JP2545746B2 - リゾプス属菌を用いる食物繊維の製造方法 - Google Patents

リゾプス属菌を用いる食物繊維の製造方法

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JP2545746B2
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mycelium
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隆昌 久保
純 細川
一年 吉原
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キトサンを主成分に持
つ菌糸体を原料にした食物繊維用素材を提供するもので
ある。この素材は菌糸体の細胞壁からなるが、キトサン
を有するため、食品と混合すると粘度の調整に効果があ
り、さらに通常の食物繊維の体調維持効果のほかに、特
有の生理活性に基づく効果も期待できる可能性のある食
物繊維である。そのため、新しいタイプの食物繊維用素
材として広く使用される。
【0002】
【従来の技術】食物繊維は一般的に栄養価を持たない
が、食することで健康の保持に役立つとされる。そのた
め、セルロースやヘミセルロース、ペクチン等を多く有
する果物などの植物繊維を採取して、用いられてきた。
しかし最近、蟹や海老などの甲殻類表皮に多く含まれる
キチンも食物繊維として効果があることが知られてき
た。また、その一種の誘導体であるキトサンにはコレス
テロールを低下させるなどの生理活性効果があると言わ
れており、食品添加物としても認められている。キチン
は甲殻類表皮以外に菌糸体の細胞壁の構成成分でもある
が、キトサンを含む菌糸の種類はあまり知られていな
い。しかし、キチン質を菌糸体に持つ菌種のうちリゾプ
ス属菌は、液体培地で培養すればキチンとセルロース等
繊維質のほかにキトサンを多く含む細胞壁をもつ菌糸体
を生産する。このようなキトサンを多く含む菌糸体の細
胞壁だけを取り出し、食物繊維として利用しようとする
試みはいままでなされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食物繊維に必要とされ
る素材物往は、健康を保持させるための成分のほか、飲
食に適した微細形状である。本発明は、このような要件
を満足しうる新規な食品素材の製造方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、リゾプス属菌の
菌糸体細胞壁のみを取り出すとともに、食物繊維として
最適の性状を付与する方法を見いだし、本発明を完成す
るに至った。以下にこの発明についての詳細を明らかに
するものである。
【0005】すなわち本発明は、まずリゾプス属菌を溶
解澱粉、ブドウ糖、廃糖蜜などの炭素源、及び通常の窒
素・燐酸源などを含む液体培地で、好気条件下で培養し
て菌糸体を得る。リゾプス属の菌は、例えばアルコール
発酵や東南アジアのテンペなど、世界各地で伝統的に食
されている。しかし、この菌糸体のうち細胞壁のみを効
果的に取り出して調製し、食物繊維として利用する例は
なかった。
【0006】この菌糸体の組成は細胞壁と細胞質とに大
別されるが、細胞質にはタンパク質、核酸、脂肪など、
栄養価の高い成分が多い。そのため、食物繊維として使
用するためには、細胞質の内容物をを効果的に除去する
工程が必要になる。この工程として、本発明者らは培養
されたリゾプス属の菌糸体を濾別して水洗したのち、水
酸化ナトリウムもしくは炭酸ナトリウムを菌糸に対し1
〜5%添加し、100〜130℃で10〜60分間湿熱
加熱することにより、滅菌が行われるとともに効果的に
細胞質が菌糸体から分離溶出し、これを濾別水洗するだ
けで清浄な菌糸体細胞壁からなる微細繊維が得られるこ
とを見いだした。
【0007】なお、アルカリ性薬品の添加量が菌糸体に
対して5%、加熱温度130℃、加熱時間1時間以下の
加熱処理では、菌糸体の細胞壁成分には分解溶出以外の
反応は生じなかった。この菌糸体細胞壁は淡黄色を呈す
るが、漂白も可能であった。また、ミキサーなどの離解
機を用いて、種々の飲料用や固形食品用に適した大きさ
に容易に微細化できた。得られた菌糸体細胞壁の食味は
無味無臭であった。
【0008】
【発明の効果】本発明の製造法によって食物繊維素材を
調製することにより、近年、その生理活性効果が期待さ
れているキトサンを含む新しい食物繊維が安全且つ容易
に生産できる。本発明はこれに応えるものである。
【0009】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによってなんら限定されるもの
ではない。
【0010】実施例 蒸煮コーンスターチ300グラム、ポリペプトン50グ
ラム、燐酸水素二カリウム10グラム、硫酸マグネシウ
ム5グラム、水10リットルからなる組成の培地を用
い、通気量0.7vvm、29℃の条件でリゾプス属ア
セトイナスHUT1219を3日間培養した。そのの
ち、培養液から菌糸体を濾別して水洗したのち、水酸化
ナトリウムを菌糸に対し5%添加して水を添加し、オー
トクレーブを用いて130℃で60分間湿熱加熱した。
冷却後、菌糸体を濾別し、水で十分に洗浄した。得られ
た菌糸体細胞壁のpHは中性であり、タンパク、脂肪量
は検出されず、糖分析結果はキチン含有率は45%、キ
トサン23%、セルロース等繊維質30%、酸性多糖2
%であった。
【0011】この得られた微細繊維状の菌糸体細胞壁
は、洗浄によって添加したアルカリ性薬品は除かれてお
り、長さ1ミリ、直径10ミクロン程度であった。組成
はキチン、キトサン、セルロース等繊維質など、人体の
消化器官で消化されない多糖類で構成されており、タン
パク質や脂肪類は検出されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:845)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体培地で培養増殖させたリゾプス属菌
    の菌糸体に対して、炭酸ナトリウムもしくは水酸化ナト
    リウムを1〜5%添加し、100〜130℃に湿熱処理
    することによって、精選された繊維状細胞壁のみを製造
    し、食物繊維素材とする方法。
JP6182708A 1994-06-30 1994-06-30 リゾプス属菌を用いる食物繊維の製造方法 Expired - Lifetime JP2545746B2 (ja)

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CZ2009325A3 (cs) * 2009-05-22 2010-07-14 Polach@Tomáš Polotovar z jedlých hub, způsob jeho výroby a použití

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