JP3099128B2 - 閉ラクトン環形態の水不溶性s−カンプトテシンを用いる癌の経皮的治療 - Google Patents

閉ラクトン環形態の水不溶性s−カンプトテシンを用いる癌の経皮的治療

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Description

【発明の詳細な説明】 この出願は、1992年1月14日に出願の米国出願第07/8
20,334号の一部継続出願であり、また1989年11月6日に
出願の米国出願第07/432,066号の一部継続出願である。
発明の分野 本発明は、哺乳動物における癌の治療方法に関し、よ
り詳細には、肺、乳房、胃、膵臓、前立腺、膀胱、骨肉
腫および卵巣の癌腫および悪性黒色腫のような悪性腫瘍
の治療方法に関する。
発明の背景 植物アルカロイドである20(S)−カンプトテシン
(camptothecin)(CPT)は、抗癌活性を有することが1
966年に見出された(Wall,M.、Wani,M.C.、Cooke,C.
E.、Palmer,K.H.、McPhail,A.T.およびSlim,G.A.“Plan
t antitumor agents.I.The isolation and structure o
f camptothecin,a novel alkaloidal leukemia and tum
or inhibitor from Camptotheca acuminata",J.Am.Che
m.Soc.88:3888−3890,1966)。
60年代および70年代の間、CPTのナトリウム塩がCPTか
ら誘導され、この化学的に修飾されたCPTの臨床試験が
行われ、やがて、この化合物の高い毒性および低い効力
の故に、断念された(Gottlieb,J.A.、Guarino,A.M.、C
all,J.B.、Oliverio.V.T.およびBlock,J.B.“Prelimina
ry pharmacological and clinical evaluation of camp
tothecin sodium salt(NSC 100880)",Cancer Chemoth
er.Rep.54:461−470;1979;Muggia,F.M.、Creaven,P.
J.、Hansen,H.H.、Cohen,M.N.およびSelawry,D.S.“Pha
se I clinical trials of weekly and daily treatment
with camptothecin(NSC 100880).Correlation with
clinical studies."Cancer Chemother.Rep.56:515−52
1;1972;Gottlieb,J.A.およびLuce,J.K.“Treatment of
malignant melanoma with camptothecin(NSC 10088
0)."Cancer Chemother,Rep.56:103−105;1972;およびM
oertel,C.G.、Schutt,A.J.、Reitemeier,R.J.およびHah
n,R.G.“Phase II study of camptothecin(NSC 10088
0)in the treatment of advanced gastrointestinal c
ancer."Cancer Chemother.Rep.56:95−101;1972.これら
全ての試験は、CPTの水に溶解性の(hydrosoluble)ナ
トリウム塩誘導体(CPT Na+)を用いて行われ、それは
経静脈的に投与された。本発明者の研究は、CPT Na+の
無効性および毒性を十分に確認した。
実験は、非水溶性のCPTが非毒性であり、抗癌剤とし
て有効性が高いことを実証した。さらに、本発明者は、
筋肉内および経口的投与が、経静脈的投与よりも、予想
外の優れた結果をもたらすことを明らかにした。
WO−A−9116904は、カンプトテシンのようなトポイ
ソメラーゼI阻害剤の有効量を含む薬学的組成物を使用
することによる、レトロウィルス(retroviro)感染の
治療に関する。
さらに、Xi−Ranら、Int.J.Dermatol.,Vol.27(7),
pp.475−6,1988は、全身性の毒性作用を有しない、カン
プトテシンによる乾癬の局所的治療を考察している。
また、Pantazisら、Cancer Res.,Vol.14,pp.3980−8
7,1992は、経口摂取(P.O.)または筋肉内的(I.M.)に
投与するときの、非水溶性カンプトテシン化合物の、カ
ンプトテシンナトリウムに対する優位性を考察してい
る。
薬物療法は、ヒトの癌、例えば、ヒト癌の異種移植系
(xenograft lines)の治療に関して評価された。ヒト
の腫瘍を、免疫欠損のいわゆる「ヌード」マウスに累代
異種移植し、そのマウスを特定の薬物に対する反応性に
ついてテストした(Giovanella,B.C.ら、Cancer 52
(7):1146(1983))。これらの研究で得られたデー
タは、ヌードマウスのような免疫欠損の哺乳動物に異種
移植されたヒト腫瘍の、抗癌剤の有効性をテストするた
めの予測モデルとしての有効性を強く支持する。
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン(9AC)およ
び10,11−メチレンジオキサン−20(S)−カンプトテ
シン(10,11MD)は、ヒトの結腸癌の異種移植片に対し
て高い抗癌活性を有し得ることが確認された(Giovanel
la,B.C.、Wall,M.E.、Wani,M.C.、Nicholas,A.W.、Liu,
L.F.、Silber,R.およびPotmesil,M.“Highly effective
topoisomerase−I targeted chemotherapy of human c
olon cancer in xenografts."Science 246:1046−1048;
1989)。この発見の後、本発明者は、これらの研究を、
ヌードマウス内で異種移植片として増殖する他のヒト癌
にまで拡大すると共に、CPTおよびその誘導体の投与に
関する研究を行った。本発明で使用される化学物質(CP
T)と、過去の研究で効力なく高い毒性を随伴して使用
された化学物質(CPT Na+)との根本的な相違点は、C
PTが水に不溶性で、CPT Na+が水溶性であることであ
る。
発明の概要 本発明の目的は、哺乳動物における癌の新規な治療方
法を提供することである。
本発明のさらなる目的および利点は、後述する明細書
の中に一部記載され、一部分明細書から明らかである
か、または本発明の実施により習得され得る。本発明の
目的と利点は、添付の請求の範囲に特に指し示される構
成要素および組合せによって、認識され達成される。
該目的を達成するため、および本明細書中に具体化さ
れ広く記載されている、本発明の目的に従い、本発明
は、未修飾の(intact)閉ラクトン環を有する水不溶性
の20(S)−カンプトテシン(CPT)もしくはその誘導
体またはその混合物の有効量を、筋肉内、経口的または
経皮的に投与することを包含する、哺乳動物における悪
性腫瘍の治療方法に関する。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方と
も、例示および説明のみであって、請求の範囲に示され
る本発明を制限するものではない、と理解されるべきで
ある。
図面の簡単な説明 図1aは、ヌードマウス内のCLO乳癌を、イントラリピ
ッド20(Intralipid 20)中の20(S)−カンプトテシ
ン(CPT)懸濁液で、4mg/kgの用量において、週1回お
よび週2回、筋肉内に処置して得られた結果を示す。腫
瘍のサイズは、時間の関数として、mm3で測定された。
図1bは、図1aと同じ実験の結果であり、CLO乳癌を担
持するヌードマウスの体重をグラムで示す。
図2は、ヌードマウス内のSPA肺腺癌を、イントラリ
ピッド20中CPTで、種々の用量において、毎日、経口的
に投与し処置して得られた結果を示す。
図3は、ヌードマウス内のCAS結腸癌を、CPTまたはそ
のナトリウム塩(CPT Na+)で、共に4mg/kgの用量に
おいて、週2回、経静脈的または筋肉内に処置して得ら
れた結果を示す。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中CPA
Na+で処置した1群を除いて、全ての処置がイントラリ
ピッド20中であった。
図4および5は、ヌードマウス内のLOV膵臓癌を、綿
実油中20(S)−CPTで、2.5mg/Kgの用量において、週
2回、筋肉内に投与し処置して得られた結果を示すグラ
フである。
図6および7は、ヌードマウス内のBOL膀胱癌を、綿
実油中20(S)−CPTで、2.5mg/Kgの用量において、週
2回、筋肉内に投与し処置して得られた結果を示すグラ
フである。
図8および9は、ヌードマウス内のPC−3前立腺癌
を、綿実油中20(S)−CPTで、2.5mg/Kgの用量におい
て、週2回、筋肉内に投与し処置して得られた結果を示
すグラフである。
図10および11は、ヌードマウス内のBRO黒色腫を、20
(S)−CPTまたはCPT誘導体を種々の用量で用い、胃内
的手段により、処置して得られた結果を示すグラフであ
る。
図12および13は、ヌードマウス内のTEP骨肉腫を、20
(S)−CPTで、2.5mg/Kgの用量において、筋肉内に処
置して得られた結果を示すグラフである。
図14および15は、異なる腫瘍サイズに対する、20
(S)−CPTの有効性を示すグラフである。
図16および17は、ヌードマウス内のCLO乳癌を、20
(S)−CPTまたはCPT誘導体の経皮的適用により処置し
て、得られた結果を示すグラフである。
図18は、ヌードマウス内のCLO乳癌を、20(S)−CPT
またはCPT誘導体の経皮的適用により処置して、体重に
対する効果を示すグラフである。
図19は、ヌードマウス内のCLO乳癌を、20(S)−CPT
またはCPT誘導体の経皮的適用により処置して、腫瘍サ
イズに対する効果を示すグラフである。
好ましい実施態様の説明 CPTは、Camptotheca acuminataから単離される植物ア
ルカロイドである。CPTの化学的誘導体は、半合成的ま
たは全合成的な方法のいずれかで調製されることができ
る。(例えば、Wani,M.C.ら、J.Med.Chem.23:544,1980;
Wani,M.C.ら、J.Med.Chem.30:1774(1987);およびWan
i,M.C.ら、J.Med.Chem.30:2317(1987)を参照)。
以下で検討する実施例において、CPTは、中国、上海
にある、アカデミア・シニカ(Academia Sinica)、イ
ンスティテュート・オブ・マテリア・メディカ(Instit
ute of Materia Medica)から得られたもので、さらに
標準的なクロマトグラフィ的技法を使って精製した。カ
ンプトテシンのナトリウム塩(CPT Na+)、9−ニト
ロ−20(S)−カンプトテシン(9NO2)および9−アミ
ノ−20(S)−カンプトテシン(9AC)も、CPTから合成
した。CPTおよびその誘導体は、(1)天然の産物は、
例えばマウスにおいて重度の毒性を有する数種の他の成
分を含むこと、および(2)FDAの規則が、医薬として
使用されるあらゆる薬物または化合物に対して、そのよ
うな精製を要請していることにより、本発明での使用の
ために投与されるのに先立って、広く精製されねばなら
ない。当業者に公知の精製方法、例えば、クロロホルム
またはジクロロメタンのような適切な溶媒にCPTを溶解
し、シリカゲルを含むカラム上に吸着させ、そのあと例
えばメタノールを添加して溶出液の極性を増加させるこ
とにより、吸着された物質の溶出を行うこと、を採用す
ることができる。
化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)
および薄層クロマトグラフィ(TLC)および当該技術分
野において公知の他の適切な方法により、テストするこ
とができる。この化合物は、赤外線(IR)、紫外線(U
V)および核磁気共鳴(NMR)分光法および元素分析を用
いて、完全に特徴付けることもできる。
さらに、本発明で使用されるCPTおよびその誘導体
は、水に不溶性であり、化学的および物理的に異なるナ
トリウム塩形態では投与されない。この差違は、それら
の元素分析、NMR、UVおよびIRスペクトルを見ることに
より、また、HPLCおよびTLC実験におけるそれらの物理
的な挙動の違いによっても、容易に観察することができ
る。
閉ラクトン環形態のCPTおよびそれらの誘導体を使用
し、筋肉内または経口的に投与し、そのような場合に
は、以前CPT Na+で観察された毒性を有することなし
に、広いスペクトルのヒト癌の全面的な緩解を得ること
ができた。本発明で使用されるCPTの誘導体には、例え
ば、9NO2、および9ACが含まれる。CPTとその誘導体の混
合物も、本発明で使用することができる。
他の関連する誘導体も、本発明の方法と関連して使用
することができる。その例として、ジメチルアミノメチ
ル−10−ヒドロキシ−20(S)−CPT(トポテカン(top
otecan))、7−エチル−10−[4−(1−ピペリジ
ノ)−1−ピペリジノ]−カルボニルオキシ−CPT(CPT
−11)、7−エチル−10−ヒドロキシ−20(S)−CP
T、9−アミノ−20(S)−CPT、9−ニトロ−20(S)
−CPT、10,11−メチレンジオキシ−20(S)−CPT、9
−クロロ−20(S)−CPT、9−ブロモ−20(S)−CP
T、9−ヒドロキシ−20(S)−CPT、11−ヒドロキシ−
20(S)−CPT、および10−ヒドロキシ−20(S)−CPT
が含まれる。
本発明の化合物を投与する他の方法は、経皮的(tran
sdermal or transcutaneous)経路による。そのような
実施態様の1つの例は、パッチ(patch)の使用であ
る。特に、パッチは、例えば、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、またはDMSOと綿実油との混合物中の本願に開
示される化合物の微細な懸濁液を用いて作製され、腫瘍
を担持する哺乳動物の皮膚と、腫瘍局在部位から離れた
皮膚ポケット(skin pouch)内部で接触させることがで
きる。他の媒体、または他の溶媒および固体支持体とそ
れらの混合物は、同様に機能し得る。パッチは、液剤ま
たは懸濁剤の形態で、CPT化合物を含有することができ
る。次に、パッチは、例えば、縫合糸、クリップまたは
他の固定器具を用いて皮膚を折り畳みいっしょにさせる
ことにより形成される。患者の皮膚ポケット内に挿入す
ることにより、患者の皮膚に適用することができた、こ
のポケットは、そのような様式で用いられ、その結果、
皮膚との持続的な接触が、哺乳動物の妨害なしに保証さ
れる。皮膚ポケットを使用することに加えて、皮膚と接
触するパッチのしっかりとした設置を確実にする、あら
ゆる器具を使用することができる。例えば、粘着性の包
帯が、皮膚の正しい場所にパッチを保持するために使用
できた。
研究では、これらの化合物の水溶性の誘導体が、抗癌
剤として無効であり、哺乳動物に非常に毒性であること
が判明した。閉ラクトン環形態のCPTおよびその誘導体
でさえも、それらの投与経路に依存して、活性に大きな
差違を示した。研究では、筋肉内、経皮的および経口的
経路が、他の経路による送達よりも予想外に優れてい
た。
本明細書中で使用される場合、用語「悪性腫瘍」は、
分化に乏しい、中程度に分化した、および十分に分化し
た形態で起こる、全ての形態のヒトの癌腫、肉腫および
黒色腫を包含することを意図する。
本発明に従う、哺乳動物における悪性腫瘍の処置また
は進行の阻害において、上述したカンプトテシン化合物
は、周知の方法、例えば、経口投与のためのゼラチンカ
プセル、並びに筋肉内投与のための脂質および脂質様乳
剤(例えば、イントラリピッド20、綿実油および落花生
油)に懸濁させた微細懸濁液および皮下への長期投与の
ためのコレステロールペレット中含有物のような、新規
で優れた剤型を用いて、筋肉内、経皮的または経口的に
投与される。
本明細書中で使用される場合、上述のCPTおよびその
誘導体の「有効量」とは、癌の増殖を阻害する、または
進行を遅らせる、あるいは悪性細胞を殺し、悪性腫瘍の
退縮および軽減を生じる、即ち、そのような腫瘍の体積
またはサイズを減少させるか、あるいは腫瘍を全面的に
排除する、化合物の量を意味することを意図している。
ヒトを含む哺乳動物では、この有効量は、体表面積に
基づいて投与されることができる。様々な大きさ、種の
動物とヒトとの用量の相互関係(mg/M2体表面に基づ
く)は、E.J.Freireichら、Cancer Chemother.Rep.,50
(4):219(1966)に記載されている。体表面積は、固
体の身長および体重からおおよそ決定され得る(例え
ば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardsle
y,N.Y.pp.537−538(1970)を参照)。本発明における
カンプトテシン化合物の有効量は、1日当たり約12.5mg
/m2体表面〜1日当たり約31.3mg/m2体表面の範囲であり
得る。
マウスでの、CPTおよび/またはその誘導体の、好ま
しい有効量または用量は、筋肉内経路では週2回、約1
〜約4mg CPT/kg体重であり、経口経路では約0.75〜約
1.5mg CPT/kg/日である。マウスでの、CPTおよび/ま
たはその誘導体の、有効量または用量は、例えば、経皮
的経路で、約1.5mg/Kg/週〜約10mg/Kg/週のCPTである。
全ての投与経路について、用量の適正な投与のタイミン
グは、最適な結果を得るために様々であり得る。一般
に、イントラリピッド20をCPTの担体として使用すると
き、患者に行き渡るCPTの実際の用量は、より少ないも
のである。これは、イントラリピッド20懸濁剤に広く起
こり得る、注射筒の壁、針および製剤容器上でのCPTの
幾らかの損失があるからである。綿実油のような担体が
使用されるとき、上記のこの損失は、CPTが注射筒の表
面その他にそれほど付着しないので、あまり起こらな
い。例えば好ましくは、一般に、綿実油を用いたとき
の、筋肉内経路で週2回、約2.5mg CPT/kg体重の量
が、イントラリピッド20を担体として用いたときの、週
2回、4.0mg CPT/kg体重と同じ量を患者に与えること
になる、と判明した。一般に、CPTおよび/またはその
誘導体の約1mg〜約4mgが、約0.1ml〜約1mlの担体に添加
される。以下に示す実施例中で、CPTおよび9NO2のレベ
ルは、体重減少または毒性の他の兆候なしに、マウスで
は十分に耐性があった。これらの用量は、いかなる悪影
響もなしに、6ヶ月間まで、連続して投与された。
本発明により提供される方法の他の重要な特徴は、本
明細書に従って投与されるカンプトテシン化合物の明ら
かな全体的な毒性が比較的低いかまたは無いことに関係
する。全体的な毒性は、種々の基準を用いて判定される
ことができる。例えば、被験体の当初に記録された(即
ち、処置前)体重の10%を越える体重減少は、毒性の1
つの兆候とみなすことができる。さらに、被検体におけ
る全体的な運動性並びに活動性の消失および下痢または
膀胱炎の兆候も、毒性の証拠として解釈されることがで
きる。以下に続く実施例の1つでは、本発明のカンプト
テシン化合物の全体的な毒性が評価された。例えば、CP
Tが、イントラリピッド20中4mg/kgまたは綿実油中2.5mg
/kgの量で週2回投与されたとき、前記のいかなる全体
的な毒性も伴わずに治療上有効である(皮下にある腫瘍
の完全な縮小が生じた)ことが見出された。このこと
は、280mg/kgという法外な全投与量を、35週間以上にわ
たって投与した場合でも同様であった。
さらに、CPTまたは誘導体を懸濁した綿実油を0.1〜1.
0ml用いて、1〜4mg/kgまでの量を、所望の期間、胃腔
内に27ゲージの針で、1日に1度注入したが(マウス
は、40回を越える連続的な、毎日の注入に耐えた)、い
かなる悪影響もなかった。
本発明の化合物は、薬学的に許容される担体または希
釈剤、例えば、イントラリピッド10もしくは20または天
然油、もしくは親油性化合物のための他の適切な乳化剤
と組合せて投与され得る。
本発明は、以下の実施例でさらに明らかにされるが、
これは本発明の純然たる例示であることが意図される。
実施例1 NIHの繁殖力の高い系のスイスヌードマウスを、実験
室で飼育し、病原菌を有しないように維持した。(Giov
anella,B.C.およびStehlin,J.S.“Heterotransplantati
on of human malignant tumors in‘nude'thymusless m
ice.I.Breeding and maintenance of‘nude'mice."J.Na
tl.Cancer Inst.51:615−619;1973.) ヒトの結腸、乳房、肺、卵巣、胃、膵臓、膀胱、前立
腺の悪性腫瘍、骨肉腫および悪性黒色腫を、患者からヌ
ードマウスに直接に異種移植し、連続的に継代した。特
に、Giovanella,B.C.、Stehlin,J.S.、Shepard,R.C.お
よびWilliams,L.J.“Correlation between response to
chemotherapy of human tumors in patients and in n
ude mice."Cancer 52:1146−1152;1983)に記載される
腫瘍CLO、MUR、CAS、SW48、SQUおよびBRO、Heim,S.、Ma
ndahl,N.、Arheden,K.、Giovanella,B.C.、Yim,S.O.、S
tehlin,J.S.,Jr.およびMitelman,F.“Multiple karyoty
pic abnormalities including structural rearrangeme
nts of 11P in cell lines from malignant melanoma
s."Cancer Genet.Cytogent.35:5−20;1988、およびVers
chraegen,C.、Giovanella,B.C.、Mendoza,J.T.、Koziel
ski,A.J.およびStehlin,J.S.,Jr.“Specific organ met
astases of human melanoma cells injected into the
arterial circulation of nude mice."Anticancer Re
s.,In Pressに記載される腫瘍SCH、およびInvest.Urol.
17,16−23,1979に記載される腫瘍PC−3が使用された。
腫瘍DOYおよびHAR(肺の未分化の非燕麦(non−oat)細
胞癌)、DIL(肺の分化の乏しい扁平上皮細胞癌)、SPA
(肺の中程度に分化した腺癌)、LAN(卵巣の未分化の
癌)、およびBRE(胃の中程度に分化した腺癌)が異種
移植された。実験のために、腫瘍組織を完全MEM培地内
で細かい小片とし、0.5mlの10%v/v懸濁液を10〜30匹の
マウスの群の上部背に皮下的に接種した。全動物におい
て、腫瘍が触知され測定可能になったとき、それらを4
〜8匹の群に分け、実験群では所望の用量の薬剤で処置
し、対照群では溶剤(vehicle)のみで処置した。
9NO2(9NCとも呼ばれる)および9ACは、中国、上海に
ある、アカデミア・シニカ(Academia Sinica)、イン
スティテュート・オブ・マテリア・メディカ(Institut
e of Materia Medica)から得られたCPTから合成した
(Wani,M.C.、Nicholas,A.W.、Wall,M.E.、“Plant Tum
or Agents.23.Synthesis and antileukemic Activity o
f Camptothecin analogues,J.Med.Chem.,2358−2363,19
86)。その誘導体を、クロマトグラフィで精製し、分析
した。イントラリピッド20または綿実油を使用する、筋
肉内(IM)注射または経口投与のための代表的なサンプ
ル製剤には、例えば、コネチカット州にあるソニックス
アンド マテリアルズ インコーポレーティッド(So
nics and Materials,Inc.)製のウルトラソニックプロ
セッサー モデルGE600(Ultrasonic Processor,Model
GE600)を使用して、イントラリピッド20または綿実油
中で、超音波処理(30秒間に各3パルス)することによ
る、供試化合物を標準濃度1mg/mlの分散(dispersion)
を含む。筋肉内注射は、マウスの後脚の筋肉深くに、27
ゲージの針で、週2回行った。動物は、幾つかの局所的
な線維増多を除き悪影響を被ることなく、70回まで連続
的にそのような注射を受けた。イントラリピッド20を懸
濁剤として用いた経静脈的注射を、尾静脈の1つに30ゲ
ージ針を用いて行った。200回を越える注射の後でも、
肺動脈塞栓症は全く観察されなかった。
経口投与は、イントラリピッド20または綿実油中の必
要な量の薬剤と、予めオートクレーブ処理した全乳をし
み込ませた全粒小麦パンからなる餌用補足物(dietary
supplement)とを混合することにより、行なわれた。薬
剤を含む補足物は、さらに徹底的にかき混ぜられてペー
ストを形成した。マウスは、薬剤の必要な用量を含む餌
用補足物1gを1日に1度、およびさらに5gのオートクレ
ーブ処理されたマウス用食餌で飼育された。(このレジ
ュメで、動物は最初、30gの体重から4gを減少させる
が、数日のうちに2g回復し、このレベルで定着する)。
このレジュメは、無期限に行われ得る。実際、このよう
に飼育(最大カロリー摂取量より僅かに低い)されたマ
ウスは、任意に(ad lib)飼育されたマウスよりも、健
康でより長く生きた(Giovanella,B.C.、Shepard,R.
C.、Stehlin,J.S.、Venditti,J.M.およびAbbott,B.J.
“Calorie restriction:Effect on growth of human tu
mors heterotransplanted in nude mice."J.Natl.Cance
r Inst.68:249−257;1982)。
図10−11に示される実験とデータおよび図16−17に示
される1つの実験では、経口投与は、CPT化合物と綿実
油との混合物を、胃に直接的に注入する(IS)ことによ
って遂行された。
表1は、CPTまたはその誘導体を用いた処置で得られ
た幾つかの結果を要約する。
図1aは、筋肉内投与されたときの、ヒト乳癌に対する
CPTの有効性を示す。図1bは、本願の化合物を長期間、
筋肉内投与しても、イントラリピッド20を担体として用
いた4mg/kgの用量では、マウスの体重にいかなる影響も
与えないことを示す。図2は、ヒト肺癌の異種移植片
を、CPTの経口投与により処置して得られた結果を示
す。イントラリピッド20中CPTを、腫瘍増殖を全面的に
抑制するのに十分であると既にわかっていた4mg/kg/日
の、2倍の量である8mg/kg/日で用いても、いかなる毒
性もなしに投与できることに注目することは重要であ
る。図3は、CPTおよびナトリウム塩誘導体投与の、筋
肉内経路に対する経静脈的経路の効果を、並行実験で比
較している。CPTのナトリウム塩は、その投与経路に関
係なく、また使用される担体(イントラリピッド20また
はPBS)に関係なく、完全に無効であることが見出され
る。さらに、図3は、筋肉内投与と経静脈的投与とを比
較して、筋肉内経路が効果的経路であるという結論を導
く。図3を概観して、換言すると、CPTの抗癌活性の相
違は、経静脈的投与対筋肉内投与および使用されるCPT
の形態を比較すれば、判別されることができる。事実、
CPT Na+を用いると、最も感受性のヒト腫瘍を用いた
時でさえ、本発明者は、ヒト癌異種移植片を決して根絶
できなかった。CPT Na+用量の増加は、毒性を引き起
こし、全体的な腫瘍の退縮を達成することなく、先ず体
重減少を、続いて動物の死をもたらした。これらの発見
は、先に検討した60年代および70年代の、不成功に終わ
った臨床試験と非常に類似していた。
図4および5は、LOV膵臓癌で得られた結果を示す。
7匹のヌードマウスを、綿実油中20(S)−CPTで2.5mg
/Kg体重において、週2回、100日まで、筋肉内的に処置
した。6匹の別のヌードマウスを、対照群として使用し
た(綿実油のみ)。125日後、20(S)−CPTを受けた全
てのマウスが生き残り、これに対して、対照群では6匹
のマウスのうち2匹のみが生き残った。
図6および7は、BOL膀胱癌で得られた結果を示す。
6匹のヌードマウスを、綿実油中20(S)−CPTで2.5mg
/Kg体重において、週2回、52日間、筋肉内的に処置し
た。6匹の別のヌードマウスを、対照群として使用した
(綿実油のみ)。全ての対照群マウスが、46日目に死
に、他方、20(S)−CPTを受けた全てのマウスは実験
が終了したとき(52日目)に生き残っていた。
図8および9は、PC−3前立腺癌で得られた結果を示
す。6匹のヌードマウスを、綿実油中20(S)−CPTで
2.5mg/Kg体重において、週2回、合計17回、筋肉内的に
処置した。6匹の別のヌードマウスを、対照群として使
用した(綿実油のみ)。83日後、20(S)−CPTを受け
た全てのマウスは、1匹を除いて全て生き残った。
図10及び11は、BRO−黒色腫で得られた結果を示す。
5匹のヌードマウスを、綿実油中20(S)−CPTで1mg/K
g体重において、2日間の非処置日をはさんで連続5日
間(即ち、5日間処置して、次の2日間処置せず、さら
に次の5日間処置をするというふうに)胃内に処置し
た。5匹のヌードマウスが、1日につき綿実油中20
(S)−CPTを2mg/Kg体重で、連続2日間の処置と1日
の非処置日で受けた。各5匹ずつのマウスからなる別の
4群が、全く同じようにして、9−NCまたは9−ACを受
け、さらに1群が、対照群となり(綿実油のみ)、それ
らの結果は図10および11並びに表2に示されている。
図12および13は、TEP骨肉腫で得られた結果を示す。
4匹のヌードマウスを、綿実油中20(S)−CPTで2.5mg
/Kg体重において、週2回、合計14回、筋肉内に処置し
た。3匹の別のヌードマウスを、対照群として使用した
(綿実油のみ)。70日後、対照群では、1匹のマウスを
除いて全てのマウスが生き残った。
図14および15は、2つの異なるサイズのCLO乳癌の腫
瘍を処置した、20(S)−CPTに対する腫瘍の反応性の
結果を示す。10匹のヌードマウスからなる1群におい
て、処置前には、腫瘍のサイズは1cmまで放置された。
別の10匹の群では、処置前には、腫瘍のサイズは2+cm
まで放置された。続いて、各群の各マウスを、綿実油中
20(S)−CPTで2.5mg/Kg体重において、週2回、93日
間、筋肉内的に処置した。実験が終了した104日目に、
全てのマウスが生き残っていた。この実験は、20(S)
−CPTが腫瘍を退縮させる速さに、腫瘍サイズが影響す
ることを示す。各群において、20(S)−CPTは、マウ
スに毒性ではなく、腫瘍サイズを効果的に退縮させた。
これらの研究から、閉ラクトン環を有するCPTおよび
その誘導体が、驚くべきレベルの抗癌活性を実証したこ
とが明らかである。これは、取り扱われた腫瘍のスペク
トルおよび反応性の質の双方に及ぶ。本発明の方法は、
ヒト癌の異種移植片(肺、乳房、結腸、胃、膵臓、膀
胱、前立腺、骨肉腫および卵巣)および悪性黒色種の増
殖を完全にブロックし、全面的に退縮させることができ
た。これは、いかなる観察される毒性も有さずに、達成
された。6ヶ月間連続的に処置された多くの哺乳動物
は、いかなる悪い効果も示さず、それらがかつて担持し
ていた腫瘍の再増殖もなかった。
実施例2 NIHの繁殖力の高い系のスイスヌードマウスを、実験
室で飼育し、病原菌を有しないように維持した。ヒトの
乳癌を、先に実施例1に記載したように異種移植した。
実験のために、CPTを、HPLCによる測定で純度99%まで
精製した。2つのサンプルを、以下のように調製した: 1)7.5mgのCPTを、1mLのジメチルスルホキシド(DMS
O)と混合し、1分間攪拌した後、4mLの綿実油を添加
し、混合物をウルトラソニックプロセッサー モデル22
00(Ultrasonic Processor Model 2200)、ブランソン
ウルトラソニックス コーポレーション(Branson Ultr
asonics Corp.)、コネチカット州、ダンベリー、06810
−1961)を用いて、60℃で1時間、超音波処理すること
により、細かい懸濁液に変換し、2.5mg/kg/0.05mLの標
準濃度を得た 2)7.5mgのCPTを、上述のように超音波処理の助力を得
て、5mL DMSO中に最終濃度2.5mg/kg/0.05mLに溶解し
た。2つの対照群混合物を、綿実油とDMSOとを4:1の比
率で混合して調製し、第2の対照群混合物は、DMSOのみ
からなっていた。
経皮的適用のためのパッチは、ジョンソン アンド
ジョンソン(Johnson & Johnson)の滅菌した吸収性ガ
ーゼ[(スキルマン(Skillman)、N.J.08558−9418]
の薄い包帯(3/4インチx3インチ)からなっており、そ
れらの粘着性の裏面を剥がし、切断して、16mm(±1m
m)x8mm(±1mm)の適当な寸法に3分割した。適当な量
の懸濁されたCPTを加えた。腫瘍担持マウスを、2.5gmの
トリブロモエタノールと50mLのtert.アミルアルコール
の母液からなるアヴァーチン(Avertin)を、蒸留水と
1:30の比率で希釈したもので麻酔した。この溶液を混合
し、全てが溶解していることを確認した後、次にこの混
合物を、コーニンググラスワークス(Corning Glass Wo
rks、ニューヨーク州、コーニング 14831)性の使い捨
ての滅菌シリンジフィルター(25mm、0.45μm)で濾過
した。手術の間(10〜20分間)、睡眠を誘発するため
に、この溶液の0.8mL/30gm動物を腹腔内に注射した。眠
っている間、動物の下部背の皮膚を引っ張り合わせて、
ポケットを形成し、続いて、パッチが挿入できるような
小さな開口部を除いて、完全に閉じるようにステープル
で留めた。パッチは、腫瘍から離れた位置に挿入し、週
に2回、前記と同じ手順で交換した。
より詳しくは、図16および17に示されるように、以下
の実験を行った。
(a)4匹のヌードマウスそれぞれを、DMSO中20(S)
−CPTで、2.5mg/Kg体重において、週2回、パッチを使
用することなくポケットの中に設置することにより、処
置した。
(b)3匹のヌードマウスそれぞれを、対照群として、
ポケット中で、TMSOにより処置した(「対照DMSOポケッ
ト」)。
(c)4匹のヌードマウスそれぞれを、ポケットによ
り、DMSO中20(S)−CPTで、2.5mg/Kg体重において、
週1回、処置した。
(d)4匹のヌードマウスそれぞれを、ポケット中に挿
入されたパッチの中の、綿実油中DMSOにより処置した
(「対照パッチ」)。
(e)4匹のヌードマウスそれぞれを、DMSO/綿実油媒
体中20(S)−CPTで、2.0mg/Kg体重において、2日
間、そのあと1日間の非処置日をもうけて(即ち、2日
間処置し、次の1日間は処置しないというふうに)処置
した。
(f)4匹のヌードマウスそれぞれを、DMSO/綿実油媒
体中20(S)−CPTで、5.0mg/Kg体重において、週2
回、ポケットの中にパッチを挿入することにより、処置
した。
(g)3匹のヌードマウスそれぞれを、DMSO/綿実油媒
体中20(S)−CPTで、5.0mg/Kg体重において、週1
回、ポケットの中にパッチを挿入することにより、処置
した。
実験は、41日目に終了した。生残率は、以下のようで
あった: (a)4匹が生残した (b)3匹が生残した (c)4匹のうち3匹が生残した (d)4匹が生残した (e)4匹が生残した (f)4匹が生残した (g)3匹が生残した。
図16および17からわかるように、いずれの群の動物も
目に見える毒性は全く示さなかったが、動物の体重は、
経皮的経路よりも、経口的経路(I.S.)により、より多
く影響される。さらに、腫瘍サイズを観察するとき、経
口的および経皮的経路の両方の適用とも、腫瘍の退縮に
良好な結果を示したことが指摘され得る。
DMSO対DMSO/綿実油の媒体中のCPT適用における相違
は、実験で使用されるパッチの型に幾分依存し、また適
用システムの改変は、パッチが経口経路よりも優れた結
果を示すように為され得る。
実施例3 実験は、上記の実施例2の手順と同じようになされ、
各実験群は4匹のマウスであった。対照群は、綿実油の
みを含む経皮的パッチを受けた。4匹のマウスからなる
1群が、9−NCを胃内経路により受けた。これは、綿実
油に溶解した薬剤を胃に直接的に注入する(これは、ヒ
トに経口経路で行うのに等しい)ことにより、マウスに
薬剤を受けさせて行った。この群に対する用量は、2mg/
kgで、1日に1度3日間、そのあと1日休み、また3日
間の処置を行っていく。この処置では、4匹のうち2匹
が生き残らなかった。不都合な毒性の反応があったた
め、実験の26〜33日目に、いかなる投与も行なわなかっ
た。34日目に、処置を1.5mg/kgの低い用量で再開した。
図18および19を参照。
4匹からなる他の1群は、9−NCを5mg/kgの用量で受
けたが、これは、週に2回交換する経皮的パッドの全用
量であった。経皮的経路は、バンドエイドタイプのパッ
ドを皮膚に適用して薬剤を受ける動物で遂行された。パ
ッドは、薬剤を20%DMSOと80%綿実油に溶解させて含む
吸収性物質の綿棒(swab)で構成されていた。用量は、
パッド上の全用量である。マウス上のパッドは、皮膚の
くぼみ(fold)の中に設置し、外科用クリップで縫合し
た。この群の中の全マウスが、この処置で生き残った。
図18および19を参照。
4匹からなる別の群は、9−NCを5mg/kgの用量で、週
3回、上述の経皮的手段で受け、また、4匹からなる別
の群は、9−NCを7.5mg/kgの用量で、週2回、上述の経
皮的手段で受けた。(グラフには示されていない。)3
群それぞれの全マウスが、生き残った。
生残率ならびに体重減少に基づき、図18からわかるよ
うに、経皮的経路は、明らかに毒性がより少ない。これ
らの群に関する、腫瘍サイズの退縮を示す図19にも表さ
れるように、経皮的経路は、効果的であることが示され
た。
これらの実施例のこのデータに基づき、投与の経路が
重要であり、特に、以前は毒性および有効性の観点から
投与のより優れた経路であると考えられていた経口経路
による投与よりも、経皮的経路の投与が予想外に毒性が
より少ないことが明らかである。
本発明の他の実施態様は、本明細書および本願に開示
される本発明の実施を熟慮して、当業者に明らかにな
る。本明細書および実施例は、例示のみと見なされ、本
発明の真の範囲および趣旨は、以下の請求の範囲に示さ
れることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒンズ ヘルムス アール. アメリカ合衆国 77339 テキサス キ ングウッド ロイヤル サークル ドラ イブ 2718 (72)発明者 コズィエルスキー アンソニー ジェ イ. アメリカ合衆国 77379 テキサス ス プリングス ミル スプリングス 17618 (72)発明者 ステーリン ジョン エス. アメリカ合衆国 77024 テキサス ヒ ューストン シュガー ベリー サーク ル 2 (56)参考文献 特開 平2−138186(JP,A) 特開 平3−81223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/47 A61K 9/70 C07D 491/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有効量の閉ラクトン環を有する20(S)−
    カンプトテシン、9−ニトロ−20(S)−カンプトテシ
    ン及び9−アミノ−20(S)−カンプトテシンからなる
    群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む哺乳動物
    の癌および/又は悪性腫瘍を治療するための経皮的、筋
    肉内又は経口的に投与される薬学的組成物(但し、該薬
    学的組成物が筋肉内又は経口的に投与されるものである
    ときには、癌は、膵臓癌、前立腺癌、骨肉腫又は膀胱癌
    である)。
  2. 【請求項2】組成物が、経皮的に投与されるものである
    請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 【請求項3】組成物が、筋肉内又は経口的に投与される
    ものである請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 【請求項4】該組成物で連続5日間処理して次の連続2
    日間は処置しないという間隔の処方を用いて投与される
    ものである、哺乳動物の癌および/又は悪性腫瘍を治療
    するための経口的に投与される請求項1に記載の薬学的
    組成物。
  5. 【請求項5】癌が、乳癌、肺癌、胃癌、卵巣癌、膵臓
    癌、前立腺癌、骨肉腫、膀胱癌、結腸癌及び悪性黒色腫
    からなる群から選ばれるものである請求項2に記載の薬
    学的組成物。
  6. 【請求項6】癌が膵臓癌である請求項3に記載の薬学的
    治療物。
  7. 【請求項7】化合物が9−ニトロ−20(S)−カンプト
    テシンである請求項6に記載の薬学的組成物。
  8. 【請求項8】請求項2に記載の薬学的組成物を含む経皮
    的パッチ。
  9. 【請求項9】有効量が、ヒトにおいて1日あたり12.5mg
    /m2体表面〜31.3mg/m2体表面である請求項8に記載の経
    皮的パッチ。
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