頃や後身頃など、単一部位に形成されたものであるため、通気性を改善する点ではそれなりの効果があったが、運動機能性の面で十分なものとはいえなかった。従来の上衣の開閉式スリットは、通気性又は着脱性の改善などを目的にして設けられたものだからである。
特開昭５７−３９２０２号公報 実開昭５７−１４７２１２号公報 実開昭５９−３３７０７号公報

そこで本考案では、上衣の運動機能性の向上を主眼にすると共に、通気性の面、或は、安全性などにおいて、公知の上衣にはない構造を採用することにより、従来の上衣の問題点を改善乃至解決した新規な上衣を提供することを課題とするものである。

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案上衣の第一の構成は、上衣の後身頃の上部から両袖の背面側にかけ連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けたことを特徴とするものであり、第二の構成は、上衣の後身頃の上部から両肩近傍の袖を通って前身頃に至る連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けて開閉自在にしたことを特徴とするものである。

本考案上衣は、上記構成において、スリットは中間部分を横向き（水平）に形成し、左右両側部が縦向き乃至斜めに連続したパターンに形成する。また、前記スリットの裏面内側には、網目地又は反射性生地乃至は表地と異なる色彩の生地を取付けることにより、ファスナーを開けたときの通気性又は安全性の向上を図ることができる。

更に、本考案上衣のファスナー付きスリットの配置形態としては、上記構成のほかに、上記のスリットと共に、又は、上記スリットとは別に、後身頃又は前身頃、或は、両身頃に、縦向きのファスナー付きスリットを設け、また、これらの縦向きスリットの裏面内側に、上記と同じ網目地や反射性生地或は表生地と色彩の異なる生地を取付ける構成を採用することもできる。

本考案上衣は、上衣の後身頃の上部から両肩近傍の袖を通って前身頃に至る連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けて開閉自在にすると共に、前記スリットの裏面内側に網目地又は反射性生地乃至は表地と異なる色の生地を取付けたので、運動機能性の向上とともに、通気性や安全性の向上を併せて得ることができる。

次に、図により本考案上衣の実施の形態例について、図を参照しつつ説明する。ここで参照する図において、図１は本考案上衣の第一例の背面図、図２は図１の上衣のファスナーを開けた状態の背面図、図３は第二例の正面図、図４は図３の背面図、図５〜図７は、上衣の前又は後の身頃に形成するファスナー付きの縦向きスリットの第一例〜第三例を示す背面図又は正面図である。

図１，図２は、ブルゾン型の上衣W1の後身頃１の上部から左右の袖２，３にかけて本考案を適用した例の背面図で、上衣W1の背中（後身頃１）の上部から両袖２，３の背面にかけて大略アーチ状をなすスリット４を設け、このスリット４に、ここではスリット中央から左，右に開閉する２つのラインファスナー５，６を設けてこのスリット４を開閉自在に形成している。5a，6aはファスナスライダに設けた開閉操作用のタブである。

図１のスリット４を閉じた上衣W1は、両ファスナー５，６のタブ5a，6aを、それぞれ左右の外側に向けスリット４に沿ってスライドすることにより両ファスナー５，６を開けると、図２に示すように、スリット４が開放された状態となる。

本考案では、上記スリット４の裏面側に、裏地７としてメッシュ生地や光反射性の生地、或は、上衣W1の素材地と異なる色の生地（これらの伸縮性生地を含む）を取付けることにより、この上衣W1の着用者の上衣の通気性や、裏地７が光を反射することや表地と色違いであることにより安全性に寄与することは勿論、スリット４が大きくしかも長い範囲で開くことにより、両腕の上げ下げや回転、或は、上体の傾きなどの動きに対し、当該上衣W1の生地に開放スリット４と裏地７によるゆとりが生じるので、着用者の動きによく従う運動追従性、つまり、突張り感や引張り感がないという、良好な着用感を得ることができる。

上記図１，図２の例は、ブルゾン型の上衣についての例であるが、本考案が適用できる上衣の型式やタイプはブルゾン型のものに限られず、袖を有して上衣として着用できる上衣であれば、その型式，タイプを問わない。また、上衣W1の生地の素材も天然繊維，合成繊維，天然又は合成の皮革など、上衣W1に形成できるものであれば、生地の材質も問題としない。

図１，図２により説明した本考案は、図３〜図７に例示する態様での実施もできるので、以下逐次説明する。なお、図３〜図７において、図１，図２と同一符号は同一部材、又は同一部位を示すものとする。

図３，図４は、スリット４を、上衣W2の背面上部からそのまま横に延ばして両袖の肩口背面側より両袖の前面側を通って当該スリット４のエンド側が左右の前身頃8L，8Rに縦向きに位置するように形成した例である。

スリット４を、図３，図４のように、上衣W２の後身頃１から前身頃8L，8Rに亘って大きく形成すると、図１，図２により説明した本考案上衣W1の例における良好な着衣性、或は、通気性や安全性が更に一段と向上すると同時に、上衣のデザインもデザイン要素が増えるので、従来公知の種々の上衣に比べ、より大胆で斬新なデザインを具現化することができる。

図５〜図７は、各上衣W3〜W5の後身頃１又は前身頃8L，8Rに、１本又は２本の縦向きファスナー５又は同５，６付きのスリット４を設けた例を示したものである。図５，図６の後身頃１に設けた各縦向きスリット４は、図１〜図４で説明した上衣W1又はW2に、それに設けられているスリット４と干渉しない位置を設定して設けたり、図１〜図４で設けるスリット４を設けずに、図５，図６の各スリット４を設けることができる。図５，図６の上衣W3，W4のスリット４の裏地７は図１〜図４の例と同様の素材から選択したものを用いる。

図１の前身頃8L，8Rの２本のファスナー付き縦向きスリット４も、図１〜図４で説明した上衣W1又はW2に、それに設けられている各スリット４と干渉しない形態で設けたり、或は、図７のスリット４のみを単独で設けたりすることができる。図７のスリット４の裏地７も、先に説明した裏地７同様のものを用いる。

図５〜図７のスリット４は、図１〜図４の上衣W1やW2のスリット４と併用して設けると、通気性，安全性、或は、良好な着衣性は更に一段と増強されることとなる。

本考案上衣は以上の通りであって、上衣の後身頃の上部から両肩近傍の袖を通って前身頃に至る連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けて開閉自在にして上衣を形成したから、通気性や安全性が向上することは勿論、着用者の動きによく追従する良好な着衣性が得られ、また、斬新な上衣のデザインを可能乃至許容するという、公知の上衣にはない有用性が得られる。

本考案上衣の第一例の背面図。 図１の上衣のファスナーを開けた状態の背面図。 第二例の正面図。 図３の背面図。 上衣の前又は後の身頃に形成するファスナー付きの縦向きスリットの第一例を示す背面図又は正面図。 上衣の前又は後の身頃に形成するファスナー付きの縦向きスリットの第二例を示す背面図又は正面図。 上衣の前又は後の身頃に形成するファスナー付きの縦向きスリットの第三例を示す背面図又は正面図。

符号の説明

W1〜W5 上衣
１ 後身頃
２，３ 袖
４ スリット
５，６ ラインファスナー
７ 裏地

Claims (6)

1. 上衣の後身頃の上部から両袖の背面側にかけ連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けたことを特徴とする上衣。
2. 上衣の後身頃の上部から両肩近傍の袖を通って前身頃に至る連通したスリットを形成し、このスリットにファスナーを設けて開閉自在にしたことを特徴とする上衣。
3. スリットは、中間部分が横向きであり、左右両側部が斜め乃至縦向きに連続した形状に形成した請求項１又は２の上衣。
4. スリットの裏面内側に網目地又は反射性生地乃至は表地と異なる色の生地を取付けることにより、ファスナーを開けたときの通気性又は安全性の向上を図った請求項１〜３のいずれかの上衣。
5. 請求項１〜４のいずれかのスリットと共に、又は、上記スリットとは別に、後身頃又は前身頃、或は、両身頃に、縦向きのファスナー付きスリットを設けた請求項１〜４のいずれかの上衣。
6. 縦向きスリットの裏面内側に、網目地又は反射性生地或は表地と異なる色の生地を取付けた請求項５の上衣。
   

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