JP3087459B2 - Fskデータ復調器 - Google Patents

Fskデータ復調器

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JP3087459B2 JP04202168A JP20216892A JP3087459B2 JP 3087459 B2 JP3087459 B2 JP 3087459B2 JP 04202168 A JP04202168 A JP 04202168A JP 20216892 A JP20216892 A JP 20216892A JP 3087459 B2 JP3087459 B2 JP 3087459B2
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    • H04L27/152Demodulator circuits; Receiver circuits with demodulation using spectral properties of the received signal, e.g. by using frequency selective- or frequency sensitive elements using controlled oscillators, e.g. PLL arrangements
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として無線通信の直
接変換受信機に適用されるFSKデータ復調器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近、無線通信において、周波数偏移変
調(FSK:Frequency Shift Key
ing;フリケンシイー・シフト・キーイング)信号を
用いた直接変換受信器が、集積回路化に適した構成とし
て検討されている。
【0003】例えば、特開昭58−19038号公報に
記載されている構成が知られている。以下、図10を参
照して従来のFSKデータ復調器について簡単に説明す
る。
【0004】図10において、アンテナ60a、増幅器
60bを介して入力されたFSK受信信号60は、ミキ
サ61に供給されると同時に、90度移相器62を通し
てミキサ63に供給され、それぞれ局発64の信号と混
合することによりダウンコンバートし、ベースバンド信
号のみを通過させる低域通過フィルタ65、66を通
し、I信号67とQ信号68を得る。I信号67は、振
幅制限増幅器69によりデジタル信号70とし、Q信号
68は90度移相器71により移相した後、振幅制限増
幅器72によりデジタル信号73とする。そして、デジ
タル信号70、73を入力とする論理演算回路74で、
データの復号を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、伝送データの
シンボルレートがFSK周波数偏移と同等もしくはそれ
よりも高くなるような高速データ通信の場合、従来例に
記載した受信機の正確な復調には、低域周波数から変調
周波数偏移とシンボルレートとの和のオーダーの周波数
まで移相する必要があるので、非常に広帯域の90度移
相器が要求される。一般的に、低域周波数から移相可能
な90度移相器は、構成回路に大きなコンデンサを使用
する必要があるため、集積化が困難で、低消費電力化
や、小型化への障害となる。直接変換FSK受信機の構
成を採る主な理由として、回路構成が簡単になるため回
路の集積化が容易であることがあげられるが、上記課題
は、その目的と相反するものである。
【0006】また、従来の構成による実際の受信機で
は、前述のような高速FSKを受信する場合、移相すべ
き信号に不連続点が多く含まれるため、90度移相器に
よる移相が完全に行なわれず、復調が困難になるという
課題を有していた。
【0007】本発明は上記課題を解決するもので、伝送
データのシンボルレートがFSK周波数よりも高くなる
ような高速データ通信にも対応可能で、集積回路化に向
いた簡潔な回路構成の直接変換受信機に適応したFSK
データ復調器の実現を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の技術的解決手段は、FSK変調信号の直接
変換によって得られたI、Q信号について、電圧の増減
の有無を検出する電圧変化検出回路を設けるとともに、
信号位相制御信号としての、I信号の反転、非反転を、
反転制御信号としての、Q信号を入力とする電圧変化検
出回路の出力信号により制御するか、もしくはQ信号の
反転、非反転を、I信号の電圧変化検出回路の出力によ
り制御することにより、復号する構成を有している。
【0009】
【作用】FSK直接変換によって得られたQ信号は、送
信データがマークの場合はI信号より90度位相の進ん
だ信号となり、スペースの場合はI信号より90度位相
の遅れた信号となる。従って、I信号の電圧変化が増加
方向の位相象限にあるのか、減少方向の位相象限にある
のかが判明すれば、Q信号の電圧状態の正負から、一義
に送信データのマーク、スペース間の判定ができる。こ
こで、I信号の電圧変化が増加方向にある位相象限の場
合、Q信号の電圧が正の値なら送信データはマーク、負
の値ならスペース、減少方向にある位相象限の場合、Q
信号の電圧が負の値なら送信データはマーク、正の値な
らスペースである。従って、電圧変化判定回路でI信号
の電圧の増減方向を判定し、その場合分けに基づいて、
Q信号の符号を信号制御反転回路により反転することに
より、伝送データのマーク、スペースに対応した、正負
の電圧が得られる。
【0010】本発明は上記構成により、90度移相器を
用いずに、信号電圧の変化判定回路により、FSK直接
変換受信器を構成するものである。信号電圧の変化判定
は、90度移相器よりも簡易に構成可能で、しかもはる
かに広い動作周波数帯域をもつため、直接変換受信機に
向いた簡易な構成で、高速データ通信においても、正確
な復調が可能なFSKデータ復調器を構成することがで
きる。
【0011】
【実施例】(実施例1)以下、図1、図2、図3、図4
を参照しながら本発明の第1の実施例について説明す
る。図1は本発明の第1の実施例におけるデータ復調器
を適用したFSK受信機の主要部のブロック結線図であ
る。
【0012】図1において、1はアンテナ1a及び増幅
器1bを介して受信したFSK変調信号、2は局部発振
信号の信号源(以下、局発と称する)、3は局発2の信
号の位相を90度移相する90度移相器、4、5はFS
K変調信号1を局発2の信号と90度移相器3の出力信
号を混合する第1、第2の混合器、6、7は第1、第2
の混合器4、5の出力信号からベースバンドI、Q信号
を得る第1、第2の低域通過フィルタである。なお、第
1の混合器4にはFSK変調信号1と、局発2の出力信
号を供給し、第1の混合器4の出力を第1の低域通過フ
ィルタ6を通し、第1のベースバンド信号としてI信号
8を得る。一方、第2の混合器5にはFSK変調信号1
と、局発2の出力信号を90度移相器3により90度移
相した信号を供給し、第2の混合器5の出力を第2の低
域通過フィルタ7を通し、第2のベースバンド信号とし
てQ信号9を得る。10は電圧変化検出回路で、I信号
8を入力とし、電圧変化判定結果として反転制御信号1
1を出力する。12は信号反転制御回路で、反転制御信
号11により、Q信号9の符号反転をする。
【0013】以上の回路構成による信号処理の詳細を説
明する。アンテナ1a及び増幅器1bを介して受信した
FSK変調信号1をR(t)とし、以下の(数1)で定
義する。
【0014】
【数1】
【0015】但し(数1)において、AはFSK受信波
の振幅、ωcは搬送波周波数、ωdはFSK周波数偏
移、D(t)は時刻tにおける送信バイナリデータをあ
らわす関数で、マーク時+1、スペース時−1の二値関
数である。また、局発2の出力をL(t)とし、下記
(数2)で定義する。
【0016】
【数2】
【0017】但し、(数2)において、Δωは搬送波、
局発間の周波数差、φはt=0における受信FSK信号
と、局発出力間の位相差である。上記(数1)、(数
2)を用いて、I信号8、Q信号9として以下の(数
3)に示すI(t)、Q(t)を得ることができる。
【0018】
【数3】
【0019】今、簡単のために、搬送波、局発間の周波
数差、Δω=0、受信FSK信号と、局発出力間の位相
差、φ=0とする。
【0020】この設定は、受信時における理想的な状況
を示すもので、復調器の動作本質の説明になんら影響が
ないものである。
【0021】本実施例では、I信号の位相象限を信号の
電圧変化方向の検出により判定し、判定した位相象限
と、Q信号の電圧符号の関係により、送信信号のマー
ク、スペースを判定し、復号を行なう。
【0022】I信号の各象限と、各々の象限における信
号の電圧変化と、その±90度位相がずれた信号の電圧
状態を(表1)に示す。
【0023】
【表1】
【0024】従って、(1)I信号の位相象限が0〜π
(I信号の電圧変化が減少)の場合、Q信号に正の電圧
が検出されれば送信データはマーク、負の電圧ならスペ
ース、(2)I信号の位相象限がπ〜2π(I信号の電圧
変化が増加)の場合、Q信号に負の電圧が検出されれば
送信データはマーク、正の電圧ならスペース、と判定で
きる。
【0025】即ち、I信号8の増減方向を電圧変化検出
回路10で検出し、I信号8が増加方向にあるのか、減
少方向にあるのかを、信号制御反転回路12に伝える出
力信号として反転制御信号11を得る。反転制御信号1
1によりQ信号9の符号変換をする信号反転制御回路1
2によって、I信号8が増加方向にある場合のみQ信号
9の符号反転をし、I信号8が減少方向にある場合はQ
信号9をそのまま出力することにより、送信データがマ
ークの場合は正の電圧、送信データがスペースの場合に
は負の電圧の出力13を得る。
【0026】従って、この信号反転制御回路12の出力
13の電圧の正負判定により、送信データのマークとス
ペースの判別ができる。
【0027】なお、反転制御信号としてQ信号9を用
い、電圧変化検出回路10の出力信号を、信号反転制御
回路12によって反転処理することでも、同様な判定が
可能である。たとえば、電圧変化検出回路10の出力
が、I信号8の電圧変化が増加方向にあった場合正の電
圧、減少方向にあった場合負の電圧であるとする。ここ
で、Q信号9の信号電圧が正の場合、電圧変化検出回路
10の出力の符号を反転して出力し、Q信号9の信号電
圧が負の場合、電圧変化検出回路10の出力をそのまま
出力することにより、送信データがマークの場合は正の
電圧、スペースの場合は負の電圧を得るため、送信デー
タの復号が可能である。
【0028】次に、前出の搬送波、局発間の周波数差Δ
ωと、受信FSK信号と局発出力間の位相差φの復調デ
ータに対する影響を説明する。上記の復号過程において
利用している信号の特性は、I信号とQ信号の直交性で
ある。従って、I信号とQ信号の直交性が保たれていれ
ば、論理的には復号が可能である。
【0029】搬送波、局発間の周波数差Δω≠0の時、
I信号8、Q信号9の周波数が送信データによって、マ
ーク時ωd+Δω、スペース時ωd−Δωと変化する
が、I、Q両周波数とも同時に変化し、また、その直交
性も保たれるので、復調データに対する影響は無い。従
って、ωd>Δωかつ周波数ωd−Δωの信号の経時変
化が検出できる範囲にあれば、本復調器を用いて構成さ
れた受信機は、局発、キャリア間の周波数ずれによる感
度劣化が少ない。
【0030】受信FSK信号と局発出力間の位相差φ≠
0の時も、φはI(t)、Q(t)の両式に同様に含ま
れているため、各々の直交性にはなんらの影響もないの
で、復調結果に対する影響は無い。
【0031】以下、図2、図3を用いて、電圧変化検出
回路10と、信号反転制御回路12のより詳細な実際の
回路構成例を示し、その動作を説明する。図2は電圧変
化検出回路10の詳細実施例を示すものである。
【0032】以下、図2を参照しながら電圧変化検出回
路10の構成について説明する。電圧変化検出回路10
の機能は、入力端に印加した電圧が変化したときに、そ
の増減の有無を検出し、入力端の電圧が増加したときに
正、減少したときに負の電圧信号を出力するものとす
る。よって、構成としては、電圧変化検出用の電圧比較
器15を設け、その第1の入力端子15aとグランド間
に比較電圧保存用コンデンサ17を設ける。そして、演
算増幅器15の第2の入力端子15bと第1の入力端子
15a間に、電流検出用の抵抗16を設け、第1の低域
通過フィルタ6の出力を入力とする入力端16aを設け
ている。
【0033】以下、上述の構成の電圧変化検出回路10
の動作を説明する。比較電圧保存用コンデンサ17に蓄
えられている電圧よりも、入力端16aの電圧が高い場
合、電流は抵抗16に同図2中の矢印の方向に流れ、コ
ンデンサ17に蓄えられる。その時の抵抗16の電圧降
下から、電圧比較器15は正の電圧を出力する。また、
逆に比較電圧保存用コンデンサ17に蓄えられている電
圧よりも、入力端16aの電圧が低い場合は、同様の経
過により電圧比較器15の出力は負の電圧となる。従っ
て、入力電圧が単調増加である場合には正、単調減少で
ある場合には負の値が出力される。また、抵抗16とコ
ンデンサ17について、時定数を充分小さくとることに
より、微小時間でのベースバンド信号の電圧変化方向の
検出が可能である。なお、本構成の動作として、正負の
電圧により検出結果の出力を行なっているが、検出結果
の伝達信号として正負の二値に限る必要はなく、たとえ
ば0、1のデジタル信号でも伝達できる事は自明であ
る。
【0034】次に、図3を用いて信号反転制御回路12
の詳細な構成について説明する。図3(a)〜(d)は
信号反転制御回路12の詳細構成を示すものである。な
お、図1においての信号反転制御回路12は、電圧変化
検出回路10の出力信号11を二値の制御信号として、
Q信号9の信号符号を制御するものである。この信号制
御反転回路12の制御信号には、電圧変化検出回路10
の出力が接続されている。従って、制御信号について
は、電圧変化検出回路10に依存するが、ここでは、前
記構成の電圧変化検出回路10の出力が信号反転制御回
路12の制御信号入力端に接続されているものとして、
説明を行なう。すなわち、信号反転制御回路12の制御
信号入力端には、正、負の二値が印加されることにな
る。
【0035】ここで、信号反転制御回路12の被制御入
力信号を、状態A、状態Bの二値をとる信号とすると、
制御信号に正の電圧が加わった場合(即ち、電圧変化検
出回路10が入力電圧の増加を検出した場合)、被制御
入力信号は状態を変えずに出力端13から出力される。
また、制御信号に負の電圧が加わった場合(即ち、電圧
変化検出回路10が入力電圧の減少を検出した場合)、
被入力制御信号が状態Aであった場合は状態Bに、状態
Aであった場合は状態Bに、それぞれ変換される。
【0036】本実施例における信号制御反転回路の入力
信号は、正、負の電圧値を持つ二値信号であるので、制
御信号入力端に負の電圧が印加された場合は、入力信号
の正負をそのまま出力し、制御信号入力端に正の電圧が
印加された場合には、入力信号の正負を反転して出力す
る回路を構成すればよい。ここでは、出力信号をデジタ
ルの2値信号とした信号反転制御回路の実施例を示す。
【0037】信号反転制御回路12を図3(a)のよう
に構成した場合、入力端に加えられた信号位相入力信号
9(Q信号9)は2つに分岐し、一方は信号反転回路1
8を通し、他方はそのまま切換回路19に入力される。
切換回路19は、電圧変化検出回路10の出力信号によ
り動作するもので、電圧変化検出回路10の出力電圧が
基準電圧よりも低い場合はQ信号9、高い場合は信号反
転回路18の出力電圧を、切換回路19の出力とする。
そして、切換回路19の出力は、振幅制限増幅器21に
より、振幅を規定された正負の電圧値を持つ二値信号と
して、出力される。振幅制限増幅器21は、出力信号を
デジタル信号に変換するために用いられるものであるた
め、信号位相入力信号9(Q信号9)をあらかじめ振幅
制限増幅器21により振幅制限しておくことによっても
同様の効果が得られる。
【0038】信号反転制御回路12を図3(b)のよう
に構成した場合、入力端に加えられた信号位相入力信号
9(Q信号9)は、振幅制限増幅器21により、二値の
デジタル信号に変換され、スリーステート回路22、2
3に供給される。そして、制御信号11を振幅制限増幅
器20に通して得られる二値のデジタル信号により、ス
リーステート回路22、23を切り換え、前述した信号
反転制御回路12の動作をするものである。
【0039】信号反転制御回路12を図3(c)のよう
に構成した場合、入力端に加えられた信号位相入力信号
9(Q信号9)は、混合器24によって、制御信号11
を振幅制限増幅器20により正負の一定電圧に規定され
た信号と混合される。従って、被制御入力端に印加され
た正負の電圧を持つQ信号9は、制御入力端からの入力
信号11の電圧値が負の場合、そのままの符号を伴っ
て、混合器24から出力される。また、制御入力端から
の入力信号11の電圧値が正の場合、混合器24から出
力されるのは、Q信号9と異なる符号の出力である。こ
のままでも伝送データの判別は可能であるが、他の
(a)、(b)、(d)の回路例と出力電圧の符号が逆
になるので、符号反転回路25により、混合器24の出
力を反転することで、信号反転制御回路12として同様
の動作結果が得られる。なお、ここでは、符号反転回路
25を混合器24の出力に接続した実施例を示したが、
混合器24の入力側に配置しても同様な結果が得られ
る。
【0040】さらに、信号反転制御回路12を図3
(d)のように構成した場合、入力端に加えられたQ信
号9は、振幅制限増幅器21により二値のデジタル信号
に変換され、制御信号11を振幅制限増幅器20に通し
デジタル信号に変換した結果と共に、排他的論理和演算
回路26に供給される。排他的論理和演算回路26は、
一方の入力に’H’が入力された場合、出力には他方の
入力の反転が出力され、また、一方の入力に’L’が入
力された場合、出力には他方の入力信号がそのまま出力
する。したがって、前述の信号反転制御回路12の動作
をする。
【0041】以上の復号処理の実施例として、電圧変化
検出回路10に図2に示す回路を用い、電圧比較器とし
て第1、2の入力端子をマイナス、プラス入力端子とす
る演算増幅器を用い、信号反転制御回路に図3(d)に
示す回路を用いたFSKデータ受信器の動作を、図4を
参照して説明する。
【0042】まず、互いに位相が直交し、かつ周波数偏
移変調(FSK)信号の搬送波周波数からの周波数偏
移、図4(a)の上下により位相関係が反転する関係に
ある、I信号8、Q信号9を、図4(b)、(c)のよ
うに得たものとする。
【0043】図1に示した通り、回路ではI、Q信号
8、9をそれぞれ電圧変化検出回路10と、信号反転制
御回路12中の振幅制限増幅器21に供給する。
【0044】電圧変化検出回路10の出力は、信号反転
制御回路12中の振幅制限増幅器20によって、二値の
信号に変換される。
【0045】そして2つの振幅制限増幅器20、21の
出力(図4(d)、(e))はそれぞれ二値の信号であ
るので、排他的論理和演算回路26で乗算され、出力と
して復号結果、図4(f)を得る。
【0046】前述の通り、この方式による復号データに
は局発、キャリア間の周波数ずれによる影響がでないの
で、局発は周波数確度の低いものでも正確な復調が可能
である。また、局発、キャリア間の周波数ずれによる受
信感度の劣化も減少する。
【0047】また高速データ通信を考えた場合、この復
号処理の過程における伝送データのシンボルレートの最
高値は図1に示したI信号8の経時変化に対する電圧変
化検出回路10の最小検出量で決定される。すなわち、
復調過程における移相において必要であった信号の経時
変化の把握が不要となり、ただ信号電圧の増減の有無が
判別できれば良いので、より簡単な構成で、高感度の受
信機が構成できる。同時に、この復号処理の過程におけ
る伝送データのシンボルレートは原理的には上限がな
く、実際には電圧変化検出回路の感度にのみ制限される
ので、従来例に示した90度移相器を用いた復調器より
も、はるかに高速のデータ通信が可能である。ただし、
信号の電圧変化の検出により復号を行なっていることか
ら、受信電波の過大入力が予想される場合は、ベースバ
ンド信号波形の歪みを防ぐために、前記混合器4、5の
前段に自動増幅度調整回路を設ける必要がある。
【0048】加えて、図3(a)、(b)、(c)のよ
うに信号反転制御回路をデジタル演算素子で構成するこ
とにより、データ復号過程を全てデジタル演算で行なう
ことが可能である。一般にアナログの混合演算器よりも
デジタル演算素子が、集積回路に向いていることから、
復号処理を前記回路を用いてデジタル処理で行なうこと
により、復号処理回路のIC化が容易になり、また、I
C化することにより低消費電力で小型に装置を構成でき
る。
【0049】(実施例2)以下、図5、図6を参照しな
がら本発明の第2の実施例について説明する。図5は本
発明の第2の実施例におけるデータ復調器を適用したF
SK受信機のブロック構成図である。また、図6は同復
調器における復調過程で得られる信号波形図である。
【0050】図5(a)において、1は受信したFSK
変調信号、2は局発である信号源、3は第1の90度移
相器、4、5は第1、第2の混合器、6、7は第1、第
2の低域通過フィルタ、8、9はI、Q信号である。1
0は第1の電圧変化検出回路で、I信号8を入力とし、
判定結果として反転制御信号11を出力する。12は第
1の信号反転制御回路で、反転制御信号11によりQ信
号9の符号を反転し、第1の復号結果13を得る。
【0051】以上は図1と同様のものである。図5
(a)において図1の構成と異なる点は、I信号8の電
圧の増減により、Q信号9の符号を反転することによっ
て行われていた復号処理を、Q信号9の電圧の増減によ
り、I信号8の符号を反転することによって同時に行な
い、双方の復号結果により、最終的に復号する点であ
る。そして、その冗長性により耐雑音性能の向上を図る
ものである。
【0052】すなわち、第2の電圧変化検出回路30を
設け、Q信号9を入力とし、判定結果として信号31を
出力する。また、第2の信号反転制御回路32を設け、
反転制御信号31によりI信号8の符号を反転し、第2
の復号結果33を得る。さらに、信号合成回路34を設
け、第1、第2の復号結果、13、33を合成すること
により、最終的な復号結果35を得る。
【0053】ここで、第1の実施例と同様に、電圧変化
検出回路10として図2に示した回路を、当該電圧変化
検出回路10の電圧比較器に、第1、第2の入力端子を
それぞれマイナス、プラス入力端子とする演算増幅器
を、信号反転制御回路12に図3(d)に示した回路
を、そして信号合成回路34に演算増幅器を用いた場合
の復調器について、その構成と動作を図5(b)を用い
て説明する。
【0054】図5(b)において、20、21、40、
41は、第1〜第4の振幅制限増幅器、26、46は第
1、第2の排他的論理和演算回路、47は第1の信号合
成回路である演算増幅器である。
【0055】以上の構成の復調器における復号動作を以
下に説明する。まず、伝送データを図6(a)のように
定めると、第1の実施例で説明した処理と同様の過程に
よって、I信号8を入力とした電圧変化検出回路10の
出力11を、振幅制限増幅器20によって二値化した信
号(図6(b))と、Q信号9を振幅制限増幅器21に
よって二値化した信号(図6(c))を、排他的論理和
演算回路26で2値的混合演算を行ない、第1の復号結
果13(図6(d))を得る。一方、I信号8とQ信号
9は、対称であるため、同様にQ信号9を入力とした電
圧変化検出回路30の出力31を振幅制限増幅器40に
よって二値化した信号(図6(e))と、I信号8の振
幅制限増幅器41によって二値化した出力である(図6
(f))を排他的論理和演算回路46で混合すれば復号
結果33(図6(g))が得られる。ただし、I、Qの
信号8、9は直交しているため、復号結果の符号は異な
る。そして、信号合成回路34としての演算増幅器47
によって、復号結果13、33の差分をとることによ
り、図6(h)に示す最終的な復号結果35を得る。こ
こで、復号結果13、33をみると、お互いに逆相であ
ることがわかる。したがって、お互いの差分をとること
で復号することにより、それぞれの過程において生じた
同相の雑音を相殺する効果が得られる。
【0056】なお、以上の第1、第2の実施例では、I
もしくはQ信号を、信号反転制御回路の信号位相入力信
号とし、それぞれQ、I信号の電圧変化検出回路による
反転制御信号によって、符号を反転することにより、復
号をする場合について説明した。しかし、第1の実施例
の説明でも述べたように、I、Q信号の二値化した信号
と、電圧変化検出回路の出力信号は、同列に扱うことが
できる。従って、図5(c)の構成に示すように、Q、
I信号の電圧変化検出回路10、30の出力信号を、信
号反転制御回路12、32の信号位相入力信号とし、
I、Q信号を反転制御信号とした場合についても同様の
復号結果が得られる。 (実施例3)以下、図7、図8、図9を参照しながら本
発明の第3の実施例について説明する。図7(a)は、
本発明の第3の実施例におけるデータ復調器を適用した
FSK受信機の構成図である。また、図9は本実施例に
おける復調器の復調過程の原理図である。
【0057】図7(a)において、1は受信したFSK
変調信号、2は局発である信号源、3は第1の90度移
相器、4、5は第1、第2の混合器、6、7は第1、第
2の低域通過フィルタ、8、9は上記構成により得られ
るI、Q信号である。10は第1の電圧変化検出回路
で、I信号8を入力とし、判定結果として信号11を出
力する。12は第1の信号反転制御回路で、反転制御信
号31によりI信号8の符号を反転し、第1の復号結果
13を得る。30は第2の電圧変化検出回路で、Q信号
9を入力とし、判定結果として信号31を出力する。3
2は第2の信号反転制御回路で、反転制御信号11によ
りQ信号9の符号を反転し、第2の復号結果33を得
る。34は信号合成回路で、第1、第2の復号結果1
3、33を合成することにより、復号結果35を得る。
【0058】以上は図5の構成と同様のものである。図
7(a)の構成で図5の構成と異なる点は、I信号8、
Q信号9の変化が大きくなる、ベースバンド信号の零ク
ロス付近の信号を選択的に用いて復調する点である。そ
して、あらかじめ雑音誤差が生じやすい信号変化の少な
い部分を復調過程から除外することにより、耐雑音性能
の向上を図るものである。
【0059】すなわち、切替信号発生回路50を設け、
I信号8、Q信号9を入力とし、各々の入力信号におけ
る変曲点を検出し、検出点から一定時間Tで検出信号5
1を発生する。なお、この検出信号51は、検出チャネ
ルの判別情報も含むものとする。また、信号切替回路5
2を設け、検出信号51がI信号8の変曲点検出を示し
た場合は、遅延回路53の出力信号54を選択し、検出
信号51がQ信号9の変曲点検出を示した場合は、遅延
回路55の出力信号56を選択し、検出信号51が変曲
点検出を示さない場合は、信号合成回路34の出力信号
35を選択し、最終的な復調出力信号58を得る。
【0060】ここで、第2の実施例と同様に、電圧変化
検出回路10、30に図2に示した回路を、また当該電
圧変化検出回路10、30の電圧比較器に第1、第2の
入力端子をそれぞれマイナス、プラス入力端子とする演
算増幅器を、さらに信号制御反転回路12、32に図3
(d)に示した回路を、また信号合成比較回路34に演
算増幅器を、切替信号発生回路50に図7(b)回路
を、そして信号切替回路52に図8(a)に示した回路
を、信号切替回路52に用いられるエッジ検出回路に図
8(b)に示した回路を用いた場合の本実施例の復調器
について、その構成と動作を図9を用いて説明する。
【0061】まず、図9を参照して、ベースバンド信号
の選択動作を説明する。ベースバンドのI、Q信号8、
9を図9に示した波形I(t)、Q(t)とした場合、
図9において白丸で示した零クロス点付近では傾きが最
大になるため、信号電圧の変化の検出が容易であるが、
黒丸で示したベースバンドのI、Q信号8、9の変曲点
付近では、傾きが零となるため電圧差の検出が困難とな
る。特に、FSKの変調指数が低い場合、1シンボル時
間におけるベースバンドのI、Q信号8、9の変化が少
なくなり、図2に示した電圧変化検出回路10では出力
信号の振幅が低下し、検出結果に誤差を生じる恐れがあ
る。
【0062】ここで、ベースバンドI、Q信号8、9は
相互に90度位相がずれているため、一方のベースバン
ド信号の変曲点では、他方のベースバンド信号の傾きは
最大値をとる。ここで、本方式による復調では、ベース
バンドI、Q信号8、9のうち、一方のベースバンド信
号の傾きと、他方のベースバンド信号の符号により、復
調が可能であった。したがって、図9において黒丸で示
した、ベースバンド信号の変曲点では、そのベースバン
ド信号の符号と、他方のベースバンド信号の傾き情報の
みを用いて復調することにより、復調が可能である。こ
のように信号の状態により、ベースバンド信号を選択す
ることによって、変曲点付近での不確実なベースバンド
信号の傾き情報を用いないで復調することができるた
め、復調性能が向上する。
【0063】以下の実施例では、変曲点の検出をお互い
の零クロス点の検出によって行なっているが、他の方法
による検出も有効であることは自明である。
【0064】まず、図7(b)に示す切替信号発生回路
50の動作を説明する。80、84はI,Qの入力信号
8、9を2値化する振幅制限増幅器で、81、85は入
力信号における符号変化を検出するエッジ検出回路、8
2、86は1ショットトリガパルス発生回路である。8
8は排他的論理和演算回路、89、90は論理和演算回
路、91は符号反転回路である。
【0065】また、エッジ検出回路81、85は、図8
(b)に示すように、排他的論理和演算回路100の第
1の入力端子とグランド間に電圧保持用のコンデンサ1
02を設け、同第1と第2の入力端子間に電圧検出用の
抵抗器101を設けた構成とし、同第2の入力端子をエ
ッジ検出回路の入力端子とし、排他的論理和演算回路1
00の出力端子を、エッジ検出回路81、85としての
出力端子とするものである。また、エッジ検出回路8
1、85の入力端子において、信号電圧が変化すると、
コンデンサ102の両端に現れる電圧との差により、抵
抗器101に電流が流れ、コンデンサ102に充放電さ
れる間、抵抗器101の両端に電圧差が生じる。排他的
論理和演算回路100は、入力端子間に電圧差がある場
合にのみ出力信号を発生するため、エッジ検出回路8
1、85の入力信号に信号変化がある場合の検出信号と
みなすことができる。
【0066】また、同様に図8(c)で示したエッジ検
出回路81、85の構成は、排他的論理和演算回路10
0と、CRによる遅延回路により構成されているとみな
すこともできることから、図8(c)のように排他的論
理和演算回路103と、偶数個の反転演算回路104に
よって構成された遅延回路により、エッジ検出回路を構
成することも可能である。以上のような構成において、
入力信号であるI信号8は、振幅制限増幅器80で2値
化した後、エッジ検出器81により符号変化点を検出
し、1ショットトリガパルス発生回路82により、ベー
スバンド信号周波数の周期の1/4よりも短い一定時間
Tのパルス信号83を発生する。IQベースバンド信号
は、各々直交しているため、I信号8が零クロス点にあ
る場合は、Q信号が変曲点であることから、この信号8
3がQ信号9の変曲点の検出信号として用いられる。Q
信号9も同様に、振幅制限増幅器84により2値化し、
エッジ検出器85を通し、1ショットトリガパルス発生
回路86により、パルス信号87を得る。この信号87
は、I信号8の変曲点検出信号である。
【0067】排他的論理和演算回路88は、信号83と
信号87の符号が異なるときのみに正の出力を得る。従
って、信号83が正で、信号87が負である場合に、論
理和演算回路89の出力は正となり、信号92は正の出
力が得られる。このとき、他の信号93、94は負の出
力が得られる。
【0068】また、同様に信号87が正で、信号83が
負である場合に、論理和演算回路90の出力は正にな
り、他の信号92、94は負の出力が得られる。
【0069】ここで、信号83、87が同符号であった
場合、排他的論理和演算回路88の出力は負であるか
ら、符号反転回路91の出力は正となり、この場合に信
号93は正の値をとる。また、信号92、94は論理和
演算回路89、90の一方の入力端子が負であることか
ら、負の値をとる。
【0070】以上の関係を真理値表にまとめると、(表
2)の様になる。
【0071】
【表2】
【0072】即ち、Q信号9に変曲点を検出した場合は
信号92、I信号8に変曲点を検出した場合は信号94
が正の値をとる。また、I、Q波形はお互いに直交して
いるため、同時に変曲点を検出することはないことか
ら、I、Q信号8、9に変曲点を検出しない場合に信号
93が正の値をとる。従って、Q信号9の変曲点の検出
信号が信号92であり、I信号8の変曲点の検出信号が
信号94であり、I、Q双方の信号8、9における変曲
点の非検出信号が93となる。
【0073】ここで、ベースバンド信号の変曲点の検出
により、変曲点の付近における復調データの除外が可能
になるのであるが、変曲点検出信号によるベースバンド
信号の切替は、変曲点以後における切替になるため、変
曲点以前のデータに対しては有効ではない。
【0074】ここでは、切替を変曲点前後の範囲にわた
って行なうため、遅延させたベースバンド信号を前述し
た変曲点により切り換えることによって、変曲点の判定
をベースバンド信号の変化に先行させて行ない、変曲点
前後におけるベースバンド信号の切替を可能とする。こ
のために、I、Qベースバンド信号8、9の遅延回路5
3、55を設ける。遅延時間は、前記パルス幅Tの1/
2程度とする。このことにより、変曲点前後の時間T/
2において、ベースバンド信号の変曲点検出信号が発生
することになる。
【0075】信号切替回路52は、図8(a)に示すよ
うな構成により、信号92、93、94を制御入力とす
るスリーステート回路95、96、97が、各々信号5
4、57、56の選択をおこなう。
【0076】即ち、切替信号発生回路50において、I
信号8に変曲点が検出された場合、I信号8の符号と、
Q信号9の傾き情報31により得られる復調結果13
を、遅延回路55により時間T/2遅延した信号56を
選択するように信号51を信号切替回路52に供給す
る。すなわち、図7(b)の回路における信号94が信
号切替回路52に供給される。信号切替回路52はスリ
ーステート回路97により、信号56を復調信号58と
して出力する。
【0077】同様に、切替信号発生回路50において、
Q信号9に変曲点が検出された場合、Q信号9の符号
と、I信号8の傾き情報11により得られる復調結果3
3を、遅延回路53により時間T/2遅延した信号56
を選択するように信号51を信号切替回路52に供給す
る。すなわち、図7(b)の回路における信号92が信
号切替回路52に供給される。信号切替回路52はスリ
ーステート回路95により、信号54を復調信号58と
して出力する。
【0078】切替信号発生回路50において、ベースバ
ンド信号に変曲点が検出されない場合は、信号合成回路
34の出力を選択するように信号51を信号切替回路5
2に供給する。すなわち、信号切替回路52はスリース
テート回路96により、信号57を復調信号58として
出力する。
【0079】以上の動作、すなわち独立な2系統の復調
結果のうち、電圧変化検出回路10、30の動作が不安
定となる、ベースバンド信号の変曲点付近の信号による
復調結果を、選択的に復調過程から排除することによ
り、電圧変化検出回路10、30の動作不良による復調
データの劣化を防止することができる。
【0080】以上の第1、第2、第3の実施例では、I
もしくはQ信号8、9を、信号反転制御回路の信号位相
入力信号とし、それぞれQ、I信号の電圧変化検出回路
による反転制御信号によって、符号を反転することによ
り、復号をする場合について説明した。しかし、第1の
実施例の(表1)の説明でも述べたように、I、Q信号
8、9の二値化した信号と、電圧変化検出回路の出力信
号は、同列に扱うことができる。従って、図5(c)に
示すように、Q、I信号8、9の電圧変化検出回路1
0、30の出力信号を、信号反転制御回路12、32の
信号位相入力信号11、31とし、I、Q信号8、9を
反転制御信号とした場合についても同様の復号結果が得
られる。
【0081】なお、上述の各実施例による復調方式と類
似した構成として、電圧変化検出回路の代りに90度移
相器や微分回路を用い、信号制御反転回路の代りに混合
器を用いた復調器が提案されているが、それらの構成で
は信号位相入力信号の電圧変化から波形の位相情報を得
ることにより復調している。従って、復調には信号位相
入力信号の増減方向と、その増減量を検出する必要があ
る。しかし、本実施例では、波形の位相情報を得る必要
がなく、信号位相入力信号の電圧変化の増減方向のみを
検出することにより復調するので、90度移相器や微分
回路を用いた復調方式に比べ、簡易な回路で復調回路を
構成できるため、集積回路化することが容易である。こ
こで、高速データ通信時を考えると、信号位相入力信号
に不連続波形が多くなるので、90度移相器を用いた復
調器では、移相動作が不完全になり、正確な復号動作が
期待できない。また、ベースバンド信号の周波数が非常
に広帯域となるため、微分回路を用いた復調器では低周
波信号の検出電圧が低くなってしまい、検出精度が劣化
するという欠点を有している。
【0082】本実施例による復調器では、電圧変化検出
回路において、信号位相入力信号の電圧変化がその時点
において、増加方向にあるか、減少方向にあるかのみを
判定すれば良いため、回路構成も簡素で、かつ高速デー
タ通信における信号位相入力信号の不連続に対しても許
容度が高く、ベースバンド信号が広帯域におよぶ場合で
も、検出精度の劣化は少ない。
【0083】なお、以上いずれの実施例も、受信信号は
FSK変調がかけられたものとしているが、PSK変調
のように、結果的に周波数の偏移をもって変調された信
号を復号する場合においても、本データ復調器が有効で
あることは明らかである。
【0084】また、各実施例において、受信方式に直接
変換受信方式を用いた受信機の復調器について説明を行
ったが、搬送波信号を中間周波数信号とすれば、ヘテロ
ダイン方式の受信機に対して、本発明のデータ復調器を
適用できることは明らかである。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明は、第1に、復号デ
ータには局発、キャリア間の周波数ずれによる影響が少
ないので、局発は周波数確度の低いものでも正確な復調
が可能である。また、局発、キャリア間の周波数ずれに
よる受信感度の劣化も減少する。
【0086】また高速データ通信を考えた場合、この復
号処理の過程における伝送データのシンボルレートは原
理的に上限がない。従来例に示したFSKデータ復調器
では困難であった伝送データのシンボルレートがFSK
周波数と同程度もしくはそれよりも高くなるような高速
データ通信時における正確な復号動作が可能である。
【0087】また、第2に、2系統の復号経路を用いる
ことにより、それぞれの過程において生じた、同相の雑
音を相殺する効果が得られる。また、信号処理の冗長性
から、復号結果の信頼性を上げることができる。
【0088】また、第3に、復号処理をデジタル信号処
理で行なうことも可能なため、集積回路に適している。
従って、集積回路化することにより、低消費電力で小
型、また安価な受信機を構成できる。
【0089】また、第4に、ベースバンド信号の変化を
検出し復調に用いているが、検出の容易な、信号変化の
顕著な部分のみを選択し復調する構成をとることが容易
に可能であるため、簡単な回路によりベースバンド信号
の変化検出部を構成することにより、検出部の精度が向
上するため、さらに正確な復調も可能となる。
【0090】また、第5に、構成として90度移相器、
あるいは微分回路を含まないので、簡素な回路構成で、
復調器を構成可能であるため、その工業的な効果は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるFSKデータ復
調器の主要回路ブロック結線図
【図2】同実施例におけるFSKデータ復調器の要部で
ある電圧変化検出回路のブロック結線図
【図3】同実施例におけるFSKデータ復調器の要部で
ある信号反転制御回路のブロック結線図
【図4】同実施例におけるFSKデータ復調器の要部波
形図
【図5】本発明の第2の実施例におけるFSKデータ復
調器の主要回路ブロック結線図
【図6】同実施例におけるFSKデータ復調器の要部波
形図
【図7】本発明の第3の実施例におけるFSKデータ復
調器の主要回路ブロック結線図
【図8】同実施例におけるFSKデータ復調器の要部ブ
ロック結線図
【図9】同実施例におけるFSKデータ復調器の波形図
【図10】従来のFSKデータ復調器を用いた受信機の
主要ブロック結線図
【符号の説明】
2 局発信号源 3 90度移相器 4、5 混合器 6、7 低域通過フィルタ 10 電圧変化検出回路 12 信号反転制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 博之 石川県金沢市彦三町二丁目1番45号 株 式会社松下通信金沢研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−39962(JP,A) 特開 平3−157033(JP,A) 特開 平1−162402(JP,A) 特開 平3−38941(JP,A) 特開 昭57−73544(JP,A) 特表 昭62−501323(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38 H04B 1/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに位相が直交し、かつ周波数偏移変
    調であるFSK信号の搬送波周波数からの周波数偏移の
    上下により、互いの位相関係が相対的に反転する第1、
    第2のベースバンド信号に対し、前記第1のベースバン
    ド信号の信号電圧の増減を検出する第1の電圧変化検出
    回路と、第2のベースバンド信号の信号電圧の増減を検
    出する第2の電圧変化検出回路と、前記第1の電圧変化
    検出回路の出力信号を第1の反転制御信号とし、前記第
    2の電圧変化検出回路の出力信号を第2の反転制御信号
    とし前記第2のベースバンド信号を第1の信号位相入力信号
    として、前記第1の反転制御信号の信号電圧の基準電圧
    に対する正負に応じて、前記第1の信号位相入力信号の
    反転あるいは非反転を行なう第1の信号制御反転回路
    前記第1のベースバンド信号を第2の信号位相入力信号
    とし、前記第2の反転制御信号の信号電圧の基準電圧に
    対する正負に応じて、前記第2の信号位相入力信号の反
    転あるいは非反転を行なう第2の信号制御反転回路と第1、第2の信号反転制御回路の出力信号を一定時間遅
    延する第1、第2の遅延回路と、前記第1、第2の遅延
    回路の出力信号を入力とする信号合成比較回路と、第
    1、第2のベースバンド信号の変曲点を検出し、前記遅
    延時間の2倍程度のパルス幅の変曲点検出信号を切替信
    号として出力する切替信号発生回路と、前記切替信号を
    入力とし、前記切替信号が第1のベースバンド信号の変
    曲点を検出している場合は、前記第1の遅延回路の出力
    信号を選択し、前記切替信号が前記第2のベースバンド
    信号の変曲点を検出している場合は、前記第2の遅延回
    路の出力信号を選択し、前記切替信号が前記第1、第2
    のベースバンド信号の変曲点を検出していない場合は、
    前記信号合成比較回路の出力信号を選択し出力信号とす
    る信号切替回路とを有し、前記信号切替回路の出力信号
    を用いてデータ復調を行なうことを特徴とするFSKデ
    ータ復調器
  2. 【請求項2】 切替信号発生回路は、入力信号の前記第
    1、第2のベースバンド信号を振幅制限する振幅制限増
    幅器と、前記振幅制限増幅器からの出力信号のエッジを
    検出する両エッジ検出回路と、前記両エッジ検出回路の
    検出信号をトリガ入力とし、トリガ入力によりベースバ
    ンド信号の周期の1/2より短い時間のパルスを発生す
    る第1、第2の1ショットトリガパルス発生回路と、前
    記第1、第2の1ショットトリガパルス発生回路の出力
    信号を混合する排他的論理和演算回路と、前記排他的論
    理和演算回路の出力信号と、前記第1の1ショットトリ
    ガパルス発生回路の出力信号の論理和演算し、前記第1
    の1ショットトリガパルス発生回路からのみパルス信号
    が出力されている場合、信号を出力する第1の論理和演
    算回路と、同様に前記第2の1ショットトリガパルス発
    生回路の出力信号と、前記排他的論理和演算回路の出力
    信号との論理和をとり、前記第2の1ショットトリガパ
    ルス発生回路からのみパルス信号が出力されている場
    合、信号を出力する第2の論理和演算回路と、前記排他
    的論理和演算回路の出力信号を符号反転し、第1、第2
    の両1ショットトリガ検出回路からパルス信号の出力が
    ない場合においてのみ、信号を出力する反転回路とを有
    し、前記第1の論理和演算回路の出力信号を、前記第1
    のベースバンド信号における変曲点の検出信号とし、前
    記第2の論理和演算回路の出力信号を前記第2のベース
    バンド信号における変曲点の検出信号とし、前記反転回
    路の出力信号を前記第1、第2のベースバンド信号にお
    いて変曲点が検出されないことを示す不検出信号とし、
    前記第1、第2の変曲点検出信号と、前記不検出信号を
    もって信号選択信号とする構成を有することを特徴とす
    請求項1記載のFSKデータ復調器。
  3. 【請求項3】 信号切替回路は、スリーステート回路を
    用いることを特徴とする請求項1記載のFSKデータ復
    調器。
  4. 【請求項4】 信号切替回路は、アナログスイッチ回路
    を用いることを特徴とする請求項1記載のFSKデータ
    復調器。
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