JP3101887B2 - カビ固体培養用組成物 - Google Patents

カビ固体培養用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、豆腐製造後の副産物であるオカ
ラの有効な利用に関し、詳しくは、カビの胞子生産培
地、カビの生産する酵素の取得培地、またカビを植えつ
けてカビスターターとしてそのままチーズ製造に使用し
たり、あるいは酒、味噌、醤油等の醸造用の種麹を得る
ための固形培地の組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、オ
カラは豆腐製造における副産物として得られ、その処理
法や利用法が種々検討されてきた。最近では、オカラに
油脂や大豆蛋白を添加し、エクストルーダーにより塊状
食品とする技術が知られている。(食品加工技術、Vol.
10,No.2,1990) 。
【0003】しかし、これまでに実用的なオカラの利用
法は確立されておらず、食品素材や飼料として一部使用
されているものの、その副産物の有効利用の抜本的解決
には至らず、より付加価値の高い利用法の開発が望まれ
ている。一方、キトサンは、カニやエビの殻から得られ
るキチンを脱アセチル化したものであり、このキチンに
ついても、種々の用途開発が進められている。
【0004】カビを生育させて酵素等の物質を取得する
ための固形培地としては、専ら小麦麩あるいはこれを一
部改変した培地が使用されている。しかしながら今まで
に、オカラ単独ではカビ生育固形培地として適さないた
め殆ど利用されていなかった。さらにオカラをエクスト
ルーダー処理して得られた塊状物も同様にカビの生育に
適した物性をもたないので、有効に利用することができ
なかった。
【0005】一般にカビ生育用の固形培地としては、主
に以下の性状を備えていることが要求される。 ・微生物が生育できる栄養源を保持していること。 ・殺菌後および培養中の物性として、通気性に優れ、カ
ビの菌糸が固形培地にまんべんなく生育し、着生胞子数
が多いこと。
【0006】・食品として不適な物質を含んでいないこ
と。従ってカビの生育した固形培地から適当な溶媒を用
いて酵素等の生産物を簡単に抽出したり、カビ生育物を
そのまま、例えばチーズ製造におけるスターターとして
用いることができること。 現在、チーズ製造、例えばブルーチーズやカマンベール
チーズの製造には、ペニシリウム・ロックフオルティや
ペニシリウム・カマンベルティ、ペニシリウム・カゼイ
コラム等のカビがスターターとして使用されている。こ
れらのカビスターターの培養には、パン粉を培地として
使用するのが通常である。
【0007】カビスターターを大量に培養すると、パン
粉の物性から内部の通気性が悪くなりカビの生育が均一
にならず、培地単位当たりのカビ胞子数の低下により、
胞子の生産効率が悪くなるという問題点があった。本発
明者らは、オカラの有効利用を考える過程で、カビ類の
生育培地として好適の物性を具備したカビ固体培養組成
物を得ることを目的として、オカラを利用することを見
出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、オカラとキト
サンからなる複合体を含有するカビ固体培養組成物であ
る。本発明に使用するオカラとキトサンからなる複合体
は、以下のような方法により、製造される。
【0009】オカラにキトサンを加え、酸性下で混合
後、中和し、凍結乾燥あるいはエクストルーダ処理す
る、これにより粘着性のある組織化された物が得られ
る。オカラ100 部に対するキトサンの量は、0.1 〜10重
量部、好ましくは4〜8部である。0.1 重量部未満で
は、オカラが結着せず、また雑菌の増殖を充分に抑える
ことが出来ず、10重量部を超えると苦味を生じるので好
ましくない。望ましい酸としては、乳酸、塩酸、硫酸、
クエン酸、グルタミン酸、酢酸等、食品製造に常用され
るものが用いられる。添加量はキトサン1部に対して0.
5 〜3部が適当である。
【0010】これらの酸を用い、pHを6.0 以下に調整す
る。pHが6.0 を超えるとキトサンを充分に溶解すること
ができず、オカラとキトサンを充分に結着させた組織化
物を得ることができない。次に中和を行う。中和剤とし
ては炭酸ナトリウム、重曹、炭酸水素アンモニウム、水
酸化ナトリウム等が例示できる。中和後のpHは、5.5〜
8、好ましくは6〜7の範囲とする。
【0011】中和工程の後、凍結乾燥またはエクストル
ーダー処理により組織化を行う。凍結乾燥の場合は、例
えば−20℃位の冷凍室に放置し凍結させる。液体窒素な
どを用いて急速凍結させると氷晶が細かくなりキメの細
かいものが得られる。次いで凍結乾燥させる。凍結乾燥
物に無水酢酸を添加してキトサンをアセチル化させる
と、キトサンはキチン質に変化し水不溶性になるので耐
水性、抗菌性を変えることができる。アセチル化度は使
用する無水酢酸の量と反応液のpH、及び反応時間で調節
する。最後にアルカリで中和し、試料をよく水洗し乾燥
させる。
【0012】エクストルーダーを用いる場合は、50〜18
0 ℃、好ましくは70〜110 ℃程度の加熱を行うと、連続
的に充分な強度を持つ組織化物を得ることができる。押
し出す小孔の直径は、0.5 〜30mmが望ましい。0.5mm 以
下では目づまりしやすく、30mm以上では組織化物の供給
が困難となる。こうして得られた組織化物はヌードル状
で、水洗することもできる。またドラムドライヤー等で
乾燥し、長期間保存することも可能である。
【0013】凍結乾燥したもの、あるいはエクストルー
ダー処理したものは、いずれも多孔質複合体であり、こ
れを適当な大きさの顆粒状に砕いて使用してもよい。こ
のようにして得られた多孔質複合体は、空気の流通が良
好で、しかもキトサンが抗菌活性を有するため、雑菌の
繁殖が妨げられ、カビ生育用の固体培地、スターター取
得用の培地として使用できる。さらに、キトサンを含ん
でいるため、酵素の中でもキチン関連物質の分解に関与
する酵素の生産培地としても優れていることが分かっ
た。
【0014】この複合体を組成物として使用する場合、
他に、パン粉、小麦フスマ等、従来固体培養素材として
使われているものを添加することもできる。本発明の組
成物を培地として使用する場合、培養するカビとして
は、特に制限されず、例えばカビの胞子生産培地、カビ
の生産する酵素の取得培地、またカビを植えつけてカビ
スターターとしてそのままチーズ製造に使用したり、あ
るいは酒、味噌、醤油等の醸造用の種麹を得るための固
形培地に使用できる。
【0015】
【実施例】
製造例1 乾燥凍結法を使用したオカラとキトサンからなる複合体
の製造 オカラ 100重量部(水分81.1%、油 3.6%、蛋白質 4.8
%、糖質 6.4%、繊維3.3%、灰分 0.8%)にキトサン
(脱アセチル化度75%) 8重量部、乳酸8重量部、水 4
84重量部を加え、ブレンダーにより5分間の攪拌を行っ
た。この時のpHは3.6 であった。次に重曹を4.5 重量部
加え、さらに5分間攪拌を行った。この時のpHは6.2 で
あり、流動性を示していた。得られた混合物をステンレ
ス製のバットに流し込み、−20℃にて凍結後、凍結乾燥
処理を行った。次いで無水酢酸中で処理し、多孔質複合
体を調製した。多孔質複合体を乾燥後、顆粒状にした。
【0016】製造例2 エクストルーダーを使用したオカラとキトサンからなる
複合体の製造 オカラ100 重量部 (水分79.6%、蛋白質5.2 %、脂質4.
2 %、糖質6.7 %、粗繊維3.4 %、灰分0.9 %) にキト
サン5重量部を添加し、ケトル乳化釜により2分間混合
した。次に乳酸8重量部を加え3分間混合した。この時
のpHは約4付近であった。次いで重曹4.5 重量部を加え
さらに混合した。この時のpHは約6.5 であった。この混
合物をエクストルーダーで、回転数130rpm、第一バレル
温度100℃、第二バレル温度130 ℃、ダイの直径1.5mm
×2、フィード量約33.6kg/時、圧力約50kg/cm2 の条
件で、ヌードル状のキトサン−オカラ多孔質複合体を調
製した。
【0017】実施例1 キチナーゼ生産株(Rhizopus sp.SBTO81株)によるキチ
ナーゼの生産 製造例1で得られた顆粒状の多孔質複合体を500 mlの三
角フラスコに60g(水分70%) 入れたもの、及び500 ml
の三角フラスコに小麦麸11.6gに水8.2 gを入れたもの
を、それぞれ121 ℃、15分間滅菌した。
【0018】土壌より分離したキチナーゼ生産株(Rhiz
opus sp. SBTO81 株)を斜面培地に培養したものから菌
糸を各フラスコに1白金耳接種し、25℃で7日間培養し
た。各培地のキチナーゼの酵素活性を測定した。その結
果を表1に示す。
【0019】なお、キチナーゼの酵素活性の測定は、以
下のようにした。培養終了後、培養物を取り出し、キト
サン−オカラ培養物1.6gに対して蒸留水8.9cc 、小麦麩
培養物1gに対して蒸留水 9.5ccを加え、低温(4℃)
で1時間抽出を行い、粗酵素抽出液を調製した。1mlの
0.5 %コロイド状キチン、2mlの0.1Mリン酸バッファー
(pH6.0) 、1mlの粗酵素抽出液を混合し、30℃で30分間
反応させた後、沸騰させて反応を停止した。遠心分離
後、その上清について、生成した還元糖をN−アセチル
−D−グルコサミンを基準として、改変シャールズ法に
より定量した。1分間当たり1μmol の還元糖を遊離す
る酵素量を1単位とした。
【0020】
【表1】 表から明らかなように、小麦麸培地よりも、本発明によ
るキトサン−オカラ複合体培地の方が、酵素活性が高
い。
【0021】実施例2 チーズスターターの調製 培地の厚さが同じになるように、製造例2で得られた複
合体を100g、及びパン粉50gに水20ml入れたものを、そ
れぞれ別の 500ml三角フラスコ入れ、121 ℃で20分間滅
菌した。
【0022】各フラスコに、ペニシリウム・カゼイコラ
ム:H431(Penicillium caseicolum)の胞子を3×105/培
地(g) 個接種し、25℃で、2週間培養し、カマンベール
製造用のスターターを得た。培養物を凍結乾燥し、乾物
重量当たりの胞子数を測定した。その結果を表2に示
す。複合体培地から培養したスターターを用いて製造し
たカマンベールチーズは、パン粉を用いて培養した通常
のスターターから製造したカマンベールチーズと同等の
品質の熟度や風味を有していた。
【0023】
【表2】
【0024】表から明らかなように、パン粉培地より
も、キトサン−オカラ複合体培地の方が、胞子の着生数
が多い。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、豆腐の副産物であるオ
カラから製造されたオカラとキトサンとからなる複合体
を有効に利用して、カビ類の生育条件を備えた食品衛生
上安全なカビ固体培養用組成物を提供することができ
る。この組成物は、カビの胞子生産培地、カビの生産す
る酵素の取得培地、またカビを植えつけてカビスタータ
ーとしてそのままチーズ製造に使用したり、あるいは
酒、味噌、醤油等の醸造用の種麹を得るための固形培地
に使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:80) (56)参考文献 特開 平2−203782(JP,A) 特開 平3−147763(JP,A) 特開 昭62−195279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/14 A23L 1/238

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オカラとキトサンを酸性下で混合し、中和
    した後、凍結乾燥またはエクストルーダー処理して得ら
    れたオカラとキトサンからなる複合体を含有するカビ固
    体培養用組成物。
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