JP3090034B2 - パワーウィンド装置 - Google Patents

パワーウィンド装置

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JP3090034B2 JP08096804A JP9680496A JP3090034B2 JP 3090034 B2 JP3090034 B2 JP 3090034B2 JP 08096804 A JP08096804 A JP 08096804A JP 9680496 A JP9680496 A JP 9680496A JP 3090034 B2 JP3090034 B2 JP 3090034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉スイッチの操
作に応じてモータにより窓ガラスを開閉させるパワーウ
ィンド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車には、乗用車に代表される
ように、ドアウィンド等の窓ガラスの開閉方向への移動
を開閉スイッチの操作に応じたモータの駆動により自動
的に行うパワーウィンド装置が広く採用されており、近
年では、ドアフレームと窓ガラスの間に物品や身体の一
部等の異物が挟まったか否かを検出し、異物の挟み込み
の検出時には挟み込み解除動作を行い、窓ガラスが開い
て挟み込み状態が解除されるようにモータを強制的に所
定量回転させる安全装置が徐々に付設されつつある。
【0003】従来のパワーウィンドの安全装置の1つと
しては、特開平6−137030号公報の安全装置を備
えるパワーウィンド装置を挙げることができる。前記パ
ワーウィンド装置では、モータの回転に伴い90°位相
が異なるパルス信号を出力する2組のホール素子を設
け、このパルス信号の間隔時間から割り出した窓ガラス
の開閉の絶対速度が基準速度よりも遅いか、或は、前記
間隔時間の前後比から割り出した相対速度が所定の率よ
りも大きく低下した場合に、異物を挟み込んでいるもの
と判断している。
【0004】また、前記パワーウィンド装置では、窓ガ
ラスが閉じてモータが止まった時に、異物を挟み込んだ
ものと過って判断しないように、前記2組のホール素子
からのパルス信号の位相差によりモータの回転方向を検
出し、この回転方向に応じてホール素子からのパルス信
号をカウンタにおいてアップダウンカウントし、このカ
ウント値が、窓ガラスの全閉位置及びその近傍の安全制
御動作解除領域内に相当するカウント値の範囲内である
場合には、異物の挟み込みの検出動作を行わないように
している。
【0005】そして、前記パワーウィンド装置では、ホ
ール素子からのパルス信号の出力異常や、ゴム製のウェ
ザーストリップの弾性の変化等により、カウント値が実
際の窓ガラスの位置に応じた値よりもマイナス側に増
え、窓ガラスの全閉位置において「0」となるはずのパ
ルス信号のカウント値が、全閉位置よりも窓ガラスが開
いた状態で「0」となり、さらに窓ガラスが閉じてカウ
ント値がマイナスとなった場合には、次のような動作を
行っていた。即ち、窓ガラスが前記安全制御動作解除領
域に達し、ウェザーストリップにかみ込む等してモータ
の回転が鈍り、窓ガラスの開閉の絶対速度が基準速度よ
りも遅いか、或は、窓ガラスの開閉の相対速度が所定の
率よりも大きく低下した際に限って、そのマイナスのカ
ウント値を全閉位置に相当する値「0」に設定し直す構
成としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホール素子
からのパルス信号の出力異常や、ゴム製のウェザースト
リップの弾性の変化等によるカウント値のずれは、上述
したような、カウント値が実際の窓ガラスの位置に応じ
た値よりもマイナス側に増えるずれに限るものではな
く、反対に、カウント値が実際の窓ガラスの位置に応じ
た値よりもプラス側に増えるずれが起こることもある。
【0007】しかしながら、上述した従来の前記パワー
ウィンド装置では、実際の窓ガラスの位置に応じた値よ
りもマイナス側に増えた場合にしかカウント値がリセッ
トされないので、カウント値が実際の窓ガラスの位置に
応じた値よりもプラス側に増え、そのうちに、窓ガラス
の全閉位置において、カウント値が前記安全制御動作解
除領域よりも窓ガラスが開いている状態に相当する値と
なる場合が発生すると、次のような事象が発生する可能
性がある。即ち、窓ガラスが全閉位置に達してモータの
回転が止まっているにも拘らず、カウント値上では窓ガ
ラスが安全制御動作解除領域にあるものと取り扱われ
て、窓ガラス異物を挟み込んだものと認識して挟み込み
状態の解除動作が誤って実行され、窓ガラスが全閉位置
から強制的に開かれてしまい、全閉させることができな
くなる場合がある。
【0008】この不具合は、モータの回転に応じてホー
ル素子が出力するパルス信号のカウント値を基に窓ガラ
スの開閉位置を検出するに当たり、そのカウント値が正
常か異常かを的確に把握していないことに起因するもの
である。
【0009】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、モータの回転に応じてホール素子
が出力するパルス信号のカウント値を基に窓ガラスの開
閉位置を検出し、その検出したカウント値に応じて挟み
込み解除動作を行うか否かを決定するに当たり、パルス
信号のカウント値が正常か異常かを的確に把握し、カウ
ント値の異常化による挟み込み解除動作の不実行や異常
実行等の誤作動を防ぐことができるパワーウィンド装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載した本発明のパワーウィンド装置は、図
1に基本構成図で示すように、開閉スイッチ13の操作
に応じて回転するモータ11により車両の窓ガラス51
を開閉方向に移動させて、前記モータ11の回転に同期
して出力されるパルス信号PAのパルス数と該モータ1
1の回転方向とにより、カウンタ手段15Aのカウント
値CAを増減させ、該カウント値CAが所定の挟み込み
検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラス51の閉方
向への前記モータ11の回転がロックした際に、該窓ガ
ラス51の開方向に前記モータ11を所定量強制的に回
転させる挟み込み解除動作を行うパワーウィンド装置に
おいて、前記窓ガラス51の全閉位置に対応する前記カ
ウント値CAの閉側限界値を基準に、該カウント値CA
が、前記窓ガラス51の開方向側及び閉方向側のうち少
なくとも一方側に所定値を越えてずれた異常値であるか
否かを判定する異常判定手段15Bと、前記カウント値
CAが前記異常値であると前記異常判定手段15Bが判
定した後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際
に、該全閉位置に対応する前記カウント値CAの閉側基
準値に該カウント値CAを補正する異常カウント値補正
手段15Cとを備え、前記所定の挟み込み検出範囲内の
値が、前記全閉位置から前記窓ガラスの全開位置側に該
窓ガラスが所定距離開いた上限位置と、前記全開位置と
の間に位置する前記窓ガラスに対応する前記カウント値
であり、前記異常判定手段が、前記カウント値が、前記
閉側基準値と、前記上限位置に対応する前記カウント値
の閉側境界値との差分を越えて前記窓ガラスの閉方向側
にずれた時に、該カウント値を前記異常値であると判定
することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載した本発明のパワー
ウィンド装置は、前記異常判定手段15Bが、前記カウ
ント値CAが前記窓ガラス51の開方向側にずれた時
に、該カウント値CAを前記異常値であると判定するも
のとした。さらに、請求項3に記載した本発明のパワー
ウィンド装置は、開閉スイッチ13の操作に応じて回転
するモータ11により車両の窓ガラス51を開閉方向に
移動させて、前記モータ11の回転に同期して出力され
るパルス信号PAのパルス数と該モータ11の回転方向
とにより、カウンタ手段15Aのカウント値CAを増減
させ、該カウント値CAが所定の挟み込み検出範囲内の
値である状態で、前記窓ガラス51の閉方向への前記モ
ータ11の回転がロックした際に、該窓ガラス51の開
方向に前記モータ11を所定量強制的に回転させる挟み
込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前記
窓ガラス51の全閉位置に対応する前記カウント値CA
の閉側限界値を基準に、該カウント値CAが、前記窓ガ
ラス51の開方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方
側に所定値を越えてずれた異常値であるか否かを判定す
る異常判定手段15Bと、前記カウント値CAが前記異
常値であると前記異常判定手段15Bが判定した後、前
記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該全閉位
置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に該カウ
ント値CAを補正する異常カウント値補正手段15C
と、前記カウント値CAが前記異常値であると前記異常
判定手段15Bが判定した後、前記窓ガラス51が前記
全閉位置に達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実
行を禁止する挟み込み解除動作禁止手段15Dとを備え
ることを特徴とする。
【0012】また、請求項4に記載した本発明のパワー
ウィンド装置は、前記カウント値CAが前記異常値であ
ると前記異常判定手段15Bが判定した後、前記窓ガラ
ス51が前記全閉位置に達するまでの間、前記挟み込み
解除動作の実行を禁止する挟み込み解除動作禁止手段1
5Dをさらに備えるものとした。
【0013】さらに、請求項5に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、開閉スイッチ13の操作に応じて回
転するモータ11により車両の窓ガラス51を開閉方向
に移動させて、前記モータ11の回転に同期して出力さ
れるパルス信号PAのパルス数と該モータ11の回転方
向とにより、カウンタ手段15Aのカウント値CAを増
減させ、該カウント値CAが所定の挟み込み検出範囲内
の値である状態で、前記窓ガラス51の閉方向への前記
モータ11の回転がロックした際に、該窓ガラス51の
開方向に前記モータ11を所定量強制的に回転させる挟
み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前
記窓ガラス51の全閉位置に対応する前記カウント値C
Aの閉側限界値を基準に、該カウント値CAが、前記窓
ガラス51の開方向側及び閉方向側のうち少なくとも一
方側に所定値を越えてずれた異常値であるか否かを判定
する異常判定手段15Bと、前記カウント値CAが前記
異常値であると前記異常判定手段15Bが判定した後、
前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該全閉
位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に該カ
ウント値CAを補正する異常カウント値補正手段15C
と、前記車両のイグニッションスイッチ17の投入中に
前記挟み込み解除動作が行われた回数を計数する解除回
数計数手段15Eと、前記イグニッションスイッチ17
の切断に応じて前記解除回数計数手段15Eの計数値C
kをゼロリセットする解除回数リセット手段15Fとを
備え、前記異常カウント値補正手段15Cが、前記解除
回数計数手段15Eの計数値Ckが所定回数を越えた
後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該
全閉位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に
該カウント値CAを補正することを特徴とする。 また、
請求項6に記載した本発明のパワーウィンド装置は、
記車両のイグニッションスイッチ17の投入中に前記挟
み込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数計数
手段15Eと、前記イグニッションスイッチ17の切断
に応じて前記解除回数計数手段15Eの計数値Ckをゼ
ロリセットする解除回数リセット手段15Fとをさらに
備え、前記異常カウント値補正手段15Cが、前記解除
回数計数手段15Eの計数値Ckが所定回数を越えた
後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該
全閉位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に
該カウント値CAを補正するものとした。
【0014】さらに、請求項7に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、開閉スイッチ13の操作に応じて回
転するモータ11により車両の窓ガラス51を開閉方向
に移動させて、前記モータ11の回転に同期して出力さ
れるパルス信号PAのパルス数と該モータ11の回転方
向とにより、カウンタ手段15Aのカウント値CAを増
減させ、該カウント値CAが所定の挟み込み検出範囲内
の値である状態で、前記窓ガラス51の閉方向への前記
モータ11の回転がロックした際に、該窓ガラス51の
開方向に前記モータ11を所定量強制的に回転させる挟
み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前
記車両のイグニッションスイッチ17の投入中に前記挟
み込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数計数
手段15Eと、前記イグニッションスイッチ17の切断
に応じて前記解除回数計数手段15Eの計数値Ckをゼ
ロリセットする解除回数リセット手段15Fと、前記解
除回数計数手段15Eの計数値Ckが所定回数を越えた
後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該
全閉位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に
該カウント値CAを補正する異常カウント値補正手段1
5Cとを備えることを特徴とする。
【0015】また、請求項8に記載した本発明のパワー
ウィンド装置は、前記解除回数計数手段15Eの計数値
Ckが所定回数を越えた後、前記窓ガラス51が前記全
閉位置に達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実行
を禁止する第2の挟み込み解除動作禁止手段15Gをさ
らに備えるものとした。
【0016】さらに、請求項9に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、前記挟み込み解除動作禁止手段15
D,15Gが前記挟み込み解除動作を禁止している間、
前記開閉スイッチ13の操作に応じた前記モータ11の
回転による前記窓ガラス51の閉方向への移動を規制す
る開閉規制手段15Hをさらに備えるものとした。
【0017】また、請求項10に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、開閉スイッチ13の操作に応じて回
転するモータ11により車両の窓ガラス51を開閉方向
に移動させて、前記モータ11の回転に同期して出力さ
れるパルス信号PAのパルス数と該モータ11の回転方
向とにより、カウンタ手段15Aのカウント値CAを増
減させ、該カウント値CAが所定の挟み込み検出範囲内
の値である状態で、前記窓ガラス51の閉方向への前記
モータ11の回転がロックした際に、該窓ガラス51の
開方向に前記モータ11を所定量強制的に回転させる挟
み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前
記窓ガラス51の全閉位置に対応する前記カウント値C
Aの閉側限界値を基準に、該カウント値CAが、前記窓
ガラス51の開方向側及び閉方向側のうち少なくとも一
方側に所定値を越えてずれた異常値であるか否かを判定
する異常判定手段15Bと、前記カウント値CAが前記
異常値であると前記異常判定手段15Bが判定した後、
前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該全閉
位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に該カ
ウント値CAを補正する異常カウント値補正手段15C
とを備え、前記パルス信号PAが、前記モータ11の回
転方向に応じて位相差が異なる2相のパルス信号Pa,
Pbで構成されていると共に、前記2相のパルス信号P
a,Pbの位相差を基に推定した前記モータ11の回転
方向と、前記窓ガラス51の開閉方向に対応する前記モ
ータ11の実際の回転方向とが一致するか否かを判定す
る回転方向判定手段15Jと、前記推定したモータ11
の回転方向と該モータ11の実際の回転方向とが一致し
ないと前記回転方向判定手段15Jが判定した後、前記
窓ガラス51が前記全閉位置に達するまでの間、前記挟
み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み込み解除動
作禁止手段15Kとをさらに備え、前記異常カウント値
補正手段15Cが、前記推定したモータ11の回転方向
と該モータ11の実際の回転方向とが一致しないと前記
回転方向判定手段15Jが判定した後、前記窓ガラス5
1が前記全閉位置に達した際に、該全閉位置に対応する
前記カウント値CAの閉側基準値に該カウント値CAを
補正することを特徴とする。さらに、請求項11に記載
した本発明のパワーウィンド装置は、前記パルス信号P
Aが、前記モータ11の回転方向に応じて位相差が異な
る2相のパルス信号Pa,Pbで構成され、これら2相
のパルス信号Pa,Pbの位相差を基に推定した前記モ
ータ11の回転方向と、前記窓ガラス51の開閉方向に
対応する前記モータ11の実際の回転方向とが一致する
か否かを判定する回転方向判定手段15Jと、前記推定
したモータ11の回転方向と該モータ11の実際の回転
方向とが一致しないと前記回転方向判定手段15Jが判
定した後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達するま
での間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の
挟み込み解除動作禁止手段15Kとをさらに備え、前記
異常カウント値補正手段15Cが、前記推定したモータ
11の回転方向と該モータ11の実際の回転方向とが一
致しないと前記回転方向判定手段15Jが判定した後、
前記窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該全閉
位置に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に該カ
ウント値CAを補正するものとした。
【0018】また、請求項12に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、前記第3の挟み込み解除動作禁止手
段15Kが前記挟み込み解除動作を禁止している間、前
記開閉スイッチ13の操作に応じた前記モータ11の回
転による前記窓ガラス51の閉方向への移動を規制する
第2の開閉規制手段15Mをさらに備えるものとした。
【0019】さらに、請求項13に記載した本発明のパ
ワーウィンド装置は、開閉スイッチ13の操作に応じて
回転するモータ11により車両の窓ガラス51を開閉方
向に移動させて、前記モータ11の回転に同期して出力
される、該モータ11の回転方向に応じて位相差が異な
る2相のパルス信号Pa,Pbのパルス数と、これら2
相のパルス信号Pa,Pbの位相差を基に推定した前記
モータ11の回転方向とにより、カウンタ手段15Aの
カウント値CAを増減させ、該カウント値CAが所定の
挟み込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラス5
1の閉方向への前記モータ11の回転がロックした際
に、該窓ガラス51の開方向に前記モータ11を所定量
強制的に回転させる挟み込み解除動作を行うパワーウィ
ンド装置において、前記推定したモータ11の回転方向
と該モータ11の実際の回転方向とが一致するか否かを
判定する回転方向判定手段15Jと、前記推定したモー
タ11の回転方向と該モータ11の実際の回転方向とが
一致しないと前記回転方向判定手段15Hが判定した
後、前記窓ガラス51が前記全閉位置に達するまでの
間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み
込み解除動作禁止手段15Kとを備えることを特徴とす
る。
【0020】また、請求項14に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置は、前記第3の挟み込み解除動作禁止手
段15Kが前記挟み込み解除動作を禁止している間、前
記開閉スイッチ13の操作に応じた前記モータ11の回
転による前記窓ガラス51の閉方向への移動を規制する
第2の開閉規制手段15Mと、前記推定したモータ11
の回転方向と該モータ11の実際の回転方向とが一致し
ないと前記回転方向判定手段15Jが判定した後、前記
窓ガラス51が前記全閉位置に達した際に、該全閉位置
に対応する前記カウント値CAの閉側基準値に該カウン
ト値CAを補正する第2の異常カウント値補正手段15
Nとをさらに備えるものとした。
【0021】請求項1に記載した本発明のパワーウィン
ド装置によれば、モータ11が正常に回転しパルス信号
PAも過不足なく正常に発生している限り、カウンタ手
段15Aのカウント値CAの値は、窓ガラス51が全閉
位置から全開位置に、或は、その逆に移動する間に発生
するパルス信号PAの数によって定まる。このため、窓
ガラス51の全閉位置に対応するカウント値CAの閉側
限界値を基準にすると、カウンタ手段15Aのカウント
値CAの値は、窓ガラス51が全閉位置から全開位置
に、或は、その逆に移動する間に発生するパルス信号P
Aの数を、閉側限界値に加えるか、或は、閉側限界値か
ら差し引くかした値と、閉側限界値との間の値に限定さ
れることとなる。
【0022】従って、カウンタ手段15Aの実際のカウ
ント値CAが正常でなく狂っていると、例えば窓ガラス
51が全開位置や全閉位置にある際に、カウンタ手段1
5Aの実際のカウント値CAが、上述したように限定さ
れる値の間に存在せず、それから窓ガラス51の開方向
側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を越え
てずれることとなる。よって、カウント値CAが窓ガラ
ス51の開方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側
に所定値を越えてずれているか否かを判定する異常判定
手段15Bにより、カウンタ手段15Aの実際のカウン
ト値CAが正常であるか、或は、正常でなく狂っている
異常値であるかが確実に判定される。
【0023】そして、カウント値CAが異常値であると
判定された場合には、その後、窓ガラス51が全閉位置
に達した際にカウント値CAを異常カウント値補正手段
15Cにより閉側基準値に補正することで、狂ったカウ
ンタ手段15Aの実際のカウント値CAが正常な値に確
実に戻る。これにより、カウント値CAが所定の挟み込
み検出範囲内の値であるか否かを基に行う挟み込み解除
動作が、窓ガラス51が全閉位置に達した際に誤って行
われたり、異物が窓ガラス51に挟まったにも拘らず行
われなかったりするのを確実に防止することが可能とな
る。
【0024】しかも、請求項1に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、全閉位置において窓ガラス5
1が気密や水密を図るゴム製のウェザーストリップにか
み込むように構成されている場合、経年変化に伴いウェ
ザーストリップの弾性が変化する等して、窓ガラス51
の全閉位置が全開位置側とは反対側にずれ、これによ
り、窓ガラス51の全閉位置におけるカウンタ手段15
Aの実際のカウント値CAが、窓ガラス51の閉方向側
にずれたとしても、所定の挟み込み検出範囲を決定する
窓ガラス51の上限位置を、この上限位置に対応するカ
ウント値CAの閉側境界値と閉側基準値との差分が、上
述した窓ガラス51の全閉位置ずれに伴うカウント値C
Aのずれの最大量を上回るように設定することで、異常
判定手段15Bはカウント値CAを異常値であると判定
しない。従って、ウェザーストリップの経年変化等の影
響によるカウンタ手段15Aの実際のカウント値CAの
ずれで、パルス信号PAの発生源やカウンタ手段15A
に故障が生じたものと誤って判断されるのを防止するこ
とが可能となる。
【0025】尚、カウンタ手段15Aの実際のカウント
値CAが、ウェザーストリップの経年変化等により窓ガ
ラス51の閉方向側に最大量ずれたとしても、カウント
値CAで見る窓ガラス51の上限位置は、窓ガラス51
の全閉位置には達しないことから、全閉位置において窓
ガラス51が止まった際に異物を挟み込んだと誤認して
挟み込み解除動作が行われてしまうことはない。
【0026】また、請求項2に記載した本発明のパワー
ウィンド装置によれば、例えば、パルス信号PAの出力
源の異常により、窓ガラス51が開く方向に移動してい
る際に、正常時よりも多くのパルス信号PAが発生した
場合、窓ガラス51が全開位置に達すると、カウンタ手
段15Aの実際のカウント値CAは、窓ガラス51が全
開位置にある場合の値よりも窓ガラス51の開方向側に
ずれることとなる。従って、この窓ガラス51の開方向
側へのカウント値CAのずれは、異常判定手段15Bに
より確実に異常値であると判定され、これにより、カウ
ンタ手段15Aの実際のカウント値CAが正常であれば
異物を挟み込んだと認識される状態が発生したのに、カ
ウント値CAが窓ガラス51の開方向側にずれていたた
めに挟み込み解除動作が行われないという事象の発生
を、確実に防止することが可能となる。
【0027】さらに、請求項5乃至請求項7に記載した
本発明のパワーウィンド装置によれば、カウント値CA
が所定の挟み込み検出範囲内の値であることを条件に行
われる挟み込み解除動作が、所定回数を越えて行われた
場合、実際に異物が窓ガラス51に繰り返し挟まったの
が原因である他に、カウンタ手段15Aの実際のカウン
ト値CAに狂いが生じて、窓ガラス51の全閉位置にお
いてカウンタ手段15Aが実際にカウントしているカウ
ント値CAが、所定の挟み込み検出範囲内の値となって
しまったのが原因であることが考えられる。従って、イ
グニッションスイッチ17の投入後における解除回数計
数手段15Eの計数値Ckが所定回数を越えた場合、そ
の後、窓ガラス51が全閉位置に達した際にカウント値
CAを異常カウント値補正手段15Cにより閉側基準値
に補正することで、狂った可能性があるカウンタ手段1
5Aの実際のカウント値CAを正常な値に確実に戻し、
誤って挟み込み解除動作が繰り返されるのを確実に防止
することが可能となる。
【0028】しかも、イグニッションスイッチ17の切
断に応じて解除回数リセット手段15Fが解除回数計数
手段15Eの計数値Ckをゼロリセットすることから、
イグニッションスイッチ17を切った後、狂った可能性
があるカウンタ手段15Aの実際のカウント値CAを正
常な値に戻す手当てをした場合等に、その後のイグニッ
ションスイッチ17の投入時に、前回イグニッションス
イッチ17を切った時点までに解除回数計数手段15E
で計数された計数値Ckがそのまま加算されて、カウン
タ手段15Aの実際のカウント値CAが正常な値に戻っ
たにも拘らず、挟み込み解除動作が行われなくなってし
まうのを防止することが可能となる。
【0029】また、請求項3、請求項4、及び、請求項
に記載した本発明のパワーウィンド装置によれば、異
常判定手段15Bがカウンタ手段15Aの実際のカウン
ト値CAを異常値であると判定してから、或は、解除回
数計数手段15Eの計数値Ckが所定回数を越えてか
ら、窓ガラス51が全閉位置に達して、狂ったカウンタ
手段15Aの実際のカウント値CAが異常カウント値補
正手段15Cにより正常な閉側基準値に補正されるまで
の間、挟み込み解除動作禁止手段15Dや第2の挟み込
み解除動作禁止手段15Gが挟み込み解除動作の実行を
禁止することで、カウンタ手段15Aの狂ったカウント
値CAが基で、挟み込み解除動作が誤って行われるのを
確実に防止することが可能となる。
【0030】さらに、請求項9に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、挟み込み解除動作禁止手段1
5Dや第2の挟み込み解除動作禁止手段15Gによる挟
み込み解除動作の禁止中、開閉スイッチ13の操作に応
じたモータ11の回転による窓ガラス51の閉方向への
移動を開閉規制手段15Hが規制することにより、この
規制された窓ガラス51の閉方向への移動によって、挟
み込み解除動作の禁止中であることを認識させ、この挟
み込み解除動作の禁止中に異物を窓ガラス51に挟まな
いようにさせるための注意を喚起させることが可能とな
る。
【0031】また、請求項10、請求項11、及び、請
求項13に記載した本発明のパワーウィンド装置によれ
ば、例えば、モータ11の回転方向に応じて位相差が異
なる2相のパルス信号Pa,Pbを発生する発生源の接
続を正規とは逆に間違えてしまうと、モータ11の実際
の回転方向に対して、2相のパルス信号Pa,Pbの位
相差を基に推定されるモータ11の回転方向が逆にな
り、これにより、ウェザーストリップの経年変化等によ
る窓ガラス51の全閉位置のずれや、パルス信号PAの
出力源の異常がなくても、カウンタ手段15Aが実際に
カウントしているカウント値CAが正常でなくなり、狂
ってしまう。従って、開閉スイッチ13の操作に応じて
モータ11が窓ガラス51の開閉方向に駆動される場
合、モータ11の実際の回転方向と、2相のパルス信号
Pa,Pbの位相差を基に推定されるモータ11の回転
方向とが一致しないと回転方向判定手段15Jが判定し
た際に、その後、窓ガラス51が全閉位置に達するまで
の間、第3の挟み込み解除動作禁止手段15Kが挟み込
み解除動作の実行を禁止することで、カウンタ手段15
Aの狂ったカウント値CAが基で、挟み込み解除動作が
誤って行われるのを確実に防止することが可能となる。
【0032】さらに、請求項12に記載した本発明のパ
ワーウィンド装置によれば、回転方向判定手段15J
が、推定したモータ11の回転方向と該モータ11の実
際の回転方向とが一致しないと判定してから、窓ガラス
51が全閉位置に達して、狂ったカウンタ手段15Aの
実際のカウント値CAが異常カウント値補正手段15C
により正常な閉側基準値に補正されるまでの間、開閉ス
イッチ13の操作に応じたモータ11の回転による窓ガ
ラス51の閉方向への移動を第2の開閉規制手段15M
が規制することにより、この規制された窓ガラス51の
閉方向への移動によって、挟み込み解除動作の禁止中で
あることを認識させ、この挟み込み解除動作の禁止中に
異物を窓ガラス51に挟まないようにさせるための注意
を喚起させることが可能となる。
【0033】また、請求項14に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、回転方向判定手段15Jが、
推定したモータ11の回転方向と該モータ11の実際の
回転方向とが一致しないと判定し、これに伴って、第3
の挟み込み解除動作禁止手段15Kが挟み込み解除動作
を禁止している間、開閉スイッチ13の操作に応じたモ
ータ11の回転による窓ガラス51の閉方向への移動を
第2の開閉規制手段15Mが規制することにより、この
規制された窓ガラス51の閉方向への移動によって、挟
み込み解除動作の禁止中であることを認識させ、この挟
み込み解除動作の禁止中に異物を窓ガラス51に挟まな
いようにさせるための注意を喚起させることが可能とな
る。
【0034】そして、回転方向判定手段15Jが、推定
したモータ11の回転方向と該モータ11の実際の回転
方向とが一致しないと判定し、その後、窓ガラス51が
全閉位置に達した際にカウント値CAを第2の異常カウ
ント値補正手段15Nにより閉側基準値に補正すること
で、例えば、正規とは逆に間違えたモータ11の接続を
正規の接続に変えた後、狂った可能性があるカウンタ手
段15Aの実際のカウント値CAを正常な値に確実に戻
し、挟み込み解除動作が正常に行われるようにすること
が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるパワーウィン
ド装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】図2は本発明の一実施形態に係るパワーウ
ィンド装置の概略構成を一部ブロックで示す説明図で、
図2中1はパワーウィンド機構、3は異物の挟み込みを
検出、解除する挟み込み検出解除装置をそれぞれ示す。
前記パワーウィンド機構1は、ドア5の窓ガラス51を
開閉するもので、窓ガラス51開閉駆動用のモータ11
と、前記窓ガラス51を開閉させる際に操作される開閉
スイッチ13と、該開閉スイッチ13の操作に応じてモ
ータ11が窓ガラス51の開閉方向に回転するように制
御するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記す
る)15等で構成されている。前記挟み込み検出解除装
置3はモータ11の回転数に応じたモータパルス信号を
出力するパルス発生器31と前記マイコン15等で構成
されている。
【0037】前記開閉スイッチ13は、例えば前記ドア
5の内側のひじ掛け部(図示せず)上面に配設されてお
り、前後に傾倒可能な従来公知のシーソー式の操作ボタ
ン(図示せず)を有する自己復帰型メカニカルスイッチ
からなる。前記開閉スイッチ13は、前記操作ボタンを
前方に倒すように操作することで、窓ガラス51を全閉
位置側に上昇させるための上昇要求信号13aを出力
し、前記操作ボタンを後方に倒すように操作すること
で、窓ガラス51を全開位置側に下降させるための下降
要求信号13bを出力するように構成されている。
【0038】前記パルス発生器31は、前記モータ11
の外側に配設されており、該パルス発生器31は、図3
に示すように、第1及び第2の2つのセンサ31a,3
1bを有している。前記第1及び第2センサ31a,3
1bはそれぞれ、所定方向への磁界がかかると起電力を
生じるホールIC31c,31dと、各ホールIC31
c,31dの起電力をデジタル変換するA/Dコンバー
タ31e,31fとを有しており、前記ホールIC31
c,31dは、前記モータ11の出力軸11aの径方向
において該出力軸11aからの距離が等しく、且つ、該
出力軸11aの周方向に90°位置をずらした箇所にそ
れぞれ配設されている。
【0039】前記パルス発生器31は、前記出力軸11
aに固着されたマグネット17の作る磁界がモータ11
の回転により変化するのに伴い、各ホールIC31c,
31dに起電力がそれぞれ生じ、この起電力により、図
4に示すように、第1及び第2センサ31a,31bが
デューティー比50%の第1及び第2パルス信号Pa,
Pbを、モータ11が1周回転する毎にそれぞれ1回ず
つ出力するように構成されている。
【0040】尚、図4中の上段は第1センサ31aから
の第1パルス信号Pa、下段は第2センサ31bからの
第2パルス信号Pbを示し、図4中矢印イは、前記窓ガ
ラス51が全閉位置側に上昇する方向にモータ11が回
転した時の、前記第1及び第2パルス信号Pa,Pbの
出力方向、矢印ロは、窓ガラス51が全開位置側に下降
する方向にモータ11が回転した時の、前記第1及び第
2パルス信号Pa,Pbの出力方向をそれぞれ示してい
る。この図4からも明らかなように、窓ガラス51の上
昇時には、第1センサ31aからの第1パルス信号Pa
の位相が第2センサ31bからの第2パルス信号Pbの
位相よりも90°先行し、窓ガラス51の下降時には、
第2センサ31bからの第2パルス信号Pbの位相が第
1センサ31aからの第1パルス信号Paの位相よりも
90°先行する。
【0041】次に、前記マイコン15のハードウェア構
成について、図5のブロック図を参照して説明する。前
記マイコン15は、CPU(Central Processing Unit
、中央処理装置)15aと、RAM(Random Access M
emory)15bと、ROM(Read-Only Memory)15c
とで構成されている。
【0042】前記CPU15aには、出力インタフェー
ス15d及びドライバ15eを介して前記モータ11が
接続されており、また、入力ポート15fを介して前記
開閉スイッチ13と、第1及び第2センサ31a,31
bと、イグニッションスイッチ17がそれぞれ接続され
ている。
【0043】前記RAM15bは、図6にメモリエリア
マップで示すように、各種データ記憶用のデータエリア
及び各種処理作業に用いるワークエリアを有し、このう
ちワークエリアには、演算、第1乃至第4位置カウン
タ、第1及び第2上昇量カウンタ、片側センサ故障診断
用カウンタ(以下、片側カウンタと略記する)、挟み込
み解除動作実行回数カウンタ(以下、解除カウンタと略
記する)、逆パルス検出回数カウンタ(以下、逆カウン
タと略記する)の各エリアが設けられている。また、R
AM15bのワークエリアには、第1及び第2検出タイ
ミングバッファ、第1及び第2周期バッファ、第1及び
第2速度バッファ、第1及び第2減速度バッファ、第1
乃至第6経過時間計測タイマ、位置確定フラグ、逆パル
ス連続中フラグの各エリアが設けられている。
【0044】前記ROM15cには、CPU15aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0045】次に、前記ROM15cに格納された制御
プログラムに従いCPU15aが行う処理について、図
7乃至図15のフローチャートを参照して説明する。窓
ガラス51を全閉位置とした状態で、不図示のバッテリ
にマイコン15が接続されて起動し、プログラムがスタ
ートすると、図7に示すように、CPU15aは、初期
設定を行う(ステップS0)。
【0046】前記ステップS0の初期設定では、RAM
15bの第1乃至第4位置カウンタエリアのカウント値
Ca,Cb,Cd,Ce、第1及び第2上昇量カウンタ
エリアのカウント値Ch,Cj、片側カウンタエリアの
カウント値Cc、解除カウンタエリアのカウント値C
k、逆カウンタエリアのカウント値Cmをそれぞれゼロ
リセットする。これと共に、ステップS0の初期設定で
は、RAM15bの第1及び第2検出タイミングバッフ
ァ、第1及び第2周期バッファ、第1及び第2速度バッ
ファ、及び、第1及び第2減速度バッファの各エリアを
クリアし、また、RAM15bの第1乃至第6経過時間
計測タイマエリアのタイマ値である第1乃至第6経過時
間Tu,Ta,Tb,Ts,Tc,Tdをそれぞれゼロ
リセットし、さらに、RAM15bの位置確定フラグエ
リアのフラグFと逆パルス連続中フラグエリアのフラグ
Faをそれぞれ「1」に設定する。
【0047】ステップS0の初期設定が済んだならば、
次に、イグニッションスイッチ17がオンであるか否か
を確認し(ステップS1)、イグニッションスイッチ1
7がオンでない場合は(ステップS1でN)、解除カウ
ンタエリアのカウント値Ckをゼロリセットした後(ス
テップS2)、ステップS1にリターンし、イグニッシ
ョンスイッチ17がオンである場合は(ステップS1で
Y)、開閉スイッチ13から上昇要求信号13a及び下
降要求信号13bの両信号のうちどちらかの出力がある
か否かを確認する(ステップS3)。上昇要求信号13
a及び下降要求信号13bの両信号とも出力がない場合
は(ステップS3でN)、ドライバ15eへのモータ1
1上昇及び下降駆動信号Ma,Mbの出力を停止し(ス
テップS4)、次に、RAM15bの第1位置カウンタ
エリアのカウント値Caをゼロリセットして(ステップ
S5)、RAM15bの第1経過時間計測タイマエリア
における、上昇要求信号13aの出力開始からの経過時
間である第1経過時間Tuの計測を停止してゼロリセッ
トした後(ステップS7)、ステップS17に進む。
【0048】また、上昇要求信号13a及び下降要求信
号13bの両信号のうちどちらかの出力がある場合は
(ステップS3でY)、出力されている信号が上昇要求
信号13aであるか否かを確認し(ステップS9)、上
昇要求信号13aである場合は(ステップS9でY)、
前記第1経過時間計測タイマエリアにおいて第1経過時
間Tuの計測を開始する(ステップS11)。そして、
窓ガラス51を閉じる上昇方向にモータ11を回転させ
る上昇駆動信号Maをドライバ15eに出力した後(ス
テップS13)、ステップS17に進む。一方、上昇要
求信号13aでない場合は(ステップS9でN)、窓ガ
ラス51を開く下降方向にモータ11を回転させる下降
駆動信号Mbをドライバ15eに出力して(ステップS
15)、ステップS17に進む。
【0049】ステップS17では、第1センサ31aか
らの第1パルス信号Paの立ち上がり又は立ち下がりの
エッジを検出したか否かを確認し、検出した場合には
(ステップS17でY)、後述する第1センサパルス検
出割込処理を行った後(ステップS19)、ステップS
21に進み、検出しなかった場合は(ステップS17で
N)、ステップS19をスキップしてステップS21に
進む。
【0050】前記ステップS19の第1センサパルス検
出割込処理処理では、図12に示すように、まず、ステ
ップS19aで、第1パルス信号Paの立ち上がり又は
立ち下がりのエッジを検出した時点Tan を、RAM1
5bの第1検出タイミングバッファエリアに格納し、続
くステップS19bで、RAM15bの第2経過時間計
測タイマエリアにおける、前記時点Tan から次の第1
パルス信号Paの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを
検出する時点Tan+1 までの経過時間である第2経過時
間Taの計測を停止してゼロリセットする。さらに、前
記第2経過時間計測タイマエリアにおいて第2経過時間
Taの計測を開始し(ステップS19c)、続いて、前
記時点Tan での第1及び第2パルス信号Pa,Pbの
出力レベルが等しいか否かを確認する(ステップS19
d)。
【0051】第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力
レベルが等しい場合は(ステップS19dでY)、RA
M15bの第1位置カウンタエリアのカウント値Caを
「1」インクリメントした後(ステップS19e)、ス
テップS19gに進み、出力レベルが等しくない場合は
(ステップS19dでN)、前記カウント値Caを
「1」デクリメントした後(ステップS19f)、ステ
ップS19gに進む。ステップS19gでは、RAM1
5bの演算エリアにおいて、前記第1位置カウンタエリ
アのカウント値Caから、後述するRAM15bの第2
位置カウンタエリアのカウント値Cbを差し引いた差値
Cを求め、次に、この差値Cの絶対値が基準差値NDIFF
以上であるか否かを確認する(ステップS19h)。
【0052】尚、前記第1及び第2位置カウンタエリア
の各カウント値Ca,Cbは、窓ガラス51が閉じる方
向に上昇すれば減少し、反対に、窓ガラス51が開く方
向に下降すれば増加する。そして、前記各カウント値C
a,Cbは、窓ガラス51が全閉位置にあるときに
「0」となり、全開位置にあるときに「N」となる。ま
た、前記第1及び第2パルス信号Pa,Pbは、モータ
11が1周回転する毎に位相を90°ずらして1回ずつ
出力されるので、前記第1及び第2センサ31a,31
bが共に正常に動作している限り、前記差値Cの絶対値
は「0」又は「1」となる。従って、前記基準差値N
DIFFは「2」に設定してもよいが、本実施形態では、ノ
イズにより発生した偽の第1や第2パルス信号Pa,P
bの立ち上がりをカウントした場合等を想定し、多少の
マージンを含めて、基準差値NDIFFを「3」に設定して
いる。
【0053】そして、前記差値Cが基準差値NDIFF以上
でない場合は(ステップS19hでN)、ステップS1
9nに進み、基準差値NDIFF以上である場合は(ステッ
プS19hでY)、前記カウント値Caがカウント値C
bよりも大きいか否かを確認する(ステップS19
j)。カウント値Caがカウント値Cbよりも大きい場
合は(ステップS19jでY)、カウント値Caをカウ
ント値Cbと同じ値に補正した後(ステップS19
k)、ステップS19nに進み、カウント値Caがカウ
ント値Cbよりも大きくない場合は(ステップS19j
でN)、カウント値Cbをカウント値Caと同じ値に補
正した後(ステップS19m)、ステップS19nに進
む。
【0054】ステップS19nでは、図13に示すよう
に、上昇駆動信号Ma又は下降駆動信号Mbを出力して
いるか否かを確認し、出力していない場合は(ステップ
S19nでN)、ステップS19Gに進み、出力してい
れば(ステップS19nでY)、第1及び第2センサ3
1a,31bのうちの一方が故障しているか否かを確認
するための、RAM15bの片側カウンタエリアのカウ
ント値Ccを「1」インクリメントし(ステップS19
p)、カウント値Ccの絶対値が異常判別基準値N
ABNORM以上であるか否かを確認する(ステップS19
r)。
【0055】尚、前記片側カウンタエリアのカウント値
Ccは、第1パルス信号Paの出力毎に「1」ずつイン
クリメントされ、且つ、後述するように、第2パルス信
号Pbの出力毎に「1」ずつデクリメントされる。そし
て、前記第1及び第2パルス信号Pa,Pbの立ち上が
り及び立ち下がりのエッジは、図4に示すように、前記
第1及び第2センサ31a,31bが共に正常に動作し
ている限り交互に発生し、従って、前記カウント値Cc
の絶対値は「0」又は「1」となる。しかも、前記カウ
ント値Ccは、上昇駆動信号Ma及び下降駆動信号Mb
の出力が停止されるとゼロリセットされる。このため、
前記異常判別基準値NABNORMは「2」に設定してもよい
が、本実施形態では、上昇駆動信号Ma及び下降駆動信
号Mbの1回の出力で、前記第1及び第2センサ31
a,31bからの第1及び第2パルス信号Pa,Pb
が、どちらか一方だけ連続して出力されていない場合に
限って、前記挟み込み検出処理動作が行われるように、
前記異常判別基準値NABNORMを「10」に設定してい
る。
【0056】そして、前記カウント値Ccの絶対値が異
常判別基準値NABNORM以上である場合は(ステップS1
9rでY)、第1及び第2センサ31a,31bのうち
どちらか一方が故障しており、カウント値Ca,Cbの
うちどちらか一方が不確定であるものとして、ステップ
S19Hに進み、異常判別基準値NABNORM以上でない場
合は(ステップS19rでN)、ステップS19nで出
力していることを確認したのが上昇駆動信号Maである
か否かを確認する(ステップS19s)。出力を確認し
たのが上昇駆動信号Maである場合は(ステップS19
sでY)、ステップS19dと同様に、第1パルス信号
Paの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出した時
点Tan での第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力
レベルが等しいか否かを確認し(ステップS19t)、
第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等し
い場合は(ステップS19tでY)、ステップS19A
に進み、出力レベルが等しくない場合は(ステップS1
9tでN)、ステップS19wに進む。
【0057】また、ステップS19sで出力を確認した
のが上昇駆動信号Maでない場合(N)は、ステップS
19dやステップS19tと同様に、第1パルス信号P
aの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出した時点
Tan での第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レ
ベルが等しいか否かを確認し(ステップS19v)、第
1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等しく
ない場合は(ステップS19vでN)、ステップS19
Aに進み、出力レベルが等しい場合は(ステップS19
vでY)、ステップS19wに進む。ステップS19w
では、RAM15bの逆パルス連続中フラグエリアのフ
ラグFaが「0」であるか否かを確認し、フラグFaが
「0」である場合は(ステップS19wでY)、ステッ
プS19Gに進み、「0」でない場合は(ステップS1
9wでN)、逆カウンタエリアのカウント値Cmをゼロ
リセットし(ステップS19x)、フラグFaを「0」
に設定した後(ステップS19y)、ステップS19D
に進む。
【0058】一方、ステップS19tにおいて第1及び
第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等しい場合
(Y)と、ステップS19vにおいて第1及び第2パル
ス信号Pa,Pbの出力レベルが等しくない場合(N)
に進むステップS19Aでは、逆パルス連続中フラグエ
リアのフラグFaが「0」であるか否かを確認し、フラ
グFaが「0」でない場合は(ステップS19Aで
N)、ステップS19Cに進み、「0」である場合は
(ステップS19AでY)、フラグFaを「1」に設定
した後(ステップS19B)、ステップS19Cに進
む。ステップS19Cでは、逆カウンタエリアのカウン
ト値Cmを「1」インクリメントし、その後、ステップ
S19Dに進む。
【0059】ステップS19Dでは、カウント値Cmが
逆出力異常判定値NNEG (本実施形態では「20」)以
上であるか否かを確認し、カウント値Cmが逆出力異常
判定値NNEG 以上でない場合は(ステップS19xで
N)、ステップS19Gに進み、逆出力異常判定値N
NEG 以上である場合は、(ステップS19DでY)、モ
ータ11がマイコン15に逆極性で接続されているもの
として、カウント値Cmをゼロリセットし(ステップS
19E)、次に、フラグFaを「0」に設定した後(ス
テップS19F)、ステップS19Hに進む。
【0060】ステップS19Gでは、第1位置カウンタ
エリアのカウント値Caが、境界値NDET を負にした値
(−NDET )以上で、且つ、窓ガラス51が全閉位置に
あるときのカウント値Caの正常値であるN以下である
か否かを確認する。
【0061】ここで、前記境界値NDET は、図16に示
すように、ドア5のウェザーストリップ53と窓ガラス
51との隙間がなくなる境界位置DL、即ち、全閉位置
における窓ガラス51の上端51aから13mm下方
の、ウェザーストリップ53の外側下端面53aと同一
高さ箇所に前記上端51aが位置している時の、前記第
1及び第2位置カウンタエリアの正しいカウント値C
a,Cbに相当する値で、本実施形態では、前記境界値
DET を「20」に設定している。
【0062】従って、異物を挟み込む可能性がない前記
境界位置DLよりも上方の全閉領域Scに窓ガラス51
の上端51aが位置している場合は、前記カウント値C
a,Cbが境界値NDET よりも小さくなり、異物を挟み
込む可能性がある前記境界位置DL及びその下方の挟み
込み検出領域So(所定の検出領域に相当)に窓ガラス
51の上端51aが位置している場合は、前記カウント
値Ca,Cbが境界値NDET 以上となる。
【0063】そして、ステップS19Gにおいてカウン
ト値Caが−NDET 以上N以下である場合(Y)は、図
7のフローチャートのステップS21に進み、−NDET
以上N以下でない場合(N)は、第1位置カウンタエリ
アのカウント値Caが、ウェザーストリップ53の経年
変化等による弾性の変化に伴った窓ガラス51の全閉位
置の変動や、パルス発生器31をマイコン15に接続す
る信号線上のノイズの影響等を受け、正常でなくなり異
常値となって不確定であるものとして、ステップS19
Hに進む。ステップS19Hでは、RAM15bの位置
確定フラグエリアのフラグFを「0」に設定し、その
後、ステップS21に進む。
【0064】図7に示すように、ステップS21では、
第2センサ31bからの第2パルス信号Pbの立ち上が
り又は立ち下がりのエッジを検出したか否かを確認し、
検出した場合には(ステップS21でY)、後述する第
2センサパルス検出割込処理処理を行った後(ステップ
S23)、ステップS25に進み、検出しなかった場合
は(ステップS21でN)、ステップS23をスキップ
してステップS25に進む。
【0065】前記ステップS23の第2センサパルス検
出割込処理処理では、図14に示すように、まず、ステ
ップS23aで、第2パルス信号Pbの立ち上がり又は
立ち下がりのエッジを検出した時点Tbn を、RAM1
5bの第2検出タイミングバッファエリアに格納し、続
くステップS23bで、RAM15bの第3経過時間計
測タイマエリアにおける、前記時点Tbn から次の第2
パルス信号Pbの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを
検出する時点Tbn+1 までの経過時間である第3経過時
間Tbの計測を停止してゼロリセットする。さらに、前
記第3経過時間計測タイマエリアにおいて第3経過時間
Tbの計測を開始し(ステップS23c)、続いて、前
記時点Tbn での第1及び第2パルス信号Pa,Pbの
出力レベルが異なっているか否かを確認する(ステップ
S23d)。
【0066】第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力
レベルが異なっている場合は(ステップS23dで
Y)、前記第2位置カウンタエリアのカウント値Cbを
「1」インクリメントした後(ステップS23e)、ス
テップS23gに進み、出力レベルが異なっていない、
即ち、等しい場合は(ステップS23dでN)、第2位
置カウンタエリアのカウント値Cbを「1」デクリメン
トした後(ステップS23f)、ステップS23gに進
む。
【0067】ステップS23gでは、前記ステップS1
9gと同様に、演算エリアにおいて、前記第1位置カウ
ンタエリアのカウント値Caから第2位置カウンタのカ
ウント値Cbを差し引いた差値Cを求め、次に、この差
値Cの絶対値が基準差値NDI FF以上であるか否かを確認
する(ステップS23h)。そして、基準差値NDIFF
上でない場合は(ステップS23hでN)、ステップS
23nに進み、基準差値NDIFF以上である場合は(ステ
ップS23hでY)、前記ステップS19jと同様に、
前記カウント値Caがカウント値Cbよりも大きいか否
かを確認する(ステップS23j)。カウント値Caが
カウント値Cbよりも大きい場合は(ステップS23j
でY)、カウント値Caをカウント値Cbと同じ値に補
正した後(ステップS23k)、ステップS23nに進
み、カウント値Caがカウント値Cbよりも大きくない
場合は(ステップS23jでN)、カウント値Cbをカ
ウント値Caと同じ値に補正した後(ステップS23
m)、ステップS23nに進む。
【0068】ステップS23nでは、図15に示すよう
に、前記ステップS19nと同じく、上昇駆動信号Ma
又は下降駆動信号Mbを出力しているか否かを確認し、
出力していない場合は(ステップS23nでN)、ステ
ップS23Gに進み、出力していれば(ステップS23
nでY)、前記片側カウンタエリアのカウント値Ccを
「1」デクリメントし(ステップS23p)、カウント
値Ccの絶対値が異常判別基準値NABNORM以上であるか
否かを確認する(ステップS23r)。
【0069】カウント値Ccの絶対値が異常判別基準値
ABNORM以上である場合は(ステップS23rでY)、
第1及び第2センサ31a,31bのうちどちらか一方
が故障しており、カウント値Ca,Cbのうちどちらか
一方が不確定であるものとして、ステップS23Hに進
み、異常判別基準値NABNORM以上でない場合は(ステッ
プS23rでN)、ステップS23nで出力しているこ
とを確認したのが下降駆動信号Mbであるか否かを確認
する(ステップS23s)。出力を確認したのが下降駆
動信号Mbである場合は(ステップS23sでY)、ス
テップS23dと同様に、第2パルス信号Pbの立ち上
がり又は立ち下がりのエッジを検出した時点Tbn での
第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等し
いか否かを確認し(ステップS23t)、第1及び第2
パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等しい場合は(ス
テップS23tでY)、ステップS23Aに進み、出力
レベルが等しくない場合は(ステップS23tでN)、
ステップS23wに進む。
【0070】また、ステップS23sで出力を確認した
のが下降駆動信号Mbでない場合(N)は、ステップS
23dやステップS23tと同様に、第2パルス信号P
bの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出した時点
Tbn での第1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レ
ベルが等しいか否かを確認し(ステップS23v)、第
1及び第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等しく
ない場合は(ステップS23vでN)、ステップS23
Aに進み、出力レベルが等しい場合は(ステップS23
vでY)、ステップS23wに進む。ステップS23w
では、逆パルス連続中フラグエリアのフラグFaが
「0」であるか否かを確認し、フラグFaが「0」であ
る場合は(ステップS23wでY)、ステップS23G
に進み、「0」でない場合は(ステップS23wで
N)、逆カウンタエリアのカウント値Cmをゼロリセッ
トし(ステップS23x)、フラグFaを「0」に設定
した後(ステップS23y)、ステップS23Dに進
む。
【0071】一方、ステップS23tにおいて第1及び
第2パルス信号Pa,Pbの出力レベルが等しい場合
(Y)と、ステップS23vにおいて第1及び第2パル
ス信号Pa,Pbの出力レベルが等しくない場合(N)
に進むステップS23Aでは、逆パルス連続中フラグエ
リアのフラグFaが「0」であるか否かを確認し、フラ
グFaが「0」でない場合は(ステップS23Aで
N)、ステップS23Cに進み、「0」である場合は
(ステップS23AでY)、フラグFaを「1」に設定
した後(ステップS23B)、ステップS23Cに進
む。ステップS23Cでは、逆カウンタエリアのカウン
ト値Cmを「1」インクリメントし、その後、ステップ
S23Dに進む。
【0072】ステップS23Dでは、カウント値Cmが
逆出力異常判定値NNEG 以上であるか否かを確認し、カ
ウント値Cmが逆出力異常判定値NNEG 以上でない場合
は(ステップS23xでN)、ステップS19Gに進
み、逆出力異常判定値NNEG 以上である場合は、(ステ
ップS23DでY)、モータ11がマイコン15に逆極
性で接続されているものとして、カウント値Cmをゼロ
リセットし(ステップS23E)、次に、フラグFaを
「0」に設定した後(ステップS23F)、ステップS
23Hに進む。
【0073】ステップS23Gでは、第1位置カウンタ
エリアのカウント値Caが、境界値NDET を負にした値
(−NDET )以上で、且つ、窓ガラス51が全閉位置に
あるときのカウント値Caの正常値であるN以下である
か否かを確認し、カウント値Caが−NDET 以上N以下
である場合(Y)は、図7のフローチャートのステップ
S21に進み、−NDET 以上N以下でない場合(N)
は、第2位置カウンタエリアのカウント値Cbが、ウェ
ザーストリップ53の経年変化等による弾性の変化に伴
った窓ガラス51の全閉位置の変動や、パルス発生器3
1をマイコン15に接続する信号線上のノイズの影響等
を受け、正常でなくなり異常値となって不確定であるも
のとして、ステップS23Hに進む。ステップS23H
では、位置確定フラグエリアのフラグFを「0」に設定
し、その後、ステップS21に進む。
【0074】図7に示すように、ステップS25では、
前記下降駆動信号Mbを出力しているか否かを確認し、
出力していない場合は(ステップS25でN)、ステッ
プS37に進み、出力している場合は(ステップS25
でY)、前記第2経過時間計測タイマエリアの第2経過
時間Taが、全開全閉確認時間TLOCK(本実施形態では
0.5sec=秒)以上であるか否かを確認する(ステ
ップS27)。前記第2経過時間Taが全開全閉確認時
間TLOCK以上でない場合は(ステップS27でN)、ス
テップS1にリターンし、全開全閉確認時間TLOCK以上
である場合は(ステップS27でY)、前記第3経過時
間計測タイマエリアの第3経過時間Tbが、全開全閉確
認時間TLOCK以上であるか否かを確認する(ステップS
29)。
【0075】前記第3経過時間Tbが全開全閉確認時間
LOCK以上でない場合は(ステップS29でN)、ステ
ップS1にリターンし、全開全閉確認時間TLOCK以上で
ある場合は(ステップS29でY)、下降駆動信号Mb
の出力を停止し(ステップS31)、片側カウンタエリ
アのカウント値Ccをゼロリセットした後(ステップS
33)、前記開閉スイッチ13から下降要求信号13b
が出力されているか否かを確認する(ステップS3
5)。下降要求信号13bが出力されている場合は(ス
テップS35でY)、出力されなくなるまでステップS
35をリピートし、出力されていない場合は(ステップ
S35でN)、ステップS1にリターンする。
【0076】ステップS37では、図8に示すように、
前記上昇駆動信号Maを出力しているか否かを確認し、
出力していない場合は(ステップS37でN)、ステッ
プS1にリターンし、出力している場合は(ステップS
37でY)、前記位置確定フラグエリアのフラグFが
「0」であるか否かを確認し(ステップS38)、
「0」である場合は(ステップS38でY)、後述する
図11のステップS125に進み、「0」でない場合は
(ステップS38でN)、ステップS39に進む。ステ
ップS39では、前記第1位置カウンタエリアのカウン
ト値Caが、境界値NDET 以上であるか否かを確認し、
前記カウント値Caが境界値NDET 以上でない場合は
(ステップS39でN)、ステップS43に進み、カウ
ント値Caが境界値NDET 以上である場合は(ステップ
S39でY)、ステップS41に進む。
【0077】ステップS41では、前記第2位置カウン
タエリアのカウント値Cbが前記境界値NDET 以上の値
であるか否かを確認し、境界値NDET 以上である場合は
(ステップS41でY)、ステップS55に進み、境界
値NDET 以上でない場合は(ステップS41でN)、ス
テップS43に進む。ステップS43では、前記第2経
過時間計測タイマエリアの第2経過時間Taが、全開全
閉確認時間TLOCK以上であるか否かを確認する。前記第
2経過時間Taが全開全閉確認時間TLOCK以上でない場
合は(ステップS43でN)、ステップS1にリターン
し、全開全閉確認時間TLOCK以上である場合は(ステッ
プS43でY)、前記第3経過時間計測タイマエリアの
第3経過時間Tbが、全開全閉確認時間TLOCK以上であ
るか否かを確認する(ステップS45)。
【0078】前記第3経過時間Tbが全開全閉確認時間
LOCK以上でない場合は(ステップS45でN)、ステ
ップS1にリターンし、全開全閉確認時間TLOCK以上で
ある場合は(ステップS45でY)、上昇駆動信号Ma
の出力を停止し(ステップS47)、片側カウンタエリ
アのカウント値Ccをゼロリセットした後(ステップS
49)、前記開閉スイッチ13から上昇要求信号13a
が出力されているか否かを確認する(ステップS5
1)。上昇要求信号13aが出力されている場合は(ス
テップS51でY)、出力されなくなるまでステップS
51をリピートし、出力されていない場合は(ステップ
S51でN)、前記第1経過時間計測タイマエリアの第
1経過時間Tuの計測を停止してゼロリセットした後
(ステップS53)、ステップS1にリターンする。
【0079】また、ステップS41で前記第2位置カウ
ンタエリアのカウント値Cbが前記境界値NDET 以上の
値である場合(Y)に進むステップS55では、前記第
2経過時間計測タイマエリアの第2経過時間Taが、挟
み込み確認時間TE (本実施形態では0.1sec=
秒)以上であるか否かを確認する。前記第2経過時間T
aが挟み込み確認時間TE 以上でない場合は(ステップ
S55でN)、ステップS59に進み、挟み込み確認時
間TE 以上である場合は(ステップS55でY)、前記
第3経過時間計測タイマエリアの第3経過時間Tbが、
挟み込み確認時間TE 以上であるか否かを確認する(ス
テップS57)。前記第3経過時間Tbが挟み込み確認
時間TE 以上でない場合は(ステップS57でN)、ス
テップS59に進み、挟み込み確認時間TE 以上である
場合は(ステップS57でY)、ステップS97に進
む。
【0080】ステップS55又はステップS57で、前
記第2又は第3経過時間計測タイマエリアの第2又は第
3経過時間Ta,Tbが、挟み込み確認時間TE 以上連
続していない場合(N)に進むステップS59では、前
記第1経過時間計測タイマエリアの第1経過時間Tu
が、200ms(ミリ秒)以上であるか否か、即ち、ス
テップS5における上昇要求信号13aの出力開始から
200ms以上経過したか否かを確認する。そして、前
記第1経過時間Tuが200ms以上でなければ(ステ
ップS59でN)、ステップS1にリターンし、200
ms以上であれば(ステップS59でY)、ステップS
61に進む。
【0081】ステップS61では、図9に示すように、
前記第1検出タイミングバッファエリアに格納されてい
る第1パルス信号Paの、最近とその2回前の立ち上が
り又は立ち下がりのエッジ検出時点Tan ,Tan-2
時間差、即ち、第1パルス信号Paの周期Wan を、演
算エリアにおいて求め、次に、求めた前記周期Wan
RAM15bの第1周期バッファエリアに格納した後
(ステップS63)、この周期Wan が基準周期WREF
(本実施形態では30ms=ミリ秒)以上であるか否か
を確認する(ステップS65)。
【0082】前記周期Wan が基準周期WREF 以上でな
ければ(ステップS65でN)、ステップS73に進
み、基準周期WREF 以上であれば(ステップS65で
Y)、前記第2検出タイミングバッファに格納されてい
る第2パルス信号Pbの、最近とその2回前の立ち上が
り又は立ち下がりのエッジ検出時点Tbn ,Tbn-2
時間差、即ち、第2パルス信号Pbの周期Wbn を、演
算エリアにおいて求める(ステップS67)。そして、
求めた前記周期Wbn をRAM15bの第2周期バッフ
ァエリアに格納し(ステップS69)、次に、この周期
Wbn が前記基準周期WREF 以上であるか否かを確認す
る(ステップS71)。前記周期Wbn が基準周期W
REF 以上でなければ(ステップS71でN)、ステップ
S73に進み、基準周期WREF 以上であれば(ステップ
S71でY)、ステップS97に進む。
【0083】ステップS65又はステップS71で、第
1又は第2パルス信号Pa,Pbの周期Wan ,Wbn
が基準周期WREF 以上でない場合(N)に進むステップ
S73では、第1パルス信号Paの1パルス当りの窓ガ
ラス51の昇降量、即ち、パルス分解能Sa(本実施形
態では0.65mm)の2倍を、該第1パルス信号Pa
の周期Wan で除した窓ガラス51の昇降速度Van
を、演算エリアにおいて求め、次に、求めた前記昇降速
度Van をRAM15bの第1速度バッファエリアに格
納する(ステップS75)。そして、演算エリアにおい
て、前記第1速度バッファエリアの前回の昇降速度Va
n-1 を前記昇降速度Van から差し引いた差速(Van
−Van-1 )を、前記第1周期バッファエリアの周期W
n で除して、窓ガラス51の減速度Aanを求め(ス
テップS77)、この減速度Aan をRAM15bの第
1減速度バッファエリアに格納した後(ステップS7
9)、減速度Aan が通常ではあり得ない急激な減速度
の閾値AHI(本実施形態では3500mm/sec2
ミリ秒2)以上であるか否かを確認する(ステップS8
1)。
【0084】前記減速度Aan が閾値AHI以上でなけれ
ば(ステップS81でN)、ステップS93に進み、閾
値AHI以上であれば(ステップS81でY)、第2パル
ス信号Pbの1パルス当りの窓ガラス51の昇降量、即
ち、パルス分解能Sb(=Sa、本実施形態では0.6
5mm)の2倍を、該第2パルス信号Pbの周期Wb n
で除した窓ガラス51の昇降速度Vbn を、演算エリア
において求め(ステップS83)、求めた前記昇降速度
Vbn をRAM15bの第2速度バッファエリアに格納
する(ステップS85)。そして、演算エリアにおい
て、前記第2速度バッファエリアの前回の昇降速度Vb
n-1 を前記昇降速度Vbn から差し引いた差速(Vbn
−Vbn-1 )を、前記第2周期バッファエリアの周期W
n で除して、窓ガラス51の減速度Abnを求め(ス
テップS87)、この減速度Abn をRAM15bの第
2減速度バッファエリアに格納した後(ステップS8
9)、減速度Abn が前記閾値AHI以上であるか否かを
確認する(ステップS91)。
【0085】前記減速度Abn が閾値AHI以上であれば
(ステップS91でY)、ステップS97に進み、閾値
HI以上でなければ(ステップS91でN)、ステップ
S93に進む。ステップS93では、図10に示すよう
に、前記第1減速度バッファエリアの過去所定回数X分
の減速度Aan 〜Aan-(X-1) が連続して、緩やかな減
速度の閾値ALO(本実施形態では90mm/sec2
ミリ秒2 )以上になったか否かを確認し、所定回数X連
続して閾値ALO以上となっていない場合は(ステップS
93でN)、ステップS1にリターンし、所定回数X連
続して閾値ALO以上となっている場合は(ステップS9
3でY)、ステップS95に進む。尚、本実施形態で
は、前記所定回数Xを6回としている。
【0086】ステップS95では、前記第2減速度バッ
ファエリアの過去所定回数X分の減速度Abn 〜Ab
n-(X-1) が連続して、前記減速度の閾値ALO以上になっ
たか否かを確認し、所定回数X連続して閾値ALO以上と
なっていない場合は(ステップS95でN)、ステップ
S1にリターンし、所定回数X連続して閾値ALO以上と
なっている場合は(ステップS95でY)、ステップS
97に進む。ステップS97では、下降駆動信号Mbを
ドライバ15eに出力し、続いて、RAM15bの第4
経過時間計測タイマエリアにおける、前記ステップS9
7での下降駆動信号Mbの出力開始からの経過時間であ
る第4経過時間Tsの計測を開始する(ステップS9
9)。次に、RAM15bの第3位置カウンタエリアの
カウント値Cdとして、第1位置カウンタエリアのカウ
ント値Caを設定し(ステップS101)、さらに、R
AM15bの第4位置カウンタエリアのカウント値Cd
として、第2位置カウンタエリアのカウント値Cbを設
定する(ステップS103)。
【0087】次に、第1位置カウンタエリアのカウント
値Caから第3位置カウンタエリアのカウント値Cdを
差し引いて、ステップS97で下降駆動信号Mbを出力
した後における前記カウント値Caの増加値Cfを演算
エリアで求める(ステップS105)。そして、前記増
加値Cfが所定の挟み込み解除駆動値Nr(本実施形態
では230)に達したか否かを確認し(ステップS10
7)、達している場合は(ステップS107でY)、ス
テップS109に進み、達していない場合は(ステップ
S107でN)、ステップS113に進む。
【0088】ステップS109では、第2位置カウンタ
エリアのカウント値Cbから第4位置カウンタエリアの
カウント値Ceを差し引いて、ステップS97で下降駆
動信号Mbを出力した後における前記カウント値Cbの
増加値Cgを演算エリアで求める。そして、前記増加値
Cgが前記挟み込み解除駆動値Nrに達したか否かを確
認し(ステップS111)、達している場合は(ステッ
プS111でY)、ステップS115に進み、達してい
ない場合は(ステップS111でN)、ステップS11
3に進む。
【0089】ステップS113では、前記第4経過時間
Tsが前記全開全閉確認時間TLOCK以上連続しているか
否かを確認し、連続していない場合は(ステップS11
3でN)、ステップS105にリターンし、連続してい
る場合は(ステップS113でY)、ステップS115
に進む。ステップS115では、下降駆動信号Mbの出
力を停止し、次に、前記第4経過時間計測タイマエリア
の第4経過時間Tsの計測を停止してゼロリセットし
(ステップS116)、続いて、RAM15bの解除カ
ウンタエリアのカウント値Ckを「1」インクリメント
した後(ステップS117)、カウント値Ckが、挟み
込み解除動作の異常実行回数NREV (本実施形態では
「3」)に達したか否かを確認する(ステップS11
8)。
【0090】カウント値Ckが異常実行回数NREV に達
していない場合は(ステップS118でN)、ステップ
S120に進み、異常実行回数NREV に達した場合は
(ステップS118でY)、第1及び第2位置カウンタ
エリアのカウント値Ca,Cbのうちどちらか一方が、
正常でなくなり異常値となって不確定であるものとし
て、前記位置確定フラグエリアのフラグFを「0」に設
定し、その後、ステップS120に進む。
【0091】ステップS120では、片側カウンタエリ
アのカウント値Ccをゼロリセットし、次に、前記開閉
スイッチ13から上昇要求信号13aが出力されている
か否かを確認し(ステップS121)、上昇要求信号1
3aが出力されている場合は(ステップS121で
Y)、出力されなくなるまでステップS121をリピー
トし、出力されていない場合は(ステップS121で
N)、前記第1経過時間計測タイマエリアの第1経過時
間Tuの計測を停止してゼロリセットした後(ステップ
S123)、ステップS1にリターンする。
【0092】一方、ステップS38で前記位置確定フラ
グエリアのフラグFが「0」である場合(Y)に進むス
テップS125では、図11に示すように、第1センサ
31aからの第1パルス信号Paの立ち上がり又は立ち
下がりのエッジを検出したか否かを確認し、検出しなか
った場合は(N)、ステップS137に進み、検出した
場合は(Y)、ステップS127に進む。ステップS1
27では、RAM15bの第2経過時間計測タイマエリ
アにおいて、ステップS125で第1パルス信号Paの
立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出した時点か
ら、次の第1パルス信号Paの立ち上がり又は立ち下が
りのエッジを検出する時点までの経過時間である第5経
過時間Tcの計測を開始し、次に、RAM15bの第1
上昇量カウンタエリアのカウンタ値Chを「1」インク
リメントする(ステップS129)。
【0093】続いて、前記第1経過時間計測タイマエリ
アの第1経過時間Tuが、規定時間Tp(本実施形態で
は0.7sec=秒)以上であるか否かを確認し(ステ
ップS131)、規定時間Tp以上である場合は(ステ
ップS131でY)、ステップS157に進み、規定時
間Tp以上でない場合は(ステップS131でN)、前
記第1上昇量カウンタエリアのカウンタ値Chが、窓ガ
ラス51の規定上昇量に応じた規定値Cp以上であるか
否かを確認する(ステップS133)。前記カウンタ値
Chが規定値Cp以上である場合は(ステップS133
でY)、ステップS157に進み、規定値Cp以上でな
い場合は(ステップS133でN)、ステップS135
に進む。ステップS135では、前記第5経過時間計測
タイマエリアの第5経過時間Tcが、全開全閉確認時間
LOCK以上であるか否かを確認し、全開全閉確認時間T
LOCK以上でない場合は(N)、ステップS1にリターン
し、全開全閉確認時間T LOCK以上である場合は(Y)、
ステップS153に進む。
【0094】また、ステップS125で第1パルス信号
Paの立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出しなか
った場合に進むステップS137では、第2センサ31
bからの第2パルス信号Pbの立ち上がり又は立ち下が
りのエッジを検出したか否かを確認し、検出した場合は
(Y)、ステップS143に進み、検出しなかった場合
は(N)、ステップS139に進む。ステップS139
では、第2経過時間計測タイマエリアの第2経過時間T
aが、全開全閉確認時間TLOCK以上であるか否かを確認
し、全開全閉確認時間TLOCK以上である場合は(ステッ
プS139でY)、ステップS153に進み、全開全閉
確認時間TLOCK以上でない場合は(ステップS139で
N)、ステップS141に進む。ステップS141で
は、第3経過時間計測タイマエリアの第3経過時間Tb
が、全開全閉確認時間TLOCK以上であるか否かを確認
し、全開全閉確認時間TLOCK以上である場合は(ステッ
プS141でY)、ステップS153に進み、全開全閉
確認時間TLOCK以上でない場合は(ステップS141で
N)、ステップS1にリターンする。
【0095】ステップS143では、RAM15bの第
3経過時間計測タイマエリアにおいて、ステップS13
7で第2パルス信号Pbの立ち上がり又は立ち下がりの
エッジを検出した時点から、次の第3パルス信号Pbの
立ち上がり又は立ち下がりのエッジを検出する時点まで
の経過時間である第6経過時間Tdの計測を開始し、次
に、RAM15bの第2上昇量カウンタエリアのカウン
タ値Cjを「1」インクリメントする(ステップS14
5)。
【0096】続いて、前記第1経過時間タイマエリアの
第1経過時間Tuが前記規定時間Tp以上であるか否か
を確認し(ステップS147)、規定時間Tp以上であ
る場合は(ステップS147でY)、ステップS157
に進み、規定時間Tp以上でない場合は(ステップS1
47でN)、前記第2上昇量カウンタエリアのカウンタ
値Cjが前記規定値Cp以上であるか否かを確認する
(ステップS149)。前記カウンタ値Cjが規定値C
p以上である場合は(ステップS149でY)、ステッ
プS157に進み、規定値Cp以上でない場合は(ステ
ップS149でN)、ステップS151に進む。
【0097】ステップS151では、前記第6経過時間
計測タイマエリアの第6経過時間Tdが、全開全閉確認
時間TLOCK以上であるか否かを確認し、全開全閉確認時
間T LOCK以上でない場合は(N)、ステップS1にリタ
ーンし、全開全閉確認時間T LOCK以上である場合は
(Y)、ステップS153に進む。ステップS153で
は、第1及び第2位置カウンタエリアのカウント値C
a,cbをそれぞれゼロリセットし、次に、前記位置確
定フラグエリアのフラグFを「1」に設定し(ステップ
S155)、その後ステップS157に進む。ステップ
S157では、第5及び第6経過時間計測タイマエリア
の第5及び第6経過時間Tc,Tdの計測をそれぞれ停
止してゼロリセットし、次に、第1及び第2上昇量カウ
ンタエリアのカウンタ値Ch,Cjをそれぞれゼロリセ
ットし(ステップS159)、ステップS161に進
む。
【0098】ステップS161では、上昇駆動信号Ma
の出力を停止し、次に、片側カウンタエリアのカウント
値Ccをゼロリセットした後(ステップS163)、前
記開閉スイッチ13から上昇要求信号13aが出力され
ているか否かを確認する(ステップS165)。上昇要
求信号13aが出力されている場合は(ステップS16
5でY)、出力されなくなるまでステップS165をリ
ピートし、出力されていない場合は(ステップS165
でN)、前記第1経過時間計測タイマエリアの第1経過
時間Tuの計測を停止してゼロリセットした後(ステッ
プS167)、ステップS1にリターンする。尚、マイ
コン15に接続されたバッテリ(図示せず)の交換時、
RAM15bの演算エリアを除く各エリアは全てゼロリ
セットされる。
【0099】以上の説明からも明らかなように、本実施
形態では、カウンタ手段15Aが、図12のフローチャ
ートにおけるステップS19e及びステップS19f
と、図14のフローチャートにおけるステップS23e
及びステップS23fで構成され、異常判定手段15B
が、図13中のステップS19yと、図15中のステッ
プS23yで構成されている。また、本実施形態では、
異常カウント値補正手段15Cと第2の異常カウント値
補正手段15Nが、図11のフローチャートにおけるス
テップS153で構成され、挟み込み解除動作禁止手段
15Dと、第2の挟み込み解除動作禁止手段15Gと、
第3の挟み込み解除動作禁止手段15Kが、図8のフロ
ーチャートにおけるステップS38で構成され、解除回
数計数手段15Eが、図10のフローチャートにおける
ステップS117で構成され、解除回数リセット手段1
5Fが、図7中のステップS1及びステップS2で構成
されている。
【0100】さらに、本実施形態では、開閉規制手段1
5Hと第2の開閉規制手段15Mが、図11中のステッ
プS127乃至ステップS133と、ステップS143
乃至ステップS149と、ステップS153乃至ステッ
プS161で構成され、回転方向判定手段15Jが、図
13中のステップS19t、ステップS19v、及び、
ステップS19A乃至ステップS19Dと、図15中の
ステップS23t、ステップS23v、及び、ステップ
S23A乃至ステップS23Dで構成されている。ま
た、本実施形態では、第1及び第2センサ31a,31
bから出力されるパルス信号Pa,Pbにより請求項に
記載のパルス信号PAが構成され、第1及び第2位置カ
ウンタエリアの第1及び第2カウント値Ca,Cbが、
請求項に記載のカウント値CAに相当している。
【0101】次に、上述した構成による本実施形態のパ
ワーウィンド装置の動作(作用)について説明する。
【0102】まず、開閉スイッチ13を後方に傾倒操作
すると、開閉スイッチ13から下降要求信号13bが出
力され、これに伴ってドライバ15eに入力される下降
駆動信号Mbにより、窓ガラス51を全開位置側に下降
させる方向にモータ11が回転する。すると、モータ1
1が1周回転する毎に、第2センサ31bが第2パルス
信号Pbを1回ずつ出力し、該第2パルス信号Pbから
90°の位相分だけ遅れて、第1センサ31aが第1パ
ルス信号Paを1回ずつ出力する。
【0103】そして、窓ガラス51が全開位置に達して
モータ11の回転が止まると、前記第1及び第2センサ
31a,31bが第1及び第2パルス信号Pa,Pbを
それぞれ出力しなくなり、この状態が続いて前記第2及
び第3経過時間Ta,Tbが全開全閉確認時間TLOCK
両方とも達すると、開閉スイッチ13の後方への傾倒操
作を続けていても、ドライバ15eへの下降駆動信号M
bの入力が停止される。ここで、開閉スイッチ13の後
方への傾倒操作を一旦解除し、その後、開閉スイッチ1
3を改めて後方に傾倒操作すると、ドライバ15eに下
降駆動信号Mbが再入力されるが、窓ガラス51が全開
位置で動かずモータ11も回転しないので、第1及び第
2センサ31a,31bから第1及び第2パルス信号P
a,Pbがそれぞれ出力されず、従って、前記全開全閉
確認時間TLOCKの経過後にドライバ15eへの下降駆動
信号Mbの入力が再び停止される。
【0104】また、窓ガラス51を全開位置側に下降さ
せる方向にモータ11が回転すると、第1センサ31a
が出力する第1パルス信号Paの立ち上がり及び立ち下
がりの時点で、第1及び第2パルス信号Pa,Pbの信
号レベルが一致する。このため、窓ガラス51が全開位
置側に下降するのに応じて、ガラス窓の開閉位置をカウ
ントする第1位置カウンタエリアのカウント値Caが、
第1パルス信号Paの出力毎に「1」ずつインクリメン
トされ、同様に、第2位置カウンタエリアのカウント値
Cbが、第2パルス信号Pbの出力毎に「1」ずつイン
クリメントされる。そして、第1及び第2パルス信号に
出力異常やノイズによる偽パルスの発生がそれぞれない
限り、窓ガラス51が全開位置に達した時点で、前記第
1及び第2位置カウンタエリアのカウント値Ca,Cb
は両方とも「N」となる。
【0105】一方、開閉スイッチ13を前方に傾倒操作
すると、開閉スイッチ13から上昇要求信号13aが出
力され、これに伴ってドライバ15eに入力される上昇
駆動信号Maにより、窓ガラス51を全閉位置側に上昇
させる方向にモータ11が回転する。すると、モータ1
1が1周回転する毎に、第1センサ31aが第1パルス
信号Paを1回ずつ出力し、該第1パルス信号Paから
90°の位相分だけ遅れて、第2センサ31bが第2パ
ルス信号Pbを1回ずつ出力する。
【0106】そして、窓ガラス51が全閉位置に達して
モータ11の回転が止まると、前記第1及び第2センサ
31a,31bが第1及び第2パルス信号Pa,Pbを
それぞれ出力しなくなり、この状態が続いて前記第2及
び第3経過時間Ta,Tbが全開全閉確認時間TLOCK
両方とも達すると、開閉スイッチ13の前方への傾倒操
作を続けていても、ドライバ15eへの上昇駆動信号M
aの入力が停止される。ここで、開閉スイッチ13の前
方への傾倒操作を一旦解除し、その後、開閉スイッチ1
3を改めて前方に傾倒操作すると、ドライバ15eに上
昇駆動信号Maが再入力されるが、窓ガラス51が全閉
位置で動かずモータ11も回転しないので、第1及び第
2センサ31a,31bから第1及び第2パルス信号P
a,Pbがそれぞれ出力されず、従って、前記全開全閉
確認時間TLOCKの経過後にドライバ15eへの上昇駆動
信号Maの入力が再び停止される。
【0107】また、窓ガラス51を全閉位置側に上昇さ
せる方向にモータ11が回転すると、前記第1パルス信
号Paの立ち上がり及び立ち下がりの時点で、第1及び
第2パルス信号Pa,Pbの信号レベルが一致しない。
このため、窓ガラス51が全閉位置側に上昇するのに応
じて、前記第1位置カウンタエリアのカウント値Ca
が、第1パルス信号Paの出力毎に「1」ずつデクリメ
ントされ、同様に、第2位置カウンタエリアのカウント
値Cbが、第2パルス信号Pbの出力毎に「1」ずつデ
クリメントされる。そして、第1及び第2パルス信号に
出力異常やノイズによる偽パルスの発生がそれぞれない
限り、窓ガラス51が全閉位置に達した時点で、前記第
1及び第2位置カウンタエリアのカウント値Ca,Cb
は両方とも「0」となる。
【0108】尚、先に述べたような出力異常やノイズに
よる偽パルスの発生が第1及び第2パルス信号にあり、
これにより、窓ガラス51の開閉位置とはそれ程差がな
いものの、第1及び第2センサ31a,31bの正常時
にはないずれが第1及び第2位置カウンタエリアのカウ
ント値Ca,Cbの間に生じた場合には、そのずれが
「3」になった時点で、カウント値Ca,Cbのうち値
の大きいカウント値が値の小さいカウント値に補正され
る。
【0109】さらに、前記開閉スイッチ13の傾倒操作
によりモータ11が回転し、これに伴い、第1及び第2
センサ31a,31bが第1及び第2パルス信号Pa,
Pbをそれぞれ出力すると、その回転方向に関係なく、
これら第1及び第2センサ31a,31bのうちどちら
か一方が故障しているのを検出するための片側カウンタ
のカウント値Ccが、第1パルス信号Paの出力時には
「1」ずつインクリメントされ、且つ、第2パルス信号
Pbの出力時には「1」ずつデクリメントされる。
【0110】次に、前記窓ガラス51の上端51aが前
記境界位置DL及びその下方の挟み込み検出領域Soに
位置している状態で、開閉スイッチ13の前方への傾倒
操作に伴うドライバ15eへの上昇駆動信号Maの入力
により、窓ガラス51を全閉位置側に上昇させる方向に
回転しているモータ11が、ドア5の窓枠と窓ガラス5
1の間に挟まった異物により止まると、前記第1及び第
2センサ31a,31bが第1及び第2パルス信号P
a,Pbをそれぞれ出力しなくなる。この場合には、前
記第1及び第2カウンタエリアのカウンタ値Ca,Cb
が両方とも境界値NDET 以上になっているので、第1及
び第2パルス信号Pa,Pbの出力なし状態が続いて、
その経過時間である前記第2及び第3経過時間Ta,T
bが挟み込み確認時間TE に両方とも達すると、次に示
す挟み込み解除動作が行われる。
【0111】挟み込み解除動作では、開閉スイッチ13
の前方への傾倒操作を続けていても、ドライバ15eへ
の上昇駆動信号Maの入力が停止され、次に、ドライバ
15eに下降駆動信号Mbが入力されて、窓ガラス51
を全開位置側に下降させる方向にモータ11が回転す
る。そして、ドライバ15eへの下降駆動信号Mbの入
力開始からの、前記第1及び第2カウンタエリアのカウ
ンタ値Ca,Cbの増加量が両方とも挟み込み解除規定
値Nrに達した後に、該下降駆動信号Mbのドライバ1
5eへの入力が停止されて、モータ11の回転が停止す
る。これにより、異物の挟み込み状態を解消するのに十
分な量(本実施形態では、第1及び第2パルス信号P
a,Pbのパルス分解能Sa,Sb×挟み込み解除規定
値Nr=0.65mm×230=略々15cm)だけ窓
ガラス51が下降する。
【0112】尚、前記ドライバ15eへの下降駆動信号
Mbの入力開始からの、前記第1及び第2カウンタエリ
アのカウンタ値Ca,Cbの増加量が両方とも挟み込み
解除規定値Nrに達するまでの間に、窓ガラス51が全
開位置に達してモータ11の回転が止まった場合には、
通常の窓ガラス51を開ける場合の動作と同様の動作に
より、ドライバ15eへの下降駆動信号Mbの入力が停
止される。
【0113】このように、ドア5の窓枠と窓ガラス51
の間に挟まった異物によりモータ11の回転が停止する
と、その停止時間の長さに応じて前記挟み込み解除動作
が行われる。しかし、ドア5の窓枠と窓ガラス51の間
に異物が挟まったからといって、必ずしもモータ11の
回転が止まるとは限らず、挟まった異物の固さ等によっ
ては、モータ11が止まらず回転し続ける場合もある。
そこで、前記窓ガラス51の上端51aが前記境界位置
DL及びその下方の挟み込み検出領域Soに位置し、前
記第1及び第2カウンタエリアのカウンタ値Ca,Cb
が両方とも境界値NDET 以上になっている状態では、上
述した異物の挟み込みによるモータ11の回転停止時以
外にも、前記第1及び第2パルス信号Pa,Pbの周期
Wan ,Wbn や、モータ11の減速度Aan ,Abn
の値によっては、前記挟み込み解除動作を行う。
【0114】まず、モータ11の回転がかなり遅くな
り、前記周期Wan ,Wbn が両方とも基準周期WREF
以上となった場合には、前記挟み込み動作を行う。次
に、前記周期Wan ,Wbn のうち少なくとも一方が基
準周期WREF に満たなくても、前記減速度Aan ,Ab
n が、ドア5の窓枠に対するガラス窓51の軋みや、ガ
ラス窓51への手や体の接触によりモータ11が減速し
た場合の減速度等とは掛け離れた、通常ではあり得ない
急激な減速度の閾値AHI以上となった場合には、前記挟
み込み動作を行う。さらに、前記周期Wan ,Wbn
うち少なくとも一方が基準周期WREF に満たず、且つ、
前記減速度Aan ,Abn のうち少なくとも一方が閾値
HIに満たなくても、過去所定回数X分の減速度Aan
〜Aan-(X-1) ,Abn 〜Abn-(X -1) が両方とも連続
して、緩やかな減速度の閾値ALO以上になった場合に
は、前記挟み込み動作を行う。
【0115】尚、前記周期Wan ,Wbn や減速度Aa
n ,Abn の値による挟み込み解除動作の実行判定は、
モータ11の回転速度、ひいては、前記周期Wan ,W
nや減速度Aan ,Abn の値を安定させるために、
開閉スイッチ13の前方への傾倒操作による上昇要求信
号13aの出力開始から200msが経過するのを待っ
てから行う。また、前記窓ガラス51の上端51aが前
記境界位置DLよりも上方の全閉領域Scに位置し、ウ
ェザーストリップ53の外側下端面53aと窓ガラス5
1の上端51aの間に隙間が生じない状態では、前記第
1及び第2カウンタエリアのカウンタ値Ca,Cbが両
方とも、境界値NDET よりも小さくなるので、上述した
異物の挟み込みの検出動作は行わない。さらに、窓ガラ
ス51の下降時は、ドア5の窓枠と窓ガラス51の間に
異物があっても挟まる心配がないので、この場合にも上
述の異物の挟み込み検出動作は行わない。
【0116】また、本実施形態では、開閉スイッチ13
の1回の傾倒操作中に、第1及び第2センサ31a,3
1bのうちどちらか一方の故障により、第1及び第2パ
ルス信号Pa,Pbのうちどちらか一方だけが出力さ
れ、他方が全く出力されない場合、この現象がパルス1
0個分連続すると、出力されないパルス信号Pa,Pb
に対応するカウント値Ca,Cbが、窓ガラスの開閉位
置に全く対応しない不確定な値になったものとされる。
【0117】さらに、本実施形態では、前記第1及び第
2カウンタエリアのカウンタ値Ca,Cbのうち少なく
とも一方が、境界値NDET を負にした値−NDET よりも
小さいか、或は、窓ガラス51が全閉位置にあるときの
カウント値Ca,Cbの正常値であるNよりも大きくな
ると、ウェザーストリップ53の経年変化等による弾性
の変化に伴った窓ガラス51の全閉位置の変動や、パル
ス発生器31をマイコン15に接続する信号線上のノイ
ズの影響等を受けて、カウント値Ca,Cbが正常でな
くなり、窓ガラスの開閉位置に全く対応しない不確定な
値になったものとされる。また、本実施形態では、マイ
コン15が上昇駆動信号Maを出力している間に、窓ガ
ラス51の下降時の位相差で前記パルス信号Pa,Pb
が出力されたり、マイコン15が下降駆動信号Mbを出
力している間に、窓ガラス51の上昇時の位相差で前記
パルス信号Pa,Pbが出力されて、この現象が各パル
ス信号Pa,Pbで交互にパルス10個分連続すると、
パルス発生器31がマイコン15に逆極性で接続されて
おり、カウント値Ca,Cbが窓ガラスの開閉位置に全
く対応しない不確定な値になったものとされる。
【0118】さらに、本実施形態では、イグニッション
スイッチ17がオンされてからオフされるまでの間に行
われた挟み込み解除動作の回数が3回に達すると、第1
及び第2位置カウンタエリアのカウント値Ca,Cbの
うち少なくとも一方が正常でなくなり、窓ガラスの開閉
位置に全く対応しない不確定な値になったものとされ
る。
【0119】そして、これらの場合には、窓ガラス51
を全閉位置側に上昇させる際に、次に示す処理が行われ
る。
【0120】開閉スイッチ13の操作によりモータ11
を窓ガラス51の全閉位置側に回転させる場合、モータ
11の回転時間に相関がある開閉スイッチ13の操作か
らの経過時間Tuが規定時間Tpに達するか、或は、窓
ガラス51の上昇量に相関があるパルス信号Pa,Pb
のうち少なくとも一方が規定値Cpに達すると、窓ガラ
ス51が全閉位置に達していなくても、モータ11の回
転が無条件で停止され、その後は、開閉スイッチ13の
操作を一旦解除しない限り、いくら開閉ボタン13をそ
のまま操作し続けても、モータ11は回転しない。
【0121】そして、開閉ボタン13の操作と操作解除
の繰り返しにより、窓ガラス51が全閉位置に達する
と、前記第1及び第2カウンタエリアのカウンタ値C
a,Cbが両方とも、全閉位置に対応する「0」に再設
定され、また、片側カウンタも「0」に再設定される。
尚、この処理は、マイコン15に接続されたバッテリ
(図示せず)を交換する際等、カウント値Ca,Cbが
リセットされて位置確認フラグエリアのフラグFが
「0」となる際にも、同様にして行われる。
【0122】このように本実施形態のパワーウィンド装
置によれば、モータ11が回転するのに同期して、パル
ス発生器31の第1及び第2の2つのセンサ31a,3
1bからモータ11の1周当りに1回ずつ出力される、
各パルス信号Pa,Pbのパルス数を、モータ11の回
転方向に応じて第1及び第2位置カウンタエリアでアッ
プダウンカウントして得るカウント値Ca,Cbのうち
少なくとも一方が、窓ガラス51が全閉位置にあるとき
のカウント値Ca,Cbの正常値であるNよりも大きく
なった場合、その後の開閉ボタン13の操作と操作解除
の繰り返しにより、窓ガラス51が全閉位置に達した時
点で、カウント値Ca,Cbを窓ガラス51が全閉位置
にあるときの正常値である「0」に設定し直す構成とし
た。
【0123】このため、窓ガラス51を閉めた際のウェ
ザーストリップ53の撓みかたのばらつきにより、窓ガ
ラス51の全閉位置が当初の位置よりも下がったり、窓
ガラス51の下降時にパルス発生器31をマイコン15
に接続する信号線上にノイズが発生して、このノイズが
偽のパルス信号Pa,Pbとなって第1及び第2カウン
タエリアにおいてカウントされて、全閉位置における第
1及び第2カウンタエリアのカウント値Ca,Cbがず
れて「0」よりも大きくなった場合に、このカウント値
Ca,Cbのずれた状態を、その後の窓ガラス51の全
閉位置への移動によりいち早く解消することができる。
そして、これにより、本来挟み込み解除動作が行われる
べき窓ガラス51の開閉位置において、異物を挟み込ん
だにも拘らず窓ガラス51か強制的に下降されなくなっ
てしまうのを防止することができる。
【0124】また、本実施形態のパワーウィンド装置に
よれば、前記第1及び第2位置カウンタエリアのカウン
ト値Ca,Cbのうち少なくとも一方が、境界値NDET
を負にした値−NDET よりも小さくなった場合、その後
の開閉ボタン13の操作と操作解除の繰り返しにより、
窓ガラス51が全閉位置に達した時点で、カウント値C
a,Cbを窓ガラス51が全閉位置にあるときの正常値
である「0」に設定し直す構成とした。
【0125】このため、ウェザーストリップ53の経年
変化等による弾性の変化に伴って、窓ガラス51の全閉
位置が当初の位置よりも上がったり、窓ガラス51の上
昇時に、前記信号線上に発生したノイズが偽のパルス信
号Pa,Pbとなって第1及び第2カウンタエリアにお
いてカウントされて、全閉位置における第1及び第2カ
ウンタエリアのカウント値Ca,Cbがずれた場合、そ
のずれが、カウント値Ca,Cbで見る窓ガラス51の
全閉位置が、窓ガラス51とウェザーストリップ53と
の隙間がなくなる境界位置DLよりも下側の、挟み込み
検出及び解除動作を行う領域内の位置となるまでのずれ
となった際に、このカウント値Ca,Cbのずれた状態
を、その後の窓ガラス51の全閉位置への移動によりい
ち早く解消することができる。そして、これにより、窓
ガラス51が全閉位置に達したのに異物を挟み込んだも
のと誤認して、本来は行われるべきでない挟み込み解除
動作が行われ、窓ガラス51を全閉させることができな
くなってしまうのを防止することができる。
【0126】さらに、本実施形態のパワーウィンド装置
によれば、開閉スイッチ13の操作による上昇中に窓ガ
ラス51を強制的に停止、下降させる挟み込み解除動作
が、イグニッションスイッチ17を切るまでの間に3回
発生した場合、その後の開閉ボタン13の操作と操作解
除の繰り返しにより、窓ガラス51が全閉位置に達した
時点で、カウント値Ca,Cbを窓ガラス51が全閉位
置にあるときの正常値である「0」に設定し直す構成と
した。
【0127】このため、挟み込み解除動作が繰り返し実
行された場合、その原因が、実際に異物を挟み込んだこ
とにある他に、第1及び第2カウンタエリアのカウント
値Ca,Cbがずれたことにある可能性があることに対
応して、そのずれている可能性のあるカウント値Ca,
Cbを、その後の窓ガラス51の全閉位置への移動によ
り、正確を期して正しい値に念の為修正しておくことが
できる。
【0128】また、本実施形態のパワーウィンド装置に
よれば、マイコン15が出力インタフェース15d及び
ドライバ15eを介してモータ11に上昇駆動信号Ma
を出力している際に、パルス発生器31からパルス信号
Pa,Pbが窓ガラス51の下降時の位相差で出力さ
れ、モータ11の実際の回転方向が、パルス信号Pa,
Pbの位相差から推定されるモータ11の回転方向と一
致しない場合、その後の開閉ボタン13の操作と操作解
除の繰り返しにより、窓ガラス51が全閉位置に達した
時点で、カウント値Ca,Cbを窓ガラス51が全閉位
置にあるときの正常値である「0」に設定し直す構成と
した。
【0129】さらに、本実施形態のパワーウィンド装置
によれば、マイコン15がモータ11に下降駆動信号M
bを出力している際に、パルス発生器31からパルス信
号Pa,Pbが窓ガラス51の上昇時の位相差で出力さ
れ、モータ11の実際の回転方向が、パルス信号Pa,
Pbの位相差から推定されるモータ11の回転方向と一
致しない場合にも、同様に、その後の開閉ボタン13の
操作と操作解除の繰り返しにより、窓ガラス51が全閉
位置に達した時点で、カウント値Ca,Cbを窓ガラス
51が全閉位置にあるときの正常値である「0」に設定
し直す構成とした。
【0130】このため、仮に、パルス発生器31がマイ
コン15に逆極性で接続されて、窓ガラス51が上昇し
ているのに第1及び第2カウンタエリアのカウント値C
a,Cbが増やされたり、逆に、窓ガラス51が下降し
ているのにカウント値Ca,Cbが減らされたりして、
第1及び第2カウンタエリアのカウント値Ca,Cbが
ずれた場合、その後の窓ガラス51の全閉位置への移動
により、カウント値Ca,Cbのずれた状態をいち早く
解消することができる。そして、これにより、窓ガラス
51を全閉位置に移動してパルス発生器31の接続極性
を正しく直すことで、カウント値Ca,Cbを正常化し
てパワーウィンド装置を通常動作に戻す手間を簡略化す
ることができる。
【0131】また、本実施形態のパワーウィンド装置に
よれば、窓ガラス51の開閉位置に対応しない不確定な
値になった時等、窓ガラス51を全閉位置に移動させて
カウント値Ca,Cbを「0」に設定し直す必要がある
場合に、開閉スイッチ13を操作し続けても、モータ1
1の回転が一定の時間、或は、移動量で停止される構成
とした。
【0132】このため、例えば、窓ガラス51による異
物の挟み込みの検出を行えないような、カウント値C
a,Cbが不確定な状態で、挟み込みの可能性がある全
閉位置側に窓ガラス51を上昇させる場合に、例えば子
供がいたずらで開閉スイッチ13を操作したり、窓ガラ
ス51を見ないまま開閉スイッチ13を操作した場合で
あっても、操作中継続して窓ガラス51が上昇すること
がなく、従って、異物の挟み込みに対する安全性を高く
維持することができる。
【0133】さらに、本実施形態のパワーウィンド装置
によれば、開閉スイッチ13の操作中に窓ガラス51を
上昇させるためのモータ11の回転が停止した後、開閉
スイッチ13の操作を解除すると、モータ11の回転停
止が解除される構成としたので、モータ11が停止した
後にモータ11を再び回転させるためには、開閉スイッ
チ13の操作解除及び再操作が必要となり、その際に、
窓ガラス51の上昇状態に対するユーザの喚起を促し、
異物の挟み込みの検出を行えない状態での窓ガラス51
の上昇動作が安全に行われるようにすることができる。
【0134】尚、第1及び第2位置カウンタエリアのカ
ウント値Ca,Cbを基にして窓ガラス51の開閉位置
を検出するための構成や、異物の挟み込み状態を検出す
るための構成、異物の挟み込みを検出した後の挟み込み
状態を解除するための構成、及び、窓ガラス51の開閉
位置とはそれ程差がない状態でのカウント値Ca,Cb
間の差を補正するための構成は、本実施形態で示した構
成に限らず任意であり、或は、これらの構成の一部又は
全部を省略してもよい。
【0135】また、本実施形態では、第1及び第2セン
サ31a,31bからの2つのパルス信号Pa,Pbに
より第1及び第2の2つのカウント値Ca,Cbを得る
構成としたが、単一のパルス信号で単一のカウント値を
得る構成のパワーウィンド装置にも本発明は適用可能で
ある。その場合、マイコン15にパルス発生器31を逆
極性で接続した場合等に行われる、本実施形態中で説明
した動作は省略され、また、モータ11の回転方向、ひ
いては、窓ガラス51の上昇、下降の方向は、上昇駆動
信号Maや下降駆動信号Mbの出力中に、接触式、或
は、非接触式の別のセンサを用いてモータ11の出力軸
の回転方向や窓ガラス51の移動方向を検出することで
認識することができる。
【0136】さらに、第1及び第2カウント値Ca,C
bをアップダウンカウントするタイミングは、パルス信
号の立ち上がり及び立ち下がりのうちどちらか一方のエ
ッジを検出した時等、本実施形態で示したタイミングに
限定されず任意であり、パルス信号Pa,Pbを出力す
る構成及び検出する構成も、本実施形態で示した構成に
限らず任意である。
【0137】また、本実施形態では、その後の開閉ボタ
ン13の操作と操作解除の繰り返しにより、窓ガラス5
1が全閉位置に達した時点で、カウント値Ca,Cbを
窓ガラス51が全閉位置にあるときの正常値である
「0」に設定し直すきっかけとなる状態を、次の3つと
した。即ち、第1及び第2位置カウンタエリアのカウン
ト値Ca,Cbのうち少なくとも一方が、窓ガラス51
の全閉位置におけるカウント値Ca,Cbの正常値Nよ
りも大きくなるか、或は、境界値NDET を負にした値−
DET よりも小さくなった場合と、挟み込み解除動作が
イグニッションスイッチ17を切るまでの間に3回発生
した場合と、マイコン15がモータ11に出力する上昇
駆動信号Ma及び下降駆動信号Mbと、パルス発生器3
1が出力するパルス信号Pa,Pbの位相差とが一致し
ない場合とした。
【0138】しかし、これら3つの場合のうち1つ又は
2つの場合を、カウント値Ca,Cbを窓ガラス51が
全閉位置にあるときの正常値である「0」に設定し直す
きっかけから除外する構成としてもよく、その場合、き
っかけから除外する状態を検出するための構成は省略し
てもよい。また、各きっかけとなる状態であるか否かを
判定するための各種条件は、本実施形態で示した数値や
内容に限定されず、例えば、第1及び第2位置カウンタ
エリアのカウント値Ca,Cbのうち少なくとも一方が
ある条件に適合した場合でなく、両カウント値Ca,C
bが共にある条件に適合した場合にのみ、前記のきっか
けとなる状態であると判定するようにする等、任意であ
る。
【0139】さらに、本実施形態では、窓ガラス51を
全閉位置に達しさせて、カウント値Ca,Cbが窓ガラ
ス51が全閉位置にあるときの正常値である「0」に設
定し直す際に、全閉位置に到達するまでの窓ガラス51
の上昇量を一定の量に規制する構成としたが、その規制
内容は、本実施形態で示した内容に限定されず任意であ
り、或は、省略してもよい。
【0140】そして、本発明は、本実施形態で示したよ
うな、車両の側部のドア5の窓ガラス51を開閉するパ
ワーウィンド装置に限らず、後部のドアの窓ガラス等、
モータにより窓ガラスを開閉するパワーウィンド装置に
広く適用可能であることは言うまでもない。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明のパワーウィンド装置によれば、開閉スイッチの
操作に応じて回転するモータにより車両の窓ガラスを開
閉方向に移動させて、前記モータの回転に同期して出力
されるパルス信号のパルス数と該モータの回転方向とに
より、カウンタ手段のカウント値を増減させ、該カウン
ト値が所定の挟み込み検出範囲内の値である状態で、前
記窓ガラスの閉方向への前記モータの回転がロックした
際に、該窓ガラスの開方向に前記モータを所定量強制的
に回転させる挟み込み解除動作を行うパワーウィンド装
置において、前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カ
ウント値の閉側限界値を基準に、該カウント値が、前記
窓ガラスの開方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方
側に所定値を越えてずれた異常値であるか否かを判定す
る異常判定手段と、前記カウント値が前記異常値である
と前記異常判定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記
全閉位置に達した際に、該全閉位置に対応する前記カウ
ント値の閉側基準値に該カウント値を補正する異常カウ
ント値補正手段とを備え、前記所定の挟み込み検出範囲
内の値が、前記全閉位置から前記窓ガラスの全開位置側
に該窓ガラスが所定距離開いた上限位置と、前記全開位
置との間に位置する前記窓ガラスに対応する前記カウン
ト値であり、前記異常判定手段が、前記カウント値が、
前記閉側基準値と、前記上限位置に対応する前記カウン
ト値の閉側境界値との差分を越えて前記窓ガラスの閉方
向側にずれた時に、該カウント値を前記異常値であると
判定する構成とした。
【0142】このため、モータが正常に回転しパルス信
号も過不足なく正常に発生している限り、カウンタ手段
のカウント値の値は、窓ガラスが全閉位置から全開位置
に、或は、その逆に移動する間に発生するパルス信号の
数によって定まる。これにより、窓ガラスの全閉位置に
対応するカウント値の閉側限界値を基準にすると、カウ
ンタ手段のカウント値の値は、窓ガラスが全閉位置から
全開位置に、或は、その逆に移動する間に発生するパル
ス信号の数を、閉側限界値に加えるか、或は、閉側限界
値から差し引くかした値と、閉側限界値との間の値に限
定されることとなる。
【0143】従って、カウンタ手段の実際のカウント値
が正常でなく狂っていると、例えば窓ガラスが全開位置
や全閉位置にある際に、カウンタ手段の実際のカウント
値が、上述したように限定される値の間に存在せず、そ
れから窓ガラスの開方向側及び閉方向側のうち少なくと
も一方側に所定値を越えてずれることとなる。よって、
カウント値が窓ガラスの開方向側及び閉方向側のうち少
なくとも一方側に所定値を越えてずれているか否かを判
定する異常判定手段により、カウンタ手段の実際のカウ
ント値が正常であるか、或は、正常でなく狂っている異
常値であるかが確実に判定される。
【0144】そして、カウント値が異常値であると判定
された場合には、その後、窓ガラスが全閉位置に達した
際にカウント値を異常カウント値補正手段により閉側基
準値に補正することで、狂ったカウンタ手段の実際のカ
ウント値が正常な値に確実に戻る。
【0145】これにより、カウント値が所定の挟み込み
検出範囲内の値であるか否かを基に行う挟み込み解除動
作が、窓ガラスが全閉位置に達した際に誤って行われた
り、異物が窓ガラスに挟まったにも拘らず行われなかっ
たりするのを確実に防止することができる。
【0146】その上、全閉位置において窓ガラスが気密
や水密を図るゴム製のウェザーストリップにかみ込むよ
うに構成されている場合、経年変化に伴いウェザースト
リップの弾性が変化する等して、窓ガラスの全閉位置が
全開位置側とは反対側にずれ、これにより、窓ガラスの
全閉位置におけるカウンタ手段の実際のカウント値が、
窓ガラスの閉方向側にずれたとしても、所定の挟み込み
検出範囲を決定する窓ガラスの上限位置を、この上限位
置に対応するカウント値の閉側境界値と閉側基準値との
差分が、上述した窓ガラスの全閉位置ずれに伴うカウン
ト値のずれの最大量を上回るように設定することで、異
常判定手段はカウント値を異常値であると判定しない。
従って、ウェザーストリップの経年変化等の影響による
カウンタ手段の実際のカウント値のずれで、パルス信号
の発生源やカウンタ手段に故障が生じたものと誤って判
断されるのを防止することができる。
【0147】しかも、カウンタ手段の実際のカウント値
が、ウェザーストリップの経年変化等により窓ガラスの
閉方向側に最大量ずれたとしても、カウント値で見る窓
ガラスの上限位置は、窓ガラスの全閉位置には達しない
ことから、全閉位置において窓ガラスが止まった際に異
物を挟み込んだと誤認して挟み込み解除動作が行われて
しまうのを防止することができる。
【0148】また、請求項2に記載した本発明のパワー
ウィンド装置によれば、前記異常判定手段が、前記カウ
ント値が前記窓ガラスの開方向側にずれた時に、該カウ
ント値を前記異常値であると判定する構成とした。
【0149】このため、例えば、パルス信号の出力源の
異常により、窓ガラスが開く方向に移動している際に、
正常時よりも多くのパルス信号が発生した場合、窓ガラ
スが全開位置に達すると、カウンタ手段の実際のカウン
ト値は、窓ガラスが全開位置にある場合の値よりも窓ガ
ラスの開方向側にずれることとなる。従って、この窓ガ
ラスの開方向側へのカウント値のずれは、異常判定手段
により確実に異常値であると判定され、これにより、カ
ウンタ手段の実際のカウント値が正常であれば異物を挟
み込んだと認識される状態が発生したのに、カウント値
が窓ガラスの開方向側にずれていたために挟み込み解除
動作が行われないという事象の発生を、確実に防止する
ことができる。
【0150】さらに、請求項5に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、開閉スイッチの操作に応じて
回転するモータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動
させて、前記モータの回転に同期して出力されるパルス
信号のパルス数と該モータの回転方向とにより、カウン
タ手段のカウント値を増減させ、該カウント値が所定の
挟み込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの
閉方向への前記モータの回転がロックした際に、該窓ガ
ラスの開方向に前記モータを所定量強制的に回転させる
挟み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、
前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
段と、前記カウント値が前記異常値であると前記異常判
定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達
した際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側
基準値に該カウント値を補正する異常カウント値補正手
段と、前記車両のイグニッションスイッチの投入中に前
記挟み込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数
計数手段と、前記イグニッションスイッチの切断に応じ
て前記解除回数計数手段の計数値をゼロリセットする解
除回数リセット手段とを備え、前記異常カウント値補正
手段が、前記解除回数計数手段の計数値が所定回数を越
えた後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際に、該
全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値に該カ
ウント値を補正する構成とした。 また、請求項6に記載
した本発明のパワーウィンド装置によれば、前記車両の
イグニッションスイッチの投入中に前記挟み込み解除動
作が行われた回数を計数する解除回数計数手段と、前記
イグニッションスイッチの切断に応じて前記解除回数計
数手段の計数値をゼロリセットする解除回数リセット手
段とをさらに備え、前記異常カウント値補正手段が、前
記解除回数計数手段の計数値が所定回数を越えた後、前
記窓ガラスが前記全閉位置に達した際に、該全閉位置に
対応する前記カウント値の閉側基準値に該カウント値を
補正する構成とした。
【0151】さらに、請求項7に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、開閉スイッチの操作に応じて
回転するモータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動
させて、前記モータの回転に同期して出力されるパルス
信号のパルス数と該モータの回転方向とにより、カウン
タ手段のカウント値を増減させ、該カウント値が所定の
挟み込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの
閉方向への前記モータの回転がロックした際に、該窓ガ
ラスの開方向に前記モータを所定量強制的に回転させる
挟み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、
前記車両のイグニッションスイッチの投入中に前記挟み
込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数計数手
段と、前記イグニッションスイッチの切断に応じて前記
解除回数計数手段の計数値をゼロリセットする解除回数
リセット手段と、前記解除回数計数手段の計数値が所定
回数を越えた後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した
際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準
値に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段と
を備える構成とした。
【0152】このため、カウント値が所定の挟み込み検
出範囲内の値であることを条件に行われる挟み込み解除
動作が、所定回数を越えて行われた場合、実際に異物が
窓ガラスに繰り返し挟まったのが原因である他に、カウ
ンタ手段の実際のカウント値に狂いが生じて、窓ガラス
の全閉位置においてカウンタ手段が実際にカウントして
いるカウント値が、所定の挟み込み検出範囲内の値とな
ってしまったのが原因であることが考えられる。従っ
て、イグニッションスイッチの投入後における解除回数
計数手段の計数値が所定回数を越えた場合、その後、窓
ガラスが全閉位置に達した際にカウント値を異常カウン
ト値補正手段により閉側基準値に補正することで、狂っ
た可能性があるカウンタ手段の実際のカウント値を正常
な値に確実に戻し、誤って挟み込み解除動作が繰り返さ
れるのを確実に防止することができる。
【0153】しかも、イグニッションスイッチの切断に
応じて解除回数リセット手段が解除回数計数手段の計数
値をゼロリセットすることから、イグニッションスイッ
チを切った後、狂った可能性があるカウンタ手段の実際
のカウント値を正常な値に戻す手当てをした場合等に、
その後のイグニッションスイッチの投入時に、前回イグ
ニッションスイッチを切った時点までに解除回数計数手
段で計数された計数値がそのまま加算されて、カウンタ
手段の実際のカウント値が正常な値に戻ったにも拘ら
ず、挟み込み解除動作が行われなくなってしまうのを防
止することができる。
【0154】また、請求項3に記載した本発明のパワー
ウィンド装置によれば、開閉スイッチの操作に応じて回
転するモータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動さ
せて、前記モータの回転に同期して出力されるパルス信
号のパルス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ
手段のカウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟
み込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉
方向への前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラ
スの開方向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟
み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前
記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉側
限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開方
向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を越
えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手段
と、前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定
手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達し
た際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基
準値に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段
と、前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定
手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達す
るまでの間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する挟
み込み解除動作禁止手段とを備える構成とした。さら
に、請求項4に記載した本発明のパワーウィンド装置に
よれば、前記カウント値が前記異常値であると前記異常
判定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に
達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止す
る挟み込み解除動作禁止手段をさらに備える構成とし
た。
【0155】また、請求項8に記載した本発明のパワー
ウィンド装置によれば、前記解除回数計数手段の計数値
が所定回数を越えた後、前記窓ガラスが前記全閉位置に
達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止す
る第2の挟み込み解除動作禁止手段をさらに備える構成
とした。
【0156】このため、異常判定手段がカウンタ手段の
実際のカウント値を異常値であると判定してから、或
は、解除回数計数手段の計数値が所定回数を越えてか
ら、窓ガラスが全閉位置に達して、狂ったカウンタ手段
の実際のカウント値が異常カウント値補正手段により正
常な閉側基準値に補正されるまでの間、挟み込み解除動
作禁止手段や第2の挟み込み解除動作禁止手段が挟み込
み解除動作の実行を禁止することで、カウンタ手段の狂
ったカウント値が基で、挟み込み解除動作が誤って行わ
れるのを確実に防止することができる。
【0157】さらに、請求項9に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、前記挟み込み解除動作禁止手
段が前記挟み込み解除動作を禁止している間、前記開閉
スイッチの操作に応じた前記モータの回転による前記窓
ガラスの閉方向への移動を規制する開閉規制手段をさら
に備える構成とした。
【0158】このため、挟み込み解除動作禁止手段や第
2の挟み込み解除動作禁止手段による挟み込み解除動作
の禁止中、開閉スイッチの操作に応じたモータの回転に
よる窓ガラスの閉方向への移動を開閉規制手段が規制す
ることにより、この規制された窓ガラスの閉方向への移
動によって、挟み込み解除動作の禁止中であることを認
識させ、この挟み込み解除動作の禁止中に異物を窓ガラ
スに挟まないようにさせるための注意を喚起させること
ができる。
【0159】また、請求項10に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、開閉スイッチの操作に応じて
回転するモータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動
させて、前記モータの回転に同期して出力されるパルス
信号のパルス数と該モータの回転方向とにより、カウン
タ手段のカウント値を増減させ、該カウント値が所定の
挟み込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの
閉方向への前記モータの回転がロックした際に、該窓ガ
ラスの開方向に前記モータを所定量強制的に回転させる
挟み込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、
前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
段と、前記カウント値が前記異常値であると前記異常判
定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達
した際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側
基準値に該カウント値を補正する異常カウント値補正手
段とを備え、前記パルス信号が、前記モータの回転方向
に応じて位相差が異なる2相のパルス信号で構成されて
いると共に、前記2相のパルス信号の位相差を基に推定
した前記モータの回転方向と、前記窓ガラスの開閉方向
に対応する前記モータの実際の回転方向とが一致するか
否かを判定する回転方向判定手段と、前記推定したモー
タの回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致しな
いと前記回転方向判定手段が判定した後、前記窓ガラス
が前記全閉位置に達するまでの間、前記挟み込み解除動
作の実行を禁止する第3の挟み込み解除動作禁止手段と
をさらに備え、前記異常カウント値補正手段が、前記推
定したモータの回転方向と該モータの実際の回転方向と
が一致しないと前記回転方向判定手段が判定した後、前
記窓ガラスが前記全閉位置に達した際に、該全閉位置に
対応する前記カウント値の閉側基準値に該カウント値を
補正する構成とした。 さらに、請求項11に記載した本
発明のパワーウィンド装置によれば、前記パルス信号
が、前記モータ11の回転方向に応じて位相差が異なる
2相のパルス信号で構成され、これら2相のパルス信号
の位相差を基に推定した前記モータの回転方向と、前記
窓ガラスの開閉方向に対応する前記モータの実際の回転
方向とが一致するか否かを判定する回転方向判定手段
と、前記推定したモータの回転方向と該モータの実際の
回転方向とが一致しないと前記回転方向判定手段が判定
した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するまでの
間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み
込み解除動作禁止手段とをさらに備え、前記異常カウン
ト値補正手段が、前記推定したモータの回転方向と該モ
ータの実際の回転方向とが一致しないと前記回転方向判
定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達
した際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側
基準値に該カウント値を補正する構成とした。
【0160】また、請求項13に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、開閉スイッチの操作に応じて
回転するモータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動
させて、前記モータの回転に同期して出力される、該モ
ータの回転方向に応じて位相差が異なる2相のパルス信
号のパルス数と、これら2相のパルス信号の位相差を基
に推定した前記モータの回転方向とにより、カウンタ手
段のカウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み
込み検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方
向への前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラス
の開方向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み
込み解除動作を行うパワーウィンド装置において、前記
推定したモータの回転方向と該モータの実際の回転方向
とが一致するか否かを判定する回転方向判定手段と、前
記推定したモータの回転方向と該モータの実際の回転方
向とが一致しないと前記回転方向判定手段が判定した
後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するまでの間、前
記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み込み解
除動作禁止手段とを備える構成とした。
【0161】このため、例えば、モータの回転方向に応
じて位相差が異なる2相のパルス信号を発生する発生源
の接続を正規とは逆に間違えてしまうと、モータの実際
の回転方向に対して、2相のパルス信号の位相差を基に
推定されるモータの回転方向が逆になり、これにより、
ウェザーストリップの経年変化等による窓ガラスの全閉
位置のずれや、パルス信号の出力源の異常がなくても、
カウンタ手段が実際にカウントしているカウント値が正
常でなくなり、狂ってしまう。従って、開閉スイッチの
操作に応じてモータが窓ガラスの開閉方向に駆動される
場合、モータの実際の回転方向と、2相のパルス信号の
位相差を基に推定されるモータの回転方向とが一致しな
いと回転方向判定手段が判定した際に、その後、窓ガラ
スが全閉位置に達するまでの間、第3の挟み込み解除動
作禁止手段が挟み込み解除動作の実行を禁止すること
で、カウンタ手段の狂ったカウント値が基で、挟み込み
解除動作が誤って行われるのを確実に防止することがで
きる。
【0162】さらに、請求項12に記載した本発明のパ
ワーウィンド装置によれば、前記第3の挟み込み解除動
作禁止手段が前記挟み込み解除動作を禁止している間、
前記開閉スイッチの操作に応じた前記モータの回転によ
る前記窓ガラスの閉方向への移動を規制する第2の開閉
規制手段をさらに備える構成とした。
【0163】このため、回転方向判定手段が、推定した
モータの回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致
しないと判定してから、窓ガラスが全閉位置に達して、
狂ったカウンタ手段の実際のカウント値が異常カウント
値補正手段により正常な閉側基準値に補正されるまでの
間、開閉スイッチの操作に応じたモータの回転による窓
ガラスの閉方向への移動を第2の開閉規制手段が規制す
ることにより、この規制された窓ガラスの閉方向への移
動によって、挟み込み解除動作の禁止中であることを認
識させ、この挟み込み解除動作の禁止中に異物を窓ガラ
スに挟まないようにさせるための注意を喚起させること
ができる。
【0164】また、請求項14に記載した本発明のパワ
ーウィンド装置によれば、前記第3の挟み込み解除動作
禁止手段が前記挟み込み解除動作を禁止している間、前
記開閉スイッチの操作に応じた前記モータの回転による
前記窓ガラスの閉方向への移動を規制する第2の開閉規
制手段と、前記推定したモータの回転方向と該モータの
実際の回転方向とが一致しないと前記回転方向判定手段
が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際
に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値
に該カウント値を補正する第2の異常カウント値補正手
段とをさらに備える構成とした。
【0165】このため、回転方向判定手段が、推定した
モータの回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致
しないと判定し、これに伴って、第3の挟み込み解除動
作禁止手段が挟み込み解除動作を禁止している間、開閉
スイッチの操作に応じたモータの回転による窓ガラスの
閉方向への移動を第2の開閉規制手段が規制することに
より、この規制された窓ガラスの閉方向への移動によっ
て、挟み込み解除動作の禁止中であることを認識させ、
この挟み込み解除動作の禁止中に異物を窓ガラスに挟ま
ないようにさせるための注意を喚起させることができ
る。
【0166】そして、回転方向判定手段が、推定したモ
ータの回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致し
ないと判定し、その後、窓ガラスが全閉位置に達した際
にカウント値を第2の異常カウント値補正手段により閉
側基準値に補正することで、例えば、正規とは逆に間違
えたモータの接続を正規の接続に変えた後、狂った可能
性があるカウンタ手段の実際のカウント値を正常な値に
確実に戻し、挟み込み解除動作が正常に行われるように
することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパワーウィンド装置の基本構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態に係るパワーウィンド装置
の概略構成を一部ブロックで示す説明図である。
【図3】図2のパルス信号発生器の構成を示す説明図で
ある。
【図4】図3のパルス信号発生器の第1及び第2センサ
が出力するパルス信号の説明図である。
【図5】図2に示すマイクロコンピュータのハードウェ
ア構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示すマイクロピュータのRAMのメモリ
エリアマップである。
【図7】図2に示すマイクロピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフロ
ーチャートである。
【図8】図2に示すマイクロピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフロ
ーチャートである。
【図9】図2に示すマイクロピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】図2に示すマイクロピュータのROMに格納
された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフ
ローチャートである。
【図11】図2に示すマイクロピュータのROMに格納
された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフ
ローチャートである。
【図12】図7に示す第1センサパルス検出割込処理の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図7に示す第1センサパルス検出割込処理の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図7に示す第2センサパルス検出割込処理の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図7に示す第2センサパルス検出割込処理の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】図2に示す窓ガラスの全閉領域と挟み込み検
出領域との境界位置を示す説明図である。
【符号の説明】
11 モータ 13 開閉スイッチ 15 マイクロコンピュータ 15a CPU 15b RAM 15c ROM 15A カウンタ手段 15B 異常判定手段 15C 異常カウント値補正手段 15D 挟み込み解除動作禁止手段 15E 解除回数計数手段 15F 解除回数リセット手段 15G 第2の挟み込み解除動作禁止手段 15H 開閉規制手段 15J 回転方向判定手段 15K 第3の挟み込み解除動作禁止手段 15M 第2の開閉規制手段 15N 第2の異常カウント値補正手段 17 イグニッションスイッチ 51 窓ガラス CA カウント値 Ck 計数値 PA パルス信号
フロントページの続き (72)発明者 妹尾 陽一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 五十棲 正 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢 崎部品株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−137030(JP,A) 実開 平6−1682(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 15/00 - 15/20

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉スイッチの操作に応じて回転するモ
    ータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、前
    記モータの回転に同期して出力されるパルス信号のパル
    ス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ手段のカ
    ウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み検
    出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向への
    前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開方
    向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み解
    除動作を行うパワーウィンド装置において、 前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
    側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
    方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
    越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
    段と、 前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定手段
    が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際
    に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値
    に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段とを
    備え、 前記所定の挟み込み検出範囲内の値は、前記全閉位置か
    ら前記窓ガラスの全開位置側に該窓ガラスが所定距離開
    いた上限位置と、前記全開位置との間に位置する前記窓
    ガラスに対応する前記カウント値であり、 前記異常判定手段は、前記カウント値が、前記閉側基準
    値と、前記上限位置に対応する前記カウント値の閉側境
    界値との差分を越えて前記窓ガラスの閉方向側にずれた
    時に、該カウント値を前記異常値であると判定する、 ことを特徴とするパワーウィンド装置。
  2. 【請求項2】 前記異常判定手段は、前記カウント値が
    前記窓ガラスの開方向側にずれた時に、該カウント値を
    前記異常値であると判定する請求項1記載のパワーウィ
    ンド装置。
  3. 【請求項3】 開閉スイッチの操作に応じて回転するモ
    ータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、前
    記モータの回転に同期して出力されるパルス信号のパル
    ス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ手段のカ
    ウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み検
    出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向への
    前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開方
    向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み解
    除動作を行うパワーウィンド装置において、 前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
    側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
    方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
    越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
    段と、 前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定手段
    が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際
    に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値
    に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段と、 前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定手段
    が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するま
    での間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する挟み込
    み解除動作禁止手段と、 を備えることを特徴とするパワーウィンド装置。
  4. 【請求項4】 前記カウント値が前記異常値であると前
    記異常判定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉
    位置に達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実行を
    禁止する挟み込み解除動作禁止手段をさらに備える請求
    項1又は2記載のパワーウィンド装置。
  5. 【請求項5】 開閉スイッチの操作に応じて回転するモ
    ータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、前
    記モータの回転に同期して出力されるパルス信号のパル
    ス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ手段のカ
    ウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み検
    出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向への
    前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開方
    向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み解
    除動作を行うパワーウィンド装置において、 前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
    側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
    方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
    越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
    段と、 前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定手段
    が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際
    に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値
    に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段と、 前記車両のイグニッションスイッチの投入中に前記挟み
    込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数計数手
    段と、 前記イグニッションスイッチの切断に応じて前記解除回
    数計数手段の計数値をゼロリセットする解除回数リセッ
    ト手段とを備え、 前記異常カウント値補正手段は、前記解除回数計数手段
    の計数値が所定回数を越えた後、前記窓ガラスが前記全
    閉位置に達した際に、該全閉位置に対応する前記カウン
    ト値の閉側基準値に該カウント値を補正する、 ことを特徴とするパワーウィンド装置。
  6. 【請求項6】 前記車両のイグニッションスイッチの投
    入中に前記挟み込み解除動作が行われた回数を計数する
    解除回数計数手段と、前記イグニッションスイッチの切
    断に応じて前記解除回数計数手段の計数値をゼロリセッ
    トする解除回数リセット手段とをさらに備え、前記異常
    カウント値補正手段は、前記解除回数計数手段の計数値
    が所定回数を越えた後、前記窓ガラスが前記全閉位置に
    達した際に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉
    側基準値に該カウント値を補正する請求項1、2、3又
    は4記載のパワーウィンド装置。
  7. 【請求項7】 開閉スイッチの操作に応じて回転するモ
    ータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、前
    記モータの回転に同期して出力されるパルス信号のパル
    ス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ手段のカ
    ウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み検
    出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向への
    前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開方
    向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み解
    除動作を行うパワーウィンド装置において、 前記車両のイグニッションスイッチの投入中に前記挟み
    込み解除動作が行われた回数を計数する解除回数計数手
    段と、 前記イグニッションスイッチの切断に応じて前記解除回
    数計数手段の計数値をゼロリセットする解除回数リセッ
    ト手段と、 前記解除回数計数手段の計数値が所定回数を越えた後、
    前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際に、該全閉位置
    に対応する前記カウント値の閉側基準値に該カウント値
    を補正する異常カウント値補正手段と、 を備えることを特徴とするパワーウィンド装置。
  8. 【請求項8】 前記解除回数計数手段の計数値が所定回
    数を越えた後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するま
    での間、前記挟み込み解除動作の実行を禁止する第2の
    挟み込み解除動作禁止手段をさらに備える請求項5、6
    又は7記載のパワーウィンド装置。
  9. 【請求項9】 前記挟み込み解除動作禁止手段が前記挟
    み込み解除動作を禁止している間、前記開閉スイッチの
    操作に応じた前記モータの回転による前記窓ガラスの閉
    方向への移動を規制する開閉規制手段をさらに備える請
    求項3、4又は8記載のパワーウィンド装置。
  10. 【請求項10】 開閉スイッチの操作に応じて回転する
    モータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、
    前記モータの回転に同期して出力されるパルス信号のパ
    ルス数と該モータの回転方向とにより、カウンタ手段の
    カウント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み
    検出範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向へ
    の前記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開
    方向に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み
    解除動作を行うパワーウィンド装置において、 前記窓ガラスの全閉位置に対応する前記カウント値の閉
    側限界値を基準に、該カウント値が、前記窓ガラスの開
    方向側及び閉方向側のうち少なくとも一方側に所定値を
    越えてずれた異常値であるか否かを判定する異常判定手
    段と、 前記カウント値が前記異常値であると前記異常判定手段
    が判定した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際
    に、該全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値
    に該カウント値を補正する異常カウント値補正手段とを
    備え、 前記パルス信号は、前記モータの回転方向に応じて位相
    差が異なる2相のパルス信号で構成されていると共に、 前記2相のパルス信号の位相差を基に推定した前記モー
    タの回転方向と、前記窓ガラスの開閉方向に対応する前
    記モータの実際の回転方向とが一致するか否かを判定す
    る回転方向判定手段と、 前記推定したモータの回転方向と該モータの実際の回転
    方向とが一致しないと前記回転方向判定手段が判定した
    後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するまでの間、前
    記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み込み解
    除動作禁止手段とをさらに備え、 前記異常カウント値補正手段は、前記推定したモータの
    回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致しないと
    前記回転方向判定手段が判定した後、前記窓ガラスが前
    記全閉位置に達した際に、該全閉位置に対応する前記カ
    ウント値の閉側基準値に該カウント値を補正する、 ことを特徴とするパワーウィンド装置。
  11. 【請求項11】 前記パルス信号は、前記モータの回転
    方向に応じて位相差が異なる2相のパルス信号で構成さ
    れ、これら2相のパルス信号の位相差を基に推定した前
    記モータの回転方向と、前記窓ガラスの開閉方向に対応
    する前記モータの実際の回転方向とが一致するか否かを
    判定する回転方向判定手段と、前記推定したモータの回
    転方向と該モータの実際の回転方向とが一致しないと前
    記回転方向判定手段が判定した後、前記窓ガラスが前記
    全閉位置に達するまでの間、前記挟み込み解除動作の実
    行を禁止する第3の挟み込み解除動作禁止手段とをさら
    に備え、前記異常カウント値補正手段は、前記推定した
    モータの回転方向と該モータの実際の回転方向とが一致
    しないと前記回転方向判定手段が判定した後、前記窓ガ
    ラスが前記全閉位置に達した際に、該全閉位置に対応す
    る前記カウント値の閉側基準値に該カウント値を補正す
    る請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のパワーウ
    ィンド装置。
  12. 【請求項12】 前記第3の挟み込み解除動作禁止手段
    が前記挟み込み解除動作を禁止している間、前記開閉ス
    イッチの操作に応じた前記モータの回転による前記窓ガ
    ラスの閉方向への移動を規制する第2の開閉規制手段を
    さらに備える請求項10又は11記載のパワーウィンド
    装置。
  13. 【請求項13】 開閉スイッチの操作に応じて回転する
    モータにより車両の窓ガラスを開閉方向に移動させて、
    前記モータの回転に同期して出力される、該モータの回
    転方向に応じて位相差が異なる2相のパルス信号のパル
    ス数と、これら2相のパルス信号の位相差を基に推定し
    た前記モータの回転方向とにより、カウンタ手段のカウ
    ント値を増減させ、該カウント値が所定の挟み込み検出
    範囲内の値である状態で、前記窓ガラスの閉方向への前
    記モータの回転がロックした際に、該窓ガラスの開方向
    に前記モータを所定量強制的に回転させる挟み込み解除
    動作を行うパワーウィンド装置において、 前記推定したモータの回転方向と該モータの実際の回転
    方向とが一致するか否かを判定する回転方向判定手段
    と、 前記推定したモータの回転方向と該モータの実際の回転
    方向とが一致しないと前記回転方向判定手段が判定した
    後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達するまでの間、前
    記挟み込み解除動作の実行を禁止する第3の挟み込み解
    除動作禁止手段と、 を備えることを特徴とするパワーウィンド装置。
  14. 【請求項14】 前記第3の挟み込み解除動作禁止手段
    が前記挟み込み解除動作を禁止している間、前記開閉ス
    イッチの操作に応じた前記モータの回転による前記窓ガ
    ラスの閉方向への移動を規制する第2の開閉規制手段
    と、前記推定したモータの回転方向と該モータの実際の
    回転方向とが一致しないと前記回転方向判定手段が判定
    した後、前記窓ガラスが前記全閉位置に達した際に、該
    全閉位置に対応する前記カウント値の閉側基準値に該カ
    ウント値を補正する第2の異常カウント値補正手段とを
    さらに備える請求項13記載のパワーウィンド装置。
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