JP3790862B2 - 車両用難燃パイル布帛 - Google Patents

車両用難燃パイル布帛 Download PDF

Info

Publication number
JP3790862B2
JP3790862B2 JP04981797A JP4981797A JP3790862B2 JP 3790862 B2 JP3790862 B2 JP 3790862B2 JP 04981797 A JP04981797 A JP 04981797A JP 4981797 A JP4981797 A JP 4981797A JP 3790862 B2 JP3790862 B2 JP 3790862B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame retardant
flame
pile
fiber
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04981797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10237743A (ja
Inventor
正明 九里
雅史 片山
好次 松野
義之 木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawashima Selkon Textiles Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Kawashima Selkon Textiles Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawashima Selkon Textiles Co Ltd, Toyobo Co Ltd filed Critical Kawashima Selkon Textiles Co Ltd
Priority to JP04981797A priority Critical patent/JP3790862B2/ja
Publication of JPH10237743A publication Critical patent/JPH10237743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3790862B2 publication Critical patent/JP3790862B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の椅子張地や壁張地等の内装材として使用されるパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用パイル布帛には、パイル面の風合や圧縮弾性回復力、耐摩耗性、引張強度等の物性品質の他に、火災防止のために難燃性と耐シガレット性が要求され、車両の高速化に伴う車両全体の軽量化のためにパイル布帛の総質量を450±30g/m2 にすることが望まれる。運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験規格によると、車両用パイル布帛から採取された供試材を45度傾斜させて保持し、その供試材の下面の中心の垂直下方25.4mmのところに設置した内径17.5mm×深さ7.1mmの鉄製容器にエチルアルコールを0.5cc入れて着火し、そのアルコールが燃えつきるまで放置し、そのアルコール燃焼中における供試材の着火や着炎の有無、発煙量、火勢の状態を観察し、それら事項が所定の基準を満足し、且つ、アルコールの燃焼後における供試材の残炎や残燼の有無、炭化部分の大きさ、変形の度合いを観察し、それらの事項が所定の難燃性基準を満足する場合、そのパイル布帛は『難燃性』と判定される。又、耐シガレット性については、火のついたタバコの先端部をパイル布帛の上に切り落として自然消火するまで放置する落下放置試験と、火のついたタバコをパイル布帛の上に水平に3分間放置する水平放置試験の何れにおいても、パイル布帛に穴があかない場合、そのパイル布帛は『耐シガレット性』と判定される。
【0003】
ナイロンやポリエステル繊維をパイル糸に使用した合成繊維難燃パイル布帛では、燃焼して耐シガレット性のある炭化層を形成する羊毛繊維がパイル糸に混用され、モケット織機やダブルラッシェル編機等によって織成または編成されたパイル布帛原反の裏面に、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を難燃剤として配合したバッキング剤を塗布裏打して仕上げられており、その基布の地糸には、バッキング剤との接着性がよく難燃剤が脱落し難いセルロース系繊維(レーヨン、木綿)が使用されている。
【0004】
水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムが難燃剤として使用されるのは、それらが結晶水を有する金属水酸化物であり、その熱分解温度が合成繊維やセルロース系繊維の熱分解温度よりも僅かに低く、それらの繊維が熱分解して発火する直前に難燃剤が熱分解して結晶水を放出し、その結晶水によって難燃剤が付着している基布のみならずパイル面をも耐炎化するためであり、又、それらの難燃剤が、充填剤としても使用される安価な土質鉱物であり、而も、基布を構成するセルロース系繊維の脆化や強度低下を招かない等の理由による。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムは高比重の土質鉱物であり、車両の高速化に伴って車両全体の軽量化を図ろうとする場合にはその妨げとなる。そこで、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを使用せず、パイル布帛のパイルや基布に繊維自体が難燃化されている難燃性ポリエステル繊維の使用を試みた。
【0006】
この難燃性ポリエステル繊維は、少なくともリン酸エステル類やホスホン酸類等のリン化合物を、ジカルボン酸エステルとジオールとのエステル交換反応時に、或いは、ジカルボン酸とジオールとのエステル反応時に添加してつくられる。その添加するリン化合物としては、3,4,5,6・ジベンゾ・1,2・オキサホスフアン・2・オキシドとアクリル酸メチルとの付加反応生成物が最適であり、それを使用するとポリエステルテレフタレートの合成過程で架橋反応を起こさず、物性強度において一般のポリエステル繊維と同等の難燃性ポリエステル繊維が得られることが知られている。難燃性ポリエステル繊維としては、東洋紡績株式会社製の『ハイム(登録商標)』、帝人株式会社製の『エクスター』および『トレビラCS』、鐘紡株式会社製の『パラフレーム』、クラレ株式会社製の『ナンネックス』等がある。その難燃効果の指標ともなる難燃性ポリエステル繊維のLOI値(酸素指数)は26〜30であり、通常の合成繊維やセルロース系繊維のそれに比して遙かに大きい。
【0007】
この難燃性ポリエステル繊維の特徴は接炎して溶融し垂れ落ち易いところにある。このため、難燃性ポリエステル繊維製パイル布帛は、運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験規格による燃焼試験に供するとき、アルコールの着火当初の火炎に接して大きな穴があくものの、その後は燃焼せず、アルコールだけがその穴の中心部で燃え続けることとなり、その結果、『難燃性』と判定されることになる。ところが、難燃性ポリエステル繊維が接炎して溶融し易いが故に、難燃性ポリエステル繊維製パイル布帛は、耐シガレット性試験においては穴があき、耐シガレット性のある難燃パイル布帛は得られない。
【0008】
勿論、燃焼して耐シガレット性のある炭化層を形成する羊毛繊維の難燃性ポリエステル繊維との混用も考えられるが、その場合、それらの染色性が異なるので染色工程が二工程になって経済的に不利であり、天然繊維である羊毛繊維は耐候性や耐摩耗性等の物性強度において合成繊維に劣るので耐久性のある難燃パイル布帛は得られない。そして、羊毛繊維が炭化して難燃効果を発揮する炭化型難燃挙動を示すのに対し、難燃性ポリエステル繊維は上記の如く溶融滴下して難燃効果を発揮する滴下型難燃挙動を示すものであり、その両者の難燃挙動の相異によって、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を難燃剤として配合したバッキング剤による裏打仕上なしには運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験規格を満足する難燃パイル布帛は得られない。
【0009】
そこで、LOI値が大きく難燃性を示すと想定される種々の合成繊維を検討していたところ、金属塩を含有するアクリレート系繊維が、燃焼しながら炭化するのみで炎をあげて燃えず、熱分解して発火するものの、その発火温度以上の加熱状態においては発火後の残渣が消失しないとの知見を得、その残渣によって耐シガレット性試験における穴あきが防止されるであろうとの想定のもとに、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、パイル面の風合や圧縮弾性回復力、耐摩耗性、引張強度等の物性品質を考慮しつつ、車両用パイル布帛の難燃化と軽量化を図ると共に、耐シガレット性の点でも優れたものとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る難燃パイル布帛は、リン化合物を含有する難燃性ポリエステル繊維を主材とし、金属塩を含有するアクリレート系繊維を含有するパイル糸によってパイル層が構成されており、基布を構成する地糸の少なくとも一部、即ち、難燃パイル布帛が織機によって織成されたものであれば地経糸と地緯糸の少なくとも何れか一方の少なくとも一部に、難燃パイル布帛が経編機によって編成されたものであれば地経糸の少なくとも一部に、また、難燃パイル布帛が横編機によって編成されたものであれば地緯糸の少なくとも一部に、金属塩を含有するアクリレート系繊維が使用されていることを第1の特徴とする。ここに、『地糸の少なくとも一部』とは、アクリレート系繊維が他の繊維と混繊、交撚、混紡等の方法によって地糸に混用する場合と、アクリレート系繊維だけで構成された糸条、或いは、アクリレート系繊維と他の繊維によって構成された糸条を基布を構成する地糸の1本または数本おきに使用することを意味する。
【0012】
本発明に係る難燃パイル布帛の第2の特徴は、上記第1の特徴に加え、上記のアクリレート系繊維が、アクリル繊維をヒドラジン処理して架橋結合を導入し、その残存する一部のニトリル基にカルボキシル基が導入され、他の残りのニトリル基にアミド基が導入され、そのカルボキシル基にカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)の何れか一種以上の金属と水素(H)が結合したアクリレート繊維であることにある。
【0013】
本発明に係る難燃パイル布帛の第3の特徴は、上記第1または第2の特徴に加え、上記の難燃性ポリエステル繊維とアクリレート繊維がパイル層の80重量%以上を占め、難燃性ポリエステル繊維とアクリレート繊維のパイル層に占める割合が、前者55〜85に対し後者45〜15(重量比)であり、且つ、上記のアクリレート繊維が基布の10重量%以上を占めることにある。
【0014】
本発明に係る難燃パイル布帛の第4の特徴は、上記第1、第2または第3の特徴に加え、裏面にバッキング剤が塗布されており、総質量が480g/m2 以下であることにある。
【0015】
本発明において『難燃性ポリエステル繊維』とは、上記の如くリン化合物を含有し、LOI値が概して26〜30となるポリエステル繊維を意味する。ここに『LOI値(酸素指数)』とは、酸素と窒素の混合気体の中で、高分子が燃え続けるのに必要な最低酸素濃度(容量%)を意味する。
【0016】
アクリレート繊維は、アクリル系繊維を水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン等のヒドラジンで処理して架橋係合を導入し、その際、アクリル系繊維の窒素含有量の増加分を1〜8重量%内に調整し、加水分解反応によって残存しているニトリル基量の2.5〜4.5meq/gにカルボキシル基を、その残部にはアミド基を導入し、その加水分解反応が酸加水分解のときは直ちに、又、その加水分解反応がアルカリ加水分解のときは酸によりカルボキシル基をH基にした後、必須成分としてのCa(カルシウム)とMg(マグネシウム)とAl(アルミニウム)の何れか一種以上の金属水酸化物を添加してPH5〜7に調整し、その一部を金属塩型に変化してつくられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
パイル面の1cm2 (縦横各1cm)内のパイル繊維の80重量%以上、好ましくは90重量%以上を難燃性ポリエステル繊維とアクリレート繊維が占め、アクリレート系繊維が基布全体の10重量%以上、好ましくは20重量%以上を占める限り、パイル糸には装飾上、或いは、導電性や消臭性等の機能性を付与する上で、或いは又、パイル糸を結束する紡績工程や撚糸工程で必要とされる他の繊維を混用することが出来、又、地糸にも同様に導電性繊維や消臭性繊維等の機能性繊維を使用することが出来、そして又、難燃性ポリエステル繊維とアクリレート系繊維を地糸の一部にだけ使用することも出来る。難燃性ポリエステル繊維とアクリレート系繊維は、パイル糸や地糸をマルチフイラメント糸とする場合には混繊または交撚によって、又、それらを紡績糸とする場合には混紡または交撚によって混用される。
【0018】
そのようにアクリレート系繊維をパイル糸と地糸に使用すると、耐シガレット性のある難燃パイル布帛が得られる。その理由は、パイル布帛の燃焼後において、アクリレート系繊維の炭化残渣と難燃性ポリエステル繊維の溶融塊が融着し一体化してパイル層と基布の織組織と同様の網目構造が形成され、その結果、耐シガレット性試験において穴あきが回避されるためである。
【0019】
運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験において『難燃性』と判定されるパイル布帛を得るには、パイル層に占めるアクリレート系繊維の比率を25重量%以上とすることが望ましいが、アクリレート系繊維の比率が余り多くなると耐摩耗性において耐用性のある車両用難燃パイル布帛が得難くなる。この点を考慮すると、パイル層に占めるアクリレート系繊維の比率を25〜50重量%にすることが望ましい。一方、耐シガレット性について言えば、パイル層に占めるアクリレート系繊維の比率が25重量%以下であっても、基布に占めるアクリレート系繊維の比率が5重量%前後であれば、耐シガレット性試験を満足するパイル布帛が得られる。当然のことながら、地糸の全てにアクリレート系繊維を使用すれば、パイル布帛の耐シガレット性が更に高まる。
【0020】
従って、運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験と耐シガレット性試験を満足するパイル布帛が得るには、パイル層に占めるアクリレート系繊維の比率を25〜50重量%とし、基布に占めるアクリレート系繊維の比率を10〜50重量%とすることが推奨される。しかし本発明によると、パイル布帛の総質量に格別な制限がなく、安価な水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムその他の土質鉱物系の難燃剤の使用が許容される場合には、パイル層に占めるアクリレート系繊維の比率を10重量%前後とし、基布に占めるアクリレート系繊維の比率を5重量%前後とし、土質鉱物系の難燃剤の使用によってパイル布帛の総質量を格別重くすることなく、運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験と耐シガレット性試験を満足する車両用難燃パイル布帛を経済的に得ることも可能となり、又、非土質鉱物系難燃剤を併用して総質量が480g/m2 以下で車両の高速化に対応し得る軽量な車両用難燃パイル布帛を得ることも可能となる。
【0021】
【実施例】
下記〔表1〕と〔表2〕と〔表3〕に示す通り、難燃性ポリエステル繊維(東洋紡績株式会社製・商品名『ハイム(登録商標)』)、アクリレート系繊維(東洋紡績株式会社製・商品名『エクス(登録商標)』・LOI値:26〜31)、通常のポリエステル繊維およびレーヨンをパイル糸(紡績糸)と地経糸(紡績糸)と地緯糸(紡績糸)に使用し、パイル長が2.5mmの19種類のモケット(A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S)を製織した。
【0022】
モケットAとCとEとGは、難燃剤を配合しないポリウレタン系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(b)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜4に係る実施品(A,C,E,G)を得た。
【0023】
モケットBとDとFとHは、難燃剤を配合しないアクリル系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(a)(乾燥塗膜に占める無機質固形分:0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜4に係る実施品(B,D,F,H)を得た。
【0024】
モケットIとKは、難燃剤を配合しないポリウレタン系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(b)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜2に係る実施品であり、本発明請求項3に対する比較品である比較実施品(I,K)を得た。
【0025】
モケットJとLは、難燃剤を配合しないアクリル系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(a)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜2に係る実施品であり、本発明請求項3に対する比較品である比較実施品(J,L)を得た。
【0026】
モケットMは、難燃剤を配合しないポリウレタン系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(b)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜3に係る実施品であり、本発明請求項4に対する比較品である比較実施品Mを得た。
【0027】
モケットNは、難燃剤を配合しないアクリル系樹脂エマルジョンを主材とする非難燃性バッキング剤(a)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明請求項1〜3に係る実施品であり、本発明請求項4に対する比較品である比較実施品Nを得た。
【0028】
モケットOとPとQは、水酸化アルミニウムを難燃剤として配合したアクリル系樹脂エマルジョンを主材とする難燃性バッキング剤(c)(乾燥塗膜に占める無機質固形分:50重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明に対する比較品(O,P,Q)を得た。
【0029】
モケットRとSは、リン化合物を難燃剤として配合したポリウレタン系樹脂エマルジョンを主材とする難燃性バッキング剤(d)(乾燥塗膜に占める無機質固形分: 0重量%)を塗布裏打して仕上げ、本発明に対する比較品(RとS)を得た。
【0030】
上記のモケットから採取した試料を、それぞれ運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験と耐シガレット性試験とJIS−L−1096・6.17.1のA−1法・耐摩耗性試験を行い、又、モケット(E)についてはJIS−L−1096・6.12法・引張強度試験をも行い、それぞれ下記〔表1〕と〔表2〕と〔表3〕に示す結果を得た。
【0031】
【表1】
Figure 0003790862
【0032】
【表2】
Figure 0003790862
【0033】
【表3】
Figure 0003790862
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るパイル布帛(請求項1と2)は、運輸省鉄道車両用材「A−A」燃焼試験規格の燃焼試験において、パイル層のアクリレート系繊維が炎をあげず炭化する燃焼挙動を示してパイル面の燃焼が拡大せず、『難燃性』と判定される。又、本発明に係るパイル布帛は、耐シガレット性試験においては、アクリレート系繊維の燃焼残渣が基布の形跡を保持するので、『耐シガレット性』と判定される。
【0035】
従って、パイル布帛の裏面に高比重の水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを難燃性バッキング剤を塗布する必要がなくなり、総質量が480g/m2 以下で車両の高速化に対応し得る軽量な車両用難燃パイル布帛(請求項4)が得られる。尚、モケットの形状・寸法安定性やパイル抜糸強度を高め、又、その燃焼性を一層高めるために、難燃性バッキング剤を裏打することも出来、その際、車両用難燃パイル布帛の重量規格を満たす限り水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを使用することも出来る。
【0036】
〔表1〕と〔表2〕に示すモケット(A,B,C,D,E,F,I,J,K,L,M,N)とモケット(G,H)を対比して明らかな如く、難燃性ポリエステル繊維とアクリレート系繊維のパイル層に占める割合を、前者55〜85に対し後者45〜15(重量比)とすることにより(請求項3)、耐摩耗性においても椅子張地としての耐用性のある車両用難燃パイル布帛が得られる。

Claims (4)

  1. リン化合物を含有する難燃性ポリエステル繊維を主材とし、金属塩を含有するアクリレート系繊維を含有するパイル糸によってパイル層が構成されており、基布を構成する地糸の少なくとも一部に、金属塩を含有するアクリレート系繊維が使用されていることを特徴とする車両用難燃パイル布帛。
  2. 前掲請求項1に記載のアクリレート系繊維が、アクリル繊維をヒドラジン処理して架橋結合を導入し、その残存する一部のニトリル基にカルボキシル基が導入され、他の残りのニトリル基にアミド基が導入され、そのカルボキシル基にカルシウムとマグネシウムとアルミニウムの何れか一種以上の金属と水素が結合したアクリレート繊維であることを特徴とする前掲請求項1に記載の車両用難燃パイル布帛。
  3. 前掲請求項1に記載の難燃性ポリエステル繊維とアクリレート系繊維がパイル層の80重量%以上を占め、難燃性ポリエステル繊維とアクリレート系繊維のパイル層に占める割合が、前者55〜85に対し後者45〜15(重量比)であり、且つ、前掲請求項1に記載のアクリレート系繊維が基布の10重量%以上を占めることを特徴とする前掲請求項1に記載の車両用難燃パイル布帛。
  4. 前掲請求項1に記載の車両用難燃パイル布帛の裏面にバッキング剤が塗布されており、車両用難燃パイル布帛の総質量が480g/m2 以下であることを特徴とする前掲請求項1に記載の車両用難燃パイル布帛。
JP04981797A 1997-02-17 1997-02-17 車両用難燃パイル布帛 Expired - Fee Related JP3790862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04981797A JP3790862B2 (ja) 1997-02-17 1997-02-17 車両用難燃パイル布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04981797A JP3790862B2 (ja) 1997-02-17 1997-02-17 車両用難燃パイル布帛

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237743A JPH10237743A (ja) 1998-09-08
JP3790862B2 true JP3790862B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=12841678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04981797A Expired - Fee Related JP3790862B2 (ja) 1997-02-17 1997-02-17 車両用難燃パイル布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3790862B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7696283B2 (en) 2004-09-07 2010-04-13 Japan Exlan Company Limited Fiber and a fiber structure having a high flame-retarding property and high moisture-absorptive property
WO2007018082A1 (ja) * 2005-08-09 2007-02-15 Teijin Techno Products Limited 二層構造織物及びそれを用いた耐熱防護衣料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10237743A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI408266B (zh) 難燃性合成纖維與難燃纖維集合體及該等之製造方法、與纖維製品
US4001477A (en) Flame resistant cloth
US7858542B2 (en) Flame-retardant mattress
JP7036007B2 (ja) 遮炎性編物
US4151322A (en) Production of flame retardant fiber blend having desirable textile properties comprising polyester and cotton fibers
US3628995A (en) Flame resistant cloth
JP3790862B2 (ja) 車両用難燃パイル布帛
KR102654523B1 (ko) 난연성 섬유 복합체 및 난연성 작업복
JPH08209486A (ja) 難燃性パイル布帛
Parikh et al. Flame retardant cotton blend highlofts
JPWO2019188197A1 (ja) 織編物
WO2006118009A1 (ja) 難燃性寝具製品
WO2006043663A1 (ja) 難燃性マットレス
JP3098418B2 (ja) 難燃性パイル布帛
WO2006121160A1 (ja) 難燃性不織布およびそれを用いた布張り家具製品
JPH0214468B2 (ja)
US3801422A (en) Multilayer fibrous insulating article
JP4811739B2 (ja) 難燃性多重織編地と車両内装用布帛
EP0090553A2 (en) Flame resistant yarns and fabrics
JP2007270409A (ja) 難燃性合成繊維および該難燃性合成繊維を用いた難燃性マットレス
JPH059864A (ja) 難燃性布帛
JP2014029036A (ja) 多層織編物および繊維製品
JP2007291571A (ja) 難燃性合成繊維、難燃繊維複合体およびそれを用いた難燃性マットレス
JP2004131875A (ja) 難燃性皮革様シート基体およびその製造方法
JP4447263B2 (ja) 難燃性立体編物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140414

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees