JP3092278U - 起毛ニット - Google Patents

起毛ニット

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JP3092278U
JP3092278U JP2002005299U JP2002005299U JP3092278U JP 3092278 U JP3092278 U JP 3092278U JP 2002005299 U JP2002005299 U JP 2002005299U JP 2002005299 U JP2002005299 U JP 2002005299U JP 3092278 U JP3092278 U JP 3092278U
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雅二 貝畑
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カイタック株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性を向上させると共に、吸水加工の耐久
性を向上させることができるようにした起毛ニットを提
供する。 【解決手段】 表面にポリエステル繊維あるいはアクリ
ル繊維からなる起毛糸12が配されると共に、裏面に綿
からなる地糸14が配され、前記表裏面に染色と同時に
吸水加工が施された編組織、より具体的には、起毛工程
の前に行なわれる染色工程において染料と一緒に吸水剤
が炊き込まれ、浸染による吸水加工が施された編組織か
らなる起毛ニット(フリース)10とする。

Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【考案の属する技術分野】 この考案は起毛ニットに関し、より具体的には、ポリエステル繊維やアクリル 繊維などの化学繊維を起毛させた起毛ニット、いわゆるフリースに関する。 【0002】 【従来の技術】 近年、軽量で温かく、価格も安価なことから、カジュアル・ウエアやアウトド ア・ウエアの素材として化学繊維を起毛させてシャーリング・カットを施した起 毛ニット、いわゆるフリースの需要が増加している。フリースは、米国のモルデ ン・ミルス(Malden Mills)社が開発したポリエステル繊維を使用した起毛ニッ ト(商標名「ポーラテック」)であり、現在はポリエステル繊維以外にも、より 羊毛の質感に近いアクリル繊維なども多く使用されている。 【0003】 上記したように、フリースは軽量で温かく価格も安価なことから、カジュアル ・ウエアやアウトドア・ウエアの素材に非常に適しているが、化学繊維によって 編成されているため、吸水性が悪く、パジャマなどの肌に直接触れる衣服の素材 としてはあまり適しているとは言えなかった。このため、従来より、地糸に吸水 性の高い綿糸を使用したり、生地に吸水加工を施すことが提案されている。 【0004】 【考案が解決しようとする課題】 一般にフリースは、生機(ポリエステル繊維やアクリル繊維を用いて両面パイ ル編、あるいは片面パイル編して得た編地)を染色した後、編地から突出したパ イルを起毛して所望の長さにシャーリング・カットし、仕上げ処理を施して完成 される。 【0005】 ここで、吸水加工は、通常、仕上げ前のパッド工程において生地を吸水剤に浸 漬することによって行なわれる。しかしながら、ポリエステル系のフリースにあ っては、その前の起毛工程において起毛性を向上させるためのパラフィン(ろう )を含有した起毛剤を使用するため、吸水剤が浸透し難くなり、所望の吸水性が 得られないと共に、吸水加工の耐久性が低下する(吸水性が長期間にわたって継 続しない)という問題があった。 【0006】 従って、この考案の目的は上記した課題を解決し、吸水性を向上させると共に 、吸水加工の耐久性を向上させることができるようにした起毛ニットを提供する ことにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決するために、この考案に係る起毛ニットにあっては、表面に ポリエステル繊維あるいはアクリル繊維からなる起毛糸が配されると共に、裏面 に綿からなる地糸が配され、前記表裏面に染色と同時に吸水加工が施された編組 織からなるように構成した。 【0008】 表面にポリエステル繊維あるいはアクリル繊維からなる起毛糸が配されると共 に、裏面に綿からなる地糸が配され、前記表裏面に染色と同時に吸水加工が施さ れた編組織からなるように構成した、より具体的には、起毛工程の前に行なわれ る染色工程において染料と一緒に吸水剤が炊き込まれ、浸染による吸水加工が施 された編組織からなるように構成したので、吸水性を向上させることができると 共に、吸水加工の耐久性も向上させることができる。 【0009】 【考案の実施の形態】 以下、添付図面を参照してこの考案の一つの実施の形態に係る起毛ニットを説 明する。 【0010】 図1はこの実施の形態に係る起毛ニット、より具体的には、フリースを示す断 面図である。図示の如く、フリース10は、表面にポリエステル繊維からなる起 毛糸12が配されると共に、裏面に綿からなる地糸14が配された編組織からな る。尚、フリース10は、具体的にはパジャマの素材として使用される。 【0011】 起毛糸12は、具体的には0.3から1.5デニールのポリエステル長繊維で あり、より具体的には、150d/144fのポリエステルフィラメントから編 成される。また、地糸14は、具体的には30/1番手の綿糸である。 【0012】 以下、図2を参照して図1に示すフリース10の製作工程について説明すると 、先ず、上記したポリエステルフィラメントと綿糸を口径26インチ、20ゲー ジのシンカーパイル編機でパイル編し、生機を得る。生機は、丸まった状態のま ま、開反せずに加工釜(高圧液流染色機)に投入される。 【0013】 次いで、加工釜において過酸化水素水を用いて精錬漂白すると共に、ニッティ ングオイルなどを取り除く。これにより、生地が水分を吸収し易くなる。次いで 、分散染料で疎水性のポリエステルサイドを染色する。このとき、吸水柔軟剤( 例えばオリゴマー樹脂)を分散染料と一緒に投入し、炊き込む。これにより、生 地が染色されると共に、浸染による吸水加工が施される。 【0014】 次いで、生地を加工釜から取り出し、パイルが起毛しやすくなるように完全に 乾燥させる。次いで、パイルを起毛し、起毛したパイルを所望の長さにシャーリ ング・カットする。このとき、起毛性を向上させるために任意の起毛剤を使用す る。また、滑らかな起毛感となるように、かかる工程を複数回繰り返してシャー リング(毛刈)を均一にする。 【0015】 次いで、生地を開反して平らな布状にする。起毛後に開反するのは、起毛など によって生地が伸びることを防止するためである。最後に、仕上げ(柔軟加工と 縦方向への生地の押し込み)を行い、目付230から240g/m2 の編組織か らなるフリース10を得る。 【0016】 尚、仕上げにおいて、生地の吸水性を低下させないよう、撥水作用のある仕上 げ剤は用いないようにする。 【0017】 図3は、上記のようにして得たフリース10(実施例1と示す)と、この考案 の出願時に一般に市販されていたフリース(比較例1から4)の帯電性に関する データ、ならびに吸水性に関するデータを比較して示す表である。尚、比較例1 は、この考案に係るフリース10と同様に裏面に綿が配されたフリースであり、 比較例2から4は、いずれも表裏面共にポリエステルなどの化学繊維が配された フリースである。 【0018】 試験方法は、吸水性に関する試験が「JIS−L−1907 吸水速度A法」 であり、具体的には、生地に0.4mlの水滴を垂らし、その水滴が布に吸収さ れて水玉の共鳴反射が無くなるまでの時間を測定したものである。また、帯電性 に関する試験は「JIS−L−1094 摩擦帯電圧測定法 20℃ Cx40 %」であり、具体的には、円柱の側面(円周面)に生地を張りつけ、張りつけた 生地が摩擦布(綿布)に接触する(こすり合わされる)ように前記円柱を毎分4 00回転で1分間回転させたときの帯電圧と、その後、生地を摩擦布に接触させ ないでさらに1分間回転させたときの帯電圧を測定したのもである。また、「初 期」とは、完成時の性質(初期の性質)を維持している生地に対する試験結果を 示し、「処理後」とは、「JIS−L0217 103法」に規定される洗濯処 理(5回繰り返し。吊干し)を行なった生地に対する試験結果を示す。 【0019】 図3に示すように、この考案に係るフリース10(実施例1)にあっては、水 滴が生地に吸収されて水玉の共鳴反射がなくなるまでに要する時間が1秒であっ たのに対し、比較例1から4は、いずれも3600秒以上、即ち、1時間以上の 時間を要した。このことから、この考案に係るフリース10の吸水性が、従来品 に比して著しく向上していることがわかる。一般に、吸水性が有ると判断される 目安はおよそ10秒であることから、この考案に係るフリース10は非常に吸水 性が高いと言うことができる。また、洗濯処理後においても、共鳴反射がなくな るまでに要する時間が1秒のままであり、吸水加工の耐久性が非常に高いことが わかる。 【0020】 また、同図に示すように、この考案に係るフリース10にあっては、開始1分 後の帯電圧が620V、停止1分後の帯電圧が16Vと、共に帯電する電圧が低 かった。一般に、帯電性に関する評価基準(電圧値)は、開始1分後で2000 V以内、停止1分後で500V以内(いずれも「初期」における値)で良好とさ れるので、この考案に係るフリース10は、帯電性に関しても優れた性質を備え ていると言うことができる。尚、冬場の乾燥した時期に静電気が多く発生するこ とからわかるように、帯電性は、生地に水分を保持させることによって改善する ことができる。即ち、この考案に係るフリース10の帯電性に関する優れた性質 は、高い吸水性に起因したものと言える。 【0021】 以上のように、この実施の形態に係るフリース10にあっては、表面にポリエ ステル長繊維からなる起毛糸12が配されると共に、裏面に綿からなる地糸14 が配され、前記表裏面に染色と同時に吸水加工が施された編組織からなるように 構成した、より具体的には、起毛工程の前に行なわれる染色工程において染料と 一緒に吸水剤が炊き込まれ、浸染による吸水加工が施された編組織からなるよう に構成したので、吸水性を向上させることができると共に、吸水加工の耐久性も 向上させることができる。さらに、帯電性に関しても優れた性質を備えることが できる。 【0022】 従って、この考案に係るフリース10は、アウターのみならず、肌に直接触れ る衣服の素材としても非常に適している。例えば、この考案に係るフリース10 を用いて製作したパジャマは、軽量で温かく、寝汗を良く吸収し、さらには静電 気の発生を抑制した着心地の非常に優れたものとなる。 【0023】 尚、上記において、起毛糸12をポリエステル長繊維としたが、アクリル短繊 維であっても良い。また、糸の太さや生地の目付、編機の種類など、上記の具体 例に限られるものではないことは言うまでもない。 【0024】 【考案の効果】 この考案に係る起毛ニット(フリース)にあっては、表面にポリエステル繊維 あるいはアクリル繊維からなる起毛糸が配されると共に、裏面に綿からなる地糸 が配され、前記表裏面に染色と同時に吸水加工が施された編組織からなるように 構成した、より具体的には、起毛工程の前に行なわれる染色工程において染料と 一緒に吸水剤が炊き込まれ、浸染による吸水加工が施された編組織からなるよう に構成したので、吸水性を向上させることができると共に、吸水加工の耐久性も 向上させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の一つの実施の形態に係る起毛ニット
(フリース)を示す断面図である。 【図2】図1に示す起毛ニットの製作工程を示す工程図
である。 【図3】図1に示す起毛ニット(実施例1)と従来品
(比較例1から4)の帯電性ならびに吸水性に関するデ
ータを比較して示す表である。 【符号の説明】 10 起毛ニット(フリース) 12 起毛糸(ポリエステル繊維あるいはアクリル繊
維) 14 地糸(綿)

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 表面にポリエステル繊維あるいはアクリ
    ル繊維からなる起毛糸が配されると共に、裏面に綿から
    なる地糸が配され、前記表裏面に染色と同時に吸水加工
    が施された編組織からなることを特徴とする起毛ニッ
    ト。
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