JP3091361B2 - 使い捨ての体液吸収性物品 - Google Patents

使い捨ての体液吸収性物品

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JP3091361B2 JP06124975A JP12497594A JP3091361B2 JP 3091361 B2 JP3091361 B2 JP 3091361B2 JP 06124975 A JP06124975 A JP 06124975A JP 12497594 A JP12497594 A JP 12497594A JP 3091361 B2 JP3091361 B2 JP 3091361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、生理用ナプキンや使
い捨ておむつなどの使い捨ての体液吸収性物品に関し、
より詳しくは、コアに吸収した体液を隠蔽可能な表面シ
ートを有する前記物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種の表面シートとして、着用
者の肌に対する体液湿潤感を少なくしたり、体液透過性
を高めたりするために、疎水性不織布を使用する技術
が、周知である。ところが、この表面シートは、コアに
吸収された体液の逆流（リウェット）を抑える能力が一
般に乏しく、その逆流によって湿潤感を生じるという問
題がある。またコアに吸収された体液を隠蔽する能力も
乏しく、例えば生理用ナプキンであれば、使用したもの
を廃棄するときに経血で汚れたコアが目につき易く、不
快感を生じるという問題がある。
【０００３】ところで表面シートが汚れを隠蔽する能力
に関し、特開昭５７−１３４０号公報は、０．０２５イ
ンチ以下の相当水力直径の開口部を備えた疎水性フィル
ムを表面シートに使用することが効果的であると教示し
ている。また、このフィルムの内面にパルプや合成繊維
を均一に分布させてなる薄層を接着し、その薄層をコア
に当接して使用することが排泄された体液のコアへの透
過速度を向上させると教示している。しかし一方では、
このフィルムが、所謂プラスチックフィルムであって、
その肌触りは不織布のそれに遠く及ばず、また肌にぴっ
たりと密着して蒸れやかぶれの原因になり易いという問
題がある。
【０００４】そこで、この発明は、使い捨ての体液吸収
性物品において、高密度領域と低密度領域とからなる不
織布の高密度領域の上面にプラスチックフィルムを接合
し、その不織布を表面シートとして使用することで前記
従来技術の問題を解決することを課題にしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明が前記課題を解
決するために手段とするところは、以下のとおりであ
る。
【０００６】この発明が前提とするのは、少なくとも透
液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シ
ート間に介在する吸液性コアとからなる体液吸収性物品
である。
【０００７】かかる前提において、前記表面シートを透
液性の不織布とこの不織布の上面が部分的に露出するよ
うにその上面に一体に接合した不透液性の熱可塑性プラ
スチックフィルムとから構成し、前記プラスチックフィ
ルムが位置する前記不織布の領域を高密度にかつ前記プ
ラスチックフィルムが位置しない前記不織布の露出する
領域を低密度にしてあることが、この発明の特徴であ
る。
【０００８】この発明の好ましい実施態様において、高
密度領域の密度は、低密度領域のそれの１．４倍以上で
あり、高密度領域と低密度領域とはストライプ状に交互
に配列する。また、不織布は、その構成繊維が高密度領
域において所要の向きに概ね配向している。さらにはま
た、前記プラスチックフィルムは、実質的に半透明およ
び不透明のいずれかである。
【０００９】
【作用】このように構成した体液吸収性物品において、
表面シートは、不織布の低密度領域が着用者に向かって
露出し、高密度領域がプラスチックフィルムで覆われて
いる。排泄された体液は、その多くが低密度領域を透過
して吸液性コアに吸収され、該コアの厚み方向と面方向
とに拡散し、コアは、所謂汚れた状態となる。かかるコ
アは、表面シートのプラスチックフィルムで部分的に覆
われた状態にあり、その汚れが目立たない。また、不織
布の低密度領域に残留する体液は、毛管作用により高密
度領域に移行し、該領域もまた汚れた状態となるが、プ
ラスチックフィルムに覆われているからその状態が目立
たない。低密度領域は、残留する体液が比較的少なくな
り、体液による汚れが目立ちにくくなる。
【００１０】
【実施例】この発明に係る使い捨ての体液吸収性物品の
詳細を生理用ナプキンを例にとり、添付の図面を参照し
て説明すると、以下のとおりである。
【００１１】図１は、生理用ナプキン１の部分破断斜視
図である。ナプキン１は、表面シート２と、裏面シート
３と、それら両シート２，３間に介在する吸液性コア４
とからなり、表裏面シート２，３は、コア４の周縁から
延出する部分がシール線５により水密に接合している。
表面シート２は、透液性の不織布７からなり、その上面
には、ナプキン１の長手方向に不透液性または通気不透
液性であって好ましくは撥水性の、実質的に半透明また
は不透明なプラスチックフィルム８がストライプ状に接
合してある。裏面シート３は、不透液性のプラスチック
フィルムである。吸液性コア４は、粉砕パルプと高吸水
性ポリマーの混合物であって、必要なら熱可塑性合成繊
維を混合したり、ティシューペーパーで全体を被覆した
りすることができる。
【００１２】図２は、図１のＸ−Ｘ線断面図である。表
面シート２を構成する不織布７は、少なくともコア４に
当接する範囲がナプキン１の幅方向に交互に並び、長さ
方向に延在する幅ＷAの高密度領域１０と幅ＷBの低密度
領域１１とからなり、高密度領域１０の上面に幅ＷAの
フィルム８が接合し、低密度領域１１の上面は着用者の
肌に向かって露出した状態にある。かかる不織布７の好
ましいものは、熱可塑性合成繊維が２０〜１００重量％
を占める坪量５〜２００ｇ／ｍ2からなるものであっ
て、高密度領域１０の密度は、０．０３以上でかつ低密
度領域１１の密度の１．４倍以上であり、低密度領域１
１の密度は、０．００５〜０．４である。なお、この密
度は、不織布７に３ｇ／ｃｍ2の面圧を加えて測定した
ときの厚みに基づいて計算される見かけの密度を意味し
ている。不織布７の高密度領域１０とフィルム８とは加
熱加圧下で融着させることにより接合してあるが、この
接合には適宜の接着剤を使用したり、高密度領域１０と
フィルム８との間にそれら両者に対し熱融着容易な第３
のフィルムを介在させたりすることができる。
【００１３】表面シート２は、その下面１２がコア４の
上面１３に当接し、排泄された経血が表面シート２を介
してコア４へ移行可能である。ただし経血は、低密度領
域１１のみから表面シート２に浸透したのち、直下の保
水能力の大きいコア４、または隣接する繊維密度の高い
高密度領域１０へと移行し、低密度領域１１には殆ど残
留することがない。こうして経血で汚れたコア４と高密
度領域１０とは、フィルム８でその一部または全部が被
覆された状態にあり、その汚れが目立たない。このよう
な機能を有する表面シート２は、少なくとも高密度領域
１０の繊維が概ねナプキン１の長手方向に配向している
と、該領域１０において経血をナプキン１の長手方向へ
移行させることが容易となり、領域１０の端から端まで
を有効に利用することができる。さらにはまた、表面シ
ート２において低密度領域１１がフィルム８の表面より
も高く、山なりになっていると（図２参照）、ナプキン
１を着用したときに、フィルム８が肌に密着するのを妨
げるとともに、肌とナプキン１との間の通気を容易にす
る。もとより、フィルム８はコア４からの経血の逆流を
抑えるから、ナプキン１には湿潤感が少ない。
【００１４】図３は、図１と異なる態様の表面シート２
の平面図である。この表面シート２では、図の上下，左
右に連続しているプラスチックフィルム８とそれに接合
する高密度領域１０（図示せず）の中に、長円形の低密
度領域１１が間欠的に配置してあって、高密度領域１０
へ移行した経血が、図の上下，左右へ拡散できるから、
図１の場合に比べて高密度領域１０を一層有効に利用す
ることができる。
【００１５】この発明において、表面シート２の高密度
領域１０と低密度領域１１との面積比は、適宜定めるこ
とができるが、生理用ナプキンや使い捨ておむつであれ
ば高密度領域１０が表面シート面積の３０〜７０％を占
めることが好ましい。また、不織布７は、表面シート２
の湿潤感を少なくするために疎水性であることが好まし
いが、経血の浸透，拡散をよくするために表面処理剤に
よって疎水性の程度を適宜調整する他に、パルプその他
の親水性繊維を３〜２０重量％の範囲で熱可塑性合成繊
維に混合することができる。さらにはまた、プラスチッ
クフィルムが実質的に半透明または不透明であるとは、
プラスチックフィルムが体液で汚れたコアや高密度領域
の透視を妨げ得ることを意味し、そのフィルムとして着
色フィルムや透明フィルムの表面に梨地処理を施したも
のを例に挙げることができる。
【００１６】
【発明の効果】この発明に係る使い捨ての体液吸収性物
品では、表面シートの材料である不織布に高密度領域と
低密度領域とを付与し、高密度領域の上面にプラスチッ
クフィルムが接合してあるから、低密度領域の体液がコ
アと高密度領域とに移行しても、それらの汚れはフィル
ムに隠蔽されて目立つことがなく、しかも低密度領域に
残る体液は相対的に少なくなり、使用後の前記物品を廃
棄するときの不快感がない。プラスチックフィルムは、
実質的に半透明および不透明のいずれかにすることで、
隠蔽の効果を一層高めることができる。
【００１７】高密度領域において、不織布の構成繊維を
所要の向きに配向させることで高密度領域の全体を有効
に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】生理用ナプキンの部分破断斜視図。
【図２】図１のＸ−Ｘ線部分端面図。
【図３】図１と異なる態様の表面シートの平面図。
【符号の説明】
１ 着用物品（生理用ナプキン） ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ コア ７ 不織布 ８ プラスチックフィルム １０ 高密度領域 １１ 低密度領域

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】少なくとも透液性表面シートと、不透液性
    裏面シートと、これら両シート間に介在する吸液性コア
    とからなる使い捨ての体液吸収性物品において、 前記表面シートを透液性の不織布とこの不織布の上面が
    部分的に露出するようにその上面に一体に接合した不透
    液性の熱可塑性プラスチックフィルムとから構成し、前
    記プラスチックフィルムが位置する前記不織布の領域を
    高密度にかつ前記プラスチックフィルムが位置しない前
    記不織布の露出する領域を低密度にしてあることを特徴
    とする前記物品。
  2. 【請求項２】前記高密度領域と低密度領域とがストライ
    プ状に交互に配列してある請求項１記載の物品。
  3. 【請求項３】前記高密度領域の密度は、低密度領域のそ
    れの１．４倍以上である請求項１記載の物品。
  4. 【請求項４】前記不織布は、その構成繊維が前記高密度
    領域において所要の向きに概ね配向している請求項１記
    載の物品。
  5. 【請求項５】前記プラスチックフィルムが実質的に半透
    明および不透明のいずれかである請求項１記載の物品。
JP06124975A 1994-06-07 1994-06-07 使い捨ての体液吸収性物品 Expired - Lifetime JP3091361B2 (ja)

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