JP3088384U - 再封可能なリップ付き保冷保温袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 使い勝手の良い、安価な再封可能な保冷保温
袋を提供する。 【解決手段】 内側に緩衝材層を有する断熱シートを、
外側に光線バリヤー性フィルム層を有する外装シートを
貼り合わせてなる袋であって、上端に袋口部を有し、そ
の袋口の前後何れかの口端に折返して袋口部を閉じるこ
とができるリップ片１２を一体に形成し、かつリップ片
の先端内側面に剥離ライナー付きタック片１３または粘
着剤層もしくは両面粘着テープを設ける。袋の前後面に
タックハンドル２６を貼着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、アイスクリーム、ケーキなど要冷蔵品あるいは冷凍食品等を保冷保 温しつつ運搬するための再封可能なリップ付き保冷保温袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

アイスクリーム類あるいは生肉、鮮魚などの要冷食品および冷凍食品を購入し た場合に、時間をかけないで家に持ち帰るならばポリ袋や買い物袋に入れて運ぶ ことも可能であるが、時間がかかるとき、特に温度の高い夏場では、購入した食 品や冷凍品の品質等を劣化させるという問題がある。そのために、ドライアイス などの保冷剤や蓄冷剤を入れた携帯容器や保冷バッグを使用しなければならない 。しかし、冷凍食品などの購入を前もって計画している場合は、上記の携帯容器 や保冷バッグ等を持ち歩くことも考えられるが嵩張ることもあり、常時持ち歩く ことに不便がある。 近年、顧客の持ち帰りに便ならしめるため折り畳んでコンパクトに収納するこ とができる簡易な構造のプラスチックフィルム製保冷袋が開発されている（例え ば、特開平１０−１８０９０５号公報参照）。また、このような保冷袋が小売り 店舗でのサービスとして提供されている例もある。

【０００３】 前記公開公報にはヒートシールが可能な断熱シートの片側表面に柔軟な外装シ ートを貼着してなる複合シートを二つ折して両側端の突合せ部分を熱融着して袋 を形成し、袋の開口部に一対のプラスチックハンドルを接合した手提げタイプの 保冷袋が記載されている。前記一対のプラスチックハンドルはその対向面にイボ 状の係合突起とその係合孔を設けて両者を係合させ、袋の開口を閉じることによ り保冷性、保温性を維持していくものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記のようなプラスチックハンドルを袋口に取り付けたものは プラスチックハンドル自体が高くつき、また該ハンドルは手加工で袋口に取り付 けねばならないので取り付けコストも高くなるため、低価格の簡易保冷バッグが 市場で求められている情勢から見て改善の必要があった。因みに簡易保冷バッグ は、過酷な流通条件での使用や頻繁な使用を目的とするものではなくとき、冷凍 食品を買ったときだけに臨時的に使用し、使用後数回再利用する程度の使用に耐 える丈夫さがあればよく、それより、手軽に購入できる魅力的な価格と使い勝手 の良さが重要な要素であると考えられる。 また、従来の保冷バッグはプラスチックハンドルが硬いため腕に掛けにくく、 把持部が手に食い込んで持ち難いという問題点があった。また、袋の開口部の周 縁に硬いプラスチックハンドルを取り付けているため、開口部の形状を変化させ ることができない。さらに、ハンドル接合部分が弱く、保冷袋内の物品荷重によ り接合部より破袋しまうことがある。 また使用時に、一対のプラスチックハン ドルの対向面に設けたイボ状の係合突起とその係合孔を嵌め外すので、開口と再 封の作業は、手先の不自由な人にとってかなり面倒であるという問題点がある。 本考案は、以上のような事情に鑑み、使い勝手の良い、再封可能な保冷保温袋 を安価に提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案の第１は、内側に緩衝材層を有する断熱シー トを、外側に光線バリヤー性フィルム層を有する外装シートを配置して貼り合わ せてなる複合シート製の袋であって、上端に袋口部を有し、その袋口の前後何れ かの口端に折返して袋口部を閉じることができるリップ片を一体に形成し、かつ リップ片の先端内側面に剥離ライナー付きタック片または粘着剤層もしくは両面 粘着テープを設けたことを特徴とする再封可能なリップ付き保冷保温袋である。

【０００６】 本考案の第２は、前記外装シートは、外面にＰＥＴフイルム層を設けたアルミ 蒸着フィルムからなる多層フィルムであり、前記断熱シートは発泡ポリエチレン を基材層とし、高密度ポリエチレンフイルム層をシーラント層として有する請求 項１に記載の再封可能なリップ付き保冷保温袋である。

【０００７】 本考案の第３は袋の前後面に、一対のタックハンドルを貼着したことを特徴と する請求項１または２に記載の再封可能なリップ付き保冷保温袋である。

【０００８】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本考案は以下の実 施例に限定されるものではない。 図１は、本考案に使用する成形前の複合シート1の斜視図である。図２は複合 シートの拡大断面図、図３は本考案の保冷保温袋の一例を示す斜視図、図４は同 じく封緘状態の斜視図である。 図２に示すように、この複合シート１は次のような断熱シートと外装シートを 貼り合わせた複合シート製であり、全体として複合シートは５層構造になってい る。 断熱シートは内側から順にポリオレフィン系のシーラント層、例えば高密度ポ リエチレン（ＨＤＰＥ）よりなる厚さ１０μのフィルム２と、断熱性および柔軟 性のあるポリオレフィン系の発泡体、例えば発泡ポリエチレン（発泡ＰＥ）より なる厚さ１ｍｍの緩衝材層３を有する。 外装シートは、厚さ１５μの低密度ポリエチレンよりなる基材層４の上にアル ミニウムを蒸着した光線バリヤー層５、厚さ１２μのポリエチレンテレフタート （ＰＥＴ）のコート層６を順に積層してなる。

【０００９】 外装シートのコート層６を外側にして、図１の鎖線に示すようにシート１を長 さ方向に折り畳むと共に、開口側の前後何れか一方の端部に封緘のためリップ片 １２を一体に形成する。また、折り重ねたシート１の両側をそれぞれヒートシー ルし、袋１０を形成する（図３参照）。ヒートシール部を符号１５で示す。リッ プ片１２の先端の内面には、剥離ライナー付きタック紙または両面粘着テープ１ ３を設ける。

【００１０】 本考案の袋は、冷凍食品や要冷蔵品などを袋に収容した後リップ片１２を折り 曲げ、そのリップ片から剥離ライナーを剥がして粘着面を露出させ、図４に示す ように袋の開口部１４を封緘することができる。リップ片１２は、袋と一体の柔 軟性のあるシートより形成されているため、袋が変形し歪んだりした場合にも、 袋本体の表面１１に密着し、袋の開口部をスキマなく閉じることができる。また 、開口と再封の作業は、手先の不自由な人にとっても容易である。

【００１１】 図５に示される実施例では、袋の持ち運びが便利なように、タックハンドルと 呼ばれている外付けタイプの提げ手２６を袋本体２０の前後面に貼り付けたもの である。タックハンドル２６は、手提げ紐２４と粘着テープ２５またはタック紙 とよりなり、粘着面を袋本体に貼着するもので、取り付け作業が容易で、従来の プラスチックハンドルの取り付けコストより安価である。

【００１２】 図６に示される実施例では、側面にマチを有し底部を角底に加工した保冷袋に 、持ち運びが便利なように、タックハンドル２６を貼着した例である。この例に 示したように側面にマチをつけたり、底を角底の形状とすることで袋の収容量を 大きくすることができる。 なお図６は、角底に加工された袋本体３０の前後面にタックハンドル２６を貼 り付けたものである。冷凍食品などは角張ったものが多く、また円筒状のケーキ 、アイスクリームなどもマチのない袋では収容しにくい。この実施例の袋であれ ば入れやすく、またリップ片もフレキシブルに変形でき、封緘しやすく有用であ る。

【００１３】 なお本考案の袋は要冷蔵品および冷凍食品などに限らず、ピザや弁当など保温 の必要な食品を収容しても、袋の有する断熱性により、保温状態を維持して持ち 運ぶことができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案の再封可能な保冷保温袋は、内側に緩衝材層を有する断熱 シートを、外側に光線バリヤー性フィルム層を有する外装シートを貼り合わせて なる複合シート製の袋であって、上端に袋口部を有し、その袋口の前後何れかの 口端に折返して袋口部を閉じることができるリップ片を一体に形成し、かつリッ プ片の先端内側面に剥離ライナー付きタック片または粘着剤層もしくは両面粘着 テープを設けたものであり、柔軟な保冷袋本体と一体に設けたリップ片を折り曲 げ、粘着面を本体に貼着するため、袋が歪んだりした場合にも袋本体の表面に密 着し、袋の開口部をスキマなく閉じることができる。またタック片または両面粘 着テープは繰り返して貼着することができるため、保冷袋の開封、再封緘が可能 である。

【００１５】 従来の保冷袋はプラスチックハンドルが高くつき、またハンドルは手加工で袋 口に取り付けねばならなかった。また、従来の保冷袋はプラスチックハンドルが 硬いため、腕に掛けにくく、把持部が手に食い込んで持ち難いという問題点があ った。さらに、ハンドル接合部分が弱く、保冷袋内の物品荷重により接合部より 破袋しまうことがある。また使用時に、一対のプラスチックハンドルの対向面に 設けたイボ状の係合突起とその係合孔を嵌め外すので、開口と再封の作業は、手 先の不自由な人にとってかなり面倒であるという問題点がある。

【００１６】 この考案の再封可能な保冷保温袋は、簡単に開口部の封緘状態を得ることがで き、さらに、保冷袋の製造が簡略化でき、コストを抑え、安価な保冷袋を提供で きる。タックハンドルを保冷袋に設けることにより、作業も簡単で安価に取り付 けることができ、保冷袋の持ち運びも容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に使用する成形前の複合シート1
の斜視図である。

【図２】図２は複合シートの拡大断面図である。

【図３】図３は本考案の保冷保温袋の一例を示す斜視図
である。

【図４】図４は同じく封緘状態の斜視図である。

【図５】タックハンドルを設けた本考案の保冷保温袋の
第２実施例を示す斜視図である。

【図６】タックハンドルを設けた本考案の保冷保温袋の
第３実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 複合シート ２ シーラント ３ 緩衝材層 ４ 基材層 ５ 光線バリヤー層（蒸着アルミ層） ６ コート層 １０、２０、３０ 袋本体 １１ 前面 １２ リップ片 １３ 剥離ライナー付きタック紙または両面粘着テープ １４ 開口部 １５ ヒートシール部 ２４ 手提げ紐 ２５ タック紙または粘着テープ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内側に緩衝材層を有する断熱シートを、
   外側に光線バリヤー性フィルム層を有する外装シートを
   配置して貼り合わせてなる複合シート製の袋であって、
   上端に袋口部を有し、その袋口の前後何れかの口端に折
   返して袋口部を閉じることができるリップ片を一体に形
   成し、かつリップ片の先端内面に剥離ライナー付きタッ
   ク片または粘着剤層もしくは両面粘着テープを設けたこ
   とを特徴とする再封可能なリップ付き保冷保温袋。
2. 【請求項２】前記外装シートは外面にＰＥＴフイルム層
   を形成したアルミ蒸着フィルムからなる多層フィルムで
   あり、前記緩衝材層を有する断熱シートは発泡ポリエチ
   レンを基材層とし、高密度ポリエチレンフイルム層をシ
   ーラント層として有する請求項１に記載の再封可能なリ
   ップ付き保冷保温袋。
3. 【請求項３】 袋の前後面に、一対のタックハンドルを
   貼着したことを特徴とする請求項１または２に記載の再
   封可能なリップ付き保冷保温袋。