JP3084504U - カセットプレーヤーのリール台装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カセットプレーヤー内において、テープを安
定して走行させることにある。 【解決手段】 このリール台装置１は、カセットプレー
ヤー内に収納されたカセット３１の磁気テープを、カセ
ットハブ３５に巻き取りまたは送り出すための装置にお
いて、カセットプレーヤー内のシャーシ２１に対し垂直
方向に延びるシャフト３を設け、カセットハブ３５の内
周部に係合可能な第２係合部５ｂが設けられたリール台
５をシャフト３回りに回転自在に装着するとともに、リ
ール台５の内周部に、シャフト３に当接可能な突出部６
をリール台５の軸方向中央部からシャフト３側に突出さ
せて設け、シャフト３の突出部６よりもカセットプレー
ヤー側の軸方向位置に、突出部６が軸方向から当接可能
な受け部を外周側に突出させて設けたことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、カセットプレーヤーのリール台装置、特に、カセットプレーヤー内 に収納されたカセットの磁気テープを、カセットハブに巻き取りまたは送り出す ためのリール台装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ビデオデッキ、カセットレコーダー等のカセットプレーヤー内には、一般に、 リール台装置が設けられている。リール台装置は、カセットプレーヤー内に収納 されたカセットの磁気テープをカセットハブに巻き取り或いは送り出すための装 置であり、特開平８−４５１３６号公報、実開昭５９−７１４５１号公報、実開 昭６０−１４０２４４号公報等に示される技術が既に提案されている。

【０００３】 また、他の従来のリール台装置として、図５に示されるようなリール台装置４ １が既に提案されている。 このリール台装置４１は、シャフト４３と、リール台４５と、駆動部（図示せ ず）とを備えている。シャフト４３は、シャーシ４７に対し鉛直方向に延びて設 けられている。リール台４５は、内周部にシャフト４３が嵌合的に挿入され、シ ャフト４３回りに回転自在であり、カセットハブの内周部に係合可能な係合部４ ５ｂを有している。駆動部は、リール台４５の外周部４５ａに係合可能であり、 リール台４５を回転駆動させる。

【０００４】 このリール台装置４１では、カセットがカセットプレーヤー内に収納されると 、カセットハブは、内周部がリール台４５の係合部４５ｂと係合する。この状態 で、カセットプレーヤーに再生、早送り等が指示されると、駆動部が作動してリ ール台４５を回転させ、これにより、カセットハブはリール台４５と一体に回転 し、テープがカセットハブに巻き取られる。

【０００５】 この種のリール台装置４１では、リール台４５は、通常、シャフト４３がリー ル台４５の内周部に嵌め込まれる形で装着されているが、リール台４５の内周部 には、シャフト４３の先端部４３ａと起端部４３ｂとそれぞれ嵌合可能な２つの 嵌合部が形成されている。この装置４１では、これらの嵌合部がシャフト４３の 両端部に嵌合することで、リール台４５はシャフト４３に対し径方向に位置決め されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のリール台装置４１では、シャーシ４７の平面度が一定でない場合や 、シャフト４３がシャーシ４７に対し垂直でない場合等は、リール台４５は、前 述のようにシャフト４３の先端部及び起端部に嵌合されることで支持されている ために、シャフト４３と一体に傾くのみでなくカセットハブをも傾けて傾斜する こととなる。このため、カセットハブは、カセット内で正常な姿勢で回転し得な くなり、この結果、テープの走行が不安定になるという不具合が生じる。

【０００７】 本考案の目的は、カセットプレーヤー内において、テープを安定して走行させ ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載のリール台装置は、カセットプレーヤー内に収納されたカセッ トの磁気テープを、カセットハブに巻き取りまたは送り出すためのリール台装置 において、カセットプレーヤー内のシャーシに対し垂直方向に延びるシャフトを 設け、カセットハブの内周部に係合可能な外周部が設けられたリール台をシャフ ト回りに回転自在に装着するとともに、リール台の内周部に、シャフトに当接可 能な突出部をリール台の軸方向中央部からシャフト側に突出させて設け、シャフ トの突出部よりもカセットプレーヤー側の軸方向位置に、突出部が軸方向から当 接可能な受け部を外周側に突出させて設けたことを特徴とする。

【０００９】 このリール台装置では、カセットがカセットプレーヤー内に収納されると、カ セットハブは、内周部がリール台の外周部と係合する。この状態で、カセットプ レーヤーに再生、早送り等が指示されると、駆動部が作動してリール台を回転さ せ、これにより、カセットハブはリール台と一体に回転し、テープがカセットハ ブに巻き取られる。

【００１０】 このようなリール台装置において、リール台は、シャフトに対し１箇所でのみ 支持されているため、この部分を支点に揺動可能となっており、従来のように２ 点で支持される構成に比べ、シャフトの垂直度やシャーシの平面度の影響を受け にくい構造になっている。すなわち、リール台は、シャフトが傾いているとして も、カセットハブを傾けてまでシャフトと共に傾くことがないため、シャーシに 対する回転軸線を垂直に保持することができる。したがって、カセットハブは、 カセット内で正常に回転することができ、これにより、テープの走行が安定する 。

【００１１】 また、リール台は、軸方向の中央部分で支持されているため、例えば軸方向端 部で支持される場合に比べシャフトの垂直度等による影響を解消し易い構造にな っている。さらに、このような構成では、シャフトは、リール台の軸方向中央部 より先端側部分を省略できるため、この場合は、部品コストを低減することがで きる。

【００１２】 また、通常のカセットは、板バネ等によりカセットハブを軸方向の一方側に付 勢するよう構成されているが、このリール台装置では、リール台は、板バネから の付勢力を受けたカセットハブによりシャーシ側に押圧され、突出部が受け部に 当接してシャフトに対する軸方向位置が定まる。したがって、ここでは、リール 台が１点で支持される場合であっても、テープの走行の安定度を高めることがで きる。

【００１３】 請求項２に記載のリール台装置は、カセットプレーヤー内に収納されたカセッ トの磁気テープを、カセットハブに巻き取りまたは送り出すためのリール台装置 であって、シャフトと、リール台と、駆動部とを備えている。シャフトは、カセ ットプレーヤー内のシャーシから垂直方向に延びる。リール台は、シャフト回り に回転自在に装着され、カセットハブの内周部に係合可能な外周部を有する。駆 動部は、リール台を回転駆動させる。そして、リール台は、シャフトに対し１点 の軸方向位置で支持されている。

【００１４】 このリール台装置では、リール台は、シャフトに対し１点で支持されているた め、シャフトの垂直度等によって姿勢が傾く等の影響を受けるのが抑えられてい る。これにより、シャフトが傾いている場合でも、リール台及びカセットハブは 正常な姿勢で回転することができ、この結果、テープの走行が安定するようにな る。

【００１５】 請求項３に記載のリール台装置は、請求項２のリール台装置において、リール 台は、軸方向中央部がシャフトに支持されている。 このリール台装置では、リール台は、軸方向の中央部分で支持されているため 、例えば軸方向端部で支持される場合に比べシャフトの垂直度等による影響を解 消し易い構造になっている。また、このような構成では、シャフトは、リール台 の軸方向中央部より先端側部分を省略できるため、この場合は、部品コストを低 減することができる。

【００１６】 請求項４に記載のリール台装置は、請求項２または３のリール台装置において 、リール台の内周部には、シャフトに当接可能にシャフト側に突出する突出部が 設けられている。シャフトは、突出部よりもカセットプレーヤー側の軸方向位置 から外周側に突出し突出部が軸方向から当接可能な受け部が設けられている。 通常のカセットは、板バネ等によりカセットハブを軸方向の一方側に付勢する よう構成されているが、このリール台装置では、リール台は、板バネからの付勢 力を受けたカセットハブによりシャーシ側に押圧され、突出部が受け部に当接し てシャフトに対する軸方向位置が定まる。したがって、ここでは、リール台が１ 点で支持される場合であっても、テープの走行の安定度を高めることができる。

【００１７】

【考案の実施の形態】

図１及び図２に、本考案の一実施形態によるリール台装置１を示す。 リール台装置１は、カセット３１の２つのカセットハブ３５（一方のみ図示） に係合するよう、ビデオデッキ内のシャーシ２１の２箇所に設けられた装置であ り、再生、早送り時（正転時）等には一方が作動し、巻き戻し、巻き戻し再生時 （逆転時）等には他方が作動するよう構成されている。

【００１８】 各リール台装置１は、シャフト３と、リール台５と、駆動部（図示せず）とを 備えている。 シャフト３は、カセットプレーヤーのシャーシ２１から鉛直方向に延びて設け られた金属製の棒状部材であり、先端部３ａと起端部３ｂとを有している。起端 部３ｂは、シャーシ２１にカシメられて固定されている。また、シャフト３の軸 方向中央部付近から起端部３ｂにかけては、先端部３ａ側の径に比べ径の大きい 大径部３ｃが形成されている。大径部３ｃの先端部３ａ側には端面（受け部）３ ｄが形成されている。

【００１９】 リール台５は、図示されるような断面形状の樹脂成型体であり、最外周部分に は、駆動部側のギアと係合可能な第１係合部５ａが形成されており、第１係合部 ５ａより内周側の先端部３ａ側の部分には、カセットハブ３５に係合可能な第２ 係合部５ｂが形成されている。また、リール台５の内周部には、シャフト３が挿 入可能な貫通孔５ｃが形成されている。貫通孔５ｃの軸方向中央部分には、内周 側に突出する突出部６が形成されている。

【００２０】 突出部６の内周側の端部にはシャフト３の外周面に当接可能な径方向端面６ａ が形成されている。なお、突出部６とシャフト３との間には潤滑油が介在してい る。突出部６のシャーシ２１側の端部には、軸方向端面６ｂが形成されており、 シャフト３の大径部３ｃの端面（受け部）３ｄにワッシャ９を介して軸方向から 当接可能である。

【００２１】 駆動部は、リール台５を回転駆動させるためのものであり、モータ、及びリー ル台５の係合部５ａと係合する所定のギアで構成されている。 なお、本実施形態で用いられるカセット３１は、一般的なものであり、カセッ トパック３３と、カセットパック３３内に回転自在に配置された２つのカセット ハブ３５と、カセットパック３３内で各カセットハブ３５（一方のみ図示）を軸 方向に押圧する２つの板バネ３７（一方のみ図示）とを有している。

【００２２】 このように構成されたリール台装置１では、ビデオデッキ内にカセット３１が 収納された状態では、各カセットハブ３５の内周部がリール台５の第２係合部５ ｂに係合している。この状態で、ビデオデッキに再生または早送りが指示される と、一方のリール台装置１の駆動部が作動して、リール台５が回転駆動される。 すると、リール台５の第２係合部５ｂに係合するカセットハブ３５もリール台５ と一体に回転し、これにより、テープがカセットハブ３５に巻き取られ、同時に 他方のカセットハブ３５からはテープが送り出される。

【００２３】 この場合において、リール台５は、シャフト３の外周面に突出部６のみが当接 しているため、この部分を支点として揺動可能であり、従来のように２点でシャ フトに当接する場合に比べ、シャフト３の垂直度やシャーシ２１の平面度の影響 を受けにくい構造になっている。 このような構造では、図３に示すように例えばシャフト３がシャーシ２１の鉛 直方向に対し傾いている場合であっても、リール台５は、シャフト３と共に傾く よりも突出部６を支点として揺動してカセットハブ３５に従おうとするため、カ セットハブ３５は従来のようにリール台５によって傾くのが抑えられる。したが って、カセットハブ３５のカセット３１内での姿勢が安定し、この結果、テープ の走行が安定するようになる。

【００２４】 なお、カセット３１内では、カセットハブ３５は板バネ３７によりシャーシ２ １側に付勢されているため、リール台５がシャフト３の垂直度により影響を受け て傾こうとする動作がより確実に抑えられる。 一方、ビデオデッキに巻き戻し等が指示された場合は、他方のリール台装置１ が作動することで、上記の場合とは逆に、一方のカセットハブ３５からテープが 送り出され、他方のカセットハブ３５にテープが巻き取られる。

【００２５】 ［他の実施形態］ （ａ）本考案のリール台装置が適用されるカセットプレーヤーは、ビデオデッ キに限定されず、オーディオ用デッキ等、他の種類のカセットプレーヤーであっ てもよい。 （ｂ）図４に示すように、シャフト３を、先端部側を省略して大径部３ｃのみ で構成するとともに、リール台５の内周部を、大径部３ｃの先端部分が嵌合可能 なストレート部分５ｄを形成してもよい。このようなストレート部分５ｄの軸方 向長さは、４〜５ｍｍ程度であるのが好ましい。

【００２６】 このように構成した場合は、シャフト製造に係るコストを低減することができ る。なお、この場合は、リール台成型時の離型性を考慮して、シャーシ２１側に かけてテーパ形状にするのが好ましい。

【００２７】

【考案の効果】

本考案によれば、リール台は、シャフトに対し１点で支持されているため、従 来の構成に比べ、シャフトの垂直度やシャーシの平面度による影響を受けにくい 構造となっている。これにより、カセットハブはリール台により傾くことがなく 、カセット内での姿勢が安定し、この結果、テープの走行が安定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態によるリール台装置を備え
たカセットプレーヤー内にカセットが収納された状態を
示す縦断面図。

【図２】前記リール台を示す縦断面図。

【図３】シャフトが傾いたリール台装置を備えたカセッ
トプレーヤー内にカセットが収納された状態を示す縦断
面図。

【図４】本考案の他の実施形態によるリール台装置を示
す縦断面図。

【図５】従来のリール台を示す縦断面図。

【符号の説明】

１ リール台装置 ３ シャフト ３ｄ 受け部 ５ リール台 ５ｂ 第１係合部 ６ 突出部 ２１ シャーシ ３１ カセット ３５ カセットハブ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットプレーヤー内に収納されたカセッ
   トの磁気テープを、カセットハブに巻き取りまたは送り
   出すためのリール台装置において、前記カセットプレー
   ヤー内のシャーシに対し垂直方向に延びるシャフトを設
   け、前記カセットハブの内周部に係合可能な外周部が設
   けられたリール台を前記シャフト回りに回転自在に装着
   するとともに、前記リール台の内周部に、前記シャフト
   に当接可能な突出部を前記リール台の軸方向中央部から
   前記シャフト側に突出させて設け、前記突出部が軸方向
   から当接可能な受け部を前記シャフトの前記突出部より
   も前記カセットプレーヤー側の軸方向位置から外周側に
   突出させて設けたことを特徴とする、カセットプレーヤ
   ーのリール台装置。
2. 【請求項２】カセットプレーヤー内に収納されたカセッ
   トの磁気テープを、カセットハブに巻き取りまたは送り
   出すためのリール台装置であって、 前記カセットプレーヤー内のシャーシから垂直方向に延
   びるシャフトと、 前記シャフト回りに回転自在に装着され、前記カセット
   ハブの内周部に係合可能な外周部を有するリール台と、 前記リール台を回転駆動させるための駆動部とを備え、 前記リール台は、前記シャフトに対し１点の軸方向位置
   で支持されている、カセットプレーヤーのリール台装
   置。
3. 【請求項３】前記リール台は、軸方向中央部が前記シャ
   フトに支持されている、請求項２に記載のカセットプレ
   ーヤーのリール台装置。
4. 【請求項４】前記リール台の内周部には、前記シャフト
   に当接可能に前記シャフト側に突出する突出部が設けら
   れ、 前記シャフトは、前記突出部よりも前記カセットプレー
   ヤー側の軸方向位置から外周側に突出し前記突出部が軸
   方向から当接可能な受け部が設けられている、請求項２
   または３に記載のカセットプレーヤーのリール台装置。