JP3089373B2 - 2−メルカプト−フェノチアジンの製造方法 - Google Patents

2−メルカプト−フェノチアジンの製造方法

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JP3089373B2
JP3089373B2 JP04079403A JP7940392A JP3089373B2 JP 3089373 B2 JP3089373 B2 JP 3089373B2 JP 04079403 A JP04079403 A JP 04079403A JP 7940392 A JP7940392 A JP 7940392A JP 3089373 B2 JP3089373 B2 JP 3089373B2
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    • C07D279/101,4-Thiazines; Hydrogenated 1,4-thiazines
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬品製造の中間体とし
て有用な2−メルカプト−フェノチアジンの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来技術】2−メルカプト−フェノチアジンは式、化
【化4】 で表され、チオリダジン(メルク インデックス 第1
1版、No.9290、1474頁)、メソリダジン
(メルク インデックス 第11版、No.5813、
929頁)メチオメプラジン(メルク インデックス
第10版、No.5847、857頁)、チエチルペラ
ジン(メルク インデックス 第11版、No.924
1、1467頁)等に代表されるような薬物活性のある
化合物の合成のための中間体として知られている。
【0003】化4は
【化4】 又、米国特許No.4,578,379(ジョージア大
学リサーチ)の記載にあるような避妊作用のあるいくつ
かの化合物の合成のための中間体となったり、日本特許
出願No.48−28761(吉富製薬株式会社、ケミ
カル アブストラクト 81巻、15387C)に見ら
れるように炭水化物の安定化剤として有効ないくつかの
化合物の合成のための中間体となり得る。
【0004】化4の合成のためのいくつかの工程が知ら
れているが、それらは工業的見地から見て化4合成のた
めにはあまり適当ではなく、否定的要因を含んでいるこ
とがしばしばである。
【0005】否定的要因とは以下のようなことを指す。
つまり、製造工程数が多くて合成に手間がかかること、
中間体の分離精製困難、市場に売り出されていない原材
料を用いたり、価格の高い原材料を用いること、工業的
に扱うのが困難な物質や触媒が必要であること、低収
量、そして副産物との分離困難などがあげられる。
【0006】文献記載の製法の例をあげると:3−メル
カプト−アニリンと2−クロロ−安息香酸の縮合反応か
ら3工程により、化4と
【化4】 不純物としての4−メルカプト異性体を得る方法(ヘル
ベティカ キミカ アクタ、41巻、1061頁、19
58年)とヘテロサイクルに収録されている方法(ヘテ
ロサイクル 26巻、1号、239頁、1987年)等
がある。
【0007】しかしながら市場で大量且つ低廉に入手し
うるフェノチアジンを原材料として2−メルカプト−フ
ェノチアジンを合成する方法は未だ知られていない。
【0008】そこでフェノチアジンのスルフォニル化に
関して、フランス特許番号No.1,314,521
(キミオテクニック エス エー)にあるフェノチアジ
ン ジスルホニル誘導体(未同定)の合成方法に着目し
た。
【0009】つまり、位置特異的反応を利用することに
より、フェノチアジンの2の位置にSH基を導入して2
−メルカプト−フェノチアジンを合成する方法を開発す
ることが本発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的に沿った反応
は以下に述べるような手順で達成される。式、化1
【化1】 (式中Rは−COOR’または−SOR”基;R’は
炭素数1〜6のアルキル基;R”は炭素数1〜6のアル
キル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基また
は置換ナフチル基を表す)に示されるようにフェノチア
ジンのNを保護しておいて、次にスルフィネート化剤、
あるいはスルフォネート化剤を作用させて、化2
【化2】 (式中Rは前述せる通り;nは2または3であり;n=
3の場合Yは水素原子、アルカリ金属または有機塩基の
カチオンを表し、n=2の場合Yは水素原子、アルカリ
金属、有機塩基のカチオンまたは塩素原子を表す)を得
る。これを還元すると、式、化3
【化3】 (式中Rは前述の通り)で表される化合物になるので、
次いでN原子の保護をしているRを除去すると化4、つ
まり2−メルカプト−フェノチアジンが得られる。
【化4】
【0011】スルフィネート化剤の例としては二酸化イ
オウがあり、これは塩化アルミニウムの存在下で用いら
れる。
【0012】スルフォネート化剤としては96〜98%
硫酸、三酸化イオウ、クロロスルフォン酸と発煙硫酸の
中から選ばれ、その中でもクロロスルフォン酸が好んで
用いられる。
【0013】合成反応の出発点で用いられる原材料は化
1に示すように
【化1】 Nが保護されたフェノチアジンであり、本発明では化1
のN−アルコキシカルボニル誘導体(R=−COO
R’)が好んで用いられる。
【0014】とりわけ化1として好ましい具体的例は、
N−メトキシカルボニル−フェノチアジン(R’=CH
)である。
【0015】化1のこれらの化合物は既知の物質であ
り、N−アルコキシシカルボニル誘導体(R=−COO
R’)は、例えば入手容易なフェノチアジン−10−カ
ルボニルクロライドを適当なアルコキシドと反応させる
ことにより合成できる。(J.Chem.Soc.,パ
ーキン トランス 2巻、1103〜1110頁、19
78年)
【0016】又、フェノチアジンを適当なアルコキシカ
ルボニル クロライドと直接反応させても合成すること
ができる。(アクタ キミカ スカンジナヴィア、7
巻、879−884頁、1953年)
【0017】化1のスルフォニル誘導体(R=−SO
R”)は、例えばフェノチアジンを対応するクロロスル
フォニル誘導体と直接反応させることにより合成でき
る。(ツールナル オルガニッシェスコイ キミ 11
巻、2230頁、1975年:ケミカル アブストラク
ト 84巻 59346e)
【0018】化1の化合物をスルフィネート化剤と反応
させると、化2の化合物(ただしn=2,Y=H)を得
る。
【0019】化1の化合物をスルフォネート化剤と反応
させると、化2の化合物でn=3のものが得られる。
【0020】n=2,Y=Hである化2なる物質の合成
は一般的には、二酸化イオウと塩化アルミニウムの存在
下で行われ、溶媒なしでも不活性な溶媒の存在下でも反
応は可能である。
【0021】得られる反応生成物はNが保護された、フ
ェノチアジン−2−スルフィン酸であり、これを直接還
元し、保護基をはずすと2−メルカプト フェノチアジ
ン、すなわち化4を得る。
【0022】n=3,Y=Hである化2なる物質の合成
には特異的なスルフォン化剤、例えば96〜98%硫
酸、三酸化イオウ、クロロスルフォン酸、発煙硫酸等が
用いられる。
【0023】そしてスルフォネート化反応は溶媒なし
で、あるいはメチレン クロライド、1,2−ジクロロ
エタン、二酸化イオウ、ニトロベンゼン、ニトロメタ
ン、スルフリル クロライド、酢酸等の中から選ばれる
不活性な溶媒の存在下で行われる。
【0024】これまで記述したような官能化反応によっ
て得られる化2は、アルカリ塩基の水溶液か有機塩基、
あるいはアルカリ塩や4級アンモニウム塩のような適当
な塩と反応させることにより、塩として単離される(Y
はアルカリ金属または有機塩基のカチオン)。
【0025】化2なる化合物の塩の代表的な例は、ナト
リウムやカリウムのようなアルカリ金属との塩、又は
N,N−ジメチル−n−オクチルアミンやトリブチルア
ミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミンのよう
な脂溶性4級アミンとの塩、等である。
【0026】又、化2なる化合物のうちでn=3,Y=
Hである化合物もこのようにして合成する。
【0027】化2の化合物はYがHかアルカリ金属、あ
るいは有機塩基のカチオンであるものは、Nを保護した
2−メルカプト−フェノチアジンを得るために都合のい
い適当な方法でイオウ原子を還元する。
【0028】例えば化2の塩は既知の方法によってポリ
スルフィッドで還元することが出来る。工業的に低価格
で良い結果を得る方法の1つは、酸環境の中で亜鉛で還
元反応を行うものである。
【0029】特に本発明の目的である化2を得る方法と
して、塩基を用いると同様に酸の形で処理すると、単離
することはできないが直接還元することはできる。
【0030】水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶
液のような塩基と還元生成物との混液中では、Nの保護
基がとれて化4、つまり、2−メルカプト フェノチア
ジンが得られる。
【0031】あるいは又、塩をつくるために加える薬品
がアルカリ塩基の水溶液である時に、化2(Y=H)が
それと同じ塩をつくる環境中にあれば脱保護基反応が起
こるということである。
【0032】化2がn=3で酸か塩の形になっている場
合には、チオニル クロライドと反応させることによ
り、対応するスルフォニル クロライド(Y=Cl)の
形にすることができる。
【0033】そしてこの場合の反応は一般的にはメチレ
ン クロライド、トルエン、1,2−ジクロロ−エタン
のような不活性な有機溶媒の存在下で、ジメチルホルム
アミドを触媒としての必要量加えて行わせる。反応は大
変高収量を示し、収率は90%以上である。
【0034】スルフォニル クロライドの形になった反
応生成物を還元して化3にするには塩酸か硫酸中、亜鉛
を作用させて行い、実施に当たっては化2の物資(Y=
Cl)に酸を加え、次いで亜鉛を加える。
【0035】還元反応のための混合液がアルカリ塩基と
の反応を終え、次いで酸性化されると化4を得る。
【0036】次に本発明の反応工程をより具体的に述べ
る。化1なる化合物に塩化アルミニウムと二酸化イオウ
とを反応させ、化2(n=2,Y=H)を得る。
【0037】塩化アルミニウムの量は少なくとも化1と
等モル加えるべきであり、2〜4倍加剰量加える方が好
ましい。
【0038】反応は二酸化イオウのガス中で行うが、ま
ず最初に塩化アルミニウムを用意し、ここへ二酸化イオ
ウガスを反応させる。
【0039】これらの中へ化1なる化合物をそのまま、
あるいは不活性な有機溶媒に溶かして加える。
【0040】まず塩化アンモニウムを不活性な溶媒に浮
遊させ、この中へ二酸化イオウガスをふき込む。
【0041】溶媒としてはCHCl、CS、CH
ClCHCl、CHClCHClなどのような
フリーデル クラフツ反応でアルミニウムと共に通常用
いられるような試薬が適当である。
【0042】反応混液は二酸化イオウ環境下、0〜10
0℃(室温〜70℃が、より適当)に保つ。反応終了
後、反応液はCHClのような有機溶媒にて希釈す
る。
【0043】還元反応は亜鉛と塩酸とを用いて行い、反
応混液を酸性水溶液で処理してアルミニウム塩をはずす
のと同様にして、官能化反応で得られた反応混液を希釈
して得られる反応液中で直接、その反応が進行する。
【0044】フリーデル クラフツ反応が終了すると、
先に記述したようにアルカリ塩基で処理し、還元反応を
行わすことにより化2(n=2)の塩は遊離の形とな
る。
【0045】本発明はクロロスルホル酸や96%硫酸の
ようなスルホネート化剤を用いて化1なる化合物を官能
化することをも包含している。
【0046】スルホネート化剤としてクロロスルホン酸
を用いる場合、その使用量は基質のモル量より多目に、
2〜4倍程度が好ましい。又、反応はメチレン クロラ
イドや1,2−ジクロロエタンのような不活性な溶媒の
存在下で行われる。
【0047】スルホネート化剤が96%硫酸の場合、そ
の使用量は基質のモル量より多目に、2−4倍程度が好
ましい。
【0048】これら2つのスルホネート化反応は−20
℃〜十80℃の間で行うべきであり、特に15〜40℃
で行うことが好ましい。
【0049】化2(n=3)なる化合物は、不活性な溶
媒と触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で、対応す
るスルホニル クロライド(n=2、Y=Cl)とチオ
ニルクロライドが反応することにより得ることができ
る。
【0050】得られたスルホニル クロライドは塩酸
中、亜鉛にて還元し、アルカリ塩基水溶液で直接保護基
をはずす。
【0051】このようにして製造した化4は既知の薬剤
の製造に有用なものである。例えば2−メチルチオ フ
ェノチアジンを得るために、化4なる化合物を同じ反応
環境中で直接メチル化することができる。
【0052】2−メチルチオ フェノチアジンはチオリ
ダジンのような薬物を合成する中間体として有用であ
る。(ヘルヴェチカ キミカ アクタ、41巻、107
2頁、1958年)
【0053】メチル化反応それ自体は既知の反応であ
り、ジメチル硫酸とかメチル クロライドなど工業的に
使用しやすいメチル化剤を用いて行われる。
【0054】化4なる化合物は導入しようとするアルキ
ル基によって、適当なアルキル化剤を用いることによ
り、メチル基以外の、例えばエチル基等でアルキル化す
ることができる。
【0055】例えばチエチルペラジンの合成に有用な中
間体である2−エチルチオ−フェノチアジンは(ヘルベ
チカ キミカ アクタ、41巻、1072頁、1958
年)記載にようにして合成される。
【0056】本発明の最も特徴的、かつ斬新な概念を一
言で表現すると、化1の
【化1】 フェノチアジンから化2をを得るのに高収率で、しかも
2位の位置に特異的に反応が起こるということである。
【0057】実際、本方法によると置換反応はフェノチ
アジン環の2の位置にのみ特異的に起こる。2と8位の
2ケ所が置換された副産物はごくわずか(5%以下)で
あるので実際には無視できるか、既知の方法により除去
可能である。
【0058】このように本発明による合成方法は大変重
要であり、多様な利点を持っている。
【0059】工業生産的見地に立って本方法の利点をあ
げると、原材料が低廉で工業的規模の量でも入手が容易
である、工程数が少なく(フェノチアジンのN位の保
護:2位の位置の官能化:還元:脱保護基反応)、か
つ、工業的規模での実施が容易である、1つの反応槽で
全工程の反応を行うことができる、極めて位置特異性の
高い反応である、これまでの方法とは比べものにならな
い位収率が高い、等である。
【0060】さらに本発明をより詳しく説明するために
好ましい具体的方法を実施例として以下に述べる。
【0061】
【実施例1】N−メトキシカルボニル−フェノチアジン
−2−スルホン酸ナトリウムの合成。
【0062】N−メトキシカルボニル−フェノチアジン
(50g、0.194モル)(調整法:アクタ キミカ
スカンディナヴィア、7巻、879〜884頁、19
53年)をメチレン クロライド(75ml)を加え、
15℃に保ったものにクロロスルホン酸(45.5g、
0.39モル)を10分間かけて滴下する。
【0063】混液を25℃に加温し、攪拌しながらこの
温度に3時間保つ。次いで反応混液を水と氷(250
g)の中ヘ注ぎ込み、層を分ける。
【0064】水(300ml)に塩化ナトリウム(11
4g)を溶かした液を水層に攪拌しながら加える。20
℃に1時間保った後、沈でん物をろ取し、水(2×50
ml)で洗う。
【0065】真空ポンプで引きながら50℃で12時間
乾燥させると、N−メトキシカルボニル フェノチアジ
ン−2−スルホン酸ナトリウム塩が90%HPLCタイ
ターで得られる。(50.3g;収率65%) 得られ
た粗結晶は精製せずに次の反応段階へと進む。
【0066】H’−NMR(300MH,DMSO−
):δ(ppm):3.75(s,3H);7.2
2−7.85(m,7H)
【0067】
【実施例2】N−メトキシカルボニル−フェノチアジン
−2−スルフオニル クロライドの合成。
【0068】方法A:ジメチルホルムアミド(0.23
g;3ミリモル)とチオニル クロライド(10g;8
4ミリモル)を、実施例1の如くにして調整したN−メ
トキシカルボニル−フェノチアジン−2−スルホン酸ナ
トリウム塩(25g;62.5ミリモル;90%タイタ
ー)をメチレン クロライド(75ml)の混液に加
え、15℃で攪拌する。
【0069】反応液は攪拌しつつ加温し、4時間還流し
た後、20℃に冷却する。これを水(100ml)に注
ぎ込んで層を分離する。
【0070】有機層は硫酸ナトリウムで乾燥させた後真
空乾燥し、N−メトキシカルボニル−フェノチアジン−
2−スルフォニル クロライド(20.6g;58ミリ
モル;92%収率)を得る。トルエンより結晶折出させ
たものは大変純度が高い。
【0071】H−NMR(300MH、CDC
):δ(ppm):3.88(s,3H);7.2
0−8.22(m,7H) m.p.165〜167
℃マス スペイトル(イソブタン)=m/e356[M
+H]
【0072】方法B:ジメチルホルムアミド(0.23
g;3ミリモル)とチオニル クロライド(10g;8
4ミリモル)を、実施例1の如くにして調整したN−メ
トキシカルボンニル−フェノチアジン−2−スルホン酸
ナトリウム塩(25g;62,5ミリモル;90%タイ
ター)とトルエン(100ml)の混液に加え、15℃
で攪拌する。
【0073】反応液は60℃で4時間加温し、水(10
0ml)に注ぎ込む。有機層を60℃で分離し、共沸さ
せて乾燥し、15℃に冷却する。
【0074】沈でん物をろ過し、ジエチル エーテル
(2×20ml)で洗いN−メトキシカルボニル−フェ
ノチアジン−2−スルフォニル クロライド(17.9
g;50ミリモル)を得る。
【0075】母液よりさらに目的の化合物(3.4g;
9.5ミリモル)を得ることができる。(全体で収率9
6%)得られた化合物は方法Aの所で報告したと同じ物
性を示した。
【0076】方法C:N−メトキシカルボニル−フェノ
チアジン(200g;0.78モル)をメチレン クロ
ライド(240ml)に入れ、窒素気流中、攪拌しなが
ら15℃に保冷しつつ、クロロスルホン酸(181.7
g;1.56モル)を30分間かけて加える。
【0077】反応混液を25℃に加温し、攪拌しながら
3時間25℃に保つ。次いで0℃の冷水(600g)に
注ぎ込み、反応液の温度が室温にまで上がったら層を分
ける。
【0078】N,N−ジメチル−nオクチルアミン(9
8.1g;0.62モル)とメチレン クロライト(4
00ml)を先に得た水層に攪拌しながら加える。30
分間攪拌してから層を分けて、有機層を真空ポンプにて
乾燥させる。トルエン(500ml)を残査に加え、そ
の混液全体を共沸させて乾燥させる。
【0079】温度を60℃に下げてからジメチルホルム
アミド(4.1g;0.06モル)と30分以内にチオ
ニル クロライド(96.5g;0.81モル)を加え
る。反応混液は60℃に3時間保つ。
【0080】2時間かけて液温を15℃に下げ、2時間
15℃に保つ。沈でん物をろ取し、トルエン(2×20
ml)で洗うとN−メトキシカルボニル−フェノチアジ
ン−2−スルフォニル クロライド(174g;HPL
Cタイター>97%;N−メトキシカルボニル−フェノ
チアジンよりの収率60%)が得られる。
【0081】得られた化合物は方法A及びBで得られた
ものと同じ物性を示した。
【0082】
【実施例3】N−メトキシカルボニル−2−メルカプト
−フェノチアジンの合成。
【0083】実施例2記載の如くにして合成したN−メ
トキシカルボニル フェノチアジン−2−スルホニル
クロライド(20.63g;0.058モル)をメチレ
ンクロライドに加えた混液を窒素気流中、攪拌しながら
15℃に保冷し、ここへ亜鉛(26,5g;0.405
g/アトム)を加え、次いで36%塩酸(116g;
1.145モル)を1時間かかって滴下する。滴下終了
後、反応液は加温して4時間還流する。
【0084】その後、20℃に冷やし、層を分離。有機
層は6N塩酸(50ml)で洗い硫酸ナトリウムで乾燥
させた後、蒸発乾固する。
【0085】N−メトキシカルボニル−2−メルカオプ
ト−フェノチアジン(15.9g;0.052モル;収
率90%;95%;タイター)が得られる。
【0086】エチル酢酸より結晶化すると、純度の高い
ものが得られる。H−NMR(300MH,DMS
O−d);δ(ppm):3.74(s,3H);
5.80(s,1H);7.17−7.61(m,7
H) m.p.145〜147℃
【0087】
【実施例4】2−メルカプトーフェノチアジンの合成
【0088】方法A:水酸化ナトリウム(5.2g;
0.13モル)を水(47ml)に溶かした液を70℃
に加温し、窒素を30分間通じて脱酸素を行う。次いで
実施例3記載の方法にて合成したN−メトキシカルボニ
ル−2−メルカプト−フェノチアジン(15.9g;
0.052モル;95%タイター)を水酸化ナトリウム
水溶液に加える。
【0089】反応液は窒素気流中4時間、70℃に加温
し、脱色炭(0.1g)を加えてからろ過する。ろ液は
15℃に冷やし塩酸(6N)にてpH2に調整する。
【0090】沈でん物をろ過し、水(2×20ml)で
洗うと2−メルカプト−フェノチアジン(11.2g;
0.046モル;96%タイター;収率90%)が得ら
れる。
【0091】トルエンより結晶化すると純度の高いもの
が得られる。m.p.213〜215℃H−NMR
(300MH,DMSO−d):δ(ppm):
5.39(s,1H);6.60−7.01(m,1
H);8.58(ブロード シグナル、1H)
【0092】方法B:実施例2記載の如くにして合成し
たN−メトキシカルボニル−フェノチアジン−2−スル
ホニル クロライド(10g;0.028モル)をトル
エン(35ml)に入れたものに36%塩酸(54.5
g;0.54モル)を加え、窒素気流下50℃で4時間
加温する。
【0093】亜鉛(12.8g;0.196g/アト
ム)を少しずつ加え、混合液をさらに50℃、4時間加
温する。
【0094】有機層にN−メトキシカルボニル−2−メ
ルカプト−フェノチアジン(7.5g;0.026モ
ル;収率92%)が含まれる。水酸化ナトリウム(2.
6g;0.065モル)を水(24ml)に溶かした液
を有機層に攪拌しながら加える。
【0095】反応混液を80℃、3時間静置加温すると
層に分かれる。水層を脱色炭(0.1g)で脱色し、ろ
過した後、6N塩酸で液をpH2に調整し、15℃にま
で冷却しろ過する。
【0096】60℃で真空乾燥すると方法Aに述べたと
同じ物性を持った2−メルカプト−フェナチアジン
(5.75g;0.024モル;HPLCタイター97
%;収率92%)が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パオロ カバレリ イタリア国 ミラノ 20144 ビア バ ルパライソ 7/A 番地 (56)参考文献 特開 平4−234865(JP,A) 特開 平4−208270(JP,A) 特開 昭50−123682(JP,A) 仏国特許出願公開1314521(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 279/00 - 279/36 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式、化1 【化1】 (式中Rは−COOR’または−SOR”基;R’は
    炭素数1〜6のアルキル基;R”は炭素数1〜6のアル
    キル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基また
    は置換ナフチル基を表す)で示されるN−保護フェノチ
    アジンをスルフィネート化またはスルホネート化剤と反
    応させて、式、化2 【化2】 (式中Rは前述せる通り;nは2または3であり;n=
    3の場合Yは水素原子、アルカリ金属または有機塩基の
    カチオンを表し、n=2の場合Yは水素原子、アルカリ
    金属、有機塩基のカチオンまたは塩素原子を表す)で表
    される化合物を得、これを還元して、式、化3 【化3】 (式中Rは前述の通り)で表されるN−保護2−メルカ
    プトフェノチアジンを得、さらに窒素原子の保護基を除
    去することからなる2−メルカプト−フェノチアジンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 Rが−COOR’基である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 スルフィネート化剤が塩化アルミニウム
    の存在下での二酸化イオウである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 スルフォネート化剤が96〜98%硫
    酸、三酸化イオウ、クロロスルホン酸および発煙硫酸か
    ら選ばれる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 スルホネート化剤がクロロスルホン酸で
    ある請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 還元が酸雰囲気中、亜鉛を用いて実施せ
    られる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 還元が化2の化合物でn=2、Y=Cl
    の化合物に対し実施せられる請求項1記載の方法。 【化2】 (式中Rは前述せる通り;nは2または3であり;n=
    3の場合Yは水素原子、アルカリ金属または有機塩基の
    カチオンを表し、n=2の場合Yは水素原子、アルカリ
    金属、有機塩基のカチオンまたは塩素原子を表す)
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