JP3088795B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JP3088795B2
JP3088795B2 JP03239382A JP23938291A JP3088795B2 JP 3088795 B2 JP3088795 B2 JP 3088795B2 JP 03239382 A JP03239382 A JP 03239382A JP 23938291 A JP23938291 A JP 23938291A JP 3088795 B2 JP3088795 B2 JP 3088795B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光線、近赤外線、
赤外線、熱線等を選択的に透過、反射し、窓ガラス等に
貼着または挟持されて室内、車内等の温度を適切に保持
しうる調光素子及び任意にホログラム表示が可能な光学
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、調光素子として、例えば金属等の
薄膜をガラス上に蒸着したものが知られているが、反射
度合や反射の有無を可逆的に制御することができないも
のであり、またホログラムを利用した表示素子として銀
塩や感光性材料に干渉縞を記録したものが知られている
が、その表示を任意に変化させることのできないもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反射の有無
を可逆的に制御できると共に特定の波長光の反射度合を
制御することにより、調光素子や表示素子として利用し
うる光学素子の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子の製造
方法は、硬化層と未硬化層とからなるホログラフィック
干渉縞を形成した感光層を溶媒に浸漬し、該未硬化層に
おける感光材料を溶出除去して空隙部を形成した後、感
光層を屈折率異方性を有する液晶材料に浸漬して前記空
隙部に液晶材料を注入し、次いで、該液晶材料が注入さ
れた感光層を電圧印加可能な透明導電膜間に挟持するこ
とを特徴とする。また、本発明の光学素子の製造方法
は、硬化層と未硬化層とからなるホログラフィック干渉
縞を形成した感光層を、該未硬化層の感光材料に対して
溶解性を有する液晶溶液に浸漬して未硬化層における感
光材料の溶出と屈折率異方性を有する液晶材料の注入を
同時に行ない、次いで、感光層を電圧印加可能な透明導
電膜間に挟持することを特徴とする。
【0005】また、光学素子が調光素子やホログラム表
示素子であることを特徴とする。
【0006】以下、本発明の光学素子について説明す
る。
【0007】図1は、本発明の光学素子をその断面図に
より説明するための図であり、図中、1は光学素子、2
は感光層、3は硬化層、4は液晶層、5は透明導電膜で
ある。
【0008】図1に示すように、本発明の光学素子1
は、2枚の透明導電膜5間にレーザー光に感度を有する
感光層2が挟持されており、この感光層には二光束法を
用いてホログラフィック干渉縞が記録されている。干渉
縞層は干渉により硬化した部分3(露光部)と干渉によ
り光エネルギーを打ち消しあった部分(未露光部)から
なるが、その未露光部の感光層が除去され、液晶が注入
され液晶層4とされたものである。
【0009】このような光学素子を作製するには、プラ
スチックフィルム上に塗布形成した感光層の表面にプラ
スチックフィルムをラミネートした後、二光束干渉法に
よりレーザー光を照射して干渉縞を形成し、次いでラミ
ネートフィルムを剥離した後、干渉縞層における未硬化
層を除去し、電場により屈折率異方性を有する液晶を注
入して液晶層とする。
【0010】未硬化層を液晶層とするには、干渉層が形
成された感光層を溶媒に浸漬して未硬化層を抽出した
後、液晶中に浸漬し、未硬化層が抽出されて空隙となっ
た部分に液晶材料を浸透圧を利用して注入するか、また
未露光部の感光性材料に対して溶解性を有する液晶溶液
中に干渉縞を形成した感光層を浸漬して一段階で液晶層
を形成する方法によってもよい。
【0011】未硬化層を液晶層とした後には、その表面
に蒸着法等により透明導電膜を形成し、更に他面のプラ
スチックフィルムを剥離してその剥離面にも透明導電膜
を同様に積層して光学素子を作製することができる。
【0012】感光性材料としては、露光部と未露光部に
溶解度差が形成されるものならばよく、重合型感光性材
料(ネガタイプ)、架橋型感光性材料(ネガタイプ)、
官能基変化型感光性材料(ポジタイプ)等が挙げられ
る。
【0013】まず、重合型感光性材料としてはバインダ
ーポリマー、重合性モノマー、光開始剤、増感色素を含
む材料系が挙げられる。
【0014】バインダーポリマーとしては、ポリメタク
リル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニ
ル又はその加水分解物、ポリスチレン、ポリビニルブチ
ラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニル
カルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリ
ドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重
合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリ
ルアミド、アクリルニトリル等の共重合可能なモノマー
群から選択されるモノマーを重合成分とする共重合体等
が用いられる。
【0015】特に好ましくは、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール又はその誘導体であり、例えばポリ−N−ビニル
カルバゾール、ビニルカルバゾール−スチレン共重合
体、ビニルカルバゾール−塩化ビニル共重合体、ビニル
カルバゾール−メチルメタアクリレート共重合体、ビニ
ルカルバゾール−ビニルアンスラセン共重合体、ビニル
カルバゾール−ビニルピリジン共重合体、ビニルカルバ
ゾール−アクリレート共重合体、ビニルカルバゾール−
エチルアクリレート共重合体、ビニルカルバゾール−ア
クリロニトリル共重合体、ビニルカルバゾール−ブチル
アクリレート共重合体、ビニルカルバゾール−ニトロビ
ニルカルバゾール共重合体、ニトロ化ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルアミノカルバゾール、ビニル
カルバゾール−N−メチルアミノビニルカルバゾール共
重合体、ハロゲン置換ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ビニルカルバゾール−ジブロムビニルカルバゾール共重
合体、ポリヨードビニルカルバゾール、ポリベンジリデ
ンビニルカルバゾール、ポリプロペニルカルバゾール等
が挙げられる。これらのポリ−N−ビニルカルバゾール
類をバインダーポリマーとして使用すると、耐湿性の良
好なホログラムとすることができる。また、ポリ−N−
ビニルピロリドン又はその誘導体も好ましく、例えばポ
リ−N−ビニルピロリドンと酢酸ビニル、グリシジルメ
タクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、スチレ
ン等との共重合体等が挙げられる。
【0016】次に、重合性モノマーとしては、エチレン
性不飽和結合を有する光重合可能な化合物であって、1
分子中に少なくともエチレン性不飽和二重結合を1個有
する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレ
ポリマー及びそれらの混合物であり、モノマー及びその
共重合体の例としては、不飽和カルボン酸及びその塩、
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエ
ステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物と
のアミド等が挙げられる。
【0017】不飽和カルボン酸のモノマーの具体例とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲ
ン置換不飽和カルボン酸、例えば塩素化不飽和カルボン
酸、臭素化不飽和カルボン酸、弗素化不飽和カルボン酸
等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の
酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0018】また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽
和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例として
は、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピ
ル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロ
ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソ
ルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアク
リレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビト
ールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー等がある。
【0019】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタク
リルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジ
メチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ
フェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2
−ナフチル等がある。
【0020】イタコン酸エステルとしてはエチレングリ
コールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコ
ネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,
4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレング
リコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタ
コネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げら
れる。
【0021】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0022】イソクロトン酸エステルとしては、エチレ
ングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトー
ルジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロト
ネート等が挙げられる。
【0023】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等が挙げられる。
【0024】ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシ
ルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタ
デカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−
2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチ
ルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新
中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレー
ト(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業
(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品
名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、
メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−
トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2
−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレー
ト、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモ
フェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアク
リレート等が挙げられる。
【0025】また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレ
ンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレン
トリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアク
リルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フ
ェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド
等が挙げられる。
【0026】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報に記載された1分子に2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物や下記一般式 CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH (式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)で示さ
れる水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分
子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレ
タン化合物等が挙げられる。
【0027】また、特開昭51−37193号公報に記
載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−641
83号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭5
2−30490号公報にそれぞれ記載されているような
ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレー
トを挙げることができる。
【0028】さらに、日本接着協会誌Vol.20、N
o7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴ
マーとして紹介されているものも使用することができ
る。
【0029】その他、燐を含むモノマーとしてはモノ
(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業
(株)製)、モノ(2−メタクリロイキシエチル)アシ
ッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共
栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシ
アクリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭
和高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭
和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0030】また、商品名:NKエステルM−230G
(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル2
3G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0031】更に、下記の構造式を有するトリアクリレ
ート類、
【0032】
【化1】
【0033】(東亜合成化学工業(株)製、商品名、ア
ロニックス M−315)
【0034】
【化2】
【0035】(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、ア
ロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-
アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村
化学 (株)製、商品名、NKエステル A−BPE−
4 )、テトラメチロールメタンテトラアクリレート
(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-TMM
T)等が挙げられる。
【0036】これらの重合性モノマーはバインダーポリ
マー1重量部に対して0.1重量部〜3重量部、好まし
くは0.3重量部〜1.5重量部の範囲で使用される。
【0037】次に、光重合開始剤・増感剤は、4−ジメ
チルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチ
ル、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフ
ェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メ
トキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロ
パンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、
ミヒラースケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベン
ゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジベ
ンゾイル(1,2−ジフェニルエタンジオン)、ベンゾ
イン(2−フェニル−2−ヒドロキシ−アセトフェノ
ン)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインブチルエーテル(nとisoの50:5
0混合物)、ベンゾインアルキルエーテル、4’−イソ
プロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノ
ン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−t−ブチ
ルトリクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、p−アジドベンズアルデヒド、p−ア
ジドアセトフェノン、p−アジドベンゾイン酸、p−ア
ジドベンザルアセトフェノン、p−アジドベンザルアセ
トン、4,4’−ジアジドカルコン、1,3−ビス−
(4’−アジドベンザル)−アセトン、2,6−ビス−
(4’−アジドベンザル)−シクロヘキサノン、2,6
−ビス−(4’−アジシトベンザル)−4−メチルシク
ロヘキサノン、4,4’−ジアジドスチルベン−2,
2’−ジスルホン酸、1,3−ビス−(4’−アジドベ
ンザル)−2−プロパノン−2’スルホン酸、1,3−
ビス−(4’−アジドベンザル)−2−プロパノン−
2,2’−ジスルホン酸ナトリウム、1,3−ビス−
(4’−アジドシンナシリデン)−2−プロパノン、ア
ジドピレン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スル
ホニルアジド安息香酸、2,6−ビス−(4’−アジド
ベンザル)−シクロヘキサノン−2’,2ジスルホン酸
(ナトリウム塩)、2,6−ビス−(4’−アジドベン
ザル)−メチル−シクロヘキサノン2,2’−ジスルホ
ン酸(ナトリウム塩)、4−ジアゾジフェニルアミン硫
酸塩、4−ジアゾ−4’−メトキシ−ジフェニルアミン
硫酸塩、4−ジアゾ−3−メトキシ−ジフェニルアミ
ン、ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−4−スル
ホン酸のナトリウム塩、ナフトキノン(1,2)ジアジ
ド(2)−5−スルホン酸のナトリウム塩、ナフトキノ
ン(1,2)ジアジド(2)−5−スルホン酸エステル
(1)、ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−5−
スルホン酸エステル、ナフトキノン(1,2)ジアジド
(2)−5−スルホン酸エステル(3)−ノボラック樹
脂エステル、ジアゾ樹脂(ジアゾジフェニルアミン・パ
ラホルムアルデヒド縮合物の硫酸塩及び塩化亜鉛複塩
等)、トリフェニルピリリウム過塩素酸塩、4−メトキ
シフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸
塩、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリ
ウム過塩素酸塩、トリフェニルチオピリリウム過塩素酸
塩、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピ
リリウム過塩素酸塩、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン(2−メチル−9H−チオキサンセン−9−
オン)、クロロチオキサントン(2−クロロ−9H−チ
オキサンセン−9−オン)、2−イソプロピルチオキサ
ンソン(2−イソプロピル−9H−チオキサンセン−9
−オン)、ジベンゾスベロン、2,5−ビス−(4’−
ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、1−アセ
チルアミノ−4−ニトロナフタレン、5−ニトロアセナ
フテン、1−ニトロピレン、α,α−ジクロロ−4−フ
ェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、又、商品名:カヤキュアMBP(日
本化薬(株)製)、商品名:UVECRYL P36
(UCB)等が挙げられ、これらは単独でも、また混合
して使用することができる。
【0038】また、下記式で示されるクマリン化合物と
有機過酸化物が挙げられる。
【0039】
【化3】
【0040】(式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立
して水素原子、クロル原子、低級アルコキシ基、低級ジ
アルキルアミノ基、低級ジアルケニルアミノ基又は脂環
式アミノ基を示す。Xは炭素及びヘテロ原子の総数が5
〜9個の複素環基、又は−COY基を表す。ここにYは
炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基、低級アル
コキシ基、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置
換のステリル基、又は置換又は非置換の3′−クマリノ
基を表す。またZは水素原子又はシアノ基を表す。)式
中、R1 、R2 、R3 として好ましくは水素原子、クロ
ル原子、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等の低級アルコ
キシ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル
−N−プロピルアミノ等の低級ジアルキルアミノ基、N
−モルホリノ、N−ピペリジノ等の脂環式アミノ基、ジ
プロペニルアミノ、ジ(α−メチルプロペニル)アミノ
基等の低級ジアルケニルアミノ基等があげられる。
【0041】Xにおける複素環基としては2−イミダゾ
ール、2−N−メチルイミダゾール、2−ベンズイミダ
ゾール、2−(4−フェニル)−イミダゾール、2−オ
キサゾール、2−ベンズオキサゾール、2−(4−フェ
ニル)オキサゾール、2−チアゾール、2−ベンズチア
ゾール、2−(4−フェニル)チアゾール、2−(5−
フェニル)チアジアゾール、2−(5−トリル)チアジ
アゾール、2−(5−ビフェニル)チアジアゾール、2
−(5−フェニル)オキサジアゾール、2−(5−p−
メトキシフェニル)オキサジアゾール、2−(5−p−
クロルフェニル)オキサジアゾール等の残基があげられ
る。
【0042】また、−COY基におけるYとしてはメチ
ル、エチル、プロピル、ヘキシル、β−シアノエチル、
エトキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル
などの置換又は非置換のC1 〜C6 のアルキル基、フェ
ニル、p−シアノフェニル、p−メチルフェニル、p−
メトキシフェニル、m−ヒドロキシカルボニルフェニル
等の置換又は非置換のフェニル基、ステリル、p−メト
キシステリル、p−シアノステリル、m−クロルステリ
ル等のステリル基、及び下記式で示される3−クマリノ
基、
【0043】
【化4】
【0044】(式中R1 、R2 、R3 、Zは前記一般式
(1)式におけると同じ)等があげられる。
【0045】クマリン化合物の具体例としては3−アセ
チル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−
7−ジメチル−アミノクマリン、3−ベンゾイル−5,
7−ジメトキシクマリン、メチル,7−ジエチルアミノ
−3−クマリノイルアセテート、3−シンナモイル−7
−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニ
ルビス(5,7−ジメトキシアミノ)クマリン、7−ジ
エチルアミノ−5,7’−ジメトキシ−3,3’−ビス
クマリン、3−(2’−ベンズイミダゾイル)−7−ジ
エチルアミノクマリン、3−(2’−ベンズオキサゾイ
ル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(5’−フェ
ニルチアジアゾイル−2’)−7−ジエチルアミノクマ
リン、3−(2’−ベンズチアゾイル)−7−ジエチル
アミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(4−シア
ノ−7−ジエチルアミノ)クマリン等があげられる。。
【0046】クマリン化合物と混合して使用される有機
過酸化物の好ましい化合物としては、メチルケトンパー
オキサイド、シクロヘキサノン−パーオキサイド、アセ
チルアセトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼン−パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−
ブチルクミルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)イソフ
タレート、ジ(t−ブチルパーオキシ)テレフタレー
ト、ジ(t−ブチルパーオキシ)フタレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、3,3’,4、4’−テト
ラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、2,5−ジメチル−2,5−(ジベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン等が使用される。
【0047】これらの中で特に好ましいものとしてはジ
(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、ジ(t−ブ
チルパーオキシ)テレフタレート、ジ(t−ブチルパー
オキシ)フタレート、3,3’,4,4’−テトラ−
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンが
挙げられる。
【0048】クマリン化合物に添加される有機過酸化物
の割合は、クマリン化合物1重量部に対して1重量部〜
100重量部、好ましくは1重量部〜50重量部であ
る。
【0049】これら光重合開始剤は前述のバインダーポ
リマー及び重合性モノマーの合計量100重量部に対し
て1重量部〜80重量部、好ましくは1重量部〜20重
量部の割合で使用される。
【0050】また、上記組成の他に熱重合禁止剤、可塑
剤等が添加されてもよく、例えばベンゼン、クロルベン
ゼン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、
2−ジクロルエタン、ジクロルメタン、クロロホルム等
に溶解して、透明性樹脂フィルム等の支持体上に塗膜さ
れる。塗布方法としてはスピンナーコーティング、ブレ
ードコーティング、ロールコーティング等により、乾燥
後膜厚0.5μm〜50μmに塗布される。
【0051】このようにして得られる感光層は、例えば
4579Å、4880Å、5145Å、5287Å等に
輝線を有するレーザー光に感度を有しており、例えば4
880Åの波長を有するアルゴンレーザーに対して1〜
500mJ/cm2のエネルギーで実用域での回折効率を与え
るものである。
【0052】ホログラム形成に際しては、可干渉性の2
束の輻射線を所定のオフセットアングルで感光層に照射
して体積位相型ホログラムを形成するリップマン型ホロ
グラム形成装置や、照射光と感光層による反射光との干
渉により体積位相型ホログラムを形成するデニシューク
型ホログラム形成装置を使用することができ、輻射線と
しては、Ar+ レーザー、He−Neレーザー、Krレ
ーザー等のレーザー光、水銀ランプ等を光源とする輻射
線が好ましい。
【0053】ホログラム潜像が形成された後、感光層は
溶媒に浸漬されて未露光部が溶出され、次いで、液晶中
に浸漬して、その疎となった部分に液晶材料を毛細管現
象を利用して注入される。また、感光性材料における未
露光部を溶出するための溶媒と液晶を溶解する溶媒を共
通のものとすることにより未露光部の溶出と液晶材料の
注入を同時に行なってもよい。
【0054】液晶材料としては、電場をかけると屈折率
の変化する、所謂、屈折率異方性を有する液晶ならば一
般的なものを好適に使用できる。液晶材料を選択する時
は、所定の電場強度の時に感光性材料における硬化層の
屈折率と等しい屈折率となる液晶材料を選択してもよ
く、また、液晶材料を選択してから、その液晶の所定の
電場強度での屈折率と同じ屈折率になるように感光性材
料を選択してもよい。
【0055】液晶としては、ネマチック、コレステリッ
ク、スメクチックのいずれでも良く、例えばアゾ化合
物、アゾキシ化合物、P−アルキル置換安息香酸のP−
シアノフェニルエステル、P−アルキル置換安息香酸の
P−シアノフェニルエステル、コレステリルエステル、
シアノ置換ビフェニル類、シアノ置換ビフェニル類、シ
クロヘキサンカルボン酸エステルの置換体、シクロヘキ
サンカルボン酸シクロヘキシルエステルの置換体、シク
ロヘキサンカルボン酸アリールエステルの置換体、シッ
ク塩基、P−(P−置換シクロヘキシル)置換ベンゾニ
トリル、P−〔(P−デシルオキシベンジリデン)アミ
ノ〕ケイ皮酸2−メチルブチルエステル、2−フェニル
置換−1,3−ジオキサン置換体、フェニルピリミジン
類、N,N’−〔P−フェニレンビス(メチリジン)〕
ビス〔P−アルキルアニリン〕等が挙げられる。
【0056】未露光部を溶出させる溶媒は、感光成分の
光重合反応により生起される干渉縞に対して短時間で膨
潤又は収縮作用を生起させると共に、未反応の感光成分
を溶出させる機能を有するものであり、膨潤液としては
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、n−プロピルベンゼン、クメン、フェノール、クレ
ゾール、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベ
ンゼン、ベンジルアルコール、ベンジルクロライド、ベ
ンジルブロマイド、α−メチルナフタリン、α−クロル
ナフタリン等のベンゼン、ナフタリンの誘導体があげら
れ、またこれらの混合溶媒を使用してもよい。また、収
縮液は膨潤作用を有しない溶媒であり、例えばn−ペン
タン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イ
ソオクタン、シクロヘキサン等のアルカン、シクロアル
カン類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアル
コール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ジエ
チルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル、蟻酸エチ
ル、プロピオン酸メチル等のエステル類等、又これらの
混合溶媒が挙げられる。
【0057】感光性材料と溶出用溶媒、干渉縞の形成方
法を適宜選択することにより干渉縞の間隔を制御でき、
回折光の波長を適宜設定することができ、また、その反
射角度を適宜設定しうる。
【0058】次に、感光性材料として架橋型感光性材料
(ネガタイプ)を使用する場合について説明する。
【0059】架橋型感光性材料としては、バインダーポ
リマー及び該バインダーポリマーと酸存在下、容易に熱
重合する架橋剤、更に露光により酸を発生する光酸発生
剤と増感色素とからなる。
【0060】バインダーポリマーとしては、好ましくは
アルカリ可溶性ポリマーを使用することができ、例えば
ポリ−p−ヒドロキシスチレン、クレゾール樹脂、アク
リル樹脂、p−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合
体、p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸共重合体、ノ
ボラック樹脂等が挙げられ、分子量は500〜100,
000、好ましくは1,000〜10,000である。
【0061】バインダーポリマーと酸存在下熱重合可能
な架橋剤としては、メラミン類、例えばメチロールメラ
ミン、メトキシメラミン、メラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、尿素樹脂等を使用することができ、好ましく
は架橋点の多いヘキサメトキシメチルメラミンを使用す
るとよい。架橋剤はバインダーポリマーに対して、特に
その使用量に制限はないが、好ましくはバインダーポリ
マー100重量部に対して20〜50重量部使用すると
よい。
【0062】露光により酸を発生する光酸発生剤として
は、光照射により酸を発生するものであればよく、例え
ばアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノ
ニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジア
ルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スル
ホン酸エステル、鉄−アレン錯体、シラノール−アルミ
ニウム錯体、ハロゲン化フェノール類、又は式
【0063】
【化5】
【0064】(式中A、B、Cは -CCl3、-CH3、-CB
r3 、-CHBr2、-OCH3
【0065】
【化6】
【0066】から選ばれる置換基であるが、少なくとも
A、B、Cのうち1個はハロメチル基である。)で示さ
れるs−トリアジン類等が挙げられる。特に高感度の組
成物とするには、1分子当たりの酸発生量の多い2、
4、6−トリス(トリクロロメチル)−1、3、5−ト
リアジン、2、4−トリクロロメチル(4’−メトキシ
フェニル)−6−トリアジン、2、4−トリクロロメチ
ル(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2、
4−トリクロロメチル(4’−フェニル)−6−トリア
ジンが好ましい。
【0067】光酸発生剤の使用量に特に限定はないが、
好ましくはバインダーポリマー100重量部に対して1
〜20重量部使用するとよい。
【0068】次に、増感色素としては、光により励起さ
れ、光酸発生剤にエネルギーまたは電子を移動しうるも
のであれば特に限定はないが、例えばカルボシアニン色
素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、
テトラカルボシアニン色素、ペンタカルボシアニン色
素、オキソノール色素、スチリル色素、クマリン誘導
体、キサンテン色素、シアニン色素、メロシアニン色
素、ローダシアニン色素、ベーススチリル色素、ポルフ
ィリン色素、アクリジン色素等が挙げられる。特にAr
+ レーザーを用い、488nmで露光する場合にはクマ
リン誘導体、キサンテン色素、アクリジン色素等の48
8nm付近に吸収を有するものを使用するとよい。
【0069】溶剤としては、一般的なアルコール類、ケ
トン類、エステル類、アルコールエステル類、ケトンエ
ステル類、エーテル類、ケトンアルコール類、エーテル
アルコール類、ケトンエーテル類、エステルエーテル
類、脂肪族炭化水素類、方向族炭化水素類、ハロゲン化
炭化水素類等の単独又は混合物を使用するとよく、好ま
しくはエタノール、トルエン、酢酸エチル、メチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン等
を使用するとよい。
【0070】架橋性感光材料組成物は、溶剤に溶解し、
スピンナー法、ローラーコート法、ディップ法等の一般
的な塗布方法によりガラス、アルミニウム等の基板面
に、乾燥後膜厚1μm〜50μmに塗布される。
【0071】架橋性感光材料からなる感光層は、上述し
た重合性感光材料層の場合と同様にホログラム潜像が形
成されるが、潜像を形成後、80℃〜120℃、好まし
くは90〜100℃に加熱し、バインダーポリマーと架
橋剤を反応させ、露光部を硬化させる。加熱温度が80
℃未満であると硬化が不充分であり、感度が低く、また
120℃を越えると未露光部まで硬化し、カブリとな
る。
【0072】次いで、感光層における未露光部をアルカ
リ現像液により溶出し、次いで液晶材料を重合性感光性
材料同様に注入して、光学素子を同様に作製することが
できる。
【0073】また、その他の架橋型感光性材料として、
例えばシンナモイル基、シンアミリデン基をもつポリマ
ー、ケイ皮酸、P−ケイ皮酸ビニル、P−ビニルシンナ
メート、P−フェニレンジアクリレート基をもつポリマ
ー等に増感剤として2−ニトロフルオレン、5−ニトロ
アセナフテン等を添加したものも使用できる。
【0074】更に、上記した重合性、架橋性感光性材料
の他に、官能基変化型感光性材料(ポジタイプ)とし
て、例えば Q−キノンジアジド系等の一般的なものや、
ポリマーの水酸基をt−ブトキシカルボニル基等でブロ
ックしたもの等、現像液への溶解性が露光部と未露光部
とで変化するものも好適に使用できる。
【0075】感光層の両面に形成される透明導電膜とし
ては酸化インジウム錫、酸化錫、酸化亜鉛等の一般的な
導電性材料が挙げられ、スパッタリング法、蒸着(電
極)法、ディップコーティング法等により形成される。
この際、パターニングされた透明導電膜とすると、パタ
ーン状のホログラム像を再生できる。
【0076】
【作用及び発明の効果】本発明の光学素子は、例えば液
晶層と露光部の屈折率を電圧オフ時には相違し、電場印
加時には屈折率を同一としておくと、電圧印加時には透
明となり、輻射線透過膜となり、一方、電圧オフ時には
屈折率を相違するので輻射線反射膜とすることができ
る。
【0077】輻射線反射膜とする場合には、ホログラフ
ィク干渉縞層の設計により、反射光波長、反射角度を制
御できるので、選択的に熱線等を反射し、透過光の波長
を制御することができるので、調光素子として有用であ
る。即ち、自動車、建物、ビニールハウス等の窓ガラス
に貼るか、挟むかすることにより内部の温度を適切に保
て、夏は涼しく、冬は暖かくすることができるもので、
エアコンディショナーの容量や燃費を改良できる。ま
た、光学素子における透明電極を太陽電池と接続するこ
とにより、太陽光強度と電場強度を相関でき、さらには
反射強度も制御することもできる。また、電場の強度に
より段階的に反射度合いを変化させることができるの
で、夏には熱線を反射させて、冬には透過するような膜
とすることが可能である。
【0078】また、本発明の光学素子をホログラム表示
素子とする場合には、電圧印加時には透明となり、ホロ
グラムは観察されないが、電圧オフ時には屈折率を相違
させるので記録されたホログラムを現出させることがで
きる。また、感光層に均一にホログラム干渉縞層を形成
しておき、透明導電膜をパターン状とし、信号情報によ
り電圧印加を制御すれば任意のホログラム像を再生する
ことも可能である。
【0079】以上、液晶層と露光部の屈折率を電圧オフ
時には相違し、電場印加時には屈折率を同一としておく
場合について説明したが、反対に液晶層と露光部の屈折
率を電圧オフ時には一致し、電場印加時には相違するよ
うにすることもでき、この場合には電圧オンオフ時での
調光素子、表示素子としての機能は上述の場合とは逆に
することができる。
【0080】以下、本発明を実施例により説明する。
【0081】
【実施例1】
【0082】
【表1】
【0083】表1の組成の感光液を、PETフィルム
(東レ社製、ルミラーHP7、25μm)上にアプリケ
ーターを使用して乾燥膜が10μmになるようにコーテ
ィングし、50℃、10分のベークすることにより膜を
乾燥させた。感光材料層の屈折率は1.65であった。
感光材料層の表面にPETフィルムをラミネートした。
このようにして作製した感光材料層に、5WのAr+
ーザーの488nm光を二光束干渉法により40秒間照
射し、ホログラム干渉縞を形成した。ホログラム干渉縞
を形成した後、片面のラミネートフィルムを剥離してア
セトン中に20秒間浸漬し、未露光部における未重合の
モノマーを溶出させ、次いでN−(4−メトキシベンジ
リデン)−4−ブチルアニリン(液晶)中に浸漬した。
【0084】その後、感光材料層表面に、スパッタリン
グ装置を用いて10-5Torr以下まで排気したのち、
アルゴン、酸素混合ガスを導入して真空度を5×10-3
Torrとし、200Wのパワーで酸化インジウム錫膜
(ITO)を1000Åの膜厚に形成し、透明導電膜と
した。
【0085】次いで透明導電膜が形成されてない側のP
ETフィルムを剥離した後、同様にしてITO膜を形成
し、透明導電膜により感光材料層を挟み、本発明の光学
素子を作製した。
【0086】この光学素子に1000nm付近の熱線を
照射したところ、反射されたが、透明導電膜(電極)間
に電場をかけたところ、電場の増加と共に反射されにく
くなり、1.5Vの時点で熱線を通すようになった。
【0087】
【実施例2】
【0088】
【表2】
【0089】表2の組成の感光液をローラーコーターを
用いて乾燥膜が7μmになるようにPETフィルム上に
コーティングし、60℃、5分間ベークして乾燥させた
ところ、屈折率1.5の膜を得た。続いて実施例1同様
に同様にAr+ レーザーで露光後、ポストベークし、露
光部を硬化させた。
【0090】次いで、3重量%メタケイ酸ナトリウム水
溶液中に浸漬し、未露光部を溶出させた後、P−(P−
置換シクロヘキシル)置換ベンゾニトリル(n=7)液
晶中に浸漬し、硬化部と液晶の屈折率が1.5と等しい
干渉縞を形成した。次いで、この感光材料層の両面に、
図2に示すような左右独立したパターン形状の透明導電
膜5、5′をパターニングされたクロムマスクを介して
のスパッタリング法により露出部を除去して形成し、光
学素子を作製した。
【0091】この光学素子の左の部分の透明電極に電場
を1.8Vかけたところ、45°の角度で青色の光が回
折し、次いで同様に、右の部分の透明電極に電場をかけ
ると右の部分も45°の角度で青色の光を回折した。こ
のように電極のパターニングによってホログラフム情報
を所定角度に投影、再生できることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子を断面図により説明するため
の図である。
【図2】本発明の光学素子の他の実施態様を断面図によ
り説明するための図である。
【符号の説明】
1は光学素子、2は感光層、3は硬化層、4は液晶層、
5は透明導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/028 G03F 7/028 7/039 7/039 G03H 1/02 G03H 1/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/137 G02B 5/32 G02F 1/13 505 G03F 7/027 G03F 7/028 G03F 7/039 G03H 1/02 G02F 1/1334

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化層と未硬化層とからなるホログラフ
    ィック干渉縞を形成した感光層を溶媒に浸漬し、該未硬
    化層における感光材料を溶出除去して空隙部を形成した
    後、感光層を屈折率異方性を有する液晶材料に浸漬して
    前記空隙部に液晶材料を注入し、次いで、該液晶材料が
    注入された感光層を電圧印加可能な透明導電膜間に挟持
    することを特徴とする光学素子の製造方法
  2. 【請求項2】 硬化層と未硬化層とからなるホログラフ
    ィック干渉縞を形成した感光層を、該未硬化層の感光材
    料に対して溶解性を有する液晶溶液に浸漬して未硬化層
    における感光材料の溶出と屈折率異方性を有する液晶材
    料の注入を同時に行ない、次いで、感光層を電圧印加可
    能な透明導電膜間に挟持することを特徴とする光学素子
    の製造方法
  3. 【請求項3】 光学素子が調光用素子である請求項1
    または請求項2記載の光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 光学素子がホログラム表示用素子である
    請求項1、または請求項2記載の光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 透明導電膜がパターン状に設けられた
    求項4記載の光学素子の製造方法。
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