JP3081162B2 - 滅菌液状乳製品およびその製造方法 - Google Patents

滅菌液状乳製品およびその製造方法

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JP3081162B2 JP08349623A JP34962396A JP3081162B2 JP 3081162 B2 JP3081162 B2 JP 3081162B2 JP 08349623 A JP08349623 A JP 08349623A JP 34962396 A JP34962396 A JP 34962396A JP 3081162 B2 JP3081162 B2 JP 3081162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状乳製品の滅菌
方法およびこの滅菌方法によって得られた滅菌液状乳製
品に関する。本発明の滅菌方法によると、胞子を形成す
る耐熱性高温菌を完全に死滅させることができ、しかも
殺菌や滅菌工程、および保存中の褐変が抑制されるの
で、得られた液状乳製品は、品質の劣化が少ないもので
ある。
【0002】
【従来の技術】乳を主原料とした液状乳製品、例えば、
飲用乳やコーヒー入り乳飲料、あるいは果汁入り乳飲料
等は、一般的には 110〜130 ℃前後の温度で1〜3秒間
程度加熱殺菌処理されているが、この程度の温度では、
胞子を形成する耐熱性高温菌は完全に死滅することがな
い。しかし、この温度帯で殺菌処理された液状乳製品
は、5℃程度の冷蔵温度で流通され、製造後7日間以内
に消費されるために胞子を形成する耐熱性高温菌が完全
に死滅していなくても、これが増殖し、風味の低下を招
いたり、品質が劣化することはなく、また飲用されても
全く問題はない。
【0003】上記の液状乳製品の他に、常温で流通さ
れ、製造から消費されるまでの品質保持に必要な期間が
60日間程度のものがある。この常温で流通される液状乳
製品は、130 〜150 ℃で1〜3秒間の超高温短時間殺菌
処理がされているが、胞子を形成する耐熱性高温菌が完
全に死滅していないことがある。しかし、消費されるま
での品質保持期間が60日間程度であるため、風味の低下
や品質劣化の問題はほとんどない。また、液状乳製品の
中には、上記の超高温で短時間殺菌処理されているもの
の他に、容器に充填・密封した後、120 ℃以上で4分間
以上という条件下でレトルト滅菌処理されているものが
ある。この滅菌処理された液状乳製品は、常温で流通さ
れ、製造から消費までの品質保持に必要な期間が6ケ月
間以上である。またホットベンダー等の自動販売機で販
売される場合もある。このため、一般細菌はもちろん、
胞子を形成する耐熱性高温菌が一個でも残存しないよう
に完全に殺菌しなければ、耐熱性高温菌が増殖して風味
の低下や品質が劣化するといった問題がある。
【0004】このようにレトルト滅菌処理されて常温で
流通され、しかも品質保持期間が6ケ月以上にもおよぶ
液状乳製品は、上記したように冷蔵温度で流通され、製
造から消費までの期間が7日間以内のものや、品質保持
期間が60日間程度といった殺菌乳製品に比較して、高温
で、しかも長時間の加熱といった過酷な条件下で処理さ
れるために、乳蛋白質と乳糖間でアミノカルボニル反応
が起こり、液状乳製品が褐変し、風味や色調の低下、あ
るいは増粘等による組織不良といった問題が避けられな
かった。このため、このアミノカルボニル反応をできる
だけ抑制させる方法が従来より種々試みられている。例
えば、原料乳にクエン酸塩、−SH化合物、亜硫酸塩、
二酸化硫黄等の褐変化抑制剤を添加することが行われて
いる。また本出願人も先に、褐変が抑制された容器詰め
牛乳を調製するために、生乳にL−シスチン及び/又は
L−システィンを0.01〜0.1 重量%添加・混合し、これ
を非通気性容器に充填・密封して加熱処理する容器詰め
牛乳の製造方法(特開平2-207742号公報)を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように液状乳製
品をレトルト滅菌処理する際、褐変を抑制する目的で褐
変化抑制剤を添加したり、また特開平2-207742号公報が
開示する方法に従って得られた容器詰め牛乳は、一定の
効果が認められる。しかし、液状乳製品の中には、含有
する添加物との関係で褐変化抑制剤が添加できなかった
り、また褐変化抑制剤の添加量があまり多くなると、褐
変化抑制剤の風味が感じられるため添加量が制限される
といった問題があって、レトルト滅菌処理により、褐変
の少ない液状乳製品を製造することは、困難であるとい
われていた。本発明者らは、上記の問題に鑑み、液状乳
製品に、レトルト滅菌処理を適用しても、褐変の少ない
滅菌方法について検討した。その結果、レトルト滅菌処
理の前に、超高温短時間殺菌処理を行い、次いでレトル
ト滅菌処理を穏和な条件下で行うことにより、胞子を形
成する耐熱性高温菌を完全に死滅させ、しかも液状乳製
品の褐変を抑制することができるとの知見を得て本発明
を完成させた。すなわち、本発明は、液状乳製品に褐変
化抑制剤を用いなくても、褐変が少なく、風味が低下す
ることがなく、しかも胞子を形成する耐熱性高温菌を完
全に死滅させることができる液状乳製品の滅菌方法と、
滅菌液状乳製品を提供することを課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の液状乳製品の製造方法は、液状乳製品を超高
温短時間殺菌処理した後、容器に充填・密封してレトル
ト滅菌処理する液状乳製品の製造方法であって、 前記超
高温短時間殺菌処理を、加熱温度130〜150℃の範
囲でF値3〜9に相当する加熱処理により行い、 前記レ
トルト滅菌処理を、加熱温度120〜130℃の範囲で
F値3〜7に相当する加熱処理により行い、 かつ、前記
超高温短時間殺菌処理と前記レトルト滅菌処理とによっ
て、加熱温度120〜150℃の範囲でF値8〜12に
相当する加熱処理がされていることを特徴とするもので
ある。 本発明にかかる液状乳製品の製造方法は、液状乳
製品が、水溶性鉄、銅、および亜鉛の中から選択された
一種以上のミネラル成分を含有するもので、このミネラ
ル成分の液状乳製品への配合に際して、油脂で被覆した
後配合する工程を有することができる。 また、本発明の
容器詰め滅菌液状乳製品は、上記の滅菌方法によって処
理された液状乳製品であって、製造後25℃で7日間保
存時の色彩色差計で測定したb値が8.5以下のもので
ある。 更に、本発明にかかる容器詰め滅菌液状乳製品に
は、上記の滅菌方法によって処理された液状乳製品であ
って、油脂で被覆された食品添加用の水溶性鉄、銅、お
よび亜鉛の中から選択された一種以上のミネラル成分を
含有し、かつ、製造後25℃で7日間保存時の色彩色差
計で測定したb値が8.5以下であるものも含まれる。
【0007】本発明でいう殺菌とは、病原細菌や腐敗菌
で芽胞を形成しないものは殺滅されていて、食品衛生上
安全な状態にすることであって、芽胞を形成する細菌
(耐熱性細菌など)をすべて殺滅するものではない。ま
た、滅菌とは、芽胞形成細菌を含め微生物をすべて殺滅
することにより、無菌状態にすることである。
【0008】さらに本発明において、「F値」とは、食
品をある温度で、ある時間加熱した時の微生物の死滅効
果を、121 ℃で加熱した場合の時間に換算した値(単位
は分)である。食品を121 ℃で加熱殺菌する際、食品の
中心温度が例えば100 ℃を超えれば121 ℃にならなくて
も、微生物は死滅を始める。この場合、時々刻々変化す
る加熱による殺菌効果を加算し、評価しなければならな
いが、標準的な尺度として「F値」が用いられる。「F
値」の換算を行うには、実際にある温度で加熱処理した
微生物の熱死滅の効果を、121 ℃で加熱した場合の効果
と比較しなければならない。121 ℃における微生物の加
熱死滅時間〔Thermal Death Time, 単位は分 TDT
121 〕と、実際に加熱処理した温度〔T〕における微生
物の加熱死滅時間〔TDT〕とを比較する計算式は、T
DT=10(121-T)/Z で表される。このようにして求め
られたTDTは、121 ℃で1分間の微生物の熱死滅に相
当する実際に加熱処理した温度〔T〕における加熱時間
になる。
【0009】また、上記の式中において、「Z値」は微
生物の熱死滅時間を1/10に短縮するために必要な温度上
昇分であって、その単位は、℃である。すなわち、ある
温度において、ある微生物のすべてを死滅させるのに必
要な加熱致死時間を実験によって決定し、時間を片対数
方眼紙の縦軸に、温度を横軸にとった時の曲線から求め
た勾配によって示される。この曲線は、通常、ほぼ直線
になるので、「Z値」は、加熱致死時間を1/10に縮める
ために必要な温度上昇分を示す。従って、温度上昇によ
る熱死滅率の高いほど「Z値」は小さい値をとり、温度
上昇による熱死滅率の低い場合ほど「Z値」は大きな値
をとる。加熱死滅時間〔TDT〕は、サンプル内の微生
物の数によって熱死滅に必要な時間は変わり、正確に
は、微生物の99%、あるいは99.99 %を死滅させるのに
要した時間などと共に、実験に応じて定義されるもので
ある。本発明の超高温短時間殺菌における「Z値」は、
18であり、またレトルト滅菌における「Z値」は、10で
ある。
【0010】また、加熱処理の効果については、実際に
加熱処理した温度、例えば115 ℃のTDTが3分間とす
ると、この温度における微生物の加熱死滅効果(これを
加熱処理における「致死率」という)は、121 ℃で加熱
した場合の1/3 と評価できる。すなわち、致死率〔L〕
は、L=1/TDT=10(T-121)/Z で求めることがで
きる。致死率が1/3 の温度では、3分間加熱すれば121
℃で1分間の加熱に相当する効果が生じる。すなわち、
F=1の効果を生じることになる。従って、レトルト滅
菌処理等の「F値」の積算は、一連の加熱工程で時々刻
々変化する温度に対する加熱死滅効果(致死率=L)を
121 ℃における加熱の効果に換算して積算したもので、
次の式により求めることができる。 F=∫Ldt=∫10(T-121)/Z dt(式中のdtは、加熱時
間である。) 本発明において、超高温短時間殺菌処理およびレトルト
滅菌処理ともにF値はこれによって求めたものであり、
また両処理によって液状乳製品が受けたF値は、単に合
計するのみで求めることができる。尚、これらの微生物
の加熱死滅温度と時間、および致死率については、〔レ
トルト食品の基礎と応用(1995年6 月10日 株式会社
幸書房発行 73〜78頁)〕に詳細に記載されている。本
発明は、この記載に基づいて「F値」および「Z値」を
求めた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明は、液状乳製品を超高温短時間殺菌処理した後、容
器に充填・密封してレトルト滅菌処理することによっ
て、褐変が抑制された滅菌液状乳製品を調製するもので
あるが、滅菌処理される液状乳製品としては、乳を原料
として得られた飲料であって、乳蛋白質と乳糖を同時に
含有するものである。 具体的には、飲用乳、乳清飲
料、コーヒー乳飲料、フルーツ乳飲料、チョコレート乳
飲料、低ナトリウム乳、成分強化乳、無糖練乳、育児用
調製乳、あるいは幼児用調製乳等の乳飲料である。上記
の液状乳製品は、常法によって成分を調整し、必要に応
じて果汁やフレーバー、あるいは蛋白質、脂肪、ビタミ
ン類、CaやMg等のミネラル類の成分等を強化して得られ
たものである。これらの液状乳製品の他にも、育児用調
製粉乳や幼児用調製粉乳を、水等の水性媒体に溶解した
再構成乳であっても適用でき、含有する乳成分の多少は
問わない。
【0012】また、上記の液状乳製品の中にあっても育
児用調製乳や幼児用調製乳の場合には、食品添加用とし
て用いられている水溶性の鉄や銅あるいは亜鉛等のミネ
ラル成分(以下単にミネラル成分という)を配合するこ
とが必須であるが、乳蛋白質と乳糖を含有する液状乳製
品に、さらにこのミネラル成分を配合して滅菌処理を行
うと、乳蛋白質と乳糖間で起こるアミノカルボニル反応
をミネラル成分がさらに促進して、液状乳製品を褐変さ
せ、風味や色調の低下、あるいは増粘等による組織不良
を発生させることがある。このため本発明では、ミネラ
ル成分を配合する液状乳製品の場合には、原料の配合に
際して、これらのミネラル成分を油脂で被覆し、乳蛋白
質や乳糖と直接接触しないようにしてから配合する。ミ
ネラル成分については、乳幼児用食品を含む特殊用途食
品のCODEX規格及び関連衛生作業規則(社団法人
日本国際酪農連盟 平成5 年7 月20日発行)の第IV部
(P59 〜P66 )に記載されているが、本発明ではこれら
のミネラル成分全てについて用いることができる。ま
た、育児用調製乳や幼児用調製乳だけでなく、成分強化
乳や乳飲料のような液状乳製品においてもミネラル成分
を強化した場合には、油脂で被覆してから配合すること
より、同様に褐変や増粘等による組織不良を防止するこ
とができる。尚、本発明でいう油脂には脂肪も包含し、
特に区別して用いる理由はない。
【0013】上記のミネラル成分を油脂で被覆する方法
は、水性媒体にミネラル成分を分散または溶解して水相
とし、この水相を親油性乳化剤を含有する油相中に分散
して油中水型に乳化するものである。具体的には、水や
生乳、あるいは脱脂乳等の水性媒体に、ミネラル成分を
分散または溶解して水相を調製し、一方、油相は、やし
油、パーム油、綿実油、乳脂肪、あるいは大豆油等、ま
た必要に応じてこれらの油脂を水素添加、エステル交
換、あるいは分別等によって処理し、得られた油脂を混
合したものに、レシチン、モノグリセリド、ジグリセリ
ド等の親油性乳化剤を0.1 〜2.0 重量%程度配合して調
製する。上記のようにして調製した水相と油相を1:2
〜10程度の割合で混合し、これを45〜50℃に加温して予
備乳化した後、50〜60℃で140 〜1,000 kg/cm2 程度の
圧力により均質化して油中水型に乳化する。
【0014】上記のようにしてミネラル成分を被覆調製
して得られた油中水型乳化油脂を、生乳や脱脂乳等の乳
を主原料として調製されたミックスに混合して液状乳製
品とする。ミックスと油中水型乳化油脂の混合は、ミッ
クスに、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、あるいはモノグリセリド誘導体等の親水性乳
化剤を0.1 〜2.0 重量%程度添加し、これに上記のよう
に調製した油中水型乳化油脂を0.05〜5重量%加える。
そして45〜50℃で予備乳化後、50〜60℃で140〜1,000 k
g/cm2 程度の圧力により均質化して水中油型に乳化す
る。尚、脂肪の浮上分離を防止するために、均質化に際
して、脂肪球の径の大きさは2μm 以下に調整するのが
好ましい。また液状乳製品中のミネラル成分の含有量
は、用途によって異なるが、最終製品中で0.1 〜100 mg
%程度が適当である。このようにして調製された液状乳
製品は、ミネラル成分が強化されていながら、それが油
脂によって被覆されているため、乳蛋白質や乳糖と直接
接触することがない。このことによって、次工程におけ
る超高温短時間殺菌処理やレトルト滅菌処理する際に、
ミネラル成分が触媒としてアミノカルボニル反応を促進
させるという作用を防止している。
【0015】本発明では、上記のように成分調整して得
られた液状乳製品に対して、先ず最初に超高温短時間殺
菌処理を行う。この超高温短時間殺菌処理方法には、大
別して二通りあって、一つは直接法で、もう一つは間接
法である。直接法には、スチームインジェクション方式
とスチームインフュージョン方式があり、間接法には、
プレート式、チューブラ式、掻き取り式がある。本発明
ではこれらのいずれの方法であっても採用できるが、プ
レート式が温度の制御の容易性から好ましい。そして殺
菌処理条件は、130 〜150 ℃の範囲でF値が3〜9に相
当する条件で行う。加熱温度が130 ℃未満であったり、
またF値が3未満になると後述するレトルト滅菌処理の
条件をより強化しなければならないために液状乳製品の
褐変が避けられないといった問題がある。一方、加熱温
度が150 ℃を超えたり、F値が9を超えると、この工程
で褐変が起こるといった問題がある。従って、上記の条
件下で加熱により殺菌処理することが好ましい。この超
高温短時間殺菌処理の具体的な加熱温度と加熱時間の一
部をF値と共に例示すると次の表1のようになる。
【0016】
【表1】
【0017】次に、本発明では、上記の超高温短時間殺
菌処理された液状乳製品を、缶容器、合成樹脂容器、あ
るいはレトルトパウチ等の耐熱性容器に充填・密封した
後、これをレトルト滅菌処理する。この滅菌処理に用い
られる滅菌装置としては、通常食品の滅菌処理に用いら
れているものであればいずれの滅菌装置であっても使用
することができる。具体的には、熱水や水蒸気によるバ
ッチ式、あるいは連続式のレトルト滅菌装置やマイクロ
波加熱滅菌装置、電気抵抗式加熱滅菌装置等を挙げるこ
とができる。滅菌処理の条件は、これらのいずれかの滅
菌装置を用い、加熱温度120 〜130 ℃の範囲でF値3〜
7に相当する加熱処理を行う。この滅菌処理において、
加熱温度が120 ℃未満であったり、F値が3未満になる
と、胞子を形成する耐熱性高温菌や食中毒細菌であるボ
ツリヌス菌を完全に死滅させることができない場合があ
るので、少なくても加熱温度120 ℃以上でF値が3以上
になるような条件で滅菌処理を行う。一方、F値が7を
超えると、液状乳製品がアミノカルボニル反応により褐
変化が進行するといった問題がある。従って、上記の条
件下で滅菌処理することが好ましい。このレトルト滅菌
処理の具体的な加熱温度と加熱時間の一部をF値と共に
例示すると表2のようになる。
【0018】
【表2】
【0019】このようにして超高温殺菌短時間処理とレ
トルト滅菌処理された液状乳製品は最終製品において、
加熱温度120 〜150 ℃の範囲でF値が8〜12の加熱処理
を受けたことになる。このF値が8未満になると、殺菌
又は滅菌処理が十分行われていないことになり、胞子を
形成する耐熱性高温菌が死滅せずに残存することがある
ので少なくてもF値が8以上になるように加熱処理す
る。一方、F値が12を超えると、液状乳製品が製造工程
や保存中に褐変化を起こし、風味の低下や色調の低下、
あるいは増粘等の問題がある。このように本発明では、
超高温殺菌短時間処理を最初に行って、液状乳製品の褐
変を抑制して胞子を形成する耐熱性高温菌をできるだけ
死滅させるか、もしくはその活性を低下させた後、レト
ルト滅菌処理を行うため、従来のレトルト処理のみの滅
菌方法に比較して穏和な条件で行うことができる。この
ようにして得られた液状乳製品は、胞子を形成する耐熱
性高温菌が完全に死滅し、褐変も抑制されている。この
液状乳製品を、後述する試験例にも示したように製造後
25℃で7日間保存し、褐変の程度を色彩色差計によって
測定したが、b値(値が大きければ大きいほど黄色が強
く、値が小さければ青色の強いことを表す。)は8.5 以
下であった。
【0020】
【試験例】以下に試験例を示し、本発明の効果をより明
確にする。尚、各試験例に用いた試料は概略次により調
製した。 試験例1:脱脂乳に、耐熱性高温菌を植菌(試料1)。 試験例2:試験例1で用いた試料1と同様に調製した試
料に、油脂で被覆したミネラル成分を配合(試料2)。 試験例3:試験例1で用いた試料1と同様に調製した試
料に、油脂で被覆しないミネラル成分を配合(試料
3)。
【0021】試験例1 (試料1の調製)脱脂粉乳を固形分率13%の濃度になる
ように溶解し(以下脱脂乳という)、この脱脂乳に胞子
を形成する耐熱性高温菌(Bacillus stearothermophil
us) を2.25×106 cells/mlになるように植菌し、高圧ホ
モジナイザーにより 700kg/cm2で均質処理し、試料1を
調製した。
【0022】(加熱処理)上記で調製した試料1をそれ
ぞれ次の(1) 〜(4) の条件で加熱処理し、試験用サンプ
ル(A) 〜(D) とした。 (1) サンプル(A) →プレート式殺菌機で130 ℃、60秒
間の超高温短時間殺菌処理した後、瓶容器に一瓶当たり
100 mlを無菌的に充填・密封した。 (2) サンプル(B) → (1)と同じ条件で超高温短時間殺
菌処理し、同様に瓶容器に充填・密封した後、水蒸気式
のレトルト滅菌装置で121 ℃、2 分間の加熱処理を行っ
た。 (3) サンプル(C) → (1)と同じ条件で超高温短時間殺
菌処理し、同様に瓶容器に充填・密封した後、水蒸気式
のレトルト滅菌装置で121 ℃、4 分間の加熱処理を行っ
た。 (4) サンプル(D) →瓶容器に一瓶当たり100 mlを充填
・密封した後、水蒸気式のレトルト滅菌装置で121 ℃、
15分間の加熱処理を行った。
【0023】(各サンプルの高温菌数および褐変化の測
定)上記で得られた各サンプルについて、製造直後に残
存する高温菌数および褐変化の程度を測定した。また各
サンプルについて、55℃で一週間の増殖試験を行った。
それぞれの測定結果をF値と共に表3に示す。尚、褐変
化の測定は、色彩色差計(ミノルタ社製;CR-200) を用
いてb値(値が大きければ大きいほど黄色が強く、値が
小さければ青色の強いことを表す。)を測定した。
【0024】
【表3】
【0025】上記の試料1の各サンプルについて、さら
に10℃と25℃で7日間または3ケ月間保存し、保存中の
褐変化の進行状況を測定した。その結果を表4に示す。
【表4】
【0026】表3および表4から明らかなように、本発
明の滅菌方法で処理したサンプル(B) および(C) では、
滅菌処理直後においても、また1週間の増殖試験後にお
いても、いずれも高温菌は認められない。しかし、サン
プル(A) では、殺菌処理直後に高温菌は認められなかっ
たが、1 週間の増殖試験後では認められたことから、胞
子が残存、つまり完全に殺菌されていなかったといえ
る。また、本発明の滅菌方法で処理したサンプル(B) お
よび(C) では、サンプル(D) と比較して、b値は低く、
褐変が抑制されていることが判る。すなわち、本発明の
滅菌方法によると、滅菌効果は、従来の高温で単にレト
ルト滅菌処理したのと同じ効果を得ることができている
にもかかわらず、褐変が抑制されて色彩や風味が良好な
ものとなっている。
【0027】試験例2 (試料2の調製)脱イオン水100 g にクエン酸第一鉄ナ
トリウム0.2 g 、硫酸銅0.0037g を添加して水相を調製
した。一方、油相として、パーム核油8.52g 、パーム核
分別油 28.38g 、大豆油23.1g を混合し、これに乳化剤
としてレシチン1.2 g を加えて調製した。上記のように
調製した油相61.2g を50℃に加温してTKホモミキサー
で撹拌しながら水相20g を添加し、8000rpm で約1分間
予備乳化した後、55℃で超高圧ホモジナイザーにより70
0 kg/cm2 で乳化し、ミネラル成分を含有する油中水型
乳化油脂を調製した。次に、試験例1で用いた試料1と
同様に、脱脂乳に耐熱性高温菌を植菌して調製した試料
80g にショ糖脂肪酸エステル1%を添加し、50℃に加温
してTKホモミキサーで撹拌しながら上記で調製したミ
ネラル成分を含有する油中水型乳化油脂20g を添加し、
8000rpm で約1分間予備乳化した後、55℃で超高圧ホモ
ジナイザーにより500 kg/cm2 で乳化し、ミネラル成分
を含有する水中油中水型(W/0/W)試料を調製し、試料2
とした。
【0028】(加熱処理)試料2を、試験例1の加熱処
理条件(1) 〜(4) と全く同様に処理し、それぞれサンプ
ル(E) 、サンプル(F) 、サンプル(G) 、サンプル(H) と
した。
【0029】試験例3 (試料3の調製)試験例1で用いた試料1と同様に、脱
脂乳に耐熱性高温菌を植菌して調製した試料80g に、ミ
ネラル成分としてクエン酸第一鉄ナトリウム0.2 g およ
び硫酸銅0.0037g を添加して高圧ホモジナイザーにより
500kg/cm2で均質処理し、試料3を調製した。
【0030】(加熱処理)試料3についても試験例1の
加熱処理条件(1) 〜(4) と全く同様に処理し、それぞれ
サンプル(I) 、サンプル(J) 、サンプル(K) 、サンプル
(L) とした。
【0031】(各サンプルの高温菌数および褐変化の測
定)上記の試料2および試料3の各サンプルについて、
試料1の処理と同様に製造直後に残存する高温菌数およ
び褐変化の程度を測定すると共に、55℃で一週間の増殖
試験を行った。また、10℃と25℃で7日間または3ケ月
間保存し、保存中の褐変化の進行状況を測定した。それ
ぞれの測定結果を、試料2については表5および6に、
また試料3については表7および8に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】表5および6から明らかなごとく、試料2
のミネラル成分を油脂で被覆して配合した場合には、製
造直後であっても保存後であっても褐変の程度を表すb
値が試料1のb値に近似した値となり、ミネラル成分の
褐変に与える影響がほとんどないことがわかる。しか
し、表5、6と表7、8とを比較すると明らかなごと
く、試料3のように何ら処理しないミネラル成分を配合
したものは、b値が製造直後であっても、また保存中で
あっても試料2より高くなっている。これは、加熱処理
工程中で褐変化が促進され、しかも保存中においても、
それが加速的に促進されていることを示すものである。
このように、液状乳製品にミネラル成分を配合する場合
に、油脂で被覆して配合することが褐変化の抑制に有効
な手段になることが明らかである。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。実施例1 脱脂乳に胞子を形成する耐熱性高温菌(Bacillus stea
rothermophilus) を4.05×105cells/ml になるように植
菌し、高圧ホモジナイザーを用いて 700kg/cm2で均質処
理した後、プレート式殺菌機で130 ℃、60秒間(F値
3.73 )の超高温殺菌処理をして、無菌的に100 mlの瓶
容器に充填・密封した。この瓶入り脱脂乳を水蒸気式の
レトルト滅菌装置で121 ℃、4分間(F値 7.0 )のレ
トルト滅菌処理をした。この脱脂乳が受けたF値は10.7
3 であった。尚、この脱脂乳を25℃で6ケ月間保存した
後、耐熱性高温菌について測定したが検出されなかっ
た。また褐変の状態を色彩色差計で測定した結果、b値
は11.08 であった。このb値は、上記の試験例におい
て、レトルト滅菌のみの処理をしたサンプル(D) を10℃
で3カ 月間保存した値とほぼ同じで、保存温度を考慮す
ると、2倍以上保存期間が延長されたことになる。
【0038】実施例2 脱脂乳に胞子を形成する耐熱性高温菌(Bacillus stea
rothermophilus) を6.51×105cells/ml になるように植
菌し、高圧ホモジナイザーを用いて 700kg/cm2で均質処
理した後、プレート式殺菌機で130 ℃、60秒間(F値
3.73 )の超高温殺菌処理をして、100ml の瓶容器に充
填・密封した。この瓶入り脱脂乳を水蒸気式のレトルト
滅菌装置で 121℃、4分間(F値 7.0)のレトルト滅菌
処理をした。この脱脂乳が受けたF値は10.73 であっ
た。またこの脱脂乳を25℃で8ケ月間保存した後、耐熱
性高温菌について測定したが検出されなかった。また褐
変の状態を色彩色差計で測定した結果、b値は11.50 で
あった。
【0039】実施例3 (油脂によるミネラル成分の被覆)脱イオン水100 g に
クエン酸第一鉄ナトリウム0.2gおよび硫酸銅0.0037g を
添加して水相を調製した。一方、油相として、パーム核
油8.52g 、パーム核分別油 28.38g 、大豆油23.1g を混
合し、これに乳化剤としてレシチン1.2 g を加えて油相
を調製した。上記のように調製した油相61.2g を50℃に
加温してTKホモミキサーで撹拌しながら水相20g を添
加し、8000rpm で約1分間予備乳化した後、55℃で超高
圧ホモジナイザーで乳化し、ミネラル成分を含有する油
中水型(W/O)乳化油脂を調製した。 (液状乳製品の調製)脱脂乳1.0kg にショ糖脂肪酸エス
テル10g を添加し、50℃に加温してTKホモミキサーで
撹拌しながら、上記で調製した油中水型乳化油脂50g を
添加し、8000rpm で約1分間予備乳化後、55℃で超高圧
ホモジナイザーで乳化し、水中油中水型(W/O/W) に乳化
された液状乳製品を調製した。 (液状乳製品の滅菌処理)上記で調製した液状乳製品
に、胞子を形成する耐熱性高温菌(Bacillus stearoth
ermophilus) を4.05×105cells/ml になるように植菌
し、高圧ホモジナイザーを用いて 700kg/cm2で均質処理
した後、プレート式殺菌機で130 ℃、60秒間(F値 3.7
3 )の超高温殺菌処理をして、無菌的に100ml の瓶容器
に充填・密封した。この瓶入り液状乳製品を水蒸気式の
レトルト滅菌装置で121 ℃、4分間(F値 7.0)のレト
ルト滅菌処理をした。この液状乳製品が受けたF値は1
0.73 であった。尚、この液状乳製品を25℃で6ケ月間
保存した後、耐熱性高温菌について測定したが検出され
なかった。また褐変の状態を色彩色差計で測定した結
果、b値は11.16 であった。このb値は、上記の試験例
1において、レトルト滅菌のみの処理をしたサンプル
(D) の10℃で3カ 月間保存した値とほぼ同じで、保存温
度を考慮すると、2倍以上保存期間が延長されたことに
なる。またミネラル成分を添加したことよる影響も少な
く、褐変を促進する物質を含有する液状乳製品を有効に
調製できることが確認された。
【0040】実施例4 (油脂によるミネラル成分の被覆)脱イオン水100 g に
硫酸第一鉄0.2 g 、硫酸銅0.0037g および硫酸亜鉛0.03
gを添加して水相を調製した。一方、油相として、やし
油35.2g 、ひまわり油10.2g 、コーン油14.6g を混合
し、これに乳化剤としてレシチン1.2 g を加えてTKホ
モミキサーで撹拌しながら水相20g を添加し、8000rpm
で約1分間予備乳化した後、55℃で超高圧ホモジナイザ
ーで乳化し、ミネラル成分を含有する油中水型 (W/O)乳
化油脂を調製した。 (液状乳製品の調製)脱脂乳1kgに、ショ糖脂肪酸エス
テル10g を添加し、50℃に加温してTKホモミキサーで
撹拌しながら、上記で調製した油中水型乳化油脂50g を
添加し、8000rpm で約1分間予備乳化後、55℃で超高圧
ホモジナイザーで乳化し、水中油中水型(W/O/W) に乳化
された液状乳製品を調製した。 (液状乳製品の滅菌処理)上記で調製した液状乳製品
に、耐熱性高温菌(Bacillus stearothermophilus) を
6.51×105cells/ml になるように植菌し、高圧ホモジナ
イザーを用いて 700kg/cm2で均質処理した後、プレート
式殺菌機で130 ℃、60秒間(F値 3.73 )の超高温殺菌
処理をして、100ml の瓶容器に充填・密封した。この瓶
入り液状乳製品を水蒸気式のレトルト滅菌装置で 121
℃、4分間(F値 7.0)のレトルト滅菌処理をした。こ
の液状乳製品が受けたF値は10.73 であった。またこの
液状乳製品を25℃で8ケ月間保存した後、耐熱性高温菌
について測定したが検出されなかった。また褐変の状態
を色彩色差計で測定した結果、b値は11.61 で、ミネラ
ル成分を添加したことによる影響もほとんど受けていな
いことが確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明の滅菌方法は、液状乳製品を超高
温短時間殺菌処理した後、容器に充填・密封してレトル
ト滅菌処理をしているため、従来の高温レトルト滅菌処
理方法では得られなかった効果を奏する。すなわち、従
来のレトルト滅菌処理方法は高温で長時間といった過酷
な条件で加熱処理をしなければ、胞子を形成する耐熱性
高温菌を完全に死滅させることができなかった。このこ
とにより、加熱工程においてはもとより保存中や流通過
程でも褐変化が生じた。しかし、本発明の滅菌方法によ
ると、レトルト滅菌処理の前に、超高温短時間殺菌処理
をして胞子を形成する耐熱性高温菌を死滅させるかまた
は活性を低下させた後、レトルト滅菌処理しているた
め、この工程における加熱処理を穏和な条件でおこなっ
ても、胞子を形成する耐熱性高温菌を完全に死滅させる
ことが可能である。このため、液状乳製品が受ける加熱
負荷(F値)が絶対的に低下して褐変化が抑制され、得
られた液状乳製品の風味や色調の変化が少なくなり、よ
り本来のものに近くなり、長期保存も可能となる。また
ミネラル成分を含有する液状乳製品においては、ミネラ
ル成分が加熱処理の際、乳蛋白質と乳糖間で起こるアミ
ノカルボニル反応を促進し、加速的に褐変化させるとい
われている。しかし、本発明ではミネラル成分を油脂で
被覆した後配合しているため、乳蛋白質や乳糖とミネラ
ル成分が隔絶されている。これによって、加熱処理した
製造直後であっても、また保存後であってもミネラル成
分による褐変化の影響が少なくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 哲也 北海道札幌市北区北22条西5丁目1−23 (56)参考文献 津郷友吉著「乳製品工業 下巻」 (1972)地球出版株式会社、p.35− 38、77−90 FOOD PROCESSING, (1976)VOl.37,No.5,p.72 −73 JOURNAL OF FOOD S CIENCE,(1991)Vol.56,N o.4,p.1047−1050 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 3/00 - 3/037 A23C 9/15 - 9/158

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状乳製品を超高温短時間殺菌処理した
    後、容器に充填・密封してレトルト滅菌処理する液状乳
    製品の製造方法であって、 前記超高温短時間殺菌処理を、加熱温度130〜150
    ℃の範囲でF値3〜9に相当する加熱処理により行い、 前記レトルト滅菌処理を、加熱温度120〜130℃の
    範囲でF値3〜7に相当する加熱処理により行い、 かつ、前記超高温短時間殺菌処理と前記レトルト滅菌処
    理とによって、加熱温度120〜150℃の範囲でF値
    8〜12に相当する加熱処理がされている ことを特徴と
    する液状乳製品の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 液状乳製品が、鉄、銅、および亜鉛の中
    から選択された一種以上のミネラル成分を含有するもの
    で、このミネラル成分の液状乳製品への配合に際して、
    油脂で被覆した後配合することを特徴とする請求項1に
    記載の液状乳製品の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の滅菌方法によって処理
    された液状乳製品であって、製造後25℃で7日間保存
    時の色彩色差計で測定したb値が8.5以下の容器詰め
    滅菌液状乳製品。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の滅菌方法によって処理
    された液状乳製品であって、油脂で被覆された鉄、銅、
    および亜鉛の中から選択された一種以上のミネラル成分
    を含有し、かつ、製造後25℃で7日間保存時の色彩色
    差計で測定したb値が8.5以下であることを特徴とす
    容器詰め滅菌液状乳製品。
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