JPH10220198A - トンネル換気監視装置 - Google Patents

トンネル換気監視装置

Info

Publication number
JPH10220198A
JPH10220198A JP3307997A JP3307997A JPH10220198A JP H10220198 A JPH10220198 A JP H10220198A JP 3307997 A JP3307997 A JP 3307997A JP 3307997 A JP3307997 A JP 3307997A JP H10220198 A JPH10220198 A JP H10220198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tunnel
ventilation
vehicles
display
monitor display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3307997A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichiro Takada
啓一郎 高田
Norimitsu Kurata
典光 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP3307997A priority Critical patent/JPH10220198A/ja
Publication of JPH10220198A publication Critical patent/JPH10220198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ventilation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車道を換気する際に、トンネル内の汚染
物質の流動分布状態の推移の把握や換気効果の評価が容
易に行えるようにする。 【解決手段】 換気対象の自動車道トンネルの交通量の
計測情報,走行車両の排気ガスに基づく汚染物質濃度の
計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測情報を
収集して演算処理するコンピュータ構成の演算処理装置
3と、この演算処理装置3の監視表示出力を画面表示す
るモニタ表示装置4とを備え、前記演算処理により、自
動車道トンネルの汚染物質の流動分布状態のデータを算
出し、このデータに基づき、横軸,縦軸のいずれか一方
をトンネル車道方向,両軸の他方を汚染物質濃度とする
汚染物質の流動分布状態のグラフ表示出力を監視表示出
力としてくり返し形成し、この監視表示出力により、自
動車道トンネルの汚染物質の流動分布状態をモニタ表示
装置4に動画面でグラフィック表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、換気設備を備えた
自動車道トンネルの煤煙で代表される汚染物質の時々刻
々の流動分布状態を監視するトンネル換気監視装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速道路(有料道路)等の自動車
道トンネルは、走行車両の排気ガスに基づくトンネル内
の煤煙等の汚染物質の濃度を一定以下に維持するため、
多くの場合、換気設備としてジェットファン,ブースタ
ファン,立坑送排風機,集塵機等の換気機器がトンネル
内に適当に配設されている。
【0003】そして、従来は、交通量計(トラフィック
カウンタ)等で得られた車両台数の計測情報に基づき、
例えば、計測車両台数を基にした簡単な演算からトンネ
ル内の時々刻々の車両台数を交通量として求め、この車
両台数の増減により換気機器の運転を制御してトンネル
内が換気される。
【0004】しかし、この従来のトンネル換気にあって
は、トンネル内の車速や風等の影響を十分考慮しないた
め、これらの影響によってトンネル内に偏在する汚染物
質の流動分布状態に則した良好な換気が行われていなか
った。
【0005】そこで、本願出願人はいわゆる拡散方程式
を用いてトンネル内の時々刻々変化する汚染物質の流動
分布状態を算出して求め、この流動分布状態に基づいて
換気機器を運転するトンネル換気制御方法を既に出願し
ている(特願平7−313662号)。
【0006】また、このトンネル換気制御方法に適用す
ることができるトンネル交通量決定方法,トンネル進入
車両台数の計測方法についても出願している(特願平7
−323690号,特願平8−106227号)。
【0007】つぎに、前記既出願のトンネル換気制御方
法を説明する。まず、自動車道トンネル内の換気対象の
汚染物質としては、主に、煤煙と排気ガス一酸化炭素と
があり、トンネル内の適切な換気を行うには、これらの
汚染物質の濃度(通常は一酸化炭素より煤煙の方が問題
となるので以下煤煙濃度という)のトンネル内の分布
を、煤煙濃度(汚染物質濃度)の拡散方程式により求め
て常時監視し、この分布の予測量に応じて換気装置を運
転することが最も望ましい。
【0008】そして、トンネル内の車道方向距離x,時
間tにおける煤煙濃度がその伝搬特性にしたがってCs
m(x,t)になる場合、前記拡散方程式はつぎの数1
の式で示される。
【0009】
【数1】
【0010】数1の式中のx,t,…はつぎの各値であ
る。 x:トンネル内の車道方向距離(m) t:時間(sec.) Csm(x,t):トンネル内を伝搬する煤煙濃度 Vr:風向きを考慮したトンネル車道内風速(風向風
速)(m/sec.) Dsm:拡散係数(m2/sec.) Ar:トンネル内車道断面積(m2) qsm:トンネル内の距離xの区間に発生する単位時間
当りの煤煙量(m3/sec.)
【0011】また、数1の式を、単位距離xの区間nに
おける単位時間dt当たりの煤煙濃度変化量dCsm
(n,t)を求める式に置き換えると、つぎの数2の式
が得られる。
【0012】
【数2】
【0013】数2の式中のトンネル車道内風速Vrは、
トンネルに進入する車両を大型,小型に区別した場合、
つぎの数3の式の演算により決定される。
【0014】
【数3】
【0015】数3の式中のρ,L,…はつぎの各値であ
る。 ρ:空気密度{0.1224(Kgf・s2/m4)} L:トンネル長(m) ΔPt:走行車両による換気圧力(mmAq) ΔPn:自然風による換気圧力(mmAq) ΔPr:車道内抵抗圧力(mmAq) ΔPk:換気装置による昇圧力(mmAq)
【0016】また、一方通行のトンネルの場合、数3の
式のΔPt,ΔPn,ΔPrはつぎの数4,数5,数6
の各式から求まる。なお、上り,下りの対面通行のトン
ネルの場合も同様の式から求まる。
【0017】
【数4】
【0018】数4の式中のAt,Ap,…はつぎの各値
である。 At:大型車の平均前面投影面積(m2) Ap:小型車の平均前面投影面積(m2) ξt:大型車の風抵抗係数 ξp:小型車の風抵抗係数 Nt:大型車のトンネル内の走行台数 Np:小型車のトンネル内の走行台数 Ut:車両のトンネル内の平均車速(m/sec.)
【0019】
【数5】
【0020】数5の式中のζe,λr,…はつぎの各値
である。 ζe:トンネル入り口損失係数 λr:トンネル内壁面摩擦損失係数 Dr:車道代表周長寸法(m) Vn:自然風のみによるトンネル車道内風速(m/se
c.)
【0021】
【数6】
【0022】さらに、換気機器がジェットファンの場
合、数3の式のΔPkはつぎの数7の式から求まる。
【0023】
【数7】
【0024】数7の式中のQj,Ajはつぎの各値であ
る。 Qj:ジェットファン吹き出し風量(m3/sec.) Aj:ジェットファン吹き出し面積(m2
【0025】つぎに、煤煙濃度変化量dCsm(n,
t)を求める数2の式中のトンネル内の各区間n(=
1,2,…)に発生する単位時間当りの煤煙量qsm
(n,t)は、各区間nに存在する車両台数と、好まし
くは、例えば大型車,小型車別及びディーゼル車,ガソ
リン車別の車両単位の煤煙発生量とに基づき、トンネル
の勾配,標高等をも考慮した平均車速での発生量として
求める必要がある。
【0026】そして、数2の式から時々刻々の煤煙濃度
変化量dCsm(n,t)を求めると、拡散方程式から
トンネル内の時々刻々の状態に応じた正確な煤煙濃度分
布がその流動分布状態として求まる。
【0027】ところで、トンネル内を走行する車両はト
ンネル内外の交通状況等に応じて加減速し、これに伴っ
てトンネル内の走行車両台数Nt,Np,平均車速Ut
及び各区間の煤煙量qsm{=qsm(n,t)}等は
時間変化する。
【0028】そして、これらの時間変化を考慮せず、例
えば、トンネル内の車両が全体に一定速度で移動すると
し、煤煙量qsm(n,t)が図7に示すように、時間
の経過とともに入口側の区間1から順に各区間nに一定
速度で移動するとして煤煙濃度変化量dCsm(n,
t)を求めると、求められたトンネル内の煤煙濃度の分
布は実際の濃度分布と大きく異なる。なお、図7の矢印
線は煤煙量qsm(n,t)の移動を示す。
【0029】すなわち、トンネル内の走行車両台数は、
交通状況に応じて時間変化し、この変化にしたがってト
ンネル内の煤煙濃度の各要因は図8に示すように連鎖的
に変化する。
【0030】同図はトンネル内の走行車両台数の変化に
基づくトンネル内の諸量の変化を模式的に示したもので
あり、第1ステップiとして、トンネル内を走行する車
両台数の増(減)変化が生じると、第2ステップiiのト
ンネル内の車速(平均車速)の減(増)変化が生じる。
【0031】さらに、この車速変化に伴って、第3ステ
ップiii のトンネルの各区間の汚染物質(煤煙)の発生
量の増(減),第4ステップivの各区間の汚染物質(煤
煙)の移動時間の増(減)及び第5ステップvのトンネ
ルへの車両の進入台数の減(増)が生じる。
【0032】そのため、トンネル内の現実に即した煤煙
濃度(汚染物質濃度)の分布状態を求めるには、これら
の時間変化を考慮して拡散方程式を演算する必要があ
る。
【0033】そして、トンネルに進入する車両の計測情
報(交通量の計測情報),トンネル内の定点観測された
煤煙濃度の計測情報やトンネル内の気象(風向,風速)
の計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測情報
に基づき、トンネル内の走行車両台数,平均車速,各区
間の汚染物質発生量の他、トンネル内の自然風や換気風
を総合した風向及び風速を考慮した煤煙移動の時間変化
が求まる。
【0034】このとき、トンネルに進入する車両の計測
情報はトンネル入口(車両入口)の数キロメートル手前
に設けた交通量計の単位時間当りの計測値からなり、大
型車,小型車の別に計測するときは、計測情報に大型
車,小型車別の単位時間当りの通過車両台数及びその間
の平均車速を含む。
【0035】また、トンネル内の汚染状態の計測情報
は、トンネル内の1又は複数個所に設置された煤煙濃度
光透過率計(VI計)の煤煙濃度,一酸化炭素分析計
(CO計)の一酸化炭素濃度等の汚染濃度の実測値から
なり、気象の計測情報は、トンネル内の1又は複数個所
に設置された風向風速計の風向,風速等の実測情報から
なる。
【0036】つぎに、トンネル内の走行車両台数の時間
変化の演算について説明する。この演算においては、実
際の交通状況を考慮し、トンネルに進入した車両台数
(進入車両台数)の積算値(累積値)に基づき、長さL
(m)のトンネル内を車速Ut (m/sec.)で走行する
ときの所要時間を時定数Tとし、つぎの数8の一次遅れ
あるいは数次遅れの指数関数式Et 及びFt 〜Zt で示
されるトンネルから出た一次遅れ及び数次遅れの車両台
数の積算値を求める。
【0037】
【数8】
【0038】この数8の各式において、It はトンネル
内に進入したの車両台数の時々刻々の積算値、時定数T
はつぎの数9の式で示され、同式中のαは任意の定数で
ある。
【0039】
【数9】
【0040】そして、一次遅れの関数式Et は、現在ま
での進入車両台数の積算値It と,前回の演算結果E
t-1 との差に基づき、進入車両台数の増減変化を考慮し
て現在までにトンネルから出た車両台数の積算値を求め
るものであり、二次遅れの関数式Ft は、前回及び前前
回の進入車両台数の増減変化を考慮して現在までにトン
ネルから出た車両台数の積算値を求めるものである。
【0041】なお、一般に遅れ次数が高くなる程、演算
精度は向上するが処理負担が増大するため、実際には、
適当な遅れ次数で現在までにトンネルから出た車両台数
の積算値が求められる。
【0042】そして、つぎの数10の式により、図9の
Iに示す現在までの進入車両台数の積算値It と,同図
のZに示す現在までにトンネルから出た車両台数の積算
値Zt との差を演算し、現在トンネル内に在存する走行
車両台数Nt を、いわゆる「あいまい」な推定演算から
求める。
【0043】
【数10】
【0044】このとき、演算精度を向上するため、大型
車,小型車の別及びディーゼル車,ガソリン車の別に走
行車両台数を求めることが望ましい。
【0045】つぎに、トンネル内の平均車速の時間変化
の演算について説明する。現在のトンネル内の走行車両
台数を、例えば数10の式から求めた台数Nt とする場
合、つぎの数11の2演算式U1t ,U2t から係数を
変えた2種類の車速を求める。
【0046】
【数11】
【0047】数11の両演算式中のLはトンネルの長さ
(m)、ωは車線に関する係数、a,b,c,dはトン
ネル固有の定数又は演算風速が計測風速に合致するよう
に自動チューニングした定数である。
【0048】そして、両演算式U1t ,U2t の車速の
大小比較に基づき、つぎの数12の2式に示すようにU
t ,U2t の小さいものを選択して時間変化するトン
ネル内の平均車速Ut (数4の式のUtに相当)とす
る。
【0049】
【数12】
【0050】但し、Nt ≦0,Nt >Umax の場合は、
t =Umax とする。このとき、平均車速Ut は走行車
両台数Nt に対して図10の現実に即した特性で求ま
る。また、この平均車速Ut から数8の各式の時定数T
が求まる。
【0051】つぎに、トンネル内の各区間の煤煙発生量
(汚染物質発生量)の演算について説明する。トンネル
内の平均車速を数12の平均車速Ut とする場合、つぎ
の数13の式から図11の煤煙発生量の比率St を求め
る。
【0052】
【数13】
【0053】数13の式中のτは車道勾配%値、Hは標
高(m)、e〜kはトンネル固有の定数又は演算煤煙濃
度が計測煤煙濃度に合致するように自動チューニングし
た定数である。また、H<jの場合はi=0、St <k
の場合はSt =kとする。
【0054】さらに、例えば大型車,小型車の別及びデ
ィーゼル車,ガソリン車の別を考慮したつぎの数14の
式から時間変化するトンネル内の各区間の煤煙発生量,
すなわち数1,数2の拡散方程式の時間変化する煤煙量
qsm{=qsm(n,t)}(m3/sec.)を求める。
【0055】
【数14】
【0056】数14の式中のLd,Lg,…はつぎの各
値である。 Ld:基準車速で走行したときの大型ディーゼル車1台
当りの煤煙発生量(m3/m/台) Lg:基準車速で走行したときの大型ガソリン車1台当
りの煤煙発生量(m3/m/台) Sd:基準車速で走行したときの小型ディーゼル車1台
当りの煤煙発生量(m3/m/台) Sg:基準車速で走行したときの小型ガソリン車1台当
りの煤煙発生量(m3/m/台) NLd:大型ディーゼル車の走行車両台数(台) NLg:大型ガソリン車の走行車両台数(台) NSd:小型ディーゼル車の走行車両台数(台) NSg:小型ガソリン車の走行車両台数(台) St :煤煙発生量の比率 Ut :平均車速(m/sec.) dt :単位時間(sec.)
【0057】なお、走行車両台数NLd,NLg,NS
d,NSgは、発生量Ld,Lg,Sd,Sgの煤煙発
生源のうちどれ位の煤煙発生源が次の区間に移動するか
を表わす移動係数kで換算したときの台数であり、整数
とは限らない。
【0058】そして、移動係数kは、平均車速Ut (m
/sec.),数1,数2の拡散方程式の風向風速Vr(m
/sec.)及び煤煙発生量の演算基準となる基準車速Ub
(m/sec.)に基づくつぎの数15の式から求まる。
【0059】
【数15】
【0060】数15の式中のηは任意の係数である。つ
ぎに、トンネルの各区間の煤煙(汚染物質)発生源の車
速と風向き及び風速を考慮した移動の時間変化の演算に
ついて説明する。
【0061】この演算は、平均車速Ut と演算又は計測
により得られた風向風速Vrの下での数14の式に基づ
く煤煙発生源の時間変化する移動量を求める計算であ
り、具体的には発生源の移動を発生量の移動に見たてて
煤煙量qsmに移動係数kを乗算し、つぎのようにして
移動量を求める。
【0062】すなわち、k≦1のときは図12に示すよ
うに、例えば区間n−1に時刻t−1に発生した煤煙q
sm(n−1,t−1)につき、時刻tにはそのk倍の
部分アがつぎの区間nに移動して残りの(1−k)倍の
部分イが区間n−1に残るとしてその移動を求め、他の
区間n,n+1,…についても、同様にしてその移動を
求める。
【0063】また、1≦k≦2のときは図13に示すよ
うに、例えば区間n−2に時刻t−1に発生した煤煙q
sm(n−2,t−1)につき、時刻tにはその(k−
1)倍の部分ウがつぎのつぎの区間nに移動して残りの
(2−k)倍の部分エがつぎの区間n−1に移動すると
してその移動を求め、他の区間n,n+1,…について
も、同様にしてその移動を求める。
【0064】そして、換気対象の自動車道トンネルの時
間変化する煤煙(汚染物質)の流動分布状態は、前記の
各演算から求めたトンネル内の走行車両台数Nt ,平均
車速Ut ,煤煙発生量qsm及びその移動の時間変化に
基づき、数1又は数2の拡散方程式の各区間の煤煙発生
量qsmが時間変化するとして、それらの拡散方程式か
ら煤煙濃度Csm[=Csm(n,t)]の分布状態を
求めて得られる。
【0065】この場合、煤煙濃度Csmの分布が、トン
ネル内の交通量,汚染物質濃度や風等の時々刻々変化す
るトンネル内の諸量を考慮して求められ、トンネルが一
方通行,対面通行のいずれであっても、その煤煙の流動
分布状態が現実の分布に極めて近くなる。
【0066】そして、求められた分布に基づいてトンネ
ル内の各換気機器が運転制御されてトンネル内が換気さ
れ、この場合、汚染物質濃度(煤煙濃度)の拡散方程式
を用いて現実の交通状況に即した良好なトンネル換気が
行われる。
【0067】なお、演算の簡素化等を図る場合は、例え
ば、トンネル内の走行車両台数を大型車,小型車の別や
ディーゼル車,ガソリン車の別等なく求めるようにして
もよい。
【0068】また、トンネル内の走行車両台数,平均車
速,各区間の汚染物質の発生量,車速と風向風速を考慮
した移動量の全てを演算で求めなくてもよく、一部は実
測されたものであってもよい。
【0069】つぎに、前記既出願のトンネル交通量決定
方法について説明する。この決定方法は、交通量計(ト
ラフィックカウンタ)が設けられていない場合に、トン
ネルに進入する大型車,小型車の時々刻々の台数を、ト
ンネル内の汚染物質濃度の演算値が実測値に最も近くな
るときの車両台数から求めて決定する方法である。
【0070】そして、決定した大型車,小型車の台数に
基づき、前記と同様にしてトンネル内を換気すると、交
通量計が設けられていない自動車道トンネルにあっても
良好なトンネル換気が行える。
【0071】つぎに、前記既出願のトンネル進入車両台
数の計測方法について説明する。この計測方法は、つぎ
の,,の点を考慮してトンネルに進入した車両台
数を正確に把握し得るようにし、トンネル換気の一層の
向上を図る方法である。
【0072】一般にトンネル内ではトンネル外より車
速が低下する傾向にあり、このトンネル内の車速低下の
影響がトンネル外にも及び、トンネルの手前の交通量計
を通過した車両はその直後よりトンネル入口に近づく
程、遅くなる傾向にある。
【0073】交通量計を通過した各車両は実際の通過
タイミングから交通量計の単位時間の計測が終了するま
での間に、交通量計の地点からそれぞれの車速に応じた
距離だけトンネル入口に近づき、交通量計の計測情報が
得られたときの各車両の位置は、実際には交通量計の地
点からずれる。
【0074】交通量計を通過するときの各車両の車速
は、車両毎に異なり、この車速の相違によってもトンネ
ルに進入するタイミングが車両毎に異なる。
【0075】そして、具体的には、交通量計を単位時間
に通過してトンネルの入口に進む一群の車両の位置の時
間変化を演算してトンネルに進入する車両台数を求める
際、各車両の初期速度を、交通量計での平均車速を中心
とする一定範囲から選択した各車速にそれぞれ設定し、
各車両の初期位置を交通量計の地点から一定範囲内の適
当な位置に設定し、各車両に実際の交通状況に即した個
別の初期速度,初期位置を設定する。
【0076】さらに、各車両の車速及びトンネル入口を
基準にした位置の時間的変化を、トンネルに近づくにし
たがって車速が減速変化することを考慮した所定の減速
変化の式,位置変化の式から推定して検出する。
【0077】そして、位置変化の式から検出した各車両
の位置の時間的変化からそれぞれのトンネル内への進入
を検出し、トンネル内に進入した車両台数を把握する。
【0078】そして、この車両台数の把握に基づき、ト
ンネル内の汚染濃度分布(汚染物質の流動分布状態)を
正確に把握し、この分布に即した最適な換気制御量を算
出し、トンネル内の換気機器の運転を制御して交通状況
に応じた適確なトンネル換気を行う。
【0079】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のトンネル内
の車両台数の増減にしたがって換気機器の運転を制御す
る一般的なトンネル換気にあっては、その監視表示がグ
ラフィカルなものであっても、トンネル内の1又は複数
個所のVI計等によって計測された汚染物質濃度(煤煙
濃度)のグラフを、例えば横軸を時間,縦軸を汚染物質
濃度にとってモニタCRT等の画面に表示する程度であ
り、その表示からはトンネル内の汚染物質濃度の分布状
態,すなわち流動分布状態の推移や換気効果(汚染物質
の除去状況)を容易には把握することができない。
【0080】そして、前記各既出願のようにトンネル内
の時々刻々の汚染物質の流動分布状態を求めて換気機器
を制御する際にも、前記のトンネル内の1又は複数個所
それぞれの汚染物質濃度の時間変化をグラフ表示するの
みでは、同様の問題が生じる。
【0081】本発明は、自動車道トンネルを換気する際
に、トンネル内の汚染物質の流動分布状態の推移の把握
や換気効果の評価が容易に行えるようにすることを課題
とする。
【0082】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明のトンネル換気監視装置においては、換気
対象の自動車道トンネルの交通量の計測情報,走行車両
の排気ガスに基づく汚染物質濃度の計測情報等のトンネ
ル換気に関連した各種の計測情報を収集して演算処理す
るコンピュータ構成の演算処理装置と、この演算処理装
置の監視表示出力を画面表示するモニタ表示装置とを備
え、前記演算処理により、自動車道トンネルの汚染物質
の流動分布状態のデータを算出し、汚染物質の流動分布
状態のデータに基づき横軸,縦軸のいずれか一方をトン
ネル車道方向,両軸の他方を汚染物質濃度とする汚染物
質の流動分布状態のグラフ表示出力を監視表示出力とし
てくり返し形成し、この監視表示出力により、自動車道
トンネルの汚染物質の流動分布状態をモニタ表示装置に
動画面でグラフィック表示する。
【0083】この場合、演算処理装置により時々刻々変
化するトンネル内の汚染物質の流動分布状態のデータが
算出されて求められる。
【0084】さらに、この流動分布状態のデータに基づ
き、例えば横軸をトンネル車道方向,縦軸を汚染物質濃
度とする流動分布状態のグラフ表示出力が監視表示出力
としてくり返し形成される。
【0085】そして、このくり返し形成された時系列の
監視表示出力により、モニタ表示装置に換気対象の自動
車道トンネルの汚染物質の流動分布状態が動画面でグラ
フィック表示される。
【0086】このとき、モニタ表示装置にはトンネル内
の交通や換気等の状況によって時々刻々変化する換気対
象の自動車道トンネルの実際に即した汚染物質の流動分
布状態が、その分布状態の推移が分かるように動画面で
表示される。
【0087】そのため、モニタ表示装置の表示画面から
換気対象の自動車道トンネルのトンネル内の汚染物質の
流動分布状態の推移の把握や換気効果の評価が容易に行
え、さらには、その表示を、手動で換気機器を制御する
際の支援情報として活用することも可能になる。
【0088】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態について、
図1ないし図6を参照して説明する。図1は装置のブロ
ック構成を示し、同図において、1は換気対象の自動車
道トンネルの計測機器ブロックを示し、交通量計(トラ
フィックカウンタ),煤煙濃度光透過率計(VI計),
一酸化炭素濃度計(CO計),風向風速計(WS計)等
のトンネル内外に配置されたそれぞれ1又は複数個のト
ンネル換気に関連した各種の計測機器からなる。
【0089】2は本体ブロックであり、計測機器ブロッ
ク1に接続された演算処理装置3とこの装置3に接続さ
れたモニタ表示装置4とからなり、実際には、例えば図
2に示すコンピュータ装置(ワークステーション)5か
らなる。
【0090】このコンピュータ装置5は本体5a,キー
ボード5b,マウス5c等により演算処理装置3を形成
し、CRT又は液晶の画像表示器5dによりモニタ表示
装置4を形成する。
【0091】つぎに、演算処理装置3は計測機器ブロッ
ク1の各計測機器のアナログ,デジタルの計測情報及び
各換気機器の動作情報を収集するため、その入力処理部
6にアナログ及びデジタルの入出力インタフェース及び
アンプ,フィルタ等の信号処理回路が設けられる。
【0092】さらに、入力処理部6により収集された各
計測情報及び動作情報はA/D変換部7によりデジタル
信号に加工されてCPU(MPU)8に供給される。
【0093】このCPU8は記憶部9のROM等に保持
された例えば図3,図4の換気監視プログラムを実行
し、トンネル内の汚染物質の流動分布状態及び各換気機
器の動作状態の数値データを算出し、この数値データに
基づき、例えば図6に示すトンネル内の汚染物質の流動
分布状態及び換気状況等のグラフ表示出力を監視表示出
力として1分間隔等の所定の時間間隔でくり返し形成す
る。
【0094】そして、現在の状態を表示するモードであ
れば、最新の監視表示出力を出力処理部10を介してモ
ニタ表示装置4に供給し、この表示装置4に、例えば1
分毎に更新される最新の監視表示出力を画面表示し、ト
ンネル内の汚染物質の流動分布状態及び換気状況等を動
画面でグラフィック表示する。
【0095】また、この実施の形態にあっては、過去の
流動分布状態及び換気状況等の表示(履歴表示)も行う
ため、前記数値データ及び監視表示出力は記憶部9のハ
ードディスク等のファイル記憶装置にファイル化して蓄
積保持され、過去トレンド表示が選択されて表示モード
が過去トレンド表示に切換えられると、指定された日時
からの監視表示出力を記憶部9から読出し、トンネル内
の過去の汚染物質の流動分布状態及び換気状況を動画面
で表示する。
【0096】つぎに、CPU8の処理及び表示につい
て、具体的に説明する。まず、図3に示すように例えば
1分間隔でステップS1 の計測情報の取込みが実行さ
れ、各計測機器の計測情報が演算処理装置3に収集され
て取込まれる。
【0097】このとき、同時にトンネル内に分散配置さ
れたブースタファン,ジェットファン,集塵機等の各換
気機器からの現在の実際の動作量等の動作情報も演算処
理装置3に収集されて取込まれる。
【0098】つぎに、ステップS2 の演算処理により、
収集した各計測情報に基づく例えば前記数1又は数2の
拡数方程式の演算から、煤煙濃度Csmの分布状態が求
められてトンネル内の現在の汚染物質の流動分布状態の
データが算出される。
【0099】この流動分布状態のデータは、例えば各区
間のトンネル端からの距離(位置)、前記煤煙濃度Cs
mの分布状態から求まる区間毎の煤煙濃度,各区間の車
両台数及びトンネル内の平均の風向,風速,平均車速
(走行速度)等の数値データからなり、図5に示すよう
に数値ファイルに形成される。
【0100】また、ステップS2 の演算処理により、収
集した各換気機器の動作情報及びそれぞれの動作の指令
情報に基づき、各換気機器の現在の動作状況のデータも
形成される。
【0101】この動作状況のデータは、例えば、各換気
機器のトンネル端からの位置,現在の動作の指令量と実
際の動作量及び指令量,動作量それぞれに基づく換気風
量,風向の数値データからなり、前記の流動分布状態の
データと同様に数値ファイルに形成される。
【0102】なお、各換気機器の動作の指令情報は、例
えば、CPU8の演算結果を利用して各換気機器の運転
制御(換気制御)も行うときは、演算処理装置3又は換
気制御用の第2の演算処理装置により、CPU8で算出
された汚染物質の流動分布状態の推移(時間変化)等か
ら汚染濃度の悪化区間を推定し、この悪化区間の汚染濃
度が低くなるように各換気機器の動作量等を決定して形
成され、その情報がCPU8に取込まれる。
【0103】また、各換気機器の動作の指令情報がこの
換気監視装置と別個の換気制御装置により前記と同様に
して形成されるときは、例えば、各換気機器に取付けた
センサ等により、各換気機器に供給された動作の指令情
報がそれぞれの実際の動作情報とともに収集されてCP
U8に取込まれる。
【0104】そして、ステップS2 の演算処理によって
形成された汚染物質の流動分布状態のデータ及び各換気
機器の動作状況のデータに基づき、ステップS3 のグラ
フ処理により予め設定された図6のグラフ表示形式で汚
染物質の流動分布状態及び各換気機器の動作状況等のグ
ラフ表示出力(画像データ)が監視表示出力として形成
される。
【0105】この監視表示出力は図6に示すように、モ
ニタ表示装置4の監視表示画面4’を、上から順にタイ
トル表示欄a,トンネル内煤煙濃度分布表示欄b,トン
ネル内風向風速表示欄c,トンネル内走行車両台数及び
車速の表示欄d及び換気機器表示欄eに区分し、各表示
欄a〜eにつぎの各表示をするように、形成される。
【0106】まず、タイトル表示欄aは計測時刻,トン
ネルの名称等のタイトル情報を表示する。
【0107】つぎに、トンネル内煤煙濃度分布表示欄b
は、横軸をトンネル車道方向,縦軸を汚染物質濃度(煤
煙濃度),すなわちVI%値とし、各区間の算出された
煤煙濃度を100%から減算して得られた各区間の清浄
度を、0%からの明色部分の高さの変化で表示し、残り
の100%からの暗色部分の高さの変化により、各区間
の算出された煤煙濃度をいわゆる逆階段状グラフで表示
する。なお、同表示欄bの横軸方向のステップ変化する
単位幅が例えば100mの1つの区間を示す。
【0108】また、ここでは監視対象の自動車道トンネ
ルが上り,下りの対面通行のトンネルであるとし、トン
ネルの一端を上り入口,他端を下り入口とし、表示欄b
には表示条件の設定等に基づき、トンネルの全区間又は
一部の区間を表示する。
【0109】そして、表示欄bの明色部分が各区間の清
浄度を示し、暗色部分が各区間の汚染度(汚れの度合
い)を示すため、表示欄bの表示からトンネル内の煤煙
濃度分布すなわち汚染物質の流動分布状態を直ちに把握
できる。
【0110】つぎに、トンネル内風向風速表示欄cは、
その中央を0(基準)にしてトンネル内の平均の風向風
速にしたがって向き及び長さが変化する横棒グラフと、
風向を示す矢印とを表示し、トンネル内の風向風速(気
象状況)を表示する。
【0111】つぎに、表示欄dは横軸が表示欄bの横軸
に一致した区間毎の走行車両台数の表示領域d,と、そ
の左側のトンネル内の車両の走行速度(平均車速)の表
示領域d2 とからなり、両領域d1 ,d2 は上りと下り
とを別々に表示するため、それぞれ上り表示を行う上段
と下り表示を行う下段とに上下2段に分割されている。
【0112】そして、表示領域d1 が上り,下りの各区
間の走行車両台数(0〜15台)を階段グラフ状に表示
し、表示領域d2 が上り,下りの走行速度(0〜150
Km/h)を棒グラフ状に表示し、表示欄dのこれらの表
示により、トンネル内の交通状況を直ちに把握できる。
【0113】つぎに、換気機器表示欄eは横軸が表示欄
b及び表示領域d1 の横軸に一致し、縦軸がその中央を
0%とする動作の指令量,実際の動作量及び風量に設定
され、トンネル内の各換気装置の位置に、それぞれの指
令量,動作量を棒グラフ表示するとともに、指令量,動
作量それぞれの換気に基づく風量及び風向を風量によっ
て高さが変化する風向の向きの矢印によって表示する。
【0114】なお、図6の淡黒色の棒グラフ,矢印が動
作の指令量,この指令量に基づく風量及び風向を示し、
濃黒色の棒グラフ,矢印が実際の動作量,この動作量に
基づく風量及び風向を示す。
【0115】また、図中のBF1,BF2,BF3はブ
ースタファンの換気機の位置を示し、JF1,JF2,
JF3はジェットファンの換気機の位置を示し、EPは
集塵機の換気機の位置を示す。
【0116】そして、換気機器表示欄eの表示により、
トンネル内の換気状況を直ちに把握できる。
【0117】つぎに、図3のステップS4 の保存処理に
より、ステップS2 ,S3 で形成した数値データ及び監
視表示出力をファイル化し、記憶部8のファイル記憶装
置に書込んで蓄積保持する。
【0118】さらに、ステップS5 の表示処理により、
表示モードに応じてトンネル内の現在の状態又は過去の
状態を表示する。
【0119】すなわち、ステップS5 の表示処理は図4
に示すサブステップQ1 〜Q7 からなり、まず、ステッ
プQ1 により過去トレンド表示が選択されているか否か
を判別する。
【0120】そして、過去トレンド表示が選択されてい
なければ、ステップQ1 から ステップQ2 を介してス
テップQ3 のリアルタイム表示処理に移行し、図3のス
テップS3 のグラフ処理で形成した最新の監視表示出力
を出力処理部10により映像信号に変換してモニタ表示
装置4に供給し、この表示装置4に最新の監視表示出力
に基づく図6の監視表示画面4’を表示する。
【0121】そして、ステップQ4 により計測情報のつ
ぎの取込タイミングに達しか否かを判別し、つぎの取込
タイミングになるまでステップQ1 〜Q4 の処理をくり
返す。
【0122】さらに、例えば1分後の計測情報のつぎの
取込みタイミングになると、ステップQ4 から図3のス
テップS1 の計測情報の取込みに移行し、このステップ
1から処理をくり返し、新たな計測情報を取込んで最
新の監視表示出力を形成し、この監視表示出力をファイ
ル化して蓄積保持するとともに、その映像信号をモニタ
表示装置4に供給してその監視表示画面4’の内容を更
新する。
【0123】以上の動作のくり返しにより、モニタ表示
装置4の監視表示画面4’の内容が例えば1分毎に更新
されて変化し、モニタ表示装置4に、交通及び換気の状
況によって時々刻々変化するトンネル内の汚染物質の最
新の流動分布状態が連続した動画面で分り易くグラフィ
ック表示される。
【0124】同時に、トンネル内の交通状況,換気状況
等の最新の変化も連続した動画面で分り易くグラフィッ
ク表示される。
【0125】そして、モニタ表示装置4の動画面の監視
表示により、換気対象の自動車道トンネルの汚染物質の
最新の分布状態の推移の把握及び換気効果の評価が極め
て容易に行える。
【0126】さらに、このグラフィック表示は換気制御
を手動操作で行うときの支援情報等として活用すること
も可能である。
【0127】つぎに、汚染原因の究明や換気制御評価等
のため、トンネル内の以前の状況を振返るときは、キー
ボード操作やマウス操作により、履歴表示(過去トレン
ド表示)が選択されるとともに、表示の開始日時や終了
日時又は時間変化方向(前進/逆戻り)等の過去トレン
ド表示に必要な条件が指定され、これらの選択,指定が
CPU8に通知される。
【0128】このとき、過去トレンド表示の選択に基づ
き、CPU8はステップS5 の表示処理において、図4
のステップQ1 からステップQ5 の過去トレンドの読出
処理に移行し、指定された開始日時の監視表示出力を記
憶部9から読出す。
【0129】さらに、ステップQ6 の過去トレンドの表
示処理により、ステップQ5 で読出した監視表示出力の
映像信号をモニタ表示装置4に供給し、その監視表示画
面4’に指定された開始日時の内容を表示する。
【0130】そして、計測情報のつぎの取込タイミング
に達するまでは、ステップQ6 からステップQ4 を介し
てステップQ1 に戻り、このステップQ1 からステップ
2を介してステップQ7 の過去トレンドの読出処理に
移り、このステップQ7 により表示中の監視表示出力の
直前又は直後の監視表示出力を記憶部9から読出す。
【0131】さらに、ステップQ7 からステップQ6
移行し、このステップにより監視表示画面4’の表示内
容を1つずつ前又は後の内容に更新する。
【0132】また、計測情報の取込タイミングになる
と、ステップQ6 からステップQ4 を介して図3のステ
ップS1 に移行し、ステップS1 〜S3 により新たな計
測情報に基づく最新の監視表示出力を形成して蓄積記憶
した後、ステップS4 に戻り、再びステップQ1
2 ,Q7 ,Q6 ,Q4 のループにより、監視表示画面
4’の表示内容を1つ前又は後の内容に更新する。
【0133】以上の動作のくり返しにより、トンネル内
の以前の汚染物質の流動分布状態の推移や換気効果が時
間変化を順行又は逆行させて連続した動画面でグラフィ
ック表示され、汚染原因の究明等が容易に行える。
【0134】ところで、監視表示画面4’の表示は白黒
又はカラーのいずれであってもよく、カラー表示のとき
は、例えば図6の淡黒色,濃黒色をそれぞれ見易い適当
な色に着色すればよい。
【0135】また、監視表示画面4’の表示欄b,e及
び表示領域d1 の横軸方向にトンネル車道の一部の区間
を表示するときは、例えば、監視表示出力としてトンネ
ル車道を分割した複数ベージの監視表示出力を形成し、
その表示の際に、いわゆるページ選択で表示区間を変え
るようにすればよい。
【0136】さらに、換気対象の自動車道トンネルは上
り又は下りの一方通行のトンネルであってもよく、この
場合は、監視表示画面4’の表示欄dの表示領域d1
2に上り又は下りの一方の表示が行われる。
【0137】つぎに、前記実施の形態においては、監視
表示画面4’に表示欄bの汚染物質の流動分布状態だけ
でなく、表示欄b,c,dの風向風速,交通状況,換気
機器の動作状況も表示するようにしたが、最も簡単に
は、監視表示画面4’に表示欄bの汚染物質の流動分布
状態のみを表示すればよい。
【0138】また、各表示欄b〜eの縦軸と横軸とを逆
にし、例えば表示欄bにおいて、横軸をVI%値,すな
わち汚染物質濃度,縦軸をトンネル車道方向にしてもよ
い。
【0139】つぎに、この換気監視装置に換気制御機能
を付加して換気制御とその監視を行うときは、具体的に
は、例えば本体ブロック2に換気制御の入出力ポートを
付加するとともに、CPU8又は換気制御用の演算処理
装置のCPUにより、CPU8で形成した各種数値デー
タ等に基づき、汚染物質の流動分布状態の推移等から汚
染状態が悪化した区間(悪化区間)を予測検出し、この
検出結果と各換気機器の動作状況等により、悪化区間の
汚染濃度が低下するように各換気機器の動作の指令量を
可変制御し、その制御信号を換気制御の入出力ポートか
ら各換気装置に供給すればよい。
【0140】一方、既に換気制御装置がトンネルに設備
されているような場合は、例えば、計測機器ブロック1
の各計測機器に既設の機器を流用することができる。そ
して、CPU8の換気監視の処理手順は図3,図4の構
成に限るものではない。
【0141】また、交通量計が設けられていない自動車
道トンネルにあっては、例えば、前記既出願のトンネル
交通量決定方法によりトンネルに進入する車両台数を決
定して汚染物質の流動分布状態を算出すればよく、精度
の向上を図るときは前記既出願のトンネル進入車両台数
の計測方法によりトンネルに進入する車両台数を決定し
て汚染物質の流動分布状態を算出すればよい。
【0142】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。演算処理装置3により換気対象の自動車道トンネル
の時々刻々変化するトンネル内の汚染物質の流動分布状
態のデータが算出されて求められる。
【0143】さらに、この流動分布状態のデータに基づ
き、横軸,縦軸の一方をトンネル車道方向,その他方を
汚染物質濃度とする流動分布状態のグラフ表示出力が監
視表示出力としてくり返し形成される。
【0144】そして、このくり返し形成された時系列の
監視表示出力によりモニタ表示装置4に換気対象の自動
車道トンネルの汚染物質の流動分布状態を動画面でグラ
フィック表示することができる。
【0145】このとき、モニタ表示装置4にトンネル内
の交通や換気等の状況によって時々刻々変化する換気対
象の自動車道トンネルの実際に即した汚染物質の流動分
布状態が、その分布状態の推移が分かるように動画面で
表示できるため、モニタ表示装置4の表示画面から、換
気対象の自動車道トンネルのトンネル内の汚染物質の流
動分布状態の推移の把握や換気効果の評価が容易に行
え、さらには、その表示を、手動で換気機器を制御する
際の支援情報として活用することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態のブロック図である。
【図2】図1の本体ブロックを形成するコンピュータ装
置の正面図である。
【図3】図1の処理を説明する第1フローチャートであ
る。
【図4】図1の処理を説明する第2のフローチャートで
ある。
【図5】図1の算出されたデータの1例の説明図であ
る。
【図6】図1の監視表示画面の1例の説明図である。
【図7】トンネル内の汚染濃度分布の演算の説明図であ
る。
【図8】走行車両台数の変化に基づくトンネル内の状態
変化の説明図である。
【図9】トンネルの進入車両台数の時間変化の1例の説
明図である。
【図10】トンネル内の走行車両台数と平均車速の特性
図である。
【図11】トンネル内の平均車速と汚染物質発生量比率
の特性図である。
【図12】トンネル内の汚染物質発生源の移動の演算の
1例の説明図である。
【図13】トンネル内の汚染物質発生源の移動の演算の
他の例の説明図である。
【符号の説明】
3 演算処理装置 4 モニタ表示装置 4’監視表示画面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 換気対象の自動車道トンネルの交通量の
    計測情報,走行車両の排気ガスに基づく汚染物質濃度の
    計測情報等のトンネル換気に関連した各種の計測情報を
    収集して演算処理するコンピュータ構成の演算処理装置
    と、 前記演算処理装置の監視表示出力を画面表示するモニタ
    表示装置とを備え、 前記演算処理により、 前記自動車道トンネルの前記汚染物質の流動分布状態の
    データを算出し、 前記汚染物質の流動分布状態のデータに基づき横軸,縦
    軸のいずれか一方をトンネル車道方向,前記両軸の他方
    を汚染物質濃度とする前記汚染物質の流動分布状態のグ
    ラフ表示出力を前記監視表示出力としてくり返し形成
    し、 前記監視表示出力により、 前記自動車道トンネルの前記汚染物質の流動分布状態を
    前記モニタ表示装置に動画面でグラフィック表示するよ
    うにしたことを特徴とするトンネル換気監視装置。
JP3307997A 1997-01-31 1997-01-31 トンネル換気監視装置 Pending JPH10220198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3307997A JPH10220198A (ja) 1997-01-31 1997-01-31 トンネル換気監視装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3307997A JPH10220198A (ja) 1997-01-31 1997-01-31 トンネル換気監視装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10220198A true JPH10220198A (ja) 1998-08-18

Family

ID=12376707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3307997A Pending JPH10220198A (ja) 1997-01-31 1997-01-31 トンネル換気監視装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10220198A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103233763A (zh) * 2013-04-26 2013-08-07 河海大学 一种地下工程施工期有害气体监测系统及方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103233763A (zh) * 2013-04-26 2013-08-07 河海大学 一种地下工程施工期有害气体监测系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112113912B (zh) 一种柴油车排放遥感大数据监测系统及监测方法
Coelho et al. Effect of roundabout operations on pollutant emissions
US7454962B2 (en) Fuel consumption evaluation system
Hellinga et al. Assessing expected accuracy of probe vehicle travel time reports
JP4175312B2 (ja) 交通情報予測装置
KR101530636B1 (ko) 단위구간 안의 차량의 수를 계수하여 교통밀도를 산출하는 장치 및 방법
JP2011003002A (ja) エンジン作動時排出物質の排出量計算装置及びプログラム
JPH11328571A (ja) 交通路網上の交通状況を求める方法及び装置
CN101235724A (zh) 高速公路毗邻隧道联动通风控制方法
Kühlwein et al. Traffic measurements and high-performance modelling of motorway emission rates
JPH10220198A (ja) トンネル換気監視装置
JP2001101561A (ja) 公害量推測装置及び公害量予測装置並びにこれを用いた道路交通管制装置
CN115659805B (zh) 一种基于大数据的空气污染的数学模型的建立方法
JP3092498B2 (ja) トンネル換気制御方法
JP3778539B2 (ja) トンネル内車両走行制御方法及びその装置
JP3807332B2 (ja) トンネル交通量決定方法
JP2001155283A (ja) 交通・環境データ処理システム及び処理方法
JP2000027600A (ja) 道路トンネルの換気システム
JP2967680B2 (ja) 換気自動制御装置
JP3248422B2 (ja) トンネル進入車両台数の計測方法
JPH08161686A (ja) 感知器データを用いる渋滞計測方法
JPH02230499A (ja) 交通流計測装置
JP2003049600A (ja) 道路トンネルの換気制御装置
US20230001933A1 (en) Method And System For Evaluating A Driving Behavior
JP2003242590A (ja) 走行車両推定方法