JP3092055B2 - 閉油圧回路構成の負荷上下装置に於ける下降増速装置 - Google Patents

閉油圧回路構成の負荷上下装置に於ける下降増速装置

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JP3092055B2 JP08344916A JP34491696A JP3092055B2 JP 3092055 B2 JP3092055 B2 JP 3092055B2 JP 08344916 A JP08344916 A JP 08344916A JP 34491696 A JP34491696 A JP 34491696A JP 3092055 B2 JP3092055 B2 JP 3092055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンの巻上系
や俯仰系等の負荷荷重を閉油圧回路により上下動させる
負荷上下装置に於いて、負荷荷重を速く下降させる下降
増速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、閉油圧回路構成の負荷上下装置と
して、図1のような原動機aで駆動される可変容量型可
逆吐出ポンプbと、例えばウインチのドラムcを回転さ
せて負荷dを上下させる可変容量型油圧モータeとを閉
油圧回路fで接続したものが知られている。該閉油圧回
路fを構成する負荷上昇側回路gから負荷下降側回路h
へメインリリーフ弁iを介して接続し、該負荷下降側回
路hへ該可逆吐出ポンプbと共に駆動されるブーストポ
ンプjからの吐出量が供給される。kはブーストリリー
フ弁、lは圧力検出器、mは該可逆吐出ポンプbの容量
制御装置nを操作するコントローラである。該可逆吐出
ポンプbから負荷上昇側回路gへ吐出させると、該油圧
モータeが負荷dを上昇させるべく回転し、負荷下降側
回路hへ吐出させると、該油圧モータeは負荷荷重を保
持しながら回転して負荷dが降下する。
【0003】また、クレーンなどでは、巻上・俯仰の油
圧回路のほかに、クレーンを旋回させるために図2に示
すような旋回用油圧モータoと油圧ポンプpを開回路で
結んだ油圧回路qが設けられるのが一般である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した閉油圧回路f
で負荷dを下降させるときは、該可逆吐出ポンプbから
動力を供給する必要がないため、負荷dを上昇させると
きよりも高速で作動させることを要求される場合があ
り、この要求を該油圧モータeの押し除け容積を小さく
することにより対応している。
【0005】しかし、該油圧モータeで負荷dを保持す
るときの圧力Pは、負荷dの荷重Wを該油圧モータeの
押し除け容積QMで除した値(W/QM)に比例し、その
圧力Pは閉油圧回路fを構成するリリーフ弁等の機器の
定格圧力によって上限値が規制されるため、負荷dの荷
重Wが大きいときに該油圧モータeの押し除け容積QM
を小さくすると、負荷dを保持する圧力Pが高圧になっ
てその上限値に達し、負荷dを保持できなくなる。その
ため、圧力検出器lで圧力を検出し、荷重Wが軽負荷の
ときのみ該油圧モータeの押し除け容積QMを小さく
し、負荷dの下降を図3に示すように高速で行うように
している。負荷dの下降速度は、コントローラmにより
斜板傾転角等を作動させる容量制御装置nを油圧式、電
気式或いは機械式に制御して調整され、該ポンプb、モ
ータeに生じるリークは、ブーストポンプjにより補充
される。
【0006】従って、従来の閉油圧回路fでは負荷dの
荷重Wが大きいときに高速で下降が出来ない欠点があ
り、その下降速度を大きくするには該ポンプbに押し除
け容積の大きい大型のものを採用する必要があり、これ
は装置の価格を上昇させることになって好ましくない。
また、該負荷の荷重Wが大きな時に、圧力検出器lから
誤った信号が出力されて油圧モータeの押し除け容積を
小さくしてしまうと、負荷dを保持する圧力が高圧にな
り、機器保護用のメインリリーフ弁iが開弁し、負荷を
保持することが出来ず、負荷が落下して好ましくない。
しかもポンプb、モータeのリークを補正して吸入圧を
確保するためのブーストポンプjが必要で、装置が高価
になる。
【0007】本発明は、下降する負荷速度を増速するた
めの構成が簡単で安価な閉油圧回路構成の負荷上下装置
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、原動機で駆
動される可変容量型可逆吐出ポンプと負荷を上下させる
可変容量型油圧モータを閉油圧回路にて接続し、該閉油
圧回路を構成する負荷上昇側回路から負荷下降側回路へ
流体の流出を許容するメインリリーフ弁を設けると共に
該負荷下降側回路にブーストリリーフ弁を設けた負荷上
下装置に於いて、該負荷下降側回路に該負荷上下装置以
外の油圧装置の排出回路を接続し、該負荷上昇側回路を
流量制御弁を介してタンクへ接続すると共に該流量制御
弁の制御流量及び該可逆吐出ポンプの押し除け容積を大
小に制御するコントローラを設けることにより、上記の
目的を達成するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】図面に基づきクレーンに適用した
本発明の実施の形態を説明すると、図4に於いて符号1
は内燃エンジン等の原動機2により駆動される可変容量
型可逆吐出ポンプ、3はドラム4を回転させて負荷5を
上下させる可変容量型油圧モータを示し、これらのポン
プ1及びモータ3は閉油圧回路6により接続される。該
閉油圧回路6は、負荷上昇側回路6aと負荷下降側回路
6bとで構成され、該負荷上昇側回路6aにはその圧力
が設定圧力になったとき該回路6aから負荷下降側回路
6bへ流体の流出を許容するメインリリーフ弁7を設
け、該負荷下降側回路6bにその圧力が設定圧力になっ
たとき流体を排除するブーストリリーフ弁8が設けられ
る。9は該ポンプ1の容量制御装置10を操作してその
押し除け容積を可変するコントローラである。
【0010】以上の構成は従来の閉油圧回路構成の負荷
上下装置と特に変わりがないが、本発明では該負荷5の
下降を増速するために、該負荷下降側回路6bに該負荷
上下装置以外の油圧装置11の排出回路16を接続し、
該負荷上昇側回路6aを可変式の流量制御弁14を介し
てタンク15へ接続すると共に該コントローラ9に該流
量制御弁14及び該可逆吐出ポンプ1の容量制御装置1
0を接続し、該コントローラ9の操作で該流量制御弁1
4の通過流量及びポンプ1の押し除け容積を同時に或い
は個別に大小に変更するようにした。一般にクレーンの
場合、クレーンの旋回用の油圧装置が負荷上下装置以外
に設けられ、この油圧装置に設けられる油圧ポンプは該
可逆吐出ポンプ1と略同容量であることが多いので、こ
の油圧装置の油圧ポンプ12にアクチュエータ17及び
開閉弁13を介してつながる排出回路16を上記のよう
に接続し、その排出量を負荷上下装置に利用することが
できる。該コントローラ9は例えば操作レバーで構成さ
れ、その操作量は、油圧式、電気式或いは機械式で流量
制御弁14と容量制御装置10に伝達される。
【0011】その作動を説明すると、負荷5を上昇させ
る場合、該可逆吐出ポンプ1から負荷上昇側回路6aへ
吐出させると共に油圧装置11の油圧ポンプ12を駆動
させる。該コントローラ9を流量制御弁14の制御流量
をゼロにするように操作し、該可逆吐出ポンプ1の吐出
量を該油圧モータ3に供給すると、該油圧モータ3が回
転して負荷5が上昇する。その上昇速度の制御は、コン
トローラ9で該可逆吐出ポンプ1の容量制御装置10を
操作し、その容量を大小に制御することにより行われ
る。負荷下降側回路6bには油圧装置11からの排出量
が流入するので、該可逆吐出ポンプ1はキャビテーショ
ン状態になることがなく、過剰な流量はブーストリリー
フ弁8からタンク15へ排出される。
【0012】該負荷5を下降させる場合、該可逆吐出ポ
ンプ1から負荷下降側回路6bへ吐出させ、コントロー
ラ9により流量制御弁14の制御流量と該可逆吐出ポン
プ1の吐出量を設定操作することにより任意の速度で負
荷5を下降させることが出来、該油圧モータ3の押し除
け容積を変更する必要はない。負荷5の下降時は、その
荷重Wにより油圧モータ3が回転され、過剰回転しない
ように負荷上昇側回路6aの圧力を制御しながら行われ
るが、もし、荷重の大きい負荷5を低速で下降させると
きは、例えば該流量制御弁14を少し開き、該可逆吐出
ポンプ1の吐出量を少なくして従来と同様の制御性で下
降させることができる。また、荷重の大きい負荷5を上
昇時以上に高速で下降させる増速下降時には、流量制御
弁14の制御流量を大きくするように大きく開き、該可
逆吐出ポンプ1の吐出量も大きくする。このとき負荷下
降側回路6bにはキャビテーションにならないように大
量の流量が必要になるが、該回路6bには2台のポンプ
1、12から流量が供給されるので、閉油圧回路6の可
逆吐出ポンプ1の押し除け容積が小さくても負荷荷重を
保持しながら高速で負荷5を下降させることができる。
【0013】該可逆吐出ポンプ1の押し除け容積及び流
量制御弁14の制御流量は、例えば図6や図7に示す関
係を持つようにコントローラ9により任意に設定でき、
その操作により図5に示すように、荷重の大小に係わら
ず下降速度を任意に制御できる。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、負荷
上下装置の閉油圧回路を構成する負荷下降側回路に該負
荷上下装置以外の油圧装置の排出回路を接続し、該閉油
圧回路の負荷上昇側回路を流量制御弁を介してタンクへ
接続すると共に該流量制御弁の制御流量及び該可逆吐出
ポンプの押し除け容積をコントローラで制御するように
したので、該閉油圧回路の可逆吐出ポンプに押し除け容
積が小さい安価なものを使用して荷重の大きな負荷を高
速で下降させることが出来、該閉油圧回路の油圧モータ
の押し除け容積を変更する必要がないから、負荷の最大
荷重に対して適当な押し除け容積を選択できるから負荷
落下のおそれもなく、ブーストポンプが不要で装置価格
を安くでき、コントローラの操作性を損なわずに性能を
向上させ得る等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の負荷上下装置の線図
【図2】旋回装置の回路の線図
【図3】従来の負荷荷重と負荷降下速度の関係の線図
【図4】本発明の実施の形態を示す線図
【図5】本発明に於ける負荷荷重と負荷降下速度の関係
を示す線図
【図6】本発明に於けるコントローラ操作量と制御量の
関係図
【図7】本発明に於けるコントローラ操作量と制御量の
関係図
【符号の説明】
1 可変容量型可逆吐出ポンプ、2 原動機、3 可変
容量型油圧モータ、5負荷、6 閉油圧回路、6a 負
荷上昇側回路、6b 負荷下降側回路、7 メインリリ
ーフ弁、8 ブーストリリーフ弁、9 コントローラ、
10 容量制御装置、11 油圧装置、14 流量制御
弁、15 タンク、16 排出回路、

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機で駆動される可変容量型可逆吐出ポ
    ンプと負荷を上下させる可変容量型油圧モータを閉油圧
    回路にて接続し、該閉油圧回路を構成する負荷上昇側回
    路から負荷下降側回路へ流体の流出を許容するメインリ
    リーフ弁を設けると共に該負荷下降側回路にブーストリ
    リーフ弁を設けた負荷上下装置に於いて、該負荷下降側
    回路に該負荷上下装置以外の油圧装置の排出回路を接続
    し、該負荷上昇側回路を流量制御弁を介してタンクへ接
    続すると共に該流量制御弁の制御流量及び該可逆吐出ポ
    ンプの押し除け容積を大小に制御するコントローラを設
    けたことを特徴とする閉油圧回路構成の負荷上下装置に
    於ける下降増速装置。
  2. 【請求項2】上記コントローラを操作レバーで構成し、
    該操作レバーの動きを油圧式、電気式或いは機械式で上
    記可逆吐出ポンプの容積制御装置及び上記流量制御弁に
    伝達したことを特徴とする請求項1に記載の閉油圧回路
    構成の負荷上下装置に於ける下降増速装置。
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