JP3097224B2 - 楽音制御装置 - Google Patents

楽音制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、演奏者の身体の動きを
検出して楽音の発生と楽音要素を制御する楽音制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の楽音制御装置として、例
えば特開平2−273791号公報、特開平2−273
792号公報に示すものが知られている。これらの楽音
制御装置は、例えば指の動作を検出して楽音の発生を制
御するようにしたものであり、指の曲げ動作時に所定量
だけ曲げるのに要する時間や所定時間内での曲げの変位
量など、指の速度に相当する量に基づいて音色などの楽
音要素を制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の楽
音制御装置によって演奏を行なう場合、指などの動きは
様々であり、例えば演奏操作の平均的な速度が同じで
も、力をこめた速い操作のときや力を抜いた速い操作、
ゆっくり力を抜いた操作、ゆっくりだが音のでる瞬間に
力を掛ける操作などがある。
【0004】しかしながら、前記従来の装置において、
所定量だけ曲げるのに要する時間によって計測される速
度は予め決められた曲げ位置での速度であり、また、所
定時間内での曲げの変位量によって計測される速度は予
め決められた所定時間内の平均的な速度である。このた
め、従来の装置では、前記のような様々な指の動きの特
徴を区別することができず、演奏動作の違いを音色等の
楽音要素の制御に上手く反映させることができなかっ
た。
【0005】なお、このような問題は、指の動作に限ら
ず、演奏者の腕など身体の動きを検出して楽音を制御す
るような場合にも生じる。
【0006】本発明は、演奏者の身体の動きを検出して
楽音の制御を行なう楽音制御装置において、演奏動作の
違いが音色等の楽音要素の制御に上手く反映されるよう
にすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の楽音制御装置は、人間の身体の一部
の所定位置からの変位量を検出する変位検出手段と、上
記変位検出手段で検出された変位量に基づいて上記身体
の一部が変位する速度を検出する速度検出手段と、上記
変位検出手段で検出された変位量に基づいて発音のタイ
ミングを検出する発音タイミング検出手段と、上記発音
タイミング検出手段で発音のタイミングが検出されるま
での所定期間において上記速度検出手段で検出される速
度から最大速度を検出する最大速度検出手段と、上記発
音タイミング検出手段で検出されたタイミングで発音を
指示するとともに、前記最大速度検出手段で検出された
最大速度に基づいて該発音する楽音の楽音要素を制御す
る制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の楽音制御装置において、手の指の曲げ
量など人間の身体の一部の所定位置からの変位量が変位
検出手段によって検出され、この変位量に基づいて、速
度検出手段により身体の一部が変位する速度が検出され
るとともに、発音タイミング検出手段により発音のタイ
ミングが検出される。一方、この発音のタイミングが検
出されるまでの所定期間において、最大速度検出手段に
より、速度検出手段で検出される速度から最大速度が検
出される。そして、制御手段は、発音タイミング検出手
段で検出されたタイミングで発音を指示するとともに、
最大速度検出手段で検出された最大速度に基づいて該発
音する楽音の楽音要素を制御する。
【0009】ここで、例えば演奏操作の平均速度が同じ
であって力の加えかたが異なっていても、力をこめた演
奏操作のときは瞬間速度毎の速度の大きさのばらつきが
大となり、最大速度も大となる。したがって、最大速度
に基づいて楽音要素を制御するとこのような演奏操作の
違いに応じて楽音要素を異なるように制御できる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の実施例の楽音制御装置を適用
した電子楽器のブロック図であり、この電子楽器は、演
奏者が装着する左右の演奏用手袋1,2を備えている。
演奏用手袋1,2には演奏者の手の各指の曲げ量を検出
する曲げセンサ10が取り付けられており、演奏用手袋
1,2を着けた演奏者が例えばピアノを弾くように指を
動かすと、指の曲げ延ばしに応じて各指のオン/オフが
検出される。
【0011】そして、右手の指のオンによりその指に現
在設定されている音高で発音が行なわれ、左手の指のオ
ン/オフ状態の組合せに応じて音色の設定・切換や右手
指の発音音域(ノートコード領域)の設定・切換等の制
御が行なわれる。なお、このような発音音域の設定・切
換等の制御は特願平2−319584で提案されてい
る。
【0012】図2は演奏用手袋1,2を示す図、図3は
同演奏用手袋1,2の指の部分の断面図であり、この演
奏用手袋1,2は指の背の部分が薄い袋状になってお
り、その中に曲げセンサ10が各指毎にそれぞれ配設さ
れている。
【0013】曲げセンサ10は特願平2−83704で
提案されている曲げ角度検出器と同様のものであり、図
4に示したようにフレキシブルな樹脂部材でできた基板
10aの表裏両面に「U」字型の抵抗体10b,10c
を付けたもので、指の曲げ伸ばしに応じて抵抗体10
b,10cが伸び縮みしてこの抵抗体10b,10cの
抵抗値が変化するように構成したものである。そして、
抵抗体10b,10cの抵抗値はリード線10dを介し
て電気信号として検出される。
【0014】なお、この実施例では、左手の演奏用手袋
1の親指、ひとさし指、中指、薬指および小指に対して
順に“1”,“3”,“5”,“7”,“9”の奇数の
指番号を対応つけ、右手の演奏用手袋2の親指、ひとさ
し指、中指、薬指および小指に対して順に“0”,
“2”,“4”,“6”,“8”の偶数の指番号を対応
つけ、後述説明する制御動作において各指に対応するレ
ジスタやデータをこの指番号で区別するようにしてい
る。
【0015】図1において、演奏用手袋1,2の各曲げ
センサ10にはA/Dコンバータ3から所定の電流が供
給され、演奏用手袋1,2は各曲げセンサ10の抵抗値
に応じた電圧値を各指の曲げ量に応じた信号として出力
する。この曲げ量に応じた信号は、A/Dコンバータ3
でディジタルデータに変換されて制御部4に入力され
る。
【0016】制御部4は、このA/Dコンバータ3から
の曲げ量に応じたデータ(以後、曲げデータという。)
に基づいて各指のオン/オフを判定する。そして、右手
指のオンのイベントにより、現在の曲げデータに基づい
て楽音の音色を制御するベロシティ値を求め、このベロ
シティ値を示すベロシティ信号とイベントのあった指に
現在設定されているノートコードおよび発音を指示する
ノートオン信号を音源回路5に出力する。
【0017】なお、左手指のオン/オフ状態の組合せに
応じて、音色の変更を行なうときは音色データを音源回
路5に出力し、右手指の発音音域の変更を行なうとき
は、右手指に設定しているノートコードの値を変更す
る。
【0018】音源回路5は、制御部4から与えられる各
信号に基づいて楽音信号を形成してサウンドシステム6
によって楽音を発生する。なお、この実施例の音源回路
5は音色等に応じて設定されている楽音信号のエンベロ
ープに応じて自然減衰するように構成されている。
【0019】なお、制御部4には機能設定などを行うた
めのスイッチ群7および各種の設定状態などを表示する
表示器8が接続されており、A/Dコンバータ3、制御
部4、スイッチ群7および表示器8は、演奏者が腰に装
着できるようにした図示しないベルト等に組み込まれて
いる。
【0020】ここで、制御部4は、右手指については、
曲げデータが増加する方向(指を曲げる方向)での指の
ストップ検出によりオンイベントと判定する。これによ
って、演奏者の演奏動作に適合した発音タイミングが得
られる。なお、左手指については曲げデータが予め設定
されている閾値を越えているか越えていないかによって
オン/オフを判定する。
【0021】また、この実施例では、前記ベロシティ値
を演算するために、曲げデータを引数とする関数テーブ
ルf1と指の速度を引数とする関数テーブルf2を用い
ている。そして、オンイベント(ストップ検出)のあっ
た指の現在の曲げデータに基づく関数f1の値とその指
を曲げる速度の最大値に基づく関数f2の値を合成し、
この合成値をベロシティ値として用いる。
【0022】図5は制御部4のブロック図である。制御
部4はマイクロコンピュータ等で構成されており、CP
U41には双方向バス42を介してプログラムメモリ
(ROM)43、ワーキングメモリ(RAM)44、各
種のインターフェイス回路45がそれぞれ接続されてお
り、前記A/Dコンバータ3からの曲げデータはインタ
ーフェイス回路45を介してCPU41に取り込まれ
る。
【0023】プログラムメモリ43には図6および図7
にフローチャートを示した制御プログラム、関数テーブ
ルf1,f2等のデータが格納されており、CPU41
はプログラムメモリ43の制御プログラムに基づいてワ
ーキングメモリ44内に設定した各種のレジスタを使用
しながら制御を行う。
【0024】なお、以下の説明およびフローチャートに
おいて、各レジスタを次のラベルで表記し、各レジスタ
名とそれらの内容については特に断らない限り同一のラ
ベルで表す。 new(i):指番号iの曲げデータを一時格納するレ
ジスタ spd:指が曲げられるときの最大速度を格納するレジ
スタ max:ノートオン候補の指の指番号を格納するレジス
タ vel:ベロシティ値を格納するレジスタ
【0025】図6は制御プログラムのメインルーチン、
図7はサブルーチンであり、制御部4に電源が投入され
ると、CPU41は図6のメインルーチンの処理を開始
し、ステップS1で各レジスタのセットアップなどの初
期設定を行い、ステップS2で演奏用手袋2の曲げデー
タに基づいて図7の右手検出処理を行なって楽音発生の
制御を行なう。
【0026】次に、ステップS3の左手検出処理によ
り、左手の指のオン/オフを検出して音色や発音音域の
切換制御等を行い、ステップS4でその他の処理を行な
ってステップS2以降の処理を繰り返す。なお、ステッ
プS4のその他の処理ではスイッチ群7の操作に応じた
機能設定や表示器8における表示などに関する処理を行
なう。また、このメインルーチンの処理は数msec毎
に繰り返される。
【0027】図7の右手検出処理S2では、ステップS
21で演奏用手袋2の各指について曲げデータを取り込
んで、指番号i(i=0,2,4,6,8)に対応する
レジスタnew(i)にそれぞれ格納し、ステップS2
2で曲げデータnew(i)に基づいて発音候補となっ
た指の指番号をレジスタmaxに格納する。なお、この
発音候補の指番号は、例えば、曲げデータnew(i)
を比較することにより一番深く曲げられた指の指番号を
求めるなど、予め設定した条件によって求めることがで
きる。
【0028】発音候補の指番号をレジスタmaxに格納
すると、ステップS23により、指番号「max」の指
の曲げデータnew(max)に基づいて、指を曲げる
速度の現在までの最大値を求めてレジスタspdに格納
する。なお、この速度の最大値は、例えば次のようにし
て求めることができる。先ず、ステップS21で取り込
んだ曲げデータを各指毎にリングバッファ等に保持し、
所定サンプル間の曲げデータの差分を速度データとして
求める。そして、この差分が正のものについてレジスタ
spdの値と比較し、大きい方を現在の最大値としてレ
ジスタspdに格納して同様の処理を繰り返す。これに
よりレジスタspdの値はそのときまでの最大速度の値
で更新される。なお、発音候補の指番号が入れ代わった
時には、レジスタspdは“0”にリセットする。
【0029】次に、ステップS24で、指番号maxが
示す指について正のストップイベント(曲げる状態から
の指の停止)が検出されたか否か判定し、正のストップ
イベントが検出されなければメインルーチンに復帰し、
指番号maxに対応する指についてのストップイベント
が検出されれば、ステップS25で次式(1)によりベ
ロシティ値velを求めてレジスタvelに書き込む。 vel=f1(new(max))+f2(spd) …(1)
【0030】上記のように、ベロシティ値velを求め
ると、レジスタspdを“0”にリセットし、ステップ
S26で、maxが示す指に対応するノートコードとノ
ートオン信号およびベロシティ値velを音源回路5に
送出して、メインルーチンに復帰する。なお、音源回路
5は、このベロシティ値velに応じた音色の楽音波形
を生成する。
【0031】以上の処理により、この実施例では、曲げ
動作のストップ検出により発音のタイミングが検出さ
れ、それまでの最大速度と曲げの深さに基づいて発音さ
れる楽音の音色が制御される。
【0032】ここで、一般に、大きな音を出そうとする
ときは動作を大きくし、小さな音を出そうとするときは
動作を小さくするのが普通である。また、楽器では音量
の違いは音色の違いにもなる。したがって、上記実施例
のように指の曲げの深さによって音色を変化させると演
奏動作に適合した楽音を生成するのに効果がある。
【0033】なお、上記の実施例では曲げの深さまで考
慮してベロシティ値を求めるようにしているが、指を曲
げる動作の最大速度だけをベロシティ値として用いるよ
うにしてもよい。
【0034】上記の実施例では、例えば一番深く曲げら
れた指を発音候補としてこの指のストップイベントの検
出により発音を行なうようにしているが、上記実施例の
右手検出処理S2を図8の右手検出処理S5に置き換
え、曲げデータが予め設定した一定範囲にあるときの最
大速度を検出し、この範囲を越えるように指が曲げられ
たときに発音を行なうようにしてもよい。また、この実
施例では、最大速度のデータをベロシティ値として用
い、さらに各指について発音が可能となるようにしてい
る。
【0035】すなわち、図8の右手検出処理S5におい
て、ステップS51で演奏用手袋2の各指について曲げ
データを取り込んでレジスタnew(i)にそれぞれ格
納し、ステップS52で指番号を示すインデックスをリ
セットする。そして、ステップS59の判定とステップ
S501における指番号iの“2”のインクリメントに
よって、右手の各指についてステップS53からステッ
プS58までの所定の処理を繰り返し、右手の各指につ
いての処理が終了するとステップS59からメインルー
チンに復帰する。
【0036】ステップS53では、現在の指の曲データ
new(i)が予め設定されている閾値L1を越えたか
否か判定し、越えていなければステップS54でレジス
タspd(i)を“0”にリセットしてステップS59
に進む。また、現在の指の曲データnew(i)が閾値
L1を越えていれば、指の曲げデータnew(i)に基
づいて指を曲げる速度の現在までの最大値(最大速度)
を求めてレジスタspd(i)に格納し、ステップS5
6に進む。
【0037】なお、ステップS55の処理では、前記実
施例のステップS23と同様に、各指について逐次取り
込んだ曲げデータから所定サンプル間の差分データを求
め、この差分データの現在までの最大値をレジスタsp
dに格納するようにして、最大速度を求めることができ
る。
【0038】ステップS56では、現在の指の曲データ
new(i)が予め設定されている閾値L2(L2>L
1)を越えるイベントが検出されたか否かを判定し、こ
のイベントが検出されなければステップS59に進む。
なお、この閾値L2を越えるイベントとは、前回の曲げ
データが閾値L2以下でかつ今回の曲げデータが閾値L
2を越えたときのことである。
【0039】そして、ステップS56で、閾値L2を越
えるイベントイベントが検出されれば、ステップS57
で、現在の指番号iが示す指に対応するノートコードと
ノートオン信号およびベロシティ値spd(i)を音源
回路5に送出し、ステップS58でレジスタspd
(i)を“0”にリセットしてステップS59に進む。
【0040】以上の処理により、この実施例では、閾値
L2を越えるイベントにより発音のタイミングが検出さ
れ、閾値L1から閾値L2までの間での最大速度に基づ
いて発音される楽音の音色が制御される。
【0041】ここで、以上の各実施例で示したように最
大速度によって楽音を制御するようにすると、曲げセン
サ10による曲げデータの温度ドリフトや、曲げセンサ
10と指の表面とのズレなどによる曲げデータのドリフ
トが発生しても、これらのドリフトの影響を受けにくく
なるという効果がある。
【0042】指や腕など身体の一部の動作では、動作を
開始するときと停止させるときは、動作中よりも速度が
遅くなり、例えば指の曲げ動作中の経過時間と曲げデー
タとの関係は例えば図9の曲線Aで示したように非線形
関係になる。ここで、曲げデータのドリフトが発生して
いるときは、正常なときと同じ曲げ動作を行なっても、
例えば同図の曲線Bのように正常なときの曲げデータが
ドリフト量だけシフトされたものとなる。
【0043】このため、前記従来の装置のように所定の
曲げ位置で所定量だけ曲げるのに要する時間から速度を
検出するようにすると、同じ曲げ動作をおこなってい行
なっているにも係わらず、正常なときとドリフトが発生
しているときとでは検出される速度が異なってしまう。
【0044】例えば図9に示したように、曲げデータの
第1の値M1と第2の値M2は装置に予め設定された値
であるが、この第1および第2の値できまる所定量だけ
指が曲げられるときの時間は、正常なときでΔt、ドリ
フトのあるときでΔt′となり、ドリフトの影響がΔt
とΔt′に時間差を生み、検出される速度が異なること
になる。なお、所定時間内での曲げの変位量(曲げデー
タ)に基づいて速度を検出するような場合にも上記同様
にドリフトが検出される速度に影響する。
【0045】しかし、前記実施例のように最大速度を検
出するようにすると、ドリフトによって曲げデータがシ
フトされても、同じ曲げ動作であれば最大速度(曲線の
最大傾き)は一定であるのでドリフトの影響が現れな
い。
【0046】例えば、図10に示したように、所定の第
1の曲げ量N1から第2の曲げ量N2の間で、所定の微
小変位量を曲げるのに要する時間から最大速度を検出す
る場合、正常なときは最小時間間隔Δt3から最大速度
が得られ、ドリフトのあるときは最小時間間隔Δt2′
から最大速度が得られる。そして、Δt3≒Δt2′と
なるので、実質上ドリフトの影響を受けなくなる。
【0047】また、前記実施例のように所定サンプル間
の曲げデータの差分から最大速度を検出する場合は、例
えば図11に示したように、正常なときは最大差分Δs
4から最大速度が得られ、ドリフトのあるときは最大差
分Δs4′から最大速度が得られる。そして、Δs4≒
Δs4′となるので、実質上ドリフトの影響を受けなく
なる。
【0048】なお、最大速度の代わりに、最大加速度や
平均加速度を検出して楽音要素を制御するようにしても
同様にドリフトの影響を低減することができる。
【0049】また、ノイズ当による突発的な信号の変動
の影響を受けにくくするために、最大速度の代わりに、
この最大速度に近い2番目以降の速度を制御に用いた
り、いくつかの速度値を平均して制御に用いるようにし
てもよい。
【0050】以上の各実施例は右手の指の曲具合いによ
って楽音の制御を行なうようにしているが、本発明が適
用される身体の一部は手の指に限定されるものではな
い。例えば、腕の肘の部分に肘関節の曲がり角度を検出
するセンサを用いたり、肩と手先との距離を検出するセ
ンサを用い、腕の曲具合(肘の伸展)に応じて楽音の制
御を行なうようにしてもよい。このように、動作量を検
出できるような部位であれば、本発明を適用することが
できることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の楽音制御装
置によれば、人間の身体の一部の所定位置からの変位量
を検出して、この変位量から発音のタイミングを検出す
るとともにこの発音のタイミングが検出されるまでの所
定期間において身体の一部が変位する最大速度を検出
し、この最大速度に基づいて発音する楽音の楽音要素を
制御するようにしたので、演奏動作の違いが音色等の楽
音要素の制御に上手く反映するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の楽音制御装置を適用した電子
楽器のブロック図である。
【図2】実施例における演奏用手袋を示す図である。
【図3】実施例における演奏用手袋の指の部分の断面図
である。
【図4】実施例における曲げセンサを示す図である。
【図5】実施例における制御部のブロック図である。
【図6】実施例におけるメインルーチンのフローチャー
トである。
【図7】実施例における右手検出処理のフローチャート
である。
【図8】他の実施例における右手検出処理のフローチャ
ートである。
【図9】実施例に係わる曲げセンサにおける曲げデータ
のドリフトの一例を示す図である。
【図10】実施例に係わる最大速度を微小変位量の曲げ
に要する時間から検出する場合についてドリフトの影響
を受けないことを説明する図である。
【図11】実施例に係わる最大速度を所定時間の曲げデ
ータの差分から検出する場合についてドリフトの影響を
受けないことを説明する図である。 1…左手の演奏用手袋、2…右手の演奏用手袋、4…制
御部、10…曲げセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 G10H 1/053 G10H 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間の身体の一部の所定位置からの変位
    量を検出する変位検出手段と、 上記変位検出手段で検出された変位量に基づいて上記身
    体の一部が変位する速度を検出する速度検出手段と、 上記変位検出手段で検出された変位量に基づいて発音の
    タイミングを検出する発音タイミング検出手段と、 上記発音タイミング検出手段で発音のタイミングが検出
    されるまでの所定期間において上記速度検出手段で検出
    される速度から最大速度を検出する最大速度検出手段
    と、 上記発音タイミング検出手段で検出されたタイミングで
    発音を指示するとともに、前記最大速度検出手段で検出
    された最大速度に基づいて該発音する楽音の楽音要素を
    制御する制御手段と、を備えることを特徴とする楽音制
    御装置。
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