JP3098418B2 - 難燃性パイル布帛 - Google Patents

難燃性パイル布帛

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JP3098418B2
JP3098418B2 JP08060934A JP6093496A JP3098418B2 JP 3098418 B2 JP3098418 B2 JP 3098418B2 JP 08060934 A JP08060934 A JP 08060934A JP 6093496 A JP6093496 A JP 6093496A JP 3098418 B2 JP3098418 B2 JP 3098418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば鉄道車
輌の座席シート用表皮材等に用いられる難燃性モケッ
ト、立毛メリヤス、タフティングパイル布帛等の難燃性
パイル布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車輌の座席シート用表皮材等のパイ
ル布帛としては、パイル糸としてポリアミド系やポリエ
ステル系の繊維を用い、地糸として木綿糸、麻糸、レー
ヨン糸を用い、バッキング剤として樹脂ラテックスを用
いたモケットが一般に広く実用化されている。
【0003】このようなモケットは、引張強度や耐摩耗
性等において優れた特性が要求されるのはもちろん、火
災に対する安全性の観点から難燃性のものが要望され
る。
【0004】この種の難燃性モケットは、パイル素材と
して、例えばナイロン繊維を主体繊維とし、かつ非溶融
繊維としてのレーヨン、ウール、綿等の繊維との混紡糸
を使用し、必要に応じて糸段階もしくは原反段階におい
て難燃薬剤処理等を行う炭化促進型のものと、パイル素
材として、難燃性ポリエステル繊維や、難燃化されたレ
ギュラーポリエステル繊維を主体繊維とする溶融ドリッ
プ(drip)型のものとに大別される。前者の炭化促
進型モケットは、燃焼により炭化層を形成してその炭化
層を耐熱層として難燃化を図るものであるのに対し、後
者の溶融ドリップ型モケットは、燃焼時に燃焼部分をド
リップさせて燃焼系外に除去することによって消化する
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方近年になって、鉄
道車輌の益々の高速化に伴い、車輌の軽量化が求められ
ているが、その一環として、車輌シート用モケットにお
いても、製品目付(バッキング層を含む、以下同じ)が
450〜500g/m2程度あるいはそれ以下の厳しい
軽量化が求められる状況に至っている。
【0006】このような状況下において、上記溶融ドリ
ップ型モケットは、燃焼部分を溶融除去するものである
ため、パイル密度を低下させても、あるいはバッキング
剤の塗布量を少なくしても、所期の難燃特性を維持で
き、軽量化に適しているといえる。ところが、溶融ドリ
ップ型モケットは、炎を近付けると溶融して簡単に穴が
開いてしまうので、例えば喫煙車輌の座席シート等に適
用すると、たばこの火等により、穴開きが生じて美観を
損ねるという問題、すなわち耐シガレット性に劣るとい
う問題があった。
【0007】これに対し、炭化促進型モケットは、炭化
により耐熱層を形成するものであるため、たばこの火等
によって、穴開きが生じにくく、耐シガレット性に優れ
ているといえる。
【0008】しかしながら、ナイロン繊維をパイル素材
の主体繊維とする上記従来の炭化促進型モケットは、燃
焼時に所望の難燃挙動を得るためには、パイル密度を高
くし、またバッキング剤の塗布量を多くする必要がある
上、さらに難燃化を助長するための難燃剤を含有させる
必要がある。このため、引張強度、耐シガレット性、耐
摩耗性および難燃性において優れた特性を確保しつつ、
今以上の軽量化を図ることは、現状では不可能であっ
た。
【0009】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、十分な引張強度を有し、耐シガレ
ット性、耐摩耗性に優れ、さらに炭化促進型として難燃
剤を含有させることなく良好な難燃性を得ることができ
るとともに、軽量化を図り得るモケット等の難燃性パイ
ル布帛を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、パイル布帛の構成材
料として特定の材料を用いることにより、所望の難燃パ
イル布帛を形成し得ることを見出した。
【0011】すなわち、この発明は、パイル層が設けら
れた地組織の裏面にバッキング層が形成された難燃性パ
イル布帛において、前記パイル層を構成するパイル糸
が、アラミド繊維1〜30重量%と、ポリエステル繊
99〜70重量%との混紡糸からなり、前記地組織を構
成する地糸が、ポリエステル繊維50〜90重量%と、
非溶融繊維50〜10重量%との混紡糸からなるものを
要旨とする。
【0012】この発明において、パイル糸は、アラミド
繊維とポリエステル繊維との混紡糸により形成される必
要がある。すなわち、表1に示すように、アラミド繊維
は、軟化点、溶融点、発火点のいずれもが、ポリエステ
ル繊維等のそれと比較して、はるかに高い値を有してお
り、非常に耐熱性に優れた材料であり、この耐熱性に優
れたアラミド繊維をパイル糸の構成繊維として使用する
ことにより、所望の難燃性を有するパイル布帛の形成が
可能となる。
【0013】
【表1】
【0014】ここで、アラミド繊維以外の非溶融繊維、
例えばウール繊維をパイル糸の構成繊維として使用する
と、所望の難燃挙動を得るのに、難燃性のバッキング剤
を使用して、かつ塗布量を多くしたり、難燃剤を含有さ
せる必要が生じる。更に、シート用表皮材としての摩耗
耐久性を向上させるためにパイル密度を高くする必要が
ある。以上の点から、ウール繊維をパイル糸の構成繊維
として使用して、引張強度、耐シガレット性、耐摩耗性
および難燃性において優れた特性を確保しつつ、今以上
の軽量化を図ることは困難である。アラミド繊維以外の
他の非溶融繊維に関しても同等のことが言える。
【0015】この発明に用いられる、アラミド繊維、す
なわち芳香族ポリアミド繊維の種類は特に限定されず、
ポリパラフェニレンテレフタルアミドやポリメタフェニ
レンイソフタルアミド等を挙げることができる。
【0016】アラミド繊維の混紡比率は、1〜30重量
%に設定する必要があり、中でも下限値を1.5重量%
以上、上限値を10重量%以下に設定するのが好まし
く、さらには下限値を2重量%以上、上限値を7重量%
以下に設定するのがより一層好ましい。すなわち、アラ
ミド繊維の混紡比率が低下すると、燃焼時に溶融しやす
くなって、火勢が強くなり、1重量%に満たないと、後
に詳述する燃焼試験において、火勢が規定以上の高さま
であがり、燃焼試験をクリアできず、燃焼性に問題が生
じるので好ましくない。逆に、アラミド繊維の混紡比率
が増大し、30重量%を超えると、アラミド繊維固有の
固さにより、適正な表面の風合い加工が阻害されるだけ
でなく、アラミド繊維固有の黄色に起因して、繊維全体
の黄色の着色が目立つこととなり、意匠上の問題が生じ
る上に、経済的にも不利でコスト高となる。
【0017】この発明において、パイル糸形成におい
て、アラミド繊維と混紡使用される繊維は、耐摩耗性の
観点から、ポリエステル繊維である。レーヨン繊維、ウ
ール繊維、綿繊維、麻繊維等は耐摩耗性の観点からこの
ましくない。
【0018】パイル糸形成において、アラミド繊維と混
紡使用されるポリエステル繊維の混紡比率は、上記アラ
ミド繊維の混紡比率と対応関係にあるので、上記と同様
な理由から、99〜70重量%に設定する必要があり、
中でも上限値を98.5重量%以下、下限値を90重量
%以上に設定するのが好ましく、さらには上限値を98
重量%以下、下限値を93重量%以上に設定するのがよ
り一層好ましい。
【0019】なお、パイル糸を形成する各構成繊維の太
さに関しては、アラミド繊維、ポリエステル繊維ともに
1.5〜10デニールとすることが好ましい。
【0020】また、この発明において、パイル糸は、編
織能率、布帛表面の風合い等を考慮すると、上記混紡糸
の20番双糸(綿番手、以下同じ)、30番双糸、40
番双糸により構成するのが好ましい。
【0021】この発明において、地組織を構成する地糸
は、ポリエステル繊維と非溶融繊維との混紡糸により形
成する必要がある。
【0022】ポリエステル繊維は、強力であり、地糸の
主体繊維とした際に、良好な寸法安定性を確保した上で
軽量化を図ることができる。なお、地糸の主体繊維とし
てポリエステル繊維以外のもの、例えばナイロン繊維等
を用いると、伸び率が高くなり、地組織としての寸法安
定性に欠け、また綿繊維等を使用すると、熱脆化しやす
くなり、十分な強度を得ることができず、好ましくな
い。
【0023】また、ポリエステル繊維の混紡比率は、5
0〜90重量%に設定する必要があり、中でも下限値を
60重量%以上、上限値を85重量%以下に設定するの
が好ましく、さらには下限値を65重量%以上、上限値
を80重量%以下に設定するのがより一層好ましい。す
なわち、ポリエステル繊維の混紡比率が低下するにした
がって、強力が低下していき、50重量%に満たない
と、強力が不十分となって、良好な寸法安定性等を確保
できず、好ましくない。逆にポリエステル繊維の混紡比
率が多くなると、熱安定性が低下していき、90重量%
を超えると、十分な難燃性が得られないので好ましくな
い。
【0024】この発明の地糸に使用される非溶融繊維
は、特に限定されるものではなく、ウール繊維、レーヨ
ン繊維、綿繊維、麻繊維等を例示することができる。中
でも耐侯性等を考慮すると、レーヨン繊維、綿繊維の使
用が望まれる。
【0025】地糸における非溶融繊維の混紡比率は、上
記ポリエステル繊維の混紡比率と対応関係にあるので、
上記と同様な理由から、50〜10重量%に設定する必
要があり、中でも上限値を40重量%以下、下限値を1
5重量%以上に設定するのが好ましく、さらには上限値
を35重量%以下、下限値を20重量%以上に設定する
のがより一層好ましい。
【0026】なお、地糸を形成する各構成繊維の太さに
関しては、ポリエステル繊維、非溶融繊維ともに1.5
〜5デニールとすることが好ましい。
【0027】また、この発明において、地糸は、引張強
度等の点を考慮すると、上記混紡糸の20番双糸、30
番双糸により構成するのが好ましい。
【0028】この発明において、バッキング層は樹脂組
成物からなり、バッキング剤として使用される樹脂組成
物の樹脂成分としては、スチレン・ブタジエンゴム(S
BR)や、アクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂を挙
げることができる。中でも、十分な抜糸強度を確保しつ
つ軽量化を図り得るものとして、アクリル酸エステル系
樹脂ラテックスを使用するのが特に好ましい。
【0029】バッキング剤には、難燃化を助長するため
に難燃剤を含有させることが、従来必須であったが、こ
の発明においては、特に必要とはしない。但し、より一
層難燃性を高めるための補助手段として、バッキング剤
に難燃剤を含有させることは何らさしつかえるものでは
ない。そのための難燃剤として、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム等の金属酸化物の他、炭酸カルシウ
ム、硼砂、硼酸等を例示することができる。
【0030】また、この発明の難燃性パイル布帛は、軽
量化に適するものであるため、製品目付が700g/m
2以下、好ましくは500g/m2以下、さらに好ましく
は450g/m2以下のものとして使用するのが良い。
もっとも、この発明の難燃性パイル布帛は、製品目付が
700g/m2を超えるものとして使用してもよく、こ
の場合でも支障なく使用することができる。。
【0031】なお、この発明においては、パイルに難燃
剤を付与する必要はないが、より一層難燃性を高めるた
めの補助手段として、パイルに難燃剤を含有させたり、
あるいは他の難燃処理と併用することは何らさしつかえ
るものではない。更に、撥水撥油加工、帯電防止加工等
の付加加工を行ってもよい。
【0032】また、この発明の難燃性パイル布帛は、鉄
道車輌、バス等の座席シート用表皮材等に用いられる難
燃性モケットとして好適に使用できるが、使用形態は特
に限定されるものではない。更にこの発明は、モケット
に限らず、例えば立毛メリヤス、カーペット、タフティ
ングパイル布帛等としても構成することができる。
【0033】
【実施例】以下、この発明に関連した実施例およびその
効果を導出するための比較例について詳細に説明する。
なお、以下の実施例1〜および比較例1〜4は、パイ
ル素材のみを変化させて、それ以外の要素は固定してそ
れぞれモケットを作製した。さらに実施例および
比較例6〜8は、地糸素材のみを変化させて、それ以外
の要素は固定してそれぞれモケットを作製した。また参
考までに、比較例5においては、溶融ドリップ型のモケ
ットを作製した。
【0034】
【表2】
【0035】<実施例1> 表2に示すように、アラミド繊維としてケブラー(デュ
ポン社製)2重量%と、ポリエステル繊維98重量%と
が混紡された30番双糸をパイル糸とし、ポリエステル
繊維65重量%と、レーヨン繊維35重量%とが混紡さ
れた30番双糸を地糸として、地組織(地糸密度60本
/inch×42本/inch)上にパイル層(パイル
密度1260本/inch平方)が形成されたモケット
表地を作製した。そして、アクリル酸エステル系樹脂ラ
テックスを、上記モケット表地の裏面に、塗布量60g
/m2(固形成分)で塗布してバッキング層を形成し、
厚さ2.5mm、製品目付(バッキング層を含む、以下
同じ)460g/m2のモケット(パイル布帛)を作製
した。
【0036】<実施例2〜4> パイル糸として、同表に示す混紡率で、アラミド繊維と
ポリエステル繊維とが混紡されたものを使用した以外
は、上記と同様にして、それぞれモケットを作製した
【0037】<比較例1〜2> パイル糸として、同表に示す混紡率で、ウール繊維とポ
リエステル繊維とが混紡されたものを使用した以外は、
上記と同様にして、それぞれモケットを作製した。
【0038】<比較例3〜4> パイル糸として、同表に示す混紡率で、ウール繊維とナ
イロン繊維とが混紡されたものを使用した以外は、上記
と同様にしてそれぞれモケットを作製した。
【0039】<比較例5> パイル糸として、同表に示すように、難燃性ポリエステ
ル繊維100%の純ポリエステル糸を使用し、地糸とし
て、難燃性ポリエステル繊維100%の純ポリエステル
糸を使用して、上記と同様にモケット表地を作製した。
そして、ポリウレタン系樹脂組成物からなるバッキング
剤(樹脂固形成分50重量%、リン酸エステル(難燃
剤)50重量%)を、上記モケット表地の裏面に、塗布
量60g/m2(固形成分)で塗布してバッキング層を
形成し、厚さ2.5mm、製品目付460g/m2のモ
ケット(パイル布帛)を作製した。
【0040】<試験方法および評価方法> 上記のように作製された各モケットに対し、下記A〜D
に示す耐シガレット性試験法、燃焼性試験法、耐摩耗性
試験法、引張強度試験法に準拠して評価を行った。
【0041】A.耐シガレット性試験法 水平面に配置したモケット表面(パイル側)に火のつい
たたばこを置く。そして、たばこの火が消えた後、モケ
ットの燃焼跡を目視により観察し、炭化層の形成により
穴開きが形成されなかったものを「OK」、溶融により
穴開きが形成されたものを「NG」として評価した。
【0042】B.燃焼性試験法(運輸省鉄道車輌用材料
燃焼試験「A−4基準」に準拠) 図1に示すように、182mm×257mmのサイズに
切り取ったモケット(M)を、その表面(パイル側)を
斜め下方に向けて、45°に傾斜させた状態で保持し、
直径17.5mm、高さ7.1mmの鉄製アルコール容
器(1)を、その底の中心がモケット(M)の表面中心
の垂直下方25.4mm(1inch))のところにく
るように、コルク等の熱伝導率の低い材質の設置台
(2)上に載置する。そして、アルコール容器(1)内
に0.5ccの純エチルアルコールを注入して着火し、
燃料が燃え尽きるまで放置して、以下の評価を行った。
すなわち、燃焼中に火炎(F)先端が、モケット(M)
の上端位置を越えず、かつ図2に示すように燃焼後にお
いてモケット(M)上端縁まで炭化層(C)が形成され
なかったものを「OK」、燃焼中に火炎(F)がモケッ
ト上端縁を越えるか、または図3に示すように燃焼後に
おいてモケット上端縁まで炭化層(C)が形成されたも
のを「NG」として評価した。なお、「OK」の評価で
も図4に示すように溶融により穴(H)が形成されたも
のは「OK」の下に括弧付きで「DRIP」という文字
を記した。
【0043】C.耐摩耗性試験法 JIS L1096の6.17.1のA−1法(平面
法)に準拠し、モケット表面を、押圧荷重908g、空
気圧281g/cm2の押圧条件で、ペーパー(CC4
00)を5000回転させた後、目視により観察して、
以下の評価を行った。すなわち、多少変化が見られるが
ほとんど摩耗していないものを「6級」、変化が見ら
れ、多少摩耗しているが著しくないものを「5級」、摩
耗しているが地糸が見えないものを「4級」、パイルは
残っているが地糸が見えるものを「3級」、パイル糸は
摩耗によりほとんど残っていないが地糸は摩耗していな
いものを「2級」、著しく摩耗してモケットに穴開きが
生じたものを「1級」として評価した。なお、この試験
においては4級以上が実用に耐え得るものとして合格と
する。
【0044】D.引張強度試験法 JIS L1096の6.12.1のA法(ストリップ
法)に準拠して、各モケットの引張強度(kgf/5c
m幅)をそれぞれ測定した。
【0045】<評価結果1> 上記の各試験による評価結果を表2に併せて示す。同表
から明らかなように、この発明の実施例1〜のモケッ
トは、軽量(製品目付460g/m2)であるにもかか
わらず、十分な引張強度を有し、さらに難燃性、耐シガ
レット性、および耐摩耗性のいずれも良好であった。
【0046】これに対し、パイル糸の構成が、この発明
の要旨を逸脱する比較例1〜4のモケットは、製品目付
が460g/m2程度の軽量化を図ると、難燃性、耐摩
耗性に支障を来すようになり、軽量化を図るのは困難で
ある。また、比較例5のモケットは、軽量化には適して
いるものの、耐シガレット性に関して問題がある。
【0047】
【表3】
【0048】<実施例> 表3に示すように、地糸として、ポリエステル繊維85
重量%と、レーヨン繊維15重量%とが混紡された30
番双糸を使用した以外は、上記実施例2と同様にしてモ
ケット(パイル布帛)を作製した。
【0049】<実施例> 地糸として、同表に示す混紡率で、ポリエステル繊維と
レーヨン繊維とが混紡されたものを使用した以外は、上
記と同様にしてモケットを作製した。
【0050】<実施例> 地糸として、同表に示す混紡率で、ポリエステル繊維と
綿繊維とが混紡されたものを使用した以外は、上記と同
様にしてそれぞれモケットを作製した。
【0051】<比較例6> 地糸として、同表に示す混紡率で、ポリエステル繊維と
レーヨン繊維とが混紡されたものを使用した以外は、上
記と同様にしてモケットを作製した。
【0052】<比較例7> 地糸として、同表に示す混紡率で、ポリエステル繊維と
綿繊維とが混紡されたものを使用した以外は、上記と同
様にしてモケットを作製した。
【0053】<比較例8> 地糸として、同表に示すように、レーヨン繊維100%
のレーヨン糸を使用した以外は、上記と同様にしてモケ
ットを作製した。
【0054】<評価結果2> 各モケットに対し、上記各試験を行った結果を表3に併
せて示す。引張強度に関しては、測定値(kgf/5c
m幅)の他に、その値に基づいて判断し、実用上強度が
十分であるものには「OK」、実用上強度が不十分であ
るものには「NG」という評価を行った。
【0055】同表から明らかなように、この発明の実施
のモケットは、軽量であるにもかかわらず、い
ずれの試験も良好な結果を得た。これに対し、地糸の構
成が、この発明の要旨を逸脱する比較例6〜8のモケッ
トは、軽量化を図ると、引張強度や難燃性の面で問題が
生じた。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明の難燃性パイル
布帛は、パイル糸が、アラミド繊維1〜30重量%と
リエステル繊99〜70重量%との混紡糸からな
り、地糸が、ポリエステル繊維50〜90重量%と、非
溶融繊維50〜10重量%との混紡糸からなるものであ
るため、十分な引張強度を有し、耐シガレット性、耐摩
耗性に優れ、さらに炭化促進型として難燃剤を含有させ
ることなく良好な難燃性を得ることができるとともに、
軽量化を図り得るという効果が得られる。
【0057】また、この発明において、地糸の非溶融繊
維として、レーヨン繊維および綿繊維から選択される1
種または2種の繊維が使用されてなる構成を採用する場
合には、上記の効果を、より確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例においてモケットを評価する
ために用いられた燃焼性試験法を説明するための概略の
斜視図である。
【図2】上記の燃焼性試験後における実施例のモケット
を示す平面図である。
【図3】上記の燃焼性試験後における比較例のモケット
を示す平面図である。
【図4】上記の燃焼性試験後における他の比較例のモケ
ットを示す平面図である。
【符号の説明】
M:モケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−75867(JP,A) 特開 昭62−90350(JP,A) 特開 昭51−72677(JP,A) 特開 昭52−53065(JP,A) 特開 昭63−196741(JP,A) 特開 平7−210026(JP,A) 実開 昭53−56075(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 27/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル層が設けられた地組織の裏面にバ
    ッキング層が形成された難燃性パイル布帛において、 前記パイル層を構成するパイル糸が、アラミド繊維1〜
    30重量%と、ポリエステル繊99〜70重量%との
    混紡糸からなり、 前記地組織を構成する地糸が、ポリエステル繊維50〜
    90重量%と、非溶融繊維50〜10重量%との混紡糸
    からなることを特徴とする難燃性パイル布帛。
  2. 【請求項2】 前記地糸の非溶融繊維として、レーヨン
    繊維および綿繊維から選択される1種または2種の繊維
    が使用されてなる請求項1記載の難燃性パイル布帛。
  3. 【請求項3】 前記パイル糸におけるアラミド繊維の混
    紡比率が、1.5〜10重量%である請求項1または2
    に記載の難燃性パイル布帛。
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Cited By (1)

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