JP3097470B2 - 半導体装置用リードフレームの製造方法及びその装置 - Google Patents

半導体装置用リードフレームの製造方法及びその装置

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JP3097470B2
JP3097470B2 JP06279627A JP27962794A JP3097470B2 JP 3097470 B2 JP3097470 B2 JP 3097470B2 JP 06279627 A JP06279627 A JP 06279627A JP 27962794 A JP27962794 A JP 27962794A JP 3097470 B2 JP3097470 B2 JP 3097470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデプレス加工を改善した
半導体装置用リードフレームの製造方法およびその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置用のリードフレームには、パ
ッケージを薄くする目的から、アイランドを周囲のイン
ナリード部分より0.1〜0.5mm程度凹ませるデプレ
ス加工を施すようにしたものがある。
【0003】このリードフレームを製造する際、一般に
プレス金型を用いてデプレス加工を行う。デプレス加工
の施されるリードフレームにおいて、その加工精度が最
重要課題となる。このデプレス加工精度の調整は、従
来、プレス金型の下死点調整やポンチやダイスの曲げ角
度の調整により行っている。また、比較的深いデプレス
加工を施す場合、デプレス加工を2、3回に分割して行
い、デプレス加工の際生じるスプリングバックの影響を
緩和し、デプレス形状を得ている。
【0004】また、COL(Chip On Lee
d)及びLOC(Leed On Chip)リードフ
レームにおいては、デプレス加工の前に絶縁フィルムが
貼り付けられているものがある。このようなリードフレ
ームをデプレスする際には、ポンチやストリッパにフィ
ルムの逃げ部を設け、金型との接触を避けている。な
お、絶縁フィルムを有しないリードフレームにおいて
も、傷や打痕の発生を防ぐため、曲げ加工の際、フレー
ムと接触する部分は吊りリードのみであり、アイランド
に金型が接触しないよう、ポンチやダイスに逃げ部を設
けている。
【0005】図5は、絶縁フィルムを有しないリードフ
レームについて、従来のデプレス方法の曲げ加工部の状
態を模式的に示したものである。ダイス5上に載置した
リードフレーム10の吊りリード6に、逃げ部7を設け
たポンチ2の先端で潰しを加えて、アイランド4を一段
低くデプレスしている。比較的アイランド4が大きいリ
ードフレームにおいては、上述した調整や分割を行って
も、図示するように、アイランド4が反り適正な形状を
得ることが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
デプレス加工方法では、デプレス金型の下死点調整やポ
ンチ、ダイス角度の変更によって加工精度を得ている
が、加工精度を得るには作業に熟練を要し、加工寸法条
件の設定が非常に困難である。
【0007】また、デプレス形状を精度良く出すために
2度、3度とデプレス加工を施す必要があり、迅速な加
工ができなかった。
【0008】さらに、デプレス加工は金型や材料となる
リードフレームの僅かな寸法変化やアンバランスにより
大幅に加工精度が損なわれる。その結果、アイランドの
反りや傾きが発生してしまう。
【0009】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、加工精度の高いICリードフレームを迅速に
製造することができる半導体装置用リードフレームの製
造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、
簡単な構造により加工精度の高いリードフレームを製造
することができる半導体装置用リードフレームの製造装
置を提供することにある。また、本発明の目的は、金型
のアンバランスを吸収することができる半導体装置用リ
ードフレームの製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置用リ
ードフレームの製造方法は、金型やリードフレームの寸
法変化やアンバランスをポンチまたは/およびダイスで
吸収しつつデプレス加工を行うようにした半導体装置用
リードフレームの製造方法において、リードフレームの
一部を他の部分より一段低く凹ませるデプレス加工工程
を備え、該デプレス加工の際、上記他の部分より一段低
く凹ませるリードフレームの一部を、該一部を傷つけな
いように上記ポンチまたは/およびダイスの逃げ部に設
けた緩衝材で押えつつデプレス加工するようにしたもの
である。
【0011】
【0012】また、本発明の半導体装置用リードフレー
ムの製造装置は、ポンチとダイスとを備えた金型を用い
てデプレス加工を行う半導体装置用リードフレームの製
造装置において、上記ポンチかダイス、またはポンチお
よびダイスの両方の逃げ部に、デプレス加工時に他の部
分より一段低く凹ませるリードフレームの一部を押える
緩衝材を設けたものである。
【0013】上記緩衝材はポンチかダイス、またはポン
チおよびダイスの両方の先端部、中間部、または基端部
に設けることができる。特に、先端部に設ける場合に
は、ポンチかダイス、またはポンチおよびダイスの両方
の逃げ部に、デプレス加工時に他の部分より一段低く凹
ませるリードフレームの一部を押える緩衝材として設け
るとよい。
【0014】また、一段低く凹ませるリードフレームの
一部としては、インナリードやバスバー、または半導体
素子をボンディングするためのアイランド等がある。ま
た、緩衝材はウレタンゴムまたはポリイミド樹脂などの
高分子材料が好ましい。
【0015】
【作用】本発明方法のように、ポンチやダイスまたはポ
ンチおよびダイスの両方の逃げ部に高分子材料などの緩
衝材を設け、この緩衝材でリードフレームの一部を他の
部分より一段低く凹ませるデプレス加工を行うと同時に
一段低く凹ませる部分を押えることで、金型のアンバ
ランス等を有効に解消でき、当該部分に傷はもちろん、
反りや傾き、ねじれが発生するのを有効に防止すること
ができる。このため、1度のデプレス加工で加工精度の
高いリードフレームを製造することができる。
【0016】また、本発明装置のように、ポンチかダイ
ス、またはポンチおよびダイスの両方に設けられている
逃げ部に、一段低く凹ませるリードフレームの一部を押
える緩衝材を設けたりすると、金型やリードフレームの
寸法変化やアンバランスが吸収されるため、加工精度の
高いデプレス加工を行うことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の半導体装置用リードフレーム
の製造方法の具体例を図1〜図4に示すデプレス金型を
用いて説明する。
【0018】図1、図2において、リードフレーム10
をデプレスするデプレス金型11はダイス5とポンチ2
を備える。ダイス5には吊りリード6を曲げてアイラン
ド4をデプレスするための所定の曲げ角度が付けられ
る。このダイス5の所定の曲げ角度に対応してポンチ2
の先端に所定の角度が付けられている。このポンチ2の
先端を回り込んだポンチ底部(先端部)には、曲げ加工
の際、デプレス加工されるアイランド4にポンチ2が接
触して傷や打痕が生じないようにするため、所定深さの
逃げ部7が設けられる。
【0019】このポンチ2の逃げ部7に金型やリードフ
レームの寸法変化やアンバランスを吸収する緩衝材1を
設ける。すると、ポンチ先端で吊りリード6に潰しを加
える際、緩衝材1がアイランド4や、絶縁フィルム3を
軽く押えながら平坦に加工する。このため、ポンチ2に
より潰されることにより生じるアイランド4の反りや傾
き、ねじれを低減できる。
【0020】緩衝材1は、図1に示すような絶縁フィル
ム付きリードフレームの場合、デプレス深さDから絶縁
フィルム3の厚さtを差し引いた位置にフィルム3との
接触面が位置するように設置する。また、図2のような
絶縁フィルムが無いリードフレームの場合は、ポンチ先
端とアイランド4に接触する緩衝材1の表面とが同じ高
さになるように緩衝材1を設置する。
【0021】また緩衝材1は、絶縁フィルム付きリード
フレームにはウレタンゴムを使用し、フィルム無しリー
ドフレームにはポリイミドフィルムを使用する。このよ
うに、ワークにより硬度が異なる高分子材料を選択する
ことにより、一層リードフレームに損傷を与えずにフラ
ットなアイランド形状を得ることができる。
【0022】本実施例のようにポンチに高分子材料など
の緩衝材でアイランドを軽く押えるようにしたので、ア
イランドや絶縁フィルムの反り、傾き、ねじれを低減す
るため、加工精度が大幅に向上し、それによりリードフ
レームの品質を大幅に向上させることができる。また、
緩衝材が金型やリードフレームの寸法変化やアンバラン
スを有効に吸収するので、デプレス加工精度の調整にプ
レス金型の下死点調整やポンチやダイスの曲げ角度の調
整を厳密に行う必要がなくなり、加工寸法条件の設定も
容易になり、熟練作業を要さない。また、1回のデプレ
スでデプレス形状を精度良く出せるため、深いアイラン
ド加工や大きなアイランドでも2度、3度とデプレス加
工を施す必要がなく、迅速な加工ができる。また、緩衝
材を、もともとポンチに存在する逃げ部に設けたので、
ポンチを改造する必要がなく、構造を簡素化することが
できる。
【0023】なお、緩衝材の設置場所はポンチの逃げ部
に限定されない。例えば、図3に示すようにダイス5の
先端部(上部)に逃げ部8が設けてある場合には、この
ダイスの逃げ部8にも緩衝材1を設けるようにしてもよ
い。
【0024】また、緩衝材の設ける場所は、上記実施例
のようにポンチまたはダイスの先端部のみに限らず、例
えば図4に示すように、ポンチ2またはダイス5の中間
部や基端部に設けるようにしてもよく、これらの場合に
も金型やリードフレームの寸法変化やアンバランスを有
効に吸収することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明方法によれば、金型のポンチまた
は/およびダイスの逃げ部に緩衝材を設け、この緩衝材
でリードフレームの一部を他の部分より一段凹ませるデ
プレス加工を行うと同時に、該一段凹ませる部分を押え
るようにしたので、金型やリードフレームの寸法変化や
アンバランスを有効に吸収しながら、加工精度の高いリ
ードフレームを迅速に製造することができる。
【0026】また、本発明装置によれば、緩衝材を少な
くとも金型のポンチまたは/およびダイスの逃げ部に設
けるという簡単な構造により、金型のアンバランスを有
効に吸収することができ、加工精度の高いリードフレー
ムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるデプレス金型による絶縁
フィルム付きリードフレームのデプレス状態を説明する
断面図。
【図2】本実施例によるデプレス金型による絶縁フィル
ムの無い通常のリードフレームのデプレス状態を説明す
る断面図。
【図3】本実施例によるダイスの逃げ部にも緩衝材を設
けたデプレス金型の断面図。
【図4】本実施例による緩衝材を設けるのに有効な場所
を示したポンチおよびダイスの断面図。
【図5】従来例によるデプレス金型による通常のリード
フレームのデプレス状態を説明する断面図。
【符号の説明】
1 緩衝材 2 ポンチ 3 絶縁フィルム 4 アイランド 5 ダイス 6 吊りリード 7 ポンチの逃げ部 8 ダイスの逃げ部 10 リードフレーム 11 デプレス金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/48 - 23/50 B21D 22/00 - 22/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型やリードフレームの寸法変化やアンバ
    ランスをポンチまたは/およびダイスで吸収しつつデプ
    レス加工を行うようにした半導体装置用リードフレーム
    の製造方法において、 リードフレームの一部を他の部分より一段低く凹ませる
    デプレス加工工程を備え、該デプレス加工の際、上記他
    の部分より一段低く凹ませるリードフレームの一部を、
    該一部を傷つけないように上記ポンチまたは/およびダ
    イスの逃げ部に設けた緩衝材で押えつつデプレス加工す
    るようにしたことを特徴とする 半導体装置用リードフレ
    ームの製造方法。
  2. 【請求項2】上記緩衝材がウレタンゴムまたはポリイミ
    ド樹脂などの高分子材料であることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体装置用リードフレームの製造方法。
  3. 【請求項3】ポンチとダイスとを備えた金型を用いて
    ードフレームの一部を他の部分より一段低く凹ませるデ
    プレス加工を行う半導体装置用リードフレームの製造装
    置において、上記ポンチまたは/およびダイスの逃げ部
    に、デプレス加工時に上記他の部分より一段低く凹ませ
    るリードフレームの一部を押さえる緩衝材を設けたこと
    を特徴とする半導体装置用リードフレームの製造装置。
  4. 【請求項4】上記他の部分よりも一段低く凹ませるリー
    ドフレームの一部が、半導体素子をボンディングするた
    めのアイランドであることを特徴とする請求項3に記載
    の半導体装置用リードフレームの製造装置。
  5. 【請求項5】上記緩衝材がウレタンゴムまたはポリイミ
    ド樹脂などの高分子材料であることを特徴とする請求項
    3、4に記載の半導体装置用リードフレームの製造装
    置。
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