JP3090443B2 - サッシ段窓 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、サッシ窓を上下
に連続させた段窓に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来この種の段窓に関しては、上サッシ
窓と下サッシ窓間に中骨なる別部材を介装して連結する
ものであることが知られている。上下サッシ枠を中骨で
連結する場合、室内側からの見映えを考慮した目板や連
結構造に係わる連結板等の別部材を別途必要とするもの
であり、他方、上記別部材を不要とする場合は、室内外
においてビス止めするものである。 【０００３】後者すなわち上記別部材を不要として室内
外においてビス止めするものは、前者のものに比ベ、目
板等の別部材を不要とする点で構造を簡略化し作業性も
向上する利点を有するが、各サッシ枠に付き複数個所の
ビス止めをしなければならないため、螺着構造を簡略化
する余地を残しており、更に、組み立ての作業性向上の
観点からも改善すべき点を有している。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】目板等の別部材を用い
ることなく、しかも上下サッシ枠と中骨との螺着をそれ
ぞれ一箇所とするものであって、組み立ての簡素化を図
りつつも剛性を高め、しかも、組み立て作業性の向上を
実現できるサッシ段窓を得ることを目的とするものであ
る。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明は、サッシ窓を上
下に連結させた段窓であって、上方のサッシ窓の下枠と
下方のサッシ窓の上枠とが中骨で連結された構造を有
し、下枠は、室内側端にねじ止め部、室外側端に突出片
及びねじ止め部と突出片の間に垂下片を備え、上枠は、
室内側端にねじ止め部、室外側に突出片及びねじ止め部
と突出片の間に立上り片を備え、中骨は、室内面板と該
室内面板の略中央部から下枠及び上枠の見込み方向寸法
相当分だけ室外側に延出する一枚板状の主体部により断
面略Ｔ字型に一体的に形成されて、前記室内面板の部分
にねじ受け部を備え、主体部に係合部を有し、下枠と上
枠の突出片が中骨の主体部における係合部に係合され、
下枠の垂下片が上方から、上枠の立上り片が下方から中
骨の主体部に当接され、更に、室外側においては下枠の
先端部と上枠の先端部が中骨の先端部を挟持し、室内側
においては下枠と上枠のねじ止め部が中骨のそれぞれの
ねじ受け部に螺着されて一体に結合されているサッシ段
窓である。 【０００６】上記のように構成される本発明において、
ねじ止め部は、上サッシ窓の下枠と下サッシ窓の上枠を
中骨に連結する。 【０００７】上下枠の突出部は中骨の係合部と共に、中
骨に対する上下枠の位置決めと中骨と上下枠の連結を補
助する。 【０００８】下枠の垂下片は上方のサッシ窓の荷重を中
骨に伝達し、上枠の立上り片は中骨における荷重を支持
する。このようにして、とりわけ中骨の室内面板が室内
側の目板を兼ね、また、室外側においては、下枠の先端
部と上枠の先端部が中骨の一枚板状の主体部を上下に挟
むようにして直に重合するので目板を取り付けて間隙を
塞ぐ必要がなくなり、従来段窓の組み立てに必要とされ
ていた目板等の別部材が必要なくなる利点がある。 【０００９】 【発明の実施の形態】図１ないし図３は、本発明の段窓
を出窓に実施したものを示すものである。同図におい
て、本発明は、サッシ窓を上下に連続させた段窓であっ
て、上方のサッシ窓１１の下枠５と下サッシ窓１２の上
枠６とを中骨７で連結して構成される。上方のサッシ窓
１１は上枠１３、下枠５及び左右の縦枠２０で枠組さ
れ、実施例では嵌め殺し窓としている。下方のサッシ窓
１２は、上枠６、下枠１４、及び左右の縦枠２で枠組さ
れ、実施例では回転窓として用いている。 【００１０】下枠５は、室内側端部にねじ止め部５１が
形成され、また、室外側端部及び前記ねじ止め部５１よ
りも室外側において、先端部５２ａ、５４ａ（図３）が
室内方向を向いた室外側端部の突出片５２と中間部の突
出片５４とが形成され、更に、中骨７の主体部７０（後
述）に当接する垂下片５３が形成されている。尚、符号
５３ａは垂下片５３の先端部である。 【００１１】上枠６は、室内側端部にねじ止め部６１が
形成されると共に室外側に中空部６０（図３）が形成さ
れており、該中空部６０の室内側上部に室内方向を向い
た突出片６０ａと先端部６３ａが前記の突出片６０ａと
同一水平位置となる立上り片６３が形成されている。符
号６２は中空部６０の室内側壁を示している。 【００１２】中骨７は、ねじ受け部７１を備えた室内面
板７４とこれから室外方向に延出された主体部７０とに
よって構成され、主体部７０は、図１及び図３に示す通
り、下枠５及び上枠６の見込み方向寸法に匹敵する長さ
を有する。主体部７０は、上下面に水平面部を備えると
共に該主体部７０の室外側端部に、前記下枠６の突出片
５２の先端部５２ａと係合する室外側向き開口の係合部
７２と、突出片５４の先端部５４ａと係合する室外側向
き開口の係合部７３及び、前記上枠５の突出片６０ａと
係合する室外側向き開口の係合部７３を備える。また、
ねじ受け部７１は前記主体部７０の室内側端部において
上下に延出された室内面板７４の上下部が室外側へ屈曲
されて形成されている。 【００１３】上下枠５，６における突出片６０ａと突出
片５４、及び立ち上り片６３と垂下片５３が、それぞれ
対照位置に設けられているとともに、前記突出片５４及
び垂下片５３が上方から、また、前記突出片６０及び立
上り片６３が下方から、それぞれ中骨７の前記主体部７
０に当接する。 【００１４】このようにして構成される上下枠５，６と
中骨７において、各サッシ窓１１，１２を枠組して各自
独立のサッシ窓を形成しておき、しかる後、下サッシ窓
１２の上枠６に中骨７を載置するとともに、この中骨７
の上に上方のサッシ窓１１の下枠５を載着し、前記ねじ
止め部５１，６１と中骨のねじ受け部７１，７１とを螺
着してサッシ段窓が形成される。 【００１５】この際、次の特徴がある。 【００１６】上方のサッシ窓１１と下方のサッシ窓１２
は目板等の別部材を使用することなく中骨７だけで連結
することができる。つまり、室内側においては中骨７の
室内面板７４が目板を兼ね、また、室外側においては、
下枠６の先端部と上枠５の先端部が主体部７０を上下に
挟むようにして直に重合するため、目板を取り付けて間
隙を塞ぐ必要がなくなるのである。 【００１７】上方のサッシ窓１１と中骨７及び下方のサ
ッシ窓１２の組み立ては、室外側において三者を突出片
５２、突出片５４、係合部７２，７３及び突出片６０ａ
の個所で係合し、室内外方向の中央部で三者を相互に当
接させ、更に、室内側において、三者をねじ止め部５
１，６１及びねじ受け部７１，７１の箇所で螺着するだ
けである。 【００１８】中骨７と上方のサッシ窓１１及び下方のサ
ッシ窓１２との取付けは、それぞれを個別に行うことが
できる。特に中骨７が係合部７２，７３を備えることに
よって中骨７に対し、上方のサッシ１１と下方のサッシ
１２を室内外方向で個別に位置決めし、しかも、全体と
して整合された位置関係とすることができる。従って、
現場で段窓を構成する場合であっても正確に、かつ、迅
速に作業を進めることができる。 【００１９】上方のサッシ１１と下方のサッシ１２が中
骨７に対し、室内側で螺着され、室外側で係合されるの
で、三者の連結は確実となる。 【００２０】上方サッシ１１の荷重は、垂下片５３を介
しても中骨７に伝達され、また、中骨７が受ける荷重は
下方サッシ１２の立上り片６３で支持されて、荷重が全
体にバランス良く分散される。 【００２１】以上は具体例であって、本発明は図示され
た具体的な構成に限定されない。突出片５２，５４にお
ける先端部５２ａ，５４ａの向き、及び突出片６０の向
き（実施例において室内方向）、係合部７２，７３の向
き（実施例において室外側向き）は限定されず、係合に
よって位置決めが可能なのものであれば良い。 【００２２】サッシ窓における上下枠６，５の断面形状
や中骨７の断面形状は他の形状であっても良いが、図示
した実施例のように中骨７の主体部７０を一枚の平坦な
板状として上方のサッシ窓１１の下枠５と下方のサッシ
窓１２の上枠６を出来るだけ近接させ、かつ、中骨７の
室内側におけるねじ受け部７１，７１の高さをこれら下
枠５，上枠６の上下方向寸法（厚み）とほぼ等しくすれ
ば、完成した段窓の正面視において、上方のサッシ窓１
１と下方のサッシ窓１２を連結した中骨７がほとんど目
立たず連結部が薄いので、外観のスマートな段窓を得ら
れる。 【００２３】また、実施例の構造によれば上方のサッシ
１１と下方のサッシ１２における開口部を中骨７やその
他、連結のための部材で狭めてしまうことがない。 【００２４】突出片５２の位置は室外側端部に限定され
ず、室外側であれば良い。ねじ止め部５１，６１及びね
じ受け部７１は室内側端部に限定されず、室内側であれ
ば良い。 【００２５】また、突出片５２，５４，６０及び中骨７
の主体部７０における係合部７２，７３は、実施例のよ
うに３個所に限らず、２個所のこともあり、更に、係合
部７２は主体部７０の先端に形成されていても同じ機能
を発揮する。 【００２６】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るので、以下の効果を奏する。 【００２７】段窓を構成するための部材数及び作業数が
小さい。 【００２８】段窓を構成する際、中骨に対し、上方のサ
ッシと下方のサッシを個別に、しかも正確に位置決めし
て取り付けることができ、螺着個所も室内側の一個所だ
けなので、段窓としての組み立てが簡単で、作業性が向
上する。 【００２９】また、中骨の主体部７０の見込み方向寸法
と上下サッシ窓の見込み方向寸法を同じにしているので
中骨を介しての上下サッシ窓のいわゆる「すわり」が良
い。 【００３０】室内側での螺着、室外側での係合及びこれ
らの中間での当接関係により、段窓の組付けが剛性の高
いものとなる。また、室外側での係合、中央部での当接
により、段窓の室外側でのダレ（荷重による湾曲で隙間
ができる）を防止できる。 【００３１】更に、中骨の室内面板が室内側の目板を兼
ね、また、室外側においては、下枠の先端部と上枠の先
端部が中骨の一枚板状の主体部を上下に挟むようにして
直に重合するので目板を取り付けて間隙を塞ぐ必要がな
くなり、従来段窓の組み立てに必要とされていた目板等
の別部材が必要なくなる。しかも、中骨が薄いために上
方のサッシと下方のサッシとの連結部を薄く構成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】段窓の縦断面図である。 【図２】段窓の横断面図である。 【図３】要部を拡大して示す縦断面図である。 【符号の説明】 ５ 下枠 ６ 上枠 ７ 中枠 １１ 上方のサッシ窓 １２ 下方のサッシ窓 ５１ ねじ止め部 ５２ 突出片 ５３ 垂下片 ５４ 突出片 ６１ ねじ止め部 ６３ 立上り片 ７１ ねじ受け部 ７３ 係合部

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 ｌ．サッシ窓を上下に連結させた段窓であって、上方の
   サッシ窓の下枠と下方のサッシ窓の上枠とが中骨で連結
   された構造を有し、 下枠は、室内側端にねじ止め部、室外側端に突出片及び
   ねじ止め部と突出片の間に垂下片を備え、 上枠は、室内側端にねじ止め部、室外側に突出片及びね
   じ止め部と突出片の間に立上り片を備え、 中骨は、室内面板と該室内面板の略中央部から下枠及び
   上枠の見込み方向寸法相当分だけ室外側に延出する一枚
   板状の主体部により断面略Ｔ字型に一体的に形成され
   て、前記室内面板の部分にねじ受け部を備え、主体部に
   係合部を有し、 下枠と上枠の突出片が中骨の主体部における係合部に係
   合され、下枠の垂下片が上方から、上枠の立上り片が下
   方から中骨の主体部に当接され、更に、室外側において
   は下枠の先端部と上枠の先端部が中骨の先端部を挟持
   し、室内側においては下枠と上枠のねじ止め部が中骨の
   それぞれのねじ受け部に螺着されて一体に結合されてい
   ることを特徴とするサッシ段窓。