JP3083698B2 - ガス放電表示パネル - Google Patents

ガス放電表示パネル

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JP3083698B2
JP3083698B2 JP2133994A JP2133994A JP3083698B2 JP 3083698 B2 JP3083698 B2 JP 3083698B2 JP 2133994 A JP2133994 A JP 2133994A JP 2133994 A JP2133994 A JP 2133994A JP 3083698 B2 JP3083698 B2 JP 3083698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は交流型のガス放電表示
パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】交流型のガス放電表示パネルでは、表示
用電極上に順次に、壁電荷蓄積用誘電体及び保護膜を設
ける。そして表示のために対を成す一対の表示用電極の
間で、壁電荷蓄積用誘電体を介して電荷をやり取りし、
これにより放電ガスのプラズマ放電を生じさせる。保護
膜はプラズマ放電形成時に壁電荷蓄積用誘電体が損傷す
るのを防止するためのものである。一般には、放電開始
電圧をも低減できるMgO保護膜が用いられる。
【0003】MgO保護膜の形成方法には、薄膜形成技
術を用いる方法(文献1:テレビジョン学会技術報告
IDY93−2 p7〜12特にp8参照)や、スクリ
ーン印刷法を用いる方法(文献2:テレビジョン学会技
術報告 IDY93−106p7〜12特にp8参照)
がある。大画面表示のガス放電表示パネルを作成する場
合、薄膜形成技術を用いると大型な薄膜形成装置が必要
となるのでコスト高となる。従ってコスト低減にはスク
リーン印刷法を用いる方が有利である。
【0004】スクリーン印刷法を用いる場合、MgO粉
末を含むペーストを積層後に焼成して、MgO保護膜を
形成する。文献2によれば、放電開始電圧を低減するた
めにはMgO保護膜の膜厚を薄くすることが好ましく、
またMgO保護膜の活性化を容易にするためにはMgO
粒子径を大きくすることが好ましいことが報告されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらMgO保
護膜を薄くし或はMgO粒子径を大きくすると、MgO
保護膜にピンホールを生じ易くなり、その結果パネル寿
命が短くなる。
【0006】ピンホールの発生を防止するためには、M
gO粒子径を小さくする必要がある。しかしながらMg
O粒子径を小さくすると、ガス放電表示パネルの特性、
例えば最高放電開始電圧Vf max 及び最高放電維持電圧
s max や発光効率が劣化する。
【0007】そこでこの出願の発明者等は種々の検討を
行ったところ、文献2においては海水法(湿式法とも称
す)で形成したMgO粒子を用いており、これがパネル
特性劣化の一因であることに気付いた。海水法は、Mg
(OH)2 粒子を加熱脱水してMgO粒子を形成するも
のであり、その加熱脱水工程や粒子形成或は粒径微細化
のための機械的粉砕工程により、MgO粒子の表面形状
が複雑に成り易い。従ってMgO粒子表面の凹凸が大き
くなる。また海水法ではMgO粒子中に不純物が混入し
易くMgO粒子の純度も劣化し易い。これらの要因、特
に粒子表面の凹凸が大きいことに起因してMgO粒子の
活性化が難しくなり、その結果、パネル特性が劣化する
と考えられる。
【0008】この発明はこのような点に鑑み成されたも
のであり、この発明の目的は、ピンホールが少なくかつ
パネル特性の劣化の少ないMgO保護膜を備えたガス放
電表示パネルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、第一発明の交流型ガス放電表示パネルは、放電空間
を挟んで相対向する一方及び他方の基板と少なくとも一
方の基板上に設けた表示用電極と表示用電極上に順次に
設けた壁電荷蓄積用誘電体及び保護膜とを備え、保護膜
を、表面凹凸の小さな(或は少ない)複数の粒子をバイ
ンダーで結合して成る焼成体とし、実測した粒子径が、
ベット値から求めた粒子径の5倍以内の大きさであるこ
とを特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】第一発明によれば、保護膜を形成するための粒
子を、表面凹凸の小さな粒子とするので、粒子径を小さ
くしても保護膜の活性化が容易になる。
【0012】
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して発明の実施例につき説
明する。尚、図面は発明が理解できる程度に概略的に示
してあるにすぎず、従って発明を図示例に限定するもの
ではない。
【0014】図1は第一発明の実施例の要部構成を概略
的に示す断面図である。図1にあっては、ガス放電表示
パネルの一方の基板12及び他方の基板14を互いに封
着して、これら基板間に放電空間10を画成している状
態を示す。
【0015】この実施例の交流型ガス放電表示パネル
は、図1にも示すように、放電空間10を挟んで相対向
する一方の基板12及び他方の基板14と、少なくとも
一方の基板12上に設けた表示用電極16と、この電極
16上に順次に設けた壁電荷蓄積用誘電体18及び保護
膜20とを備える。
【0016】図2は第一発明の実施例の要部構成を概略
的に示す分解斜視図である。図2にあっては、一方の基
板12及び他方の基板14を封着せずに離間させ、放電
空間10側の基板面12a及び14aを互いに向き合わ
せた状態を示す。
【0017】この実施例では、表示用電極16を一方の
基板12上に設けると共にアドレス用電極22を他方の
基板14上に設けて、面放電型のガス放電表示パネルを
構成する。
【0018】一方の基板12を背面板とし、表示用電極
16を、第一の方向Pに延在させて放電空間10側の基
板面12a上に設ける。2本の表示用電極16を一対の
電極対Tとし、複数対の電極対Tを基板面12a上に並
列配置する。一対の電極対Tを構成する2本の表示用電
極16を、図中に、符号161 及び162 を付して示
す。さらに表示用電極16上に順次に、壁電荷蓄積用誘
電体18及び保護膜20を設ける。保護膜20は壁電荷
蓄積用誘電体18のスパッタを防止するためのものであ
る。
【0019】また他方の基板14を前面板とし、アドレ
ス用電極22とバリアリブ24とをそれぞれ、第二の方
向Qに延在させて放電空間10側の基板面14a上に設
ける。第二の方向Qは、平面的に見て、第一の方向Pと
交差する方向ここでは第一の方向Pと直交する方向であ
る。複数のアドレス用電極22を並列配置し、隣接する
アドレス用電極22の間に、バリアリブ24を設ける。
そして蛍光体26をアドレス電極22上に設ける。赤、
緑及び青色の蛍光を発する3種類の蛍光体26を所定の
配置関係で配置する。平面的に見て、表示用電極16及
びアドレス用電極22の交差領域に表示セルが形成され
る。バリアリブ24により放電空間10を分離し、隣接
する表示セル間での誤放電を防止する。
【0020】基板面12a及び14aを向き合わせた状
態で、これら一方の基板12及び他方の基板14を封止
材(図示せず)により封着する。封着した基板12、1
4間により放電空間10を画成し、放電空間10内に放
電ガスを封入する。基板12、14の離間間隔を、バリ
アリブ24を介し一定に保つ。
【0021】一対の表示用電極161 及び162 の間に
電位差を与えると、壁電荷蓄積用誘電体18上に壁電荷
が蓄積され、この壁電荷が交流となって放電ガス中を流
れる。これら電極161 及び162 を介して、放電ガス
に交流を流すことにより、表示発光のためのプラズマ放
電を発生させ或は維持する。蛍光体26は、プラズマ放
電で生じた紫外線により励起発光する。アドレス用電極
22を利用することにより、各表示セル毎に選択的に、
プラズマ放電を形成する。
【0022】図3は保護膜の構成を拡大して示す要部断
面図である。保護膜20は、表面凹凸の小さな(或は少
ない)複数の粒子20aをバインダー20bで結合して
成る焼成体である。
【0023】この実施例では、粒子20aをMgO粒子
及びバインダー20bをMgOバインダーとする。粒子
20a及びバインダー20bの構成物質としては保護膜
20に適した性質を有する、任意好適な物質を用いるこ
とができるが、現状では、壁電荷蓄積用誘電体18の損
傷防止に加えガス放電表示パネルの放電特性の向上を図
れるMgOを構成物質とするのが有利である。
【0024】さらに実測した粒子20aの粒子径、ここ
では顕微鏡観察により測定した粒子径を、ベット値(B
ET値)から求めた粒子径の5倍以内の大きさとする。
このような粒子20aとして、気相法により形成した粒
子を用いるのが好適である。気相法によるMgO粒子
は、Mg蒸気とO2 との気相酸化反応により形成される
(文献3:新材料 1992年4月号 p42〜45特
にp42参照)。
【0025】図4は実施例の保護膜形成工程を段階的に
示す断面図であって、同図にあっては図3の断面に対応
する断面を概略的に示す。
【0026】まず、一方の基板面12a上に順次に、表
示用電極16及び壁電荷蓄積用誘電体18を形成する
(図4(A))。これら電極16及び誘電体18の形成
は、従来周知の厚膜印刷技術により形成すれば良い。
【0027】次に、表面凹凸の小さな(或は少ない)粒
子20aの粉末と焼成により固相バインダーを生成する
液相前駆体28aとを含むペースト28を調製する。
【0028】この実施例では、粒子20aを気相法によ
り形成したMgO粒子とする。気相法によれば表面凹凸
が小さく(或は少なく)しかも純度の高いMgO粒子2
0aを得ることができる。また液相前駆体28aを、焼
成によりMgO固相バインダー20bを生成する前駆体
とする。このような液相前駆体28aとしては、マグネ
シウムジエトキシド、ナフテン酸マグネシウム、オクチ
ル酸マグネシウム、マグネシウムジメトキシド、マグネ
シウムジn−プロポキシド、マグネシウムジi−プロポ
キシド及びマグネシウムジn−ブトキシドのなかから選
んだ一種類又は複数種類の物質を含んで成る前駆体を挙
げることができる。これら例示したマグネシウムジエト
キシド等の物質それ自体を液相の前駆体28aとして用
いても良いし、或はこれら例示した物質を溶媒と混合し
て液相の前駆体28aとして用いても良い。
【0029】次に、ペースト28を壁電荷蓄積用誘電体
18上に積層した後に焼成して、保護膜20を形成す
る。
【0030】この実施例では、スクリーン印刷法、コー
ターを用いた積層法或はそのほかの積層技術によりペー
スト28を積層し(図4(B))、然る後、ペースト2
8を焼成して保護膜20を形成する(図3)。前駆体2
8aは液相であるので、MgO粒子20aが凝集せずに
ペースト全体にわたってほぼ均一に分散した状態の、ペ
ースト28を形成できる。従ってこのペースト28を用
いることにより、MgO粒子20aが保護膜全体にわた
ってほぼ均一に分散した状態の保護膜20を形成でき
る。MgO粒子20aの凝集はピンホール発生の要因と
成るので、MgO粒子20aを均一に分散させることに
よりピンホールを生じにくくする。
【0031】次に、上述した図1の実施例に関わる交流
型ガス放電パネル(以下、実験パネル)の特性を調べた
実験につき説明する。
【0032】図5は実験パネルの要部構成を概略的に示
す分解斜視図である。同図に示す実験パネルは、密着用
誘電体30を設けアドレス用電極22を設けていないほ
かは、上述した第一実施例と同様の構成を有する。密着
用誘電体30はバリアリブ24と基板14との密着性を
高めるため、或は蛍光体26の印刷だれを防止するため
のものである。以下、実験パネルの作成工程につき概略
的に説明する。
【0033】まず一方の基板12としてソーダライムガ
ラス基板を用意し、この基板面12a上に、スクリーン
印刷法により表示用電極端子と表示用電極16とを形成
する。このため、表示用電極端子形成用の銀厚膜ペース
ト(ESL社製 ESL−590)を、印刷し然る後に
150℃で乾燥させる。次いで表示用電極形成用の金メ
タルオーガニックペースト(エンゲルハルド社製 A−
3725)を、印刷し然る後に150℃で乾燥させる。
次いでこれらペーストを580℃で焼成し、表示用電極
端子及び表示用電極16としての銀厚膜電極及び金電極
を得る。
【0034】次に表示用電極16上に、スクリーン印刷
法により壁電荷蓄積用誘電体18を形成する。このた
め、壁電荷蓄積用誘電体形成用の鉛ガラスペースト(奥
野製薬工業社製 G3−0496)を、印刷し然る後に
150℃で乾燥させる。印刷及び乾燥を繰り返し所定の
高さまでペーストを積層する。次いでペーストを580
℃で焼成し、壁電荷蓄積用誘電体18としての鉛ガラス
を得る。
【0035】次に壁電荷蓄積用誘電体18上に、スクリ
ーン印刷法により保護膜20を形成する。ここでは、気
相法により形成したMgO粒子20aと焼成によりMg
O固相バインダー20bとなる液相前駆体28aとを含
んで成るペーストを用いて、保護膜20を形成する。こ
のため、気相法により形成したMgO粒子20aの粉末
(宇部興産社製。MgO純度99.98%及び粒子径
0.1μm)を25wt%、液相前駆体28aとしての
マグネシウムジエトキシドを25wt%、有機樹脂とし
てのエチルセルロースを5wt%及び溶媒としてのブチ
ルカルビトールを45wt%混合して、ペーストを調製
する。次いでこのペーストを、印刷し然る後に150℃
で乾燥させる。次いでペーストを580℃で焼成し、M
gO粒子20aをMgOバインダー20bで結合して成
る保護膜20を得る。尚、有機樹脂及び溶媒はペースト
の粘度を調製するためのものである。
【0036】次にパネル周辺部を被覆するオーバーコー
トを、スクリーン印刷法により形成する。このため、オ
ーバーコート形成用の誘電体ペーストを、印刷し然る後
に150℃で乾燥させる。次いでペーストを580℃で
焼成し、誘電体厚膜から成るオーバーコートを得、一方
の基板側の作成工程を終了する。
【0037】また他方の基板14としてソーダライムガ
ラス基板を用意し、この基板面14a上に、スクリーン
印刷法により密着用誘電体30を形成する。このため、
密着用誘電体形成用の誘電体ペースト(DuPont社
製 9741)を、印刷し然る後に150℃で乾燥させ
る。次いでペーストを580℃で焼成し、誘電体厚膜か
ら成る密着用誘電体30を得る。
【0038】次に密着用誘電体30上に、スクリーン印
刷法により蛍光体26とバリアリブ24とを形成する。
このため、緑色蛍光体粒子(化成オプトニクス社製 P
1−G1)及びスクリーンオイルを混合してペーストを
調製する。次いでペーストを、印刷し然る後に150で
乾燥させる。次いでバリアリブ形成用の誘電体ペースト
(DuPont社製 9741)を、印刷し然る後に1
50℃で乾燥させる。印刷及び乾燥を繰り返し150μ
m程度の高さまでバリアリブ形成用ペーストを積層す
る。次いでペーストを580℃で焼成し、厚膜誘電体か
ら成るバリアリブ24と蛍光体粒子から成る蛍光体26
とを得、他方の基板側の作成工程を終了する。蛍光体2
6は緑色の1種のみとする。
【0039】次に一方の基板12と他方の基板14とを
封着する。このため、一方の基板面12aと他方の基板
面14aとを向き合わせて位置合わせをする。次いで基
板端縁部分に封着材としての鉛ガラスペーストを塗布す
る。次いでペーストを焼成して基板12及び14を封着
し、放電空間10を画成する。基板12には図示しない
ガス封入口を設けてある。
【0040】次に放電空間10内に放電ガスを封入す
る。このため、基板12のガス封入口に排気管を接続す
る。次いで排気管を介して、放電空間10内を真空排気
し然る後に放電空間10内に放電ガスとしてのHe−5
%Xeガスを充填する。放電空間10内のガス圧が50
0Torrとなったら、基板12のガス封入口を封止す
ると共に排気管を取り外し、実験パネルを完成する。
【0041】実験においては、上述のように作成した実
験パネルのほか、4種類の比較パネル1〜4を用意し
た。これら比較パネルは、MgO粒子20aを海水法に
より形成した粒子とし、そのほかは上述した実験パネル
と同様に作成した。後掲の表1に、実験パネル及び比較
パネル1〜4で用いたMgO粒子20aの特性を示す。
MgO粒子20aの特性としては、純度[%]、BET
値[m2 /g]、BET値から算出した粒径(以下、B
ET値からの粒径)[μm]、電子顕微鏡を用いて測定
した粒径(以下、電顕からの粒径)[μm]及び粒径の
比(電顕からの粒径をBET値からの粒径で除して得た
値)を示す。
【0042】表1に示すように、MgO粒子20aの純
度は、実験パネルの方が比較パネル1〜4のいずれより
も高い。また粒径の比は、実験パネルの方が比較パネル
1〜4のいずれよりも小さい。但し、粒径の比は電顕か
らの粒径をBET値からの粒径で除した値、電顕からの
粒径は電子顕微鏡を用いて測定したMgO粒子20aの
粒径、及び、BET値からの粒径はBET値から算出し
た粒径を表す。実験パネルでは、粒径の比はほぼ1であ
り従ってMgO粒子表面の凹凸が非常に小さく或は少な
く、また比較パネル1〜4では、粒径の比は5〜24で
あり従ってMgO粒子表面の凹凸が実験パネルに比して
大きい(或は多い)。
【0043】後掲の表2には、実験パネル及び比較パネ
ル1〜4の特性を示す。各パネルの特性を調べるに当っ
ては、電極対Tを構成する表示用電極161 及び162
の一方の電極に周波数20KHzの矩形パルスを印加す
ると共に、他方の電極にこの印加タイミングから半波長
ずらした(25μsずらした)タイミングで周波数20
KHzの矩形パルスを印加して、放電ガスのプラズマ放
電を形成する。各パネルにおいて電極161 及び162
間に与える電位差は等しくする。そしてこのときの最大
放電開始電圧Vf max [V]と、最大放電維持電圧Vs
max [V]と、輝度[cd/m2 ]と、電極161 、1
2 の間に流れるセル電流(表示セル1セル当りに流れ
るセル電流)[μA/cell]と、発光効率[lm
W]とを各パネル毎に測定する。表2には、これらの測
定結果を示す。
【0044】表2に示すように、最高放電開始電圧Vf
max 及び最高放電維持電圧Vs maxは、実験パネルの方
が比較パネル1〜4のいずれよりも低い。また発光効率
も、実験パネルの方が比較パネル1〜4のいずれよりも
高い。従ってガス放電表示パネルにおいて消費する電力
は、実験パネルの方が比較パネル1〜4のいずれよりも
低くできる。
【0045】表2に示す実験パネル及び比較パネル1〜
4の測定結果はいずれも、放電空間10内の真空度を1
-6Torrとし保護膜20を460℃で30分間加熱
して活性化した後に、放電ガスを封入して得たものであ
る。この活性化条件とは異なる条件のもとで行なった実
験として、この出願の発明者等は、放電空間10内の真
空度を10-6Torrとし保護膜20を400℃で10
分間加熱して活性化した場合についても、パネル特性を
測定した。この活性化条件のもとでは、実験パネルのパ
ネル特性は表2に示す測定結果と同様のパネル特性であ
ったが、比較パネル1〜4のパネル特性は表2に示す場
合よりも劣るパネル特性であった。すなわち加熱温度を
低くしかつ加熱時間を短くした場合、実験パネルではパ
ネル特性の劣化は見られなかったが、比較パネル1〜4
においては、放電開始電圧Vf ma x 及び最高放電維持電
圧Vs max は増加し、輝度及び発光効率は低下する。従
って実験パネルの保護膜20の方が比較パネル1〜4よ
りも活性化がし易い。
【0046】また6ケ月間大気中に放置したMgO粒子
20aを用いて作成した実験パネル及び比較パネル1〜
4を用いた他の実験では、実験パネルのパネル特性は表
2に示す場合とほとんど変わらなかったが、比較パネル
1〜4のパネル特性は表2に示す場合よりも劣化した。
【0047】このようにいずれの実験においても、実験
パネルのパネル特性の方が比較パネル1〜4よりも優れ
ているのは、実験パネルの方がMgO粒子20aの表面
凹凸が小さいことに起因すると考えられる。表面凹凸が
小さいMgO粒子20aは、表面積が小さく従って活性
化を妨げるH2 O等の物質の吸着や吸蔵が生じ難いため
である。
【0048】図6は実験パネル及び比較パネルにおける
最高放電開始電圧Vf max と粒子径の比との関係、及
び、実験パネル及び比較パネルにおける最高放電維持電
圧Vs max と粒子径の比との関係を、表2の測定結果に
基づいて示す図である。また図7は実験パネル及び比較
パネルにおける発光効率と粒子径の比との関係を、表2
の測定結果に基づいて示す図である。
【0049】図6及び図7から理解できるように、粒径
の比をほぼ1以上ほぼ5以下とすることによって、従来
と同等かそれよりも改善された最高放電開始電圧Vf
max 、最高放電維持電圧Vs max 及び発光効率を得るこ
とができると考えられる。
【0050】図8は第一発明の他の実施例の要部構成を
概略的に示す分解斜視図である。この実施例では、一方
の基板面12a上に、アドレス用電極22を設ける。そ
してアドレス用電極22上に、多層配線用誘電体32を
介して表示用電極16を設ける。複数のアドレス用電極
22を並列配置し、平面的に見て隣接するアドレス用電
極22の間に位置するように、バリアリブ24を配置す
る。そのほかは上述した第一実施例と同様である。
【0051】発明は上述した実施例にのみ限定されるも
のではなく、従って各構成成分の形状、配設位置、形成
材料、数値的条件及びそのほかを任意好適に変更でき
る。
【0052】例えば、上述した実施例では面放電型の交
流型ガス放電表示パネルにつき説明したが、単純マトリ
クス方式の交流型ガス放電表示パネルを構成するように
しても良い。単純マトリクス方式では、アドレス用電極
22を設けずに、電極対Tを構成する一方の表示用電極
161 を一方の基板12上に設ける。複数の表示用電極
161 を並列配置し、これら電極161 上に順次に壁電
荷蓄積用誘電体18及び保護膜20を設ける。さらに電
極対Tを構成する他方の表示用電極162 を他方の基板
14上に設ける。複数の表示用電極162 を並列配置
し、これら電極162 上に順次に壁電荷蓄積用誘電体1
8及び保護膜20を設ける。そして一方の表示用電極1
1 と他方の表示用電極162 とを、平面的に見て交差
させように、配置する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、第
一発明のガス放電表示パネルによれば、保護膜を構成す
る粒子の径を小さくしてもガス放電表示パネルの特性劣
化を抑えることができる。そして粒子径を小さくするこ
とにより、保護膜のピンホールを少なくすることができ
る。従って、パネル特性の劣化が少なくかつピンホール
の少ない保護膜を備えたガス放電表示パネルを提供でき
る。
【0056】
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の実施例の要部構成を概略的に示す断
面図である。
【図2】第一発明の実施例の要部構成を概略的に示す分
解斜視図である。
【図3】第一発明の実施例における保護膜の構成を拡大
して概略的に示す要部断面図である。
【図4】(A)及び(B)は保護膜形成方法の説明に供
する工程図である。
【図5】第一発明の実施例に関わるガス放電パネル(実
験パネル)の要部構成を概略的に示す分解斜視図であ
る。
【図6】実験パネル及び比較パネルにおける最高放電開
始電圧Vf max と粒子径の比との関係、及び、実験パネ
ル及び比較パネルにおける最高放電維持電圧Vs max
粒子径の比との関係を示す図である。
【図7】実験パネル及び比較パネルにおける発光効率と
粒子径の比との関係を示す図である。
【図8】第一発明の他の実施例の要部構成を概略的に示
す分解斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金原 隆雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 ▲高▼崎 茂 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−291840(JP,A) 特開 平4−10330(JP,A) 特開 平6−316671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/02 H01J 9/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を挟んで相対向する一方及び他
    方の基板と、少なくとも一方の基板上に設けた表示用電
    極と、該表示用電極上に順次に設けた壁電荷蓄積用誘電
    体及び保護膜とを備えて成る交流型ガス放電表示パネル
    において、 保護膜を、表面凹凸の小さな複数の粒子をバインダーで
    結合して成る焼成体とし、実測した粒子径が、ベット値
    から求めた粒子径の5倍以内の大きさであることを特徴
    とするガス放電表示パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の交流型ガス放電表示パネ
    ルにおいて、 前記粒子を気相法で形成した粒子としたことを特徴とす
    るガス放電表示パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の交流型ガス放電表示パネ
    ルにおいて、 前記粒子をMgO粒子とし、バインダーをMgOバイン
    ダーとしたことを特徴とするガス放電表示パネル。
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