JP3091342B2 - ガラス発光素子 - Google Patents

ガラス発光素子

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JP3091342B2
JP3091342B2 JP2077193A JP2077193A JP3091342B2 JP 3091342 B2 JP3091342 B2 JP 3091342B2 JP 2077193 A JP2077193 A JP 2077193A JP 2077193 A JP2077193 A JP 2077193A JP 3091342 B2 JP3091342 B2 JP 3091342B2
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榮紀 三村
哲哉 中井
理 新堀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光励起によって増幅さ
れた増幅自然放出光,スーパールミネッセント光の如き
自然放出光を出射するガラス発光素子に関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高輝度・高集光性光源として、固体レー
ザがあり種々多様な産業分野で利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固体レーザの特性とし
て可干渉性・発振波長の単色性を上げることができる。
しかし、光応用機器の中には例えば分光分析装置のよう
に、可干渉性を重要視せず単色性よりもむしろ発光波長
領域の広い光となる高輝度・高集光性光源を必要とする
ものがある。このような場合には、固体レーザを適用す
ることは困難であった。
【0004】本発明の目的は、従来の固体レーザのこの
欠点に鑑みなされたもので、高輝度でかつ高集光性で発
光波長領域の広い光を得ることができるガラス発光素子
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明によるガラス発
光素子は、光励起により広い発光波長領域を有する光を
放出する発光媒質をおのおのが少なくとも一種類含み光
を導波する複数の発光母材ガラスのうちから前記発光波
長領域が相異なるように選択された少なくとも2種類の
発光母材ガラスよりなる発光母材ガラス群と、該発光母
材ガラス群内の該発光母材ガラスのそれぞれの発光媒質
から放出されるそれぞれの光を合波する手段と、該発光
母材ガラス群からのそれぞれの該発光媒質からの放出光
の反射を防止して該放出光によるレーザ発振を抑圧する
手段と、該発光母材ガラス群内の該発光母材ガラスから
のそれぞれの光導波終端面の一つに光結合し該発光媒質
それぞれを励起して前記放出光を放出せしめるための励
起光を発する励起光源とを備えた構成を有する。
【0006】
【作用】本願のガラス発光素子は、レーザ発振を抑圧し
た手段を付加していることにより、発光母材ガラスが持
つ発光を全て利用することが出来て、発光波長領域の広
い光を得ることができ、発光媒質を複数とることによ
り、個々の発光媒質が有する発光帯を重畳して用いるこ
とになるので、より広い発光波長領域の光を得ることが
できる。本願の請求項に記載のガラス発光素子は、発
光母材ガラス群を用いることにより、励起光源と発光媒
質の選択がより柔軟になり、求める発光帯の発光波長領
域の広い光を容易に得ることが出来る。
【0007】本願発明の構成及び作用の理解を容易にす
るためのガラス発光素子の実施例を以下に記載する。
【0008】
【実施例1】図1に、発光母材ガラスの形状が円柱状で
あり、一種類の発光媒質を添加したコアと添加しないク
ラッドで導波構造を形成し、励起光源を半導体レーザと
し、光導波終端面に発光媒質からの放出光に対する反射
防止膜を付着し、中心波長 2.7μm で発光するガラス発
光素子の一つの例を示す。 ガラス発光素子の発光母材
ガラスの形状は円柱状のファイバであり、希土類元素の
Er を発光媒質として添加したフッ化物ガラスからなる
コア1とコア1より低屈折率のフッ化物ガラスからなる
クラッド2で導波手段を形成している。フッ化物ガラス
を発光母材ガラスとする場合、発光媒質 Er を中心波長
2.7μm で発光させるためには発光媒質を波長 790 nm
の光で励起すればよい。励起光源である発振波長 790 n
m の半導体レーザ3の出力光5を発光母材ガラスの終端
面4に光結合するように配置する。この実施例では直接
結合させているが、レンズあるいは光ファイバ等の光学
部品を介して光結合させることもできる。終端面6には
スーパールミネッセント光に対しては反射防止効果のあ
る光学膜7を付着させ、発光母材ガラス内でのレーザ発
振を抑圧した手段としている。
【0009】平行平板の多重反射理論によれば、屈折率
n2 の物質上に屈折率 n1 、膜厚dの均一な膜がコート
されている場合、空気の屈折率を n0 として、空気側か
らあるいは物質側から波長λの光が垂直入射した場合の
エネルギー反射率Rは次式のようになる。
【0010】
【数1】
【0011】光学膜として例えばフッ化カルシウム( n
1 =1.23)を真空蒸着法で厚さ 0.55 μm 付着させる
と、n0= 1 , n2 =1.484 , λ= 2.7μm であるから、
R =9.3 ×10-5となり、膜をつけないときの反射率値
3.8×10-2に対し三桁低減でき、レーザ発振が効果的に
抑制される。この反射防止効果をさらに高める必要があ
れば、いま記載した単層膜の代わりに多層膜を付着すれ
ばよい。また、終端面4にもスーパールミネッセント光
に対しては反射防止効果のある光学膜を付着させれば、
発光母材ガラス内でのレーザ発振をより効果的に抑圧で
きる。さらに、光学膜7に半導体レーザの励起光に対し
て高反射となる特性を付加すれば、終端面6に到達した
時点で吸収されなかった励起光を、終端面6上の光学膜
7の作用でそのほとんどを反射させ、もう一つの終端面
4に向かって進行させることで増幅された自然放出光を
より効果的に発生させることができる。
【0012】終端面4に励起光源である半導体レーザ3
から発振される波長 790 nm のレーザ光を結合させる
と、発光母材ガラスファイバのコア1中に波長 790 nm
の励起光の導波モードが励振される。この励起光が終端
面6に進行する際にコア1に添加された発光媒質である
Er 元素が励起光を吸収し中心波長 2.7の自然放出光を
放出する。この自然放出光の中で終端面6の向きに放出
されコア1内を導波するものは、励起光を吸収し励起状
態にある Er 元素によって導波の際に増幅され、増幅さ
れた自然放出光となる。このようにして生成された増幅
自然放出光は、終端面6に到達し終端面6上の反射防止
効果を持つ光学膜7の作用でそのほとんどが終端面6を
透過し出射する。以上の結果、中心波長 2.7μm で 2.6
5 μm から 2.77 μm の波長範囲にわたる連続スペクト
ルをもつ増幅自然放出光を出射するガラス発光素子とす
ることができる。
【0013】
【実施例2】図2に、発光母材ガラスの形状が円柱状で
あり、三種類の発光媒質を同時に添加したコアと添加し
ないクラッドで導波構造を形成し、励起光源を半導体レ
ーザアレイとし、光導波終端面に三種類の発光媒質から
の放出光に対する反射防止膜を塗布し、中心波長 2.3μ
m, 2.7μm, 2.9μm で発光するガラス発光素子の一つの
例を示す。ガラス発光素子の発光母材ガラスの形状は円
柱状のファイバであり、希土類元素の Tm, Er, Ho を発
光媒質として添加したフッ化物ガラスからなるコア8と
コア8より低屈折率のフッ化物ガラスからなるクラッド
2で導波構造を形成している。フッ化物ガラスを発光母
材ガラスとする場合、発光媒質 Tm, Er, Ho を中心波長
2.3μm, 2.7μm, 2.9μm で発光させるためには発光媒
質をそれぞれ波長 790nm, 790 nm, 640 nm の光で励起
すればよい。従って、励起光源の波長は 640nmと 790 n
m の2波長でよい。励起用半導体レーザアレイ9は、通
常の半導体光デバイス作製技術の範囲内で、発振波長が
640 nm と790 nmの異なる2個の半導体レーザチップを
近接して設置するか、もしくはモノリシックに集積する
事で作製できる。
【0014】励起光源である発振波長 640nm, 790 nmの
半導体レーザアレイ9を発光母材ガラスの終端面4に光
結合するように配置する。この実施例では直接結合させ
ているが、レンズあるいは光ファイバ等の光学部品を介
して光結合させることもできる。終端面6にはスーパー
ルミネッセント光に対しては反射防止効果のある光学膜
7を付着させ、発光母材ガラス内でのレーザ発振を抑圧
した構造としている。このような光学特性をもつ膜とし
ては、多層平行平板の多重反射理論を用いて設計するこ
とができ、通常の薄膜作製技術例えば真空蒸着法、電子
ビーム蒸着法等で作製した例えば多層膜を充てることが
できる。終端面4に励起光源である半導体レーザアレイ
9から発振される波長 640 nmと 790 nm のレーザ光を
結合させる。その結果、実施励1で記載した原理によ
り、中心波長 2.3μm, 2.7μm, 2.9μm でそれぞれ 2.2
5 μm から 2.50 μm, 2.65 μm から 2.77 μm, 2.83
μm から 2.95 μm の波長範囲にわたる連続スペクトル
をもつ3種類のガラス光を重畳した光を出射するガラス
発光素子とすることができる。
【0015】
【実施例3】図3に、3種類の発光母材ガラスからなる
発光母材ガラス群で、それぞれの発光母材ガラスの形状
が円柱状であり、それぞれ一種類の発光媒質を添加した
コアと添加しないクラッドで導波構造を形成し、それぞ
れ励起光源を半導体レーザとし、それぞれの発光母材ガ
ラスのそれぞれの発光媒質から放出されるそれぞれの光
を合波する手段を与えられ、それぞれの光導波終端面に
それぞれの発光媒質からの放出光に対する反射防止膜を
塗布し、三種類の中心波長 2.3μm, 2.7μm, 2.9μm で
発光するガラス発光素子の一つの例を示す。ガラス発光
素子の発光母材ガラス群のそれぞれの発光母材ガラスの
形状は円柱状のファイバ 10, 11, 12 であり、それぞれ
実施例1で示したように希土類元素の Tm, Er, Ho を発
光媒質として添加したフッ化物ガラスからなるコアとコ
アより低屈折率のフッ化物ガラスからなるクラッドで導
波構造を形成している。フッ化物ガラスを発光母材ガラ
スとする場合、発光媒質 Tm, Er, Ho を中心波長2.3μ
m, 2.7μm, 2.9μm で発光させるためには発光媒質をそ
れぞれ波長 790 nm, 790 nm, 640 nm の光で励起すれば
よい。励起光源である発振波長 790 nm, 790 nm, 640 n
m の半導体レーザ 13, 14, 15 を、発光母材ガラス群を
構成する Tm, Er, Ho を含む発光母材ガラスファイバ 1
0, 11, 12 の終端面それぞれに光結合するように配置す
る。この実施例では直接結合させているが、レンズある
いは光ファイバ等の光学部品を介して光結合させること
もできることは言うまでもない。出力ファイバ 18 の終
端面には、それぞれのスーパールミネッセント光に対し
ては反射防止効果のある光学膜7を付着させ、発光母材
ガラス内でのレーザ発振を抑圧した構造としている。こ
のような光学特性をもつ膜としては、多層平行平板の多
重反射理論を用いて設計でき、通常の薄膜作製技術例え
ば真空蒸着法、電子ビーム蒸着法等で作製した例えば単
層膜か多層膜を充てることができる。これら終端面に、
それぞれ励起用半導体レーザ 13, 14, 15 から発振され
る波長 680nm, 790 nm, 640 nmのレーザ光を結合させ
る。その結果、実施例1で記載した原理により、中心波
長 2.3μm, 2.7μm, 2.9μm でそれぞれ 2.25 μm から
2.50 μm, 2.65 μm から 2.77 μm, 2.83 μm から 2.
95 μm の波長範囲にわたる連続スペクトルをもつ3種
類の増幅された自然放出光を発生しファイバカップラー
16, 17 を経て出力ファイバ 18 に集められ終端面から
出射するガラス発光素子とすることができる。
【0016】
【実施例4】図4に、発光母材ガラスの形状薄膜状に
し、一種類の発光媒質を添加したコアと添加しないクラ
ッドで導波構造を形成し、励起光源を半導体レーザと
し、光導波終端面に発光媒質からの放出光に対する反射
防止膜を付着し、中心波長3.5 μm で発光するガラス発
光素子の一つの例を示す。ガラス発光素子の発光母材ガ
ラスの形状は基板 19 上に積層させた多層薄膜であり、
希土類元素の Er を発光媒質として添加したフッ化物ガ
ラスからなるコア層 21 とコア層 21 より低屈折率のフ
ッ化物ガラスからなるクラッド層 20, 22で導波構造を
形成している。フッ化物ガラスを発光母材ガラスとする
場合、発光媒質 Er を中心波長 3.5μm で発光させるた
めには発光媒質をそれぞれ波長 790 nm の光で励起すれ
ばよい。励起光源である発振波長 790 nm の半導体レー
ザ3からの出力光を発光母材ガラスの終端面4に光結合
するように配置する。この実施例では直接結合させてい
るが、レンズあるいは光ファイバ等の光学部品を介して
光結合させることもできることは言うまでもない。終端
面6にはスーパールミネッセント光に対しては反射防止
効果のある光学膜7を付着させ、発光母材ガラス内での
レーザ発振を抑圧した構造としている。終端面4に励起
光源である半導体レーザ3から発振される波長 790 nm
のレーザ光を結合させる。その結果、実施例1で記載し
た原理により、中心波長 3.5μm で 3.2μm から 3.8μ
m の波長範囲にわたる連続スペクトルをもつスーパール
ミネッセント光を出射するガラス発光素子とすることが
できる。
【0017】
【実施例5】図5に、励起光源を半導体レーザとし、薄
膜状のガラス多層膜をモノリシックに集積した励起光源
集積ガラス発光素子の一つの例を示す。ガラス発光素子
の形状は、半導体レーザの一部をエッチングで除去した
半導体基板 19 上に積層させた多層膜であり、希土類元
素の Er を発光媒質として添加したフッ化物ガラスから
なるコア層 21 とコア層 21 より低屈折率のフッ化物ガ
ラスからなるクラッド層 20, 22 で導波構造を形成して
いる。フッ化物ガラスを発光母材ガラスとする場合、発
光媒質 Er を中心波長 3.5μm で発光させるためには発
光媒質をそれぞれ波長 790 nm の光で励起すればよい。
励起光源部は、発振波長 790 nm の半導体レーザであ
り、その発光層 25 をガラス発光部の発光媒質を添加し
たコア層 21 に直接結合させている。このため、結合効
率が向上するとともに、モノリシック集積であるため結
合安定化が達成されている。ガラス発光部の終端面6に
はスーパールミネッセント光に対しては反射防止効果の
ある光学膜7を付着させ、発光母材ガラス内でのレーザ
発振を抑圧した構造としている。励起光源部の終端面 2
7 には励起光に対する高反射膜 26を付着させ励起光を
ガラス発光部に高効率で供給させている。励起光源部
は、電極 23, 24 を介して電気エネルギーを供給するこ
とにより駆動することができる。ガラス発光部の終端面
4に励起光源部から発振される波長 790 nm のレーザ光
を結合させる。その結果、実施例1で記載した原理によ
り、中心波長 3.5μm で3.2μm から 3.8μm の波長範
囲にわたる連続スペクトルをもつスーパールミネッセン
ト光を出射する励起光源集積ガラス発光素子とすること
ができる。
【0018】上記実施例1から3では、発光媒質 Tm, E
r, Ho を励起する励起用半導体レーザの波長をそれぞれ
790 nm, 790 nm, 640 nm として説明したが発光媒質で
ある Tm, Er, Ho の中心波長 2.3μm, 2.7μm, 2.9μm
の発光を励起するものであればこれに限らない。
【0019】発光母材ガラスとしてフッ化物ガラスを例
にとって説明したが、フッ化物ガラスに限ることなく発
効媒質の放出光に対して透過率の高い物質で導波構造を
設けられる物質、例えば酸化物ガラス(石英ガラス・ケ
イ酸ガラス・リン酸ガラス・フツリン酸ガラス)・ハラ
イドガラス・カルコゲナイドガラス等のガラス類や、酸
化物結晶・ハライド結晶等の結晶類であればよい。
【0020】また、ガラス発光素子の発光母材ガラスが
含む発光媒質として希土類元素である Tm, Er, Ho を例
に取って説明したが、 Tm, Er, Ho に限ることなくこれ
ら以外の希土類元素である Pr, Nd, Tb, Dy, Yb, Sm,
それのみならず希土類元素以外の元素であって発光特性
を有する例えば Ti, V, Cr, Co, Ni, Ca, Mg, U 等の元
素であれば発光中心波長と発光波長範囲及び励起用半導
体レーザの励起波長を異とするのみで本発明の目的にか
なったガラス発光素子を実現することができる。さら
に、発光媒質の条件としては発光特性を有する物質であ
れば良いのであり、元素物質に限らない。例えば、Al
1-v-w Inv Gaw P1-x-yAsx Sby (0≦v,w,x,y ≦1,v+
w ≦1,x+y ≦1), あるいは Pb1-qSnq Se1-r Te
r (0≦q,r ≦1)で表される化合物半導体物質も発光
媒質の条件を満足するものである。
【0021】ガラス発光素子の発光母材ガラスの形状を
円柱状に限って記載したが、円柱形状は発光母材ガラス
に与える導波構造の一つの例でありこれに限ることはな
い。
【0022】
【発明の効果】本発明によるガラス発光素子は、高輝度
でかつ高集光性で発光波長領域の広い光を発生するとい
った特有の効果を有し、分光機器・光計測機器・光情報
処理機器・光通信機等の種々の光応用機器の光源として
利用されうる。すなわち本発明によるガラス発光素子
は、レーザ発振を抑圧した手段を付加していることによ
り、高い変換効率で増幅された自然放出光を得ることが
できる。本発明の請求項に記載したガラス発光素子
は、発光媒質を複数としていることにより、広い発光波
長領域の光を得ることができ、さらに、発光媒質間での
光を介した相互作用を回避することができるので、励起
光源と発光媒質の選択が柔軟となり、発光特性の制御が
容易となる。請求項に記載した発光母材ガラスの形状
を円柱状にし発光媒質を添加したコアと添加しないクラ
ッドで導波構造を形成したガラス発光素子は、光ファイ
バとの結合性に優れ結合に伴う損失を最小限にすること
ができる。さらに、この場合発光素子自体が可とう性の
あるファイバであるので、そのままであるいは光ファイ
バと結合することで目的とする任意の地点にファイバ出
射端を移動させることができ、かつまたその地点に於て
きわめて狭あいなスペースであってもファイバを挿入で
きる箇所さえあれば挿入することにより任意の地点任意
のスペースにガラス光を出射することができるという効
果を有する。請求項に記載した発光母材ガラスの形状
を薄膜状にし発光媒質を添加したコアと添加しないクラ
ッドで導波構造を形成したものは、発光母材ガラスの形
状を円柱状にしたものに比べ使用できるガラスの材質に
対する制限を緩和できる製造方法を利用できるため、現
在円柱状にできるガラス材質の赤外透過波長はせいぜい
4μm であるのに対し、薄膜状にできるガラス材質はこ
の数値を上回ることが見込まれる。その結果、より長波
長の発光素子を提供することができるという効果を有す
る。請求項に記載した励起光源集積ガラス発光素子
は、励起光の結合効率が高いめガラス発光素子の発光
強度を高くすることができる。また、励起光源をモノリ
シック集積しているため、励起光源とガラス発光部との
結合が安定で外部からの機械的振動に対して強く、経時
変化も無視できるという特有の効果を有する。請求項
に記載した発光母材ガラスを赤外より長波長域を透過す
るガラスとし発光媒質を希土類元素とした赤外域で発光
するガラス発光素子は、従来の熱放射光源の持っていた
欠点である低輝度・低集光性を解決し、高輝度・高集光
性という効果を有する。請求項に記載した発光媒質を
たとえば Ti, V, Cr, Co, Ni といった遷移金属元素と
したガラス発光素子は、希土類元素より波長範囲の広い
発光となることからより広いスペクトル幅を持つ連続光
源になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】1種類の発光媒質を含む1本の発光母材ガラス
ファイバよりなるガラス発光素子の1実施例を示す縦断
面図である。
【図2】3種類の発光媒質を含む1本の発光母材ガラス
ファイバよりなるガラス発光素子の1実施例を示す縦断
面図である。
【図3】1種類の発光媒質を含む1本の発光母材ガラス
ファイバを3本集合した発光母材ガラスファイバ群より
なるガラス発光素子の1実施例を示す略図である。
【図4】薄膜状ガラス発光素子の1実施例を示す断面図
である。
【図5】励起光源を一体化した薄膜状ガラス発光素子の
1実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 希土類元素の Er を発光媒質として添加したフッ化
物ガラスからなるコア 2 コアより低屈折率のフッ化物ガラスからなるクラッ
ド 3 励起光源である発振波長 790 nm の半導体レーザ 4,6 発光母材ガラスの終端面 5 半導体レーザからの励起光 7 スーパールミネッセント光に対して反射防止効果を
持つ光学膜 8 希土類元素の Tm, Er, Ho を発光媒質として添加し
たフッ化物ガラスからなるコア 9 640nm と 790 nm の2波長で発振する励起用半導体
レーザアレイ 10 希土類元素の Tm を発光媒質として添加したフッ化
物ガラスからなるコア 11 希土類元素の Er を発光媒質として添加したフッ化
物ガラスからなるコア 12 希土類元素の Ho を発光媒質として添加したフッ化
物ガラスからなるコア 13 励起光源である発振波長 790 nm の半導体レーザ 14 励起光源である発振波長 790 nm の半導体レーザ 15 励起光源である発振波長 640 nm の半導体レーザ 16,17 ファイバカップラー 18 出力ファイバ 19 基板 20,22 クラッド層 21 コア層 23,24 電極 25 励起光源部発光層 26 励起光に対する高反射膜 27 励起光源部終端面
フロントページの続き (72)発明者 新堀 理 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号 国 際電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−226759(JP,A) 特開 平5−136493(JP,A) 特開 平5−218551(JP,A) 特開 昭61−100707(JP,A) 特開 平3−159182(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 EPAT(QUESTEL) JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光励起により広い発光波長領域を有する
    光を放出する発光媒質をおのおのが少なくとも一種類含
    み光を導波する複数の発光母材ガラスのうちから、前記
    発光波長領域が相異なるように選択された少なくとも2
    種類の発光母材ガラスよりなる発光母材ガラス群と、 該発光母材ガラス群内の該発光母材ガラスのそれぞれの
    発光媒質から放出されるそれぞれの光を合波する手段
    と、 該発光母材ガラス群内の該発光母材ガラスからのそれぞ
    れの該発光媒質からの放出光の反射を防止して該放出光
    によるレーザ発振を抑圧する手段と、 該発光母材ガラス群内の該発光母材ガラスからのそれぞ
    れの光導波終端面の一つに光結合し該発光媒質それぞれ
    を励起して前記放出光を放出せしめるための励起光を発
    する励起光源とを備えたガラス発光素子。
  2. 【請求項2】 該発光母材ガラスの形状が円柱状であ
    り、該発光媒質を添加したコアと添加しないクラッドで
    導波手段を形成したことを特徴とする請求項1に記載の
    ガラス発光素子。
  3. 【請求項3】 該発光母材ガラスの形状を薄膜状にし、
    該発光媒質を添加したコアと添加しないクラッドで導波
    手段としたことを特徴とする請求項1に記載のガラス発
    光素子。
  4. 【請求項4】 前記導波手段が、前記励起光源である半
    導体発光部材と一体化されていることを特徴とする請求
    1に記載のガラス発光素子。
  5. 【請求項5】 該発光母材ガラスを赤外より長波長域を
    透過するガラスとし、該発光媒質を希土類元素としたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のガラス発光素子。
  6. 【請求項6】 該発光母材ガラスを赤外より長波長域を
    透過するガラスとし、該発光媒質を遷移金属元素とした
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス発光素子。
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