JP3079724B2 - 高密度ito焼結体の製造方法 - Google Patents

高密度ito焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度なITO焼結体を
熱間等方圧プレス(以下、HIPと略する)焼結によっ
て製造する方法に関する。本発明で得られる焼結体は、
特に高密度でかつ還元されにくいのでITOスパッタリ
ングタ−ゲットとして有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、ITO透明導電膜の製膜方法とし
てスパッタリング法が広く用いられている。この様なス
パッタリングで高性能な透明導電膜を形成するタ−ゲッ
トとしては高密度なITO焼結体が優れていることが知
られている。これまで高密度なITO焼結体を製造する
方法が幾つか提案されている。例えば常圧焼結では、原
料粉末に極めて微細なITO粉末を用いたり、焼結雰囲
気を酸素雰囲気とする方法があり、一方加圧焼結では熱
間一軸方向プレス(ホットプレス:HP)、HIP等が
知られている。
【0003】前者の常圧焼結では、ITO焼結体の密度
は原料粉末の粒度に大きく依存し、高密度焼結体を得る
には極めて高度な粉末調製技術が必要であった。一方後
者の加圧焼結では、焼結が還元雰囲気あるいは脱気雰囲
気であったため、焼結体密度は向上するが焼結体が還元
され、タ−ゲットとしての性能は必ずしも十分なものと
は言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ITOをH
IPによって焼結させる際、焼結雰囲気を酸素雰囲気と
することにより、還元がない高性能な高密度ITO焼結
体を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はHIPによ
ってITOを焼結させる際、焼結雰囲気を酸素雰囲気と
し、用いる缶体にITOと反応しにくいアルミナもしく
は窒化硼素等をコ−ティングした缶体を用い、さらに比
較的低温(1100℃以下)、高圧(100kg/cm
以上)で焼結させることにより、理論密度の90%以
上の高密度で、還元されないITO焼結体が容易に得ら
れることを見出し本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0006】以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0007】本発明の焼結ではHIPを用いて焼結する
が、その焼結雰囲気としては酸素雰囲気でなくてはなら
ない。従来のHIP焼結では焼結雰囲気は脱気状態ある
いは、不活性ガス雰囲気が一般的であるが、その様な条
件では得られる焼結体が還元され好ましくない。本発明
のHIP焼結では焼結容器内に酸素を導入し、焼結体、
特に焼結体表面の還元を抑制することが可能である。酸
素の導入量は缶体の初期の圧力が数mmHgから1気圧
を用いるのが好ましい。
【0008】本発明の焼結に用いる容器としては、ニッ
ケル又は銅の缶体が適当である。特にこれらの缶体内部
に、アルミナコ−ティング、窒化硼素(BN)コ−ティ
ング、それらの多層コ−ティングを用いることにより、
缶体とITOとの反応を抑えることが可能である。特に
アルミナのコ−ティングはプラズマ溶射によるものの性
能が良い。コ−ティング層の厚さとしては、全体として
数十μm〜1000μm、好ましくは、100〜800
μmである。
【0009】本発明の焼結温度としては、1100℃以
下、100kg/cm以上の比較的低温、高圧条件が
好ましい。焼結温度が1100℃を越えると、缶体とI
TOとの反応が進行するため、好ましくない。一方、7
00℃未満では焼結密度が向上しないため好ましくない
場合があり、従って、焼結温度は700℃〜1100℃
が特に好ましい。
【0010】本発明の焼結圧力としては高いほうが好ま
しく、100kg/cm以上であることが好ましい。
100kg/cm未満の圧力では焼結密度が向上しに
くい。一方圧力の上限は特に規定されないが、250k
g/cm程度までが一般的に上げられる圧力の上限で
ある。
【0011】本発明の加圧焼結の時間は特に限定されな
いが、一般的に1時間から10時間、特に2時間から4
時間で十分である。
【0012】本発明で焼結させるITO粉末は特に限定
されないが、酸化インジウムに対し、酸化錫を5%から
15%含んだ混合粉末あるいは共沈粉末を用いることが
可能である。焼結用の缶体に充填する形態としては粉体
のままでも良いが、静水圧プレス(CIP)等により予
備成型した粉体を用いることも可能である。さらに10
00℃以下の低温で熱処理したITO仮焼結体を用いる
ことにより、缶体とITOの反応をさらに抑制すること
が可能である。
【0013】この様にして得られるITO焼結体は理論
密度の90%から100%(理論密度7.15g/cm
)であり、多くは95%から99%の極めて高密度な
焼結体となる。
【0014】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を説明するが、本
発明は実施例になんら限定されるものではない。
【0015】実施例1 酸化錫を10重量%混合した酸化インジウム粉末を金型
プレスで予備成型し、缶体内面よりプラズマ溶射アルミ
ナ−窒化硼素−プラズマ溶射アルミナの順で各200μ
mずつ3層コ−ティングした銅缶体に充填した。缶体内
部を脱気した後、酸素ガスを0.5気圧で封入し、95
0℃、200kg/cmで2時間HIP焼結させた。
得られたITO焼結体は密度98%(7.01g/cm
)の高密度であった。
【0016】得られた高密度ITO焼結体をタ−ゲット
として用い、DCマグネトロンスパッタリングにより透
明導電膜を成膜した。スパッタ条件は、1%酸素導入ア
ルゴン雰囲気、圧力0.5Pa、基板温度300℃のガ
ラス基板上に2W/cmで2000オングストロ−ム
の膜厚で成膜した。
【0017】得られた膜の比抵抗は1.4×10−4Ω
・cmの低抵抗で、膜の可視光透過率80%以上の透明
性に優れた透明導電膜が得られた。
【0018】比較例1 酸化錫を10重量%混合した酸化インジウム粉末を金型
プレスで予備成型し、ステンレス缶体に充填した。次に
缶体内部を脱気封入した後、1150℃、150kg/
cmで2時間HIP焼結させた。得られたITO焼結
体は密度95%(6.79g/cm)の高密度であっ
たが、焼結体と缶体が反応し、溶着しており、焼結体表
面が著しく還元され、缶の腐食が著しく一部ピンホ−ル
が発生した。
【0019】得られた高密度ITO焼結体をタ−ゲット
として用い、DCマグネトロンスパッタリングにより透
明導電膜を成膜した。スパッタ条件は、実施例1と同様
とした。得られた膜の比抵抗は2.5×10−4Ω・c
mで、膜の可視光透過率75%程度の比較的導電性、透
明性に劣った透明導電膜しか得られなかった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
より、原料粉末の粒度等に依存せず、高密度で還元され
ないITO焼結体を得ることが可能となり、この様な焼
結体はをタ−ゲットとして用いることにより極めて低抵
抗な透明導電膜を形成することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 C04B 35/457 C04B 35/645

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ITO粉末又はITO粉末成型体を缶体
    に充填し、熱間等方圧プレスによって焼結させる際、雰
    囲気を酸素雰囲気とすることを特徴とする高密度ITO
    焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間等方圧プレスによってITOを焼結
    させる際、焼結雰囲気を酸素導入雰囲気とし、内面にア
    ルミナ及び/又は窒化硼素をコ−ティングした容器を用
    い、1100℃以下、100kg/cm以上で焼結さ
    せることを特徴とする高密度ITO焼結体の製造方法。
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