JP3089183U - 歩車道境界ブロックおよびそれを用いた歩車道境界構造 - Google Patents

歩車道境界ブロックおよびそれを用いた歩車道境界構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水性舗装がされた道路等に用いられて良好
な排水性が安定して発揮され得ると共に、構造が簡単で
施工が極めて容易である、新規な構造の歩車道境界ブロ
ックを提供すること。 【解決手段】 外部開口孔32を、境界突部18の大気
への露出面に開口して、この開口部34から内方に向か
って斜め下方に直線的に延び、内方端部36において排
水路20に連通せしめると共に、表層内排水用孔22
を、ベース部16の幅方向における少なくとも一方の端
面及び/又は境界突部18の幅方向における少なくとも
一方の側面で透水性表層材38の端面への重ね合わせ部
位に開口して、該開口部24から内方に向かって斜め下
方に直線的に延び、内方端部26において排水路20に
連通せしめた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本考案は、歩道と車道を区画する歩車道境界ブロックと、該歩車道境界ブロッ クを用いて構成された歩車道境界構造に係り、特に、地表への開口が覆蓋される ことによって暗渠構造とされた排水路を備えた、新規な構造の歩車道境界ブロッ クと該歩車道境界ブロックを用いた歩車道境界構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、繁華街や郊外などの広い道路では、歩道と車道の間に段差を設けてそ れら歩車道を区画する目的で、地盤に埋設される下部本体に対して路面から上方 に向かって突出する境界凸部を形成したコンクリート製の歩車道境界ブロックが 用いられている。また、歩道や車道では、降雨時等における路面排水を考慮する 必要があり、路面の排水性を考慮した歩車道境界ブロックとして、従来から、特 開平11−140956号公報や特開2000−328641号公報、特開20 01−173084号公報等に記載されているように、内部に排水路を設けて、 路面に沿って路肩に流れてくる雨水等を歩車道境界ブロックの上面に開口せしめ た排水孔を通じて該排水路に集水して排水するようにした歩車道境界ブロックが 、幾つか提案されている。
【0003】 ところが、このような従来構造の歩車道境界ブロックでは、何れも、道路の表 面を流れてくる雨水等を集水するものに過ぎず、近年、採用が検討されている排 水性舗装に対しては、有効な排水性能を得ることが極めて困難であるという問題 があった。
【0004】 すなわち、排水性舗装は、連続気孔を備えたポーラス構造のコンクリートやア スファルトからなる透水性の高い舗装材で道路表層を舗装するものであり、雨水 等は速やかに表層内にしみ込むようになっており、雨水等が道路表面に沿って流 れないために、道路表面の水を集水して排水する従来構造の排水路を備えた歩車 道境界ブロックでは排水効果が有効に発揮され得ないこととなる。そして、透水 性の表層の下方には、一般に透水性の低い基層が形成されていることから、多量 の降雨等があると雨水が透水性の表層内に溜まってしまい、それによって、舗装 の耐久性が低下したり、透水性の表層上にまで雨水があふれ出してしまう等とい う不具合の発生するおそれがあったのである。
【0005】 なお、このような問題に対処するために、例えば、歩車道境界ブロックの地盤 に埋設される下部本体に形成された排水路から側方に延び出し下部本体を貫通し て下部本体の幅方向端面に開口する排水孔を設けて、該排水孔を下部本体の幅方 向端面に重ね合わせられる透水性の表層の端面に開口せしめることにより、透水 性の表層内を流動して路肩に導かれる雨水等を、かかる排水孔を通じて排水路に 集水して排水するようにすることも、考えられる。
【0006】 ところが、前記公報等に示されているように従来構造の歩車道境界ブロックは 、一般に大型であって、凹溝を形成するコンクリート製の厚肉の下部本体に対し て、別体形成されたコンクリート製や金属製の蓋体を組み合わせて、凹溝を蓋体 で覆蓋することによって排水路を形成する構造とされていることから、下部本体 の凹溝から側方に延び出す排水孔を形成しようとすると下部本体を成形するコン クリート型枠の構造が複雑になると共に、コンクリート型枠のばらし作業が非常 に面倒になるという問題があった。
【0007】 また、下部本体に境界凸部を一体形成せしめて、該下部本体の内部を長手方向 に貫通して延びる小径の略管体構造の排水路を形成すると共に、該排水路から下 部本体の幅方向に延び出し、下部本体の幅方向端面に開口する排水孔を設けて、 該排水孔を下部本体の幅方向端面に重ね合わせられる透水性の表層の端面に開口 せしめることにより、全体をコンパクトに構成することも考えられる。
【0008】 ところが、本考案者が検討したところ、一体成形した小形の歩車道境界ブロッ クに形成された小形の排水路には、泥や砂等が堆積して非常に詰まりやすく、目 的とする排水性能が安定して得られ難いという問題があり、設置場所の条件等に よっては実用化が困難であることが明らかとなった。
【0009】 しかも、管体構造とされた暗渠型の排水路は、比較的小径であることと相俟っ て、泥や砂等が詰まってしまうと、それを取り除くことが極めて難しく、そのた めに長期間にわたって目的とする排水性を維持することが困難であり、保守管理 も難しいという新たな問題も明らかになったのである。
【0010】
【解決課題】
ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として為されたものであって 、その解決課題とするところは、排水性舗装がされた道路等に用いられて良好な 排水性が長期間に亘り安定して発揮され得ると共に、構造が簡単で施工が極めて 容易である、新規な構造の歩車道境界ブロックを提供することにある。
【0011】 また、本考案は、排水性舗装がされた道路等に用いられて、施工が容易である と共に、優れた排水性能が長期間に亘って有利に実現され得る新規な構造の歩車 道境界構造を提供することも目的とする。
【0012】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本考案の態様を記載する。な お、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み 合わせで採用可能である。また、本考案の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載 のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれら の記載から当業者が把握することの出来る考案思想に基づいて認識されるもので あることが理解されるべきである。
【0013】 先ず、本考案の第一の態様は、少なくとも一方が透水性表層材で舗装された車 道と歩道の間に設置される歩車道境界ブロックであって、(a)前記車道と前記 歩道の境界線上で該車道と該歩道の少なくとも一方の表面に対して上面が略面一 となる埋設状態で設置される長手状のベース部と、(b)該ベース部から上方に 向かって突出して、該ベース部の長手方向に延びるようにして該ベース部と一体 形成された境界突部と、(c)前記ベース部の内部を長手方向に連続して延びる ように貫通形成された排水路と、(d)前記境界突部の大気への露出面に開口せ しめられ、かかる開口部から内方に向かって斜め下方に直線的に延び、内方端部 において前記排水路に連通せしめられた外部開口孔と、(e)前記ベース部の幅 方向における少なくとも一方の端面及び/又は前記境界突部の幅方向における少 なくとも一方の側面で前記透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に開口せしめ られ、かかる開口部から内方に向かって斜め下方に直線的に延び、内方端部にお いて前記排水路に連通せしめられた表層内排水用孔とを、有する歩車道境界ブロ ックを特徴とする。
【0014】 このような本態様に従う構造とされた歩車道境界ブロックにおいては、透水性 の表層内を流動して路肩に導かれる雨水等が、ベース部の端面及び/又は境界突 部の側面に開口せしめられた表層内排水用孔を通じてベース部の内部に形成され た排水路に集水されて排水されることとなる。また、境界突部の大気への露出面 が、歩道および車道の少なくとも一方の路面から上方に立ち上がるようにして配 設位置せしめられて、該露出面に開口形成された外部開口孔が直接に大気中に開 口せしめられることとなる。
【0015】 それ故、路面の排水が、透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に開口せしめ られた表層内排水用孔を通じて有効に実現され得ると共に、境界突部の大気への 露出面に開口,形成された外部開口孔を通じて、例えば圧力水等を噴き込むこと によって排水路の強制的な掃除(掃流)が実現可能とされることから、排水路の 保守管理が容易となるのであり、以て、良好な排水性能を長期間に亘って安定し て得ることが出来るのである。
【0016】 しかも、本態様においては、排水路を備えたベース部が境界突部と一体形成さ れており、排水路を暗渠構造とするための特別な蓋体などを設ける必要もないこ とから、施工性や製作性、低コスト化などが有利に実現され得る。
【0017】 なお、本態様において、外部開口孔は、降雨量が多い場合等に、道路表面を流 れる雨水等を速やかに排水路に導いて排水することも可能であり、以て、表層内 排水用孔と協働して一層優れた排水性能が発揮され得る。なお、外部開口孔を排 水用孔として利用する場合には、境界突部の基端部に外部開口孔を形成して、ベ ース部の表面に略接して又は表面上に開口させることが望ましい。
【0018】 また、車道や歩道の透水性表層材による舗装は、限定されるものでないが、一 般に、透水性表層材が舗装の表層として設けられると共に、透水性表層材の下方 に透水性の低い乃至は不透水性の基層が設けられることとなる。更にまた、透水 性表層材には、降雨等の透水性や表層としての耐久性などが十分に満足されるも のであれば、特に限定されるものでなく、例えば、粗骨材や細骨材、フィラー、 アスファルト等を含んで構成される所定の空隙率の開粒度アスファルト混合物や 、ポーラス構造のコンクリートなどが採用され得る。また、外部開口孔や表層内 排水用孔の適宜の箇所に、排水路への泥や砂、砂利などの不純物の侵入を防ぐス リットや濾過部材(ポーラスコンクリートやフィルタを含む)を配設することも 可能である。また、境界突部の大気への露出面は、境界突部の形状や施工条件等 に応じて適宜に設定変更され得るものであって特に限定されるものでなく、例え ば、略矩形の長手ブロック形状を有する境界突部の大気への露出面においては、 歩車道境界ブロックを施工した際に大気へ露出される境界突部の長手方向両端面 、幅方向両側面および上端面を含んで構成される。
【0019】 また、本考案の第二の態様は、前記第一の態様に係る歩車道境界ブロックにお いて、前記表層内排水用孔が、前記排水路における周壁面の上側半周部分に開口 して接続されたことを、特徴とする。
【0020】 また、本考案の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る歩車道境界ブロ ックにあって、前記境界突部が長手方向において前記ベース部よりも短くされて おり、該ベース部において該境界突部が形成されていない分断部が、該ベース部 の長手方向の少なくとも一箇所に形成されていることを、特徴とする。
【0021】 また、本考案の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る歩車道 境界ブロックにおいて、前記外部開口孔と前記表層内排水用孔の少なくとも一方 が、前記排水路に連通せしめられた前記内方端部から前記開口部に向かって次第 に拡開するテーパ形状とされていることを、特徴とする。
【0022】 また、本考案の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る歩車道 境界ブロックにおいて、前記外部開口孔を前記境界突部の長手方向に延びる長孔 形状とすると共に、前記表層内排水用孔を該外部開口孔よりも小さな断面積とし て、前記ベース部及び/又は前記境界突部の長手方向において該外部開口孔より も小さな間隔で多く設けたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造と された歩車道境界ブロックにおいては、外部開口孔が長孔形状とされていること により、外部開口孔を通じてより大流量の水を容易に噴き込むことが出来、排水 路の清掃がより効果的に実現され得る。しかも、表層内排水用孔がベース部及び /又は境界突部の長手方向において外部開口孔よりも小さな間隔で多く設けられ 、且つ小さな断面積とされていることにより、透水性表層材を通じて広い範囲で 集水されてくる雨水等をより効率的に排水することが可能となる。
【0023】 また、本考案の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る歩車道 境界ブロックにおいて、前記ベース部を、厚さ寸法よりも幅寸法の方が大きい略 平板形状とすると共に、該ベース部における前記境界突部の下方に位置するよう に前記排水路を設けたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされ た歩車道境界ブロックにおいては、ベース部の設置安定性が向上され得ることに 加えて、排水路が境界突部の下方に位置せしめられていることによって、ベース 部の厚さ寸法が小さくされても強度を有効に確保することが出来、排水路の内法 寸法を大きく設定することが可能となる。しかも、外部開口孔の長さが短く設定 されることから、製作性や排水路の清掃作業などが一層有利に実現され得る。
【0024】 また、本考案の第七の態様は、前記第六の態様に係る歩車道境界ブロックにお いて、前記排水路の内法寸法を、前記境界突部の幅寸法の半分以下として、該排 水路を該境界突部の下方で該境界突部の幅方向略中央に位置せしめたことを、特 徴とする。
【0025】 また、本考案の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係る歩車道 境界ブロックにおいて、前記境界突部を前記ベース部の幅方向中間部分から上方 に向かって突設することにより、全体として略逆T字形の断面形状としたことを 、特徴とする。
【0026】 また、本考案の第九の態様は、前記第八の態様に係る歩車道境界ブロックにお いて、前記ベース部における前記境界突部の下方に位置するように前記排水路を 設けて、該排水路からそれぞれ延び出して該境界突部の幅方向両側面に開口して 前記外部開口孔を複数設けると共に、該排水路からそれぞれ延び出して該ベース 部における幅方向両端面で前記透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に開口す るように前記表層内排水用孔を複数設けたことを、特徴とする。このような本態 様に従う構造とされた歩車道境界ブロックにおいては、軸直角方向断面が略左右 対称となり、歩車道の境界線上における配設スペースや設置の方向性などを考慮 する必要がなく、施工性が有利に向上され得る。また、かかる歩車道境界ブロッ クにあっては、境界突部の幅方向両側面に、それぞれ、開口して複数の表層内排 水用孔が設けられていることにより、歩道と車道の排水が両立して高度に達成さ れ得る。
【0027】 また、本考案の第十の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係る歩車道 境界ブロックにおいて、前記境界突部を前記ベース部の幅方向一方の端縁部から 上方に向かって突設することにより、全体として略L字形の断面形状としたこと を、特徴とする。
【0028】 また、本考案の第十一の態様は、前記第一乃至第十の何れかの態様に係る歩車 道境界ブロックにおいて、前記ベース部の厚さ寸法を200mm以下とすると共 に、前記排水路の内法寸法を100mm以下としたことを、特徴とする。このよ うな本態様に従う構造とされた歩車道境界ブロックにおいては、全体がコンパク トに形成されることとなり、そこにおいて、排水路の内法寸法がφ=100mm 以下とされていても、外部開口孔を通じての掃流等によって排水路の詰まり等が 防止されることから、良好なる排水性が安定して発揮されることとなる。
【0029】 また、本考案は、前記第一乃至第十一の何れかの態様に係る歩車道境界ブロッ クの複数を長手方向に直列的に並べて、少なくとも一方が透水性表層材で舗装さ れた車道と歩道の間に設置して、前記ベース部の上面が該車道と該歩道の少なく とも一方の表面に対して略面一となるように該ベース部を埋設することにより、 それら複数の歩車道境界ブロックにおける前記排水路を相互に接続せしめて、該 歩車道境界ブロックの前記表層内排水用孔を該車道及び/又は該歩道を形成する 前記透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に開口せしめた歩車道境界構造も、 特徴とする。
【0030】 このような本態様に従う構造とされた歩車道境界構造においては、前述の如き 歩車道境界ブロックを採用したことにより、多数の表層内排水用孔を通じて路面 の排水が有利に実現され得ると共に、境界突部の大気への露出面に開口して排水 路に連通される外部開口孔を通じて排水路の清掃が容易に実現されることから、 排水性能が長期間に亘って有効に発揮され得るのである。
【0031】 しかも、本態様に係る歩車道境界構造にあっては、ベース部と境界突部が一体 形成された歩車道境界ブロックを用いて構成されていることにより、暗渠構造と するための特別な蓋体などを設ける必要もないことから製作や施工が容易であり 、総合的な低コスト化も有利に実現され得る。
【0032】 なお、本態様において、複数の歩車道境界ブロックを接続せしめてなる排水路 は、歩車道の適宜の箇所に設けられた側溝や集水枡などに接続されていても良い 。また、歩車道境界構造の具体的な形状や規模などは、設置される歩車道の形状 や規模に応じて適宜に設定,変更され得るものであり、特に限定されるものでな く、また、それに応じて、歩車道境界ブロックの形状や大きさも適宜に設定,変 更され得る。
【0033】
【本考案の実施形態】
以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考案の実施形態について 、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】 先ず、図1〜3には、本考案の第一の実施形態としての歩車道境界ブロック1 0が、示されている。この歩車道境界ブロック10は、排水性舗装された歩道1 2と車道14の境界線上に埋設状態で設置されるベース部としての基台部16と 、該基台部16に突設されて歩車道12,14の路面上に突出する境界突部とし ての縁石部18を含んで構成されており、歩道12や車道14を流れる降雨など を基台部16の内部に形成された排水路20に集水して排水するようになってい る。
【0035】 より詳細には、歩車道境界ブロック10の一部を構成する基台部16は、厚さ 寸法よりも幅寸法の方が大きい略平板形状とされている。また、基台部16の内 部には、幅方向(図1中、上下方向)の略中央部分を長手方向(図1中、左右方 向)に連続して延びるようにして、略円孔形状の排水路20が貫通形成されてい る。特に本実施形態では、基台部16の厚さ寸法がt=150〜200mmとさ れていると共に、排水路20の内径寸法がφ=30〜100mmとされており、 それによって、基台部16の大きさに比して十分に小径の排水路20が管体構造 で形成されている。なお、排水路20における基台部16の長手方向両端面に開 口する開口周縁部には、パッキン(図示せず)が固着されており、後述する複数 の歩車道境界ブロック10を連設,施工した場合の排水路20の連結に際して、 かかる連結部分の流体漏れが防止されるようになっている。
【0036】 また、基台部16には、表層内排水用孔としての排水孔22の複数が形成され ている。これら排水孔22は、図1〜2にも示されているように、基台部16の 幅方向両端面にそれぞれ開口して、各端面の開口部24から内方に向かって斜め 下方に直線的に延び、その内方端部26が排水路20における周壁部の上側半周 部分に開口して接続されていることにより、排水路20に連通されている。また 、本実施形態では、幅方向における一対の排水孔22,22が、基台部16の長 手方向において所定の間隔で4組位置決め配置されており、合計8個の排水孔2 2が基台部16に設けられている。更にまた、排水孔22は、排水路20に接続 された内方端部26から基台部16の幅方向端面に開口した開口部24に向かっ て次第に拡開するテーパ形状とされている。また、基台部16の幅方向端面には 、複数(本実施形態では、4個)の固定用穴28が穿設されている。これにより 、必要に応じて、固定用穴28にアンカボルト等が埋め込まれて、後述する歩車 道境界ブロック10の施工に際して、該ボルトが歩車道12,14等に固着され ることにより、基台部16、ひいては歩車道境界ブロック10が、歩車道12, 14に対して位置決め固定されるようになっている。
【0037】 更にまた、基台部16の略幅方向中央部分には、縁石部18が軸方向上方(図 3中、上)に向かって突設されている。かかる縁石部18は、略矩形の長手ブロ ック形状とされており、基台部16の長手方向に延びるようにして基台部16と 一体形成されている。また、縁石部18は、その幅寸法が排水路20の口径より も大きく設定されていると共に、排水路20の上方に配置されている。これによ り、排水路20の周壁厚寸法が十分に確保されることとなり、基台部16、ひい ては歩車道境界ブロック10の強度が確保されるようになっている。また、本実 施形態では、縁石部18が長手方向において基台部16よりも短く設定されてお り、以て、基台部16の長手方向一方(図1中、左)の端部には、縁石部18が 実質的に形成されていない分断部30が形成されている。なお、縁石部18にお ける分断部30側に位置する長手方向一方の端部は、高さ寸法が次第に小さくさ れて上面が傾斜面とされている。
【0038】 さらに、縁石部18には、外部開口孔としての一対の導水孔32,32が形成 されている。これら導水孔32,32は、縁石部18の長手方向に延びる長手矩 形孔形状(長孔形状に含まれる)とされていると共に、縁石部18の幅方向で互 いに対向配置されるようにして、該縁石部18の基端部における幅方向両側面に 、それぞれ、開口していると共に、各側面の開口部34から内方に向かって斜め 下方に直線的に延びている。また、各導水孔32は、内方端部36が前記基台部 16の内方端部26よりも上方に位置して排水路20における周壁面の上側半周 部分に開口して、排水路20に連通されている。また、これら一対の導水孔32 ,32は、縁石部18の略長手方向中央部分に開口,形成されていることにより 、基台部16の長手方向の中間部分に設けられた各一対の排水孔22,22の間 に位置せしめられている。更にまた、導水孔32は、排水路20に接続された内 方端部36から縁石部18の幅方向側面に開口した開口部34に向かって次第に 拡開するテーパ形状とされている。なお、上述の説明からも明らかなように、本 実施形態では、基台部16の内部に形成された排水路20が、縁石部18の下方 に位置せしめられていると共に、排水孔22が導水孔32よりも小さな断面積と されて、基台部16の長手方向において導水孔32よりも小さな間隔で多く設け られている。また、これら基台部16および縁石部18を含んで構成される歩車 道境界ブロック10は、縁石部18が基台部16の幅方向中間部分から上方に向 かって突設されていることにより、全体として略逆T字形の断面形状とされてい る。
【0039】 ところで、このような構造とされた歩車道境界ブロック10は、図3にも示さ れているように、それぞれ、排水性舗装された歩道12と車道14の境界線上に 設置されている。即ち、本実施形態の排水性舗装は、比較的に空隙率の高い開粒 度アスファルト混合物を含んで構成される透水性表層材を舗装の表層38として 用いると共に、該表層38の下方に不透水性のアスファルト混合物からなる基層 40を設けて、更に基層40の下方に路床42を設けた構造とされている。そし て、歩車道境界ブロック10は、路床42に砕石44を敷設して、その上に打設 されたベースコンクリート46に載置されてモルタルやボルト等で固定されてお り、以て、車道14と歩道12の表面(換言すれば、表層38の上面)に対して 基台部16の上面が略面一とされると共に、基台部16の幅方向両端面が、歩道 12側の表層38の端面と車道14側の表層38の端面に、それぞれ、重ね合わ された状態で、位置決め配置されている。
【0040】 また、上述の如き配置状態下にあって、歩車道境界ブロック10における縁石 部18に形成された一対の導水孔32,32が、縁石部18の側面に、それぞれ 、開口して歩道12および車道14の各一方に向かって開口している一方、基台 部16の幅方向一方(図3中、左)の端面に開口する4つの排水孔22が、歩道 12側の表層38の端面への重ね合わせ部位に開口せしめられて、表層38と基 層40の境界付近(境界または境界の上方を含む。以下同じ。)に位置せしめら れていると共に、基台部16の幅方向他方(図3中、右)の端面に開口する4つ の排水孔22が、車道14側の表層38の端面への重ね合わせ部位に開口せしめ られて、表層38と基層40の境界付近に位置せしめられている。これにより、 歩道12側および車道14側の表層38内に浸透する雨水等が、基層40上を流 動して路肩に導かれて、基台部16の端面に開口せしめられた複数の排水孔22 を通じて排水路20に集水されて排水されるようになっていると共に、特に本実 施形態では、降雨量が多い場合等に、歩道12や車道14の表面を流れる雨水等 が、縁石部18の基端部における側面に開口せしめられた導水孔32を通じて排 水路20に集水されて排水されるようになっている。
【0041】 それ故、上述の如き構造とされた歩車道境界ブロック10においては、路面に おける雨水等が、表層38に開口せしめられた排水孔22と縁石部18に開口せ しめられた導水孔32を通じて協働して排水路20に導かれることから、優れた 排水性能が実現され得るのである。
【0042】 そこにおいて、本実施形態では、縁石部18に設けられた一対の導水孔32, 32を通じて圧力水等を噴き込むことによって、排水路20の強制的な掃除(掃 流)が実現可能とされることから、排水路20の保守管理が容易となるのであり 、以て、安定した排水性能が長期間に亘って有効に発揮され得るのである。
【0043】 また、特に本実施形態では、これら導水孔32,32が、縁石部18の幅方向 両側面における基端部に開口,形成されていることにより、施工に際して路面に 略接する部分に開口せしめられることとなって路面の雨水等が、これらの導水孔 32,32を通じて有利に排水され得る。また、これらの導水孔32,32は、 縁石部18の上端面に開口,形成されておらず、竪面に開口形成されていること から、導水孔32に大きなゴミ等が入り込むことが防止され得るといった利点も ある。
【0044】 また、本実施形態では、排水孔22や導水孔32が、何れも、排水路20に接 続された各内方端部26,36から基台部16の端面や縁石部18の側面に形成 された各開口部24,34に向かって次第に拡開するテーパ形状とされているこ とにより、雨水が効果的に集水されることとなり、それによって、更なる排水性 能や清掃効果の向上が図られ得る。
【0045】 また、本実施形態では、排水孔22が排水路20における周壁面の上側半周部 分に開口して接続されていることにより、排水路20を流れる排水(雨水等)が 排水孔22に浸入することが軽減乃至は回避されることから、排水性能が一層有 利に向上され得る。
【0046】 さらに、本実施形態では、かかる歩車道境界ブロック10が全体として略逆T 字形の断面形状とされていることにより、軸直角方向断面が略左右対称とされる ことから、歩車道12,14の境界線上における配設スペースや設置の方向性な どを考慮する必要性がなくなり、施工性が有利に向上され得る。
【0047】 また、本実施形態では、排水孔22が表層38の端面にのみ開口しており、外 部空間への直接の開口が設けられておらず、しかも十分に小さな開口寸法とされ ていることから、排水孔22に対するゴミや土砂等の侵入が効果的に防止されて 目詰まり等の不具合が阻止され、良好な排水性能が長期間に亘って安定して維持 され得るのである。
【0048】 さらに、本実施形態の排水路20は、基台部16内に形成されて、縁石部18 には至らない大きさで形成されていると共に、その口径が十分に小さく設定され ていることにより、歩車道境界ブロック10全体のコンクリート構造物としての 強度、特に縁石部18の強度が充分に確保され得るのであり、それ故、車止めと しての基本性能も有効に発揮され得るのである。
【0049】 ところで、本実施形態の歩車道境界ブロック10は、歩車道12,14への施 工の前に、予め工場等の製造設備において製作されて一体的なプレキャスト製品 として提供される。即ち、かかる製造設備においては、先ず、目的とする歩車道 境界ブロック10を上下反対にしたような成形キャビティを形成する所定の型枠 (図示せず)を準備すると共に、目的とする歩車道境界ブロック10における排 水路20や排水孔22、導水孔32等の形成予定位置に、それら各孔の形状に対 応したロッド状の型材をセットする。なお、ロッド状の型材は、成形品の脱型を 容易とするために、特に長尺である排水路20の成形用型材は、分割構造とする ことが望ましい。そして、かかる型枠に生コンクリートを流し込んでバイブレー タ等を用いて充填させ、養生した後、脱型することにより、基台部16と縁石部 18が一体形成され、且つ排水路20、排水孔22および導水孔32等を備えた 歩車道境界ブロック10を、有利に製造することが可能である。而して、このよ うな歩車道境界ブロック10は、従来の歩車道境界ブロックの施工と同様に、設 置現場に搬送されて、現場打ちされたベースコンクリート46に載置,固定され て、現場に据え付けられるようになっている。
【0050】 このような歩車道境界ブロック10においては、基台部16と縁石部18が一 体形成されていることにより、暗渠構造とするための特別な蓋体(例えば、グレ ーチング蓋など)を配設する必要がなく、しかも、排水路20や排水孔22等が 小径とされて、型枠構造乃至は脱型作業が容易に実現されることから、施工性や 製作性が一層有利に向上され得るのである。
【0051】 また、本実施形態では、上述の如き構造とされた歩車道境界ブロック10が複 数用いられて、長手方向に直列的に並べられて車道14と歩道12の間に設置さ れることにより、図4に示される如き歩車道境界構造48が実現される。
【0052】 詳細には、かかる歩車道境界構造48は、各歩車道境界ブロック10の分断部 30が相互に向き合うようにして連結される一方、各歩車道境界ブロック10に おける分断部30が形成されていない側の長手方向端部が相互に向き合うように して連結されることにより、構成されている。また、掛かる連結状態下にあって 、複数の歩車道境界ブロック10における排水路20が相互に接続されることに よって、各排水路20が協働して長い排水路50を形成している。なお、この排 水路50は、必要に応じて、歩車道12,14の所定の箇所に設けられた図示し ない集水枡や側溝等に接続されている。
【0053】 このような構造とされた歩車道境界構造48においては、上述の如き歩車道境 界ブロック10を採用したことにより、多数の排水孔22や導水孔32を通じて 歩車道12,14における雨水等の排水が実現され得ることに加えて、多数の導 水孔32を通じて水等の噴流を噴き込むことで排水路50の清掃が容易に実現可 能とされることから、排水性能が長期間に亘って有効に発揮され得るのである。
【0054】 また、本実施形態の歩車道境界構造48では、縁石部18の長手方向に複数の 分断部30が形成されていることにより、歩道12と車道14の間の通行性が向 上されるといった利点もある。そこにおいて、このような分断部30の存在は、 歩車道境界ブロック10内に形成された排水孔22の分断を行うものでなく、良 好なる排水性能が維持される。
【0055】 以下、本考案の別の実施形態としての歩車道境界ブロックを、更に幾つか例示 するが、以下に挙げる実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた 部材および部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すること により、それらの詳細な説明を省略する。
【0056】 すなわち、図5には、本考案の第二の実施形態としての歩車道境界ブロック5 2が示されている。かかる歩車道境界ブロック52は、(i)設置される歩車道 の舗装構造や、(ii)排水孔の配設位置や数などに関して、第一の実施形態と異 なる実施形態を示すものである。
【0057】 詳細には、本実施形態の歩車道境界ブロック52における排水孔22は、基台 部16の幅方向一方(図5中、右)の端面にのみ開口して、基台部16の長手方 向に所定の間隔で複数設けられている。
【0058】 また、本実施形態の歩車道境界ブロック52が設置される歩車道12,14に おいては、車道14が第一の実施形態と同様に排水性舗装されている一方、歩道 12が透水性舗装された形態とされている。ここにおいて、本実施形態の透水性 舗装は、第一の実施形態と同様に、比較的に空隙率の高い開粒度アスファルト混 合物を含んで構成される透水性表層材を舗装の表層38として用いると共に、該 表層38の下方に表層38よりも空隙率の低い開粒度アスファルト混合物を含ん で構成される透水性の基層54を設け、更に、基層54の下方に砂利、砕石を含 んで構成される透水性の路盤56を設けると共に、路盤56の下方に第一の実施 形態と同様に、地均しされた路床42を設けた構造とされている。
【0059】 そして、本実施形態の歩車道境界ブロック52は、かかる歩車道12,14へ の設置に際して、基台部16の幅方向一方(図5中、右)の端面が、車道14側 の表層38の端面に重ね合わせられて、基台部16の幅方向一方の端面に開口す る複数の排水孔22が、車道14側の表層38の端面への重ね合わせ部位に開口 せしめられて、表層38と基層40の境界付近に位置せしめられていると共に、 基台部16の幅方向他方(図5中、左)の端面が、歩道12側の表層38、基層 54および路盤56の各端面に重ね合わせられた状態で、配設位置せしめられて いる。
【0060】 これにより、本実施形態では、車道14側の表層38内に浸透する雨水等が、 基層40上を流動して路肩に導かれて、基台部16の端面に開口せしめられた複 数の排水孔22を通じて排水路20に集水されて排水されるようになっている一 方、歩道12側の雨水等が、表層38、基層54および路盤56を通じて下層の 路床42に透過及び/又は蒸発散されるようになっている。
【0061】 次に、図6には、本考案の第三の実施形態としての歩車道境界ブロック58が 示されている。かかる歩車道境界ブロック58は、排水孔や導水孔の形状、大き さ、配設位置および数などに関して、第一の実施形態と異なる実施形態を示すも のである。
【0062】 詳細には、本実施形態における縁石部18の幅方向一方(図6中、左)の側面 には、表層内排水用孔としての排水孔60が形成されている。かかる排水孔60 は、縁石部18の上端部付近における幅方向一方の側面に開口していると共に、 かかる開口部62から内方に向かって斜め下方に直線的に延び、内方端部64が 排水路20における周壁面の上側半周部分に開口して接続されていることにより 、排水路20に連通されている。また、排水孔60は、排水路20に接続された 内方端部64から縁石部18の幅方向一方の側面に開口した開口部62に向かっ てストレートに延びる略矩形孔形状とされている。
【0063】 また、本実施形態の歩車道境界ブロック58においては、歩車道12,14へ の設置に際して、基台部16における前記排水孔60が開口する側の幅方向一方 の上面に、歩道12側の基層40が載置されており、更に基層40の上方に表層 38が設置されていることにより、縁石部18の幅方向一方の側面が表層38と 基層40の各端面に重ね合わされていると共に、表層38の上面と縁石部18の 上端面が略面一とされている。また、かかる設置下において、縁石部18の幅方 向一方の側面に開口する排水孔60が、歩道12側の表層38の端面への重ね合 わせ部位に開口せしめられて、表層38と基層40の境界付近に位置せしめられ ている。
【0064】 このような構造とされた歩車道境界ブロック58においては、歩道12側の表 層38内に浸透する雨水等が、基層40上を流動して路肩に導かれて、縁石部1 8の側面に開口せしめられた排水孔60を通じて排水路20に集水されて排水さ れる。
【0065】 次に、図7には、本考案の第四の実施形態としての歩車道境界ブロック66が 示されている。かかる歩車道境界ブロック66は、(i)軸直角方向の断面形状 や、(ii)排水孔や導水孔の配設位置や大きさなどに関して、第一の実施形態と 異なる実施形態を示すものである。
【0066】 詳細には、本実施形態の歩車道境界ブロック66における縁石部18は、基台 部16の幅方向一方(図7中、左)の端縁部から上方に向かって突設されており 、それによって、歩車道境界ブロック66が、全体として略L字形の断面形状と されている。また、本実施形態の排水路20は、基台部16の幅方向一方の端縁 部付近において、基台部16の長手方向にストレートに延びるようにして貫通形 成されており、縁石部18の下方に位置決め配置されている。
【0067】 また、本実施形態の排水孔22は、基台部16における縁石部18と反対側の 幅方向一方(図7中、右)の端面にのみ開口して、かかる開口部68から内方に 向かって斜め下方に直線的に延び、内方端部70が排水路20における周壁面の 上側半周部分に開口して接続されて排水路20に連通されていると共に、基台部 16の長手方向に所定の間隔で複数設けられている。また、図7からも明らかな ように、これら排水孔22は、基台部16の幅方向一方の端面から他方の端面付 近にまで延びる長孔形状とされている。
【0068】 更にまた、本実施形態では、導水孔32が、縁石部18の幅方向一方(図7中 、右)の端面にのみ開口して設けられており、縁石部18の幅方向他方(図7中 、左)の端面には開口して設けられていない。
【0069】 また、本実施形態の歩車道境界ブロック66が設置される歩車道12,14に おいては、車道14が第一の実施形態と同様に排水性舗装されている一方、歩道 12が舗装されていない形態とされている。
【0070】 また、このような歩車道境界ブロック66は、施工に際して、基台部16の幅 方向一方(図7中、右)の端面が、車道14側の表層38の端面に重ね合わせら れて、基台部16の幅方向一方の端面に開口する複数の排水孔22が、車道14 側の表層38の端面への重ね合わせ部位に開口せしめられて、表層38と基層4 0の境界付近に位置せしめられていると共に、基台部16の幅方向他方(図7中 、左)の端面が、歩道12の端面に重ね合わせられ、更に基台部16の上端面が 歩道12の表面と略面一にされた状態で、配設位置せしめられている。
【0071】 上述の如き構造とされた歩車道境界ブロック66においては、全体として略L 字形の断面形状とされていることにより、例示のように、排水孔22を長く設定 することも可能とされることから、排水性能のチューニング自由度が一層有利に 向上され得る。
【0072】 以上、本考案の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示で あって、本考案は、これら実施形態における具体的記載によって、何等、限定的 に解釈されるものでない。
【0073】 例えば、前記第四の実施形態では、全体として略L字形の断面形状とされた歩 車道境界ブロック66を、舗装されていない歩道12に設置した場合の具体例が 示されていたが、本実施形態では、勿論これに限定されるものでなく、例えば、 図8にも示されているように、車道14と同様に排水性舗装された歩道12に設 置される場合には、歩道12側の表層38の端面への重ね合わせ部位に開口する ようにして、縁石部18に前記第三の実施形態と略同様な排水孔60を形成する ことも可能である。そこにおいて、図8に示される形態にあっては、車道14側 の表層38の端面に開口する排水孔22と歩道12側の表層38の端面に開口す る排水孔60の合計2つの排水孔22,60が設けられているが、歩車道12, 14の舗装形態や要求される排水性能等に応じて、上述の何れか一方の排水孔だ け設けることも可能である。
【0074】 また、図5(第二の実施形態)や図8に示される形態において、歩道12に従 来からの非排水性舗装を施すことも可能である。
【0075】 また、前記実施形態では、排水路20が縁石部18の下方に位置せしめられる ようにして基台部16に設けられていたが、必ずしも限定されるものでなく、例 えば、図9にも示されているように、全体として略L字形の断面形状とされた歩 車道境界ブロックにおける基台部16の略幅方向中央部分に排水路20を設けて 、縁石部18の下方から外れた位置に配設しても良い。
【0076】 更にまた、基台部16及び/又は縁石部18の内部に、鉄筋等の補強材を埋設 させることも可能である。
【0077】 また、前記第一の実施形態等では、基層40に不透水性のアスファルト混合物 が採用されていたが、それに代えて、不透水性のコンクリートや止水用のシート 材などを採用することも可能である。
【0078】 さらに、前記実施形態においては、導水孔34が縁石部18の幅方向側面にお ける基端部に開口して形成されていたが、かかる導水孔34を縁石部18におけ る基端部よりも上方に開口して形成したり、或いは縁石部18の長手方向端面や 上端面などに開口,形成することも勿論可能である。
【0079】 また、排水路20は、例示の如き円孔形状に限定されるものでなく、矩形孔形 状やその他各種の孔形状が採用され得る。
【0080】 また、本実施形態の歩車道境界ブロックは、例示の如き舗装厚や舗装構造の歩 車道12,14に対して設置されるものに限定されるものでなく、路面の排水性 が要求されるあらゆる形態の歩車道に対しても有効に適用され得ることが理解さ れるべきである。
【0081】 その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて種々なる変 更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのよ うな実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に含 まれるものであることは、言うまでもない。
【0082】
【考案の効果】
上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造とされた歩車道境界ブロッ クにおいては、境界突部の大気への露出面に開口する外部開口孔を通じて排水路 の清掃が容易に実現されることから、路面の排水性能が長期間に亘って有効に発 揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施形態としての歩車道境界ブ
ロックを示す平面説明図である。
【図2】図1における歩車道境界ブロックの側面説明図
である。
【図3】図1における歩車道境界ブロックを排水性舗装
された歩車道に設置した状態を示す横断面説明図であ
る。
【図4】図1における歩車道境界ブロックを複数用いて
構成された歩車道境界構造を示す縦断面説明図である。
【図5】本考案の第二の実施形態としての歩車道境界ブ
ロックを示す横断面説明図である。
【図6】本考案の第三の実施形態としての歩車道境界ブ
ロックを示す横断面説明図である。
【図7】本考案の第四の実施形態としての歩車道境界ブ
ロックを示す横断面説明図である。
【図8】本考案の別の具体例としての歩車道境界ブロッ
クを示す横断面説明図である。
【図9】本考案の更に別の具体例としての歩車道境界ブ
ロックを示す横断面説明図である。
【符号の説明】
10 歩車道境界ブロック 12 歩道 14 車道 16 基台部 18 縁石部 20 排水路 22 排水孔 24 開口部 26 内方端部 32 導水孔 34 開口部 36 内方端部 38 表層

Claims (12)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透水性表層材で舗装さ
    れた車道と歩道の間に設置される歩車道境界ブロックで
    あって、 前記車道と前記歩道の境界線上で該車道と該歩道の少な
    くとも一方の表面に対して上面が略面一となる埋設状態
    で設置される長手状のベース部と、 該ベース部から上方に向かって突出して、該ベース部の
    長手方向に延びるようにして該ベース部と一体形成され
    た境界突部と、 前記ベース部の内部を長手方向に連続して延びるように
    貫通形成された排水路と、 前記境界突部の大気への露出面に開口せしめられ、かか
    る開口部から内方に向かって斜め下方に直線的に延び、
    内方端部において前記排水路に連通せしめられた外部開
    口孔と、 前記ベース部の幅方向における少なくとも一方の端面及
    び/又は前記境界突部の幅方向における少なくとも一方
    の側面で前記透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に
    開口せしめられ、かかる開口部から内方に向かって斜め
    下方に直線的に延び、内方端部において前記排水路に連
    通せしめられた表層内排水用孔とを、有することを特徴
    とする歩車道境界ブロック。
  2. 【請求項2】 前記表層内排水用孔が、前記排水路にお
    ける周壁面の上側半周部分に開口して接続された請求項
    1に記載の歩車道境界ブロック。
  3. 【請求項3】 前記境界突部が長手方向において前記ベ
    ース部よりも短くされており、該ベース部において該境
    界突部が形成されていない分断部が、該ベース部の長手
    方向の少なくとも一箇所に形成されている請求項1又は
    2に記載の歩車道境界ブロック。
  4. 【請求項4】 前記外部開口孔と前記表層内排水用孔の
    少なくとも一方が、前記排水路に連通せしめられた前記
    内方端部から前記開口部に向かって次第に拡開するテー
    パ形状とされている請求項1乃至3の何れかに記載の歩
    車道境界ブロック。
  5. 【請求項5】 前記外部開口孔を前記境界突部の長手方
    向に延びる長孔形状とすると共に、前記表層内排水用孔
    を該外部開口孔よりも小さな断面積として、前記ベース
    部及び/又は前記境界突部の長手方向において該外部開
    口孔よりも小さな間隔で多く設けた請求項1乃至4の何
    れかに記載の歩車道境界ブロック。
  6. 【請求項6】 前記ベース部を、厚さ寸法よりも幅寸法
    の方が大きい略平板形状とすると共に、該ベース部にお
    ける前記境界突部の下方に位置するように前記排水路を
    設けた請求項1乃至5の何れかに記載の歩車道境界ブロ
    ック。
  7. 【請求項7】 前記排水路の内法寸法を、前記境界突部
    の幅寸法の半分以下として、該排水路を該境界突部の下
    方で該境界突部の幅方向略中央に位置せしめた請求項6
    に記載の歩車道境界ブロック。
  8. 【請求項8】 前記境界突部を前記ベース部の幅方向中
    間部分から上方に向かって突設することにより、全体と
    して略逆T字形の断面形状とした請求項1乃至7の何れ
    かに記載の歩車道境界ブロック。
  9. 【請求項9】 前記ベース部における前記境界突部の下
    方に位置するように前記排水路を設けて、該排水路から
    それぞれ延び出して該境界突部の幅方向両側面に開口し
    て前記外部開口孔を複数設けると共に、該排水路からそ
    れぞれ延び出して該ベース部における幅方向両端面で前
    記透水性表層材の端面への重ね合わせ部位に開口するよ
    うに前記表層内排水用孔を複数設けた請求項8に記載の
    歩車道境界ブロック。
  10. 【請求項10】 前記境界突部を前記ベース部の幅方向
    一方の端縁部から上方に向かって突設することにより、
    全体として略L字形の断面形状とした請求項1乃至7の
    何れかに記載の歩車道境界ブロック。
  11. 【請求項11】 前記ベース部の厚さ寸法を200mm
    以下とすると共に、前記排水路の内法寸法を100mm
    以下とした請求項1乃至10の何れかに記載の歩車道境
    界ブロック。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れかに記載の歩
    車道境界ブロックの複数を長手方向に直列的に並べて、
    少なくとも一方が透水性表層材で舗装された車道と歩道
    の間に設置して、前記ベース部の上面が該車道と該歩道
    の少なくとも一方の表面に対して略面一となるように該
    ベース部を埋設することにより、それら複数の歩車道境
    界ブロックにおける前記排水路を相互に接続せしめて、
    該歩車道境界ブロックの前記表層内排水用孔を該車道及
    び/又は該歩道を形成する前記透水性表層材の端面への
    重ね合わせ部位に開口せしめたことを特徴とする歩車道
    境界構造。
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