JP3080496B2 - 土留構造物の植生緑化装置 - Google Patents

土留構造物の植生緑化装置

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JP3080496B2
JP3080496B2 JP04337593A JP33759392A JP3080496B2 JP 3080496 B2 JP3080496 B2 JP 3080496B2 JP 04337593 A JP04337593 A JP 04337593A JP 33759392 A JP33759392 A JP 33759392A JP 3080496 B2 JP3080496 B2 JP 3080496B2
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shaped
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五男 坂下
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株式会社ジオシステム
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、鉄筋コ
ンクリートおよび鋼材などによって製造された擁壁など
の土留構造物の表面を緑化するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば逆T型擁壁、L字型擁壁、重力
式擁壁およびもたれ擁壁などの土留構造物は、無筋コン
クリートまたは鉄筋コンクリート製であり、その表面に
はコンクリートが露出しているため、見た目に人工的な
冷たい印象を与え、特に山間部などにおいては周囲の環
境となじまない場合が多い。そのため従来では、図16
に示されるように、裏込材1ののり面3にコンクリート
製のブロック4を階段状に積み上げ、各ブロック4内に
客土5を搬入して潅木などの植物6を植設して緑化が図
られている。
【0003】このような先行技術では、多くのコンクリ
ートブロック4を必要とし、材料コストが高価になって
しまうという問題がある。また、この先行技術では、の
り面が急勾配の既設の擁壁には実施することができない
という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、既設の擁壁などの土留構造物にのり面の勾配に拘
わらず実施可能であり、しかも安価な材料コストで実施
することができる土留構造物の植生緑化装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)土留構
造物14ののり面20から突出し、横方向に間隔をあけ
て打込まれた複数のアンカー21と、 (b)受体23であって、 (b1)のり面20から突出した複数のアンカー21の
上部に共通に溶接によって固定され、一側部がのり面2
0に臨む偏平な細長い端板29と、 (b2)端板29の長手方向に間隔をあけて配置される
複数の張出部材28であって、のり面20から突出して
水平に延び、基端部が端板29上に固定される水平部3
1と、水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上
る立上り部33とを有する張出部材28と、 (b3)端板29と前記遊端部との間で端板29に平行
に配置され、複数の各水平部31に、溶接によって共通
に連結される補強用連結棒30とを有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、端板29と、張出部材
28とによって形成される収納空間に設けられる客土2
4とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化装置
である。
【0006】また本発明は、(a)土留構造物14のの
り面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、
外ねじ35を有する複数のアンカー21と、 (b)受体23であって、 (b1)のり面20から突出した複数のアンカー21の
外ねじ35が挿通する挿通孔36を有し、のり面20に
当接される偏平な細長い端板29と、 (b2)端板29の長手方向に間隔をあけて配置される
複数の張出部材28であって、のり面20から突出して
水平に延び、基端部が端板29上に固定される水平部3
1と、水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上
る立上り部33とを有する張出部材28と、 (b3)端板29と前記遊端部との間で端板29に平行
に配置され、複数の各水平部31の上部に、溶接によっ
て共通に連結される補強用連結棒30とを有する受体2
3と、 (c)外ねじ35に螺合し、端板29を、のり面20と
の間で、取付けるナット38と、 (d)受体23ののり面20と、端板29と、張出部材
28とによって形成される収納空間に設けられる客土2
4とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化装置
である。
【0007】また本発明は、(a)土留構造物14のの
り面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、
のり面20から突出した第1フック状部分39を有する
複数の第1鉄筋40と、 (b)受体23であって、 (b1)前記横方向に各第1鉄筋40に対応して間隔を
あけて配置される複数の張出部材28であって、第1フ
ック状部分39にそれぞれ対応して設けられる第2フッ
ク状部材41と、各第2フック状部材41に連なっての
り面20から遠去かる方向に水平に延びる水平部31
と、水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る
立上り部33とを有する張出部材28と、 (b2)第1および第2フック状部分39,41に共通
に挿通される第2鉄筋43と、 (b3)第2フック状部分41と前記遊端部との間で、
第2鉄筋43に平行に配置され、複数の各水平部31
に、溶接によって共通に連結される補強用連結棒30と
を有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、張出部材28とによっ
て形成される収納空間に設けられる客土24とを含むこ
とを特徴とする土留構造物の植生緑化装置である。
【0008】また本発明は、(a)土留構造物14のの
り面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、
のり面20から突出した第1フック状部分39を有する
複数の第1鉄筋40と、 (b)受体23であって、 (b1)前記横方向に各第1鉄筋40に対応して間隔を
あけて配置される複数の張出部材28であって、第1フ
ック状部分39にそれぞれ対応して設けられる第2フッ
ク状部材41と、各第2フック状部材41に連なっての
り面20から遠去かる方向に水平に延びる水平部31
と、水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る
立上り部33とを有する張出部材28と、 (b2)相互に対応する第1および第2フック状部分3
9,41に共通に挿通されるボルト44と、 (b3)各ボルト44にそれぞれ連結されるナット45
と、 (b4)第2フック状部分41と前記遊端部との間で、
第2鉄筋43に平行に配置され、複数の各水平部31
に、溶接によって共通に連結される補強用連結棒30と
を有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、張出部材28とによっ
て形成される収納空間に設けられる客土24とを含むこ
とを特徴とする土留構造物の植生緑化装置である。
【0009】また本発明は、(a)セメントを含む複数
のブロック48が積重されて構成される土留構造物13
aであって、各ブロック48の下面50には、幅方向に
延びる滑動防止用突起51と、滑動防止用突起51より
も前方(図6、図7の左方)で幅方向に一直線状に延び
る下嵌合溝53と、下嵌合溝53から前方に延びる複数
の下位置決め溝57とが形成され、各ブロック48の上
面54には、下面50の滑動防止用突起51よりも背後
寄り(図6,図7の右方)で、上方に積重される滑動防
止用突起51に嵌り込む凹溝55と、下面50の下嵌合
溝53よりも背後寄りで、幅方向に一直線状に延びる上
嵌合溝56と、上嵌合溝56から前方に延びる複数の上
位置決め溝58とが形成される土留構造物13aと、 (b)受体49であって、 (b1)上部が上方に配置されるブロック48の下嵌合
溝53に嵌合し、下部が、下方のブロック48の上嵌合
溝56に嵌合する偏平な細長い端板29と、 (b2)張出部材61であって、前記下方のブロック4
8の上位置決め溝58と、前記情報のブロック48の下
位置決め溝57とに勘合し、基端部が端板29に固定さ
れ、遊端部がブロック48から前方に突出する水平部5
9と、水平部59の遊端部から上方に屈曲して立上る立
上り部60とを有する張出部材61と、 (b3)ブロック48の前方で、水平部59および立上
り部60に直角にそれぞれ固定され水平に延びる補強用
連結棒64とを有する受体49と、 (c)受体49ののり面20とブロック48の前面と、
張出部材61とによって形成される収納空間に設けられ
る客土とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化
装置である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、たとえば擁壁などである土留
構造物の表面にL字状の受体が取付けられ、この受体内
には植物が生育させるために客土が収容され、この客土
に植物が植設される。したがって前記先行技術のように
複数のブロックを積み重ねる必要がなくなり、急勾配で
あっても容易に受体が取付けられる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の土留構造物13
を示す断面図である。鉄筋コンクリート製の逆T型擁壁
14は、底版15と、底版15からほぼ直角に立設され
る立壁16とを有する。立壁16には塩化ビニル製の複
数の水抜パイプ17が埋設されて、立壁16の背後側に
設けられる裏込材18および埋戻土19内の土中水を排
出するように構成されている。
【0012】前記立壁16には、表面であるのり面20
から部分的に突出してホールインアンカー21が打込ま
れ、各ホールインアンカーには受体23がそれぞれ固定
される。前記のり面20は、たとえば1:0.1程度の
勾配を有し、このようなのり面20と前記受体23とに
よって客土24が保持され、この客土24には植物25
が植設される。前記客土24は、植物25の枯損または
生育不足を防ぐために、保肥力および保水力を有する土
壌が用いられる。このような客土24の保水性を高める
ために、真珠岩を熱処理したパーラメントを混合するよ
うにしてもよく、また保肥性を高めるために有機質改良
材を容積にして約20%混合するようにしてもよい。ま
た植物25は、たとえばコトネアスター、ハイビャク
シ、西洋チズタ、ヒラドツツジおよびアメリアなどの耐
環境性の高い植物が選ばれる。
【0013】このようにして人工的な冷たい印象をもた
せるのり面20に植物25を植設して容易に緑化するこ
とができ、修景効果を向上することができる。
【0014】図2は、受体23の擁壁への取付構造を説
明するための一部の斜視図である。既設の擁壁14に前
記受体23を取付けるにあたっては、立壁16に予め定
める間隔をあけてドリルなどによってアンカーホール2
6を穿孔し、このアンカーホール26内にたとえば異型
鉄筋などであるホールインアンカー21を挿入し、セメ
ントモルタルなどの充填材を充填して養生し、ホールイ
ンアンカー21を立壁16に予め植設しておく。
【0015】一方、受体23は工場などにおいて、組立
てられる。この受体23は、たとえば丸鋼などをL字状
に屈曲して形成される複数の張出部材28と、各張出部
材28の一端部が溶接によって長手方向に等間隔をあけ
て固定される鋼鉄製の端板29と、端板29と平行に配
置され、溶接によって各張出部材28を共通に連結する
補強用連結棒30とを有する。張出部材28は、水平に
延びる水平部31と、水平部31の長手方向一端部から
ほぼ直角に屈曲して立上がる立上り部33とを有する。
このような構成を有する受体23を予め工場などにおい
て組立てておき、現場に搬入してのり面20から突出す
るホールインアンカー21に溶接によって固定される。
このようにして既設の擁壁14に容易に受体23を取付
けることができる。
【0016】このような受体23を下から上にホールイ
ンアンカー21に固定しながら客土24を落とし込み、
その客土24の前面34に前記植物25が植設されるの
で、立上り部33が外部にほとんど露出することはな
く、外見上、擁壁14の存在を隠すことができる。
【0017】複数のアンカー21は、土留構造物14の
のり面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ
る。受体23は、端板29と張出部材28と補強連結棒
30とを有する。端板29は、のり面20から突出した
複数のアンカー21の上部に共通に溶接によって固定さ
れ、一側部がのり面20に臨む。複数の張出部材29
は、端板29の長手方向に間隔をあけて配置され、水平
部31はのり面20から突出して水平に延び、基端部が
端板29上に固定され、張出部材28は、水平部31の
遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る立上り部33を有
する。受体23は、端板29と前記遊端部との間で端板
29に平行に配置され、複数の各水平部31に、溶接に
よって共通に連結される補強用連結棒30とを有する。
客土24は、受体23ののり面20と、端板29と、張
出部材28とによって形成される収納空間に設けられ
る。
【0018】本発明の他の実施例として、図3に示され
るように、ホールインアンカー21の先端部に外ねじ3
5を刻設し、各張出部材28の水平部31に直角に端板
29を溶接によって固定して、前記ホールインアンカー
21の先端部が挿通する挿通孔36を形成し、現場にお
いて座金37を挿入した後、ナット38を締付けて受体
23を擁壁14に取付けるようにしてもよい。
【0019】複数のアンカー21は、土留構造物14の
のり面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ
る。受体23は、端板29と張出部材28と補強連結棒
30とを有する。端板29は、のり面20から突出した
複数のアンカー21の外ねじ35が挿通する挿通孔36
を有し、のり面20に当接される。複数の張出部材28
は端板29の長手方向に間隔をあけて配置され、水平部
31はのり面20から突出して水平に延び、基端部が端
板29上に固定され、張出部材28は水平部31の遊端
部からほぼ直角に屈曲して立上る立上り部33とを有
し、受体23は端板29と前記遊端部との間で端板29
に平行に配置され、複数の各水平部31の上部に、溶接
によって共通に連結される補強用連結棒30を有する。
ナット38は外ねじ35に螺合し、端板29を、のり面
20との間で、取付ける。客土24は受体23ののり面
20と、端板29と、張出部材28とによって形成され
る収納空間に設けられる。
【0020】また本発明の他の実施例として、図4に示
されるように、擁壁14の施工時に、フック状部分39
を有する鉄筋40を型枠内に配置しておき、また受体2
3の各張出部材28の端部にフック状部分41を形成し
ておき、これらのフック状部分39,41に鉄筋43を
挿通して前記型枠内にコンクリートを打設するようにし
てもよい。
【0021】複数の第1鉄筋40は、土留構造物14の
のり面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込ま
れ、のり面20から突出した第1フック状部分39を有
する。受体23は、張出部材28と第2鉄筋43と補強
連結棒30とを有する。複数の張出部材28は、前記横
方向に各第1鉄筋40に対応して間隔をあけて配置さ
れ、第1フック状部分39にそれぞれ対応して設けられ
る第2フック状部分41と、各第2フック状部材41に
連なってのり面20から遠去かる方向に水平に延びる水
平部31と、水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲し
て立上る立上り部33とを有する。また第2鉄筋43
は、第1および第2フック状部分39,41に共通に挿
通され、補強用連結棒30は、第2フック状部分41と
前記遊端部との間で、第2鉄筋43に平行に配置され、
複数の各水平部31に、溶接によって共通に連結され
る。客土24は、受体23ののり面20と、張出部材2
8とによって形成される収納空間に設けられる。
【0022】さらに本発明の他の実施例として、図5に
示されるように、各フック状部分39,41にボルト4
4を挿通してナット45を締付けて連結するようにして
もよい。
【0023】複数の第1鉄筋40は、土留構造物14の
のり面20から突出し、横方向に間隔をあけて打込ま
れ、のり面20から突出した第1フック状部分39を有
する。受体23は、張出部材28とボルト44とナット
45と補強連結棒30とを有する。複数の張出部材28
は、前記横方向に各第1鉄筋40に対応して間隔をあけ
て配置され、第1フック状部分39にそれぞれ対応して
設けられる第2フック状部材41と、各第2フック状部
材41に連なってのり面20から遠去かる方向に水平に
延びる水平部31と、水平部31の遊端部からほぼ直角
に屈曲して立上る立上り部33とを有する。ボルト44
は、相互に対応する第1および第2フック状部分39,
41に共通に挿通され、ナット45は、各ボルト44に
それぞれ連結され、補強用連結棒30は、第2フック状
部分41と前記遊端部との間で、第2鉄筋43に平行に
配置され、複数の各水平部31に、溶接によって共通に
連結される。客土24は、受体23ののり面20と、張
出部材28とによって形成される収納空間に設けられ
る。
【0024】図6は、本発明の他の実施例を示す土留構
造物13aの断面図である。本実施例の土留構造物13
aは、複数(本実施例では6)の軽量ブロック48が積
重され、各軽量ブロック48間に受体49が挟持された
構成を有する。各軽量ブロック48は、セメントに水と
砂とを所定の配合比で混合したセメントモルタルに起泡
剤を混合して型枠内で硬化させて製造することができ、
その単位体積重量は起泡量に応じて約0.6〜1.2t
/m3 の範囲で調整可能である。このような材料から成
る軽量ブロック48は、図7に示されるように、下面5
0には滑動防止用の突起51が形成されるとともに、幅
方向に一直線状に延びる嵌合溝53が形成される。また
上面54には、その上方に積重される突起51が嵌り込
む凹溝55と、嵌合溝56とが形成される。さらに前記
下面50および上面54には、前記嵌合溝53,56か
ら長手方向一端部にわたって延びる複数の半円状の位置
決め溝57,58が形成される。
【0025】また受体49は、図8に示されるように、
水平部59と立上り部60とが90°未満の角度θを成
してL字状に屈曲して形成される複数の張出部材61
と、各張出部材61の水平部59がほぼ直角に溶接によ
って固定される端板63と、各張出部材61に直角に固
定される複数の補強用連結棒64とを有する。この角度
θは、たとえば60〜90°である。これらの張出部材
61および補強用連結棒64は、たとえばφ6〜φ19
程度の丸鋼が用いられ、また端板63は鋼板が用いられ
る。これらの張出部材61、端板63および補強用連結
棒64の表面は、防錆処理されている。
【0026】このような受体49は、図9に示されるよ
うに、軽量ブロック48とその上方に積重される軽量ブ
ロックとによって挟持される。すなわち、端板63は上
下に隣接する各軽量ブロック48の嵌合溝53,56内
に嵌り込み、各張出部材61の水平部59は、上下方向
に対向する位置決め溝57,58間に嵌り込んで位置決
めされ、このようにして立上り部60が各軽量ブロック
48の壁面65から突出して各軽量ブロック48間に保
持される。このようにして各軽量ブロック48間に保持
された受体49の突出部分内に、下方から上方へ順次的
に客土24を挿入して、植物25が植設される。
【0027】土留構造物13aは、セメントを含む複数
のブロック48が積重されて構成され、各ブロック48
の下面50には、幅方向に延びる滑動防止用突起51
と、滑動防止用突起51よりも前方(図6、図7の左
方)で幅方向に一直線状に延びる下嵌合溝53と、下嵌
合溝53から前方に延びる複数の下位置決め溝57とが
形成される。また、各ブロック48の上面54には、下
面50の滑動防止用突起51よりも背後寄り(図6,図
7の右方)で、上方に積重される滑動防止用突起51に
嵌り込む凹溝55と、下面50の下嵌合溝53よりも背
後寄りで、幅方向に一直線状に延びる上嵌合溝56と、
上嵌合溝56から前方に延びる複数の上位置決め溝58
とが形成される。受体49は、端板29と張出部材61
と受体49とを有する。偏平な細長い端板29は、上部
が上方に配置されるブロック48の下嵌合溝53に嵌合
し、下部が、下方のブロック48の上嵌合溝56に嵌合
する。張出部材61は、前記下方のブロック48の上位
置決め溝58と、前記情報のブロック48の下位置決め
溝57とに勘合し、基端部が端板29に固定され、遊端
部がブロック48から前方に突出する水平部59と、水
平部59の遊端部から上方に屈曲して立上る立上り部6
0とを有する。受体49は、ブロック48の前方で、水
平部59および立上り部60に直角にそれぞれ固定され
水平に延びる補強用連結棒64とを有する。客土は、受
体49ののり面20とブロック48の前面と、張出部材
61とによって形成される収納空間に設けられる。
【0028】図1〜図9に示される実施例の受体23,
49は、図10に示されるようなL型擁壁66、図11
に示されるような重力式擁壁67、図12に示されるよ
うな石積式もたれ擁壁68および図13に示されるよう
な自立式鋼矢板壁69に対しても、好適に実施すること
ができる。なお、図13に示される自立式鋼矢板壁69
に受体23,49を設ける場合には、張出部材28,6
1を直接、鋼矢板69に溶接すればよい。
【0029】本発明のさらに他の実施例として、各受体
23,49ののり面20からの突出長を変えて、図14
に示されるように、犬走り70を設けるようにしてもよ
く、また図15に示されるように階段状に形成して複数
の小段71を設けるようにしてもよい。これらの犬走り
70および小段71に潅木73を植設し、またほぼ垂直
な立上り面74a,74b;75a〜75fには芝74
を植設するようにしてもよい。
【0030】以上のようにして、比較的簡単な構成で受
体23,49を安価に製造して、土留構造物ののり面を
容易に緑化することができる。特に本発明は、既設の擁
壁に前述の受体23,49を容易に設けることができる
ので、大掛かりな緑化工事を行う必要がなく、あらゆる
土留構造物に有利に実施することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の長
手棒状の張出部材によってL字状の受体を構成し、この
受体を土留構造物の表面に取付け、この受体内に客土を
収容して植物を植設するようにしたので、受体の構成が
簡単であり、また土留構造物への取付け作業が簡単であ
り、受体の製造コストおよびその受体の土留構造物への
取付けコストが少なくてすみ、安価に土留構造物を緑化
することができる。しかも前記受体は複数の棒状の張出
部材によって構成されるので、外見上、受体が外部に露
出して認識するおそれはなく、高い修景効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す土留構造物13の断面
図である。
【図2】図1に示される受体23と擁壁14との取付状
態を示す一部の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例の受体23と擁壁14との
取付構造を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例の受体23と擁壁14との
取付構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例の受体23と擁壁14との
取付構造を示す一部の分解斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す土留構造物13aの
断面図である。
【図7】軽量ブロック48を示す斜視図である。
【図8】受体49を示す斜視図である。
【図9】軽量ブロック48に受体49を装着した状態を
示す一部の斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すL型擁壁66の断
面図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す重力式擁壁67の
断面図である。
【図12】本発明の他の実施例の石積式もたれ擁壁68
の断面図である。
【図13】本発明の他の実施例の自立式鋼矢板壁69の
断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。
【図15】本発明のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。
【図16】典型的な先行技術を示す断面図である。
【符号の説明】
13,13a 土留構造物 14 逆T型擁壁 20 のり面 21 ホールインアンカー 23,49 受体 24 客土 25 植物 28,61 張出部材 29,63 端板 30,64 補強用連結棒 31,59 水平部 33,60 立上り部 48 軽量ブロック 66 L型擁壁 67 重力式擁壁 68 石積式もたれ擁壁 69 自立式鋼矢板壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/02 E02D 17/20 102 - 103 E02D 17/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)土留構造物14ののり面20から
    突出し、横方向に間隔をあけて打込まれた複数のアンカ
    ー21と、 (b)受体23であって、 (b1)のり面20から突出した複数のアンカー21の
    上部に共通に溶接によって固定され、一側部がのり面2
    0に臨む偏平な細長い端板29と、 (b2)端板29の長手方向に間隔をあけて配置される
    複数の張出部材28であって、 のり面20から突出して水平に延び、基端部が端板29
    上に固定される水平部31と、 水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る立上
    り部33とを有する張出部材28と、 (b3)端板29と前記遊端部との間で端板29に平行
    に配置され、複数の各水平部31に、溶接によって共通
    に連結される補強用連結棒30とを有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、端板29と、張出部材
    28とによって形成される収納空間に設けられる客土2
    4とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化装
    置。
  2. 【請求項2】 (a)土留構造物14ののり面20から
    突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、外ねじ35を
    有する複数のアンカー21と、 (b)受体23であって、 (b1)のり面20から突出した複数のアンカー21の
    外ねじ35が挿通する挿通孔36を有し、のり面20に
    当接される偏平な細長い端板29と、 (b2)端板29の長手方向に間隔をあけて配置される
    複数の張出部材28であって、 のり面20から突出して水平に延び、基端部が端板29
    上に固定される水平部31と、 水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る立上
    り部33とを有する張出部材28と、 (b3)端板29と前記遊端部との間で端板29に平行
    に配置され、複数の各水平部31の上部に、溶接によっ
    て共通に連結される補強用連結棒30とを有する受体2
    3と、 (c)外ねじ35に螺合し、端板29を、のり面20と
    の間で、取付けるナット38と、 (d)受体23ののり面20と、端板29と、張出部材
    28とによって形成される収納空間に設けられる客土2
    4とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化装
    置。
  3. 【請求項3】 (a)土留構造物14ののり面20から
    突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、のり面20か
    ら突出した第1フック状部分39を有する複数の第1鉄
    筋40と、 (b)受体23であって、 (b1)前記横方向に各第1鉄筋40に対応して間隔を
    あけて配置される複数の張出部材28であって、 第1フック状部分39にそれぞれ対応して設けられる第
    2フック状部材41と、 各第2フック状部材41に連なってのり面20から遠去
    かる方向に水平に延びる水平部31と、 水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る立上
    り部33とを有する張出部材28と、 (b2)第1および第2フック状部分39,41に共通
    に挿通される第2鉄筋43と、 (b3)第2フック状部分41と前記遊端部との間で、
    第2鉄筋43に平行に配置され、複数の各水平部31
    に、溶接によって共通に連結される補強用連結棒30と
    を有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、張出部材28とによっ
    て形成される収納空間に設けられる客土24とを含むこ
    とを特徴とする土留構造物の植生緑化装置。
  4. 【請求項4】 (a)土留構造物14ののり面20から
    突出し、横方向に間隔をあけて打込まれ、のり面20か
    ら突出した第1フック状部分39を有する複数の第1鉄
    筋40と、 (b)受体23であって、 (b1)前記横方向に各第1鉄筋40に対応して間隔を
    あけて配置される複数の張出部材28であって、 第1フック状部分39にそれぞれ対応して設けられる第
    2フック状部材41と、 各第2フック状部材41に連なってのり面20から遠去
    かる方向に水平に延びる水平部31と、 水平部31の遊端部からほぼ直角に屈曲して立上る立上
    り部33とを有する張出部材28と、 (b2)相互に対応する第1および第2フック状部分3
    9,41に共通に挿通されるボルト44と、 (b3)各ボルト44にそれぞれ連結されるナット45
    と、 (b4)第2フック状部分41と前記遊端部との間で、
    第2鉄筋43に平行に配置され、複数の各水平部31
    に、溶接によって共通に連結される補強用連結棒30と
    を有する受体23と、 (c)受体23ののり面20と、張出部材28とによっ
    て形成される収納空間に設けられる客土24とを含むこ
    とを特徴とする土留構造物の植生緑化装置。
  5. 【請求項5】 (a)セメントを含む複数のブロック4
    8が積重されて構成される土留構造物13aであって、 各ブロック48の下面50には、 幅方向に延びる滑動防止用突起51と、 滑動防止用突起51よりも前方(図6、図7の左方)で
    幅方向に一直線状に延びる下嵌合溝53と、 下嵌合溝53から前方に延びる複数の下位置決め溝57
    とが形成され、 各ブロック48の上面54には、 下面50の滑動防止用突起51よりも背後寄り(図6,
    図7の右方)で、上方に積重される滑動防止用突起51
    に嵌り込む凹溝55と、 下面50の下嵌合溝53よりも背後寄りで、幅方向に一
    直線状に延びる上嵌合溝56と、 上嵌合溝56から前方に延びる複数の上位置決め溝58
    とが形成される土留構造物13aと、 (b)受体49であって、 (b1)上部が上方に配置されるブロック48の下嵌合
    溝53に嵌合し、下部が、下方のブロック48の上嵌合
    溝56に嵌合する偏平な細長い端板29と、 (b2)張出部材61であって、 前記下方のブロック48の上位置決め溝58と、前記情
    報のブロック48の下位置決め溝57とに勘合し、基端
    部が端板29に固定され、遊端部がブロック48から前
    方に突出する水平部59と、 水平部59の遊端部から上方に屈曲して立上る立上り部
    60とを有する張出部材61と、 (b3)ブロック48の前方で、水平部59および立上
    り部60に直角にそれぞれ固定され水平に延びる補強用
    連結棒64とを有する受体49と、 (c)受体49ののり面20とブロック48の前面と、
    張出部材61とによって形成される収納空間に設けられ
    る客土とを含むことを特徴とする土留構造物の植生緑化
    装置。
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