JP3098222B2 - 自動車用フロントシートの回転装置 - Google Patents

自動車用フロントシートの回転装置

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JP3098222B2 JP10317559A JP31755998A JP3098222B2 JP 3098222 B2 JP3098222 B2 JP 3098222B2 JP 10317559 A JP10317559 A JP 10317559A JP 31755998 A JP31755998 A JP 31755998A JP 3098222 B2 JP3098222 B2 JP 3098222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転席シート及び
助手席シートがいずれも車体前方を向く前向き状態と車
体前方以外を向く対座状態とを取り得る自動車用フロン
トシートの回転装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】多目的の自動車において、運転席シート
及び助手席シートがいずれも車体前方を向く前向き状態
と車体前方以外を向く対座状態とを取り得るものが知ら
れている。
【0003】このような自動車用フロントシートの回転
装置としては、例えば実開昭59―99832号公報に
示されるように、エンジンのイグニッション回路にリレ
ーの励磁コイルの通電によりOFF動作する接点を設
け、リレーの励磁コイルに、変速機のニュートラル状態
でOFF動作するスイッチと、シートの前向き状態でO
FF動作するスイッチとを直列に接続することにより、
シートが後向きに回転していて、変速機がニュートラル
以外の前進位置又は後退位置にあるときには、イグニッ
ション回路を遮断して自動車の走行を禁止し、シートを
後向きに回転させたままの自動車走行を回避するように
したもの(第1の従来例)や、特開昭59―22752
8号公報に示されるように、助手席側のシートの対座状
態は運転席側のシートの対座状態を、また運転席側の前
向き状態は助手席側シートの前向き状態をそれぞれ前提
とし、上記シートの位置を検出する作動レバーと、回転
レリーズレバーに係合する係合ピンとを遠隔操作ワイヤ
にて連結してなるもの(第2の従来例)、或いは、特開
昭57―11127号公報に示されるように、自動車の
可動シートをロックするロック機構と、このロック機構
を作動切換えするアクチュエータとを設け、キースイッ
チによる自動車の走行状態を検出して、その走行状態で
はアクチュエータによりロック機構を作動させて、可動
シートの回転移動等を阻止することにより、安全性を高
めるようにしたもの(第3の従来例)が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、助手席シー
トが対座状態にあるときに自動車の走行が行われると、
安全性の面で問題があることから、上記第1及び第2の
従来例の考え方に基づき、運転席シートが前向き状態で
かつ助手席シートが対座状態にあれば、エンジンの作動
を阻止して、自動車の走行を回避するようにすることが
考えられる。
【0005】しかし、その場合、自動車が走行停止して
いる状態で例えば空調装置等を作動させようとしても、
両シートがそれぞれ上記状態にある限りエンジンが作動
しないので、空調装置の作動による空調効果等を得るこ
とができず、利便性に欠けるという問題があった。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記のように運転席シートが前向き状
態でかつ助手席シートが対座状態にあるときにエンジン
の作動を阻止する場合において、所定の条件下でエンジ
ンの作動を許容できるようにして、空調装置の作動によ
る空調効果等が得られ、助手席の対座状態での安全性と
利便性の両立を図ることができる自動車用フロントシー
トの回転装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の解決手段は、運転席シート及び助
手席シートがいずれも車体前方を向く前向き状態と車体
前方以外を向く対座状態とを取り得る自動車用フロント
シートの回転装置を対象とする。
【0008】そして、上記運転席シートが前向き状態か
否かを検出する第1シート位置検出手段と、助手席シー
トが前向き状態か否かを検出する第2シート位置検出手
段とを設ける。さらに、上記第1及び第2シート位置検
出手段の出力を受け、上記運転席シートが前向き状態で
かつ助手席シートが対座状態にあるときに、エンジンの
作動を阻止する一方、運転席シート及び助手席シートが
共に対座状態にあるときに、エンジンの作動を許容する
制御手段を設ける。
【0009】この構成によれば、運転席シートが前向き
状態でかつ助手席シートが対座状態であるとき、エンジ
ンの作動が制御手段にて阻止されるので、自動車の走行
を回避することができる。
【0010】これに対し、運転席シート及び助手席シー
トがいずれも対座状態となると、エンジンの作動が可能
となるため、停車状態で空調装置等を作動させることが
でき、利便性の向上を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
沿って詳細に説明する。尚、運転席シートA(助手席シ
ートも同様)は、図9に示すように、車体フロアに支持
台B,Bを介して取付けられており、両シートAと支持
台B,Bとの間には、シートAを車体前後方向にスライ
ド可能にするスライド装置Cと、シートAを回転レリー
ズレバーDの操作により回転可能にする回転装置Eとが
介設されているが、以下の説明ではスライド装置につい
ての説明は省略する。
【0012】運転席シート側の概略構成を示す図1、図
2及び図7において、1Aは回転ベースで、車体フロア
に支持されている。2Aは回転テーブルで、運転席シー
トのシートクション(図示せず)が取付けられるもの
で、上記回転ベース1Aに対して回転可能に支承されて
いる。
【0013】すなわち、回転ベース1A上に環状のガイ
ド部材3が複数の取付具4によって取付固定されている
一方、回転テーブル1Bの下面には上記回転ベース1A
とガイド部材3とによって形成される係合部に回転摺動
可能に係合する係合部5aを内周縁に有する係合部材5
が固設されており、それによって回転テーブル2Aが回
転ベース1Aに対して回転可能となっている。
【0014】上記回転テーブル2Aには、先端部が下方
に延びる掛止め部材6が固着され、該掛止め部材6を係
脱可能に係止するフック部材7,8が回転ベース1Aの
前後側において回動可能に支承され、該フック部材7,
8に連結された回転レリーズレバー7a,8aを回動す
ることによりフック部材7,8による掛止め部材6の係
止を解除して運転席シートを回転できるようになってい
る。
【0015】上記各フック部材7,8の上方には、掛止
め部材6のフック部材7,8による係止時に該掛止め部
材6が外れるのを防止するために抱持部材9,10が固
設されている。
【0016】一方、助手席シート側も、運転席シート側
と同様に構成されている。すなわち、図3及び図4に示
すように、回転ベース1B上に環状のガイド部材21が
複数の取付具22によって取付固定されている一方、回
転テーブル2Bの下面には上記回転ベース1Bとガイド
部材21とによって形成される係合部に回転摺動可能に
係合する係合部24aを内周縁に有する係合部材24が
固設されている。
【0017】上記回転テーブル2Bには、先端部が下方
に延びる掛止め部材25が固着され、該掛け止め部材2
5を係脱可能に係止するフック部材(前側のフック部材
26のみ図示)が回転ベース1Bの前後側に回動可能に
支承され、該フック部材26に連結された回転レリーズ
レバー26a(後側の回転レリーズレバーは27aで示
す)を回動することによりフック部材26による掛止め
部材25の係止を解除して運転席シートを回転できるよ
うになっている。
【0018】上記フック部材26の上方には、掛止め部
材25とフック部材26との係合時に該掛止め部材25
が外れるのを防止するために抱持部材28が固設されて
いる。
【0019】また、上記回転テーブル2Bには、アクチ
ュエータ31が取付けられ、その作動ロッド31aの先
端に、揺動レバー32が連結されている。この揺動レバ
ー32は、助手席シートの前向き状態のとき、先端係止
部32aがフック部材26の上方に位置し、該フック部
材26が回動してフック部材26と掛止め部材25との
係合が解除されるのを阻止し、助手席シートが回動不能
とする回動阻止位置(図4実線参照)と、フック部材2
6の回動を許容して助手席シートを回動可能とする回動
許容位置(図4鎖線参照)とを取るようになっている。
これによって、助手席シートに設けられアクチュエータ
31の作動に連動して回転レリーズレバー26aの作動
を阻止したり或いは阻止を解除する回転コントロール手
段が構成されている。
【0020】また、回転テーブル2Bには、助手席シー
トが前向き状態か否かを検出する第2シート位置検出手
段としての位置検出スイッチ33が設けられ、回転ベー
ス1の前側において上方に突出するように立設された突
出部材34が、位置検出スイッチ33のスイッチ端子3
3aに当接することで助手席シートの前向き状態が検出
される。尚、回転ベース1Bの後側においては、突出部
材が設けられていないので、助手席シートが対座状態
で、位置検出スイッチ33がONすることはない。
【0021】また、図2及び図7に鎖線で示すように、
第1シート位置検出手段としての位置検出スイッチ15
及びアクチュエータ11が設けられていて、上記助手席
シートのみならず運転席シートもを対座状態に回転不能
にロックするようにしている。
【0022】すなわち、回転テーブル2Aには、運転席
シートが前向き状態であるか車体前方以外の車体後方を
向く対座状態であるかを電気的に検出する位置検出スイ
ッチ15が設けられ、回転ベース1Aの後側において上
方に突出するように立設された突出部材16が、上記位
置検出スイッチ15のスイッチ端子15aに当接するこ
とで運転席シートの対座状態が検出されるようにしてい
る。
【0023】尚、回転ベース1Aの前側には、突出部材
が設けられていないので、運転席シートが車体前方に向
く前向き状態では、位置検出スイッチ15がONするこ
とはない。
【0024】また、回転テーブル2Aには、アクチュエ
ータ11が取付けられ、その作動ロッド11aの先端
に、揺動レバー12が連結されている。この揺動レバー
12は、先端係止部12aがフック部材7の上方に位置
し、アクチュエータ11の作動に連動して、運転席シー
トが後方を向く対座状態のとき、フック部材7が回動し
て係合が解除されるのを阻止し、運転席シートが回動不
能となる回動阻止位置と、フック部材7の回動を許容
し、運転席シートを回動できる回動許容位置とを択一的
に取るようにしている。
【0025】しかして、図5に示すように、上記両位置
検出スイッチ15,33は並列に接続されて、スタータ
スイッチ41と、スタータモータ42のリレースイッチ
43の励磁コイル43aとの間に介設され、運転席シー
トが対座状態のとき或いは助手席シートが前向き状態の
ときしか、リレースイッチ43がONせず、その他の状
態のときには、リレースイッチ43がOFF状態にある
ので、スタータスイッチ41を操作しても、スタータモ
ータ42が作動しないようになっている。
【0026】したがって、この場合、図6に示すよう
に、運転席シート201が前向き状態でかつ助手席シー
ト202が対座状態のとき(図6(a)参照)のみエン
ジンの作動が阻止され、その他の場合(図6(b)〜
(d)参照)はエンジンの作動は可能となる。尚、図6
において、運転席シート201のシートクッションは2
01aで、またシートバックは201bでそれぞれ示
し、助手席シート202のシートクッションは202a
で、またシートバックは202bでそれぞれ示す。
【0027】また、このように運転席シートが前向き状
態でかつ助手席シートが対座状態であればエンジンが作
動しないが、この状態から、運転席シートを対座状態と
すれば、エンジンが作動するようになっており、そのよ
うな状態で空調装置等を作動させることができる。
【0028】また、イグニッションスイッチがONされ
ることで、アクチュエータ11,31が作動して、運転
席シート及び助手席シートをロックして、回転できない
ようになっている。
【0029】さらに、運転席シートが前向き状態でかつ
助手席シートが対座状態のときにはエンジンの作動を停
止させるようにしているが、換言すれば、運転席シート
及び助手席シートが共に対座状態においてエンジンを作
動させたときに(図6(d)参照)、運転席シートを対
座状態にロックさせるようにしていることになる。この
ように、助手席シートが対座状態のときには、運転席シ
ートを対座状態にロックすることで、運転席シートが不
用意に前向き状態とされ、運転が行われるということが
なくなり、安全性が高まる。
【0030】尚、上記アクチュエータ11(アクチュエ
ータ31も同じ)は図8に示すように構成されている。
すなわち、イグニッション・オンされることで、リレー
スイッチ51,52の励磁コイル51a,52aに電流
が流れて、接点51b,52bが切替わり、モータ53
に電流が流れ、接点53aの状態によって運転席シート
をロック、アンロックするようになっている。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、運転席シートが前向き状態でかつ助手席シート
が対座状態にあるときに、エンジンの作動を阻止し、両
シートが共に対座状態にあるときに、エンジンの作動を
許容するようにしたことにより、助手席シートが対座状
態であっても運転席シートが対座状態にあれば、エンジ
ンの作動により空調装置等の作動が可能となり、車室内
の快適性を高めることができる、助手席の対座状態での
安全性と利便性の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】前向き状態の運転席シート要部の平面図であ
る。
【図2】前向き状態の運転席シート要部の正面図であ
る。
【図3】前向き状態の助手席シートの要部の平面図であ
る。
【図4】前向き状態の助手席シートの要部の正面図であ
る。
【図5】電気回路図である。
【図6】運転席シート及び助手席シートの状態の説明図
である。
【図7】対座状態の運転席シートを示す図2相当図であ
る。
【図8】アクチュエータの電気回路図である。
【図9】運転席シートの斜視図である。
【符号の説明】
1A,1B 回転ベース 2A,2B 回転テーブル 15,33 位置検出スイッチ 11,31 アクチュエータ 43 リレースイッチ 43a 励磁コイル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 B60K 28/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転席シート及び助手席シートがいずれ
    も車体前方を向く前向き状態と車体前方以外を向く対座
    状態とを取り得る自動車用フロントシートの回転装置で
    あって、 上記運転席シートが前向き状態か否かを検出する第1シ
    ート位置検出手段と、 上記助手席シートが前向き状態か否かを検出する第2シ
    ート位置検出手段と、 上記第1及び第2シート位置検出手段の出力を受け、上
    記運転席シートが前向き状態でかつ助手席シートが対座
    状態にあるときに、エンジンの作動を阻止する一方、運
    転席シート及び助手席シートが共に対座状態にあるとき
    に、エンジンの作動を許容する制御手段とを備えること
    を特徴とする自動車用フロントシートの回転装置。
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KR100391280B1 (ko) * 2000-12-19 2003-07-12 기아자동차주식회사 시트 로테이션 차량의 주차 브레이크의 레버장치 및시트작동 시스템
KR20030016581A (ko) * 2001-08-21 2003-03-03 기아자동차주식회사 페달식 주차브레이크가 구비된 차량의 회전시트 록킹구조
KR100457073B1 (ko) * 2001-08-22 2004-11-12 기아자동차주식회사 차량의 회전 시트용 안전장치의 제어회로

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