JP3095841B2 - 感熱転写記録用色素、感熱転写記録用インキ組成物、及び転写シート - Google Patents
感熱転写記録用色素、感熱転写記録用インキ組成物、及び転写シートInfo
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Description
よるカラーハードコピー等に使用される感熱転写記録用
色素(以下、昇華色素と略記する)、感熱転写記録用イ
ンキ組成物、及び転写シートに関する。
ロン厚の薄いコンデンサー紙、またはPETフィルム等
にインキ化した昇華色素を塗布し、これを感熱ヘッドで
選択的に加熱し記録紙に転写する熱転写プリント方式の
ひとつであり、現在種々の画像情報をイメージ記録(ハ
ードコピー)する手段として使用されてきている。
豊富で混色性に優れ、染着力が強く安定性が比較的高い
ことが挙げられるが、昇華する色素の量が熱エネルギー
に依存し、染着後の濃度がアナログ的に制御できるとい
う点で、他の印画方式にはない大きな特質を有する。
注目を浴びているインドアニリン系の化合物(特開昭6
1−22993号、特開昭61−31292号)で、高
い昇華速度と転写後の画像安定性を兼ね備えたものは極
めて少なく、昇華色素として最適条件を満たした色素の
出現が期待されてきた。
題を解決するために鋭意検討した結果、一般的に昇華転
写型色素において、転写時の昇華速度は、同色素分子間
の相互作用、色素分子とインキ用バインダー樹脂との相
互作用に関係しているという知見を得た。
性が良く、又融点も低いものがよく、さらにインキ用バ
インダー樹脂との相互作用がリボン製作後の保存安定性
を損ねない程度に小さいものが最も良好な色素であるこ
とが明らかとなった。そして、後述する本発明の一般式
(I)で表される色素は、上記の諸条件を備え、比較的
良好な昇華速度が得られることを見出し、本発明を完成
するに至ったもので、その目的とするところは、上記各
問題を解決した感熱転写記録用色素、同インキ組成物、
及び転写シートを提供することにある。
するために下記一般式(I)
基を示し、R2 は、水素原子、アルキル基、又はハロゲ
ン原子を示し、R3 ,R4 は、同一又は独立に水素原
子、置換又は非置換アルキル基、アルケニル基、又はア
ラルキル基を示し、互いに結合して環を形成してもよ
い。X,Yは少なくとも1個の酸素原子あるいは窒素原
子を含んだヘテロ環を表す。〕で表わされる化合物を感
熱転写記録用色素とするものである。
される感熱転写記録用色素、バインダー樹脂並びに有機
溶剤及び/又は水を含有することにより感熱転写記録用
インキ組成物を構成するものである。
トの一面に形成された色素担持層からなり、該色素担持
層に含有される色素が上記の色素である転写シートであ
る。
(I)で示される化合物であるが、式中R1 は水素原
子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示す。
等が好ましい。
−プロピル、iso−プロピル等の炭素数が1〜8の直
鎖状、又は分岐状のものが好ましい。
ン原子を示す。
so−プロピル、tert−ブチル等の炭素数が1〜8
のものが好ましい。
等が好ましい。
置換、又は非置換アルキル基、アルケニル基、又はアラ
ルキル基を示し、互に結合して環を形成しても良い。
ル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル等の炭素数が1〜8のものが好まし
い。置換アルキルとしては、炭素数1〜6のアルキル基
に各種の置換基を導入したものがある。置換基としては
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基、シアノ
基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシ基等があ
る。これらの具体例としては2−クロロエチル、2−ヒ
ドロキシエチル、2−シアノエチル、メチルカルボニル
オキシエチル、エチルカルボニルオキシエチル、エトキ
シエチル、メトキシエチル等がある。
のが好ましく、アリル、クロチル、2−ブテニル等が例
示できる。
ル等が好ましい。
成したものとしては、少くとも1個の酸素原子あるいは
窒素原子を含むヘテロ環がある。具体的には、フラン
環、テトラヒドロフラン環、ピリジン環、ピペリジン
環、ピロール環、ピロリジン環、テトラヒドロピラン
環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ピ
ラゾロン環、チアジアゾール環等を挙げることができ
る。またこれらの環には、メチル、エチル、プロピル等
のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のア
ルコキシ基、フェニル、トリル等のアリール基、置換ア
ミノ基、フッ素、塩素等のハロゲン原子が置換していて
もよく、更にベンゼン環と結合していてもよい。
記反応式に従って常法により、置換アニリン類と、置換
フェノール類との酸化結合によって得られる。
キを製造する方法としては、例えば色素を適当な樹脂、
溶剤等と混合し、該記録用インキとすればよい。
の量は通常2〜5重量%である。
インキを適当な基材シート上に塗布して転写シートを作
成し、該転写シートを被記録材と重ね、次いで転写シー
トの背面から感熱記録ヘッドで加熱及び加圧する方法を
挙げることができ、そのようにすれば転写シート上の色
素が被記録材上に転写される。
は、通常の印刷インキに使用されるもので良く、ロジン
系、フェノール系、キシレン系、石油系、ビニル系、ポ
リアミド系、アルキッド系、ニトロセルロース系、アル
キルセルロース類などの油性系樹脂あるいはマレイン酸
系、アクリル酸系、カゼイン、シェラック、ニカワなど
の水性系樹脂が使用できる。
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
などのセロソルブ類、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン類、リグロイン、シクロヘキサン、ケロシ
ンなどの炭化水素類、ジメチルホルムアミドなどが使用
できるが、水性系樹脂を使用する場合には水または水と
上記の溶剤類を混合し使用することもできる。
ンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミドのような耐熱性の良好なプ
ラスチックのフィルムが適しているが、これらの基材シ
ートは感熱記録ヘッドから色素への伝熱効率を良くする
ため5〜50μm程度の厚さとするのが適当である。上
記基材の表面に設ける色素担持層は、基材シートに上述
のインキを塗布し作製しうる。
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマ
ー、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノ
マーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジ
アセテート、セルローストリアセテート等のセルロース
系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド
等からなる繊維、織布、フィルム、シート、成形物等が
挙げられる。
レートからなる織布、シート、またはフィルムである。
の酸性微粒子を添加したものを普通紙にコーティングし
たもの、含浸したもの、あるいは樹脂のフィルムをラミ
ネートしたものや、アセチル化処理した特殊な加工紙を
使用することにより高温及び高湿下の画像安定性に優れ
た良好な記録ができる。又、各種樹脂のフィルムあるい
はそれから作られた合成紙を使用することもできる。
リエステルフィルムを熱プレスしラミネートすることに
より、色素の発色を改良、及び記録の保存安定化を計る
ことができる。
色色素は熱転写時、感熱ヘッドに与えるエネルギーを変
えることにより、色素の昇華転写量を制御することがで
きるので、階調記録が容易であり、フルカラー記録に適
している。
定であるため、転写記録中に熱分解することなく、得ら
れた記録の保存性も優れている。
性、及び水に対する分散性が良好であるため、均一に溶
解あるいは分散した高濃度のインキを調製することが容
易であり、その結果、色濃度の良好な記録を得ることが
でき、実用上価値ある色素である。
る。例中の部は重量部を示す。%は重量%を示す。 実施例−1 (化合物(A)の合成) 下記式(A)
−ジエチルアミノ−o−トルイジン12部と2,5−ビ
ス(フロイルアミノ)フェノール14部に25%アンモ
ニア水31部を、滴下後、液温を20℃に保ちながら過
硫酸アンモニウム25.5部を約1hrかけて加え、室温
で2hr反応させた。
た後、カラムクロマトグラフを用いて精製し、目的物
(A)を得た。
大波長(λmax)は625nmであった。
にてインキの調製、転写シート、被記録材を作成し転写
記録を行った。 (i)インキの調製方法 上記式(A)の色素 3部 ポリブチラール樹脂 4.5〃 メチルエチルケトン 46.25〃 トルエン 46.25〃 上記組成の色素混合物をガラスビースを使用し、ペイン
トコンディショナーで約30分間混合処理することによ
り該インキを調製した。 (ii)転写シートの作成方法 グラビア校正機(版深30μm)を用い、上記インキを
背面に耐熱処理を施した9μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、乾燥塗布量が1.0g/m2にな
るように塗布、乾燥した。 (iii)被記録材の作成 ポリエステル樹脂 0.8部 (「Vylon103」 東洋紡製 Tg=47℃) EVA系高分子可塑剤 0.2部 (「エルバロイ741p」 三井ポリケミカル製 Tg
=−37℃) アミノ変性シリコーン 0.04部 (「KF−857」 信越化学工業製) エポキシ変性シリコーン 0.04部 (「KF−103」 信越化学工業製) メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン (重量比4:4:2) 9.0部 以上を混合し、塗工液を調製し、合成紙(王子油化製、
「ユポFPG」#150)にバーコーター(RK Pr
int Coat Instruments社製造、No.
1)を用いて乾燥時4.5g/m2になる割合で塗布
し、100℃で15分間乾燥した。 (iv)転写記録 上記転写シートと上記被記録材とを、それぞれのインキ
塗布面と塗工液塗布面とを対向させて重ね合わせ、転写
シートの裏面から感熱ヘッド印加電圧10V、印字時間
4.0ミリ秒の条件で記録を行い、色濃度1.95のシ
アン色の記録を得た。
トメーターRD−514型(フィルター:ラッテンNo.
58)を用いて測定した。
ーター(スガ試験機株式会社製造)を用いてブラックパ
ネル温度63±2℃で実施したが、40時間の照射でほ
とんど変色せず、高温、及び高湿下の画像の安定性にも
優れていた。
の雰囲気中に48時間放置した後、画像の鮮明さ、およ
び表面を白紙で摩擦した際の着色により判定したとこ
ろ、画像の鮮明さは変化せず、また、白紙も着色せず記
録画像の堅牢度は良好であった。 実施例−2 (化合物(B)の合成) 下記式(B)
ン11部と、2−ニコチニルアミノ−5−フロイルアミ
ノフェノール13部をメタノール63部、水38部の混
合液中に溶解させ、25%アンモニア水31部を加え、
液温を20℃に保ち、そこへ25%硝酸銀水溶液76.
6部を約1時間で滴下し、室温で2時間反応させた。反
応後、反応生成物をクロロホルムで抽出し、良く水洗し
て、カラムクロマトグラフで精製し目的物(B)を得
た。
大波長(λmax)は625nmであった。
ート、被記録材を作成し転写記録を行い、色濃度1.9
5のシアン色の記録を得た。
法により耐光性試験を行ったところ、該記録は殆ど変化
せず、高温及び高湿下の画像の安定性にも優れていた。
ったが、画像の鮮明さは変化せず、また白紙も着色せ
ず、記録画像の堅牢度は良好であった。 実施例−3〜17 実施例−1と同様の方法に従って表−1に示すシアン色
色素を製造し、同様にインキの調製、転写シートの作
成、被記録材の作成、および転写記録を行い、表−1に
示す各々の記録を得た。
法により耐光性試験を行ったところ、該記録は殆ど変化
せず、高温及び高湿下の画像の安定性にも優れていた。
ったが、画像の鮮明さは変化せず、また白紙も着色せ
ず、記録画像の堅牢度は良好であった。
の判定結果を表1に示す。
○、不良なものについては×で示した。
例−1と同様にインキの調製、転写シートの作成、被記
録材の作成、および転写記録を行なった。また、実施例
−1と同様に耐光性試験、堅牢度試験を行なった。
○、不良なものについては×で示した。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中R1 は、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル
基を示し、R2 は、水素原子、アルキル基、又はハロゲ
ン原子を示し、R3 ,R4 は、同一又は独立に水素原
子、置換又は非置換アルキル基、アルケニル基、又はア
ラルキル基を示し、互いに結合して環を形成してもよ
い。X,Yは少なくとも1個の酸素原子あるいは窒素原
子を含んだヘテロ環を表す。〕で表わされる感熱転写記
録用色素。 - 【請求項2】 少なくとも請求項1に記載の一般式
(I)で示される感熱転写記録用色素、バインダー樹脂
並びに有機溶剤及び/又は水を含有してなることを特徴
とする感熱転写記録用インキ組成物。 - 【請求項3】 基材シート及び該基材シートの一面に形
成された色素担持層からなり、該色素担持層に含有され
る色素が請求項1に記載の一般式(I)で示される感熱
転写記録用色素であることを特徴とする転写シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34141391A JP3095841B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 感熱転写記録用色素、感熱転写記録用インキ組成物、及び転写シート |
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JPH05169858A JPH05169858A (ja) | 1993-07-09 |
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