JP3097852B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3097852B2
JP3097852B2 JP23929299A JP23929299A JP3097852B2 JP 3097852 B2 JP3097852 B2 JP 3097852B2 JP 23929299 A JP23929299 A JP 23929299A JP 23929299 A JP23929299 A JP 23929299A JP 3097852 B2 JP3097852 B2 JP 3097852B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ(以
下TFTと略す)を使用したアクティブマトリクス駆動
形のTFT基板、その製造方法、陽極酸化方法及び上記
TFT基板を用いた液晶表示パネル並びにその液晶表示
パネルを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコン(以下a−Siと略す)
TFTを用い、ゲート電極をAlとし、これを陽極酸
て得られるAl23をゲート絶縁膜の一部とした液晶
表示パネル用のTFT基板の例を図2に示す。図2
(a)、同図(b)、同図(c)は各々TFT基板の等
価回路図、平面図及び断面図を示すものである。G1
2はゲート端子、G1’、G2’はゲート配線、D1、D
2はドレイン端子、T11、T12、T21、T22はTFT、
LCは液晶、Vcomはカラーフィルタ基板側に設けら
る共通端子を示す。また、10は基板、12’はAl、
13はAl23、14はSiN、17は透明電極(画素
電極)、15はノンドープa−Si(i)、16はリン
をドープした水素化非晶質シリコン(以下a−Si(n
+)と略す)、18は信号配線、18’はソース電極で
あり、a−Si(n+)TFTと画素電極とを接続して
いる。図2中境界線l1は化成境界線で陽極酸化を行な
う領域とそうでない領域の境界を示すもので、境界線l
1より右の領域は陽極酸化を行なう領域であり、左は行
なわない領域である。
【0003】また、従来のTFT基板のゲート電極近傍
では、図32(a)、(b)に示すような構造が用いら
れていた。図32(a)はゲート電極近傍の平面図、同
図(b)はそのAA’線断面図である。同図において、
10は基板、11はCr、12’はAl、14はSi
N、15’はa−Si、55はソース電極、18はドレ
イン電極を兼ねる信号配線、17は画素電極となる透明
電極を示す。
【0004】同図に示すように従来はゲート電極にCr
を用い、ゲート絶縁膜にはSiNが用いられている。一
方、ゲート配線にはCrとAlとの2層の金属が使用さ
れている。このようにゲート電極とゲート配線とが異な
つた材料で形成されている理由を以下に説明する。
【0005】先ず、ゲート電極の金属は基板との接着性
が良いこと、表面に凹凸が無いこととゲート絶縁膜であ
るSiNを形成する過程で変質しないことが条件にな
る。この条件としてはCrが適している。一方、ゲート
配線は抵抗の低いことが要求される。CrはAlに比較
して固有抵抗率が一桁以上高く、ゲート配線には適して
いない。逆にAlはヒロツクが発生しやすく、表面に針
状に凸形になつた欠陥が出来やすい。さらにゲート絶縁
膜であるSiN(通常、プラズマCVD法で基板温度2
00〜350℃で堆積される)の形成工程でこのヒロツ
クが成長するという問題があり、ゲート電極には使用で
きない。従って、従来はゲート電極にCr、ゲート配線
にはCrとAlとの2層構造の金属を用いていた。
【0006】一方、従来技術として、TaやAlの陽極
酸化技術がある。(例えば、電気化学便覧(丸善)昭和
39年12月発行、第874〜892頁参照)。これは
金属の表面を電気化学的に酸化する技術であり、従来、
キヤパシタや表面コートに使われているものである。
【0007】この技術による酸化膜(絶縁膜)の利点は
ゴミによる欠陥が生じにくい点にある。このため、この
技術をTFTに利用した従来技術がある(特開昭58−
147069号、特開昭61−133662号)。
【0008】なお、本発明に関連する従来技術として
は、陽極酸化に関するものとして特開昭63−164
号、蓄積容量に関するものとして特開昭58−9077
0号、特開昭58−93092号を挙げることができ
る。
【0009】また、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を
陽極酸化膜と窒化シリコン膜の多層膜で構成する先行技
術には実開昭59−91756号公報がある。しかし実
開昭59−91756号公報では、液晶表示装置の画素
電極を駆動するために必要な、薄膜トランジスタのゲー
トとソース間の絶縁耐圧や、ゲート絶縁膜を複合膜にし
た場合の薄膜トランジスタの相互コンダクタンスgm
を、画素電極を駆動するために必要な値にすることまで
は全く考慮されていなかったため、陽極酸化膜及び窒化
シリコン膜の最適な膜厚は記載されていなかった。
【0010】また、文献 ”Improved Oxide Properties
by Anodization of Aluminum Films with Thin Sputte
red Aluminum Oxide Overlays" ジャーナル オブ エ
レクトロケミカル ソサイティー:エレクトロケミカル
サイエンス アンド テクノロジー 1998年10
月(J.Electrochem.Soc.:Electrochemical Science
and Technology October 1988)には、膜厚が500か
ら2500Åのアルミニウム陽極酸化膜の絶縁耐圧が記
載されているが、上記文献には、ゲート絶縁膜をアルミ
ニウムの陽極酸化膜と窒化シリコン膜の複合膜にする記
載はなく、さらにはゲート絶縁膜を複合膜にした場合の
薄膜トランジスタの相互コンダクタンスgmに関する検
討は全く記載されていなかった。
【0011】また、特開昭61−133662号公報に
も、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜をアルミニウムの
陽極酸化膜と窒化シリコン膜の複合膜とし、陽極酸化膜
厚を200から500Åにする記載がある。しかし特開
昭61−133662号公報では、薄膜トランジスタの
特性を考慮すると陽極酸化膜厚は500Å以下になると
教えており、陽極酸化膜のリーク電流のことまでは考慮
されていなかったので、特開昭61−133662号公
報に開示する記載からしても、本発明の、アルミニウム
又はアルミニウムを主成分とする金属からなるゲート電
極の陽極酸化膜の厚さを1100から2200Åにする
構成を思い付くのは困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ゲー
ト端子やゲート電極にAlを用い、一部のみを陽極酸化
して用いるため、次のような問題があった。
【0013】(1)図2に示すような従来のTFT基板
はゲート端子にもAlを使用している。通常、TFT基
板のゲート端子は大気中にさらされた状態で使用され
る。Alは電蝕等変質しやすく、Alをゲート端子に使
用することはTFTパネルの信頼性を損なう。
【0014】(2)Alは熱ストレスによってホイスカ
と呼ばれる棒状の結晶やヒロックが発生し、表面の凹凸
を引き起こすために望ましくない。特にホイスカは数1
0μmのひげ状の欠陥であり、電極間短絡等の原因とな
る。
【0015】このように、上記従来技術はゲート端子の
信頼性、あるいは欠陥発生等による製造時の歩留の面で
問題があった。
【0016】また、(3)ゲート配線はその端部におい
て、外部回路と電気的に接続しなければならない。その
ためこの部分を陽極酸化しないようにする工夫が必要で
ある。レジストでこの部分を被覆することにより、化成
液に直接触れないようにすることが考えられる。しか
し、この時レジストの静電破壊に起因する現象により、
レジスト端に沿つてAlが切れるという問題があった。
【0017】(4)陽極酸化用マスクとして、ポジ型ホ
トレジストを用いた場合、Alパターンと陽極酸化用マ
スクパターンとの交点において、Alが溶け出す等の欠
陥が発生するという問題があった。
【0018】(5)TFTの相互コンダクタンスgmか
らはAl23の膜厚は出来るだけ薄いことが望まれる。
一方では静電破壊耐圧の点からは厚いことが望まれる。
この膜厚の最適化がなされていないという問題があっ
た。
【0019】本発明の第1の目的は、信頼性が高く、製
造の際の歩留の向上したTFT基板を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、このようなTFT基板の製
造方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、
このTFT基板を用いた液晶表示パネルを提供すること
にある。本発明の第4の目的は、陽極酸化の際にAlパ
ターンに欠陥が生じない陽極酸化方法を提供することに
ある。本発明の第5の目的は、上記の液晶表示パネルを
用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、
(1)絶縁性基板上に配置された複数のゲート端子と、
これに電気的に接続する複数のゲート配線と、該複数の
ゲート配線と交差して配置された複数の信号配線と、マ
トリクス状に配置された複数個の薄膜トランジスタと、
複数個の薄膜容量とを少なくとも有する薄膜トランジス
タ基板において、該ゲート端子は少なくともクロム又は
タンタルからなる層を有し、該ゲート配線、該薄膜トラ
ンジスタのゲート電極及び該薄膜容量より構成されるゲ
ート配線パターンは、アルミニウム又はアルミニウムを
主成分とする金属からなり、該ゲート配線パターンの表
面の所望の部分は陽極酸化膜により被覆されていること
を特徴とする薄膜トランジスタ基板、(2)上記1記載
の薄膜トランジスタ基板において、上記ゲート配線は、
上記ゲート端子の先端上部でそれと接続することを特徴
とする薄膜トランジスタ基板、(3)上記2記載の薄膜
トランジスタ基板において、上記ゲート配線の上記ゲー
ト端子との接続部は、線幅20μm以下のストライプ状
のパターンであることを特徴とする薄膜トランジスタ基
板、(4)上記1、2又は3記載の薄膜トランジスタ基
板において、上記アルミニウムを主成分とする金属は、
アルミニウムを主成分とし、Pd又はSiを含む金属で
あることを特徴とする薄膜トランジスタ基板、(5)上
記1から4のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板に
おいて、上記薄膜トランジスタを構成する半導体層が非
晶質シリコンからなり、ゲート絶縁膜が上記陽極酸化膜
と窒化シリコン膜とよりなることを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ基板、(6)上記1から5のいずれかに記載の
薄膜トランジスタ基板において、上記陽極酸化膜は11
00Åから2200Åの範囲の厚さであることを特徴と
する薄膜トランジスタ基板、(7)絶縁性基板と、該絶
縁性基板上に配置された複数のゲート端子と、該複数の
ゲート端子に電気的に接続された複数のゲート配線と、
該複数のゲート配線と交差して配置された複数の信号配
線と、複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜容量とを
有する薄膜トランジスタ基板において、上記ゲート配線
及び上記薄膜トランジスタのゲート電極がアルミニウム
又はアルミニウムを主成分とする金属からなり、上記薄
膜トランジスタのゲート絶縁膜、上記ゲート配線と上記
信号配線との交差部の絶縁膜及び上記薄膜容量を構成す
る誘電体膜からなる群の少なくとも一つの膜は、上記ア
ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の陽極
酸化膜を含む膜であり、該陽極酸化膜の膜厚は1100
から2200Åの範囲の厚みであることを特徴とする薄
膜トランジスタ基板、(8)上記7記載の薄膜トランジ
スタ基板において、上記ゲート端子はクロムよりなる層
を含む導電体層からなることを特徴とする薄膜トランジ
スタ基板、(9)上記7又は8記載の薄膜トランジスタ
基板において、上記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜
は、上記陽極酸化膜及び該陽極酸化膜と異なる種類の絶
縁膜の複合膜であることを特徴とする薄膜トランジスタ
基板、(10)上記9記載の薄膜トランジスタ基板にお
いて、上記異なる種類の絶縁膜が窒化シリコン膜であ
り、その膜厚が1200から2000Åの範囲であるこ
とを特徴とする薄膜トランジスタ基板、(11)上記9
記載の薄膜トランジスタ基板において、上記異なる種類
の絶縁膜が酸化シリコン膜であり、その膜厚が1000
から3000Åの範囲であることを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ基板、(12)上記7から11のいずれかに記
載の薄膜トランジスタ基板において、上記薄膜トランジ
スタの活性層を構成する材料が水素化非晶質シリコンで
あることを特徴とする薄膜トランジスタ基板、(13)
上記7から12のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基
板において、上記ゲート配線と上記信号配線との交差部
の絶縁膜が上記陽極酸化膜、上記陽極酸化膜と異なる材
質の絶縁膜、水素化非晶質シリコン膜からなることを特
徴とする薄膜トランジスタ基板、(14)上記7から1
3のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板において、
上記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記陽極酸化膜、上
記陽極酸化膜と異なる材質の絶縁膜からなることを特徴
とする薄膜トランジスタ基板、(15)上記7から13
のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板において、上
記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記陽極酸化膜からな
ることを特徴とする薄膜トランジスタ基板、(16)上
記7から15のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板
において、上記ゲート配線は、上記ゲート端子の先端上
部でそれと接続することを特徴とする薄膜トランジスタ
基板、(17)上記16記載の薄膜トランジスタ基板に
おいて、上記ゲート配線の上記ゲート端子との接続部
は、線幅20μm以下のストライプ状のパターンである
ことを特徴とする薄膜トランジスタ基板、(18)上記
16記載の薄膜トランジスタ基板において、上記ゲート
配線の上記ゲート端子との接続部は、線幅10μm以下
のストライプ状のパターンであることを特徴とする薄膜
トランジスタ基板によって達成される。
【0021】上記第2の目的は、(19)基板上に、ゲ
ート端子を形成する工程と、該ゲート端子と接続するゲ
ート配線、薄膜トランジスタのゲート電極及び薄膜容量
より構成されるゲート配線パターンを形成する工程と、
少なくとも該ゲート端子及び該ゲート端子と該ゲート配
線との接続部をホトレジストにより被覆する工程と、該
ゲート配線パターンを陽極酸化し、該ゲート配線パター
ンの所望の部分の表面を陽極酸化膜とする工程とを少な
くとも有することを特徴とする上記1から6のいずれか
に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法、(20)上
記19記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法におい
て、上記陽極酸化は定電流で酸化を行なう工程と定電圧
で酸化を行なう工程とからなることを特徴とする薄膜ト
ランジスタ基板の製造方法、(21)上記19又は20
記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法において、上記
ゲート配線パターンは、それを構成する各部分が所望の
部分ごとに共通に接続され、かつ互いに接続しない2以
上のパターンであり、上記陽極酸化は各々のパターンご
とに異なる電圧で行なうことを特徴とする薄膜トランジ
スタ基板の製造方法、(22)基板上に、クロム又はタ
ンタルよりなるゲート端子を形成する第1工程、該ゲー
ト端子と接続するゲート配線、薄膜トランジスタのゲー
ト電極及び薄膜容量より構成されるゲート配線パターン
をアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属に
より形成する第2工程、少なくとも該ゲート端子及び該
ゲート端子と該ゲート配線との接続部をホトレジストに
より被覆する第3工程及び該ゲート配線パターンを陽極
酸化し、該ゲート配線パターンの所望の部分の表面を陽
極酸化膜とする第4工程を少なくとも有することを特徴
とする薄膜トランジスタ基板の製造方法、(23)上記
22記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記第3工程は、ホトレジストの塗布、前熱処理、露
光、後熱処理、現像の工程を含むことを特徴とする薄膜
トランジスタ基板の製造方法、(24)上記22又は2
3記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法において、上
記第4工程は、定電流で陽極酸化を行なう工程と定電圧
で陽極酸化を行なう工程を有することを特徴とする薄膜
トランジスタ基板の製造方法、(25)上記22、23
又は24記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法におい
て、上記ゲート配線パターンは、それを構成する各部分
が所望の部分ごとに共通に接続され、互いに接続しない
2以上のパターンであり、上記第4工程は各々のパター
ンごとに異なる電圧で陽極酸化を行なうことを特徴とす
る薄膜トランジスタ基板の製造方法、(26)上記22
から25のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板の製
造方法において、上記第4工程の後に、陽極酸化膜を2
00℃から350℃の範囲の温度で熱処理する第5工程
を有することを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造
方法、(27)上記22から26のいずれかに記載の薄
膜トランジスタ基板の製造方法において、上記アルミニ
ウムを主成分とする金属は、アルミニウムを主成分と
し、Pd又はSiを含む金属であることを特徴とする薄
膜トランジスタ基板の製造方法、(28)上記22から
27のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板の製造方
法において、上記第4工程により表面に陽極酸化膜が形
成される所望の部分は、少なくとも上記薄膜トランジス
タのゲート電極、上記薄膜容量及び上記ゲート配線の信
号配線と交差する部分であることを特徴とする薄膜トラ
ンジスタ基板の製造方法、(29)絶縁性基板上に、少
なくとも複数のゲート配線と複数の薄膜トランジスタの
ゲート電極とを含むパターンをアルミニウム又はアルミ
ニウムを主成分とする金属により形成し、該アルミニウ
ム又はアルミニウムを主成分とする金属の所望の部分を
陽極酸化して陽極酸化膜とする薄膜トランジスタ基板の
製造方法において、上記陽極酸化膜の膜厚は1100か
ら2200Åの範囲の厚みであり、上記陽極酸化は上記
薄膜トランジスタのゲート電極、上記ゲート配線の信号
配線との交差部、薄膜容量の少なくともいずれかのみに
行なうことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方
法、(30)上記29記載の薄膜トランジスタ基板の製
造方法において、上記ゲート配線はクロムからなるゲー
ト端子と電気的に接続し、上記陽極酸化は該ゲート端子
を通して電圧が印加されることを特徴とする薄膜トラン
ジスタ基板の製造方法によって達成される。
【0022】上記第3の目的は、(31)上記1から6
のいずれかに記載の薄膜トランジスタ基板と、それに対
向して配置された、少なくとも対向電極を持つ透光性基
板と、それらの間に配置された液晶とを有することを特
徴とする液晶表示パネル、(32)上記7から18のい
ずれかに記載の薄膜トランジスタ基板と、それに対向し
て配置された、少なくとも対向電極を持つ透光性基板
と、それらの間に配置された液晶とを有することを特徴
とする液晶表示パネルによって達成される。
【0023】上記第4の目的は、(33)絶縁性基板上
にアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属を
所望のパタ−ンに形成する工程と、上記所望のパターン
上の所望の領域上に選択酸化用マスクとしてポジ型ホト
レジストパターンを形成する工程と、上記所望のパター
ン上へ陽極酸化によつて酸化アルミニウムを形成する工
程とを少なくとも有する陽極酸化方法において、上記形
成された酸化アルミニウムのパターンの輪郭線と上記所
望のパターンとの間で形成される角度で、アルミニウム
又はアルミニウムを主成分とする金属の露出している側
の角度θは、μm単位で表わしたポジ型ホトレジストの
膜厚をTとすると θ≧110−20T なる条件でポジ型ホトレジストパターンを形成すること
を特徴とする陽極酸化方法、(34)絶縁性基板上にア
ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属を所望
のパタ−ンに形成する工程と、上記所望のパターン上の
所望の領域上に選択酸化用マスクとしてネガ型ホトレジ
ストパターンを形成する工程と、上記所望のパターン上
へ陽極酸化によつて酸化アルミニウムを形成する工程と
を少なくとも有する陽極酸化方法において、上記形成さ
れた酸化アルミニウムのパターンの輪郭線と上記所望の
パターンとの間で形成される角度で、アルミニウム又は
アルミニウムを主成分とする金属の露出している側の角
度θは、90度より小さい条件でネガ型ホトレジストパ
ターンを形成することを特徴とする陽極酸化方法、(3
5)上記33又は34記載の陽極酸化方法において、上
記ホトレジストの膜厚を1.5μm以上としたことを特
徴とする陽極酸化方法、(36)上記33、34又は3
5記載の陽極酸化方法において、上記ホトレジストのポ
ストベーク温度を110℃から160℃の範囲としたこ
とを特徴とする陽極酸化方法、(37)上記33から3
6のいずれかに記載の陽極酸化方法において、上記ホト
レジストのポストベーク時間を5から40分の範囲とし
たことを特徴とする陽極酸化方法によって達成される。
【0024】上記第5の目的は、(38)上記31に記
載の液晶表示パネルと、該液晶表示パネルに映像信号を
与えるための映像信号駆動回路と、該液晶表示パネルに
走査信号を与えるための走査回路と、該映像信号駆動回
路及び該走査回路に液晶表示パネル用の情報を与えるた
めの制御回路とを有すること特徴とする液晶表示装置、
(39)上記32に記載の液晶表示パネルと、該液晶表
示パネルに映像信号を与えるための映像信号駆動回路
と、該液晶表示パネルに走査信号を与えるための走査回
路と、該映像信号駆動回路及び該走査回路に液晶表示パ
ネル用の情報を与えるための制御回路とを有すること特
徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0025】また、上記第5の目的を達成するために、
本発明の液晶表示装置は、絶縁性基板と、絶縁性基板上
に設けられた複数のゲート配線と、複数のゲート配線と
交差して配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トラ
ンジスタと、複数の薄膜容量とを有し、上記ゲート配線
及び上記薄膜トランジスタのゲート電極がアルミニウム
又はアルミニウムを主成分とする金属からなり、上記薄
膜トランジスタのゲート絶縁膜は、上記アルミニウム又
はアルミニウムを主成分とする金属の酸化膜と窒化シリ
コン膜からなる複合膜であり、このアルミニウム又はア
ルミニウムを主成分とする金属の酸化膜の膜厚は110
0から2200Åの範囲の厚みであり、さらに、窒化シ
リコン膜の膜厚が1200から2000Åの範囲である
ようにしたものである。
【0026】この液晶表示装置の薄膜トランジスタの活
性層を構成する材料は、水素化非晶質シリコンであるこ
とが好ましい。さらに、ゲート配線と信号配線との交差
部の絶縁膜がアルミニウム又はアルミニウムを主成分と
する金属の酸化膜と、窒化シリコン膜と、水素化非晶質
シリコン膜からなることが好ましい。
【0027】また、薄膜容量を構成する誘電体膜は、ア
ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の酸化
膜からなるか、或いはアルミニウム又はアルミニウムを
主成分とする金属の酸化膜と窒化シリコン膜からなるこ
とが好ましい。
【0028】また、上記目的を達成するために、本発明
の液晶表示装置は、絶縁性基板と、絶縁性基板上に設け
られた複数のゲート配線と、複数のゲート配線と交差し
て配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トランジス
タと、複数の薄膜容量とを有し、上記ゲート配線、上記
薄膜容量の下側電極及び上記薄膜トランジスタのゲート
電極がアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金
属からなり、上記ゲート配線と上記信号配線との交差部
の絶縁膜は、上記ゲート配線の表面を酸化して形成した
酸化膜と窒化シリコン膜からなる複合膜であり、このゲ
ート配線の表面を酸化して形成した酸化膜の膜厚は11
00から2200Åの範囲の厚みであり、さらに、窒化
シリコン膜の膜厚が1200から2000Åの範囲であ
るようにしたものである。
【0029】この液晶表示装置の薄膜トランジスタの活
性層を構成する材料が水素化非晶質シリコンであること
が好ましい。また、ゲート配線と信号配線との交差部の
絶縁膜がゲート配線の表面を酸化して形成した酸化膜
と、窒化シリコン膜と、水素化非晶質シリコン膜からな
ることが好ましい。
【0030】また、薄膜容量を構成する誘電体膜が上記
薄膜容量の下側電極の表面を酸化して形成した酸化膜か
らなるか、或いはゲート配線の表面を酸化して形成した
酸化膜と窒化シリコン膜からなることが好ましい。
【0031】また、上記目的を達成するために、本発明
の液晶表示装置は、絶縁性基板と、絶縁性基板上に設け
られた複数のゲート配線と、複数のゲート配線と交差し
て配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トランジス
タと、複数の薄膜容量とを有し、上記ゲート配線、上記
薄膜容量の電極及び上記薄膜トランジスタのゲート電極
がアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属か
らなり、上記ゲート配線、上記薄膜トランジスタのゲー
ト電極及び上記薄膜容量の電極の表面にはそれらの陽極
酸化膜が設けられ、この薄膜容量を構成する誘電体膜
は、薄膜容量の電極の陽極酸化膜と窒化シリコン膜から
なる複合膜であり、陽極酸化膜の膜厚は1100から2
200Åの範囲の厚みであり、さらに、窒化シリコン膜
の膜厚が1200から2000Åの範囲であるようにし
たものである。
【0032】この液晶表示装置の薄膜トランジスタの活
性層を構成する材料が水素化非晶質シリコンであること
が好ましい。また、ゲート配線と信号配線との交差部の
絶縁膜がゲート配線の陽極酸化膜と、窒化シリコン膜
と、水素化非晶質シリコン膜からなることが好ましい。
【0033】本発明において、ゲート端子にはCr又は
Taを使用し、このゲート端子の先端部でゲート配線と
なるAl又はAlを主成分とする金属と接続する。Al
は熱ストレスで変質しやすく、熱ストレスに耐性をもた
せるにはAlに1%(at.%以下同じ)以下のPdや
Siを添加した金属を用いることが好ましい。以下、こ
のようなAlをAl(Pd)、Al(Si)と記載す
る。このAl(Pd)、Al(Si)はAlと同様に陽
極酸化ができ、純Alの場合と同様のAl23を形成で
きる。1%を越えた量のSiやPdを添加することは、
得られるAl23の耐圧が劣化するので望ましくない。
SiやPdの好ましい添加量は、0.01%以上であ
り、特に0.1%から0.3%の範囲がより好ましい。
Al(Pd)とAl(Si)との比較では形成される陽
極酸化膜は前者の方が約30%高く、Al(Pd)の方
がより好ましい。
【0034】また、TFTのゲート絶縁膜としてAl2
3を用いるとき、Al23の膜厚は相互コンダクタン
スの点からはできるだけ薄いことが望ましく、静電破壊
耐圧の点からは厚いことが望まれる。よって、好ましい
膜厚は1100Åから2200Åの範囲であり、より好
ましい膜厚は1100Åから2100Åの範囲である。
【0035】これらのAl(Pd)、Al(Si)はヒ
ロック耐性は改善されるもののホイスカを防止すること
ができなかった。検討した結果、表1に示すようにホイ
スカは配線幅が20μm以下に細くすることにより防止
できることが分かった。通常、Al配線幅は100μm
程度のものが多用されているが、前述したCr又はTa
とAl、Al(Pd)、Al(Si)との接続点の線端
を20μm以下の線幅を持つストライプ状にすることが
好ましい。これによりホイスカの発生を完全に防止でき
た。また、ストライプの線幅は5μm以上とすることが
好ましい。
【0036】
【表1】
【0037】本発明のように陽極酸化しようとする場合
にCrとAl又はAlを主成分とする金属との2種の金
属があると、化成液にCrやAl又はAlを主成分とす
る金属とが重なった部分が接触した場合、この部分のC
rが電池反応により溶出してしまい、この部分が消滅
し、ゲート断線となる。Crの代りにTaを用いた場合
には、AlからAl23へ変化する際の体積膨張率とT
aからTa25へ変化する際の体積膨張率とに差がある
ためにTa25とAl23との境界付近から剥離が生
じ、ゲート断線の恐れがある。従って、このような部分
をホトレジストで完全に被覆した後に陽極酸化を行なう
必要がある。
【0038】さらに、本発明のTFT基板の製造方法に
おいて、より好ましい製造方法は、陽極酸化の前に行な
うホトレジストパターンの形成に際して、ホトレジスト
の後熱処理(ポストベーク)を現像の前に行なう方法で
ある。すなわち、通常ホトレジストのパターンの形成
は、 (1)ホトレジスト塗布 (2)前熱処理(プリベーク) (3)露光 (4)現像 (5)後熱処理(ポストベーク) の順に行なう。この場合、現像でホトレジストが残った
とき、後熱処理でこの残渣を焼き固めてしまう。さらに
炉内の異物や基板周辺の異物が移動して酸化すべき面に
付着すると、化成液は、入り込むことができず、この部
分に陽極酸化膜は形成できない。従ってこの部分は金属
が露出し、短絡の原因になる。
【0039】そのため、ホトレジストのパターン形成は
次の順に行なうことが好ましい。
【0040】(1)ホトレジスト塗布 (2)前熱処理(プリベーク) (3)露光 (4)後熱処理(ポストベーク) (5)現像
【0041】
【作用】上記技術は次の作用がある。 (1)Cr又はTaは大気中にあっても電蝕には強く、
信頼性が向上する。 (2)Alではなく1%以下のPdやSiを含むAlを
使用するときはヒロックやマイグレーションが改善さ
れ、信頼性がさらに向上する。 (3)ゲート配線のゲート端子との接続部は、Alの部
分を線幅20μm以下の細線とするとホイスカが発生し
ない。従って、歩留が向上する。
【0042】また、本発明の陽極酸化方法は次の作用が
ある。陽極酸化を選択的に行うためのマスキング材料と
して、通常の半導体プロセスで頻繁に使用されているの
はポジ型レジストである。これは、レジストをAlパタ
ーンに対して交差する様にマスキングを行い、陽極酸化
を行うと、このパターン間の交点において、レジストマ
スクの下においても酸化が進んだり、最悪の場合にはA
lが溶けることも有る。これは、マスキング用ホトレジ
ストの耐圧不良によるものである。この耐圧不良は単に
レジストの膜厚を厚くしただけでは不十分であることが
分かった。ホトレジストのパターンを、Al又はAlを
主成分とした金属のパターン上に選択的に被せた際、A
lとレジストとが重なる部分のパターン(陽極酸化後に
おいて表面がAlとなる部分)の角度が90°以下であ
る場合は、レジストのパターン化のために紫外線を照射
すると、Alパターンのエッジでのハレーシヨンによ
り、その近傍のレジストは膜減りを起こし、耐圧不良を
起こすことが分かった。さらに言い替えれば、マスキン
グ用ホトレジストのパターンを、Al又はAlを主成分
とした金属被酸化部のパターンに対して、このパターン
の外側にできる、Alとレジストによる角度が90°以
下では、レジストのパターン化のために紫外線を照射す
ると、Alパターンのエッジでのハレーシヨンにより、
その近傍のレジストは膜減りを起こし、耐圧不良を起こ
すことがわかった。そこで、マスキング用ホトレジスト
のパターンを、Al又はAlを主成分とした金属被酸化
部のパターンに対して、パターンの外側にできる被酸化
部のAlとレジストとによる角度を大きくすることによ
り、ホトレジストを露光する際のAlパターンエッジで
のハレーシヨン光の影響を無くし、ホトレジストの膜減
り現象は生じることが無く、この場合には、十分な耐圧
を有することがわかつた。その結果、陽極酸化時の欠陥
(ホトレジスト下への不要な酸化及びAlの溶解)を無
くすことができた。
【0043】この実験例を図21、図22を用いて説明
する。絶縁基板10上に、Al12′を例えば真空蒸着
法によつて膜厚0.2μm堆積し、これを通常のホトエ
ツチング法によりパターン化した。この後ポジ型ホトレ
ジストPRを膜厚2μmに塗布し、所望のホトマスクを
用いて紫外線を選択的に照射、露光した。これを現像し
て図21に示す形状とした。
【0044】図22はホトレジストのパターンを変化さ
せたときの実験結果を示す図で、その横軸は、マスキン
グ用ホトレジストのパターンと、被酸化部のAlのパタ
ーンとの外側にできる角度θ1、θ2(Al上で言い表
すと、Alとレジストとが重なる部分の角度θで以下で
は単に外角と言う)である。これを陽極酸化後の形状で
言い表すと、Alパターン上において、酸化したアルミ
ナパターンの輪郭線と、酸化されなかつたAlパターン
との間で形成される角度で、Alが酸化されずに露出し
ている側の角度である。また、縦軸は陽極酸化時の欠陥
発生率であり、図中のパラメータはマスキング用ホトレ
ジストの膜厚である。
【0045】この実験結果から明らかなように、欠陥は
ホトレジストの膜厚が薄いほど、かつ外角の小さいほど
発生率は高くなる。ホトレジストの膜厚が2.6μmで
は角度が60°で欠陥は零となる。ホトレジストの膜厚
が1μmでは角度が90°でも、欠陥の発生する可能性
がある。角度が90°で欠陥の発生する可能性がまつた
く無くなるのには、ホトレジストの膜厚としては1.5
μm以上必要で有ることが分かる。また、この結果か
ら、角度が大きいほどより安全であることも分かる。
【0046】ポジ型ホトレジストにおける、ハレーシヨ
ン光の影響による陽極酸化時の欠陥の発生を、レジスト
膜厚と図21のθとの関係で表したものが図23であ
る。図23の横軸はレジスト膜厚、縦軸はθである。レ
ジスト膜厚をTとしたとき、図中のライン Yθ=110−20T の上方は欠陥の発生がない領域を示す。
【0047】以上の説明は陽極酸化用マスクとしてポジ
型レジストを用いた場合のものである。ネガ型レジスト
においては光化学反応が逆である。すなわちポジ型で
は、光による低分子化が、ネガ型では、光による重合が
起こる。従つてネガ型ではハレーシヨン光の影響も逆と
なる。すなわち、ネガ型ではハレーシヨン光によつて、
Alパターン周辺に、本来有つてはならないホトレジス
トが少し残る。このレジストは特に薄いため、絶縁耐圧
は低く、陽極酸化時に欠陥を生じる。ネガ型は、絶縁耐
圧の低い薄いレジスト残りの発生機構がポジ型とは異な
るものの、欠陥の原因は両者共ハレーシヨン光の影響に
よるものである。ネガ型では、マスキング用ホトレジス
トのパターンを、Al又はAlを主成分とした金属被酸
化部のパターンに対して、Alパターンの外側にできる
Alとレジストパターンとによる角度すなわち外角を9
0°以下とすることにより、ホトレジストへ露光する際
の、Alパターンエッジでのハレーシヨン光の影響を無
くすことができ、ホトレジストの余分な膜残り現象の生
じることが無いことが確かめられた。すなわちネガ型で
は、その外角は90度以下が良い。またこの場合には、
十分な耐圧を有することがわかつた。
【0048】陽極酸化前のポジ型ホトレジストのポスト
ベーク処理について実験した結果の一例を図24に示し
た。図24の横軸はポストベーク温度である。縦軸は欠
陥発生率である。レジストの膜厚は2.8μmの場合で
ある。
【0049】またパラメータは先に記したマスキング用
ホトレジストのパターンと、Alのパターンとの外側に
できる角度(外角)である。この実験結果から欠陥は、
ポストベーク温度が低いと増えることがわかる。この実
験とは別に、ポストベーク強度が余りに強い場合にはホ
トレジストにクラツクが入るという欠陥が発生する。ポ
ストベーク強度の限界は、(1)温度は160℃であり
(2)時間は40分である。
【0050】またポストベーク強度が余りに小さい場合
には欠陥は多くなり、その下限は、(1)温度は120
℃であり(2)時間は5分であることが確かめられた。
【0051】ポストベーク強度の効果は、ネガ型ポジ型
での差はなかつた。
【0052】以上の実験による知見から、欠陥発生限界
の外角(θ)をポジ型レジストの膜厚(T)の関数で求
めると、図24の如く外角は θ=110−20T である(図22のデ−タから得られる)。
【0053】本式は、Alパターンエツジにおける、ハ
レーシヨン光の影響によつて、レジストが光化学反応を
起こす限界を求めたものである。すなわち、ポジ型レジ
ストでは、この式で得られる角度より大きな角度の領域
が、欠陥の発生の無い領域である。
【0054】通常のホトプロセスでのホトレジストの最
大塗布膜厚は5μm程度である。この膜厚におけるレジ
ストの耐圧は250Vであつた。従って化成電圧を高く
するにも上限が有り、200V以下が望ましい。この上
限の200VにおけるAl23の成膜膜厚は約280n
mであつた。
【0055】以上の説明は、Alパターンに純Alを用
いる場合について説明したが、AlにSi又はPdを数
%以下微量混入したAl(Si)、Al(Pd)材料も
前述した方法によつて同様に欠陥無く陽極酸化でき、A
23が得られることが分かつた。すなわち本発明は純
Alはもちろん、Al合金材料にも一般に適用できる技
術である。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。 実施例1 図1(a)は本発明の一実施例のTFT基板の等価回路
図、図1(b)はその平面図、図1(c)はA領域の拡
大平面図、図1(d)はその断面図である。Cadは付
加容量、PADは化成パッド、lは切断線、Lは化成バ
スライン、20はSiNよりなる保護膜を示す。他の記
号は先に図2で説明したものと同じである。
【0057】まずこのTFT基板の製造方法を述べる。
基板10の上にCr11をスパッタリングにより約10
00Åの厚みに蒸着し、ホトエッチング(ホトレジスト
をマスクに用いたエッチング)により、ゲート端子G
1、G2を形成する。その上にAl(Pd)(Pd添加
量0.1%)12を2800Åの厚みにスパッタリング
により蒸着し、ホトエッチングによりAl(Pd)のゲ
ート配線G1’、G2’、付加容量Cad、ゲート電極の
パターンを形成する。
【0058】ゲート配線G1’、G2’とゲート端子G
1、G2とは斜線を施した領域Aで接続されている。こ
の時、領域Aのパターンは図1(c)に示すようにAl
(Pd)の線幅(d)が20μm以下のストライプ状で
ある。これはホイスカを防止するために効果がある。そ
の後、陽極酸化する部分(図中境界線l1より右)と化
成パッドPADとを除いてホトレジストで被覆する。図
1(c)において、d’はホトレジスト端部とゲート端
子のCr11との距離を示す。
【0059】前述したようにCrは化成液に接すると電
池反応により溶出してしまうので、化成液に接しないよ
うにしなければならない。一方、ホトレジストで被覆し
ていてもホトレジストとAl(Pd)との界面から化成
液がしみ込む。このしみ込む距離は100μm程度であ
る。従って、d’としては100μm以上とする。
【0060】Al(Pd)のゲート配線G1’、G2’、
3’……GN’とホトレジスト端とは図4に示すように
直交させる。これは、図5に示すようにG1’とl1とが
鋭角(θ)で交差するような場合には陽極酸化すると、
図中Rで示す部分のAl(Pd)が溶出し、ゲート配線
が切れる。これはAl(Pd)の側壁のハレーションで
ポジ型ホトレジストの端面の膜厚が薄くなり、耐圧がな
くなるためである。また、ゲート端子G1、G2、G3
…GNは化成バスラインLにて共通に接続されており、
化成バスラインLの先端には陽極酸化のための電圧を供
給するための化成パッドPADが設けられている。この
化成バスラインLはAl(Pd)12で形成する。この
状態で陽極酸化を行なう。
【0061】図6、図7はTFT基板全体を示したもの
である。図6はゲート端子が左側の化成バスラインLで
共通接続され、ここから陽極酸化のための電圧を供給す
る場合の例を示す。化成パッドPADや化成バスライン
Lはゲート配線のAl(Pd)を用い同時に形成する。
境界線l1の内部が陽極酸化を行なう領域である。境界
線l1より外側は化成パッドPADを除いて全てレジス
トで覆われている。
【0062】図7はゲート配線を左右に引き出した場合
の例を示す。この時は化成バスラインLは2本必要にな
る。なお、電圧を印加するための化成パッドPADはこ
の例のように角の部分を使うと、スペースの有効活用を
図ることができる。この場合、液面ALは化成液の液面
を示す。基板を斜めに液の中に浸し、化成パッドPAD
の部分を液面に出し、これをクリップ等で挾むことによ
って電圧を印加する。化成パッドPADが化成液にぬれ
るとその表面に絶縁膜ができ、酸化できない。このよう
に斜めにして液につけることにより液面調整が極めて容
易になる。
【0063】陽極酸化方法は、化成パッドPADが液面
から外にでるようにして化成液に浸し、化成パッドPA
Dに最大72Vから144Vの直流電圧を印加して行な
う。印加の仕方は定電流0.5〜5mA/cm2になる
ように徐々に0Vから昇圧する。最初から高い電圧を印
加した場合、大電流が流れるため、Al(Pd)線が溶
けゲート線が断線する。化成液としては3%酒石酸をア
ンモニアによりPH7.0±0.5に調整した溶液をエ
チレングリコール液で1:9に希釈したものを用いる。
電流が0.5mA/cm2の場合、約10分で化成電圧
が144Vになる。この時、形成されたAl23(図1
(d)の13)の厚みは2000Åである。このAl2
3はゲート絶縁膜及び付加容量部の誘電体として利用
する。なお、144Vになり定電圧酸化が行なわれるよ
うになってから、数分〜数10分そのままの状態に保持
することが望ましい。これは均一なAl23膜を得る上
で大事なことである。
【0064】再び図1に戻って説明する。ホトレジスト
を除去した後、TFTを以下の方法で形成する。全面に
プラズマCVD法により、SiN14を2000Å形成
する。材料ガスとしてはSiH4、NH3を主たる成分と
するガスを使用する。その上に、a−Si(i)15を
2000Å、リンを2.5%ドーピングしたa−Si
(n+)16を300Å堆積する。この時基板温度とし
ては300℃とする。材料ガスとしてはa−SiはSi
4を主たる成分とするガスを、a−Si(n+)にはS
iH4とPH3との混合ガスを使用する。その後、a−S
iをパターン化してアレイ状にする。プラズマ膜のエッ
チングにはSF6ガスによるドライエッチ法を用いる。
画素電極用の透明電極として酸化インジウムを1000
Åスパッタ蒸着し、加工して透明電極17を形成する。
【0065】TFTのドレイン電極を兼ねる信号配線1
8、ソース電極用のCr/Alをそれぞれ1000Å、
3500Åの厚みにスパッタリングにて形成し、パター
ン化する。ドレイン電極をマスクとしてa−Si
(n+)16をドライエッチングする。
【0066】最後に、保護膜20としてSiNを1μm
形成し端子部上のSiNを除去して後、化成バスライン
Lとゲート端子G1、G2との間を機械的に切断して、T
FT基板が完成した。
【0067】ここではゲート絶縁膜にAl23とSiN
の2層膜を使ったがSiN膜は必ずしも必要ではない。
また、SiN膜の代わりにSiO2を使用することもで
きる。TFT基板ではゲート電極と他の電極との間には
約25V程度の最大電圧が印加される。従って、Al2
3膜厚としては最低500Å以上必要である。また図
1では各画素が列をなすように配置した場合を示した
が、半ピッチずれた配置でも良い。また付加容量Cad
がない場合でも全く同様に製作できることは勿論であ
る。
【0068】また、Al(Pd)の他にAl、Al(S
i)を用いても同様にTFT基板を製造できた。さらに
また、ゲート端子としてCrに代えてTaを用いても同
様にTFT基板を製造できた。
【0069】本実施例では、陽極酸化したくない部分は
ホトレジストで覆ったが、陽極酸化したくない部分を化
成液に触れないようにする手法も考えられる。しかし、
この方法はAlの時には液面が少しでもゆらぐと、新し
く液とふれた部分に大電流が流れるため、配線が切れる
という欠点があり好ましくない。
【0070】つぎに、対向電極及び青、赤、緑のカラー
フィルターアレーを持つ透光性基板と、上記により製造
したTFT基板とを厚み7.3μmのスペーサーを用い
て貼り合わせ、間に液晶を封止し、液晶表示パネルを完
成した。以下、その構造を説明する。
【0071】図31にカラー液晶表示パネルの断面全体
構造を示す。液晶LCを基準に下部には透明ガラス基板
10上にTFT等を形成したTFT基板が配置され、上
部にはカラーフィルタFIL、遮光用ブラックマトリク
スBM等が形成された透明ガラス基板10bが配置され
ている。下部透明ガラス基板10側は、1.1mm程度
の厚さである。
【0072】図31の中央部は一画素部分の断面を示
し、左側は透明ガラス基板10及び10bの左側縁部分
で外部引き出し線の存在する部分の断面を示し、右側
は、透明ガラス基板10及び10bの右側縁部分で外部
引き出し線の存在しない部分の断面を示している。
【0073】図31の左側、右側の夫々に示すシール材
SLは、液晶LCを封止するように構成されており、液
晶封入口(図示していない)を除く透明ガラス基板10
及び10bの縁周囲全体に沿って形成されている。シー
ル材SLは、例えば、エポキシ樹脂で形成されている。
【0074】前記上部透明ガラス基板10b側の共通透
明画素電極17bは、少なくとも一個所において、銀ペ
ースト材SILによって、下部透明ガラス基板10側に
形成された外部引き出し線17’に接続されている。こ
の外部引き出し線は、前述したゲート電極、ソース電
極、ドレイン電極のそれぞれと同一製造工程で形成され
る。
【0075】配向膜ORI1及びORI2、透明電極1
7、共通透明画素電極17b、保護膜20及び20b、
絶縁膜であるSiN14のそれぞれの層は、シール材S
Lの内側に形成される。偏光板POL1、POL2は、
下部透明ガラス基板10、上部透明ガラス基板10bの
それぞれの外側の表面に形成されている。
【0076】液晶LCは、液晶分子の向きを設定する下
部配向膜ORI1及び上部配向膜ORI2の間に封入さ
れ、シール部SLによってシールされている。下部配向
膜ORI1は、下部透明ガラス基板10側の保護膜20
の上部に形成される。上部透明ガラス基板10bの内側
(液晶側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタF
IL、保護膜20b、共通透明画素電極17b及び上部
配向膜ORI2が順次積層して設けられている。
【0077】実施例2 図3(a)は本発明の他の実施例のTFT基板の等価回
路図、図3(b)はその平面図である。実施例1と異な
る点は付加容量Cadが蓄積容量Cstに変わっている
点である。実施例1の付加容量は隣接するゲート線が対
向電極であったが、蓄積容量の場合、図3に示すように
対向電極配線ST1、ST2が必要となる。図3(a)
に示すように、この対向電極配線は共通接続された上、
蓄積容量端子STに接続される。なお、図3の記号はす
べて、図1と同様である。
【0078】本実施例のTFT基板の製法も実施例1と
ほぼ同様である。製法上の異なる点は、この場合、ゲー
ト配線と蓄積容量、対向電極配線とは各々異なる化成パ
ッド(PAD1、PAD2)に接続されており、このた
め、異なる化成電圧が印加できることである。すなわ
ち、先に述べたようにゲート絶縁膜は比較的高電圧(2
5V)が印加されるのに対し、蓄積容量Cstには7V
程度の電圧が印加されるのみでより低い電圧しか印加さ
れない。一方、蓄積容量CstはTFT基板の透過率を
損なうものであり、電極の面積は小さい程良い。すなわ
ち、蓄積容量CstのAl23膜厚が薄い程、電極面積
が小さくて済み、望ましい。従って、PAD1とPAD
2に印加する電圧を異なるものにし、ゲート絶縁膜用の
Al23は厚く(2000Å、電圧144V)、蓄積容
量Cst用のAl23は薄く、(500Å、電圧36
V)とすることができる。
【0079】実施例1と全く同様に薄膜回路を完成した
後、化成ラインは切断線lにおいて切り取ることにより
TFT基板から取り除き、TFT基板が完成した。
【0080】ついで実施例1と全く同様に、このTFT
基板と透光性基板とを厚み7.3μmのスペーサーを用
いて貼り合わせ、間に液晶を封止し、液晶表示パネルを
完成した。
【0081】実施例3 図8(a)は本発明の他の実施例のTFT基板の部分平
面図、図8(b)はその断面図、また、図9はその製造
工程を示す断面図である。本実施例においては、領域
a、b、cで示した部分(それぞれ、TFT部、配線交
差部、薄膜容量部に相当する)のみ陽極酸化を行なう。
【0082】まずTFT基板の製造方法を述べる。絶縁
性の基板10の上にCr11をスパッタ蒸着により約1
100Åの厚みに形成し、ホトエッチングにより、ゲー
ト端子G1、G2の第1導電膜及びこれらと接続し、陽
極酸化のための電圧供給ラインとなる化成バスラインL
のパターンを形成する(図9(a))。その上にAl
(Pd)(Pdの添加量0.1%)12を2800Åの
厚みにスパッタリングにより蒸着し、ホトエッチングに
よりAl(Pd)のゲート配線G1’、G2’、付加容
量、ゲート電極のパターンを形成する。ゲート配線
1’、G2’のゲート端子G1、G2との接続部の領域
Aの形状は、実施例1で図1(c)に示した形状と同じ
である(図9(b))。
【0083】ホトレジストを3μmの厚みに塗布し、9
0℃でプリベーク後露光する。その後140℃のポスト
ベークを行ない、続いて現像を行なう。これにより陽極
酸化する部分(図8の領域a、b、c)と化成パッドP
ADのホトレジストが除去される。図9(c)はゲート
端子部のみホトレジストPRを残した例を示す。
【0084】この状態で、TFT基板を、化成パッドP
ADが液面から外にでるようにして化成液に浸し、化成
パッドPADに直流電圧を印加して陽極酸化を行なう。
陽極酸化するAl(Pd)に対し、0.5mA/cm2
の電流密度になるように(定電流酸化)電圧を0Vから
徐々に昇圧し145Vまで上げる。145Vになったら
そのままの電圧に保持する(定電圧酸化)。約30分で
約2000Åの厚みのAl2313が得られる。このと
きAl(Pd)の厚みの2800Åの内1300Åが酸
化される。領域a、b、cのみを陽極酸化することによ
りゲート配線G1’、G2’の大部分が酸化されずにすむ
ため配線抵抗を低く押さえることができる。
【0085】レジストを除去した後、大気中で200℃
で60分加熱する。この加熱によって、Al23のリー
ク電流が1桁以上減少する。図10にAl23のリーク
電流と熱処理温度との関係を示す。熱処理温度は200
℃から350℃の範囲が望ましい。350℃を越えた高
温になるとAl23の剥離が生ずる。この上にプラズマ
CVD法により、SiN14を2000Åの厚みに、a
−Si(i)15を2000Åの厚みに、リンを2.5
%ドーピングしたa−Si(n+)16を300Åの厚
みに堆積する。この時基板温度は300℃とする。その
後、a−Siをパターン化してTFT部、配線交差部に
a−Siを残す。その後SiN14をパターン化して、
ゲート端子上のSiNを除去する(図9(d))。
【0086】透明電極17として酸化インジウムを10
00Åの厚みにスパッタ蒸着し、パターン化して透明電
極17とゲート端子の第2の導電膜を形成する。
【0087】TFTのドレイン電極を兼ねる信号配線1
8、ソース電極用のCr/Al、ゲート端子の第2の導
電膜の一部をそれぞれ600Å、4000Åの厚みにス
パッタリングにて形成し、パターン化する。最後に、保
護膜20としてSiNを1μm形成し、端子部上のSi
Nを除去して後、化成バスラインLとゲート端子G1
2との間を機械的に切断して、TFT基板が完成した
(図9(e))。
【0088】こうして得られたTFT基板は、ゲート配
線抵抗が低く、TFT部及び配線交差部での電極間短絡
がなく、また、Al23の比誘電率は9.2と、SiN
の6.7より約30%高く、TFTの相互コンダクタン
スgmが約1.5倍向上でき、付加容量部の面積も小さ
くでき、そのため透過率が向上した。このように高歩
留、高性能のTFT基板が得られた。
【0089】つぎに、対向電極及び青、赤、緑のカラー
フィルターアレーを持つ透光性基板と、上記により製造
したTFT基板とを厚み7.3μmのスペーサーを用い
て貼り合わせ、間に液晶を封止し、液晶表示パネルを完
成した。
【0090】本実施例では、Al(Pd)をゲート配線
パターン材料に用いたが、他にAl、Al(Si)を用
いても同様にTFT基板を製造できた。また、ゲート端
子の材料としてCrに代えてTaを用いても同様にTF
T基板を製造できた。薄膜容量として付加容量の例を示
したが蓄積容量の場合も同様に製造できた。
【0091】また、Al23形成以後の工程には限定な
く、例えば、Cr/Alの信号配線を先に形成し、透明
電極を後に形成してもよい。陽極酸化により形成される
Al 23は2000Åの例を示したが、1100Åから
2200Åとすることが好ましい。なお、TFTの活性
層にはa−Si例を挙げたが、ポリSi等他の材料であ
ってもよいことはもちろんである。
【0092】実施例4 図11(a)、(b)、(c)、図12(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)を用いて説明する。図
11(a)は、本発明の他の実施例のTFT基板の断面
を示し、図11(b)はその平面を示す。同図において
10は絶縁性基板、12’はゲート配線パターンのA
l、11はゲ−ト端子用のCr、13はAlの陽極酸化
膜であるAl23、14’は窒化シリコン膜、15’は
a−Si、19は窒化シリコン膜、16はリンドープ水
素化非晶質シリコン(n+層)、11’、12”、17
はそれぞれ、Cr、Al、透明電極、20は保護膜、L
は化成バスライン、G1’、G2’はゲート配線、D1
ドレイン端子(薄膜トランジスタのドレイン電極をも兼
ねる)aはTFT部の陽極酸化領域、bは配線交差領
域、cは薄膜容量部の陽極酸化領域を示す。
【0093】図12(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)は各々の工程での断面図を示した。図12(a)
は陽極酸化後、図12(b)は窒化シリコン膜をパター
ン化した後、図12(c)はn+層をパターン化後、図
12(d)Al12”をパターン化した後、図12
(e)は画素電極用の透明電極17をパターン化した後
を示す。
【0094】絶縁性基板10上にCrをスパツタ蒸着に
より1100Åの厚みに形成し、パターン化して、ゲー
ト端子G1、G2及びこれらを共通接続し、陽極酸化のた
めの電圧供給ラインとなる化成バスラインLを形成す
る。さらにAlを2600Åの厚みにスパツタ法により
形成し、パターン化してゲート電極12’及びゲート配
線G1’、G2’を形成する。この時各ゲート配線
1’、G2’は化成バスラインLにより共通接続され
る。その後、ホトレジストを3μm塗布し、ホトエツチ
ングプロセスにより、図11(b)に破線で囲んだ領域
a、b、cの部分のレジストを除去する。
【0095】この状態で、基板を化成液に浸し、化成バ
スラインに電圧を供給する。陽極酸化するAlに対し、
0.5〜10mA/cm2の電流密度になるよう(定電
流酸化)電圧を0から徐々に昇圧し+120Vまで上げ
る。+120Vになつたらそのままその電圧に保持する
(定電圧酸化)。約30分で約1700ÅのAl23
3が得られる。この時Alの厚み2600Åの内110
0Åが酸化される。化成液としては3%酒石酸溶液をア
ンモニアで中和しエチレングリコール、もしくはプロピ
レングリコールで1:9に希釈しPH7±0.5に調整
した溶液を用いる。このように局所的に陽極酸化するこ
とにより、ゲート配線G1’、G2’の大部分のAlが陽
極酸化されずにすむため、配線抵抗を低く押さえること
が出来る。
【0096】なお、図11(c)にはゲート配線のAl
12’とゲート端子のCr11との接続領域Aの拡大
図を示した。図中dはAlパターンの線幅を示す。この
ように複雑なパターンにしている理由は、Al又はAl
を主体とする金属は熱ストレスが加えられた場合、ホイ
スカが発生するのを防ぐためである。Alの線幅dが2
5μm以上であればホイスカが発生する場合があるが、
線幅dが20μm以下、より好ましくは10μm以下で
あればホイスカが発生しない。このため図11(c)の
ようなパターンにした。もちろんAl23で覆われたA
lの部分にはホイスカは発生しない。
【0097】レジストを除去した後、大気中あるいは真
空中で200〜400℃で60分加熱する。この加熱に
よつてAl23のリーク電流が1桁以上減少する。これ
については図10に示した。熱処理温度としては200
〜400℃が望ましい。これ以上の高温になるとAl膜
上に剥離が生じる。この上にプラズマCVD法により、
第1の窒化シリコン14’を1200〜2000Åの厚
みに、a− Si15’を200〜1000Åの厚み
に、第2の窒化シリコン19を1000〜2000Åの
厚みに堆積する。この時基板温度は150〜300℃と
した。その後、第2の窒化シリコン19をパターン化
し、TFTのチヤネル上と配線交差部のみに残した(図
11(a))。
【0098】リンを0.6〜2.5%ドープした非晶質
シリコン(n+層)16を200〜500Åの厚みに堆
積し、パターン化してTFTのソース・ドレイン部のみ
に残す。この時a−Si15’も同時に除去する。Cr
11’を500〜1000Åの厚みに、Al12”を3
000〜8000Åの厚みに抵抗加熱蒸着あるいはスパ
ツタにて堆積し、パターン化して、ドレイン端子D1
TFTのドレイン・ソース電極を形成する。次に酸化イ
ンジウムよりなる透明電極17を約1000Åスパツタ
により堆積しパターン化して、画素電極、端子等を形成
する。次に、プラズマCVDで窒化シリコンを約1μm
堆積し、ホトエツチングプロセスにより端子部上の窒化
シリコンを除去して、薄膜トランジスタ基板が完成す
る。
【0099】この基板と対向基板とを合わせ、間に液晶
を封じし、最後にゲートバスラインLを図11(b)の
切断線lに沿つて切り出すことにより各ゲート端子を分
離して表示パネルが完成する。なお、このゲートバスラ
インLはパネルを静電破壊から守る役目をも兼ねるもの
である。
【0100】こうして得られた表示パネルはゲート配線
抵抗が低く、TFT部、及び配線交差部での電極間短絡
がなく、また、Al23の比誘電率は9.2と窒化シリ
コンの6.7より30%高く、TFTの相互コンダクタ
ンスgmが約1.5倍向上でき、付加容量部の面積も小
さくてでき透過率が向上した。このように、高歩留で、
高性能のパネルが得られた。ここではゲート電極・配線
にAlを用いた場合の例で示したがAlの代わりに1%
以下のSiやPdを含んだAlでも全く同様に使用でき
る。また、ドレイン端子にAlを用いたがAlの代わり
に先のAl(Si)、Al(Pd)が使用できる。
【0101】なお、薄膜容量について説明を加える。図
13(a)、(b)、(c)、(d)にTFT基板の2
画素分に対応する部分の回路図を示す。
【0102】図13(a)は付加容量がない場合、図1
3(b)は隣接したゲート配線との間に付加容量を形成
した場合、図13(c)は自身のゲート配線との間で付
加容量を形成した場合、図13(d)は隣接したゲート
配線との間に付加容量を形成する場合の別の例を示す。
【0103】同図において、G1’はゲート配線、G2
は隣接したゲート配線、T11、T12はTFT、LCは液
晶、G、S、Dは各々THTのゲート、ソース、ドレイ
ンである。Vcomは共通端子、bは配線交差領域、C
adは付加容量、D1、D2はドレイン端子である。図1
3(b)、(d)でG2’をゲート配線とは別配線とし
ても良いことはもちろんである。
【0104】いずれの場合にも全く同様に製作できるこ
とは勿論である。また、ここではゲート電極Gと配線交
差領域bが分離している例を示したが、分離していなく
ても良い。
【0105】特に重要なことはAl23膜厚であり、こ
れについて説明する。TFTの相互コンダクタンスgm
から言えばゲート絶縁膜は薄い程良い。図14(a)に
相互コンダクタンスgmとAl23、SiNの膜厚との
関係を示す。従来ゲート絶縁膜としては膜厚0.3μm
程度のSiNが多用されている。この時の相互コンダク
タンスgmを1とした時に、Al23とSiNの膜厚を
変えた場合の相互コンダクタンスgmの値を示したもの
である。この図より明らかなように2層のゲート絶縁膜
とする利点は電極間短絡以外に相互コンダクタンスgm
を改善できる点にもある。従って図14(a)中に斜線
を施した領域が相互コンダクタンスgmから望ましい領
域となる。一方、薄くなれば絶縁耐圧が下がる。通常の
液晶パネルの動作状態ではゲートとドレイン(信号配
線)間には最大25Vの電圧(ゲートが負極性)が印加
される。実際の製品ではこの25Vの電圧を補償するた
めに、この3倍の75Vでのスクリーニングが行なわれ
る。従って、Al23もSiNも各々の膜がこの電圧に
耐え得る膜厚でなければならない。(異物があることを
前提とした場合、Al23がない部分、SiNのない部
分があると考えねばならない)。表2にAl23、Si
Nの膜の破壊耐圧と75Vに耐える最小膜厚を記した。
Al23、SiN各々厚み1100、1200Å以上が
必要となる。Al23の厚み1100Åというのは陽極
酸化電圧80Vに対応する。
【0106】
【表2】
【0107】さらに、図14(b)に陽極酸化膜Al2
3のリーク電流特性を示す。このリーク電流はある電
圧までは低いが、ある電圧以上で急激に増加する。この
電流はTFTのオフ電流に加算される。従って小さい程
望ましい。TFTのオフ電流は約10-8A/cm2であ
り、このリーク電流もこれ以下である必要がある。先に
述べたように液晶パネルでは−25Vの電圧が印加され
るがこの電圧でリーク電流が10-8A/cm2以下とな
るのは陽極酸化電圧が80V以上の時である。この点か
らもAl23膜厚は1100Å以上必要と言える。
【0108】Al23膜厚を制約するものとしてレジス
ト耐圧がある。前記したように陽極酸化したくない部分
はホトレジストで被覆するが陽極酸化電圧がホトレジス
トの耐圧を越えた場合レジストが破壊されると同時にそ
の下にあるAlが消失する。従って、陽極酸化電圧を高
くすることは適当でなく、150V(この時Al23
厚は約2100〜2200Å)以下が望ましい。図14
(a)中に以上述べたAl23、SiNの最適膜厚領域
を格子網目で示した。
【0109】Al23は1100〜2200Åの範囲、
特に1100〜2100Åの範囲、SiNは1200〜
2000Åの範囲での2層絶縁膜が望ましい。
【0110】実施例5 本実施例ではゲート端子部を除いて全面陽極酸化する場
合を示す。図15(a)は本実施例によるTFT基板の
断面を示し、図15(b)はその平面を示す。図15
(c)にはゲート端子とゲート配線接続部の拡大図を示
す。各部の記号は既述の実施例と同様である。
【0111】製作工程は実施例4と同様である。違うの
は陽極酸化時のホトレジストの形状だけである。図15
(b)に破線l1で示した線よりゲート端子側をレジス
トで被覆した後、陽極酸化を行なう。Crゲート端子が
化成液に触れるとこの部分のCrは電池反応により溶出
してしまうので、完全にレジストで被覆する必要があ
る。なお、図15(c)の図中記号d’はレジスト端と
Crとの間の距離を示すが化成液がしみ込むので、d’
は100μm以上にする必要がある。この場合は図15
(c)のようにレジスト端面はゲート配線と直交させて
いる。実施例4でレジスト耐圧について説明したが、こ
のレジストの耐圧はレジストパターンとAl配線パター
ンとの相対的な位置関係によつて大きく左右される。こ
れを説明する。
【0112】図16に示すようにゲート端子はその先端
付近において斜めになる部分がある。このような部分を
ホトレジストで覆う場合、図16に示すようなホトレジ
ストパターン(斜線部がホトレジストで被覆する部分)
が考えられる。この時、ゲート配線とレジスト端とは各
々、図に示すように角度θ1、θ2とで交差する。この図
の場合、θ1は鈍角、θ2は鋭角となるが、このようなレ
ジストパターンで陽極酸化を行なうと、鋭角θ2側にお
いてゲート配線が溶出し、ゲート配線が断線する。これ
はレジストパターン露光時にゲート配線とレジスト端の
距離が近いために、ゲート配線により光が散乱し、結果
として、この部分のレジスト膜厚が薄くなり耐圧が落ち
るからである。
【0113】これはレジストパターンのθ1、θ2を直角
もしくは鈍角にすることにより防止できる。図17にθ
1、θ2ともに直角にした場合を示す。
【0114】実施例4、5ではAl23の上に窒化シリ
コン膜を形成する場合について述べたが、実施例4、5
で窒化シリコンの代わりにSiO2を使うことができ
る。
【0115】SiO2は次の方法で形成する。SiH4
2Oとを主成分とする混合ガスを用いたプラズマCV
D法にて膜厚1000〜3000ÅのSiO2膜を形成
する基板温度は200〜300℃とする。このSiO2
膜を用いた場合の構造は図11及び図12の窒化シリコ
ン14’がSiO2になるところのみが違う。その他は
実施例4、5と全く同様である。
【0116】実施例6 実施例4、5ではプラズマCVD法によりAl23の上
に第1の窒化シリコン、非晶質シリコン、第2の窒化シ
リコンの順に堆積したが、本実施例は第2の窒化シリコ
ンを使用しない例である。図18(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)を用いて説明する。図
18(a)、(b)、(c)は同図(f)で示したTF
T部(領域a)、配線交差部(領域b)、付加容量部
(領域c)に対応する部分のa−a’、b−b’、c−
c’線断面図を示したものである。図の記号は既述の実
施例と同様である。平面レイアウトは図11(b)と同
様である。
【0117】絶縁性基板10上にAl12’を2800
Å形成する。パターン化して、ゲート配線G1’とゲー
ト電極と付加容量電極とを含むゲート配線パターンを形
成する。陽極化成して、Al2313を形成する。化成
電圧144Vとする。この時Al2313の膜厚は約2
000Åとなり、化成されないAl12’の膜厚は約1
500Åである。この上にプラズマCVD法により窒化
シリコン14’(酸化シリコンでもよい)を1200〜
2000Åの厚みに形成する。続いて、非晶質シリコン
15’を200〜2000Å形成する。さらにリンを
0.5〜2.5%含んだ非晶質シリコン16を堆積す
る。その後ホトエツチングプロセスにて、TFT部、配
線交差部以外の部分の非晶質シリコン膜を除去する。そ
の後、Cr11’を400〜1000Åの厚みに、Al
12’を3000〜5000Åの厚みに形成し、パター
ン化して、信号配線、TFTのソース、ドレイン電極を
形成する。次でこれをマスクにリンドープ非晶質シリコ
ン16を加工する。その後、酸化インジウム透明電極1
7を500〜2000Åの厚みにスパタツタ法により形
成し画素電極を形成する。この透明電極はAlの上全域
に残しても良い。これで図18(a)〜(c)に示した
構造を持つTFT基板が完成する。この上に保護膜窒化
シリコン(約1μm)を形成し、後は既述の実施例と同
様の方法でパネルが完全する。
【0118】配線交差部と付加容量部はこの構造のみで
なく、例えば図18(d)、(e)に示すような構造を
とることができる。
【0119】図18(d)は配線交差部の層間絶縁膜を
Al23のみにした例、図18(e)は付加容量部の誘
電体をAl23のみにした例を示したものであある。こ
のようにしてAl23、SiNもしくはSiO2、a−
Siのどれを挟み込むかはマスクを変えることによつて
選択できることはもちろんである。
【0120】本実施例では非晶質シリコンとリンドープ
非晶質シリコン膜とが連続で形成でき、薄膜トランジス
タの特性が安定できるところが特徴となる。
【0121】また、上記のAlに代えて、Al(1%S
i)、Al(0.3%Pd)を用いても同様な効果が得
られる。さらにまた、ここではドレイン端子にCrとA
lとの2層膜を使用したがAlのみでも良い。
【0122】実施例7 図13(b)に等価回路を示した例の実施例を図19
(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す。図1
9(b)、(c)、(d)、(e)は同図(a)に示し
たA−A’、B−B’、C−C’、D−D’線に対応す
る部分の断面図をそれぞれ示したものである。
【0123】絶縁性基板10上にAl(0.1%Pd)
12を2800Åの厚みに形成し、ホトエツチングによ
りパターン化してゲート電極56、ゲート配線G1’、
蓄積容量線51、蓄積容量Cstを形成する。実施例
4、5で述べた方法により、このAl(Pd)を陽極酸
化して、Al2313を2000Åの厚みに形成する。
この上にプラズマCVD法により窒化シリコン14’を
1200〜2000Åの厚みに形成し、さらに非晶質シ
リコン15’を200〜2000Åの厚みに形成する。
さらにリンを含んだ非晶質シリコン16を形成する。そ
の後ホトエツチングプロセスにてTFT部、配線交差部
以外の部分の非晶質シリコンを除去する。さらに、蓄積
容量Cstの窒化シリコン膜を除去する。これで蓄積容
量にはAl23のみが残る。窒化シリコン膜は通常CF
4ガスを用いたプラズマアツシヤで除去するが、Al2
3膜はこのCF4ガスアツシヤーには極めて耐性があり、
このようにAl23上のSiNのみを除去することが可
能である。この後、Crを400〜1000Åの厚み
に、Alを3000〜5000Åの厚みに形成し、パタ
ーン化して信号配線18、TFTのソース電極55、蓄
積容量部配線57を形成する。次にこれをマスクとして
リンドープ非晶質シリコン16を加工する。その後、酸
化インジウムよりなる透明電極17を500〜2000
Åの厚みにスパツタ法により形成し、画素電極を形成す
る。この透明電極はAlの上全面に残しても良い。この
上に保護膜20として窒化シリコン膜を形成して、後は
既述の実施例と同様にしてTFT基板が完成する。
【0124】本実施例は蓄積容量部の絶縁膜としてAl
23のみを用いる。この他にもAl23/SiN2層の
絶縁膜を用いることができるが、Al23だけの方が容
量が大きくでき、その分、蓄積容量部の占有面積を小さ
くできるので、基板の透過率を向上することができる。
表3に本実施例での使用可能な絶縁膜(誘電体膜)と、
それを必要とする場所とをまとめた。
【0125】
【表3】
【0126】表中の△印は場合により、使用するかどう
かを決めれば良い。
【0127】実施例8 実施例7は蓄積容量線51をゲート配線G1’とは別に
設けたが、本実施例は、図20(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)に示すように、隣接するゲート
配線G2’の1部を蓄積容量として用いた例である。な
お、図20(b)、(c)、(d)、(e)は同図
(a)で示したA−A’、B−B’、C−C’、D−
D’線に対応する部分の断面図をそれぞれ示したもので
ある。
【0128】実施例9 本発明の第9の実施例を図21を用いて説明する。絶縁
基板10上に、Al12’を真空蒸着法によつて膜厚
0.2μmに堆積し、これを通常のホトエツチング法に
よりパターン化した。この後ポジ型ホトレジストPR
(東京応化工業(株)製、商品名OFPR−800)を
膜厚2μmに塗布し、所望のホトマスクを用いて紫外線
を選択的に照射、露光した。これを現像して得た状態が
図21である。PADはAlの陽極酸化の際に電圧を印
化するための化成パッド(陽極酸化用端子)である。こ
こで特に重要な点は、Alパターンと陽極酸化用マスク
パターンそれぞれの、パターンエツジによる交点であ
る。すなわち図21における如く、外角θ1、θ2を1
35゜にした点である。これを120℃20分の熱処理
によるポストベークを行つた後、化成液の液面が図中の
A−A’ライン付近になるようにして陽極酸化を行なつ
た。この陽極酸化における電圧の印加方法は、初期にお
いては50μA/cm2の電流密度で徐々に電圧を上昇
し、100Vの電圧になつた時点で一定電圧100Vを
15分間印加して陽極酸化を行なつた。その結果、ホト
レジストの載つていない液中のAl 12’上に膜厚約
140nmのAl23を成長することができた。この
際、Al(2)上の陽極酸化用マスク(ホトレジストP
R)は充分な耐圧を示し、絶縁破壊を起こすことはなか
つた。特に陽極酸化用マスクのパターンエツジは絶縁破
壊を起こし易いが、本実施例の如く外角θ1、θ2を9
0゜以上(135゜)にしたことにより、陽極酸化用マ
スクのパターンエツジでの絶縁破壊による欠陥の発生は
皆無であつた。
【0129】実施例10 本発明の第10の実施例を図25、図26、図27及び
図28により説明する。ここではTFTを用いた液晶デ
イスプレイに本技術を応用した例を示す。図25は薄膜
トランジスタを用いた液晶デイスプレイ駆動用パネルの
一部分を模擬的に示す図である。
【0130】同図のT11はTFTで1画素毎に備えてお
り、映像信号が、ドレイン端子DNから供給され、この
トランジスタで各画素に書き込むものである。映像信号
はT11のTFTを介して液晶LCに供給され、画素ごと
に所望の映像を現す。Cadは映像信号をより長く保持
するための付加容量であり、58、55及び56は各々
トランジスタのドレイン電極、ソ−ス電極及びゲート電
極である。18はドレイン端子DNから供給される映像
信号を各画素に供給するための信号配線であり、GN
は信号を書き込む行を選択するためのゲート配線(走査
線)である。このゲート配線はゲート端子GNに接続さ
れている。このような液晶デイスプレイパネルを実現す
るためには、一般にはガラス基板上に、先ずゲート電極
とゲート配線及びゲート端子を形成する。
【0131】ここでは、ゲート電極とゲート配線及びゲ
ート端子をAlで形成する例を説明する。図26はデイ
スプレイパネルにおける、ゲート配線を施した場合の概
要を示す平面図である。10はガラス基板、40はゲー
ト電極とゲート配線さらにはトランジスタあるいは画素
等のあるデバイス部で先の図25におけるTFTアレイ
部である。GNはゲート端子である。41はデバイス部
40とゲート端子GNを接続すると共に、デバイス部の
行ピツチと端子部のピツチを調節することと、外部接続
に都合の良い本数を一ブロツク毎にまとめて、端子ブロ
ツクを形成するための、引き出し線部である。
【0132】引き出し線部41付近の拡大図を図27に
示した。同図は、先の図26のデバイス部40が下方に
なるように90度回転した状態で示している。引き出し
線部は前記理由のため、ゲート配線及びゲート端子の如
く等間隔、平行パターンとはならず、通常は図27の如
く斜めになるとともに、場所によりパターンは種々の方
向を採ることが多い。
【0133】ところで、デバイス部の中で特に重要で複
雑な構造をなす、TFT部の、本実施例における工程断
面図を図28(a)、(b)、(c)、(d)、(e)
に示した。図28(a)はTFTのゲート電極を膜厚
0.3μmのAl 12’で形成したものである。
【0134】ここでは図26のデバイス部40を陽極酸
化して、図28に示すように、Al 2313をAl1
2’上に成長させ、このAl23をゲート絶縁膜の一部
及び配線交差部の絶縁膜に用いるものである。従って端
子以外を酸化させることとした。この陽極酸化のため、
端子を束ねた部分が図27の化成パッド部44である。
またここには陽極酸化の際に電圧を印加するための化成
パッドPADがある。図27中PRは陽極酸化用マスク
のポジ型ホトレジストである。ここではホトレジストの
膜厚は3.5μmとした。特に重要な点は陽極酸化液
(化成液)中に浸る部分での、Alパターンと陽極酸化
用マスクパターンそれぞれの、パターンエツジによる交
点である。先に記したように、引き出し線部41はAl
パターンが種々な方向を向いているため、陽極酸化用の
化成液中での、ホトレジストとAlとの両パターン間の
外角は、図27中の水平方向に一直線にホトレジストパ
ターンを形成すると、その外角は種々の角度を取り、例
えば40゜〜140゜となつてしまう。このように外角
が種々の角度、特にマスク用ホトレジストがポジタイプ
の場合90゜以下となると欠陥が発生しやすい。本実施
例では図27の如く外角は全て135゜とした。
【0135】次に140℃、30分のポストベーク処理
を施した後、陽極酸化を行なつた。陽極酸化は図27の
A−A’付近に陽極酸化用の化成液の液面になるように
した。化成液は酒石酸3%水溶液にアンモニア水を添
加、中和後プロピレングリコ−ルを容積比で10倍加え
たものを用いた。化成パッドPADから、初期は30m
A/cm2の定電流を流し、150Vに達した後は定電
圧で20分間の電圧を加えて、陽極酸化を行なつた。そ
の結果Al上にAl23膜を210nm成長させること
ができた。ここでの陽極酸化において、外角θを135
゜、ポストベークを140℃30分としたことから、酸
化時の欠陥は皆無であつた。なお、このときのトランジ
スタ部の構造は図28(b)の如くである。
【0136】本技術の主要な部分は以上であるが、液晶
デイスプレイ用パネルを製作するための説明を、図28
を用いて以下簡単に行なう。図28(b)の後、プラズ
マCVD法によりSiN14、a−Si(i)15及び
a−Si(n)16を順次堆積した後、図28(c)の
如くa−Si(n)16とa−Si(i)15をゲート
電極幅より小さく加工した。次に図28(d)の如く、
電極となるCr11を真空蒸着法により堆積し、ソ−ス
及びドレイン電極の形状に加工した。
【0137】さらに電極及び配線を行なうため、Al1
2”を真空蒸着法により堆積し、図28(e)の如くと
した。なお画素電極である透明電極(例えばITO膜)
を形成するが、それは、この工程の後、もしくは前記ソ
ース及びドレイン電極形成前であっても良い。(ここで
は煩雑を避けるために透明電極は図示していない)この
ようにして液晶デイスプレイパネル用のTFTを作つ
た。このトランジスタのゲート絶縁膜には前記した、陽
極酸化によるAl23とSiNとで構成しており、二層
ゲート絶縁膜となつていることから、特に絶縁性には優
れた構造とすることが出来た。
【0138】実施例11 本発明の第11の実施例を図29を用いて説明する。ま
た、本実施例でも液晶デイスプレイパネルを想定して陽
極酸化を行なつた。基板10上にAl12’を0.3μ
m堆積し、実施例10と同様にしてAl12’を加工し
た。さらに、この例でも実施例10と同様に、陽極酸化
をする部分と、陽極酸化をしない部分との間に、選択的
に陽極酸化をするための保護用マスクを設けた。ここで
は、マスクとしては、OFPR−800(ポジ型レジス
ト)を膜厚4μmとし、Al12’とレジストパターン
PRとの外角を、どの部分の交点においても90゜にな
るようにした。この後、130℃30分のポストベ−ク
を施した。次に同図のA−A’付近に、陽極酸化用化成
液の液面となるようにして、化成パッドPADから80
nA/cm2の電流密度で電流を流した。徐々に電圧が
上昇しながらAl23が成長する。電圧が140Vにな
つた時点からは、この電圧で20分間保持した。こうし
て陽極酸化を行なつた後、ホトレジストを取り除いた。
その結果、約200nmの膜厚のAl23が成膜でき
た。この陽極酸化において、ホトレジストのマスクパタ
ーン形状を、いずれのAlパターンとの交点において
も、90゜としたこと、及びホトレジストの膜厚を4μ
mと十分に厚くした効果により、陽極酸化でのAlの溶
解等の欠陥は皆無であつた。
【0139】実施例12 第12の実施例を図30を用いて説明する。本実施例で
も液晶デイスプレイパネルを想定して陽極酸化を行なつ
た。基板10上にAl12’を0.35μm堆積し、実
施例10と同様にしてAl12’を加工した。さらに、
この例でも実施例10と同様に、陽極酸化をする部分
と、陽極酸化をしない部分との間に、選択的に陽極酸化
をするための保護用マスクとしてホトレジストPRを設
けた。ここでは、マスクとしては、OMR(ネガ型レジ
スト)を膜厚3μmとし、Alとレジストパターンとの
外角を、どの部分の交点においても60゜になるように
した。ネガ型レジストでは、紫外線露光によるパターン
化の際、Alパターンエツジでのハレーシヨンによりレ
ジストが重合して、レジスト残りを生じる。この影響を
取り除くため、本実施例では外角を60゜とした。この
後、140℃、40分間のポストベークを施した。
【0140】その後、同図のA−A’付近に、陽極酸化
用化成液の液面となるようにして、化成パッドPADか
ら100nA/cm2の電流密度で電流を流した。徐々
に電圧は上昇しながらAl23が成長する。電圧が20
0Vになつた時点からは、この電圧で20分間保持し
た。こうして陽極酸化を行なつた後、ホトレジストを取
り除いた。その結果、約280nmの膜厚のAl23
成膜できた。この陽極酸化において、ホトレジストのマ
スクパターン形状を、いずれのAlパターンとの交点に
おいても、60゜としたことで、Alパターンエツジで
のハレーシヨンの影響を無くすことが出きたため、陽極
酸化中でのAlの溶解、断線等の欠陥は皆無であつた。
【0141】実施例13 図33に本発明の液晶表示装置の一実施例を示す。この
装置は、液晶表示パネル81と、該液晶表示パネルに映
像信号を与えるための映像信号駆動回路83と、該液晶
表示パネルに走査信号を与えるための走査回路84と、
該映像信号駆動回路及び走査回路にTFT情報をを与え
るための制御回路82を有する。制御回路82は電源回
路、上位演算処理装置からの情報をTFT情報に変換す
る回路等を含む。前記実施例で得た液晶表示パネルをそ
れぞれ用いてこの装置に組み込んだところ、いずれも信
頼性の高い画像が得られた。
【0142】
【発明の効果】本発明により、TFT基板の信頼性が著
しく向上し、相互コンダクタンスgmも25%〜50%
向上し、光利用率も20%以上向上した。またその製造
に際し、大幅に歩留を改善することができた。Alを局
所的に陽極酸化することにより配線抵抗を下げることが
できた。このTFT基板を用いた液晶表示パネルの信頼
性が著しく向上した。さらにまた、この液晶表示パネル
を用いた液晶表示装置の信頼性も著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のTFT基板の等価回路図、
平面図、部分拡大平面図及び断面図。
【図2】従来のTFT基板の等価回路図、平面図及び断
面図。
【図3】本発明の他の実施例のTFT基板の等価回路図
及び平面図。
【図4】ゲート配線とホトレジスト端部との交差の状態
を示す平面図。
【図5】ゲート配線とホトレジスト端部との交差の状態
を示す平面図。
【図6】本発明のTFT基板の一実施例の全体の平面
図。
【図7】本発明のTFT基板の一実施例の全体の平面
図。
【図8】本発明のさらに他の実施例のTFT基板の平面
図及び断面図。
【図9】図8に示す実施例の製造工程を示す断面図。
【図10】リーク電流と熱処理温度との関係を示す図。
【図11】本発明のさらに他の実施例のTFT基板の断
面図、平面図及び部分拡大平面図。
【図12】図11に示す実施例の製造工程を示す断面
図。
【図13】本発明の実施例のTFT基板の部分等価回路
図。
【図14】相互コンダクタンスと絶縁膜膜厚との関係を
示す図及び陽極酸化膜のリーク特性を示す図。
【図15】本発明のさらに他の実施例のTFT基板の断
面図、平面図及び部分拡大平面図。
【図16】ゲート配線とホトレジスト端部との交差の状
態を示す平面図。
【図17】ゲート配線とホトレジスト端部との交差の状
態を示す平面図。
【図18】本発明のさらに他の実施例のTFT基板のT
FT部近傍の断面図及び平面図。
【図19】本発明のさらに他の実施例のTFT基板のT
FT部近傍の断面図及び平面図。
【図20】本発明のさらに他の実施例のTFT基板のT
FT部近傍の断面図及び平面図。
【図21】Alパターンとホトレジスト端部との交差の
状態を示す平面図。
【図22】Alパターンとホトレジスト端部との交差部
の角度の効果を示す図。
【図23】Alパターンとホトレジスト端部との交差部
の角度の効果を示す図。
【図24】レジストの膜厚の効果を示す図。
【図25】TFT基板の等価回路図。
【図26】TFT基板の概略を示す全体の平面図。
【図27】Alパターンとホトレジスト端部との交差の
状態を示す平面図。
【図28】本発明のさらに他の実施例のTFT基板の部
分断面図。
【図29】Alパターンとホトレジスト端部との交差の
状態を示す平面図。
【図30】Alパターンとホトレジスト端部との交差の
状態を示す平面図。
【図31】本発明の一実施例の液晶表示パネルの断面
図。
【図32】従来のTFT基板の平面図及び部分断面図。
【図33】本発明の一実施例の液晶表示装置の概略図。
【符号の説明】
10、10b…基板 11、11’…Cr 12…Al(Pd) 12’、12”…Al 13…Al23 14…SiN 14’、19…窒化シリコン 15…a−Si(i) 15’…a−Si 16…a−Si(n+) 17…透明電極 17’…外部引き出し線 17b…共通透明画素電極 18…信号配線 18’…ソース電極 20、20b…保護膜 40…デバイス部 41…引き出し線部 44…化成パッド部 51…蓄積容量線 55…ソース電極 56…ゲート電極 57…蓄積容量部配線 58…ドレイン電極 81…液晶表示パネル 82…制御回路 83…映像信号駆動回路 84…走査回路 A、a、b、c…領域 AL…液面 BL…バックライト BM…ブラックマトリックス Cad…付加容量 Cst…蓄積容量 D…ドレイン FIL…カラーフィルター D1、D2、DN…ドレイン端子 G…ゲート G1、G2、G3、GN…ゲート端子 G1’、G2’、G3’、GN’…ゲート配線 PR…ホトレジスト S…ソース SIL…銀ペースト材 SL…シール材 ST1、ST2…蓄積容量対向電極配線 ST…蓄積容量端子 T11、T12、T21、T22…TFT L…化成バスライン LC…液晶 l…切断線 l1…境界線 PAD、PAD1、PAD2…化成パッド POL1、POL2…偏光板 Vcom…共通端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松川 由佳 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (72)発明者 笹野 晃 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (72)発明者 田中 靖夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 筒井 謙 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 塚田 俊久 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−133662(JP,A) 特開 平2−48639(JP,A) 特開 平2−85826(JP,A) 特開 平1−248136(JP,A) 特開 平2−137826(JP,A) 特開 平2−153324(JP,A) 特開 平2−193114(JP,A) 特開 平2−210420(JP,A) 特開 平2−254422(JP,A) 特開 平2−254423(JP,A) 特開 平3−1572(JP,A) 特開 平3−17614(JP,A) 特開 平3−24524(JP,A) 特開 平3−34374(JP,A) 特開 平3−34463(JP,A) 特開 平3−34465(JP,A) 実開 昭59−91756(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1368

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けられ
    た複数のゲート配線と、該複数のゲート配線と交差して
    配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トランジスタ
    と、複数の薄膜容量とを有する液晶表示装置において、
    上記ゲート配線及び上記薄膜トランジスタのゲート電極
    がアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属か
    らなり、上記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜は、上記
    アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の酸
    化膜と窒化シリコン膜からなる複合膜であり、上記アル
    ミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の酸化膜
    の膜厚は1100から2200Åの範囲の厚みであり、
    上記窒化シリコン膜の膜厚が1200から2000Åの
    範囲であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】上記薄膜トランジスタの活性層を構成する
    材料が水素化非晶質シリコンであることを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】上記ゲート配線と上記信号配線との交差部
    の絶縁膜が上記アルミニウム又はアルミニウムを主成分
    とする金属の酸化膜と、上記窒化シリコン膜と、水素化
    非晶質シリコン膜からなることを特徴とする請求項1又
    は2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】上記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記ア
    ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の酸化
    膜からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    一に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】上記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記ア
    ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする金属の酸化
    膜と上記窒化シリコン膜からなることを特徴とする請求
    項1から3のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けられ
    た複数のゲート配線と、該複数のゲート配線と交差して
    配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トランジスタ
    と、複数の薄膜容量とを有する液晶表示装置において、
    上記ゲート配線、上記薄膜容量の下側電極及び上記薄膜
    トランジスタのゲート電極がアルミニウム又はアルミニ
    ウムを主成分とする金属からなり、上記ゲート配線と上
    記信号配線との交差部の絶縁膜は、上記ゲート配線の表
    面を酸化して形成した酸化膜と窒化シリコン膜からなる
    複合膜であり、上記ゲート配線の表面を酸化して形成し
    た酸化膜の膜厚は1100から2200Åの範囲の厚み
    であり、上記窒化シリコン膜の膜厚が1200から20
    00Åの範囲であることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 【請求項7】上記薄膜トランジスタの活性層を構成する
    材料が水素化非晶質シリコンであることを特徴とする請
    求項6記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】上記ゲート配線と上記信号配線との交差部
    の絶縁膜が上記ゲート配線の表面を酸化して形成した酸
    化膜と、上記窒化シリコン膜と、水素化非晶質シリコン
    膜からなることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶
    表示装置。
  9. 【請求項9】上記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記薄
    膜容量の下側電極の表面を酸化して形成した酸化膜から
    なることを特徴とする請求項6から8のいずれか一に記
    載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】上記薄膜容量を構成する誘電体膜が上記
    ゲート配線の表面を酸化して形成した酸化膜と上記窒化
    シリコン膜からなることを特徴とする請求項6から9の
    いずれか一に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】絶縁性基板と、該絶縁性基板上に設けら
    れた複数のゲート配線と、該複数のゲート配線と交差し
    て配置された複数の信号配線と、複数の薄膜トランジス
    タと、複数の薄膜容量とを有する液晶表示装置におい
    て、上記ゲート配線、上記薄膜容量の電極及び上記薄膜
    トランジスタのゲート電極がアルミニウム又はアルミニ
    ウムを主成分とする金属からなり、上記ゲート配線、上
    記薄膜トランジスタのゲート電極及び上記薄膜容量の電
    極の表面にはそれらの陽極酸化膜が設けられ、上記薄膜
    容量を構成する誘電体膜は、上記薄膜容量の電極の陽極
    酸化膜と窒化シリコン膜からなる複合膜であり、上記陽
    極酸化膜の膜厚は1100から2200Åの範囲の厚み
    であり、上記窒化シリコン膜の膜厚が1200から20
    00Åの範囲であることを特徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】上記薄膜トランジスタの活性層を構成す
    る材料が水素化非晶質シリコンであることを特徴とする
    請求項11記載の液晶表示装置。
  13. 【請求項13】上記ゲート配線と上記信号配線との交差
    部の絶縁膜が上記ゲート配線の陽極酸化膜と、上記窒化
    シリコン膜と、水素化非晶質シリコン膜からなることを
    特徴とする請求項11又は12記載の液晶表示装置。
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