JP3092498B2 - トンネル換気制御方法 - Google Patents

トンネル換気制御方法

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JP3092498B2
JP3092498B2 JP07313662A JP31366295A JP3092498B2 JP 3092498 B2 JP3092498 B2 JP 3092498B2 JP 07313662 A JP07313662 A JP 07313662A JP 31366295 A JP31366295 A JP 31366295A JP 3092498 B2 JP3092498 B2 JP 3092498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車道トンネル
等の換気設備を備えたトンネルの換気を、トンネル内の
汚染物質濃度分布状態を判断しながら制御するトンネル
換気制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の換気設備を備えたトンネ
ルの1つである自動車道トンネルは、多くの場合、換気
設備として、ジェットファン,ブースタファン,立坑送
排風機,集塵機等の換気機器が設けられている。
【0003】そして、従来のトンネル換気は、トラフィ
ックカウンタ等で得られた車両計測台数等の計測情報に
より、例えば、トンネルに入る車両台数とトンネルから
出た車両台数とに基づく簡単な定量演算又はこの演算に
ニューロ演算やファジィ推論を加味した予測演算からト
ンネル内の交通量を求め、この結果に基づき、換気機器
の運転を制御して行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のトンネル換
気制御方法の場合、トンネル内の換気対象汚染物質の時
間変化する濃度分布を十分把握できないため、汚染状況
に即した適切な換気が行えない問題点がある。
【0005】ところで、トンネル内の換気対象汚染物質
としては、主に、煤煙と排気ガス一酸化炭素とがあり、
トンネル内の適切な換気を行うには、これらの汚染物質
の濃度(通常は一酸化炭素より煤煙の方が問題となるの
で以下煤煙濃度という)のトンネル内の分布を、煤煙濃
度(汚染物質濃度)の拡散方程式により求めて常時監視
し、この分布の予測量に応じて各換気機器を運転するこ
とが最も望ましい。
【0006】そして、トンネル内の車道方向(長手方
向)距離x,時間tにおける煤煙濃度がその伝搬特性に
したがってCsm(x,t)になる場合、前記拡散方程
式はつぎの数1の式で示される。
【0007】
【数1】 数1の式中のx,t,…はつぎの各値である。 x:トンネル内の車道方向距離(m) t:時間(sec.) Csm(x,t):トンネル内を伝搬する煤煙濃度 Vr:風向きを考慮したトンネル車道内風速(風向風
速)(m/sec.) Dsm:拡散係数(m2/sec.) Ar:トンネル内車道断面積(m2) qsm:トンネル内の単位距離xの区間に発生する単位
時間当りの煤煙量(m3/sec.)
【0008】また、数1の式を、単位距離xの区間nに
おける単位時間dt当たりの煤煙濃度変化量dCsm
(n,t)を求める式に置き換えると、つぎの数2の式
が得られる。
【0009】
【数2】 数2の式中のトンネル車道内風速Vrは、つぎの数3の
式の演算により決定される。
【0010】
【数3】 数3の式中のρ,L,…はつぎの各値である。 ρ:空気密度{0.1224(Kgf・s2/m4)} L:トンネル長(m) ΔPt:走行車両による換気圧力(mmAq) ΔPn:自然風による換気圧力(mmAq) ΔPr:車道内抵抗圧力(mmAq) ΔPk:換気機器による昇圧力(mmAq) また、一方通行のトンネルの場合、数3の式のΔPt,
ΔPn,ΔPrはつぎの数4,数5,数6の各式から求
められる。
【0011】
【数4】 数4の式中のAt,Ap,…はつぎの各値である。 At:大型車の平均前面投影面積(m) Ap:小型車の平均前面投影面積(m) ξt:大型車の風抵抗係数 ξp:小型車の風抵抗係数 Nt:大型車の走行台数 Np:小型車の走行台数 Ut:車両の平均車速(m/sec.)
【0012】
【数5】 数5の式中のζe,λr,…はつぎの各値である。 ζe:トンネル入り口損失係数 λr:トンネル内壁面摩擦損失係数 Dr:車道代表周長寸法(m) Vn:自然風のみによるトンネル車道内風速(m/se
c.)
【0013】
【数6】 さらに、換気機器がジェットファンの場合、数3の式の
ΔPkはつぎの数7の式から求められる。
【0014】
【数7】 数7の式中のQj,Ajはつぎの各値である。 Qj:ジェットファン吹き出し風量(m3/sec.) Aj:ジェットファン吹き出し面積(m2
【0015】つぎに、煤煙濃度変化量dCsm(n,
t)を求める数2の式中のトンネル内の各区間n(=
1,2,…)に発生する単位時間当りの煤煙量qsm
(n,t)は、各区間nに存在する車両台数と、例えば
大型車,小型車別及びディーゼル車,ガソリン車別の車
両単位の煤煙発生量とに基づき、トンネルの勾配,標高
等をも考慮した平均車速での発生量として求める必要が
ある。
【0016】そして、数2の式から時々刻々の煤煙濃度
変化量dCsm(n,t)を求めれば、拡散方程式から
トンネル内の時々刻々の状態に応じた適確な煤煙濃度分
布が求められる。
【0017】ところで、トンネル内を走行する車両は交
通状況等に応じて加減速し、これに伴って、トンネル内
の車両走行台数Nt,Np,平均車速Ut及び各区間の
煤煙量qsm{=qsm(n,t)}等は時間変化す
る。
【0018】しかし、従来はこれらの時間変化を考慮せ
ず、例えば、トンネル内の車両が全体に一定速度で移動
するとし、煤煙量qsm(n,t)が図12に示すよう
に、時刻の経過とともに入口側の区間1から順に各区間
nに車両速度と同じである一定速度で移動するとして煤
煙濃度変化量dCsm(n,t)が求められていた。な
お、図12の矢印線は煤煙量qsm(n,t)の移動を
示す。
【0019】そのため、拡散方程式から求められたトン
ネル内の煤煙濃度の分布は、従来、実際の濃度分布と異
なり、トンネル換気制御には用いられていない。
【0020】本発明は、汚染物質濃度(煤煙濃度)の拡
散方程式を用いて現実に合致したトンネル内の汚染物質
濃度の分布を求められるようにし、前記拡散方程式を用
いた精度の高いトンネル換気制御を実現することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この出願の請求項1のトンネル換気制御方法にお
いては、換気対象のトンネルへの車両の通行量,平均速
度等の交通の計測情報,トンネル内の煤煙濃度,一酸化
炭素量等の汚染状態の計測情報及び風向,風速等の気象
の計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測情報
により、 a.トンネル内への車両進入台数の積算値に基づくトン
ネルの車両走行台数の時間変化 b.トンネル内の車両走行台数に基づく平均車速の時間
変化 c.トンネル内の平均車速に基づく汚染物質発生量の時
間変化 d.トンネル内の平均車速と風向,風速とに基づく汚染
物質発生源の移動の時間変化 の少なくともいずれか1つを演算し、この演算の結果に
基づき、数1の汚染物質濃度の拡散方程式からトンネル
内の時間変化する汚染物質濃度の分布状態を求めてトン
ネル内の換気を制御する。
【0022】したがって、トンネル内の車両走行台数,
平均車速及び単位区間の汚染物質の発生量,車速と風向
き及び風速を加味したその移動の少なくとも1つの時間
変化を考慮した演算結果に基づき、数1の汚染物質濃度
の拡散方程式の演算から現実に合致したトンネル内の時
間変化する汚染物質濃度の分布状態が求められ、この分
布状態に基づいて精度の高いトンネル換気制御が行え
る。また、請求項2のトンネル換気制御方法において
は、換気対象のトンネルへの車両の通行量,平均速度等
の交通の計測情報,トンネル内の煤煙濃度,一酸化炭素
濃度等の汚染状態の計測情報及び風向,風速等の気象の
計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測情報に
より、 a.トンネル内への車両進入台数の積算値に基づくトン
ネル内の車両走行台数の時間変化 b.トンネル内の車両走行台数に基づく平均車速の時間
変化 c.トンネル内の平均車速に基づき、大型車,小型車の
別及びディーゼル車, ガソリン車の別による汚染物質発生量の時間変化 d.トンネル内の平均車速と風向,風速とに基づく汚染
物質発生源の移動の時間変化 の少なくともいずれか1つを演算し、この演算の結果に
基づき、数1の汚染物質濃度の拡散方程式からトンネル
内の時間変化する汚染物質濃度の分布状態を求めてトン
ネル内の換気を制御する。 したがって、この場合は、ト
ンネル内の走行車両の大型車,小型車の別及びディーゼ
ル車,ガソリン車の別を考慮してトンネル内の汚染物質
発生量の時間変化を演算し、この演算結果に基づき、前
記の拡散方程式から、より一層現実に合致したトンネル
内の時間変化する汚染物質濃度の分布が求まり、この分
布に基づいて一層精度の高いトンネル換気制御が行え
る。 さらに、請求項3のトンネル換気制御方法において
は、請求項1,請求項2のトンネル換気制御方法にあっ
て、現在までのトンネルの車両進入台数の積算値と現在
までにトンネルから出た車両進入台数の積算値との差か
ら現在の前記トンネルの車両走行台数を求め、 この車両
走行台数に基づく2演算式U1 t =(L・ω/a/N t
b ,U2 t =(L・ω/c/N t d ,(N t は現在のトン
ネルの車両走行台数,Lはトンネルの長さ(m),ωは
車線の係数,a,b,c,dは定数)から、係数を変え
た2種類の車速を求め、両車速のうちの小さいものを選
択して時間変化するトンネル内の車両走行台数に基づく
平均車速とする。 この場合、トンネル内の走行車両が車
両走行台数に対して現実に即した特性で求まり、さらに
一層現実に合致したトンネル内の時間変化する汚染物質
濃度の分布が求まり、さらに一層精度の高いトンネル換
気制御が行える。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態につき、汚
染物質を煤煙とした場合を、図1ないし図11を参照し
て説明する。まず、トンネル内の煤煙濃度の拡散方程式
は数1,数2の式で示される。
【0024】つぎに、トンネル内の車両走行台数は、交
通状況に応じて時間変化し、この変化にしたがってトン
ネル内の煤煙濃度の各要因は図1に示すように連鎖的に
変化する。
【0025】同図はトンネル内の車両走行台数の変化に
基づくトンネル内の諸量の変化を模式的に示したもので
あり、第1ステップiとして、トンネル内を走行する車
両台数の増(減)変化が生じると、第2ステップiiのト
ンネル内の車速(平均車速)の減(増)変化が生じる。
【0026】さらに、この車速変化に伴って、第3ステ
ップiii のトンネルの各区間の汚染物質(煤煙)の発生
量の増(減),第4ステップivの各区間の汚染物質(煤
煙)の移動時間の増(減)及び第5ステップvのトンネ
ルへの車両の進入台数の減(増)が生じる。
【0027】そのため、トンネル内の現実に即した煤煙
濃度(汚染物質濃度)の分布状態を求めるには、これら
の時間変化を考慮して拡散方程式を演算する必要があ
る。
【0028】そこで、本形態においては、トンネルへの
交通の計測情報,トンネル内の汚染状態の計測情報及び
気象の計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測
情報により、トンネル内の車両走行台数,平均車速,各
区間の汚染物質発生量,トンネル内の風向及び風速を考
慮した移動の時間変化を演算して求める。
【0029】なお、トンネルへの交通の計測情報は例え
ばトンネルの入口(車両入口)手前等に設けられたトラ
フィックカウンタ等の交通量等の計測値からなり、大型
車,小型車別の単位時間当りの車両台数,平均車速等を
含む。
【0030】また、トンネル内の汚染状態の計測情報
は、VI計,煙霧透過率計等の煤煙濃度計の煤煙濃度,
一酸化炭素分析計(CO計)の一酸化炭素濃度等の測定
値からなり、気象の計測情報は、風向風速計の風向,風
速等の計測情報からなる。
【0031】つぎに、トンネル内の車両走行台数の時間
変化の演算について説明する。この演算においては、ト
ンネルに進入する車両台数の積算値に基づき、長さL
(m)のトンネルを車速Ut (m/sec.)で走行すると
きの所要時間を時定数Tとするつぎの数8の一次遅れあ
るいは数次遅れの指数関数式Et 及びFt 〜Ztで示さ
れるトンネルから出た一次遅れ及び数次遅れの車両台数
の積算値を求める。
【0032】
【数8】 この数8の各式において、It はトンネルへの車両進入
台数の時間変化する積算値であり、時定数Tはつぎの数
9の式で示され、同式中のαは任意の定数である。
【0033】
【数9】 また、例えば一次遅れの関数式Et は、現在までの車両
進入台数の積算値Itと,前回の演算結果Et-1 との差
に基づき、車両進入台数の増減変化を考慮して現在まで
にトンネルから出た車両台数の積算値を求めるものであ
り、二次遅れの関数式Ft は、一次遅れの関数式Et
ら求めた前回のトンネルから出た車両台数の積算値E
t-1 と,前回の演算結果Ft-1 との差に基づき、前回及
び前前回の車両進入台数の増減変化を考慮して現在まで
にトンネルから出た車両台数の積算値を求めるものであ
る。
【0034】さらに、一般に遅れ次数が高くなる程、演
算精度は向上するが処理負担が増大するため、実際に
は、適当な遅れ次数で現在までにトンネルから出た車両
台数の積算値を求める。
【0035】そして、つぎの数10の式により、図2の
Iに示す現在までの車両進入台数の積算値It と,同図
のZに示す現在までにトンネルから出た車両台数の積算
値Zt との差を演算し、現在トンネル内に在存する車両
走行台数Nt を、いわゆる「あいまい」な推定演算から
求める。
【0036】
【数10】 なお、演算精度を向上するため、例えば、大型車,小型
車の別及びディーゼル車,ガソリン車の別に車両走行台
数を求めることが望ましい。
【0037】つぎに、平均車速の時間変化の演算につい
て説明する。この演算においては、現在のトンネルの車
両走行台数を、数10の式から求めた台数Nt 又は、例
えば計測されたトンネルの車両進入台数の差のみから求
めた台数(計測台数)或いはこの台数にニューロ演算や
ファジィ推論を加味して演算した車速等の時間変化する
設定台数とする。
【0038】そして、例えば数10の式から求めた台数
t を現在のトンネルの車両走行台数とする場合、つぎ
の数11の2演算式U1t ,U2t から係数を変えた2
種類の車速を求める。
【0039】
【数11】 数11の2式中のLはトンネルの長さ(m)、ωは車線
の係数、a,b,c,dはトンネル固有の定数又は演算
風速が計測風速に合致するように自動チューニングした
定数である。
【0040】さらに、両演算式U1t ,U2t の車速の
大小比較に基づき、つぎの数12の2式のようにU
t ,U2t の小さいものを選択して時間変化するトン
ネル内の平均車速Ut (数4の式のUtに相当)とす
る。
【0041】
【数12】 但し、Nt ≦0,Nt >Umax の場合は、Ut =Umax
とする。このとき、平均車速Ut は車両走行台数Nt
対して図3の現実に即した特性で求まる。また、この平
均車速Ut から数8の各式の時定数Tが求まる。
【0042】つぎに、トンネル内の各区間の煤煙発生量
(汚染物質発生量)の演算について説明する。この演算
においては、トンネル内の平均車速を、数12の2式か
ら求めた平均車速Ut 又は、計測した車速或いはこの車
速にファジィ推論等を加味して演算した車速等の時間変
化する設定車速とする。
【0043】そして、例えば数12の2式から求めた平
均車速Ut を用いた場合、つぎの数13の式から図4の
煤煙発生量の比率St を求める。
【0044】
【数13】 数13の式中のτは車道勾配%値、Hは標高(m)、e
〜kはトンネル固有の定数又は演算煤煙濃度が計測煤煙
濃度に合致するように自動チューニングした定数であ
る。また、H<jの場合はi=0、St <kの場合はS
t =kとする。
【0045】さらに、大型車,小型車の別及びディーゼ
ル車,ガソリン車の別を考慮したつぎの数14の式から
時間変化するトンネル内の各区間の煤煙発生量,すなわ
ち数1,数2の拡散方程式の時間変化する煤煙量qsm
{=qsm(n,t)}(m3/sec.)を求める。
【0046】
【数14】 数14の式中のLd,Lg,…はつぎの各値であり、 Ld:基準車速で走行したときの大型ディーゼル車1台
当りの煤煙発生量(m3/m/台) Lg:基準車速で走行したときの大型ガソリン車1台当
りの煤煙発生量(m3/m/台) Sd:基準車速で走行したときの小型ディーゼル車1台
当りの煤煙発生量(m3/m/台) Sg:基準車速で走行したときの小型ガソリン車1台当
りの煤煙発生量(m3/m/台) NLd:大型ディーゼル車の走行車両台数(台) NLg:大型ガソリン車の走行車両台数(台) NSd:小型ディーゼル車の走行車両台数(台) NSg:小型ガソリン車の走行車両台数(台) St :煤煙発生量の比率 Ut :平均車速(m/sec.) dt :単位時間(sec.)
【0047】なお、走行車両台数NLd,NLg,NS
d,NSgは、発生量Ld,Lg,Sd,Sgの煤煙発
生源のうちどれ位の煤煙発生源が次の区間に移動するか
を表わす移動係数kで換算したときの台数(台)であ
り、整数とは限らない。そして、移動係数kは、平均車
速Ut (m/sec.),数1,数2の拡散方程式の風向風
速Vr(m/sec.)及び煤煙発生量の演算基準となる基
準車速Ub(m/sec.)に基づくつぎの数15の式から
求まる。
【0048】
【数15】 数15の式中のηは任意の係数である。つぎに、トンネ
ルの各区間の煤煙(汚染物質)発生源の車速と風向き及
び風速を考慮した移動の時間変化の演算について説明す
る。
【0049】この演算は、平均車速Ut と演算又は計測
により得られた風向風速Vrとの下での数14の式から
求めた区間から次の区間への煤煙(汚染物質)発生源の
時間変化する移動量を求める計算であり、具体的には発
生源の移動を発生量の移動に見たてて煤煙量qsmに移
動係数kを乗算し、つぎのようにして移動量を求める。
【0050】すなわち、k≦1のときは図5に示すよう
に、例えば区間n−1に時刻t−1に発生した煤煙qs
m(n−1,t−1)につき、時刻tにはそのk倍の部
分アがつぎの区間nに移動して残りの(1−k)倍の部
分イが区間n−1に残るとしてその移動を求め、他の区
間n,n+1,…についても、同様にしてその移動を求
める。
【0051】また、1≦k≦2のときは図6に示すよう
に、例えば区間n−2に時刻t−1に発生した煤煙qs
m(n−2,t−1)につき、時刻tにはその(k−
1)倍の部分ウがつぎのつぎの区間nに移動して残りの
(2−k)倍の部分エがつぎの区間n−1に移動すると
してその移動を求め、他の区間n,n+1,…について
も、同様にしてその移動を求める。
【0052】つぎに、トンネル内の時間変化する煤煙濃
度(汚染物質濃度)の分布状態の演算について説明す
る。
【0053】前記の各演算から求めたトンネル内の車両
走行台数Nt ,平均車速Ut ,煤煙発生量qsm及びそ
の移動の時間変化に基づき、数1又は数2の拡散方程式
の各区間の煤煙発生量qsmが時間変化するとして、数
1又は数2の拡散方程式からトンネル内の煤煙濃度Cs
m[=Csm(n,t)]の分布状態を求める。
【0054】この場合、トンネル内の煤煙濃度Csmの
分布が時々刻々変化する諸量を考慮して求められ、現実
の分布に極めて近くなり、求められ分布に基づいてトン
ネル内の各換気機器を運転し、トンネル内を換気すれ
ば、汚染物質濃度(煤煙濃度)の拡散方程式を用いて従
来より現実に合致した精度の高いトンネル換気制御が行
える。
【0055】つぎに、演算処理結果について説明する。
例えばトンネル内の風速Vrについては、数3の式の演
算から求めた図7の特性が図8の実測特性に極めて近く
なることが確かめられた。
【0056】そして、数1又は数2の拡散方程式の演算
から求めた図9のトンネル内の煤煙濃度Csmの特性
は、図10の実測特性に極めて近くなり、拡散方程式か
ら極めて精度よく求められることが確かめられた。
【0057】このとき、大型車,小型車の台数及び平均
車速は、図11の実線a,b,及びcに示す特性で変化
するものとした。また、トンネル内風速は、現実には風
圧の局所変動によって必ずしもトンネル内各所で同一に
ならないが、演算風速はトンネルを一つの圧力容器と
し、この容器内で発生する平均風速として求めたもので
ある。
【0058】さらに、トンネル内の汚染物質濃度も、現
実には煤煙の局所的な流動変化等により変動するが、演
算濃度はトンネル内を分割した各区間nx(x=1,
2,3,…)の平均濃度として求めたものである。
【0059】そして、図9及び図10の汚染物質濃度は
光透過率計の百分率値(%)で示し、この値が大きいほ
ど汚染物質濃度が小さく、クリーンな状態であることを
示す。
【0060】ところで、演算の簡素化等を図る場合は、
例えば、トンネル内の車両走行台数を大型車,小型車の
別やディーゼル車,ガソリン車の別等なく求めるように
してもよい。
【0061】また、時間変化するトンネル内の車両走行
台数,平均車速,各区間の汚染物質の発生量,車速と風
向風速を考慮した移動量の少なくともいずれか1つを演
算で求め、その結果に基づき、数1又は数2の拡散方程
式からトンネル内の汚染物質濃度の分布状態を求め、拡
散方程式を用いて時々刻々変化するトンネル内の汚染物
質濃度の分布状態を求めるようにしてもよい。
【0062】その際、例えば平均車速の演算について
は、トンネル内の車両走行台数が、実測等で得られた設
定台数等であってもよいのは勿論である。そして、各演
算はコンピュータにプログラミングして自動的に行うこ
とが望ましい。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以下に説明する効果を奏す
る。請求項1の場合、トンネル内の車両走行台数,平均
車速及び単位区間の汚染物質(煤煙)の発生量,車速と
風向き及び風速を加味したその移動の少なくとも1つの
時間変化を考慮した演算結果に基づき、数1の汚染物質
濃度(煤煙濃度)の拡散方程式の演算から現実に合致し
たトンネル内の時間変化する汚染物質濃度(煤煙濃度)
の分布状態を求めることができ、この分布状態に基づ
き、従来は不可能であった拡散方程式を用いた精度の高
いトンネル換気制御を行うことができる。請求項2の場
合は、トンネル内の走行車両の大型車,小型車の別及び
ディーゼル車,ガソリン車の別を考慮してトンネル内の
汚染物質発生量の時間変化を演算したため、この演算結
果から、より一層現実に合致したトンネル内の時間変化
する汚染物質濃度の分布を求めることができ、この分布
に基づいて一層精度の高いトンネル換気制御を行うこと
ができる。 請求項3の場合は、係数を変えて演算した2
種類の車速のうちの遅いものをトンネル内の平均車速と
して選択したため、トンネル内の平均車速を車両走行台
数に対して現実に即した特性で求めることができ、さら
に一層現実に合致したトンネル内の時間変化する汚染物
質濃度の分布を求め、さらに一層精度の高いトンネル換
気制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形態のトンネル内の車両走行台数の
変化に基づくトンネル内の状態変化の説明図である。
【図2】トンネルを出,入する車両台数の時間変化の特
性図である。
【図3】トンネル内走行車両台数に対する平均車速の特
性図である。
【図4】平均車速に対する汚染物質発生量比率の特性図
である。
【図5】汚染物質発生源の移動の演算の1例の説明図で
ある。
【図6】汚染物質発生源の移動の演算の他の例の説明図
である。
【図7】トンネル内の演算風速の時間変化の特性図であ
る。
【図8】トンネル内の計測風速の時間変化の特性図であ
る。
【図9】トンネル内の演算により求めた汚染物質濃度の
時間変化の特性図である。
【図10】トンネル内の実測された汚染物質濃度の時間
変化の特性図である。
【図11】トンネル内の車両走行台数及び平均車速の時
間変化の特性図である。
【図12】従来の汚染物質濃度の分布状態の演算の説明
図である。
【符号の説明】
t トンネル内の車両走行台数 Ut 平均車速 n+1,n,n−1,n−2,nx 区間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−91198(JP,A) 特開 昭51−73745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21F 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 換気対象のトンネルへの車両の通行量,
    平均速度等の交通の計測情報,前記トンネル内の煤煙濃
    度,一酸化炭素濃度等の汚染状態の計測情報及び風向,
    風速等の気象の計測情報等のトンネル換気に関連した各
    種の計測情報により、 a.前記トンネル内への車両進入台数の積算値に基づく
    前記トンネル内の車両走行台数の時間変化 b.前記トンネル内の車両走行台数に基づく平均車速の
    時間変化 c.前記トンネル内の平均車速に基づく汚染物質発生量
    の時間変化 d.前記トンネル内の平均車速と風向,風速とに基づく
    汚染物質発生源の移動の時間変化 の少なくともいずれか1つを演算し、 該演算の結果に基づき、数1の汚染物質濃度の拡散方程
    式からトンネル内の時間変化する汚染物質濃度の分布状
    態を求めてトンネル内の換気を制御することを特徴とす
    るトンネル換気制御方法。【数1】 x:トンネル内の車道方向距離(m) t:時間(sec.) Csm(x,t):トンネル内を伝搬する煤煙濃度 Vr:風向きを考慮したトンネル車道内風速(風向風
    速)(m/sec.) Dsm:拡散係数(m2/sec.) Ar:トンネル内車道断面積(m2) qsm:トンネル内の単位距離xの区間に発生する単位
    時間当りの煤煙量(m3/sec.)
  2. 【請求項2】 換気対象のトンネルへの車両の通行量,
    平均速度等の交通の計測情報,前記トンネル内の煤煙濃
    度,一酸化炭素濃度等の汚染状態の計測情報及び風向,
    風速等の気象の計測情報等のトンネル換気に関連した各
    種の計測情報 により、 a.前記トンネル内への車両進入台数の積算値に基づく
    前記トンネル内の車両走行台数の時間変化 b.前記トンネル内の車両走行台数に基づく平均車速の
    時間変化 c.前記トンネル内の平均車速に基づき、大型車,小型
    車の別及びディーゼル車,ガソリン車の別による汚染物
    質発生量の時間変化 d.前記トンネル内の平均車速と風向,風速とに基づく
    汚染物質発生源の移動の時間変化 の少なくともいずれか1つを演算し、 該演算の結果に基づき、数1の汚染物質濃度の拡散方程
    式からトンネル内の時間変化する汚染物質濃度の分布状
    態を求めてトンネル内の換気を制御することを特徴とす
    るトンネル換気制御方法。 【数1】 x:トンネル内の車道方向距離(m) t:時間(sec.) Csm(x,t):トンネル内を伝搬する煤煙濃度 Vr:風向きを考慮したトンネル車道内風速(風向風
    速)(m/sec.) Dsm:拡散係数(m 2 /sec.) Ar:トンネル内車道断面積(m 2 qsm:トンネル内の単位距離xの区間に発生する単位
    時間当りの煤煙量 (m 3 /sec.)
  3. 【請求項3】 現在までのトンネルの車両進入台数の積
    算値と現在までに前記トンネルから出た車両進入台数の
    積算値との差から現在の前記トンネルの車両走行台数を
    求め、 該車両走行台数に基づく2演算式U1 t =(L・ω/a
    /N t b ,U2 t =(L・ω/c/N t d ,(N t は現在
    のトンネルの車両走行台数,Lはトンネルの長さ
    (m),ωは車線の係数,a,b,c,dは定数)か
    ら、係数を変えた2種類 の車速を求め、 該両車速のうちの小さいものを選択して時間変化する前
    記トンネル内の車両走行台数に基づく平均車速としたこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2のトンネル換気制
    御方法。
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