JP3083531B2 - 植物類においてリジン過剰生産を誘導する方法 - Google Patents

植物類においてリジン過剰生産を誘導する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 遺伝子移入技術における最近の進歩により、所望の特
性を植物類に導入する新しい可能性が開けた。宿主植物
に環境ストレスに対する保護を多少付与するために、多
数のかかる遺伝子が導入されてきた。例としては、グリ
フォセート(glyphosate)(コマイ(Comai)、ネイチ
ャー(Nature),317,741〜744(1985)およびシャー
(Shah),サイエンス(Science),233,478〜481(198
6))、ホスフィノトリチン(phosphinothricin)(デ
・ブロック(De Block)、EMB0,,2513〜2518(198
7))、ブロモキシニル(スタルカー(Stalker),1987,
国際特許出願PCT/US/00044),およびスルホニルウレア
類(ホーグン(Haughn),モレキュラー・アンド・ジェ
ネラル・ジェネティックス(Mol.Gen.Genet.),211,26
6〜271(1988))のごとき化学除草剤に対する耐性を付
与する遺伝子が含まれる。ある種の害虫(アダング(Ad
ang),1985,公開欧州特許出願142924号およびベック(V
aeck),ネイチャー(Nature),328,33〜37(198
7))、菌類病(テイラー(Taylor)、モレキュラー・
アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mol.Gen.Gene
t.),210,572〜577(1987))、およびウイルス病(ア
ベル(Abel)、サイエンス(Science),232,738〜743
(1986)およびネルソン(Nelson),バイオテクノロジ
ー(Bio/Technol.),,403〜405(1988)に耐性なト
ランスジェニック植物も設計されてきた。
もう1つの興味ある分野は価値ある特性が付加された
植物、特に作物植物のデザインである。かかる特性の例
は食料作物における栄養品質の改善である。ヒトおよび
単胃の動物の食物における必須のアミノ酸であるリジン
はほとんどの禾穀類における3種の最も限定的栄養素の
中にある。その結果、穀物、大麦、小麦、米、トウモロ
コシ、雑穀、ソルガム等のごとき穀実ベースの食物には
かなり高価な合成リジンまたはリジンを含有する油料種
子蛋白荒粉を補足しなければならない。これらの穀実ま
たはいずれかの飼料成分作物のリジン含有量を増加させ
ると、価値がかなり付加される。今日まで、植物におけ
るリジンレベルを高める試みは通常の育種方法、および
より最近では、突然変異誘発および細胞培養技術に依存
してきた。
トウモロコシ(メルツ(Mertz),サイエンス(Scien
ce),145,279(1964)およびネルソン(Nelson)、サ
イエンス(Science),150,1469〜1470(1965))、大
麦(ムンク(Munck),サイエンス(Science),168,98
5〜987(1970))、および穀実ソルガム(シンら(Sing
h),クロップ・サイエンス(CropSci.),13,535〜539
(1973)の天然に生じる高リジン突然変異体が同定され
ている。各々の場合において、リジン含量の改良は遊離
リジン生産の増加ではなく穀実の総蛋白プロフィールに
おけるシフトに由来するものであり;リジン欠損胚乳蛋
白(プロラミン類)レベルの低下は、リジン富化蛋白
(アルブミン類、グロブリン類およびグルテリン類)レ
ベルの上昇によって補足されている。栄養的には優れる
が、これらの突然変異体は収率の低下および穀類品質の
貧化を伴い、その農学的有用性を限定する。
栄養品質を改良するのに用いる別法アプローチは、上
昇した遊離リジンプールを有する生物化学的品種のin v
itro選抜であった。リジンは高等植物および微生物(第
1図参照)におけるアミノ酸の「アスパラギン酸族」の
メンバーである。従って、その生合成の調節は該族の他
のメンバー:スレオニン、メチオニンおよびイソロイシ
ンのそれに密接に関係する。代謝産物の流れの調節はキ
イとなる酵素工程における最終産物フィードバック抑制
を主として通じるようである。これらの工程の最初、す
なわちアスパラギン酸キナーゼ(AK)によって触媒され
るアスパルテートのリン酸化はすべての4種の最終産物
に共通である。調節の第2の箇所は、分岐点反応:ジヒ
ドロジピコルン酸を形成するピルベートとアスパルチル
セミアルデヒドとの縮合にある。この反応はリジンの生
合成までの最初に特有なものであり、ジヒドロジピコリ
ン酸シンターゼ(DHDPS)、すなわち調査された植物類
におけるリジンによって強くフィードバック抑制される
ことが示されている酵素によって触媒される(ウォルス
グローブら(Wallsgrove et al)、フィトケミストリー
(Phytochem.),20,2651〜1655(1981)、およびクン
パイザル(Kumpaisal)、プラント・フィジオロジー(P
lant Physiol.),85,145〜151(1987))。
AKの1を越える形態の存在を示唆する証拠がある(ミ
フリン(Miflin),1980,ザ・バイオケミストリー・オブ
・プランツ(The Biochemistry of Plants),5巻,アミ
ノ・アシッズ・アンド・デリバティブズ(Amino Acids
and Derivatives),スタンプおよびコン(Stumpf and
Conn)編,420〜426頁、アカデミック・プレス(Academi
c Press))。1の形態はスレオニンによる抑制に対し
て感受性であり、他の形態はリジンによる抑制に対して
感受性である。植物細胞培養の増殖は等モル量のリジン
+スレオニンの存在下で抑制される。この抑制はメチオ
ニンまたは(容易にメチオニンに変換される)ホモセリ
ンの添加によって逆行され得る(グリーンら(Green et
al)、クロップ・サンエンス(Crop Sci.),14,827〜
830(1974))。ヒッバード(Hibberd)は、(プランタ
(Planta),148,183〜187(1980))、この増殖抑制に
耐性のトウモロコシカルスの安定な系を選抜した。これ
らの系はスレオニンを過剰生産(6〜9倍)し、より低
い程度だがメチオニン、リジンおよびイソロイシンを過
剰生産した(2〜4倍)。リジン−耐性AKが観察された
変化の原因であるという証拠が存在した。完全な稔性植
物に再生された系において、過剰生産は安定な遺伝子特
性であった(ヒッバードら(Hibberd et al),PNAS,79,
559〜563(1982))。同様な選抜がタバコ(ブルギン
(Bourgin),1982,バライアビリティ・イン・プランツ
・リージェネレイテッド・フロム・ティシュー・カルチ
ャー(Variability in Plants Regenerated from Tissu
e Culture)、イールおよびデマルリィ(Earle and Dem
arly)編、163〜174頁、プレガー(Praeger)、ニュー
ヨーク)、大麦(アルダ(Arruda)、プラント・フィジ
オロジー(Plant Physiol.),76,442〜446(198
4))、およびニンジン(カトワ−レイネルツ(Cattoir
−Reynaerts)、ビオーミー・ウント・フィジオロギー
・デル・フランツェン(Biochemical Physiol.Pfanze
n),178,81〜90(1983))について行われている。
リジンアナログ類、特にS(2−アミノエチル)−シ
ステイン(AEC)は、単独またはリジン+スレオニン選
択いずれかにおいて、リジン過剰生産突然変異体を単離
する試行において用いられてきた。サノら(Sano et a
l)は、(ジャーナル・オブ・ジェン・アプル・マイク
ロバイオル(J.Gen.Appl.Microbiol.),16,373〜391
(1970))、AEC選択を用いて高リジン細菌突然変異体
を単離することができ、AECはAKまたはDHDPSあるいは双
方の偽のフィードバック抑制物質として作用すると提唱
した。ウィドホルム(Widholm)は、(カナディアン・
ジャーナル・オブ・ボタニー(Can.J.Bot.),54,1523
〜1529(1976)、タバコ浮遊細胞を突然変異誘発し、リ
ジンを10倍過剰生産するAEC耐性細胞を選抜した。リジ
ンを5〜7倍過剰生産するトウジンビエ突然変異体が単
離された(ボイエスら(Boyes et al),プラント・サ
ンエンス(Plant Sci.),50,195〜203(1987))。ブ
ライト(Bright)は、(プランタ(Planta),146,629
〜633(1979)、AECの不存在下でリジンを蓄積せず、AE
C摂取突然変異体であることが示されたAEC−耐性大麦系
を選抜した。また、AECはリジン生合成に干渉するより
もむしろ蛋白類に取り込まれることによって、その抑制
効果を発揮する証拠がある。シャファーら(Schaeffer
et al)、(プラント・フィジオロジー(Plant Physio
l.),84,509〜515(1987)、系列的AECおよびリジン+
スレオニン選択を適用して、種子貯蔵蛋白中に14%の高
いが、遊離リジンよりは高くはないリジンを有する米突
然変異体を得た。AEC抵抗性ジャガイモ培養はジャコブ
セン(Jacobsen)(ジャーナル・オブ・プラント・フィ
ジオロジー(J.Plant Physiol.),123,207〜315(198
6))によって選択された。この突然変異体は対照培養
よりも高い総アミノ酸レベルを有していたが、これはリ
ジン、スレオニンまたはメチオニンの過剰生産によるも
のではなかった。ネグルティ(Negrutiu)は、(セアレ
ティカル・アンド・アプライド・ジェネティッス(Theo
r.Appl.Genet.),68,11〜20(1984))、タバコのプロ
トプラストを突然変異誘発、続いてAEC選択に付した。1
0〜30倍リジンを過剰生産する2種の抵抗性細胞系が得
られている。生物化学的および遺伝子分析により、フィ
ードバック−非感受性DHDPシンターゼが明らかとされ
た。該特性は単一の支配的遺伝子として引き継がれた。
従来、DNA組換えおよび遺伝子移入技術は植物におい
て価値を付加するために代謝物生産の増大の領域に適用
されたことがない。しかしながら、細菌エシェリヒア・
コリ(Escherichia coli)は高等植物と実質的に同一の
経路によってリジンを合成する。ジヒドロピコリン酸シ
ンターゼはイー・コリのdapA遺伝子によってコード付け
され、リジンに対して感受性であり(ユガリら(Yugari
et al)、ビオシミカ・エ・ビウフィジカ・アクタ(Bi
ochim.Biophys.Acta.),62,612〜614(1962))、それ
は植物から単離された同一酵素と比較してin vitroリジ
ンによる抑制に対して200倍感受性が低い。さらに、マ
ルチコピープラスミド上にdapA遺伝子を担持するイー・
コリ細胞は、高レベルの遊離リジンを蓄積し(ダウス−
ルレベランド(Dauce−LeReverand)、ユーロピーアン
・ジャーナル・オブ・アプライド・マイクロバイオロジ
カル・バイオテクノロジー(Eur.J.Appl.Microbiol.Bio
technol.),15,227〜231(1982))、これはDHDPSが律
速段階を触媒することを示唆する。該遺伝子の配列は決
定され、特徴付けられている(リシャウド(Richau
d)、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacteri
ol.),166,297〜300(1986))およびグラスマン(Gla
ssman),1988,エム・エス・セイス(M.S.Theis)、ミネ
ソタ大学、ミネアポリス、ミネソタ州)。
かなり高レベルのリジンを蓄積する植物を容易に得る
ための通常の育種および組織培養技術の相対的無能性を
考慮すると、DNA組替えおよび遺伝子移入技術を適用し
てかかる植物を作出する必要がある。
発明の要約 本発明は、(a)外来性遺伝子を植物組織源の細胞に
導入し、次いで(b)該外来性遺伝子を該細胞で発現さ
せることよりなり、ここに、該外来性遺伝子が、内因的
に生産された遊離リジンによるフィードバック抑制に対
して実質的に耐性であるジヒドロジピコリン酸シンター
ゼ(DHDPS)をコード付けするDNA配列よりなることを特
徴とする植物において遊離L−リジンのレベルを実質的
に増大させる方法を提供する。本発明の方法の実施にお
いて、該外来性遺伝子は該DHDPS DNA配列の5′−末端
に連結し、かつ葉緑体トランジット(transit)ペプチ
ド(CTP)をコード付けする第2のDNA配列よりなる。該
CTPは該DHDPSを、遊離L−リジンの生合成を促進させる
よう作用できる該細胞の葉緑体中に局在化させる。
従って、また、本発明は、内因性リジンによるフィー
ドバック抑制に対し実質的に耐性であるDHDPSの形態を
発現する外来性遺伝子の導入によって形質転換された植
物細胞を提供する。広範囲の植物組織源を完全な植物体
に再生できる技術は公知であるので、また、本発明の方
法は、DHDPSを用いる生合成経路によって遊離L−リジ
ンを生産する形質転換植物を提供するものであり、ここ
に、該DHDPSは外来性(外因性)遺伝子の産物であっ
て、内因的に生産されたリジンによるフィードバック抑
制に対して実質的に耐性である。本発明の方法によって
形質転換された好ましい植物は、前記列挙のごときイネ
科植物種を含む。かかる形質転換植物の食用部分は、同
一種の非形質転換植物におけるリジンレベルよりも少な
くとも約50倍高い遊離L−リジンレベルを有する。
植物細胞を形質転換するのに用いる外来性遺伝子は、
好ましくは、実質的にフィードバック抑制に耐性なDHDP
Sについてコード付けする遺伝子またはその酵素的機能
性断片よりなるキメラ遺伝子発現カセットである。ま
た、該発現カセットはアミノ末端葉緑体トランジット配
列(CTS)をコード付けする第2のDNA配列よりなる。該
DHDPS遺伝子または遺伝子断片はCTS遺伝子に対するその
5′末端にて正しい読取枠にて連結される。外来性遺伝
子は、好ましくは、標的植物細胞で機能する調節領域の
転写および翻訳制御下にある。かかる領域はアグロバク
テリウム・チュメファシエンス(A.Tumefaciens)のTi
またはRiプラスミド、例えば、「T−DNA」のセグメン
トによって植物細胞に移入されたDNA配列から得られ
る。例えば、有用な転写開始領域は、オクトピンシンタ
ーゼ、ノパリンシンターゼまたはマンノピンシンターゼ
をコード付けするTiまたはRiプラスミド遺伝子から単離
できる。該発現カセットは、好ましくは、さらに形質転
換細胞、およびそれに由来する植物が容易に同定できる
ように、薬剤または除草剤耐性のごとき、植物細胞で選
択可能な機能をコード付けする遺伝子よりなる。
さらに、本発明の具体例は、本発明の発現カセットを
取り込むプラスミドのごとき発現ベクターよりなり、該
プラスミドはイー・コリまたはアグロバクテリウムのご
とき細菌にて複製が可能なものである。該外来性遺伝子
は、電気穿孔、マイクロインジェクション、マイクロブ
ロジェクティール注入により、またはリポソームのカプ
セル化を介するごとき方法によって植物細胞のゲノムに
「裸の」DNAとして導入することができる。また、外来
性遺伝子を取り込むプラスミドはアグロバクテリウム・
チュメファシエンス媒介形質転換によって植物細胞のゲ
ノムに組み込むことができる。
遺伝子または遺伝子断片に関して本明細書中で用いる
ごとく、「外来性」なる語は、該遺伝子または遺伝子断
片が、そこで最後に発現される植物種のゲノム以外の1
またはそれ以上の源から得られることを意味する。該源
は天然のものであり得、例えば、該遺伝子は細菌、酵
母、菌類等、あるいは異なる植物種のごときもう1つの
生きた源から得られる。機能的DHDPSをコード付けする
遺伝子の好ましい源はイー・コリdapA遺伝子である。該
源は合成のものでもある得、例えば、該遺伝子または遺
伝子断片は化学合成によってin vitroにて調製できる。
植物細胞に導入された外来性遺伝子または遺伝子断片
に関して本明細書中で用いるごとく、「発現」なる語
は、遺伝子によってコード付けされる産物、例えばDHDP
Sのごとき酵素が細胞内で機能的形態で生産されるよう
に、当該遺伝子が安定に細胞のゲノムに組み込まれるこ
とを意味する。例えば、DHDPSの機能的形態はリジンの
内因性生合成における段階を触媒する。
内因性リジンによるDHDPSのフィードバック抑制に関
して本明細書中で用いるごとく、「実質的に耐性」なる
語は、植物が、DHDPSを合成しない同一種の植物によっ
て蓄積されるより実質的に過剰にリジンを蓄積し、その
ように耐性な程度まで、DHDPSが内因性レジンの存在下
で機能性を維持することを意味する。例えば、本発明の
方法で得られる新規植物は、未変性DHDPSのみを含有す
る同種植物の少なくとも約10倍、好ましくは、少なくと
も約50倍、例えば約50〜200倍高い抽出可能なリジンレ
ベルを持つ。さらに、遊離リジンは変化された特定の植
物種に毒性なレベルでは存在しない。また、「形質転換
された」という植物細胞または植物はそのゲノムに安定
に、機能的に、かつ受け継ぎ可能に組み込まれた外来性
遺伝子または遺伝子断片を有する。
図面の簡単な記載 第1図はリジン生合成経路の模式図であり、以下の文
字は以下の酵素を示す:a…アスパラギン酸キナーゼ;b…
アスパルチル−セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ;c…ジ
ヒドロジピコリン酸シンターゼ;d…ジヒドロジピコリン
酸レダクターゼ;e…スクシニルオキソアミノピメリン酸
シンターゼ;f…スクシニルジアミノピメリン酸アミノト
ランスフェーゼ;g…スクシニルジアミノピメリン酸デス
クシニラーゼ;h…ジアミノピメラート;およびi…メソ
−ジアミノジピメリン酸デカルボキシラーゼ。
第2図は実施例1に記載したごときdapA遺伝子の操作
を概略的に示す。
発明の詳細な記載 本発明は上昇したレベルの遊離リジンを生産する穀実
のごとき植物を得るための新規な方法に関する。過剰生
産はジヒドロジピコリン酸(DHDP)シンターゼ、すなわ
ち植物および細菌双方におけるリジンの生合成での分岐
点酵素をコード付けする細菌遺伝子の導入および導入さ
れた当該遺伝子の発現によってもたらされる。未変性植
物DHDPシンターゼはL−リジンによるフィードバック抑
制に対し高度に感受性であり、該経路の調節のキイとな
る箇所を構成する。対照的に、エシェリヒア・コリから
単離されたDHDPシンターゼは少なくとも200倍高レベル
のL−リジンの存在下で活性である。
植物で高レベルの遊離リジンの蓄積を得るためのリジ
ン耐性DHDPシンターゼをコード付けする遺伝子の導入目
的では、長くかつ複雑な鎖事件が起こる。
まず、細菌DHDPシンターゼ遺伝子をin vitroで修飾し
て植物細胞での遺伝子発現に必要な調節シグナルを包含
させなければならない。植物におけるリジン生合成経路
は葉緑体に隔離されているので、該細菌遺伝子は、好ま
しくは、遺伝子産物をこれらのオルガネラに導くために
は、アミノ末端葉緑体トランジットペプチド配列をコー
ド付けする配列を付加するように修飾する。
リジンの生合成を変更させるためには、遺伝子を植物
細胞に導入し、これらの形質転換細胞が同定されなけれ
ばならない。また、該遺伝子は植物細胞ゲノムに安定に
組み込まれなければならない。遺伝子の転写シグナルは
植物細胞で認識されなければならず、かつそこで機能し
なければならない。すなわち、該遺伝子はメッセンジャ
ーRNAに転写され、該mRNAは植物の核において安定で、
かつ翻訳のために細胞質まで無傷で輸送されなければな
らない。該遺伝子は植物細胞リボソームによって認識さ
れかつ適当に翻訳されるべく適当な翻訳シグナルを有し
ていければならない。ポリペプチド遺伝子産物は細胞質
における蛋白分解攻撃を免れなければならず、かつ酵素
活性を付与する三次元コンフォメーションを採らなけれ
ばならない。細菌DHDPシンターゼはさらにリジンの生合
成で機能できるものでなければならない;すなわち、必
要な基質(アスパルチルセミアルデヒドおよびピルベー
ト)を得、適当な産物(ジヒドロピコリン酸)を経過す
るためには、生合成における(おそらくは葉緑体におけ
る)前後工程を触媒する未変性植物酵素の近くに位置さ
せなければならない、 これらのすべての条件に合致したとしても、リジンの
首尾良い過剰生産は予測されるものではない。DHDPシン
ターゼ工程における調節の減少を補償する他の制御機構
はないにちがいない。これは、生合成の他の抑制のみな
らず、蓄積されたリジンの分解速度を増加させる機構が
ないことを意味する。また、リジンは植物に対し毒性で
ないレベルで過剰生産されなければならない。最後に、
商業的育成および使用を可能とするために、導入された
特性は安定でかつ遺伝性でなければならない。
植物細胞における発現および機能のための細菌遺伝子の
修飾 ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(DHDPS)をコード
付けする遺伝子はジアミノピメリン酸経路によってリジ
ンを合成するいずれの微生物から得ることもできる。遺
伝子の選択におけるキイとなる基準はリジンによる抑制
に対する遺伝子産物(DHDPS)の相対的非感受性であ
る。本発明の方法で用いる好ましい出発物質であるかか
る1の遺伝子は、リジンによるフィードバック抑制に対
し高度に耐性なDHDPSの機能的32kD種をコード付けする
イー・コリdapA遺伝子である。該遺伝子は当該分野でよ
く知られた方法によって微生物から単離できる。かかる
方法はDHDPS′の公知突然変異体の相補用ゲノミックラ
イブラリーのスクリーニング;遺伝子ライブラリーから
発現されたポリペプチドの免疫学的スクリーニング;放
射能標識したオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリ
ダイゼーション用ゲノミックライブラリーのスクリーニ
ング等を包含する。
該オリゴヌクレオチドプローブは他の種の遺伝子か
ら、または単離したDHDPSサブユニットのポリペプチド
配列の逆翻訳から得られる配列に基づいて合成できる。
別法として、該遺伝子は全部または部分的に化学合成で
きる。
単離したならば、標準的なDNA組替え操作および分子
分析を用いて特徴付けられる。かかる技術は当業者によ
く知られており、マニアティスら(Maniatis et al)、
モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニ
ュアル(Molecular cloning:A laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク(1982)
に記載されている。典型的には、DHDPS遺伝子を担持す
るDNA断片を可能な最小の機能的断片まで小さくする;
すなわち、該遺伝子の前後の外来性DNAを、Bal31消化、
公知制限エンドヌクレアーゼ断片の欠失等のごとき方法
によって除去して、DHDPS突然変異体に例えばなお相補
する最小DNA断片を得る。この断片は通常3キロベース
未満であり、より通常には約1キロベースである。次い
で、このDNA断片のヌクレオチド配列をいくつかの常法
のうちいずれかによって決定することができる。次い
で、オープンリーディングフレーム(コーディング配
列)、推定されるRNAポリメラーゼ結合部位(プロモー
ター)、リボソーム結合部位、および転写終止シグナル
配列を同定する。転写開始部位はSlヌクレアーゼマッピ
ングまたはプライマー補修分析のごとき技術によって決
定することができる。単離した遺伝子をプラスミド上に
取り込む細菌(典型的には、イー・コリ)の抽出物を検
定してDHDPS活性の存在および添加L−リジンに対する
酸素活性のin vitro相対的耐性を確認する。
特徴付けを終えたならば、該遺伝子を修飾して、遺伝
子産物の宿主植物細胞における取り込み、発現、および
機能を可能とする。好ましい修飾は;1)アミノ末端葉緑
体トランジットペプチドについてコード付けするDNA配
列をDHDPSコーディング配列の5′末端に付加すること;
2)植物細胞によって認識されかつそこで機能する5′
および3′調節配列で細菌の5′および3′調節配列を
置き換えること;および3)この植物特異的発現カセッ
トを、DHDPS遺伝子を宿主植物細胞に導入し、かつそこ
でそれを安定に確立するのに適したベクターに挿入する
ことである。
葉緑体トランジットペプチド(CTP)DNA配列の付加 今日までに植物で調べられているすべてのリジン生合
成酸素を葉緑体中に局在させることができる。かくし
て、外来性遺伝子の産物の適当な局在を達成するには、
葉緑体トランジットペプチド配列をコード付けするDNA
断片を、DHDPSについてコード付けするDNA配列の5′末
端に、適当な読み枠にて連結させ、それにより完全なト
ランジットペプチド−DNAプレ蛋白が遺伝子融合の転写
産物から翻訳される。有用なトランジットペプチド(典
型的には長さが40〜70個のアミノ酸)は翻訳の後に機能
してプレ蛋白を葉緑体に導き、そこで該プレ蛋白はエネ
ルギー依存性過程に移入される。該トランジットペプチ
ドは該移入の間またはその直後に切断されて成熟ポリペ
プチドが生成する。
このトランジットペプチドをコード付けするDNA断片
は、植物核遺伝子の産物がアミノ末端トランジットペプ
チドよりなりプレ蛋白として発現され、かつ葉緑体に移
入される限り、種々の当該遺伝子から得ることができ
る。かかるトランジットペプチド配列を包含することが
公知の植物遺伝子産物の例はリブロースビスホスフェー
トカルボキシラーゼのスモールサブユニット、フェレド
キシン、クロロフィルa/b結合蛋白、核遺伝子によって
コード付けされる葉緑体リボソーム蛋白、ある種の熱シ
ョック蛋白、アセトヒドロキシ酸シンターゼおよび3−
エノールピルビルホスホシキミ酸シンターゼのごときア
ミノ酸生合成酵素である。別法として、該トランジット
ペプチドをコード付けするDNA断片は前記したごときト
ランジットペプチドの公知配列から全部または一部分を
化学合成できる。
トランジットペプチドをコード付けするDNA断片の源
とは無関係に、それは翻訳開始コドンを包含し、かつ宿
主植物の葉緑体によって認識されそこで適当に機能する
アミノ酸配列をコード付けしなければならない。プレ蛋
白が切断されて成熟DHDPSが生じるトランジットペプチ
ドと成熟DHDPSサブユニットとの間の連結部におけるア
ミノ酸配列にも注意されたい。ある種の保存されたアミ
ノ酸配列は同定されており、ガイドラインとして役に立
ち得る。トランジットペプチドコーディング配列とDHDP
Sコーディング配列との正確な融合には、例えば、都合
良い制限部位を導入する1または双方のDNA配列の操作
が必要とされる。これは、部位指向性(site−directe
d)突然変異誘発、化学的に合成したオリゴヌクレオチ
ドリンカーの挿入等を含めた方法によって達成できる。
葉緑体トランジットペプチドの機能は以下のごとくに
in vitroで検定できる。SP6、T3、T7等のごときバクテ
リオファージプロモーターの転写制御下、適当な向き
に、トランジットペプチド−DHDPS遺伝子を位置させる
ように、当該遺伝子発現カセットを多数のプラスミド−
ベクターのいずれに導入することもできる。次いで、得
られたプラスミドをコーディング配列の3′側の唯一の
制限部位で消化して、線状DNA分子を得る。次いで、こ
のDNA分子を、用いるプロモーターに特異的なRNAポリメ
ラーゼを用い、ラン−オフ(run−off)転写反応に付
す。かかる反応の収量は、典型的には、線状DNA鋳型1
μg当たり実質的に純粋なメッセンジャーRNA(mRNA)1
0〜12μgである。次いで、小麦胚芽またはウサギ網状
赤血球溶解物のごときin vitro翻訳系を用い、1または
それ以上の放射能標識アミノ酸の存在下で、これらのmR
NA転写産物を翻訳させて放射能標識プレ蛋白を得る。
次いで、該放射能標識プレ蛋白を、移入効率を検定す
る光の存在下で、単離した無傷葉緑体と共にインキュベ
ートする。次いで、該葉緑体をテルモリジン(thermoly
sins)、トリプシン、キモトリプシン等のごときプテロ
アーゼまたはその組み合わせで処理する。この処理によ
り、葉緑体内に隔離されていないいずれの蛋白も分解さ
れる。プロテアーゼ阻害剤の存在下で洗浄した後、撹
拌、凍結/解凍処理、浸透圧低下またはこれらの組み合
わせによって葉緑体を溶解する。溶解産物は(a)直接
検定でき、(b)まず、標準的なプロトコルによって生
成したDHDPSサブユニット抗菌抗血清を用いて免疫沈殿
に付すことができ、(c)遠心してストロマ蛋白(上澄
み)をチラコイド膜に局在する蛋白(ペレット)から分
離することができ、あるいは(d)これらの手法の組み
合わせを用いることができる。SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル分析を用いて成熟細菌DHDPSサブユニットの分子
量に対応する放射能標識蛋白バンドの存在または不存在
を確認する。バンドの存在は、該プレ蛋白が移入され、
正しいサイズに加工されたことを示す。
植物に認識される調節配列の付加 植物細胞におけるDHDPSのごとき細菌遺伝子の発現に
は、植物細胞によって認識されかつそこで機能する調節
配列が必要である。これらの配列は5′転写開始領域お
よび3′転写および翻訳終止領域を含む。該5′転写開
始領域はRNAポリメラーゼ結合部位(プロモーター)を
含む。また、それは、調節が化学的もしくは物理的誘導
または抑制によって媒介される転写の調節に必要な領域
も包含し得る。
かかる調節の例はリブロースビスホスフェートカルボ
キシラーゼスモールユニッの光誘導発現、熱ショック蛋
白の熱誘導発現、植物ホルモンまたは他の代謝産物によ
って調節される遺伝子、発生的に調節される発現、傷ま
たはストレス−誘導発現等を含む。
該5′配列は転写エンハンサー配列を含み得る。該
5′領域は宿主植物に本来のものでよく、あるいは配列
が宿主植物で機能する他の植物に由来するものでもよ
い。また、適当な配列は、オクトピンシンターゼ、ノパ
リンシンターゼ、マンノピンシンターゼ等を含めたアグ
ロバクテリウム・チュメファシエンスのTiプラスミドの
遺伝子から得ることもでき、あるいは、ある種のウイル
ス遺伝子から得ることもできる。別法として、転写開始
領域は全部または部分的に化学的に合成することもでき
る。
該3′領域は転写終止配列を包含し得、およびポリア
デニル化シグナル配列を含み得る。この領域は該5′配
列と同一の遺伝子から、あるいは異なる遺伝子から由来
するものでよい。これらの配列も化学的に合成すること
ができる。
得られた発現カセットは5′転写開始領域、葉緑体ト
ランジットペプチドコーディング領域、細菌DHDPSサブ
ユニットコーディング配列、翻訳停止コドン、および
3′転写終止領域よりなる。該カセットは、通常、5キ
ロベース未満を包含し得、好ましくは2および3キロベ
ースの間を包含し得る。
植物の形質転換用ベクターへの発現カセットの挿入 細菌DHDPS発現カセットを植物細胞へ導入するベクタ
ーの選択は形質転換法の選択に依存する。即ち、宿主植
物および植物組織源の選択に依存する。マイクロプロジ
ェクティール、マイクロインジェクション、電気穿孔、
Ca++−沈殿DNAを用いるインキュベーション、(好まし
くはPVAおよびCa2+存在下での)外来性DNAを含有するリ
ポソームを用いるインキュベーション、ウイルス系、お
よびアグロバクテリウム媒介形質転換の使用を含めた広
範囲のプロトコルが単子葉および双子葉植物双方に外来
性DNAを導入するのに利用できる。その開示をここに参
照のために挙げるエム・フロムら(M.Fromm et al)、P
NAS USA,82,5824(電気穿孔)、ティ・エム・クライン
ら(T.M.Klein et al),ネイチャー(Nature),327,7
0(1987)(マイクロプロジェクティール)、ピイ・ル
ルキンら(P.Lurquin et al)(プラント・サイエンス
・レターズ(Plant Sci.Lett.),25,133(1982)(リ
ポソーム)およびジェイ・パスツコフスキィら(J.Pasz
kowski et al),EMB0 J.,,2717(1984)(CaMV遺伝子
VI発現シグナルの使用)参照。最初の5つの方法は「裸
の」DNAについて行い、そこでは発現カセットが、プラ
スミドpBR322、pRK290、pACYC184等のごときいずれかの
イー・コリのクローニングベクターに単純に担持させる
ことができる。ウイルスベクターの場合、該系は複製機
能を保持するが病気誘導についての機能を欠くことが望
ましい。
アグロバクテリウム媒介形質転換については、発現カ
セットをベクターに包含させて、TiまたはRiプラスミド
移入DNA(T−DNA)の右および、所望により左、境界を
表す、アグロバクテリウムTiまたはRiプラスミドの断片
を両側に位置させる。これにより、外来性遺伝子の宿主
植物細胞のゲノムへの組み込みが容易となる。また、こ
のベクターは、アグロバクテリウム細胞、ならびにイー
・コリ細胞におけるプラスミドの複製を容易とする。
すべてのDNA操作は、典型的には、イー・コリ細胞で
行い、DHDPS発現カセット担持する最終のプラスミド
を、直接DNA形質転換、接合等によってアグロバクテリ
ウム細胞に移動させる。これらのアグロバクテリウム細
胞は、やはりTiまたはRiプラスミドに由来する第2のプ
ラスミドを含有する。この第2のプラスミドは、植物細
胞への外来性DNAの移入に必要なすべてのvir遺伝子を担
持する。
ベクターまたは形質転換プロトコルの選択とは無関係
に、形質転換植物細胞の同定は、植物細胞で選択可能な
機能をコード付けする遺伝子を包含させることによって
容易化される。好ましい遺伝子は、ヒグロマイシン、カ
ナマイシン、メトトレキサート、およびある種の除草剤
に対する耐性のごとき、植物細胞に対し化学的な通常の
抑制に対する耐性をコード付けする遺伝子である。選択
可能なマーカーを、DHDPS担持プラスミドで共形質転換
した別のプラスミドに担持させることができるか、ある
いはDHDPSカセットとして同一のプラスミドに担持させ
ることができる。アグロバクテリウム媒介形質転換の場
合において、T−DNA境界領域によって両側を挟まれた
プラスミドの領域内に選択可能なマーカーを含有させる
ことができる。別法として、β−グルクロニターゼ遺伝
子のごときスクリーニング可能なマーカーを選択可能マ
ーカーの代わりに用いることもできる。この遺伝子で形
質転換した細胞は、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドイル−β−D−グルクロニド(X−Gluc)での処理に
よる青色生成物が生じることによって同定できる。
植物の形質転換および再生 形質転換についての植物組織源の選択は宿主細胞の性
質および形質転換プロトコルに依存する。有用な組織源
はカルス、浮遊培養細胞、プロトプラスト、葉セグメン
ト、茎セグメント、雄穂、花粉、胚芽、胚軸、塊茎セグ
メント、分裂組織領域等を包含する。好ましくは、該組
織源は形質転換後に完全な稔性植物に再生される能力を
保持するものとする。
形質転換は、選択した植物組織に指向される条件下で
行う。植物細胞または組織を、効果的な間、DHDPS発現
カセットを担持するDNAに暴露する。これは、プラスミ
ド担持アグロバクテリウム細胞の存在下、電気穿孔用電
気の1秒パルス未満から2〜3日の共培養の範囲とする
ことができる。また、用いる緩衝駅および培地は植物組
織源および形質転換プロトコルに応じて変更することが
できる。多くの形質転換プロトコルでは、固形培地平板
の表面に、形質転換すべき植物細胞または組織から滅菌
濾紙ディスクによって分離した、浮遊培養細胞のフィー
ダー層(例えば、タバコまたはブラックメキシカンスィ
ート)を使用する。
DNAでの処理の後、植物細胞または組織を選択に先立
ち種々の期間培養できるか、あるいは前記したごとき選
択剤に直ぐに暴露させることができる。アグロバクテリ
ウムへの暴露を含めたプロトコルは、また、アグロバク
テリウム細胞の増殖に対し抑制的な剤を含む。通常用い
る化合物はセフォタキシムおよびカルベニシリンであ
る。選択で用いる培地は、形質転換カルスまたは浮遊培
養細胞を未分化状態に維持するか、あるいは、カルス、
葉または茎セグメント、塊茎等から苗条の生産を可能と
するように処方できる。
通常に抑制的な濃度の選択剤の存在下において増殖す
ることが観察された細胞またはカルスは形質転換された
と推定でき、同培地上でさらに数回継代培養して非耐性
セクションを除去することができる。次いで、該細胞ま
たはカルスを細菌DHDPS遺伝子カセットの存在について
検定できるか、あるいは公知の植物再生プロトコルに付
すことができる。苗条の直接生産を含めたプロトコルに
おいて、選択培地上に現れた苗条は形質転換されたと推
定され、切り出し、根の生成に適した選択培地上で発根
させるか、あるいは根誘導化合物中に切り出した苗条を
単に浸漬することによって発根させ、バーミキュライト
中にそれを直接植えることができる。
再生植物およびその後代の特徴付け 上昇した浮遊リジンレベルを示すトランスジェニック
植物を生産するためには、細菌遺伝子を植物細胞に取り
込み、植物ゲノム内に安定に組み込まなければならな
い。抑制剤に対する耐性について選択した植物細胞およ
び組織は、形質転換処理の間に、この耐性をコード付け
する遺伝子を獲得したと推定される。このマーカー遺伝
子は通常細菌DHDPシンターゼに連結しており、細菌DHDP
シンターゼ遺伝子も同様に獲得されたと推定できる。次
いで、細菌DHDPシンターゼ遺伝子に特異的なプローブを
用いるサザーンブロットハイブリダイゼーション分析を
用いて外来性遺伝子が植物細胞のゲノムに取り込まれ、
組み込まれたことを確認することができる。また、この
技術により、組み込まれた遺伝子のコピー数を示すこと
もできる。外来性遺伝子がmRNAに首尾よく転写されたこ
とは、同様に、全細胞RMAおよび/またはポリアデニル
化領域で富化した細胞RNAのノーザンブロットハイブリ
ダイゼーション分析を用いて検定できる。
転写されたならば、該mRNAは、植物リボソームによっ
て、細菌DHDPシンターゼユニットのごときポリペプチド
に翻訳されなければならず、触媒活性を付与する3次元
コンフィギュレーションを採ることができなければなら
ない。細菌DHDPインターゼ遺伝子を担持し転写すること
が共に示された植物細胞または組織は、さらに、細胞ま
たは組織の抽出およびリジン−耐性DHDPシンターゼ活性
の証明によって特徴付けを行うことができる。このIn v
itroリジン耐性は、好ましくは、遺伝子源として作用す
る微生物の抽出物で観察され、対照植物細胞または組織
から抽出できる高いリジン感受性の元来のDHDPシンター
ゼ活性から容易に区別されるべき耐性に匹敵する。カセ
ットの構築で用いた転写開始および調節配列に応じ、該
活性はすべての植物組織で、選択した組織で、または選
択した誘導条件下のみで検出できる。
細菌DHDPシンターゼ活性の植物における位置とは無関
係に、それは、リジン生合成に関与でき、基質の産物へ
の転換を触媒できるように、植物細胞内に位置させなけ
ればならない。細菌DHDPシンターゼがかく関与する能力
は、リジンアナログS−(2−アミノエチル)−システ
イン(AEC)に対する植物細胞または組織の相対的耐性
を測定することによって評価できる。リジンと同様に、
AECは植物DHDPシンターゼの優れた抑制剤である。抑制
濃度のAECに暴露された植物細胞または組織はリジンが
効果的に欠乏する。しかしながら、イー・コリからのDH
DPシンターゼはこの抑制に対してかなり感受性が低い。
通常に抑制的な濃度のAECに対抗する活性な細菌DHDPシ
ンターゼを発現する植物細胞または組織の能力は、該細
菌酵素はリジンの生合成で適当に機能していることを強
く示唆する。
細菌DHDPシンターゼがリジンの生合成に寄与している
ならば、および他の機構が遊離リジンプールを調節する
ように作用していないならば、遊離リジンは対照植物の
細胞または組織で観察されたよりも高いレベルまで蓄積
され得る。遊離アミノ酸レベルは、トランスジェニック
植物の細胞または組織のトリクロロ酢酸(TCA)抽出物
の逆相HPLC分析によって容易に測定することができる。
これらの機構でかなり上昇したレベルの遊離リジンを
蓄積する植物を成体まで成育させる。これらの植物を開
花させ、自家授粉させるか、あるいは適当な親系統に交
配させて種子を得ることができる。次いで、この種子を
所望の特性の遺伝について分析することができる。
種子の最初のスクリーニングは、対照種子から発芽し
た実生の成育を抑制する濃度のAECの存在下での発芽お
よび実生発育とすることができる。AEC耐性を示す実生
を発育させ、元の再生植物について前記したごとく詳細
に特徴付けを行うことができる。
かかる形質転換によって改善された植物は、加工植物
(大豆、カノラ(canola)、ジャガイモ、トマト、ハウ
チワマメ、ヒマワリおよび綿実)、飼料植物(アルファ
ルファ、クローバーおよびウシノケ草)、および穀実
(トウモロコシ、小麦、大麦、オート麦、米、ソルガ
ム、キビおよびライ麦)を包含するが、それらに限定さ
れるものではない。該植物または植物の部分は飼料また
は食品として用いることができるか、あるいはリジンは
飼料または食品添加物として抽出することができる。
ここに記載する該遊離リジンのレベルは形質転換植物
の葉で上昇するが、本発明の方法は塊茎および種子を含
めた他の植物器官での遊離リジンレベルの上昇を可能と
する。
本発明は以下の詳細な実施例によってさらに記載す
る。
実施例1 A.材料および方法 制限エンドヌクレアーゼ、T4リガーゼ、ポリヌクレオ
チドキナーゼ、および子ウシ腸ホスファターゼはすべて
製造業者の推奨法に従って用いた。標準的なDNA組換え
技術、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)細胞の
形質転換、および分子分析はマニアティスら(Maniatis
et al)、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラト
リー・マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory M
anual)、コールド・スプリングハーバー・ラボラトリ
ー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク
(1982)に従って行った。
すべてのin vitro転写(SP6)および翻訳(ウサギ網
状赤血球溶解物)をプロメガ・バイオテク(Promega Bi
otec)(マジソン、ウィスコンシン州)からの試薬を用
いて行い、製造業者のプロトコルに従った。
オリゴヌクレオチドはホスホルアミデイト法(カルザ
ース(Caruthers)、サイエンス(Science),230,281
〜285(1985))を用いて化学的に合成した。
アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobact
erium tumefacience)株LBA4404(pAL4404)(ヘケマら
(Hoekema et al)、ネイチャー(Nature),303,179〜
180(1983))をすべての植物細胞形質転換で用いた。
dapA遺伝子の単離および特徴付けはグラスマン(Glas
sman)、「エシェリヒア・コリのdapA遺伝子のクローニ
ングおよび特徴付け(Cloning and Characterizatjon o
f the dap A Gene of Escherichia coli)」(エム・エ
ス・セイス(M.S.Thesis)、セシス(Thesis)、ミネソ
タ大学、ミネアポリス、ミネソタ州(1988))に記載さ
れており、ここに参照のために挙げる。
該遺伝子はエシェリヒア・コリのゲノミックライブラ
リー(クラーケおよびカーボン・コレクション・オブ・
ハイブリッド・プラスミズ(Clarke and Carbon Collec
tion of Hybrid Plasmids)、イェール医学大学、ニュ
ーハーベン、コネチカット州)から単離した。dapA遺伝
子を担持することが報告されているプラスミド(pLC173
0)の断片をクローニングベクターpBR322に継代クロー
ン化した。dapA遺伝子を担持する断片をイー・コリのda
pA突然変異体の相補によって同定し、(ジヒドジピコリ
ン酸シンターゼサブユニットの分子量に対応する)分子
量32キロダルトンのプラスミドコード付け蛋白の証明に
よって、およびジヒドロジピコリン酸シンターゼ酵素活
性によって確認した。1のかかるプラスミド構築体のヌ
クレオチド配列を決定し、推定されるプロモーター配列
およびdapA遺伝子についてのコーディング配列を同定し
た。外来性フランキングDNAをさらに継代クローニング
によって除去した。
特に興味深いのは、プラスミドpDAP1763およびpDAP12
05である。pDAP1763は1564bpのNde I−BstE II断片上に
完全なdapAコーディング配列−5′および3′非翻訳領
域を担持する。pDAP1205はコーディング配列の最後の13
塩基を失った1375bpNde I−Sph I断片およびすべての非
翻訳3′配列を担持する。両プラスミドは、pBR322の誘
導体である。
B.葉緑体トランジットペプチド配列 エンドウ豆葉緑体トランジットペプチドをコード付け
するDNA配列は、まず、配列のサブ断片を合成し、次い
で、これらを合することによって構築した。
エンドウ豆のリブロースビスホスフェートカルボキシ
ラーゼスモールサブユニット遺伝子の葉緑体トランジッ
トペプチドについての公表された配列(カッシュモアー
(Cashmore)、ジェネティック・エンジニアリング・オ
ブ・プランツ(Genetic Engineering of Plants)、エ
イ・ホレンダー(A.Hollaender)編、プレニム・プレス
(Plenum Press)(1983))に基づき、8のオリゴヌク
レオチド(ストランド当たり4)を化学的に合成した。
T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて6の内部5′末端
塩基をリン酸化し、次いで、すべての8のオリゴヌクレ
オチドの100ピコモルを合計容量70μにて一緒に混合
した。この混合物の10マイクロリットルをHind III−Sp
h I消化のpPo126(ロビンズら(Robbins et al)、ジャ
ーナル・オブ・ハイロロジー(J.Viorl),58,339〜347
(1986))の100ngと合し、95℃で5分間変性し、室温
で2時間アニールし、次いで結んでpSTP31を得た。合成
配列は、Hind III5′突出、非翻訳リーダーの30bp、57
−アミノ酸トランジットペプチド(tp)をコード付けす
る171bp、およびトランジットペプチドについての進化
過程で保存された切断部位を表す3′Sph I突出よりな
るものであった。
C.植物細胞で用いるdap−A遺伝子の修飾 dapA遺伝子のコーディング領域に対し外部の細菌DNA
を除去し、植物によって認識され加工される配列で置き
換えた。
前記トランジットペプチド配列を付加するために、da
pAコーディング配列の5′末端を修飾してSph I部位を
生成させた。これは、pDAP1763における108bp Nsi I−N
ru I断片を、Msi IおよびNru I部位双方を再生する29bp
合成リンカーで置き換えることによって達成した。この
手法によって、dapAについての細菌プロモーターを欠失
し、CCATGTないしGCATGCからの開始コドンを囲む配列を
変化させ、かくして、必要なSph I制限部位を生成し
た。この変化の結果、アミノ酸配列の部位2においてフ
ェニルアラニンないしロイシン置換が生じることが期待
される。このプラスミドをpDAP1900と命名した。dapAコ
ーディング配列(最後の13塩基対未満)を包含するpDAP
1900の865bp Sph I断片を、dapAコーディング配列の
5′末端が合成トランジットペプチド配列に融合し、エ
ンドウ豆スモールサブユニットプレ蛋白の天然切断部位
が回復されるようにSph I−消化のpSTP31に結んだ。得
られたプラスミドをpDAP4001と命名した。このプラスミ
ドにおけるポリリンカーはコーディング配列の末端の直
ぐ3′側にSac Iを提供した。この部位を用いてトラン
ジットペプチド(tp)::dapAカセットをHind III−Sab
I1070bp断片としてHind III−Sac I切断pGEM3(プロメ
ガ・バイオテク(Promega Biotec)、マジソン、ウィス
コンシン州)に移動させ、プラスミドpDAP4104を得た。
dapAコーディング配列の3′末端を同様に修飾して4
つの事を行った:(1)Sph I部位を破壊し(5′末端
に生成した部位を唯一のものに変え)、(2)pDAP1205
の元の構築体で失われた配列の最後の4個のアミノ酸を
回復し、(3)2の停止コドンを付加し、および(4)
コーディング配列の末端に隣接してBamH I部位を生成し
た。
これは、プラスミドpDAP1205をSph I+BamH Iで消化
し、pBR322DNAの代わりに25bp合成リンカーを結んでプ
ラスミドpDAP1252を得ることによって行った。Sph I部
位の破壊によって推測アミノ酸配列のアラニンないし28
9位のグリシンまでのコドン変化が生じた。
新しく生じたBamH I部位を用いて、植物細胞によって
認識される転写終止シグナルを付加した。pDAP1252をBa
mH IおよびHind IIIで消化し、pTiC58のノパリンシンタ
ーゼ(nos)遺伝子(ヌクレオチド673ないし422、ベバ
ンら(Bevan et al)、NAR,11,369〜385(1983))から
の転写終止およびポリアデニル化シグルを含有するpRL1
01からの260bp BamH I−Hind III断片に結んだ。この構
築体をpDAP1264と命名した。
最後に、修飾したdapA末端を合して遺伝子を再構築し
た。pDAP1264を(dapAコーディング配列の中央におい
て)BstE IIおよび(nosポリA配列の末端の丁度3′側
において)EcoR Iで消化し、BstE II−EcoR I消化のpDA
P4104に結んだ。このプラスミドpDAP4201は、すべてpGE
M3におけるSP6プロモーターの転写制御下にある、dapA
のコーディング配列およびnos3′領域に融合した合成葉
緑体トランジットペプチド(STP)配列を担持してい
た。この構築体を、前記第4節で記載したごとくに、ト
ラジッシペプチド機能のin vitro分析で用いた。
植物細胞における遺伝子機能のin vivo研究のため
に、前記したSTP::dapA::nos3′カセットを、以下のご
とくに、CaMVの35Sプロモーターの制御下に置いた。pCa
MVPRO(ブイ・ワルボット(V.Walbot)からの寄贈;フ
ロムら(Fromm et al)、PNAS,82,5824〜5828(1985)
参照)からの35Sプロモーターを担持する450bp BamH I
−Bgl IIをpPo126ポリリンカーのBamH I部位に挿入する
ことによって、pPo126からプラスミドp35−227を得た。
この構築によりHind III部位をプロモーターの丁度3′
側に置いた。完全なdapA遺伝子カセットを担持するpDAP
4201の1340bp Hind III断片をこの部位に正しい向きに
結んで、植物細胞における発現用の機能的転写ユニット
を形成した(プラスミドpDAP4307)。
D.トランジットペプチドのin vitro機能 無傷葉緑体によるdapA遺伝子産物の移入および加工を
指示する合成トランジットペプチド配列の能力を、in v
itro葉緑体移入アッセイ(デラ−シオパら(della−Cio
ppa et al)、バイオテクノロジー(Bio/Technolog
y),,579〜584(1987))を用いて評価した。該アッ
セイ用の35S−メチオニン標識プレ蛋白を以下のごとく
に調製した。
pDAP4201 DNAをEcoR Iで消化し、SP6ポリメラーゼを
用いてラン−オフ(run−off)転写に付した(メルトン
ら(Melton et al)、NAR,12,7035〜7056(1984))。R
NAseフリーDNAse Iでの消化によるプラスミドDNAの除去
の後、mRNAをエタノール沈澱させ、25μ滅菌蒸溜脱イ
オン水に再懸濁し、分光光学的に定量した。このmRNAの
8マクイログラムを、合計容量145μ中の2.5μCi/μ
35S−メチオニン(ニュー・イングランド・ヌクレ
アー(New England Nuclear)、ボストン、マサチュー
セッツ州)を包含するin vitro転写反応(ウサギ網状赤
血球溶解物)で用いた。反応混合物を30℃で90分間イン
キュベートし、それを氷上に置くことによって停止し
た。
エンドウ豆実生について記載されている方法(バート
レットら(Bartlett et al)、メソッズ・イン・クロロ
プラスト・モレキュラー・バイオロジー(Methods in C
hloroplast Molecular Cloning),エデルマンら(Edel
man et al)編、エルセビエ・バイオメディカル・プレ
ス(Elsevier Biomedical Press(1982))を用いて、
ラティカ・サティバ(Latuca sativa)(タチシシャレ
タス)の脱脈葉から活性な無傷葉緑体を単離した。単離
した葉緑体を移入緩衝液(50mM HEPES、pH7.6,0.3Mソル
ビトール)に再懸濁し、2mg/mlクロロフィルに調整し、
用いるまで氷上に維持した。
in vitro転写産物(ほとんどtp::DHDPSサブユニット
プレ蛋白)の5マイクロリットルを、氷上で、110μ
移入緩衝液、25μ0.1M L−メチオニン、15μ0.1M A
TP、および100μ葉緑体と合した。該移入反応混合物
を角に置き、室温にて150Wファイバー光学バルブの前で
直接穏やかに回転させた。5、10および15分に、70μ
試料を取り出し、10mMのCaCl2中の1mg/mlテルモリジン
の7μを含有する氷上のエッペンドルフ試験管にピペ
ットで入れた(クラインら(Cline et al)、プラント
・フィジオロジー(Plant Physiol.),75,677〜678)1
984))。対照として、15分に採取した第2の試料を、
7μ10mM CaCl2を含有する氷上の試験管にピペットで
入れた。すべての試験管を氷上で20分間インキュベート
し、次いで、50mM EDTAを含有する150μ移入緩衝液で
希釈してテルモリジンを抑制した。10秒間遠心した後、
葉緑体を50μ溶解緩衝液(10mM HEPES pH7.5,10mM E
DTA,1mM PMSF,30μg/mlアプロチニン)に再懸濁し、2
サイクルの凍結/解凍および撹拌によって溶解した。溶
解物を14000×gで220分間遠心してストロマ(上澄み)
およびチラコイド(ペレット)画分を分離した。
12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(レムリィ(Lae
mmli),ネイチャー(Nature),227,680(1970))を
通してストロマ蛋白試料を電気泳動泳動に付した。該ゲ
ルを染色し、乾燥し、オートラジオグラフィーに付し
た。対照試料[プロテアーゼなし]は該tp::DHDPSサブ
ユニットプレ蛋白に対応する42キロダルトンのバンドを
示した。すべての3つのテルモリジン−処理試料は該42
キロダルトンのバンドを欠き、代わりに、蛋白分解消化
から保護された約32キロダルトンにて移動するバンドを
示し、従って、葉緑体に移入されたと結論された。該32
キロダルトン蛋白は成熟細菌ジヒドロジピコリン酸シン
ターゼサブユニットの分子量に対応する。
E.バイナリベクターpBV Iの構築 以下の節では、修飾されたdapAの植物細胞への導入に
用いるベクターの構築を記載する。該ベクターは、遺伝
子を植物ゲノムに組み込むのを容易とするためのpTiAch
5の左および右側T−DNA境界、イー・コリについての選
択可能マーカー(アンピシリン耐性)、アグロバクテリ
ウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefacien
s)およびタバコについての選択マーカー(カナマイシ
ン耐性)、およびイー・コリおよびアグロバクテリウム
・チュメファシエンス双方でのプラスミド複製を可能と
する複製始点配列よりなる。
1.T−DNA境界の継代クローニング pOTY8(ヘケマ(Hoekema)、前掲)をBam IおよびCla
Iで消化し、次いで、1206bp断片(バーカーら(Barker
et al)、プラント・モレキュラー・バイオロジー(Pl
ant Mol.Biol.),,335〜350(1983)によるとヌクレ
オチド1ないし1206;また、デボスら(Devos et al),
プラスミド(Plasmid),,249〜253(1981)参照)を
単離することによってpTiAch5 TLDNAの左側境界を得
た。該断片をBal II−Cla I−消化のpPo126に結んでプ
ラスミドpOTBL1を得た。
Hpa IおよびXho Iで消化したpPO126のポリリンカー領
域に挿入した5766bp Hpa I−Xpo I断片として、右側境
界をpOTY8から同様に得た。
2.pSa複製始点の継代クローニング pUCD2(クローズら(Close et al)、プラスミド(Pl
asmid),12,111〜118(1984))をHinc IIおよびBamH
Iで消化することによってpSaの広宿主範囲複製始点を得
た。該2900bp複製始点断片をHpa I−Bgl II−消化のpPo
126で結んだpPolSaを得た。
3.左および右側T−DNA境界およびpSa複製始点を含有す
るプラスミドの構築(pBR322LRSa) 左および右側T−DNA境界およびpSa複製始点を以下の
ごとくにpBR322に挿入した。pOTBL1をCla IおよびHind
III(ヌクレオチド602、バーカー(Barker)、前掲)で
消化して604bp断片を得、次いで、これをDNAポリメラー
ゼのクレノー断片で平滑末端とした。該DNA断片をpBR32
2のPvu II部位に挿入してpBR322Lを得た。右側境界をpT
B11828(ヌクレオチド13774〜14686、バーカー(Barke
r)、前掲)からの912bp Cla I−BamH I断片上に担持さ
せ、Cla I−BamH I−消化のpBR322Lに結んでpBR322LRを
得た。
pBR322LRのハイブリッドCla I部位はイー・コリ株MC1
000に対するメチル化に対して感受性であり、従って、C
la Iによる消化に対して抵抗性である。該プラスミドの
イー・コリ株GM272(dam-,dcm-)(マリナスら(Marinu
s et al)、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.B
acteriol.),114,1143〜1150(1973))への移入によ
り、pPolSaからの2900bp EcoR I−Cla I pSa断片のEcoR
I−Cla I−消化のpBR322LRへの挿入が可能となった。
得られたプラスミドをpBR322LRSaと命名した。
4.カナマイシン耐性マーカーの構築 pTiAch5 TRDNAの転写産物24からのプロモーターを用
い、アグロバクテリウムおよび植物双方においてカナマ
イシン耐性を付与することができる選択可能なマーカー
を構築した。このプロモーター領域を、ヌクレオチド21
631ないし20128(バーカー(Barker)、前掲)を表すpR
K290−EcoΔCla(ゲルビンら(Gelvin et al),モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッス(Mol.Ge
n.Genet.),199,240〜248(1985))からの1503bp Eco
R I−Cla I断片としてこのプロモーターを単離した。該
断片を、EcoR IおよびCla Iで消化したpPo129に結んでp
PoIPTRを得た。転写産物24プロモーターの丁度3′側の
ポリリンカー中のBamH I部位を用いてTn5(ロスシュタ
インら(Rothstein et al)、セル(Cell),19,795〜8
05(1980))からの1500bp Bgl II−BamH I断片を挿入
した。この断片はネオマイシンホスホトランスフェラー
ゼII(NPT II)コーディング配列を含有するが、本来の
NPT IIプロモーターを欠く。転写産物24プロモーターに
関する断片の機能的向きは、得られたプラスミドpPOINP
T IIがカナマイシン耐性をイー・コリ細胞に付与する能
力によって確認した。
pTiAch5のオクトピンシンターゼ(ocs)遺伝子からの
ポリアデニル化シグナル配列はpTB11828(ヌクレオチド
125541〜11834、バーカー(Barker)、前掲)からの707
bp Pvu II断片として単離した。この断片をSma I−消化
のpPolNPT IIに結んでNPT IIコーディング配列の3′側
の外来性Tn配列の500bpを置き換えた。ポリA断片の正
しい向きは、Xma IIIでの消化によって生成した断片パ
ターンによって確認した。該プラスミドをpPolNPT II−
Aと命名した。
5.選択可能マーカーのpBR322LRSaへの挿入 pTR::NPT II::ocs3′遺伝子カセットをpPolNPT II−
Aからの3100bp Xho断片としてSal I−消化のpBR322LRS
aに移動してpBV Iを作成した。この11.5キロベースのプ
ラスミドは、唯一のEcoR I部位から時計回りの向きに、
以下の成分:広宿主範囲pSa複製始点、右側境界、クロ
ーニング部位Hpa IおよびBamH I、pTR/NPT II/ocsキメ
ラ遺伝子(時計回り向きに転写)、pBR322の1415bp(Sa
l IないしPvu II)、左側境界、および複製始点および
アンピシリン耐性遺伝子を包含するpBR322のPvu II−Ec
oR I断片を含有していた。
F.修飾したdapA遺伝子を含有する形質転換ベクターの構
築(pDPZ4474およびpDAP4511) pBV Iの右境界の丁度内側の唯一のHpa IおよびBamH I
部位を用いてCaMV p35S::STP31::dap A::nos3′カセッ
トを挿入した。pDAP4037におけるこのカセットの両側の
ポリリンカー中の部位を用いて、1830bp Sma−Bgl II断
片をHpa I−BamH I−消化のpBV Iに結んでpDPZ4474を得
た。この構築体において、dapA遺伝子はNPT II遺伝子の
丁度前にあり、NPT IIと同一向きに転写される。
同様に、pDAP4307の1830bp BamH I(部分的)−Hpa I
断片をHpa I−BamH I−消化のpBV Iに結んでpDAP4511を
得た。この構築体において、該dap A遺伝子はやはりNPT
II選択マーカーの丁度前にあるが、反対の向きでは、
それはNPT IIに関して不一致で転写される。
バンブリートら(VanVliet et al)、プラスミド(Pl
asmid),,446〜455(1978)に記載されている方法を
用いて、pDAZ4474(ATCC No.67721)およびpDAP4511を
アグロバクテリウム・チュメファシエンスLBA4404(pAL
4404)に形質転換した。形質転換体をカナマイシン(50
μg/ml)を含有する平板上で選択し、単一コローニー純
度について画線培養した。
G.ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)SR1の形
質転換および植物の再生 pDPZ4474、pDAP4511、またはpBV1を担持するアグロバ
クテリウム・チュメファシエンスLBA4404(pAL4404)を
タバコ葉ディスクの共培養形質転換で用いた。ディスク
のワンセットを陰性対照として滅菌水で処理した。
以下の例外:アグロバクテリウム培養を、リファンピ
シン(20μ/ml)、ストレプトマイシン(100μg/m
l)、およびカナマイシン(50μg/ml)を補足した523培
地(カドら(Kado et al),フィジオロジカル・プラン
ト・パソロジー(Physiol.Plant Pathol.),,47〜59
(1972))中、28℃で48時間増殖させ、洗浄し、葉ディ
スクと共に使用するに先立って滅菌水に再懸濁し;ブラ
ックメキシカンスィート浮遊培養をナース平板上のフィ
ーダー培養として用い;すべての固体培地は寒天の代わ
りに2.5gm/Gelrite(スコット・ラボラトリズ(Scott
Laboratories)、オマハ(Omaha)、ネブラスカ州)を
含有していたことを除いて、実質的にホーシュら(Hors
ch et al),サイエンス(Science),227,1229〜1231
(1985)に記載されてい方法に従いニコチアナ・タバカ
ムSR1植物の葉ディスクを形質転換した。
ナース平板上の2日後、葉ディスクを(500μg/mlカ
ルベニシリンおよび0、100または200μg/mlのカナマイ
シンを含有し、フィーダー培養または濾紙を欠く以外は
ナース培地に同じ)発芽培地上で平板培養した。平板を
パラフィンでシールし、12時間の照光時間にて26℃でイ
ンキュベートした。それが1cmに到達したとき苗条を切
り出し、苗条が生成したカルベニシリンおよびカナマイ
シンを同濃度で含有する発根培地(ホルモン無し)に移
した。根が出現したとき、プラントレットをバーミキュ
ライト中に入れ、次いで、土壌に移植した。
H.再生したタバコ植物でのdap Aの発現についてのスク
リーニング リジンのアナログS−(2−アミノエチル)システイ
ン(AEC)に対する耐性を評価することによって、最初
に、導入されたdapA遺伝子の発現について植物組織をス
クリーニングした。AECは植物のジヒドロジピコリン酸
シンターゼの優れた抑制剤であるが、細菌DHDPSはそれ
に対して感受性がかなり低い。葉ディスクは形質転換プ
ロトコルで記載したごとく表面滅菌葉から調製した。1m
M L−アルギニンおよび0、0.1、0.2または0.4mMのAEC
を補足した発芽培地上でディスクを平板培養した(平板
当たり4ディスク、処理当たり2平板)。75μg/mlカナ
マイシンを補足した発芽培地を含有する平板を、選択可
能マーカーをチェックするためにテストする各植物のた
めに含めた。照光中における26℃での1週間後、個々の
葉ディスクを秤量し、平均新鮮重量および標準偏差を各
処理について測定した。
すべての植物からの葉ディスクは緑のままで、AECの
不存在下でふくらんだ。AECの存在下では、対照植物に
おいて増殖は強く抑制された。対照的に、推定dap A+
植物からの葉ディスクは緑のままでいられるその能力お
よびAECの存在下で増殖することによって容易に同定さ
れた。このスクリーニング手法を用いて多くのAEC−耐
性植物を同定した。1のかかる植物の特徴付けを以下で
詳細に記載する。
I.dapA+タバコ植物327の特徴付け 1.AEC耐性 AECの存在に対する植物327からの葉ディスクの応答を
水対照植物101からの葉ディスクのそれと比較した。結
果を第1表に示す。
2.葉抽出物におけるリジン−耐性DHDPシンターゼ活性 327の幼葉および種子成長NT−SR1植物を以下のごとく
に抽出した。組織1g当たり0.14gmポリビニルピロリドン
の存在下、2ml抽出緩衝液(0.1Mリン酸カリウム(pH7.
5、4℃)、2mM EDTA、1mMβ−メルカプトエタノール、
10mMピリビン酸ナトリウム)中、4℃にて、葉脈を除去
した葉1〜2グラムを摩砕した。ミラクロス(Miraclot
h)(カルバイオケム(Calbiochem))を通して濾過
し、次いで、8000×g(4℃)で10分間遠心した。穏や
かに撹拌しつつ、4℃にて、微摩砕した固体硫酸アンモ
ニウムを添加することによって上澄みをゆっくりと10%
飽和に持って行った。沈殿を遠心によって除去した。上
澄みを66%硫酸アンモニウム飽和とし、遠心によって40
〜66%沈殿を収集した。ペレットをカラム緩衝液(50mM
トリス−HCl(pH7.5、4℃)、1mM EDTA、10mMピルビン
酸ナトリウム、10%グリセロール)に再懸濁し、セファ
デックスG−25カラム(シグマ(Sigma))を通して脱
塩した。
標準として蒸留水中のウシ血清アルブミン画分V粉末
を用い、ブラッドフォード(Bradford)(REF)の染料
−結合方法によって蛋白濃度を測定した。
o−アミノベンズアルデヒド(ABA)アッセイ(ユガ
イら(Yugai et al)、ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J.Biol.Chem.),240,4710〜4716
(1965))を用い、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ活
性をモニターした。L−リジン塩酸塩ストック溶液を蒸
留水中で作成し、濾過滅菌し、酵素反応の初期に示した
濃度で添加した。設定した時点で、200μ分を取り出
し、停止緩衝液(0.21Mクエン酸、0.53Mリン酸ナトリウ
ム(pH5、25℃)、新たに作成した10mg/ml無水エタノー
ルストックから使用直前に0.24mg o−ABAを添加)800μ
中で反応物をクエンチした。25℃で1時間ピンク色に
発色させ、次いで、光学密度を520nmで測定した。
327の葉におけるDHDPシンターゼ活性は、種子成長NT
−SRiの葉におけるそれよりもほぼ30倍高かった。より
重要には、327葉における酵素活性は100μMで添加した
L−リジンに完全に耐性で、500μM L−リジンの存在下
で14%抑制されたにすぎない。対照的に、100μM L−リ
ジンはNT−SR1葉におけるDHDPシンターゼ活性を87%抑
制し、500μM L−リジンでは活性は検出されなかった。
3.サザーン/ノーザンハイブリダイゼーション分析 シューレら(Shure et al),セル(Cell),35,225
〜233(1983)の方法に従い、ゲノミックDNAを形質転換
植物および101の葉から単離した。各植物からのDNA10マ
イクログラムを別々にBamH IおよびBstE IIで消化し、
0.7%アガーロースを通して電気泳動に付した。BamH I
での消化により、特徴的な1540bp内部断片が生成し、一
方、BstE IIは一度dap Aコーディング配列において切断
する。該ゲルをナイロン膜にブロットし、プローブとし
32Pで標識したpDAP4307の1540bp BamH I断片を用いて
ハイブリダイズさせた(サザーン(Southern)、ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Bio
l.),98,503〜517(1975))。該ブロットのオートラ
ジオグラフィーはBamH I消化トラックに特徴的な1540bp
バンドおよびBstE II消化トラックに2個のバンドを明
瞭に示した。コピー数についての再構築マーカーと併せ
ると、これらの結果は、単一コピーとして形質転換植物
に存在するdap A遺伝子と合致する。植物101からのDNA
を含有するレーンではハイブリダイゼーションは明らか
ではなかった。
ノーザンブロット分析も行い、結果は、dap A遺伝子
は活性に転写されたことを示した。形質転換植物の葉か
ら単離した合計RNAおよびオリゴ−dT−選択ポリA RNAを
共に用い、前記と同一のプローブは、約110ヌクレオチ
ドのRNAの単一種に対するハイブリダイゼーションを示
した。101からのRNAに対するハイブリダイゼーションは
観察されなかった。
4.葉における遊離リジンレベル 327および101からの葉トリクロロ酢酸(TCA)抽出物
を調製して遊離アミノ酸レベルを検定した。幼葉(1〜
2gm)をサイコロ状に切って氷冷乳鉢に入れ、液体窒素
で被覆し、摩砕して粉末とした。摩砕した葉を一晩凍結
乾燥し、乾燥重量を測定した。各凍結乾燥試料を冷却乳
鉢を戻し、2ml10%TCAの存在下で再摩砕した。乳鉢をさ
らにTCA2mlですすいだ。該TCA抽出物を合し、時々撹拌
しながら氷上で30分間インキュベートした。抽出混合物
を20分間(4℃)遠心し、上澄みを除去し、氷上に置い
た。ペレットを2ml10%TCAで再度抽出し、上澄みをプー
ルした。プールした抽出物2ミリリットルを5mlエーテ
ルで3回抽出した。エーテル抽出物を分析まで−70℃で
貯蔵した。
ジョーンズら(Jones et al)、ジャーナル・オブ・
クロマトグラフィー(J.Chromatog.),266,471〜482
(1983)のo−フタルジアルデヒド誘導体化方法を用
い、逆相HPLCによって遊離アミノ酸レベルを測定した。
NT−SR1葉の3試料は凍結乾燥組織1グラム当たり平均7
5μgの遊離リジンであった。327葉の2試料は、各々、
凍結乾燥組織1グラム当たり15450および14630μgの遊
離リジン値を与え、即ち、遊離リジンが約200倍増加し
た。
5.dapA遺伝子の遺伝性 タバコ植物327を開花させ、自家授粉させ、種子を結
ばせた。成熟した乾燥種子を収集し、10%漂白剤で表面
滅菌し、滅菌水で十分すすいだ。0、1、10、30、100
および300μM AECでAECを含有する格子状発芽平板(1/4
MS塩、2.5gm/Gelite)上で種子を平板培養した(平板
当たり種子50個、処理当たり2の平板)。自家授粉させ
た101からの種子を対照として同一に処理した。10日
後、各平板上の緑色の実生の数を数えた。2時間後、実
生をGelriteから穏やかに引っ張り、根の長さを測定し
た、結果を第2表に示すが、AEC耐性特性は327の後代に
遺伝していることが明瞭に示される。
平板培養2週間後に測定した根長。平均根長は各AEC
処理について測定し、結果をAECを欠く培地上の平均根
長の百分率として表す。
種々の特別かつ好ましい具体例および技術を参照して
本発明を説明してきた。しかしながら、本発明の精神お
よび範囲内で多くの変形および修飾を行うことができる
ことは理解されるであろう。
フロントページの続き (72)発明者 バーンズ,リンダ・ジェイ アメリカ合衆国 ミネソタ州 55419、 ミネアポリス、トゥエンティナインス・ アベニュー・サウス 5433番 (72)発明者 ピラシンスキー,ウイリアム・ピイ アメリカ合衆国 ミネソタ州 55369、 メイプル・グローブ、クレスト・ドライ ブ 6990番 (56)参考文献 特開 昭61−224990(JP,A) J.Bacteriol.,Vol. 166,No.1,P.297−300(1986) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 A01H 5/00 C12N 5/00 C12P 13/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)外来性遺伝子を双子葉植物組織源の
    細胞に導入し、次いで、 (b)該外来性遺伝子を該細胞で発現させることよりな
    り;ここに、該遺伝子の第1の配列が、内因的に生産さ
    れた遊離L−リジンによるフィードバック抑制に対し実
    質的に耐性である細菌ジヒドロジピコリン酸シンターゼ
    (DHDPS)をコード付けし、該外来性遺伝子が、さら
    に、第1のDNA配列の5′−末端に連結し、かつ該細胞
    の葉緑体にDHDPSを局在させる葉緑体トランジット(tra
    nsit)ペプチド(CTP)をコード付けする第2のDNA配列
    を含むことを特徴とする植物において遊離L−リジンの
    レベルを上昇させる方法。
  2. 【請求項2】該CTP DNA配列が、アミノ末端CTPよりな
    るプレ蛋白をコード付けする植物核遺伝子から得られる
    CTP DNA配列と実質的に同一である請求の範囲第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】該外来性遺伝子よりなるプラスミドを細胞
    に導入する請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】該プラスミドが細菌クローニングベクター
    である請求の範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】該プラスミドがエシェリヒア・コリ(E.co
    li)のクローニングベクターである請求の範囲第4項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】電気穿孔またはマイクロインジェクション
    の技術によって外来性遺伝子を該植物細胞に導入する請
    求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒
    介形質転換によって外来性遺伝子を植物細胞に導入する
    請求の範囲第3項記載の方法。
  8. 【請求項8】発現される外来性遺伝子を含有する形質転
    換植物細胞であって、該外来性遺伝子が、内因的に生産
    される遊離L−リジンによるフィードバック抑制に対し
    実質的に耐性である細菌ジヒドロジピコリン酸シンター
    ゼ(DHDPS)をコード付けする第1のDNA配列を含み、こ
    こに、該外来性遺伝子が、さらに、第1のDNA配列の
    5′−末端に連結し、かつ該細胞の葉緑体にDHDPSを局
    在させる葉緑体トランジット(transit)ペプチド(CT
    P)をコード付けする第2のDNA配列を含むことを特徴と
    する該形質転換植物細胞。
  9. 【請求項9】該DHDPS遺伝子がエシェリヒア・コリdap
    A遺伝子である請求の範囲第8項記載の植物細胞。
  10. 【請求項10】該CTPがエンドウ豆CTPである請求の範囲
    第8項記載の植物細胞。
  11. 【請求項11】細菌ジヒドロジピコリン酸シンターゼ
    (DHDPS)を使用する生合成経路によって遊離L−リジ
    ンを生産し、該DHDPSが、内因的に生産される遊離L−
    リジンによるフィードバック抑制に対し実質的に耐性で
    あるジヒドロジピコリン酸シンターゼ(DHDPS)をコー
    ド付けする第1のDNA配列を含む外来性遺伝子によって
    コード付けされ、該外来性遺伝子が、さらに、第1のDN
    A配列の5′−末端に連結し、かつ該細胞の葉緑体にDHD
    PSを局在させる葉緑体トランジット(transit)ペプチ
    ド(CTP)をコード付けする第2のDNA配列を含むことを
    特徴とする形質転換双子葉植物。
  12. 【請求項12】該外来性遺伝子がエシェリヒア・コリda
    p A遺伝子である請求の範囲第11項記載の形質転換植
    物。
  13. 【請求項13】遊離L−リジンのレベルが同一種の非形
    質転換植物におけるレベルの少なくとも約50倍高い請求
    の範囲第11項記載の形質転換植物。
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