JP3096552B2 - 車両スライド扉用ドアロック装置 - Google Patents

車両スライド扉用ドアロック装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、車両スライド扉用ドア
ロック装置に関するもので、特に、スライド扉の前側に
取付けるロック装置およびその取付構成について、特段
の創意工夫をしたものである。
【０００２】
【従来技術】従来、図１〜図４のように、車体ａに対し
前後方向にスライドして開閉するスライド扉ｂを設け、
前記スライド扉ｂの前側には前記スライド扉ｂを前側斜
め内側方向（イ）にスライドさせると前記車体ａ側に取
付けられている前側ストライカｃに対し係合する前側ロ
ック本体ｄを設け、前記スライド扉ｂの後側には前記前
側ストライカｃに前記前側ロック本体ｄが係合している
状態で前記スライド扉ｂを内側方向に押し込むと前記車
体ａ側に取付けられている後側ストライカｅに対し係合
する後側ロック本体ｆを設けたものにおいて、前記前側
ロック本体ｄは、金属プレートで形成されているカバー
プレートｇとラッチｈとラチェットｉを内蔵するボディ
ｊと金属プレートで形成されているバックプレートｋの
三重構造とし、前記カバープレートｇおよびバックプレ
ートｋには側方に直角に屈曲形成した耳部ｍ、ｎを設
け、該耳部ｍ、ｎをスライド扉ｂの側壁ｏの内面に当接
して、ネジｐで止着するものは、公然実施されて公知で
ある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記公知のものは、図
２〜４のように、ボディｊは通常の大きさであるが、ボ
ディｊの両側を挾む金属プレートで形成されているカバ
ープレートｇと金属プレートで形成されているバックプ
レートｋは、耳部ｍ、ｎを有するので、耳部ｍ、ｎの分
だけ大きな構造となり、コスト高の原因となるばかりで
なく、大きな部品のため、幅の狭い扉内に取付けるとき
は、作業がし難いという課題があった。また、前側ロッ
ク本体ｄは、矢印Ｚ方向に伸びる面がスライド扉ｂにネ
ジｄで固定されるから、耳部ｍ、ｎの付け根ｔは、Ｚ方
向の力に対する強度が弱いという課題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、車体
１に対し前後方向にスライドして開閉するスライド扉２
を設け、前記スライド扉２の前側には前記スライド扉２
を前側斜め内側方向（イ）にスライドさせると前記車体
１側に取付けられている前側ストライカ４に対し係合す
る前側ロック本体３を設け、前記スライド扉２の後側に
は前記前側ストライカ４に前記前側ロック本体３が係合
している状態で前記スライド扉２を内側方向（ロ）に押
し込むと前記車体１側に取付けられている後側ストライ
カ６に対し係合する後側ロック本体５を設けたものにお
いて、前記スライド扉２の鉄板製内壁１４にはその前側
部分に取付面１５を形成し、前記前側ロック本体３は前
記取付面１５の内面側に当接させた状態でネジ１６によ
り固定し、前記取付面１５は前記前側ロック本体３が前
記前側ストライカ４に係合する際の前記スライド扉２の
スライド方向である前記前側斜め内側方向（イ）と平行
に伸びる面としたことを特徴とする車両スライド扉用ド
アロック装置としたものである。また、本発明は、前記
装置において、前記前側ロック本体３は、金属プレート
で形成されているカバープレート９とボディ１２と金属
プレートで形成されているバックプレート１３の三重構
造とし、前記ネジ１６は前記取付面１５に形成した止着
孔２１と前記前側ロック本体３に形成した止着孔２２を
合致させたのち前記取付面１５側から挿通して止着する
車両スライド扉用ドアロック装置としたものである。ま
た、本発明は、前記装置において、前記前側ロック本体
３は、ボディ１２と該ボディ１２と略同じ大きさの金属
プレート製のカバープレート９およびバックプレート１
３の三重構造とした車両スライド扉用ドアロック装置と
したものである。また、本発明は、前記装置において、
前記前側ロック本体３はハーフラッチ機構は有さずにフ
ルラッチ機構のみを有し、前記後側ロック本体５はハー
フラッチ機構とフルラッチ機構とを共に有する構成にし
た車両スライド扉用ドアロック装置としたものである。
【０００５】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、
１は車体、２は該車体１に取付けられている前後方向に
スライドして開閉するスライド扉、３は該スライド扉２
の前側に取付けられている前側ロック本体、４は前記前
側ロック本体３が係合する車体１側に取付けられている
前側ストライカ、５は前記スライド扉２の後側に取付け
られている後側ロック本体、６は前記後側ロック本体５
が係合する車体１側に取付けられている後側ストライカ
である。前記前側ロック本体３はハーフラッチ機構は有
せず、フルラッチ機構のみを有する。前記後側ロック本
体５はハーフラッチ機構とフルラッチ機構を有する。
【０００６】前記スライド扉２は矢印（イ）の如く車体
１に対して前側斜め内側方向に摺動すると、前側ロック
本体３が前側ストライカ４に係合してフル係合となり、
同時に後側ロック本体５が後側ストライカ６に係合して
ハーフ係合となる。その後、スライド扉２の後部を矢印
（ロ）のように内側方向に押し込むと、後側ロック本体
５が後側ストライカ６にフル係合状態に係合して、閉扉
は完了する。開扉のときは、上記の逆順である。
【０００７】しかして、前側ロック本体３が係合する前
側ストライカ４は、上方からみた俯瞰形状は図６のよう
に、やや長いコの字形を呈して、先側は斜め外側を向く
ように傾斜して取付けられている。この前側ストライカ
４は、内外の平行の脚杆７、７と、該脚杆７、７の頭部
を直角に連結する連結杆８とを有し、該連結杆８が前記
前側ロック本体３に係合する。
【０００８】前記前側ロック本体３は、鉄のような金属
プレートで形成されているカバープレート９と、前記連
結杆８と係合して回転するハーフ係合段部は有しないラ
ッチ１０およびラッチ１０のフル係合段部に係合してラ
ッチ１０の逆転を防止するラチェット１１を内蔵するボ
ディ１２（通常合成樹脂で形成される）と、鉄のような
金属プレートで形成されているバックプレート１３の三
重構造であるが、前記のようにスライド扉２が矢印
（イ）方向に斜めに摺動することにより前記連結杆８が
前記ラッチ１０と係合する関係で、前記前側ロック本体
３全体を、後部程外側になるように傾斜させて固定して
ある。固定後の前側ロック本体３は、矢印（イ）の摺動
方向と平行方向になる。しかして、カバープレート９は
ボディ１２と略同じ大きさであって、公知例のような耳
部ｍは有しない。
【０００９】即ち、本発明は、前記スライド扉２の内面
側の薄鉄板により形成されている内壁１４のうち、その
前側の前記前側ロック本体３を取付けるところは、凹ま
せて矢印（イ）と平行方向の取付面１５に形成し、該取
付面１５の内面側に前記前側ロック本体３のカバープレ
ート９を当接し、止めネジ１６により止着する。実施例
の前記止めネジ１６は、前記カバープレート９と前記ボ
ディ１２とを貫通して、前記バックプレート１３を押し
て膨出させて形成したネジ穴１７に螺合させているが、
ナットを用いて止着してもよい。ただし、ナットを用い
るときは、ナットの共周り防止のための工具挿入孔を設
ける必要がある。
【００１０】１８は前記ラッチ１０の軸、１９は前記ラ
チェット１１の軸、２０は前記カバープレート９に形成
した前記前側ストライカ４の進入溝であるが、進入溝は
前記ボディ１２および前記取付面１５にも形成する。２
１は取付面１５に形成した止めネジ１６の挿入用止着
孔、２２はカバープレート９およびボディ１２に形成し
た止めネジ１６の止着孔である。
【００１１】
【作用】次に作用を述べる。車体１に設けられるスライ
ド扉２の後側ロック本体５は、ハーフおよびフル係合機
構を有するが、前側ロック本体３はハーフラッチ機構は
有せず、スライド扉２に取付けるときも、従来のものと
相違して、下記のように取付ける。
【００１２】即ち、前記スライド扉２の前側の内壁１４
の前側ロック本体３を取付ける部分に、後方に至るに従
い凹む度合が強くなるように傾斜している取付面１５を
屈曲形成し、該取付面１５の内側に、前記前側ロック本
体３を、そのカバープレート９が当接するように当接す
る。
【００１３】本発明のカバープレート９およびバックプ
レート１３は、ボディ１２と略同じ大きさであって、公
知例のような耳部ｍ、ｎは有しないから小型であり、狭
い扉内でも簡単に装着できる。このとき、カバープレー
ト９に形成した止着孔２２を取付面１５に形成した止着
孔２１に合致させると、簡単に位置決めができる。
【００１４】つぎに、取付面１５に前側ロック本体３を
当接した状態で、止着孔２１より止めネジ１６を挿通す
ると止着孔２２にも挿通されるから、回転させると止め
ネジ１６の先端はバックプレート１３のネジ穴１７に螺
合して止着は終了する。
【００１５】このように形成したスライド扉２は、矢印
（イ）方向にスライドさせると、カバープレート９およ
びボディ１２の進入溝２０内に進入した前側ストライカ
４の連結杆８はラッチ１０の係合溝に係合し、ラッチ１
０は回転してそのフル係合段部にラチェット１１が係合
してフル係合となり、同時に、後側ロック本体５が後側
ストライカ６に係合してハーフ係合となる。その後、ス
ライド扉２の後部を矢印（ロ）のように押し込むと、後
側ロック本体５が後側ストライカ６にフルラッチ状態に
係合して、閉扉は完了する。
【００１６】前記の場合、前側ロック本体３には（イ）
方向と直交する方向（図２のＺ方向）に強大な力が作用
するが、前側ロック本体３はそのカバープレート９側を
内壁１４の取付面１５の内面に当接させて、取付面１５
側より止めネジ１６を挿入して取付けてあるので、前側
ロック本体３の（イ）方向と直交する面側をスライド扉
２に固定でき、公知例のように耳部を固定するものと異
なり、（イ）方向と直交する方向に対する強度は充分で
あり、強大な力によく耐える。
【００１７】
【発明の効果】前記公知のものは、図２〜４のように、
ボディｊは通常の大きさであるが、ボディｊの両側を挾
む金属プレートで形成されているカバープレートｇと金
属プレートで形成されているバックプレートｋは、耳部
ｍ、ｎを有するので、耳部ｍ、ｎの分だけ大きな構造と
なり、コスト高の原因となるばかりでなく、大きな部品
のため、幅の狭い扉内に取付けるときは、作業がし難い
という課題があった。また、前側ロック本体ｄは、矢印
Ｚ方向に伸びる面がスライド扉ｂにネジｄで固定される
から、耳部ｍ、ｎの付け根ｔは、Ｚ方向の力に対する強
度が弱いという課題があった。
【００１８】しかるに、本発明は、車体１に対し前後方
向にスライドして開閉するスライド扉２を設け、前記ス
ライド扉２の前側には前記スライド扉２を前側斜め内側
方向（イ）にスライドさせると前記車体１側に取付けら
れている前側ストライカ４に対し係合する前側ロック本
体３を設け、前記スライド扉２の後側には前記前側スト
ライカ４に前記前側ロック本体３が係合している状態で
前記スライド扉２を内側方向（ロ）に押し込むと前記車
体１側に取付けられている後側ストライカ６に対し係合
する後側ロック本体５を設けたものにおいて、前記スラ
イド扉２の鉄板製内壁１４にはその前側部分に取付面１
５を形成し、前記前側ロック本体３は前記取付面１５の
内面側に当接させた状態でネジ１６により固定し、前記
取付面１５は前記前側ロック本体３が前記前側ストライ
カ４に係合する際の前記スライド扉２のスライド方向で
ある前記前側斜め内側方向（イ）と平行に伸びる面とし
たことを特徴とする車両スライド扉用ドアロック装置と
したものであるから、前側ロック本体３の（イ）方向と
直交する面側をスライド扉２に固定できるから、Ｚ方向
の取付強度を容易に確保できる。また、本発明は、前記
装置において、前記前側ロック本体３は、金属プレート
で形成されているカバープレート９とボディ１２と金属
プレートで形成されているバックプレート１３の三重構
造とし、前記ネジ１６は前記取付面１５に形成した止着
孔２１と前記前側ロック本体３に形成した止着孔２２を
合致させたのち前記取付面１５側から挿通して止着する
車両スライド扉用ドアロック装置としたものであるか
ら、止着孔２１に止着孔２２を合致させるだけで位置決
めができるから、取付は容易である。また、本発明は、
前記装置において、前記前側ロック本体３は、ボディ１
２と該ボディ１２と略同じ大きさの金属プレート製のカ
バープレート９およびバックプレート１３の三重構造と
した車両スライド扉用ドアロック装置としたものである
から、公知例のような前側ロック本体３を固定するため
のボディよりは大きいカバープレートおよび金属プレー
トと一体の耳部は有しないので、その分小型に形成で
き、コストを安価にできるばかりでなく、幅の狭い扉内
にでも容易に取付けられる。また、本発明は、前記装置
において、前記前側ロック本体３はハーフラッチ機構は
有さずにフルラッチ機構のみを有し、前記後側ロック本
体５はハーフラッチ機構とフルラッチ機構とを共に有す
る構成にした車両スライド扉用ドアロック装置としたも
のであるから、閉扉容易である。
【図面の簡単な説明】
【図１】公知例の扉の横断平面図。
【図２】公知例の前側ロック本体の取付状態横断平面
図。
【図３】公知例の前側ロック本体の背面図。
【図４】図３の底面図。
【図５】本発明のスライド扉の横断平面図。
【図６】本発明の前側ロック本体の取付状態横断平面
図。
【図７】本発明の前側ロック本体の背面図。
【符号の説明】
１…車体、２…スライド扉、３…前側ロック本体、４…
前側ストライカ、５…後側ロック本体、６…後側ストラ
イカ、７…脚杆、８…連結杆、９…カバープレート、１
０…ラッチ、１１…ラチェット、１２…ボディ、１３…
バックプレート、１４…内壁、１５…取付面、１６…止
めネジ、１７…ネジ穴、１８…軸、１９…軸、２０…進
入溝、２１…止着孔、２２…止着孔。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車体１に対し前後方向にスライドして開
    閉するスライド扉２を設け、前記スライド扉２の前側に
    は前記スライド扉２を前側斜め内側方向（イ）にスライ
    ドさせると前記車体１側に取付けられている前側ストラ
    イカ４に対し係合する前側ロック本体３を設け、前記ス
    ライド扉２の後側には前記前側ストライカ４に前記前側
    ロック本体３が係合している状態で前記スライド扉２を
    内側方向（ロ）に押し込むと前記車体１側に取付けられ
    ている後側ストライカ６に対し係合する後側ロック本体
    ５を設けたものにおいて、前記スライド扉２の鉄板製内
    壁１４にはその前側部分に取付面１５を形成し、前記前
    側ロック本体３は前記取付面１５の内面側に当接させた
    状態でネジ１６により固定し、前記取付面１５は前記前
    側ロック本体３が前記前側ストライカ４に係合する際の
    前記スライド扉２のスライド方向である前記前側斜め内
    側方向（イ）と平行に伸びる面としたことを特徴とする
    車両スライド扉用ドアロック装置。
  2. 【請求項２】 請求項１において、前記前側ロック本体
    ３は、金属プレートで形成されているカバープレート９
    とボディ１２と金属プレートで形成されているバックプ
    レート１３の三重構造とし、前記ネジ１６は前記取付面
    １５に形成した止着孔２１と前記前側ロック本体３に形
    成した止着孔２２を合致させたのち前記取付面１５側か
    ら挿通して止着する車両スライド扉用ドアロック装置。
  3. 【請求項３】 請求項１または請求項２において、前記
    前側ロック本体３は、ボディ１２と該ボディ１２と略同
    じ大きさの金属プレート製のカバープレート９およびバ
    ックプレート１３の三重構造とした車両スライド扉用ド
    アロック装置。
  4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか１つにおいて、
    前記前側ロック本体３はハーフラッチ機構は有さずにフ
    ルラッチ機構のみを有し、前記後側ロック本体５はハー
    フラッチ機構とフルラッチ機構とを共に有する構成にし
    た車両スライド扉用ドアロック装置。
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