JP3100864B2 - 装身具用高純度白金合金および装身具用高純度白金合金を得る方法 - Google Patents
装身具用高純度白金合金および装身具用高純度白金合金を得る方法Info
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輪等の装身具用高純度白金製品に用いられ、ホールマー
ク(大蔵省造幣局の検定刻印)“Pt1000”の認定
基準に合致する装身具用高純度白金合金に関する。
クレス等の装身具においては、“Pt900”のホール
マークの付されたものが知られており、現在、市場に流
通している白金製の装身具の多くは“Pt900”であ
る。この“Pt900”のホールマークの付された装身
具においては、材料として10重量%のパラジウム(P
d)と90重量%の白金(Pt)からなる所謂「パラジ
ウム割り」と呼ばれる白金合金が主として用いられてい
る。
まま用いることが望ましいが、極めて純度の高い白金は
非常に柔らかく傷つき易いだけでなく、柔らか過ぎるが
故にその加工性が極めて悪いという欠点がある。そこ
で、前記のように白金にパラジウム等を混ぜて合金化す
ることにより、適度な加工性と機械的強度(特に、硬
さ)をもたせることが一般に行われている。
身具においては、純粋、結婚、永遠等のイメージに合致
した、より白金の純度の高い製品が好まれる傾向が強く
なってきており、“Pt900”との差別化を図らんが
ために、“Pt1000”なるホールマークの付された
装身具が市場に出始めている。
最大1000分の3、即ち0.3重量%までの他元素
(白金以外の元素)の混入が公差として認められてお
り、この基準を満たす白金、即ち99.7重量%以上を
白金元素で占める白金(大蔵省造幣局のホールマークの
分類では“純白金”とされている。)に“Pt100
0”のホールマークが付されることになっている。
身具用高純度白金製品は、塑性加工を経て製造される製
品と、鋳造により製造される製品の2種類に大別され
る。塑性加工すなわち圧延、プレス等の加工を経て製造
される製品は、加工硬化によりHv(ビッカース硬さ)
150〜200程度の硬さが得られるものである。これ
らの製品は一連の機械加工を行うため、比較的単純な形
状(例えば、甲丸リング、平打リングをベースとしたカ
ットリング等)の製品に限定される。
形されるため、複雑で繊細な形状が得られるものであ
り、デザインの多様性を得るためには鋳造法によること
が望ましい。
おいては、複雑で繊細な形状が得られる反面、圧延、プ
レス等の機械加工を経ないために加工硬化が得られない
という難点があり、特に装身具用高純度白金製品におい
ては硬さが不足し、変形しやすく、傷つきやすい等の問
題点が生じる。
で、その目的とするところは、装身具用高純度白金を、
鋳造法においても実用上十分な硬さを有するものとする
ことが可能な装身具用高純度白金合金と、この装身具用
高純度白金合金を得る方法とを提供することにある。
に、本発明者は、鋳造法においても実用上十分な硬さを
有し、且つホールマーク“Pt1000”の取得が可能
な装身具用高純度白金合金を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、Ptに混入させる微量元素として、Bと、S
i、Mg、Zr、Al、Ca、Thの中から選ばれる1
種類または2種類以上の元素とを用いることにより、
“Pt1000”の基準に合致し且つ実用上十分な硬さ
を有する装身具用高純度白金合金が得られることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
合金は、鋳造法によって作製され、Ptの含有量が99
重量%以上であって、添加元素として、Bと、鋳造用ル
ツボに酸化物として含まれており、Si、Mg、Zr、
Al、Ca、Thの中から選ばれる1種類または2種類
以上の元素と、を含有しており、 前記添加元素の含有
量が合計で0.0001重量%以上1重量%以下である
ことを特徴とするものである。請求項2の装身具用高純
度白金合金は、請求項1記載の装身具用高純度白金合金
において、Ptの含有量が99.7重量%以上であり、
且つ前記添加元素の含有量が合計で0.002重量%以
上0.3重量%以下であることを特徴とするものであ
る。
tの含有量が99重量%以上であって、添加元素とし
て、Bと、Mg、Zr、Thの中から選ばれる1種類又
は2種類以上の元素と、を含有しており、前記添加元素
の含有量が合計で0.0001重量%以上1重量%以下
であることを特徴とするものである。
i酸化物から構成される鋳造用ルツボを用いた鋳造法に
よって作製された装身具用高純度白金合金であり、Pt
の含有量が99重量%以上であって、添加元素として、
Bと、Siとを含有しており、前記添加元素の含有量が
合計で0.0001重量%以上1重量%以下であること
を特徴とするものである。請求項5の装身具用高純度白
金合金は、請求項4記載の装身具用高純度白金合金にお
いて、Ptの含有量が99.7重量%以上であり、且つ
前記添加元素の含有量が合計で0.002重量%以上
0.3重量%以下であることを特徴とするものである。
i、Mg、Zr、Al、Ca、Thの中から選ばれる1
種類又は2種類以上の添加元素と、を添加して作製され
る装身具用高純度白金合金を得る方法であって、予めP
tにBを添加したPt−B合金を製造し、次いで、前記
添加元素の酸化物から構成されるルツボを用いて前記P
t−B合金を溶解することにより、前記酸化物の一部を
Bを用いて還元して前記添加元素を前記Pt−B合金に
添加することを特徴とする。請求項7記載の発明は、P
tに、BおよびSiを添加して作製される装身具用高純
度白金合金を得る方法であって、予めPtにBを添加し
たPt−B合金を製造し、次いで、Si酸化物から構成
されるルツボを用いて前記Pt−B合金を溶解すること
により、前記Si酸化物の一部をBを用いて還元してS
iを前記Pt−B合金に添加すること、を特徴とする。
99重量%以上であって、前記添加元素の含有量が合計
で0.0001重量%以上1重量%以下の場合、添加元
素として微量含まれるBと、Si、Mg、Zr、Al、
Ca、Thの中から選ばれる1種類または2種類以上の
元素との共存作用によって、鋳造法においてもPtのも
つ色調および高級感を失わず、傷や変形に強く、高硬度
でかつ加工性に優れた装身具用高純度白金合金が得られ
ることが確認された。
って、添加元素の含有量が合計で0.002重量%以上
1重量%以下とした装身具用高純度白金合金の鋳造品に
おいては、従来のパラジウム割りPt900(Pt90
重量%、Pd10重量%)鋳造品の硬さ(Hv=70〜
75)以上の硬さが得られることが確認された。
とし、前記添加元素の含有量を合計で0.002重量%
以上0.3重量%以下とした装身具用高純度白金合金の
鋳造品は、きわめて傷や変形に強く、高硬度でかつ加工
性に優れたものになり、更には”Pt1000”のホー
ルマークの認定基準を満たすことができることが確認さ
れた。
とりわけ傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れた
装身具用高純度白金合金が得られることが確認された。
を得る方法の一例について説明する。Pt地金にBを添
加し、アーク溶解炉で合金化してB−Pt合金インゴッ
トを作製する。次いで、得られたB−Pt合金を、Ar
あるいはN2等の不活性ガス雰囲気中においてSiO2製
等のルツボを用いて溶解する。
物系耐火物であるSiO2とBもしくはB2O3が反応
し、SiO2 は還元されてSiとなる。酸化されたB、
すなわち、B2O3は気化散逸するため、Pt中に添加さ
れたBの量は徐々に減少する。
として気化散逸せずPt中に残存したBのPt中への固
溶強化やPtとの合金化、あるいはその他の種々の要因
によりPtの硬さが上昇し、Ptのもつ色調および高級
感を失わず、高硬度でかつ加工性に優れた装身具用高純
度白金合金が得られる。
O2、Al2O3、CaO、ThO2等の中から選ばれる1
種類または2種類以上の化合物から構成されるものが例
示されるが、SiO2製のルツボの代わりにこれらMg
O、ZrO2、Al2O3、CaO、ThO2等の中から選
ばれる1種類または2種類以上の化合物から構成される
ルツボを用いても、SiO2製のルツボを用いた場合と
同様の効果が得られる。すなわち、溶解鋳造時にこれら
のルツボの構成成分であって酸化物系耐火物であるZr
O2、MgO、Al2O3、CaO、ThO2等とBもしく
はB2O3が反応し、ZrO2、MgO、Al2O3、Ca
O、ThO2等は還元されてZr、Mg、Al、Ca、
Thとなる。
量は徐々に減少する。還元された元素であるZr、M
g、Al、Ca、Th、およびB2O3として気化散逸せ
ずPt中に残存したBのPt中への固溶強化やPtとの
合金化、あるいはその他の種々の要因により、Ptの硬
さが上昇し、Ptのもつ色調および高級感を失わず、高
硬度でかつ加工性に優れた装身具用高純度白金合金が得
られる。
素として、Bと、酸化物が鋳造用ルツボを構成してい
て、Si、Mg、Zr、Al、Ca、Thの中から選ば
れる1種類または2種類以上の元素と、を含有している
ため、添加元素として微量含まれるBと、Si、Mg、
Zr、Al、Ca、Thの中から選ばれる1種類または
2種類以上の元素との共存作用によって、鋳造法におい
ても傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れたもの
となる。また、Ptの含有量が99重量%以上であっ
て、前記添加元素の含有量が合計で0.0001重量%
以上1重量%以下であるため、Ptの純度はきわめて高
いものとなり、Ptの持つ色調および高級感を保持でき
る。
tの含有量が99.7重量%以上であり、且つ前記添加
元素の含有量が合計で0.002重量%以上0.3重量
%以下であるため、鋳造法においてもきわめて傷や変形
に強く、高硬度で且つ加工性に優れたものになり、更に
は“Pt1000”のホールマークの認定基準に合致す
るものとなる。
と、Mg、Zr、Thの中から選ばれる1種類または2
種類以上の元素と、を含有しているため、添加元素とし
て微量含まれるBと、Mg、Zr、Thの中から選ばれ
る1種類または2種類以上の元素との共存作用によっ
て、鋳造法においても傷や変形に強く、高硬度でかつ加
工性に優れたものとなる。また、Ptの含有量が99重
量%以上であって、前記添加元素の含有量が合計で0.
0001重量%以上1重量%以下であるため、Ptの純
度はきわめて高いものとなり、Ptの持つ色調および高
級感を保持できる。
tの含有量が99重量%以上であって、添加元素とし
て、Bと、Siとを含有しており、これら添加元素とし
てのBと、Siの含有量が合計で0.0001重量%以
上1重量%以下であるため、鋳造法においてもきわめて
傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れたものとな
る。請求項5の装身具用高純度白金合金は、Ptの含有
量が99.7重量%以上であり、且つ添加元素としての
Bと、Siの含有量が合計で0.002重量%以上0.
3重量%以下であるため、鋳造法においてもきわめて傷
や変形に強く、高硬度で且つ加工性に優れたものになる
上、“Pt1000”のホールマークの認定基準に合致
する。
方法によれば、予めPtにBを添加したPt−B合金を
作製し、次いで、Si、Mg、Zr、Al、Ca、Th
の中から選ばれる1種類又は2種類以上の添加元素の酸
化物から構成されるルツボを用いて前記Pt−B合金を
溶解することにより、前記酸化物の一部をBを用いて還
元して前記添加元素を前記Pt−B合金に添加するた
め、鋳造法においても実用上十分な硬さを有しており、
且つ、“Pt1000”のホールマークの認定基準に合
致する装身具用高純度白金合金を得られる。請求項7の
装身具用高純度白金合金を得る方法によれば、鋳造法に
おいても実用上十分な硬さを有しており、且つ、“Pt
1000”のホールマークの認定基準に合致する装身具
用高純度白金合金を得られる。
の特徴とするところを明らかとする。なお、実施例およ
び比較例においては、その硬さを、マイクロビッカース
硬さ試験機を用い、試験荷重200g(1.96N)、
保持時間20秒の条件で測定した。また、本実施例中に
おける組成分析は、Bについてはクルクミン吸光光度法
を、他の元素についてはICP発光分析(inductively
coupled plasma atomic emission spectrometry )を用
いて行った。なお、本実施例中におけるPtの含有量
(重量%)はすべて小数点以下2桁の有効数字で記載す
る。また、Ptの含有量は不可避不純物0.05%を考
慮に入れ、Bとルツボ還元元素であるSi、Mg、Z
r、Alの定量分析値を差し引いて差数法で求めた値と
した。
のPt地金に純度99.50重量%のBを添加し、アー
ク溶解炉で合金化して、PtとBとの含有量がそれぞれ
99.94重量%、0.0075重量%となるB−Pt
合金インゴット1を作製した。また、前記Pt地金に前
記Bを添加し、アーク溶解炉で合金化して、PtとBと
の含有量がそれぞれ99.75重量%、0.20重量%
となるB−Pt合金インゴット2を作製した。更に、前
記Pt地金に前記Bを添加し、アーク溶解炉で合金化し
て、PtとBとの含有量がそれぞれ99.05重量%、
0.90重量%となるB−Pt合金インゴット3を作製
した。
金インゴット1、2および3を、それぞれN2ガス雰囲
気中でSiO2製のルツボを用いて溶解鋳造し、リング
状の鋳造品1、2および3を得た。鋳造品1、2および
3の硬さはそれぞれHv=70、232、267であっ
た。
含有量はそれぞれ鋳造品1で99.94重量%、0.0
003重量%、0.0140重量%、鋳造品2で99.
71重量%、0.10重量%、0.14重量%、鋳造品
3で99.00重量%、0.44重量%、0.51重量
%であった。
どの非金属介在物としてではなく、還元されてSiとし
てPt中に合金化されていることがわかった。Bが還元
剤として作用し、ルツボ成分のSiO2が還元されSi
となり、Pt中に合金化したものと考えられる。
℃で3時間大気中で熱処理を行い空冷した。熱処理後の
鋳造品2は大蔵省造幣局のPt1000の検定を受け、
合格した。検定後、バフ研磨仕上げを施して製品に仕上
げた。仕上がった製品の硬さはHv=154であった。
なお、この熱処理後の鋳造品2においては、Pt、Bの
含有量はそれぞれ99.78重量%、0.038重量%
であった。また、Siの含有量は0.13重量%であ
り、熱処理前と比べて大きな変化はなかった。
5重量%のPt地金を、N2ガス雰囲気中でSiO2製の
ルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品Aを得
た。この鋳造品Aの硬さはHv=62であった。組成分
析結果によると、PtとSiの含有量はそれぞれ99.
94重量%、0.012重量%であった。実施例1およ
び実施例1の比較例の結果を表1に示す。
1、2および3の硬さはHv=70〜267であり、従
来のパラジウム割りPt900(Pt90重量%、Pd
10重量%)鋳造品(硬さHv=70〜75)や比較例
の鋳造品A(硬さHv=62)以上の高い硬さとなっ
た。また、BとSiの含有量が増加するにつれて鋳造品
の硬さは高いものとなった。また、Ptの含有量が9
9.00重量%以上であって、BとSiの含有量が合計
で0.0143重量%以上0.95重量%以下の場合
(すなわち、鋳造品1、2および3の場合)、これら
B、SiとPtとの共存作用によって、鋳造法において
もPtのもつ色調および高級感を失わず、傷や変形に強
く、高硬度でかつ加工性に優れた装身具用高純度白金合
金の鋳造品が得られることが確認された。
上であって、BとSiの含有量が合計で0.0143重
量%以上0.24重量%以下の場合(すなわち、鋳造品
1および2の場合)、傷や変形に強く、高硬度でかつ加
工性に優れた装身具用高純度白金合金の鋳造品が得ら
れ、更には”Pt1000”のホールマークの認定基準
を満たすことができた。
のPt地金に、純度99.50重量%のBを添加し、ア
ーク溶解炉で合金化して、PtとBとの含有量がそれぞ
れ99.94重量%、0.0075重量%となるB−P
t合金インゴット4を作製した。また、前記Pt地金に
前記Bを添加し、アーク溶解炉で合金化して、PtとB
との含有量がそれぞれ99.75重量%、0.20重量
%となるB−Pt合金インゴット5を作製した。
金インゴット4および5を、それぞれN2ガス雰囲気中
でMgO製のルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳
造品4および5を作製した。鋳造品4および5の硬さは
それぞれHv=73、172であった。
含有量はそれぞれ、鋳造品4で99.95重量%、0.
0005重量%、0.002重量%、鋳造品5で99.
72重量%、0.10重量%、0.13重量%であっ
た。また、化学分析の結果、MgはMgOなどの非金属
介在物としてではなく、還元されてMgとしてPt中に
合金化されていることがわかった。BもしくはB2O3が
作用し、ルツボ成分のMgOが還元されMgとなり、P
t中に合金化したものと考えられる。
5重量%のPt地金を、N2ガス雰囲気中でMgO製の
ルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品Bを作製
した。鋳造品Bの硬さはHv=49であった。組成分析
結果によると、Ptの含有量は99.95重量%であ
り、Mgは鋳造品B中に0.0005重量%であること
が確認された。
表2に示す。
4、5の硬さはそれぞれHv=73、172であり、従
来のパラジウム割りPt900(Pt90重量%、Pd
10重量%)鋳造品(硬さHv=70〜75)や比較例
の鋳造品B(硬さHv=49)以上の高い硬さとなっ
た。また、BとMgの含有量が増加するにつれ、鋳造品
の硬さは高いものとなった。また、Ptの含有量が9
9.72重量%以上であって、BとMgの含有量が合計
で0.0025重量%以上0.23重量%以下の場合
(すなわち、鋳造品4、5の場合)、Ptのもつ色調お
よび高級感を失わず、傷や変形に強く、高硬度でかつ加
工性に優れた装身具用高純度白金合金の鋳造品が得られ
ることが確認された。更に、これら鋳造品4、5におい
て、”Pt1000”のホールマークの認定基準を満た
すことができた。
合と同様に、溶解鋳造時にルツボの構成成分であって酸
化物系耐火物であるMgOとBもしくはB2O3が反応し
て、MgOは還元されてMgとなり、還元された元素で
あるMgおよびB2O3として気化散逸せずPt中に残存
したBのPt中への固溶強化やPtとの合金化、あるい
はその他の種々の要因により、Ptの硬さが上昇し、P
tのもつ色調および高級感を失わず、高硬度でかつ加工
性に優れた装身具用高純度白金合金の鋳造品が得られた
ものと考えられる。
のPt地金に、純度99.50重量%のBを添加し、ア
ーク溶解炉で合金化して、PtとBとの含有量がそれぞ
れ99.94重量%、0.0075重量%となるB−P
t合金インゴット6を作製した。また、前記Pt地金に
前記Bを添加し、アーク溶解炉で合金化して、PtとB
との含有量がそれぞれ99.80重量%、0.15重量
%となるB−Pt合金インゴット7を作製した。
ット6、7を、それぞれN2ガス雰囲気中でZrO2製の
ルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品6、7を
作製した。鋳造品6、7の硬さはそれぞれHv=71、
200であった。
含有量はそれぞれ、鋳造品6において99.94重量
%、0.0007重量%、0.0015重量%、鋳造品
7において99.70重量%、0.04重量%、0.2
1重量%であった。また、化学分析の結果、ZrはZr
O2などの非金属介在物としてではなく、還元されてZ
rとしてPt中に合金化されていることがわかった。B
もしくはB2O3が作用し、ルツボ成分のZrO2が還元
されZrとなり、Pt中に合金化したものと考えられ
る。
5重量%のPt地金を、N2ガス雰囲気中でZrO2製の
ルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品Cを作製
した。鋳造品Cの硬さはHv=48であった。組成分析
結果によると、Ptの含有量は99.95重量%であ
り、Zrは鋳造品C中に0.0006重量%であること
が確認された。実施例3および実施例3の比較例の結果
を表3に示す。
6、7の硬さは、それぞれ71、200であり、従来の
パラジウム割りPt900(Pt90重量%、Pd10
重量%)鋳造品(硬さHv=70〜75)や比較例の鋳
造品B(硬さHv=49)以上の高い硬さとなった。ま
た、BとZrの含有量が増加するにつれ、鋳造品の硬さ
は高いものとなった。更に、Ptの含有量が99.70
重量%以上であって、BとZrの含有量が合計で0.0
022重量%以上0.25重量%以下の場合(すなわ
ち、鋳造品6、7の場合)、Ptのもつ色調および高級
感を失わず、傷や変形に強く、実用上十分な硬さを有
し、かつ加工性に優れた装身具用高純度白金合金の鋳造
品が得られることが確認された。また、これら鋳造品
6、7において、”Pt1000”のホールマークの認
定基準を満たすことができた。
合と同様に、溶解鋳造時にルツボの構成成分であって酸
化物系耐火物であるZrO2とBもしくはB2O3が反応
し、ZrO2は還元されてZrとなり、還元された元素
であるZrおよびB2O3として気化散逸せずPt中に残
存したBのPt中への固溶強化やPtとの合金化、ある
いはその他の種々の要因により、Ptの硬さが上昇し、
Ptのもつ色調および高級感を失わず、高硬度でかつ加
工性に優れた装身具用高純度Pt合金の鋳造品が得られ
たものと考えられる。
のPt地金に、純度99.50重量%のBを添加し、ア
ーク溶解炉で合金化して、PtとBとの含有量がそれぞ
れ99.94重量%、0.0075重量%となるB−P
t合金インゴット8を作製した。また、前記Pt地金に
前記Bを添加し、アーク溶解炉で合金化して、PtとB
との含有量がそれぞれ99.75重量%、0.20重量
%となるB−Pt合金インゴット9を作製した。
ット8および9を、N2ガス雰囲気中でAl2O3製のル
ツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品8および9
を作製した。鋳造品8および9の硬さはそれぞれHv=
74、176であった。
におけるPt、B、Alの含有量はそれぞれ、鋳造品8
において99.94重量%、0.0005重量%、0.
0017重量%、鋳造品9において99.70重量%、
0.09重量%、0.19重量%であった。また、化学
分析の結果、AlはAl2O3などの非金属介在物として
ではなく、還元されてAlとしてPt中に合金化されて
いることがわかった。BまたはB2O3が作用し、ルツボ
成分のAl2O3が還元されAlとなり、Pt中に合金化
したものと考えられる。
5重量%のPt地金を、N2ガス雰囲気中でAl2O3製
のルツボを用いて溶解鋳造し、リング状の鋳造品Dを作
製した。この鋳造品Dの硬さはHv=48であった。組
成分析結果によると、Ptの含有量は99.95重量%
であり、Alは鋳造品D中に0.0004重量%である
ことが確認された。実施例4および実施例4の比較例の
結果を表4に示す。
8、9の硬さはそれぞれ74、176であり、従来のパ
ラジウム割りPt900(Pt90重量%、Pd10重
量%)鋳造品(硬さHv=70〜75)や比較例の鋳造
品D(硬さHv=48)以上の高い硬さとなった。ま
た、BとAlの含有量が増加するにつれ、鋳造品の硬さ
は高いものとなった。更に、Ptの含有量が99.70
重量%であって、BとAlの含有量が合計で0.002
3重量%以上0.28重量%以下の場合(すなわち、鋳
造品8および9の場合)、Ptのもつ色調および高級感
を失わず、傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れ
た装身具用高純度白金合金の鋳造品が得られることが確
認された。また、これら鋳造品8、9において、”Pt
1000”のホールマークの認定基準を満たすことがで
きた。
合と同様に、溶解鋳造時にルツボの構成成分であって酸
化物系耐火物であるAl2O3とBもしくはB2O3が反応
しAl2O3は還元されてAlとなり、還元された元素で
あるAlおよびB2O3として気化散逸せずPt中に残存
したBのPt中への固溶強化やPtとの合金化、あるい
はその他の種々の要因により、Ptの硬さが上昇し、P
tのもつ色調および高級感を失わず、高硬度でかつ加工
性に優れた装身具用高純度白金合金の鋳造品が得られた
ものと考えられる。
白金合金は、添加元素として微量含まれるBと、酸化物
が鋳造用ルツボを構成していてSi、Mg、Zr、A
l、Ca、Thの中から選ばれる1種類又は2種類以上
の元素と、の共存作用によって、鋳造法、或いはそれ以
外においても傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優
れたものとなる。また、Ptの純度はきわめて高いもの
となり、Ptのもつ色調および高級感が保持される。
わめて傷や変形に強く、高硬度で且つ加工性に優れたも
のになり、更には“Pt1000”のホールマークの認
定基準に合致する。
わめて傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れたも
のとなる。
わめて傷や変形に強く、高硬度でかつ加工性に優れたも
のとなる。請求項5の装身具用高純度白金合金は、きわ
めて傷や変形に強く、高硬度で且つ加工性に優れたもの
になり、更には“Pt1000”のホールマークの認定
基準に合致する。
方法によれば、鋳造法においても実用上十分な硬さを有
しており、且つ、“Pt1000”のホールマークの認
定基準に合致する装身具用高純度白金合金を容易に得ら
れる。請求項7の装身具用高純度白金合金を得る方法に
よれば、鋳造法においても実用上十分な硬さを有してお
り、且つ、“Pt1000”のホールマークの認定基準
に合致する装身具用高純度白金合金を容易に得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】鋳造法によって作製された装身具用高純度
白金合金であって、 Ptの含有量が99重量%以上であり、添加元素とし
て、 Bと、 酸化物が鋳造用ルツボを構成していて、Si、Mg、Z
r、Al、Ca、Thの中から選ばれる1種類又は2種
類以上の元素と、を含有しており、 前記添加元素の含有量が合計で0.0001重量%以上
1重量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白
金合金。 - 【請求項2】請求項1記載の装身具用高純度白金合金に
おいて、 Ptの含有量が99.7重量%以上であり、且つ前記添
加元素の含有量が合計で0.002重量%以上0.3重
量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白金合
金。 - 【請求項3】Ptの含有量が99重量%以上であって、
添加元素として、 Bと、 Mg、Zr、Thの中から選ばれる1種類又は2種類以
上の元素と、を含有しており、 前記添加元素の含有量が合計で0.0001重量%以上
1重量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白
金合金。 - 【請求項4】Si酸化物から構成される鋳造用ルツボを
用いた鋳造法によって作製された装身具用高純度白金合
金であって、 Ptの含有量が99重量%以上であって、添加元素とし
て、 Bと、 Siとを含有しており、 前記添加元素の含有量が合計で0.0001重量%以上
1重量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白
金合金。 - 【請求項5】請求項4記載の装身具用高純度白金合金に
おいて、 Ptの含有量が99.7重量%以上であり、且つ前記添
加元素の含有量が合計で0.002重量%以上0.3重
量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白金合
金。 - 【請求項6】Ptに、 Bと、Si、Mg、Zr、Al、Ca、Thの中から選
ばれる1種類又は2種類以上の添加元素と、を添加して
作製される装身具用高純度白金合金を得る方法であっ
て、 予めPtにBを添加したPt−B合金を作製し、 次いで、 前記添加元素の酸化物から構成されるルツボを用いて前
記Pt−B合金を溶解することにより、前記酸化物の一
部をBを用いて還元して、前記添加元素を前記Pt−B
合金に添加すること、 を特徴とする装身具用高純度白金合金を得る方法。 - 【請求項7】Ptに、BおよびSiを添加して作製され
る装身具用高純度白金合金を得る方法であって、 予めPtにBを添加したPt−B合金を作製し、 次いで、 Si酸化物から構成されるルツボを用いて前記Pt−B
合金を溶解することにより、前記Si酸化物の一部をB
を用いて還元して、Siを前記Pt−B合金に添加する
こと、 を特徴とする装身具用高純度白金合金を得る方法。
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JP07117452A JP3100864B2 (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 装身具用高純度白金合金および装身具用高純度白金合金を得る方法 |
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JPH08311583A JPH08311583A (ja) | 1996-11-26 |
JP3100864B2 true JP3100864B2 (ja) | 2000-10-23 |
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JP07117452A Expired - Fee Related JP3100864B2 (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 装身具用高純度白金合金および装身具用高純度白金合金を得る方法 |
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- 1995-05-16 JP JP07117452A patent/JP3100864B2/ja not_active Expired - Fee Related
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