JP3101571B2 - 射出成形用金型装置 - Google Patents

射出成形用金型装置

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JP3101571B2
JP3101571B2 JP08180261A JP18026196A JP3101571B2 JP 3101571 B2 JP3101571 B2 JP 3101571B2 JP 08180261 A JP08180261 A JP 08180261A JP 18026196 A JP18026196 A JP 18026196A JP 3101571 B2 JP3101571 B2 JP 3101571B2
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正生 川名子
弘 北山
徹 今中
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型開き時に成形品
を上型に残存保持させる射出成形用金型装置に関し、と
りわけ、材料充填前にキャビティ内を真空にする機能
と、型開き時に成形品を上型側に押し付けるようにして
下型側から取り出す機能とを備えた射出成形用金型装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形においては、キャビティ内に溶
融材料を充填する前にキャビティ内のエアを充分に排出
しないと、エアの巻き込み等によって不良品の発生を招
き易いことが知られている。このため、これに対処し得
る金型装置として、特開昭58−194523号公報に
示されるようなものが案出されている。
【0003】この金型装置は、図5,図6に示すよう
に、固定設置された上型1と昇降作動する下型2の間に
キャビティ3が形成され、上型1側に射出装置に接続さ
れるスプルー4が設けられると共に、下型2側に、型開
き時に成形品wを上方に突き上げるための複数個のエジ
ェクターピン5,6…が設けられ、中央部のエジェクタ
ーピン5を収容するピン孔7に、真空装置に接続された
吸引通路8が連通している。そして、中央部のエジェク
ターピン5は、キャビティ3内に臨むその先端部にピン
孔7を開閉する弁部9が形成されると共に、この弁部9
の背面に、ピン孔7との間で隙間通路10を成す縮径部
11が形成されており、エジェクターピン5が上昇して
弁部9がピン孔7を開くと、吸引通路8とキャビティ3
内が隙間通路10を通して連通するようになっている。
また、中央部以外のエジェクターピン6はエジェクター
プレート12に剛的に結合されているが、中央部のエジ
ェクターピン5は、エジェクタープレート12の上面に
単に当接するようになっている。尚、エジェクタープレ
ート12は下型2を昇降させるための装置とは別の図外
のアクチュエータによって昇降するようになっている。
【0004】この金型装置の動作について簡単に説明す
ると、型閉め時には、図5に示すように、中央部のエジ
ェクターピン5だけがキャビティ3内に突出した状態、
つまり、弁部9がピン孔7を開いてキャビティ3内が吸
引通路8と連通した状態となっており、この状態におい
て真空装置によるキャビティ3内のエアの吸引を行う。
こうして、キャビティ3内のエアが充分に排出される
と、スプルー4から溶融材料をキャビティ3内に射出す
るが、このとき、エジェクターピン5はその射出圧を受
けて後退して、図6に示すように、弁部9がピン孔7を
閉じると共に、その基部がエジェクタープレート12に
当接する。そして、この後材料が固化したところで、下
型2を下降させて型開きを行い、その後エジェクタープ
レート12を上昇させてエジェクターピン5,6を下型
2から突き上げ、成形品wを下型2から取り出す。ま
た、この後次の成形に備えてエジェクタープレート12
を後退させると、中央部のエジェクターピン5を残して
他のエジェクターピン6が後退し、この状態から再び型
閉めを行うと、図5に示すように中央部のエジェクター
ピン5がキャビティ3内に突出した状態で取り残され
る。
【0005】ところで、ゴム成形品等を射出成形によっ
て成形する場合、型開き時に成形品を上型側にそのまま
残存保持させ、その状態において上型を所定の成形品取
り出し位置まで移動させた後に、そこで上型から成形品
を取り出す方法が採られることがある。そして、このよ
うに上型を別の場所に移動させて成形品を取り出す成形
及び離型方法においても、成形品のより一層の品質向上
のために、前述のように射出前にキャビティ内のエアを
抜くことが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
成形及び離型方法において図5,図6に示すような金型
装置を採用する場合には、離型時における上型1からの
成形品wの脱落を防止するために、まずエジェクターピ
ン5,6で成形品wを上型1に適度な圧力でもって押し
付け、その状態で下型2を下降させて、最後にエジェク
ターピン5,6を下降させなければならない。このた
め、エジェクターピン5,6の押し付け圧力の調整や作
動タイミングの制御が難しく、エジェクタープレート1
2を作動させるアクチュエータの構造が複雑になって、
装置の製造コストの増大を招くという不具合を生じる。
【0007】そこで本発明は、キャビティへの材料射出
前にキャビティ内のエアを確実に抜くことができ、しか
も、型開き時には、特別なアクチュエータを用いること
なく成形品を上型に押し付けた状態で下型から押し出す
ことができるようにして、成形品の品質向上と装置の製
造コストの低減を両立することのできる射出成形用金型
装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1の発明は、キャビティを形
成する上型と下型とを備え、これらの型を型閉めしてキ
ャビティ内に材料を充填し、キャビティ内の材料が固化
したところで上型に成形品を残存保持させるように型開
きする射出成形用金型装置において、前記下型にキャビ
ティ内に開口するピン孔を形成して、このピン孔にエジ
ェクターピンを昇降自在に設け、このエジェクターピン
のキャビティ内に臨む先端部に前記ピン孔を開閉する弁
部を形成すると共に、この弁部の背面に、前記ピン孔と
の間で隙間通路を成す縮径部を形成し、さらに前記ピン
孔の隙間通路形成部に、真空装置に接続された吸引通路
を連通させる一方、前記下型に、第1スプリングによっ
て上方に付勢されたリターンピンを設け、このリターン
ピンと前記エジェクターピンとを、エジェクターピンを
上方に付勢する第2スプリングを介して連動させ、この
第2スプリングのばね力を、型閉め時にエジェクターピ
ンの弁部がピン孔を開き、材料の射出圧によって弁部が
ピン孔を閉じるように設定した。
【0009】この発明の金型装置は以上のような構成と
したため、次のように作動する。
【0010】型閉め時に上型と下型が閉じられると、リ
ターンピンが第1スプリングの力に抗して下降し、これ
に伴ってエジェクターピンが下降する。このとき、第2
スプリングは伸びているため、エジェクターピンは上方
に突出してその弁部がピン孔を開いている。この状態か
ら真空装置が作動すると、キャビティ内のエアは隙間通
路と吸引通路を介して排出される。この後、キャビティ
内への材料の射出が行われるが、このとき材料が射出さ
れると、エジェクターピンがその射出圧を受け第2スプ
リングの力に抗して下降し、その弁部がピン孔を閉じ
る。さらにこの後、キャビティ内の材料が固化したこと
ろで型開きが行われ、それに伴ってリターンピンが上昇
すると共に、エジェクターピンが成形品を下型側から押
し上げる。このとき、リターンピンが上昇するストロー
クの間、エジェクターピンは第1スプリングの力によっ
て成形品を上型に押し付けるため、成形品は上型側に確
実に残存保持される。
【0011】また、請求項2の発明は、さらに前記リタ
ーンピンとエジェクターピンとの連動部に、エジェクタ
ーピンのキャビティ内への突出量を規制する規制手段を
設けた。この場合、型閉め時にエジェクターピンの先端
が上型側に衝突するのを防止することができる。
【0012】請求項3の発明は、さらに前記吸引通路に
切換弁を介してエア供給装置を接続し、型開き時に切換
弁の操作によって前記隙間通路から成形品下面にエアを
供給するようにした。この場合、エジェクターピンによ
る押し出しに併せて、エアによる下型側からの成形品の
離型を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1
〜図4に基づいて説明する。
【0014】図面において、20は、射出装置のノズル
21が接続されるスプルー22を備えた材料導入ベース
であり、23は、下型24と共に接合面間にキャビティ
25を形成する上型である。材料導入ベース20は固定
設置され、上型23及び下型24は、図示しない昇降装
置によって昇降できるようになっている。そして、上型
23はさらに図示しないシリンダ装置に接続され、型開
き後にこのシリンダ装置によって所定の成形品取り出し
位置まで水平方向に移動できるようになっている。ま
た、下型24はキャビティ25を形成する下型本体24
aと、この下型本体24aの下面に接合される下型ベー
ス24bとから成り、この下型ベース24b側に後述す
る主なエア配管や機構が組み込まれている。
【0015】ここで、この金型装置によって造形する成
形品26の概略について説明すると、この成形品26
は、油圧機器のゴム製のピストン・カップを製造する際
の、図2に示すような中間段階の成形品であり、この成
形品26は、同図中の鎖線aで示す部分で最終的に切除
され、その鎖線aの下側部分がピストン・カップとして
用いられる。この成形品26は、円筒状のベース部27
の下端に外側斜め上方に延出する環状リップ28が設け
られる共に、ベース部27の上端にキャップ部29、さ
らにこのキャップ部29の上面に支柱部30が設けられ
た全体形状となっている。このうち支柱部30、キャッ
プ部29、ベース部27の各外周面から環状リップ28
の内周面にかけてが上型23によって造形され、環状リ
ップ28の外周面からベース部27とキャップ部29の
内側部分にかけてが下型24によって造形されるように
なっている。尚、環状リップ28の外周面とベース部2
7の内周面には径方向に膨出、または窪んだ部分があ
り、そのため下型24側にはアンダーカット部分31
a,31b(図1参照。)が存在する。
【0016】前記下型24には、キャビティ25の中央
部下面(キャップ部29の造形部)に開口するピン孔3
2が形成されており、このピン孔32にエジェクターピ
ン33が昇降自在に収容されている。このエジェクター
ピン33は、キャビティ25内に臨むその先端部に、ピ
ン孔32の開口部を開閉する弁部34が形成されると共
に、この弁部34の背面に、ピン孔32との間で隙間通
路35を成す縮径部36が形成されている。弁部34は
ピン孔32の径よりも大きく形成されていて、エジェク
ターピン33の下降時に、ピン孔32の開口部を上方か
ら閉塞し、その状態において上面部分がキャビティ25
の一部を成すようになっている。また、ピン孔32の途
中の隙間通路35形成部には、真空装置37に接続され
た吸引通路38が連通しており、前記弁部34がピン孔
32の開口部を開いたときに、キャビティ25内が隙間
通路35を介して吸引通路38と連通するようになって
いる。そして、エジェクターピン33の基部はフローテ
イングピン43を介して後述するエジェクタープレート
39によって支持され、このエジェクタープレート39
と共に昇降できるようになっている。
【0017】エジェクタープレート39は、下型24
(下型ベース24b)内に昇降自在に収容され、その下
面を第1スプリング40によって上方に付勢されると共
に、その一部にリターンピン41が剛的に結合されてい
る。リターンピン41は、下型24に形成されたガイド
孔42に摺動自在に収容されており、型開き時には、前
記第1スプリング40のばね力によって下型24の上面
から所定量上方に突出し、型閉め時には、上端を上型2
3の下面に押されることにより第1スプリング40の力
に抗して後退するようになっている。
【0018】また、エジェクタープレート39には、前
記エジェクターピン33の下側に介在されるフローテイ
ングピン43の縮径部44cが摺動自在に嵌合されてい
て、エジェクターピン33とエジェクタープレート39
の上下方向の相対移動は、縮径部44cの上下に設けら
れた規制手段としての拡径部44a,44bによって規
制されるようになっている。そして、フローティングピ
ン43とエジェクタープレート39の間には第2スプリ
ング45が介装されており、エジェクターピン33がこ
の第2スプリング45の力によりエジェクタープレート
39から上方に向かって付勢されている。
【0019】前記第1スプリング40のばね力は、型閉
め時の支障にならない範囲の比較的大きな値に設定され
ており、第2スプリング45のばね力は、型閉め時にエ
ジェクターピン33の弁部34がピン孔32を開き、キ
ャビティ25内に溶融材料が射出されたときにその射出
圧によって弁部34がピン孔32を閉じるような値に設
定されている。また、エジェクタープレート39からの
エジェクターピン33の上昇量c(図1参照。)はフロ
ーティングピン43の下側の拡径部44bによって規制
されるが、この上昇量cは型閉め時に弁部34がピン孔
32を確実に開き、しかも、上型23側のキャビティ内
壁と接触することのない範囲に設定されている。したが
って、エジェクターピン33と上型23の衝突によるエ
ジェクターピン33の先端部(弁部34)の損傷は生じ
ない。
【0020】さらに、前記材料導入ベース20と上型2
3、上型23と下型本体24a、下型本体24aと下型
ベース24bの各接合部間には、キャビティ25の周域
を囲繞するように環状のシール部材46,47,48が
設けられ、これらの各部材接合部からのエアの出入りを
阻止するようになっている。そして、吸引通路38は前
記ピン孔32ばかりでなく、上型23と下型本体24a
との接合部間のキャビティ25の周域部分にも連通し
(この部分の吸引通路を符号38aで示す。)、これら
の接合部間に隙間が生じた場合にはこの隙間からもキャ
ビティ25内のエアを排出できるようになっている。
【0021】また、下型24の吸引通路38は真空装置
37に対して切換弁49を介して接続されており、この
切換弁49には真空装置37とは別にエア供給装置50
が接続され、必要に応じて吸引通路38をエア供給装置
50側に切換えられるようになっている。具体的には、
この切換弁49は、型閉め直後には吸引通路38を真空
装置37側に連通させ、さらに型開き初期には吸引通路
38をエア供給装置50側に連通させるようになってい
る。尚、図1中51は、キャビティ25内の圧力を監視
するための真空センサである。
【0022】以上のように構成されたこの金型装置によ
って成形品26の製造を行う場合には、まず、固定設置
された材料導入ベース20に対し、図外の昇降装置によ
り上型23及び下型24を上昇させて型閉めを行う。こ
うして型閉めが行われると、リターンピン41の上端が
上型23に押され、リターンピン41とエジェクタープ
レート39が第1スプリング40のばね力に抗して下型
24に対して相対的に下降し、このときエジェクタープ
レート39にフローティングピン43を介して支持され
ているエジェクターピン33が同プレート39と連動し
て下降する。そして、型閉めが完全に完了すると、エジ
ェクターピン33は、図1の右半部(A)で示すように
第2スプリング45のばね力で上方に突出してその弁部
34がピン孔32を開いた状態となり、キャビティ25
内は隙間通路35を介して吸引通路38と連通してい
る。
【0023】つづいて、この状態から切換弁49が真空
装置37側に切換えられ、真空装置37によってキャビ
ティ25内のエアが外部に吸い出される。こうしてキャ
ビティ25内のエアの排出が行われ、キャビティ25内
が設定真空状態になったことが真空センサ51によって
検出されると、射出装置のノズル21から溶融ゴム材料
の射出が開始される。こうしてキャビティ25内に材料
が射出されると、エジェクターピン33がその射出圧に
よって第2スプリング45を押し縮めて下降し、図1の
左半部(B)で示すように、その先端の弁部34がピン
孔32の開口を閉塞するようになる。尚、このとき真空
装置37によるキャビティ25内の吸引は続けられ、溶
融材料から発生するガスはピン孔32が完全に閉じられ
る直前まで真空装置によって吸い出される。
【0024】この後、キャビティ25内の材料の固化を
待って型開きが行われるが、この型開きの初期には下型
24だけが下降して上型23と下型24が離反する。こ
のとき、最初は下型24の下降に伴ってリターンピン4
1が第1スプリング40のばね力によって先端部を上型
23に当接させたまま(下型24に対して相対的に)上
昇し、それに伴ってエジェクタープレート39とエジェ
クターピン33がこれに同期して上昇する。つまり、エ
ジェクターピン33は、図3の左半部(C)で示すよう
に、その先端部を成形品26の下面中央に押し付けたま
ま上昇して下型24から成形品26を上方に押し出す。
このとき、成形品26は少なくとも、第1スプリング4
0の荷重で上型23に押し付けられるため、下型24か
ら確実に離型して上型23側に残存保持される。
【0025】また、この型開きの初期には、このエジェ
クターピン33による荷重の付与に加えて、高圧エアに
よる下型24からの成形品26の剥離が同時に行われ
る。つまり、型開きが開始される直前には切換弁49が
エア供給装置50側に切り換えられ、型開きの開始によ
ってエジェクターピン33の弁部34がピン孔32を僅
かに開くと、高圧エアがこの開いた隙間を通して下型2
4と成形品26の間に導入される。したがって、このと
き下型24からの成形品26の剥離はこの高圧エアによ
って促進され、成形品26はより確実に下型24から離
型される。
【0026】こうして、下型24の下降がさらに進む
と、リターンピン41の(下型24に対する相対的な)
上昇が停止して上型23がリターンピン41から離間す
るが、この後、僅かのストロークの間、図3の右半部
(D)で示すように、エジェクターピン33は第2スプ
リング45のばね力によって上昇する。このように、成
形品26は充分なストロークの間、エジェクターピン3
3によって上型23に押し付けられるため、離型時にお
ける上型23からの成形品26の脱落はより確実に防止
される。
【0027】この後、上型23が、図4に示すように下
型24と共に下降し、スプルー22で造形された材料残
存部が材料導入ベース20から離型して、成形品26が
完全に上型23に残存保持される。そして、こうして成
形品26が完全に上型23に保持されると、上型23が
所定の成形品取り出し位置まで水平方向に移動し、そこ
で図外の押出ピンによって成形品26が取り出される。
【0028】この金型装置においては、材料充填前にキ
ャビティ25内のエアを確実に排出して成形品26の品
質を高めることができるうえ、特別なアクチュエータを
用いない簡単な構造でありながら、下型24にアンダー
カット部分31a,31bがある場合であっても成形品
26を下型24から離型して上型23側に確実に残存保
持させることができる。特に、この金型装置にあって
は、リターンピン41の上昇ストロークの間、第1スプ
リング40のばね力によって成形品26を上型23に確
実に押し付けることができるため、成形品26のゴム弾
性のために成形品26と下型24との係合が外れにくい
場合であっても、充分なストロークの間上型23と成形
品26の係合部分に負荷がかかることがなくなり、この
ため、上型23からの成形品26の脱落をより一層確実
に防止することができる。
【0029】尚、以上では、上型23と下型24で一度
に一つ成形品26を造形する場合について説明したが、
キャビティ25やエジェクターピン33、吸引通路38
等を同様に複数個設け、一度に多数個の成形品26を成
形するようにしても良い。この場合、射出時における各
キャビティ25内でのエジェクターピン33の後退タイ
ミング、つまり、ピン孔32の閉じタイミングが溶融材
料の各キャビティ25への導入状況(射出圧)に応じて
独立して決まるため、すべてのキャビティ25において
エアや発生ガスを確実に排出することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、型閉め
時には、エジェクターピンが第2スプリングのばね力に
よって上方に突出してピン孔を開き、キャビティと吸引
通路を連通させることができるため、キャビティへの材
料射出前にキャビティ内のエアを確実に抜くことがで
き、また、型開き時には、第1スプリングによって上方
に付勢されたリターンピンと、このリターンピンに連動
するエジェクターピンの作用によって成形品を上型に押
し付けた状態で下型から押し出すことができるため、特
別なアクチュエータを用いることなく、簡単な構造によ
って上型側からの成形品の脱落を確実に防止することが
できる。したがって、この発明によれば、成形品の品質
向上と装置の製造コストの低減とを両立することができ
る。
【0031】また、請求項2の発明は、リターンピンと
エジェクターピンとの連動部に、エジェクターピンのキ
ャビティ内への突出量を規制する規制手段を設けたた
め、型閉め時にエジェクターピンの先端が上型側に衝突
するのを防止し、エジェクターピンの先端部の損傷を無
くすことができる。
【0032】さらに、請求項3の発明は、吸引通路に切
換弁を介してエア供給装置を接続し、型開き時に切換弁
の操作によって前記隙間通路から成形品下面にエアを供
給するようにしたため、エジェクターピンによる押し出
しに併せて、エアによる下型側からの成形品の離型を行
うことができ、下型側からの成形品の離型をより確実な
ものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】同実施例を示す断面図。
【図3】同実施例を示す断面図。
【図4】同実施例を示す断面図。
【図5】従来の技術を示す断面図。
【図6】同技術を示す断面図。
【符号の説明】
23…上型、 24…下型、 25…キャビティ、 26…成形品、 32…ピン孔、 33…エジェクターピン、 34…弁部、 35…隙間通路、 36…縮径部、 37…真空装置、 38…吸引通路、 40…第1スプリング、 41…リターンピン、 44a,44b…拡径部(規制手段)、 45…第2スプリング、 49…切換弁、 50…エア供給装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 寿雄 千葉県千葉市稲毛区長沼町330番地 鬼 怒川ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−202333(JP,A) 特開 昭61−283516(JP,A) 特開 平7−112459(JP,A) 実開 昭58−171325(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティを形成する上型と下型とを備
    え、これらの型を型閉めしてキャビティ内に材料を充填
    し、キャビティ内の材料が固化したところで上型に成形
    品を残存保持させるように型開きする射出成形用金型装
    置において、 前記下型にキャビティ内に開口するピン孔を形成して、
    このピン孔にエジェクターピンを昇降自在に設け、この
    エジェクターピンのキャビティ内に臨む先端部に前記ピ
    ン孔を開閉する弁部を形成すると共に、この弁部の背面
    に、前記ピン孔との間で隙間通路を成す縮径部を形成
    し、さらに前記ピン孔の隙間通路形成部に、真空装置に
    接続された吸引通路を連通させる一方、 前記下型に、第1スプリングによって上方に付勢された
    リターンピンを設け、このリターンピンと前記エジェク
    ターピンとを、エジェクターピンを上方に付勢する第2
    スプリングを介して連動させし、この第2スプリングの
    ばね力を、型閉め時にエジェクターピンの弁部がピン孔
    を開き、材料の射出圧によって弁部がピン孔を閉じるよ
    うに設定したことを特徴とする射出成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 前記リターンピンとエジェクターピンと
    の連動部に、エジェクターピンのキャビティ内への突出
    量を規制する規制手段を設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の射出成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引通路に切換弁を介してエア供給
    装置を接続し、型開き時に切換弁の操作によって前記隙
    間通路から成形品下面にエアを供給することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の射出成形用金型装置。
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